JP3153127U - 青果物の殺菌処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】完熟した青果物に対しても品質低下を招くことなく確実な殺菌処理を行うことができる青果物の殺菌処理装置を提供する。【解決手段】気密チャンバ10内を仕切り板11で仕切って蒸気の循環室Mを形成し、循環室Mの一部に、処理対象の青果物Pを収容する処理かごTを引き出し自在且つ多段に並べて設置可能な処理かご設置部12を設ける。気密チャンバ10に、処理かご設置部12の少なくとも一面を全面開放する開放口13を形成すると共に開放口13を開放又は閉塞する気密扉を設ける。処理かご設置部12を除く循環室M内に、蒸気の循環流を形成する送風機21と加湿器22と加熱器23とを配備し、循環室M内における処理かご設置部12の上流側に温度・湿度検出器24を設置して、温度・湿度検出器24、送風機21,加湿器22,加熱器23の信号を入出力する作動制御部20を具備する。【選択図】図1

Description

本考案は、果実、野菜、根菜等の青果物に対して、殺菌処理を行うための殺菌処理装置に関するものである。
青果物の殺菌処理としては、従来は薬液を用いた洗浄処理が行われていたが、通常生で食される青果物に対しては食品の安全性の観点から適切な処理とは言い難い。これに対して、より安全性の高い洗浄処理としてオゾン水洗浄が採用されることもあるが、オゾン発生器等の高価な装備が必要になるので、一般農家での普及には問題がある。
安全性が高く、比較的安価な装備での殺菌処理としては、青果物を温湯に浸漬する温湯処理が行われることもある。
また、青果物に付着するミカンコミバエやウリミバエを殺虫するための装置としては、蒸気を使って加熱・加湿処理を行うものが普及している(下記特許文献1参照)。この殺虫装置は、蒸気を横方向に循環流通せしめる循環室と、この循環室内の蒸熱を縦方向に強制流通せしめる差圧殺虫筒とからなり、差圧殺虫筒内にミカンコミバエ,ウリミバエが付着する生果実を格納して、蒸熱により殺虫するものである。
特公昭61−1094号公報
前述したミカンコミバエやウリミバエは比較的低温の蒸熱処理(温度43℃、湿度90〜100%)で長時間処理(3時間程度)することで死滅することが知られており、前述した装置は、このような処理温度と処理湿度を保って長時間の処理を青果物に施すための装置である。
これに対して、青果物の表面に発生する細菌類を殺菌処理して病気の発生を抑制するためには、前述した殺虫処理よりも更に高い温度での処理が必要になる。例えば、マンゴー果実の果皮面に発生する黒色斑点は、炭疽病菌によるものと考えられているが、これに関与する菌類は、Colletotrichum属の炭疽病菌の他に、Alternaria属,Cladosporium属等の複数の糸状菌類があり、これらを殺菌処理するためには50℃以上の加熱処理が必要になる。
しかしながら、青果物に高温の加熱処理を行う場合には、品質低下を避けるためにその処理時間が重要であり、青果物自体の温度を過度に上げることなく、その表面に対して適当な温度での加熱処理を行うことが必要になる。特に、果実を樹上で完熟させた完熟果実は、良質な食味や果皮色によってその商品価値が非常に高くなるが、高温処理による品質低下がより顕著になることが問題になると共に、高温処理によって長距離輸送時の振動などで品質低下が起こりやすくなり、地方から都市部への商品供給を行い難くなる問題が生じる。
マンゴーを例にすると、国産の完熟マンゴーは完熟で収穫されていない外国産と比較して食味や果皮色が非常に優れており、高品質を維持することで高級果実として流通可能な価値がある。この完熟マンゴーは、今後鹿児島県の特産果樹として期待されている。しかしながら収穫時期が高温期であることに加えて、関東、関西の都市部へは遠距離輸送が必要になるため、鮮度・品質の維持に関する多くの課題を抱えている。流通時に果皮面に発生する炭疽病様の黒色斑点は、見栄えが悪く、商品価値を著しく低下させることになるので、これを確実に防除するための有効な殺菌処理が求められている。
従来、マンゴーの殺菌処理としては、収穫後、果実を48〜52℃の温湯中に直接10〜20分間浸漬する処理を行うことが提案されていたが、これでは果皮色のくすみや食味低下等の品質低下が避けられない問題があり、また、処理温度の管理に煩雑な操作が必要なことから、農作業者のみによって収穫後に円滑に処理作業を行うことができないという問題があった。
また、前述した蒸熱処理を行う殺虫装置を青果物の殺菌処理に転用することを考えた場合には、前述した従来技術の殺虫装置は長時間処理を行うことが前提となっているため、適条件での処理を品質低下が生じない短時間で行うことが困難である問題があった。また、前述した従来の殺虫装置では、適条件での処理を短時間のバッチ処理(回分処理)で行い、しかもバッチ処理を簡易に繰り返すことで、必要な処理能力を確保するという、完熟青果物の収穫後の処理に求められている作業体系を実行できないという問題があった。
本考案は、このような事情に対処するために提案されたものであって、高い安全性を確保しながら確実な殺菌処理を青果物に対して行うことができること、完熟した青果物に対しても品質低下を招くことなく確実な殺菌処理を行うことができること、煩雑な処理温度の管理が必要なく、農作業者のみで収穫後に円滑に処理作業を行うことができること、適条件でのバッチ処理を短時間で行い、しかもバッチ処理を簡易に繰り返すことで、必要な処理能力を確保できるという、収穫後の処理体系を実行できること、特に、完熟マンゴーの炭疽病様黒色斑点の発生抑制に対して、果実の品質低下を招くことなく確実に殺菌処理を行うことができ、収穫後の処理作業に際しては良好な作業性が得られること等が、本考案の目的である。
このような目的を達成するために、本考案は以下の特徴を少なくとも具備するものである。
設定された湿度及び温度に制御可能な気密チャンバを備え、前記気密チャンバ内を仕切り板で仕切って蒸気の循環室を形成し、前記循環室の一部に、処理対象の青果物を収容する処理かごを引き出し自在且つ多段に並べて設置可能な処理かご設置部を設け、前記気密チャンバに、前記処理かご設置部の少なくとも一面を全面開放する開放口を形成すると共に該開放口を開放又は閉塞する気密扉を設け、前記処理かご設置部を除く前記循環室内に、蒸気の循環流を形成する送風機と加湿器と加熱器とを配備し、前記循環室内における前記処理かご設置部の上流側に温度・湿度検出器を設置して、該温度・湿度検出器からの検出信号が入力され、前記送風機,加湿器,加熱器の作動信号を出力する作動制御部を具備し、前記送風機,加湿器,加熱器を作動させて前記気密チャンバ内の湿度及び温度が設定値になるように制御した状態で、前記処理かご設置部に処理対象の青果物を収容した処理かごを設置し、青果物表面の殺菌処理に要する時間だけ前記気密扉を閉塞して前記処理終了報知手段の作動後に前記気密扉を開放することを特徴とする青果物の殺菌処理装置。
本考案の実施形態に係る殺菌処理装置の構造を示した概念図である。 本考案の実施形態に係る殺菌処理装置の具体的な一例を示した外観図及び断面図である(同図(a)が正面図、同図(b)が側面図、同図(c)がA−A’断面図)。 図3は、カバーシートの装備例を示した説明図である(同図(a)が開放口の平面図、同図(b)が開放口内(処理かご設置部)のB−B’断面図)。 本考案の他の実施形態を説明するための説明図である。 本考案の他の実施形態を説明するための説明図である。
以下、本考案の実施形態を図面によって具体的に説明する。図1は、本考案の実施形態に係る殺菌処理装置の構造を示した概念図、図2は、同殺菌処理装置の具体的な一例を示した外観図及び断面図である(同図(a)が正面図、同図(b)が側面図、同図(c)がA−A’断面図)。
本考案の実施形態に係る青果物の殺菌処理装置1は、湿度及び温度を一定に制御可能な気密チャンバ10を備え、気密チャンバ10内を仕切り板11で仕切って蒸気の循環室Mを形成し、仕切り板11の一面と気密チャンバ10の内面とで画定された循環室Mの一部に、処理対象の青果物Pを収容する処理かごTを引き出し自在且つ多段に並べて設置可能な処理かご設置部12を設け、気密チャンバ10に、処理かご設置部12の少なくとも一面を全面開放する開放口13を形成すると共に開放口13を開放又は閉塞する気密扉14を設け、処理かご設置部12を除く循環室M内に、蒸気の循環流を形成する送風機21と加湿器22と加熱器23とを配備し、循環室M内における処理かご設置部12の上流側に温度・湿度検出器24を設置して、温度・湿度検出器24からの検出信号が入力され、送風機21,加湿器22,加熱器23の作動信号を出力する作動制御部20を具備したものである。
気密チャンバ10は、例えば、内部空間の気密性が確保できる箱体であって、6面を金属壁で囲うことによって形成することができる。仕切り板11は、上部と下部で連通する左右の循環室MR,MLに気密チャンバ10内を仕切り、左右一方の循環室(例えばMR)に処理かご設置部12を設け、左右他方の循環室(例えばML)に、上から下に向けた蒸気の循環流を形成する送風機21を配備することができる。
処理かご設置部12は、仕切り板11の一面と該一面に対面する気密チャンバ10の内面間に形成された通気可能な多段の棚部15によって形成することができる。棚部15は、処理かごTの高さ以上の間隔をもってそれぞれが設置されている。この棚部15は、仕切り板11の一面と該一面に対面する気密チャンバ10の内面を架け渡すように形成しても良いが、図示のように、処理かごTをスライドさせながら引き出すことができる一対のガイドレール15Aによって形成することもできる。何れの場合も、循環流の流れを妨げない通気流路が確保されていることが必要である。
また、図示の例では、左右他方の循環室(例えば、ML)に、加湿器22,送風機21,加熱器23を上流側から順に配置し、循環室MLの側面に点検口16を形成すると共に点検口16を開放又は閉塞する点検扉17を設けている。
作動制御部20は、送風機21,加湿器22,加熱器23の作動を制御するものであり、基本的な動作としては、操作パネル20Aの操作入力によって、送風機21,加湿器22,加熱器23のオンオフ或いは出力調整を行う。また、温度・湿度検出器24からの検出信号に応じて、加湿器22と加熱器23の一方又は両方の出力制御を行って、気密チャンバ10内の湿度及び温度を設定状態に制御する。或いは、必要に応じて、循環室M内において処理かご設置部12の上流側圧力を検出する圧力検出器25を設け、この圧力検出器25からの検出信号に応じて、送風機21の出力を制御する。
加湿器22としては、電熱式の蒸気加湿器を用いることができ、温度・湿度検出器24としては、乾球温度と湿球温度を計測できる乾湿計を用いることができる。また、作動制御部20は、図2(a),(b)に示すように、気密チャンバ10の外壁に制御ボックスを設けて設置することができ、その制御ボックスの前面に操作パネル20Aを設けることができる。また、気密チャンバ10の前面には、図2(a)に示すように、温度・湿度検出器24に対応して開閉自在な点検口18を設けても良い。
このような実施形態によると、気密チャンバ10内を処理対象の青果物Pの殺菌処理に適する温度及び湿度に保ちながら、加湿器22で発生させた蒸気を送風機21で強制循環させ、青果物Pが収容された処理かごTを循環室M内の処理かご設置部12に多段に設置することで、複数の処理かごTに収容された青果物Pに対して、一括して均一な殺菌処理を行うことができる。ここで用いられる処理かごTは、収穫物の搬送用トレイなどを代用することができるが、十分な通気が確保できて処理対象の青果物Pの表面に蒸気の循環流が均一に触れることができることが必要である。
これによると、蒸気の循環流によって青果物Pを殺菌処理するので、蒸気の湿度及び温度を適正に制御することで確実な殺菌処理が可能であり、また、安全性の高い処理が可能になる。
このような殺菌処理装置を用いた処理手順を説明する。先ず、気密チャンバ10内を密封して、送風機21,加湿器22,加熱器23を作動させ、気密チャンバ10内を処理対象の青果物に対する殺菌処理に適する温度・湿度条件に均一化する。例えば、マンゴーの炭疽病様黒色斑点の発生抑制を目的とした殺菌処理であれば、温度48〜52℃,湿度90〜100%に設定する。
この条件が整ったことを、例えば操作パネル20Aの表示部などで確認した後、気密扉14を開けて開放口13を開放し、処理かご設置部12に処理対象の青果物Pが収容された処理かごTを速やかに設置し、気密扉14を閉じて開放口13を閉塞する。この時点で殺菌処理が開始されたことになるので、青果物の品質低下が生じない処理時間を計時して、処理時間経過後には速やかに気密扉14を開けて開放口13を開放し、処理かご設置部12から処理済みの青果物Pが収容された処理かごTを取り出す。
ここで、殺菌処理前には、気密チャンバ10内の雰囲気が設定された条件になっているので、処理かご設置部12に処理かごTを設置した直後に、青果物Pの表面に対して十分な殺菌処理が行われることになる。また、処理かご設置部12を気密チャンバ10内の循環室Mの一部に形成しているので、循環された加熱蒸気によって、多段に設置された処理かごT内の青果物Pに対して速やかに均一な処理を行うことができる。
また、必要な処理時間が経過した後には、気密扉14を開放するだけで処理かご設置部12の全体が開放口13に開放されることになるので、速やかに処理済みの処理かごTを引き出して気密チャンバ10から取り出すことができる。これによって、処理時間経過後に過剰に青果物Pを加熱処理することを防ぐことができ、完熟した青果物に対しても品質低下を招くことなく、十分に殺菌処理を行うことができる。
気密チャンバ10内の条件設定は、作動制御部20によって自動設定することができるので、作業者は煩雑な条件管理を行う必要がない。したがって、収穫後の作業として、農業作業者のみで円滑に殺菌処理作業を行うことができる。また、気密チャンバ10内では、蒸気を循環させながら処理前の条件設定を行うことができるので、速やか且つ安定的に気密チャンバ10内を必要な条件に均一化することができる。これによって、各処理前の準備時間を短くでき、殺菌処理の作業効率を向上させることができる。
収穫から殺菌処理に至るまでの作業体系を考えると、青果物の収穫量は収穫日毎に異なることが考えられるので、収穫物全体を一度に大量処理する大規模設備を用いるよりは、ある程度の量を一度に処理して、収穫量に応じて処理回数を増減させるバッチ処理による方が設備投資効率を考えると望ましい。
本考案の実施形態では、このようなバッチ処理を作業効率良く行うことができる。すなわち、前述した実施形態では、処理かご設置部12に設置できる処理かごTの数(図1の例では処理かご4個分)だけ一度に処理することができ、これを繰り返す回数で収穫量に応じた処理を行うことができる。また、各処理間のインターバルは、前述したように、蒸気流の循環による速やかな条件設定によって最小限に短縮することが可能であるので、処理回数が増えた場合にも効率的に作業を行うことが可能になる。
更に、処理かご設置部12の少なくとも一面を全面開放する開放口13に、開放口13を開放自在に覆うカバーシートを設けることで、前述したバッチ処理をより効率化することができる。処理かごTの取り出し又は設置時には、気密扉14を開いて開放口13を開放することが必要になり、このときには少なからず気密チャンバ10内の条件が設定条件から外れる(温度又は湿度が低下する)ことになるが、これを最小限に抑えるためには、開放口13を開放自在なカバーシートで覆うことが有効である。カバーシートは、例えば、断熱性,耐熱性を有し柔らかい可撓性樹脂シートが好ましい。
図3は、カバーシートの装備例を示した説明図である(同図(a)が開放口の平面図、同図(b)が開放口内(処理かご設置部)のB−B’断面図;前述した説明と重複する箇所には同一符号を付して重複説明を一部省略する。)。ここでは、カバーシート31を開放口13に架け渡された支持部材30から垂れ下げた状態で取り付けている。支持部材30は個々の棚部15毎に設けられており、個々の棚部15に設置された処理かごTに対して個別にカバーシート31が被せられている。これによると、一つの処理かごTを出し入れするときには、他の処理かごTの前面はカバーシート31で覆われていることになるので、処理かごTの出し入れ時に気密チャンバ10内の温度や湿度を過度に低下させることがない。
図1及び図2に示した実施形態の具体的な特徴を更に詳しく説明する。この実施形態では、仕切り板11によって、気密チャンバ10内の循環室Mを左右に仕切って、左側の循環室MRに処理かご設置部12を設け、右側の循環室MLに、上から下に向けた蒸気の循環流を形成する送風機21を配備しており、また、加湿器22,送風機21,加熱器23を上流側から順に配置している。
これによると、加湿器22から発生した蒸気が、送風機21で下方に送風される過程で加熱器23によって加熱されることになるので、処理かご設置部12が形成された右側の循環室MRでは、送風機21による強制循環に加えて加熱による上昇気流が作用することになり、下から上に向けた蒸気の流れを効率的に形成することができる。これによって、送風機21の駆動力を低く抑えた省エネ運転が可能になると共に、送風機21の低い駆動力でも適度に速い蒸気流を形成して、青果物の表面全体を確実に殺菌処理することが可能になる。
処理かご設置部12は、仕切り板11の一面と該一面に対面する気密チャンバ10の内面間に形成された通気可能な多段の棚部15によって形成されているので、処理かご設置部12を下から上に向けて流れる蒸気が、多段の棚部15に積層配置された処理かごT内に収容された青果物Pの間隙を流れる間に、全ての青果物Pに対して均一な殺菌処理を行うことが可能になる。
加湿器22,送風機21,加熱器23が配置された循環室MLの側面に点検口16を形成すると共に点検口16を開放又は閉塞する点検扉17を設けているので、非処理時には簡易に点検口16を開放して、加湿器22,送風機21,加熱器23の点検を行うことができる。特に、加湿器22への水供給を簡易に行うことができる。
図2に示すように、点検口18を温度・湿度検出器24に対応して設けたものでは、湿球温度検出のための水供給などのメンテナンスをこの点検口18から簡易に行うことが可能になる。
図4は、本考案の他の実施形態を説明するための説明図である。同図(a)に示す実施形態では、操作パネル20Aからの操作信号で、作動制御部20におけるタイマ手段20Bが作動し、作動制御部20が設定時間後に処理終了報知手段40を作動させる。作業者は、前述した処理かご設置部12に処理対象の青果物が収容された処理かごTを設置した後、気密扉14を閉じて、操作パネル20Aを操作し、処理開始を作動制御部20に知らせる。作動制御部20は、処理開始からタイマ手段20Bを作動させて設定時間後に処理終了を報知するための信号を処理終了報知手段40に出力する。処理終了報知手段40は表示装置又は警報装置を作動させて、作業者に処理が終了したことを報知する。
これによると、作動制御部20が処理開始から設定時間後の処理終了を報知する処理終了報知手段40を作動させるので、作業者はその報知に従って速やかに気密扉14を開放して、処理かごTを気密チャンバ10内から取り出すことができる。これによって、処理時間を超過して青果物に品質低下が生じるのを未然に防止することができる。この場合の設定時間は、処理対象の青果物に応じて、予め作動制御部20に設定入力しておく。
同図(b)に示した実施形態では、扉開閉検知手段41からの検知信号で、作動制御部20におけるタイマ手段20Bが作動し、作動制御部20が設定時間後に処理終了報知手段40を作動させる。作業者が、前述した処理かご設置部12に処理対象の青果物が収容された処理かごTを設置した後、気密扉14を閉じると、扉開閉検知手段41が気密扉14の閉塞を検知して、処理開始を作動制御部20に知らせる。作動制御部20は、処理開始からタイマ手段20Bを作動させて設定時間後に処理終了を報知するための信号を処理終了報知手段40に出力する。処理終了報知手段40は表示装置又は警報装置を作動させて、作業者に処理が終了したことを報知する。
これによると、処理の開始が気密扉14の閉塞によって自動的に作動制御部20に知らされ、これによってタイマ手段20Bが作動するので、作業者の操作入力の手間を省くことができる。また、気密扉14を閉塞した後に設定時間が経過すると確実に処理終了報知手段40が作動するので、入力し忘れによる処理時間の超過を防ぐことができる。
同図(c)は、同図(b)の機能に加えて、作動制御部20における扉状態判別手段20Eが、扉開閉検知手段41による気密扉14の開放・閉塞を検知する信号によって、設置時間経過後に気密扉14が開放されたか否かを判別し、設定時間経過後に気密扉14が開放されていない場合には、加熱器23及び/又は加湿器22の熱源の作動を停止する信号を出力する。
これによると、作動制御部20が、入力された気密扉14の開放・閉塞を検知する信号に基づいて、処理終了後に気密扉14の開放が検知されない場合には、加熱器23及び/又は加湿器22の熱源の作動を停止するので、気密扉14の開放が遅れて、処理対象の青果物が過剰に加熱されることで品質低下が生じることを未然に防止することができる。
図5は、本考案の他の実施形態を示す説明図である。これによると、作動制御部20は、気密チャンバ10内における処理かご設置部12の上流側圧力を検出する圧力検出信号が入力され、処理かごTに収容された青果物P表面での蒸気流速が設定流速になるように、圧力検出信号に応じて送風機21の作動を制御する。
青果物Pを効果的に殺菌処理するには、青果物Pの表面に沿って流れる蒸気流の流速を速くする方が好ましい。青果物Pが処理かごTに密に収容されている場合には、青果物P間の間隙が小さくなるので、設定された送風機21の送風量でも青果物P間の間隙を流れる蒸気流が絞られて速くなるが、処理かごT内での青果物Pの収容状態が疎の場合には、設定された送風機21の送風量では青果物Pの表面で十分な蒸気流の流速が得られず、青果物Pの表面温度を上昇させるのに時間がかかる問題がある。
処理かごTに収容されている青果物Pの疎密状態がどのような状態であっても、青果物Pの表面での蒸気流の流速が一定になるように、送風機21の送風量を制御する。これによって前述した問題を解決することができる。
この実施形態では、循環室M内で処理かご設置部12の上流側に圧力検出器25を配置し、圧力検出器25の圧力検出信号によって、作動制御部20の表面流速予測手段20Fが平均的な青果物P表面での蒸気流の流速を予測する。通常、圧力検出器25の検出圧力が高い場合には、青果物Pの表面での蒸気流速が速くなっており、圧力検出器25の検出圧力が低い場合には、青果物Pの表面での蒸気流速が低くなっていると予測することができる。この表面流速予測手段20Fの予測結果に基づいて、送風機21の送風量を制御し、青果物Pの収容状態の疎密に関係なく、一定の設定流速が得られるように制御する。
これによると、青果物Pの収容状態の疎密に関係なく、一定の短時間で青果物Pの表面温度を上昇させることができ、短時間で効果的に青果物Pを殺菌処理することが可能になる。
以上説明したように、本考案の実施形態によると、蒸気の循環流で青果物を殺菌処理するので、高い安全性を確保しながら確実な殺菌処理を行うことができる。また、処理終了後には、処理かご設置部12の少なくとも一面を全面開放する開放口13から、速やかに処理かごTを気密チャンバ10外に取り出すことができるので、設定された処理時間を経過して青果物Pを殺菌処理することを回避することができる。これによって、完熟した青果物であっても品質低下を招くことなく確実に殺菌処理を行うことができる。
蒸気流を気密チャンバ10内で循環させて、気密チャンバ10内をすぐに殺菌処理に必要な設定条件にすることができるので、バッチ処理を繰り返す場合の条件復帰が速やかになり、効率的なバッチ処理を行うことで、処理効率を高めることができる。
処理条件の設定は、作動制御部20による自動設定が可能であるので、作業者は煩雑な処理条件の管理を行う必要が無く、農作業者のみで収穫後に円滑な殺菌処理作業を行うことができる。また、異なる種類の青果物に対しても、設定条件を適宜変更することで対応が可能である。
特に、完熟マンゴーの炭疽病様黒色斑点の発生抑制に対して、果実の品質低下を招くことなく確実に殺菌処理を行うことができ、収穫後の処理作業に際しては良好な作業性が得られる。
1:殺菌処理装置,
10:気密チャンバ,11:仕切り板,12:処理かご設置部,13:開放口,
14:気密扉,15:棚部,16:点検口,17:点検扉,18:点検口,
20:作動制御部,21:送風機,22:加湿器,23:加熱器,
24:温度・湿度検出器,25:圧力検出器,
30:支持部材,31:カバーシート,
40:処理終了報知手段,41:扉開閉検知手段

Claims (7)

  1. 設定された湿度及び温度に制御可能な気密チャンバを備え、
    前記気密チャンバ内を仕切り板で仕切って蒸気の循環室を形成し、
    前記循環室の一部に、処理対象の青果物を収容する処理かごを引き出し自在且つ多段に並べて設置可能な処理かご設置部を設け、
    前記気密チャンバに、前記処理かご設置部の少なくとも一面を全面開放する開放口を形成すると共に該開放口を開放又は閉塞する気密扉を設け、
    前記処理かご設置部を除く前記循環室内に、蒸気の循環流を形成する送風機と加湿器と加熱器とを配備し、
    前記循環室内における前記処理かご設置部の上流側に温度・湿度検出器を設置して、該温度・湿度検出器からの検出信号が入力され、前記送風機,加湿器,加熱器の作動信号を出力する作動制御部を具備し、
    前記作動制御部は、処理開始から設定時間後の処理終了を報知する処理終了報知手段を作動させ、
    前記送風機,加湿器,加熱器を作動させて前記気密チャンバ内の湿度及び温度が設定値になるように制御した状態で、前記処理かご設置部に処理対象の青果物を収容した処理かごを設置し、青果物表面の殺菌処理に要する時間だけ前記気密扉を閉塞して前記処理終了報知手段の作動後に前記気密扉を開放することを特徴とする青果物の殺菌処理装置。
  2. 前記仕切り板は、上部と下部で連通する左右の循環室に前記気密チャンバ内を仕切り、左右一方の循環室に前記処理かご設置部を設け、左右他方の循環室に、上から下に向けた蒸気の循環流を形成する前記送風機を配備すると共に、前記加湿器,前記送風機,前記加熱器を上流側から順に配置したことを特徴とする請求項1に記載された青果物の殺菌処理装置。
  3. 前記処理かご設置部は、前記仕切り板の一面と該一面に対面する前記気密チャンバの内面間に形成された通気可能な多段の棚部からなることを特徴とする請求項2に記載された青果物の殺菌処理装置。
  4. 前記加湿器,送風機,加熱器が配置された循環室の側面に点検口を形成すると共に該点検口を開放又は閉塞する点検扉を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載された青果物の殺菌処理装置。
  5. 前記処理かご設置部の少なくとも一面を全面開放する開放口には、該開放口を開放自在に覆うカバーシートが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された青果物の殺菌処理装置。
  6. 前記作動制御部は、前記気密扉の開放・閉塞を検知する信号が入力され、前記処理終了後に前記気密扉の開放が検知されない場合には、前記加熱器及び/又は前記加湿器の熱源の作動を停止することを特徴とする請求項1に記載された青果物の殺菌処理装置。
  7. 前記作動制御部は、前記気密チャンバ内における前記処理かご設置部の上流側圧力を検出する圧力検出信号が入力され、処理かごに収容された青果物表面での蒸気流速が設定流速になるように、前記圧力検出信号に応じて前記送風機の作動を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された青果物の殺菌処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112568023A (zh) * 2020-12-03 2021-03-30 云南省烟草农业科学研究院 一种烤烟育苗漂浮盘蒸汽灭菌装置及方法

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