JP6389971B1 - 穀物由来熟成品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化学調味料や麹菌を使用して発酵させることなく、穀物と塩の自然由来食材を使用して熟成させる穀物由来熟成品の製造方法の提供。
【解決手段】洗浄した穀物11aを所定時間水13に浸漬させる浸漬工程20と、水切り工程30と、必要に応じて炊き上げ工程40若しくは蒸し上げ工程若しくは焙煎工程と、必要に応じて粗熱除去工程50と、磨り潰し工程60と、練混工程70と、熟成工程80とから成り、洗浄した穀物11aを所定時間水13に浸漬させ、水切りした後に必要に応じて炊き上げ若しくは蒸し上げ若しくは煎り上げ且つ粗熱を取り除いた後に、磨り潰して塩12を混合して練り混ぜ、容器14詰めして常温下で所定期間寝かせて熟成させる手段を採用する米由来熟成品の製造方法10。
【選択図】図1

Description

本発明は、穀物由来熟成品の製造方法に関し、詳しくは、化学調味料や麹菌を使用して発酵させることなく、米等の穀物と塩の自然由来食材を使用して熟成させる穀物由来熟成品の製造方法に関するものである。
従来から、食材を醗酵させることで当該食物を美味しく食することができると共に長期保存に資することは知られており、かかる醗酵を手軽に行うことを可能にすべく、穀物や野菜、肉、魚などの食材に作用して甘味や旨味を生じさせる調味料又は漬物床として、塩麹を使用して調理する発酵液体調味料が注目を集めている。
該塩麹は、米麹に塩および水を混ぜて発酵させ、さらに熟成させた調味料であって、うま味と甘味と塩味とがバランス良く混ざった複雑な味わいを有した万能調味料とも言われ、注目を浴びている。そのような塩麹の中には酵素が含まれており、該酵素の働きによって野菜や肉、魚などの食材を漬け込むと、食材が持つ本来の旨味を引き出すことができるため、複雑な好ましい風味を醸し出す原料として、清酒や焼酎、みりんなどの酒類、そして味噌や醤油などの醸造調味料の製造においても、日本古来の製造方法として古くから用いられている。
上記のような液体調味料の製造や醗酵に関する従来技術として、例えば、天然物の塩漬け発酵方法及びその発酵抽出物に関し、より詳細には、生薬及び穀類などの天然物に一定量の塩を添加し、自然発酵させた後、これを溶媒で抽出することによって、人体に有害な腐敗菌、大膓菌及び嫌気性細菌など雑菌の繁殖を防止し、また悪臭などを除去し、既存の発酵方法より副作用が少なくて且つ安全な「天然物の塩漬け発酵方法及びその発酵抽出物」(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。また、原料に米および/もしくは米由来原料のみを使用することにより、小麦アレルギーや大豆アレルギーの患者が心配なく摂取可能で、かつ十分な風味、香り、色を有する「醤油様調味料及びその製造方法」(特許文献2参照)が提案され、公知技術となっている。さらに、液状で利用しやすく、種々の用途に利用可能な「発酵米ぬか液の製造方法、その発酵米ぬか液を利用した解凍軟化畜肉の製造方法、変色防止味噌の製造方法および変敗防止漬物の製造方法」(特許文献3参照)が提案され、公知技術となっている。またさらに、玄米を蒸した素材に麹を加えることにより、栄養価が高く、美味な野菜、各種の魚などの漬物床の漬物作成用材の製法と漬物作成用材、およびその漬物を得ることができる「蒸した玄米と麹の混合よりなる漬物作成用材の製法および漬物作成用材とその漬物」(特許文献4参照)が提案され、公知技術となっている。さらにまた、食材に作用して甘味や旨みを生じさせる塩麹について、その利点を維持しながら、調理や保存における取り扱いを容易化し、塩分の過剰摂取を防止することができる「調味料の製造方法及び調味料」(特許文献5参照)が提案され、公知技術となっている。そしてまた、塩こうじの機能を維持し、うま味と甘味と塩味とのバランスの良い、麹臭が少ない、かつ、利便性の高い、「液体調味料」(特許文献6参照)が提案され、公知技術となっている。そしてさらに、米糠スラリーに醤油麹を添加し、発酵熟成した後、これを濾過する「漬物用発酵調味液の製造方法」(特許文献7参照)が提案され、公知技術となっている。
しかしながら、上記従来技術における液体調味料の製造や醗酵に関するいずれの提案も、麹菌などを使用した製造方法ならびに発酵食品の提案であることから、製造段階ならびに食する段階で独特の発酵臭が漂うため、子供や若い人には敬遠されがちであると共に、製造段階においては麹菌を呼吸させる必要性があることから、定期的に撹拌する作業が必要であって煩雑な管理手間が強いられるものであった。
本出願人は、発酵食品における臭味や製造段階における管理手間の煩雑さに着目し、自然食品のみを使用して穀物や野菜、肉、魚などの食材に作用して食材が本来持っている甘味や旨味を引き出すことが可能な調味料を製造できないものかという着想下、化学調味料や麹菌を使用して発酵させることなく、米等の穀物と塩の自然由来食材を使用して熟成させる穀物由来熟成品の製造方法を開発し、本発明にかかる「穀物由来熟成品の製造方法」の提案に至るものである。
特表2011−512814号公報 特開2013−59298号公報 特開2004−147551号公報 特開2001−149003号公報 特開2013−106598号公報 特開2014−50352号公報 特開平7−75493号公報
本発明は、化学調味料や麹菌を使用して発酵させることなく、穀物と塩の自然由来食材を使用して熟成させる穀物由来熟成品の製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法は、洗浄した穀物を所定時間水に浸漬させる浸漬工程と、浸漬させた穀物を水切りする水切り工程と、水切りした穀物を常法により炊き上げる炊き上げ工程と、炊き上げた穀物の粗熱を取り除く粗熱除去工程と、粗熱を取り除いた穀物を磨り潰す磨り潰し工程と、磨り潰した穀物に塩を混合し練り混ぜる練混工程と、塩を練り混ぜた穀物を容器詰めして常温下で所定期間寝かせる熟成工程と、によって製造される手段を採る
また、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法は、洗浄した穀物を所定時間水に浸漬させる浸漬工程と、浸漬させた穀物を水切りする水切り工程と、水切りした穀物を所要時間蒸し上げる蒸成工程と、蒸し上げた穀物の粗熱を取り除く粗熱除去工程と、粗熱を取り除いた穀物を磨り潰す磨り潰し工程と、磨り潰した穀物に塩を混合し練り混ぜる練混工程と、塩を練り混ぜた穀物を容器詰めして常温下で所定期間寝かせる熟成工程と、によって製造される手段を採る。
さらに、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法は、洗浄した穀物を所定時間水に浸漬させる浸漬工程と、浸漬させた穀物を水切りする水切り工程と、水切りした穀物を所要時間焙煎する焙煎工程と、焙煎した穀物の粗熱を取り除く粗熱除去工程と、粗熱を取り除いた穀物を磨り潰す磨り潰し工程と、磨り潰した穀物に塩を混合し練り混ぜる練混工程と、塩を練り混ぜた穀物を容器詰めして常温下で所定期間寝かせる熟成工程と、によって製造される手段を採る。
またさらに、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法は、洗浄した穀物を所定時間水に浸漬させる浸漬工程と、浸漬させた穀物を水切りする水切り工程と、
水切りした穀物を磨り潰す磨り潰し工程と、磨り潰した穀物に塩を混合し練り混ぜる練混工程と、塩を練り混ぜた穀物を容器詰めして常温下で所定期間寝かせる熟成工程と、によって製造される手段を採る。
さらにまた、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法は、前記浸漬工程において、浸漬する時間が1〜20時間の範囲内である手段を採る。
そしてまた、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法は、前記磨り潰し工程において、穀物粒が6〜9割程度潰れる状態に練り混ぜる手段を採る。
そしてさらに、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法は、前記練混工程において、磨り潰した穀物に対し重量比0.5〜1.5の割合で塩が混合されて成る手段を採る。
またさらに、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法は、前記熟成工程において、寝かせる期間が10〜14ヶ月の範囲内である手段を採る。
さらにまた、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法は、使用される穀物として、米、大麦、小麦、裸麦、トウモロコシの中から選択される何れか一種若しくは複数種を混合したものである手段を採る。
本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法によれば、麹菌などによる発酵手段を使用することなく、単に熟成させることによって製造する方法を採用していることによって、製造段階ならびに完成品における発酵臭味を抑制することができると共に、麹菌を呼吸させるべく定期的に撹拌するといった煩雑な管理手間が不要であって、コストダウンにも資する、といった優れた効果を奏する。
また、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法によれば、化学調味料などを使用することなく自然素材をのみを使用して製造されることで、完成した穀物由来熟成品の安全性を確保することができ、しかも、野菜や肉、魚などの食材を漬け込む調味料として使用した際に、うま味と甘味と塩味とがバランス良く混ざった複雑な味わいを醸し出すことが可能になる、といった優れた効果を奏する。
さらに、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法によれば、製造段階で化学調味料を使用していないことから、穀物由来熟成品を調味料として食品に使用しても、化学調味料が食品中の水分と反応することによって起こる濁りや雑味の発生がないため、濁りにより日持ちせずに保存が利かないといったことがなく、雑味の取れた美味しい食品提供に資する、といった優れた効果を奏する。
またさらに、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法によれば、発酵手段を用いることなく熟成手段を用いていることによって、完成した穀物由来熟成品による麹アレルギーや麹菌が起因とされる大豆アレルギー症状を抑制することができる、といった優れた効果を奏する。
さらにまた、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法によれば、完成した穀物由来熟成品を漬物製造用の調味料として使用した際、素材の表面に軽くすり込んで袋詰めするとによって、次の日でも食することができる即効性と製造から20日程度経っても食することが可能な長期保存性を併せ持つ、といった優れた効果を奏する。
そしてまた、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法によれば、完成した穀物由来熟成品をお湯や出し汁に好みの分量を添加することで、旨味と塩味が加わった穀物由来の独特の熟成風味が効いたお吸い物が提供できる、といった優れた効果を奏する。
そしてさらに、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法によれば、完成した穀物由来熟成品を肉や魚に適量塗布して使用することで、肉や魚本来の旨味が引き出されると共に、穀物由来の独特の熟成風味が効いた味噌漬け風あるいは西京漬け風の料理の提供が可能となる、といった優れた効果を奏する。
さらにまた、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法によれば、完成した穀物由来熟成品を化粧品の製造工程で使用することにより、塩分による保湿効果や穀物由来の独特の効果が伴った化粧品を提供することができる、といった優れた効果を奏する。
本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法の第一の実施形態を示す説明図である。(実施例1) 本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法の第二の実施形態を示す説明図である。(実施例2) 本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法の第三の実施形態を示す説明図である。(実施例3) 本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法の第四の実施形態を示す説明図である。(実施例4)
本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法10は、洗浄した穀物11aを所定時間水13に浸漬させ、水切りした後に必要に応じて炊き上げ若しくは蒸し上げ若しくは焙煎し、必要に応じて粗熱を取り除いた後に磨り潰して塩12を混合して練り混ぜ、容器詰めして常温下で所定期間寝かせて熟成させる手段を採ったことを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法10の実施形態を、図面に基づき詳細に説明する。
尚、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる手法の範囲内で、適宜変更することができる。
図1は、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法10の第一の実施形態を示す説明図であり、(a)は製造工程を構成するフローチャート、(b)は製造工程の概略図である。
本実施形態にかかる穀物由来熟成品の製造方法10は、浸漬工程20と、水切り工程30と、炊き上げ工程40と、粗熱除去工程50と、磨り潰し工程60と、練混工程70と、熟成工程80と、で構成される。
本発明において、原料として使用される穀物11aについては、一般的な穀物の定義とされる「植物であって澱粉質を主体とする種子を食用とするもの」であれば、特に限定するものではないが、例えば米や大麦、小麦、裸麦、トウモロコシの中から選択される何れか一種を使用することが考えられ、あるいは、これらのうち複数種を混合したものを原料とすることも可能である。
浸漬工程20は、洗浄した穀物11aを所定時間水13に浸漬させる工程である。この浸漬工程20により、穀物11aに水分を充分に含侵させる。穀物11aが水分を充分に含侵するための時間は、穀物11aの種類や季節・環境によって異なるものであるが、例えば穀物11aとして米を使用した場合、温度の高い夏場は1乃至5時間程度、温度の低い冬場は16乃至20時間程度の時間を使って水13に浸漬させることで、米に充分な水分が含侵されることとなる。
水切り工程30は、上記浸漬工程20で水に浸漬させた穀物11aを水切りする工程である。具体的には、ざる等を利用して穀物11aと水13を分離し、余分な水13を排除すると共に、穀物11aの表面に付着している水13も可能な限り取り除く。
炊き上げ工程40は、上記水切り工程30で水切りした穀物11aを常法により炊き上げる工程である。具体的には、ガス釜や電気釜などの加熱調理容器内に水切りした穀物11aと適量の水13を投入して加熱して炊き上げるもので、一般的な炊飯器などを利用すれば足りる。尚、炊き上げに際し、穀物11aが通常より若干硬めに炊き上がるよう、投入する水13の量を若干少なめにして炊き上げることが好ましい。
粗熱除去工程50は、上記炊き上げ工程40で炊き上げた穀物11aの粗熱を取り除く工程である。粗熱を取り除くための具体的手法は、例えば常温下で所要時間(略1時間位)放置する自然冷却のほか、送風や冷蔵により強制的・人工的に冷却する手法も考え得る。本工程により、穀物11aの表面温度を下げることで、次工程での作業効率に資することとなる。
磨り潰し工程60は、上記粗熱除去工程50で粗熱を取り除いた穀物11aを磨り潰す工程である。具体的には、手作業で丹念に磨り潰す。このとき、穀物11aから炊き上げ時の粗熱が取り除かれているため、熱い中での手作業を無理強いされることなく磨り潰すことが可能である。尚、かかる磨り潰し作業は、手作業のほか、機械的に行う手法も採用可能である。この穀物11aの磨り潰し作業において、穀物11aに本来備わる風味や成分を有効に機能させるべく、穀物粒を完全に潰すまで磨り潰すのではなく、穀物粒が6〜9割程度潰れる状態、好ましくは7〜8割程度潰れる状態に磨り潰すことが望ましい。
練混工程70は、上記磨り潰し工程60で磨り潰された穀物11aに塩12を混合し練り混ぜる工程である。具体的には、磨り潰した穀物11aに適量の塩12を投入し、手作業で丹念に練り混ぜる。このとき、上記粗熱除去工程50にて穀物11aから炊き上げ時の粗熱が既に取り除かれているため、熱い中での手作業を無理強いされることなく練り混ぜることが可能である。尚、かかる練り混ぜ作業は、手作業のほか、撹拌機械など機械的に行う手法も採用可能である。
前記練混工程70において、穀物11aに混合される塩12については、天然塩であると人工塩であるとを問うものではないが、本発明の主眼の一つが化学調味料等を使用せず天然由来であることに鑑みると、天然塩を使用することが望ましい。穀物11aと塩12との割合について、穀物11aが1に対し塩12が重量比で0.5〜1.5の割合とする。この塩12の割合が重量比0.5より少ないと、完成する穀物由来熟成品11の塩分濃度が薄くなって、腐敗やカビ発生の原因となってしまう。逆に塩12の割合が重量比1.5より多いと、穀物11aに本来備わる風味や有効成分といったものが塩12でかき消され、単にしょっぱいだけのものとなってしまう。
尚、上記磨り潰し工程60と練混工程70とは、同時に行う態様であってもよい。すなわち、上記粗熱除去工程50で粗熱を取り除いた穀物11aに対し、塩12を混合した後に磨り潰しながら練り混ぜる態様も可能である。
熟成工程80は、上記練混工程60で塩12を練り混ぜた穀物11aを容器14に詰めて常温下で所定期間寝かせて熟成させる工程である。具体的には、常温下の直射日光を避けた暗所にて、保管しつつ熟成させる。寝かせる期間については、10〜14ヶ月といった概ね1年前後の期間で、寝かせることにより熟成され、最終的に穀物由来熟成品11が完成する。尚、常温下で寝かせるのではなく、温度環境を適宜設定可能な場所で寝かせることによって、熟成期間を短縮させることも可能である。具体的には、温度が高めであれば熟成が進み、温度が低ければ熟成の速度が落ちることとなるため、常時高めに温度設定した室内で寝かせることで、早期に製品を完成させることも可能である。
以上で構成される本実施形態にかかる穀物由来熟成品の製造方法10は、麹菌不使用であって製造段階ならびに完成品における発酵臭味を抑制することができると共に、麹アレルギーや麹菌が起因とされる大豆アレルギー症状を抑制することができ、また、化学調味料などを使用することなく自然素材をのみを使用して安全性が確保されつつ濁りや雑味の発生がなく保存性に優れ、煩雑な管理手間が不要であってコストダウンに資すると共に、食品や化粧品など広い用途に使用することが可能な穀物由来熟成品11を提供することができる。
尚、本発明における浸漬工程20と水切り工程30と炊き上げ工程40については、一般に存在する炊いた残り米(余ったご飯)を使用することで代替することができる。すなわち、炊いた残り米の粗熱を粗熱を取り除き(粗熱除去工程50)、粗熱が取り除かれた米を磨り潰し(磨り潰し工程60)、そこへ塩12を混合し練り混ぜ(練混工程70)、容器14に詰めて常温下で所定期間寝かせて熟成させる(熟成工程80)ことで、穀物11aとして米を採用した場合の穀物由来熟成品11を製造することが可能である。これにより、廃棄され得る余ったご飯の再利用に資することとなる。
他の実施例について、図2を用いて説明する。実施例1と同様の部分は省略する。図2は、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法10の第二の実施形態を示す説明図であり、(a)は製造工程を構成するフローチャート、(b)は製造工程の概略図である。
本実施形態にかかる穀物由来熟成品の製造方法10は、浸漬工程20と、水切り工程30と、蒸成工程42と、粗熱除去工程50と、磨り潰し工程60と、練混工程70と、熟成工程80と、によって構成されるもので、実施例1における炊き上げ工程40に代わって蒸成工程42を採用するものである。
蒸成工程42は、上記水切り工程30で水切りした穀物11aを所要時間蒸し上げる工程である。具体的には、適量の水13を入れた容器の上段に水切りした穀物11aを載置して加熱して蒸し上げるもので、一般的な蒸し器などを利用すれば足りる。尚、蒸し上げに際し、穀物11aが通常より若干硬めに蒸し上がるよう、蒸し時間について適宜調整することが好ましい。
以上で構成される本実施形態にかかる穀物由来熟成品の製造方法10は、実施例1における炊き上げ工程40に代わって蒸成工程42を採用するもので、炊き上げに比し穀物11aの硬さ具合の微調整が容易な上、実施例1と同様、麹菌不使用であって製造段階ならびに完成品における発酵臭味を抑制することができると共に、麹アレルギーや麹菌が起因とされる大豆アレルギー症状を抑制することができ、また、化学調味料などを使用することなく自然素材をのみを使用して安全性が確保されつつ濁りや雑味の発生がなく保存性に優れ、煩雑な管理手間が不要であってコストダウンに資すると共に、食品や化粧品など広い用途に使用することが可能な穀物由来熟成品11を提供することができる。
他の実施例について、図3を用いて説明する。実施例1と同様の部分は省略する。図3は、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法10の第三の実施形態を示す説明図であり、(a)は製造工程を構成するフローチャート、(b)は製造工程の概略図である。
本実施形態にかかる穀物由来熟成品の製造方法10は、浸漬工程20と、水切り工程30と、焙煎工程44と、粗熱除去工程50と、磨り潰し工程60と、練混工程70と、熟成工程80と、によって構成されるもので、実施例1における炊き上げ工程40に代わって焙煎工程44を採用するものである。
焙煎工程44は、上記水切り工程30で水切りした穀物11aを所要時間煎り上げることで焙煎する工程である。具体的には、フライパンなどの加熱調理器に水切りした穀物11aを投入して加熱して煎り上げるもので、浸漬工程20によって含浸された水分が加熱されることで、穀物11aの外表面は硬いまま内部が柔らかく仕上がるものである。尚、煎り上げ時間については、穀物11aの外表面がほんのり色付く程度であって、含浸された水分が蒸発しない程度の時間とする。
以上で構成される本実施形態にかかる穀物由来熟成品の製造方法10は、実施例1における炊き上げ工程40に代わって焙煎工程44を採用するもので、穀物由来熟成品11に焙煎による絶妙な香ばしさが加味されると共に、実施例1と同様、麹菌不使用であって製造段階ならびに完成品における発酵臭味を抑制することができ、また、麹アレルギーや麹菌が起因とされる大豆アレルギー症状を抑制することができ、さらに、化学調味料などを使用することなく自然素材をのみを使用して安全性が確保されつつ濁りや雑味の発生がなく保存性に優れ、煩雑な管理手間が不要であってコストダウンに資すると共に、食品や化粧品など広い用途に使用することが可能な穀物由来熟成品11を提供することができる。
他の実施例について、図4を用いて説明する。実施例1と同様の部分は省略する。図4は、本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法10の第四の実施形態を示す説明図であり、(a)は製造工程を構成するフローチャート、(b)は製造工程の概略図である。
本実施形態にかかる穀物由来熟成品の製造方法10は、浸漬工程20と、水切り工程30と、磨り潰し工程60と、練混工程70と、熟成工程80と、によって構成されるもので、実施例1乃至3における炊き上げ工程40や蒸成工程42、焙煎工程44を省略し、且つ、それに伴う粗熱除去工程50を省略し、水切り工程30の後に即、磨り潰し工程60を採用するものである。
本実施形態にかかる穀物由来熟成品の製造方法10では、炊き上げ工程40や蒸成工程42、焙煎工程44が省略される。これにより、該工程に伴う粗熱除去工程50も省略され、実施例1乃至3に比し工程全体の作業手間が簡略化されると共に、浸漬工程20によって穀物11a内には充分に水分が含浸されているため、炊き上げや蒸し上げた穀物11aに比べれば硬いものの、磨り潰すには充分な柔らかさを有し、故に磨り潰し工程60を特に支障なく行える。
以上で構成される本実施形態にかかる穀物由来熟成品の製造方法10は、実施例1と同様、麹菌不使用であって製造段階ならびに完成品における発酵臭味を抑制することができ、また、麹アレルギーや麹菌が起因とされる大豆アレルギー症状を抑制することができ、さらに、化学調味料などを使用することなく自然素材をのみを使用して安全性が確保されつつ濁りや雑味の発生がなく保存性に優れ、煩雑な管理手間が不要であってコストダウンに資すると共に、食品や化粧品など広い用途に使用することが可能な穀物由来熟成品11を提供することができる。
本発明にかかる穀物由来熟成品の製造方法及び該製造方法により製造される穀物由来熟成品は、従来の醗酵品と比較して、化学調味料や麹菌を使用して発酵させることなく、穀物と塩の自然素材を使用して熟成させることによって、製造段階ならびに完成品における発酵臭味を抑制することができると共に、麹アレルギーや麹菌が起因とされる大豆アレルギー症状を抑制することができ、また、安全性が確保されつつ濁りや雑味の発生がなく保存性に優れ、煩雑な管理手間が不要であってコストダウンに資すると共に、食品や化粧品など広い用途に使用することが可能な穀物由来熟成品を提供するものである。したがって、本発明にかかる「穀物由来熟成品の製造方法」の産業上の利用可能性は極めて大であるものと思料する。
10 穀物由来熟成品の製造方法
11 穀物由来熟成品
11a 穀物
12 塩
13 水
14 容器
20 浸漬工程
30 水切り工程
40 炊き上げ工程
42 蒸成工程
44 焙煎工程
50 粗熱除去工程
60 磨り潰し工程
70 練混工程
80 熟成工程

Claims (9)

  1. 洗浄した穀物を所定時間水に浸漬させる浸漬工程と、
    浸漬させた穀物を水切りする水切り工程と、
    水切りした穀物を常法により炊き上げる炊き上げ工程と、
    炊き上げた穀物の粗熱を取り除く粗熱除去工程と、
    粗熱を取り除いた穀物を磨り潰す磨り潰し工程と、
    磨り潰した穀物に塩を混合し練り混ぜる練混工程と、
    塩を練り混ぜた穀物を容器詰めして常温下で所定期間寝かせる熟成工程と、
    によって製造されることを特徴とする穀物由来熟成品の製造方法。
  2. 洗浄した穀物を所定時間水に浸漬させる浸漬工程と、
    浸漬させた穀物を水切りする水切り工程と、
    水切りした穀物を所要時間蒸し上げる蒸成工程と、
    蒸し上げた穀物の粗熱を取り除く粗熱除去工程と、
    粗熱を取り除いた穀物を磨り潰す磨り潰し工程と、
    磨り潰した穀物に塩を混合し練り混ぜる練混工程と、
    塩を練り混ぜた穀物を容器詰めして常温下で所定期間寝かせる熟成工程と、
    によって製造されることを特徴とする穀物由来熟成品の製造方法。
  3. 洗浄した穀物を所定時間水に浸漬させる浸漬工程と、
    浸漬させた穀物を水切りする水切り工程と、
    水切りした穀物を所要時間焙煎する焙煎工程と、
    焙煎した穀物の粗熱を取り除く粗熱除去工程と、
    粗熱を取り除いた穀物を磨り潰す磨り潰し工程と、
    磨り潰した穀物に塩を混合し練り混ぜる練混工程と、
    塩を練り混ぜた穀物を容器詰めして常温下で所定期間寝かせる熟成工程と、
    によって製造されることを特徴とする穀物由来熟成品の製造方法。
  4. 洗浄した穀物を所定時間水に浸漬させる浸漬工程と、
    浸漬させた穀物を水切りする水切り工程と、
    水切りした穀物を磨り潰す磨り潰し工程と、
    磨り潰した穀物に塩を混合し練り混ぜる練混工程と、
    塩を練り混ぜた穀物を容器詰めして常温下で所定期間寝かせる熟成工程と、
    によって製造されることを特徴とする穀物由来熟成品の製造方法。
  5. 前記浸漬工程において、浸漬する時間が1〜20時間の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の穀物由来熟成品の製造方法。
  6. 前記磨り潰し工程において、穀物粒が6〜9割程度潰れる状態に磨り潰すことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか記載の穀物由来熟成品の製造方法。
  7. 前記練混工程において、磨り潰した穀物に対し重量比0.5〜1.5の割合で塩が混合されて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の穀物由来熟成品の製造方法。
  8. 前記熟成工程において、寝かせる期間が10〜14ヶ月の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか記載の穀物由来熟成品の製造方法。
  9. 前記穀物由来熟成品の製造方法に使用される穀物が、米、大麦、小麦、裸麦、トウモロコシの中から選択される何れか一種若しくは複数種を混合したものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか記載の穀物由来熟成品の製造方法。
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