JP5525030B1 - 恒温恒湿装置、恒温恒湿処理物、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも短期間かつ容易に製造できるとともに、より導入しやすい低装備・簡易な構造の恒温恒湿装置を提供する。
【解決手段】恒温恒湿装置10は、被処理物Mを内部1に収容しこれを恒温恒湿状態に置く処理に供するための装置であり、内部1と外部との間には水封構造5が設けられており、これにより内部1を加圧状態に形成することが可能な構成とする。なお水封構造5は、労働安全衛生法令規定の第一種圧力容器適用外装置となるよう設計される。
【選択図】図1

Description

本発明は恒温恒湿装置、恒温恒湿処理物、およびその製造方法に係り、特に農林水産物加工分野または食品加工分野等において、被処理物の恒温恒湿処理を、簡易な構造の装置によって従来よりも短期間で行うことのできる、恒温恒湿装置、恒温恒湿処理物、およびその製造方法に関するものである。
ニンニクを熟成処理してなる熟成ニンニク(発酵ニンニク、黒ニンニク)を製造する方法としては、従来多くの技術的提案がなされている。たとえば後掲特許文献1には、無臭で適度な甘味を有し美味しく食することができ、必要量を恒常的に摂取可能な加工ニンニクを生産性良好に製造できる方法として、生ニンニクを蒸気雰囲気下で加熱処理(蒸し焼き)して無臭で甘味を有する加工ニンニク(製品ニンニク)を製造するにあたり、加熱処理時に生ニンニクから発生する蒸気を、密閉空間を形成可能であって内圧調整弁を備えた製品包装容器に閉じ込めながら蒸し焼きを行う技術が開示されている。
また特許文献2には、生ニンニク中の栄養成分の損失を伴わずに無臭ニンニクを得るために、2000〜7000気圧の圧力と、20〜70℃の温度によって、経済的に、不快臭を発する基質と反応するアリイナーゼを不活性化する技術が開示されている。
また特許文献3には、短期間で生ニンニクを熟成させニンニク特有の臭いを低減させた熟成ニンニクエキスを提供することを目的として、可撓性を有する袋体に内挿し密封した生ニンニクおよびセルラーゼを含む酵素を、50〜200MPaの圧力で30〜80℃の範囲内で熟成させ、エキス化作用のある酵素の至適温度に制御した状態で2日〜6日、好ましくは3日〜4日保持するという技術が開示されている。
特開2008−263871号公報「加工ニンニクの製造方法」 特開1995−087920号公報「無臭ニンニクの製造方法」 特開2011−087540号公報「熟成ニンニクエキス及びその製造方法」
近年、黒ニンニクの需要は拡大しており、より短期間で製造できるとともに、より低装備の装置を用いた簡便な製造方法が求められている。しかしながら、上述各文献開示技術も含め従来技術には、かかる要請を満足するものは存在しない。黒ニンニク以外でも、農林水産物加工分野または食品加工分野等において、被処理物の恒温恒湿処理を、簡易な構造の装置によって従来よりも短期間で行うことができれば便利である。
そこで本発明が解決しようとする課題は、従来技術の限界を踏まえ、従来よりも短期間かつ容易に製造できるとともに、より導入しやすい低装備・簡易な構造の恒温恒湿装置を提供することである。さらに、当該装置による恒温恒湿処理物およびその製造方法を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、水封構造を用いて内部の気圧を高めることによって熟成処理期間を短期化できることに想到し、これに基づいて上記課題の解決手段たる本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
(1) 被処理物を内部に収容しこれを恒温恒湿状態に置く処理(以下、「恒温恒湿処理」という。)に供するための農林水産物加工または食品加工用の恒温恒湿装置であって、該内部と外部との間には水封構造が設けられており、これにより該内部を加圧状態に形成することが可能であり、また、内部空気を強制排気するためのファンが設けられており、該水封構造は該ファンを含め複数箇所に設けられており、該水封構造により、内部の圧力上昇ならびに温度上昇の抑制、および、内部にて生成するガス中の不純物除去ならびに異臭除去がなされることを特徴とする、恒温恒湿装置。
(2) 前記水封構造は、労働安全衛生法令規定の第一種小型圧力容器適用外となるよう設計されていることを特徴とする、(1)に記載の恒温恒湿装置。
(3) 前記水封構造は水封仕切り板を備えて構成され、該水封仕切り板により前記内部の加圧状態を調整可能であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の恒温恒湿装置。
(4) 前記内部の加圧状態は、本装置において使用する最高のゲージ圧力をMPaで表した数値と内容積をm で表した数値との積(PV)が0.004以下の範囲で調整可能であることを特徴とする、(3)に記載の恒温恒湿装置。
(5) 前記水封仕切り板の深さを水面下0〜8cmの範囲にて調整することにより、前記内部の加圧状態を調整可能であることを特徴とする、(3)に記載の恒温恒湿装置。
(6) 農産物の発酵処理に用いられることを特徴とする、(1)ないし(5)のいずれかに記載の恒温恒湿装置。
(7) 発酵ニンニク(以下、「黒ニンニク」という。)製造に用いられることを特徴とする、(1)ないし(5)のいずれかに記載の恒温恒湿装置。
(8) (1)ないし(7)のいずれかに記載の恒温恒湿装置を用いて製造される、下記<A>の恒温恒湿処理物。
<A>黒ニンニク、その他の食品、またはその他の農林水産加工物
(9) (1)ないし(7)のいずれかに記載の恒温恒湿装置を用い、その内部に被処理物を収容し、所定の温湿度条件にて恒温恒湿処理することにより、下記<A>のいずれかの製造物を得る、恒温恒湿処理物製造方法。
<A>黒ニンニク、その他の食品、またはその他の農林水産加工物
(10) Brix糖度48の黒ニンニクを7日ないし10日間で得られることを特徴とする、(9)に記載の恒温恒湿処理物製造方法。
本発明の恒温恒湿装置、恒温恒湿処理物、およびその製造方法は上述のように構成されるため、これによれば、従来よりも短期間かつ容易に黒ニンニク、その他の恒温恒湿処理された被処理物を製造できる。しかも、恒温恒湿処理による熟成(発酵)状態は従来よりも均質性が向上し、製造物の品質を高めることもできる。
たとえば黒ニンニクの場合、従来の通常の装置を使用する方法では、21〜28日間程度を熟成(製品完成)までに要したところ、本発明によれば、7〜10日間程度で熟成させることができる。しかもその品質も、従来よりも甘みが増し、食感・食味ともに均質さが増すなど、向上させることができる。Brix糖度測定値は、平均で2〜3%、最高7%程も上昇させることができる。たとえば従来製法では45だったところ本発明装置によれば、最高で48の糖度のものを製造することができる。
その上本発明装置は、労働安全衛生法令規定の第一種圧力容器適用外であって、同法による規制を受けず、より簡易かつ低装備の構造の装置であるため、価格を低く抑えることができることとも相まって、経営規模の大きくない事業者であっても導入しやすい。その上、装置の操作・運転も簡単であり、高圧を扱うことに伴う危険性をなくすることができる。
さらに本発明の恒温恒湿装置、恒温恒湿処理物、およびその製造方法によれば、恒温恒湿処理(熟成処理、発酵処理)中に発生する異臭など製品にとって好ましくないガスを有効に除去できるため、恒温恒湿処理による黒ニンニク、その他の食品、またはその他の農林水産加工物等として、品質の高いものを提供することができる。
本発明恒温恒湿装置の基本構成を示す説明図である。 本発明恒温恒湿装置の具体的構成例を示す説明図である。 図2に示した本発明恒温恒湿装置に係る水封構造の作用を示す説明図である。 図2に示した本発明恒温恒湿装置に係る水封構造の作用を示す説明図である。 恒温恒湿装置実施例の構成を示す側断面視の説明図である。 図4に示す実施例について庫内の正面視の説明図である。 図4に示す実施例の縦断面視の説明図である。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明恒温恒湿装置の基本構成を示す説明図である。図示するように本恒温恒湿装置10は、被処理物Mを内部1に収容しこれを恒温恒湿状態に置く処理(恒温恒湿処理。)に供するための装置であって、内部1と外部との間には水封構造5が設けられており、これにより内部1を加圧状態に形成することが可能であることを、主たる構成とする。図において符号2、3、4、7、8およびWはそれぞれ、扉、本体、搬出入口、排気管、排気口および水封用液体を指す。
なお、水封構造5は、労働安全衛生法令規定の第一種圧力容器適用外となるよう設計されるものとする。第一種圧力容器除外装置とは、たとえば加圧炊飯機等の民生用器具のレベルである。第一種圧力容器は規定の合計積が0.004以上のものをいうが、一方本発明装置10の合計積は、後述する実施例のように0.00025程度である等、極めて低く、かつ第一種圧力容器の合計積規定をはるかに下回るものである。
かかる構成により本恒温恒湿装置10では、その内部1に被処理物Mが入れられて扉2が閉じられ、図示しない所定の恒温恒湿処理手段によって被処理物Mに対する恒温恒湿処理がなされるが、その際、水封構造5が内部1と外部との間に設けられていることによって、内部1には加圧状態が形成される。本装置10はかかる水封構造5の採用によって、労働安全衛生法令規定の第一種圧力容器適用外の要件を満たして設計されているため、内部1に形成される加圧状態も当然ながら、第一種圧力容器除外装置レベルの低圧であり、危険性がない。
そして、かかる加圧状態が形成されることによって、被処理物の恒温恒湿処理が促進され、従来よりも短期間かつ容易に黒ニンニクその他の恒温恒湿処理された被処理物すなわち製造物を製造することができる。しかも、恒温恒湿処理による熟成(発酵)状態は従来よりも均質性が向上し、製造物の品質も高められる。
水封構造5は水の水頭圧を利用したものであり、装置の内部1(庫内)と外部とを水などの水封用液体Wで遮断している。したがって庫内は密閉状態になっており、これにより内部1における熱の拡散や湿度の拡散が有効に防止される。たとえば庫内の内圧が温度上昇により高くなったとき、加湿蒸気が噴霧されて内圧が高くなったとき、あるいはまた被処理物Mから生じる発酵ガス置換のために外気取り入れ送風ブローが作動したとき等、内部1の気圧が外部の気圧より高くなった場合は、水封構造5の庫内側の水位が下がり、庫内からのガスは、水封用液体Wを通して、外部側へと逃げていく。このようにして庫内気圧が徐々に低下していき、外部気圧との均衡が取れると、庫内側の水位は上がり、確実な密閉状態へと戻る(なお、後出図3A等により、説明を加える)。
このようにして、本発明恒温恒湿装置10においては、水封構造5によって内部1の圧力(気圧)上昇ならびに温度上昇が抑制される上、さらに内部1にて生成する排ガス中の不純物も、水封用液体Wに溶出させることによって除去することができる。
図2は、本発明恒温恒湿装置の具体的構成例を示す説明図である。図示するように本恒温恒湿装置210は、複数の水封構造25、26等が設けられた構成とすることができる。水封構造を複数設けることにより、あくまでも第一種圧力容器適用外の範囲内である条件を満たしつつ、より高い加圧状態を内部21に形成することができる。
図では、本体23上の通常排気(ファン等の強制排気手段を特に用いない排気)用の箇所に設けた水封構造25と、ファン29Fによる強制排気用の箇所に設けた水封構造26、計二個の水封構造を備えた構成であるが、本発明はこれに限定されず、三個以上を設けた構成であってもよい。
図3A、3Bは、図2に示した本発明恒温恒湿装置に係る水封構造の作用を示す説明図である。図示するように本恒温恒湿装置210では、水封構造25は水封仕切り板25Aを備えて構成され、水封仕切り板25Aにより内部の加圧状態が適切に調整される。なお、各図では通常排気箇所の水封構造25について示すが、図2の水封構造26についても同様である。
図2、3Aおよび3Bにより、本恒温恒湿装置210における作用を具体的に説明する。
被処理物(図示せず)を搬出入口24から内部21に入れ、扉22を閉めると、水封構造25、26においても水封により密閉状態が維持されているため、装置210の内部21は外部と完全に隔離され、気密状態となる。このとき水封構造25においては、図3Aに示すように、水封仕切り板25Aで仕切られた内側の方の気圧すなわち水封内側気圧(庫内気圧)Paと、外側の方の気圧すなわち水封外側気圧(大気圧)Pbとは、外部気圧(大気圧)Pxに等しく、水封用液体Wの水位も水封仕切り板25Aの両側において等しい。
装置210において恒温恒湿処理手段の運転が開始されると、水蒸気および空気が暖められて膨張し、庫内気圧が上昇していき、図3Bに示すように庫内気圧Pa’が外部気圧(大気圧)Pxよりも高くなると、水封構造25においては内側の水位が下がり、外側の水位は上がる。内側の水位が水封仕切り板25Aあたりまで低下すると、内部の空気は水封仕切り板25Aを越えて外側に移動し、このようにして内部の空気は排気口28から外に排出される。
なお、内部の空気の排出がなされる水封内側気圧(庫内気圧)Pa’は、水封仕切り板25Aを水封用液体W水面下に沈める深さ(挿入深さ)に比例し、依存する。したがって、恒温恒湿処理時の加圧状態の程度は、水封仕切り板25A等によって調節することができる。たとえば水封仕切り板25A等をスライド式や入れ子式にして上下調節可能に形成し、適宜に挿入深さを調節する構成としてもよい。もちろん、水封用液体Wの量によって調節することも可能である。
内部の空気が排出され、水封内側気圧(庫内気圧)と水封外側気圧(大気圧)Pbとの均衡が取れるようになると、水封内側気圧(庫内気圧)が図3Bに示すPa’から図3Aに示すPaに戻り、内側の水位が上がって密閉状態に戻る。このようにして、一定の圧力を上限とする加圧状態を、本恒温恒湿装置210の内部21に形成・維持することができる。
結局、本恒温恒湿装置210の内部21は常に外気から切り離され遮断されており、水封仕切り板25a等の挿入深さに比例する圧力をかけることのできる加圧状態を、常に形成可能である。なお、この圧力の範囲が労働安全衛生法に定める第一種圧力容器適用外の条件を満たして設定されることは、上述のとおりである。
なお、内部21の加圧状態は、本装置210において使用する最高のゲージ圧力をMPaで表した数値と内容積をmで表した数値との積(PV)が、0.004以下の範囲で調整可能であるものとすることができる。また、水封仕切り板25a等の深さを水面下0〜8cmの範囲にて調整することにより、内部21の加圧状態を調整するものとすることもできる。
本発明の恒温恒湿装置10は、第一種圧力容器適用外の装置としての軽度の加圧下による恒温恒湿処理を行う対象である限り、いかなる物をも被処理物Mとすることができる。すなわち、恒温恒湿装置10の内部1に被処理物Mを収容し、所定の温湿度条件にて恒温恒湿処理することによって、所望の恒温恒湿処理済みの製造物を得ることができる。とりわけ黒ニンニクその他の発酵食品の製造、農林水産物の発酵処理に対して、好適に用いることができる。
実施例として、発酵ニンニク(黒ニンニク)製造用の本発明恒温恒湿装置(以下、「黒ニンニク製造装置」)について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図4は、恒温恒湿装置実施例の構成を示す側断面視の説明図である。また、
図5は、図4に示す実施例について庫内の正面視の説明図、図6は、図4に示す実施例の縦断面視の説明図である。
<1> 黒ニンニク製造装置の仕様例
黒ニンニク製造装置4100の仕様を、下記のようにした。
<1−1> 本体のサイズ等
装置標準サイズ:W1500 D1700 H2000(mm ただし、扉・制御盤・攪拌ファンは除く)
有効庫内スペース:W1050 D1320 H1500(mm)
断熱壁厚み:75mm(寒冷地対応)
材質:ステンレス鋼 パッキン類はシリコン製
<1−2> 制御盤
液晶タッチパネル上で各制御数値を設定可能な、タッチパネル制御盤4108とした。
1)温度設定
乾熱設定:室温から80℃までの任意設定が可能。
湿熱設定:室温から98℃までの任意設定が可能。
2)湿度設定:外気湿度から100%まで可能。
3)運転プログラム設定:温湿度設定を4パターンまで設定可能。複雑な温湿度管理ができるため、製造にかかる人手・労力を軽減できる。
4)運転時間・換気時間・換気停止時間の各設定
5)モニター:制御内容等を表示するモニターによって、処理の進行状況を容易に確認できる。
<1−3> 熱源
庫内温度を80℃にすることの可能な熱容量を得られるものであれば、蒸気ボイラー、ヒートパイプ、電気熱機(遠赤外線含む)のいずれでもよく、またこれらを適宜に複合させることでもよい。本装置4100では、ボイラー蒸気を熱源とする加熱蒸気ヒーター4115とした。
<1−4> 蒸気式加湿器
高加湿状態を継続するため、また庫内温度低下を防止するため、ボイラーからの蒸気を制御しながら噴霧する。庫内温度を下げることなく、被処理物(品物)に結露を発生させることもなく、庫内空気に所望の湿度を与えることができる。
<1−5> 庫内循環シロッコファン
庫内空気を上部から吸い込み、下部の庫内空気循環ファン吹き出し口4113から噴出させる構造である。噴出する空気は、送風ダクト内を通過するため、熱を庫内の隅々まで運ぶ媒体となる。また、庫内に対流を発生させるため、被処理物の過熱による温度斑を防止・解消することができる。なお、庫内空気は10秒程度で新鮮なものに入れ替えることができる。
<1−6> 温湿度センサー
2本の測温抵抗体により庫内の温度を検知する温度制御センサー4110、湿度を検知する湿度制御センサー4109を取付け、制御に供する。
<1−7> 新鮮空気送風ファン
新鮮空気送風ファンは、シロッコファン4101、モーターバルブ4102、インバーターから構成し、制御盤4108からの信号により任意の時間作動でき、庫内に新鮮空気を吹き込み、庫内の発酵臭等のガスを強制排気する。
<1−8> 背面排気ダクト
冷えた空気が重力で降下する現象を応用し、庫内下部背面に排気ダクトを設け、庫内温度変化の分布を最小限に抑えて、排気する。ダクトの出口は発酵ガス熔解水封装置に接続する構造である。
<1−9> 発酵ガス熔解水封装置
庫内の内圧が外圧より高くなると、自動的に排気するようになっている。また、庫内温度の低下および排ガスに含まれる不純物を除去する。水封構造に係る水頭圧は、水封仕切り板(遮蔽板)5mm水没の条件で、0.000049MPaであり、第一種圧力容器基準を外れている。つまり、本装置4100における発酵ガス溶解水封装置4103の水封圧力は、本装置において使用する最高のゲージ圧力をMPaで表した数値と内容積をmで表した数値との積(PV)を用いれば、次のようになる。
水頭圧(0.000049MPa) × 体積(0.3×0.15×0.005 m)=0.000011
ただし、(0.3×0.15×0.005 m)は発酵ガス溶解水封装置4103の体積であるため、本黒ニンニク製造装置(恒温恒湿装置)4100全体が密閉庫と考えると、PVは次のようになる。
PV=水頭圧P(0.000049MPa)×体積V(1.5×1.7×2=5.1m)=0.00025
この数値は、労働安全衛生法令規定の第一種圧力容器のうち小型圧力容器及び(簡易)容器の規定 PV<0.004 と比較しても極めて小さく、本発明装置が第一種圧力容器適用外装置に該当し、安全性の高い装置であることを示す。なお、庫内発酵ガスは、発酵ガス溶解水封装置4103を通過させることによって、水中に不純物を溶出させて処理することができる。
<1−10> 活性炭消臭装置
発酵ガス溶解水封装置4103の通過によっても残ったガスは、活性炭消臭装置4104を通過させることによってそのほとんどを除去することができる。活性炭消臭装置4104としては、ハニカム状の活性炭ブロックを設置したものを用いた。無数の空洞により発酵臭気を吸収することができる。
<1−11> その他の仕様
警報機能として、庫内の温度異常をブザーで報知するようにした。また本装置では、ニンニク60g/個として、70個/段 × 18段/列 × 2列 として、約150kgのニンニクを一度に収容し、処理することができる。
<2> 黒ニンニク製造装置の運転例
ニンニクを搬出入口から内部に入れ、扉を閉めると、発酵ガス熔解水封装置4103においても水封により密閉状態が維持されているため、装置4100の内部は外部と完全に隔離され、気密状態となる。常温25℃から加熱のスイッチを入れると、中に設置してある加熱蒸気ヒーター4115により水蒸気および空気が暖められて膨張し、内圧が上昇する。しかし、発酵ガス熔解水封装置4103により、水封仕切り板の挿入深さに比例する圧力を超える程に外気よりも内部気圧が高くなると、内部空気は水封仕切り板を越えて外に排気される。
装置4100の上部には庫内循環シロッコファンが設けられており、ここにも発酵ガス熔解水封装置が備えてあり、内部と外部を切り離している。したがって装置4100内は常に外気と切り離されており、水封仕切り板の挿入深さに比例する圧力がかけられる。このようにして加圧状態が形成された庫内で、ニンニクの恒温恒湿処理(熟成、発酵)は、従来よりも促進される。
<3> 製造された黒ニンニクについて
約150kgのニンニクを原料として、本装置4100によって黒ニンニクを製造した。恒温恒湿処理(発酵処理)に要した期間は、7日間(約160時間)であり、21〜28日間もかかっていた従来技術と比較して、極めて短期間で製造することができた。しかもその品質は、従来よりも甘みが増し、食感・食味ともに均質さが増して、極めて優れたものとなった。Brix糖度測定値は、平均で2〜3%、最高7%程も上昇させることができた。従来製法では45だったところ本発明装置によれば、最高で48の糖度のものを製造することができた。
なお、各図において、加熱蒸気ヒーター4115や蒸気加湿ノズル4111は床に設置された状態で示されているが、これらを庫内循環空気用ダクト4116の内部に納めた形態とすることが、床に落ちるゴミ等の汚れを防止する点からも望ましい。
本発明の恒温恒湿装置、恒温恒湿処理物およびその製造方法によれば、従来よりも短期間かつ容易に黒ニンニク、その他の恒温恒湿処理された被処理物を製造できる。しかも本発明装置は第一種圧力容器適用外装置であるため、低価格化も容易、装置の操作・運転も簡単かつ危険性がない。しかも製造される恒温恒湿処理物においては異臭など好ましくないガスを有効に除去でき、高品質の製品が得られる。したがって、農林水産物加工、食品加工における場合を初めとする恒温恒湿処理の用いられるあらゆる産業分野、およびこれに関連するあらゆる分野において、産業上利用性が高い発明である。
1、21…内部
2、22…扉
3、23…本体
4、24…搬出入口
5、25、26…水封構造
25A、26A、26B…水封仕切り板
25S…水位センサー
29…強制排気部
29F…ファン
29M…ファン駆動手段
7、27…排気管
8、28…排気口
10、210…恒温恒湿装置
M…被処理物
Pa、Pa’…水封内側気圧(庫内気圧)
Pb…水封外側気圧(大気圧)
Px…外部気圧(大気圧)
W…水封用液体
4100…黒ニンニク製造装置
4101…シロッコファン
4102…給気用モーターバルブ
4103…発酵ガス溶解水封装置
4104…活性炭消臭装置
4105…排気塔
4106…庫内空気循環ファン
4107…庫内排気ダクト
4108…タッチパネル制御盤
4109…湿度制御センサー
4110…温度制御センサー
4111…蒸気加湿ノズル
4113…庫内空気循環ファン吹き出し口
4114…蒸気供給口
4115…加熱蒸気ヒーター
4116…庫内循環空気用ダクト
4117…庫内ドレーン排水管
4118…ドレーンピット







Claims (10)

  1. 被処理物を内部に収容しこれを恒温恒湿状態に置く処理(以下、「恒温恒湿処理」という。)に供するための農林水産物加工または食品加工用の恒温恒湿装置であって、該内部と外部との間には水封構造が設けられており、これにより該内部を加圧状態に形成すること可能であり、また、内部空気を強制排気するためのファンが設けられており、該水封構造は該ファンを含め複数箇所に設けられており、該水封構造により、内部の圧力上昇ならびに温度上昇の抑制、および、内部にて生成するガス中の不純物除去ならびに異臭除去がなされることを特徴とする、恒温恒湿装置。
  2. 前記水封構造は、労働安全衛生法令規定の第一種小型圧力容器適用外となるよう設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の恒温恒湿装置。
  3. 前記水封構造は水封仕切り板を備えて構成され、該水封仕切り板により前記内部の加圧状態を調整可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の恒温恒湿装置。
  4. 前記内部の加圧状態は、本装置において使用する最高のゲージ圧力をMPaで表した数値と内容積をmで表した数値との積(PV)が0.004以下の範囲で調整可能であることを特徴とする、請求項に記載の恒温恒湿装置。
  5. 前記水封仕切り板の深さを水面下0〜8cmの範囲にて調整することにより、前記内部の加圧状態を調整可能であることを特徴とする、請求項に記載の恒温恒湿装置。
  6. 農産物の発酵処理に用いられることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の恒温恒湿装置。
  7. 発酵ニンニク(以下、「黒ニンニク」という。)製造に用いられることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の恒温恒湿装置。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載の恒温恒湿装置を用いて製造される、下記<A>の恒温恒湿処理物。
    <A>黒ニンニク、その他の食品、またはその他の農林水産加工物
  9. 請求項1ないしのいずれかに記載の恒温恒湿装置を用い、その内部に被処理物を収容し、所定の温湿度条件にて恒温恒湿処理することにより、下記<A>のいずれかの製造物を得る、恒温恒湿処理物製造方法。
    <A>黒ニンニク、その他の食品、またはその他の農林水産加工物
  10. Brix糖度48の黒ニンニクを7日ないし10日間で得られることを特徴とする、請求項9に記載の恒温恒湿処理物製造方法。
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