JP2018071836A - 遠赤外線乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遠赤外線ヒータ、ユニットヒータを備えた給気ユニットと排気ユニットにより乾燥室内の温度と湿度を制御して、高品質の乾燥物を短時間で生産する遠赤外線乾燥装置を提供する。【解決手段】遠赤外線乾燥装置1は、乾燥させる乾燥物を収納する乾燥室2と、乾燥物を加熱する遠赤外線ヒータ10と、乾燥室2内の空気を循環する循環ユニット12と、乾燥室2内に外気を給気する給気ユニット8と、乾燥室2の外に水蒸気と共に乾燥室2内の空気を排気する排気ユニット9と、温度湿度センサ16と、制御装置14と、から構成され、給気ユニット8は、乾燥室2に導入する外気を加熱するユニットヒータを備え、制御装置14が、遠赤外線ヒータ10、給気ユニット8及び排気ユニット9を制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、干し芋の原料となる蒸した甘藷、野菜等を、遠赤外線ヒータ及びユニットヒータを備えた給気ユニットにより温度と湿度を制御して乾燥する遠赤外線乾燥装置に関する。
従来、乾燥室内の換気をしながら遠赤外線ヒータを使用して乾燥物(野菜等)を温めて乾燥させる装置が開発されている。遠赤外線ヒータは、熱源と乾燥物が直接触れず、乾燥物の内部の昇温に必要な熱(電磁波)を表面から与えることができるため、熱伝導により速やかにかつ均一的に乾燥物を温めることができる。熱伝導による加熱のため、乾燥中に乾燥物の内部と表面との水分含有量の差が小さく、乾燥物の表面のみが乾燥されてしまうことなく、内部から表面まで満遍なく乾燥できるという利点がある。
例えば特許文献1には、乾燥室内に遠赤外線ヒータ、循環ファン、給気ファン、排気ユニット、噴霧散水ノズルを備えた乾燥装置が開示されている。この乾燥装置は、遠赤外線ヒータで乾燥室内に搬入した乾燥物を加熱し、循環ファンにより内部の空気を循環し、給気ファン、排気ユニットにより、内部の空気を強制的に換気して乾燥する。乾燥物の乾燥速度は乾燥室内の温度と湿度に大きく依存するが、この乾燥装置では更に乾燥室内に噴霧散水ノズルを設け、それにより乾燥室内の加湿条件を調整し、乾燥物の乾燥速度を短縮可能としている。
また、特許文献2には、乾燥室内に遠赤外線ヒータ、循環ファン、ユニットヒータを設けた給気ファン、排気ユニットを備えた乾燥装置が開示されている。乾燥物の加熱は遠赤外線ヒータによりによりなされるが、乾燥室内の湿度の抑制は、乾燥室内の空気を外気と置換することにより行う。このため、乾燥室内の温度と湿度は外気の温度や湿度に大きな影響を受ける。この乾燥装置は、外気の温度を加熱するユニットヒータを給気ファンに設けたことで、外気の温度が低い或いは湿度が高いという状態でも、乾燥室内の温度の下降、湿度の上昇を抑えて乾燥物を乾燥させることができる。
特許文献1の乾燥装置は、遠赤外線ヒータにより乾燥物に遠赤外線を照射して乾燥でき、また、乾燥室内に設けた噴霧散水ノズルにより、乾燥室内の加湿条件を調整できる。しかし、例えば干し芋の材料のような含水率の高い乾燥物を乾燥する場合には、外気温度が低いときや外気湿度が高いときは、乾燥室内の温度が容易に上がらなかったり、乾燥室内の湿度が容易に下がらなかったりし、乾燥時間が長くかかることがある。
また、特許文献2の乾燥装置は、外気の温度を加熱するユニットヒータを給気ファンに設けたことで、外気の温度を加熱して乾燥させることができるが、乾燥物の含水率を所定の値にするような制御は行なわれていない。乾燥物、特に果実や野菜の乾燥物は完全に乾燥させたものよりも、ある程度水分を含んだ状態の方が、実際の果実や野菜の食感と近くなり、好まれる傾向にある。それゆえ、高品質の果実や野菜等の乾燥物は、所定の含水率を有するように生産されることが望ましい。
本発明は、上記課題に鑑み、遠赤外線ヒータと、ユニットヒータを備えた給気ユニットと排気ユニットにより、乾燥室内の温度と湿度を制御して、高品質の乾燥物を短時間で生産する遠赤外線乾燥装置を提供することを目的とする。
本発明では、前記の目的を達成するため、乾燥させる乾燥物を収納する乾燥室2と、乾燥物を加熱する遠赤外線ヒータ10と、乾燥室2内の空気を循環する循環ユニット12と、乾燥室2内に外気を給気する給気ユニット8と、乾燥室2の外に水蒸気と共に乾燥室2内の空気を排気する排気ユニット9と、温度湿度センサ16と、制御装置14と、から構成され、給気ユニット8は、乾燥室2に導入する外気を加熱するユニットヒータ22を備え、制御装置14が、遠赤外線ヒータ10、給気ユニット8及び排気ユニット9を制御することを特徴とする遠赤外線乾燥装置を提供する。
また、前記遠赤外線乾燥装置において、更に、乾燥室2に隣接した機械室3を備え、該機械室3に制御装置14と、外気の空気を供給する吸気ユニット15を設置することができ、制御装置14が、遠赤外線ヒータ10、給気ユニット8、排気ユニット9及び吸気ユニット15を制御する構成とすることができる。
さらに、前記遠赤外線乾燥装置において、乾燥室2に搬入する乾燥物を積んだ台車11又は簀の子に、質量センサを備える構成としてもよい。
また、前記遠赤外線乾燥装置において、乾燥室2を2室以上備え、1つの制御装置14が、各乾燥室2の遠赤外線ヒータ10、給気ユニット8及び排気ユニット9を制御するように構成することができる。
また、前記遠赤外線乾燥装置において、更に、乾燥室2に隣接した機械室3を備え、該機械室3に制御装置14と、外気の空気を供給する吸気ユニット15を設置することができ、制御装置14が、遠赤外線ヒータ10、給気ユニット8、排気ユニット9及び吸気ユニット15を制御する構成とすることができる。
さらに、前記遠赤外線乾燥装置において、乾燥室2に搬入する乾燥物を積んだ台車11又は簀の子に、質量センサを備える構成としてもよい。
また、前記遠赤外線乾燥装置において、乾燥室2を2室以上備え、1つの制御装置14が、各乾燥室2の遠赤外線ヒータ10、給気ユニット8及び排気ユニット9を制御するように構成することができる。
本発明の遠赤外線乾燥装置は、遠赤外線ヒータ、給気ユニット及び排気ユニットにより乾燥室内の温度と湿度を制御することができるため、乾燥物の乾燥を短時間で効率的且つ安定的に行うことができる。また、所定の含水率を有するように温度と湿度を制御できるため、高品質の乾燥物を生産することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施例と記す)を、図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、共通する部分には同一の符号を付しており、同一符号の部分に対して重複した説明を省略する。
[遠赤外線乾燥装置1の構成]
まず、本発明の一実施例に係る遠赤外線乾燥装置の構成について、図1〜4を参照して説明する。図1〜4は、遠赤外線乾燥装置の一例である。遠赤外線乾燥装置1は、乾燥させる乾燥物を収納する乾燥室2と、乾燥物を加熱する遠赤外線ヒータ10と、乾燥室2内の空気を循環する循環ユニット12と、乾燥室2内に外気を給気する給気ユニット8と、乾燥室2の外に水蒸気と共に乾燥室2内の空気を排気する排気ユニット9と、温度湿度センサ16と、制御装置14から構成される。
まず、本発明の一実施例に係る遠赤外線乾燥装置の構成について、図1〜4を参照して説明する。図1〜4は、遠赤外線乾燥装置の一例である。遠赤外線乾燥装置1は、乾燥させる乾燥物を収納する乾燥室2と、乾燥物を加熱する遠赤外線ヒータ10と、乾燥室2内の空気を循環する循環ユニット12と、乾燥室2内に外気を給気する給気ユニット8と、乾燥室2の外に水蒸気と共に乾燥室2内の空気を排気する排気ユニット9と、温度湿度センサ16と、制御装置14から構成される。
本発明の給気ユニット8は、乾燥室2に導入する外気を加熱するユニットヒータ23を備えている。また、制御装置14が、遠赤外線ヒータ10と、給気ユニット8及び排気ユニット9を制御する。それにより、乾燥室2内の温度値と湿度値を適した値にすることができる。また、本発明の遠赤外線乾燥装置で乾燥させる乾燥物は、特に限定されるものではないが、乾燥フルーツ(バナナ、マンゴー等)や乾燥野菜(干し芋等)の原料のような含水率の高い乾燥物を対象とする。
本実施例の遠赤外線乾燥装置の基本構成と寸法は、従来の遠赤外線乾燥装置(特許文献1、2)と共通しており、同じ部分は同じ符合を付してある。遠赤外線乾燥装置は、幅3,600mm、奥行き7,200mm、高さ3,000mm程度の平屋の建屋1の中に乾燥室2と機械室3とを設けられている。本実施例では、乾燥室2と機械室3が隣接して設けられ、制御装置14が機械室3に設置されているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば遠赤外線乾燥装置1に機械室3を設けず、制御装置14が乾燥室2の側面や付近に設けられている構成であってもよい。
建屋1の正面中央に間口幅1,800mmで高さが建屋1の2/3程の入口4が設けられており、この入口4から入った奥行き5,400mmの部屋が乾燥室2である。入口4は、シャッタ5により開閉される。本実施例では入口4は、1つ設けているが、2列に配置する台車11を搬入又は搬出しやすいように、左右に2つの入口を設けてもよい。
図1と図2に示すように、乾燥室2の中央部の天井近く、具体的には乾燥室2の2/3程の高さの位置に、入口4側から奥に向かって2本の梁が架設され、この梁の上に並んで3つの循環ファン12が設けられている。この循環ファン12は乾燥室2の天井側から床に向かって送風し、乾燥室2の中の空気を循環する。さらに乾燥室2の入口側の壁の両側の上部には、排気ユニット9が設けられている。この排気ユニット9は、乾燥室2の中の空気を強制排気する。
図3は、図1のA−A線断面図であり、この乾燥室2の部分を断面し、断面から乾燥室2の入口4を見た図面である。図1と図3に示すように、乾燥物を載せた台車11が入口4から2列に並んで各3台、計6台搬入される。台車11の台数は6台に限定されず、台車11の寸法によって変更してもよい。図5(A)は、乾燥物を載せる台車11の一例を示す斜視図であり、図5(B)は部分正面図である。台車11の寸法は、幅610mm、奥行き1,226mm、高さ1,905mm程度であり、循環ファン12と接触しない高さで設計されている。台車11の底面には例えばキャスターが4箇所設けられている。
また、台車11には簀の子(又はセイロ)を上下に間隔をおいて複数枚、積むことができるように構成されている。台車に積むことができる簀の子の枚数は特に限定されないが、図5に示す台車11では、16枚の簀の子を積める構成となっている。例えば乾燥物が干し芋の原料である蒸してスライスした芋の場合、それらを簀の子上に並べて台車11に積む。本実施例では6台の台車を使用するため、96枚の簀の子に乾燥物を並べて、乾燥させることができる。なお、詳細は後述するが、本実施例の台車11又は簀の子に、乾燥物の質量を測定する質量センサ(図示せず)を取り付けてもよい。
台車11は、1台ずつ搬入してもよいが、2台、又は3台を連結して搬入できる構成としてもよい。例えば2列に並んだ各3台を連結し、トロッコ列車のような構成とし、底面にはキャスターではなく、タイヤを設置して床に2本のレールを敷くような構成とすることもできる(図示せず)。このような構成とすることで、各台車をそれぞれ搬入する手間が省け、3台の台車をまとめて搬入することができる。
また、図1と図3に示すように、遠赤外線ヒータ10が乾燥室2内の壁の側面に複数台設置されている。遠赤外線ヒータ10は、図1と3では一部のみ表示しているが、例えば壁の側面に25台設置される。この遠赤外線ヒータ10の放射伝導熱により乾燥室2内の乾燥物を温めて、乾燥させる。前述のように、遠赤外線ヒータ10は、乾燥物の内部の昇温に必要な熱を表面から与えることができるため、熱伝導により速やかにかつ均一的に乾燥物を温めることができる。
また、図1と図2に示すように、乾燥室2には、温度と湿度を測定する温度湿度センサ16が設置されている。温度湿度センサ16は、有線又は無線で制御装置14と接続しており、例えば10分間隔で測定結果を送信する。温度湿度センサ16は、乾燥物の温度と湿度を調整するために設置するため、できるだけ乾燥物付近に設置することが必要であるが、遠赤外線ヒータ10に近すぎないように設置することが好ましい。そのため、本実施例で図1、2に示すように、温度湿度センサ16を台車11付近でかつ遠赤外線ヒータ10からある程度離れた場所に設置している。温度湿度センサ16はいかなるものを使用してもよいが、温度湿度センサ16の測定温度範囲が−10〜60℃程度、測定湿度範囲が10〜95%程度であることが好ましい。
乾燥室2の最も奥は仕切壁13となっており、この仕切壁13により仕切られてその更に奥に奥行き900〜1800mm程の機械室3が設けられている。仕切壁13は、乾
燥室2と機械室3とを完全に仕切っているが、そこには機械室3側から乾燥室2側へと空
気を送るための給気ユニット8が取り付けられている。図4は、図1のB−B線断面図であり、機械室3側から仕切壁13を見た図面である。図4に示す例では、仕切壁13に給気ユニット8が2箇所取り付けられているが、1箇所でもよいし3箇所以上取り付けてもよい。この給気ユニット8の作動により、乾燥室2の気圧を機械室3に対してやや高く維持させて、乾燥室2から機械室3に空気や水蒸気が流入しないように設定することができる。なお、機械室3を設けない場合には、給気ユニット8は乾燥室2の外壁に設けられて直接、外気を取り入れる。
燥室2と機械室3とを完全に仕切っているが、そこには機械室3側から乾燥室2側へと空
気を送るための給気ユニット8が取り付けられている。図4は、図1のB−B線断面図であり、機械室3側から仕切壁13を見た図面である。図4に示す例では、仕切壁13に給気ユニット8が2箇所取り付けられているが、1箇所でもよいし3箇所以上取り付けてもよい。この給気ユニット8の作動により、乾燥室2の気圧を機械室3に対してやや高く維持させて、乾燥室2から機械室3に空気や水蒸気が流入しないように設定することができる。なお、機械室3を設けない場合には、給気ユニット8は乾燥室2の外壁に設けられて直接、外気を取り入れる。
図6は、ユニットヒータを備えた給気ユニット8の一例を示す正面図(A)と側面図(B)である。給気ユニット8は、送風部21と加熱部(ユニットヒータ)22から構成される。熱風の加熱部22の熱源は、電気や蒸気、温水などいかなるものを使用してもよいが、本実施例では電気を使用する。電気を使用することで、熱風の温度を調整し易くなる。加熱部22には、その吐出口の熱風温度が100℃以下になるように加熱防止センサが組み込まれている。加熱部22の上部に、熱が伝導しないように構成されたターミナルボックス23が設置され、乾燥室2の制御装置4と配線接続する端子(ヒータ端子、送風機端子)や加熱防止センサ等が収納されている。なお、加熱部22に風向ガイド(図示せず)を設置して、吐出熱風の向きを調節できるように構成してもよい。
機械室3の外気と区画される外壁には、外気を中に取り入れる吸気ユニット15が設けられている。この吸気ユニット15から機械室3に取り入れた空気を、天候や気温を考慮しながら制御して乾燥室2に送ることができる。機械室3の側壁には入口6が設けられ、ここに取り付けられた扉7を開閉することにより、機械室3の中に人が入出することができる。機械室3の中には、乾燥室2内の遠赤外線ヒータ10、給気ユニット8、排気ユニット9を運転、操作するための配電盤等の制御装置(制御盤)14が設置され、この機械室3の中に人が入って制御装置14の運転操作を行う。
図7は、遠赤外線乾燥装置の他の実施例を示す横断平面図である。基本的な構成は、図1に示す遠赤外線乾燥装置1と変わらないが、制御装置14が設置されている機械室3の両側に乾燥室2が隣接している点が異なる。その他の構成(乾燥室2内の遠赤外線ヒータ10、給気ユニット8、排気ユニット9等)は、図1に示す遠赤外線乾燥装置1と同様であるため、説明を省略する。図7に示す遠赤外線乾燥装置1は、幅1,800mm、奥行き9,000mm、高さ2,260mm程度の平屋の建屋1の中に乾燥室2(奥行き3,600mm)を2室と、機械室3(奥行き1,800mm)を設けている。
乾燥室内に搬入する台車11は、乾燥室2の寸法に合わせたものを用いて、例えば各乾燥室2に2台搬入する。機械室3と乾燥室2との間の各壁には、それぞれ給気ユニット8が設けられており、機械室3の外気と区画される外壁には、外気を中に取り入れる吸気ユニット15が設けられている。機械室3の中には、各乾燥室2内の遠赤外線ヒータ10、給気ユニット8、排気ユニット9を運転、操作するための制御装置14が設置されており、2室の乾燥室2の一方又は両方同時に運転操作することができる。各乾燥室2の外気の温度と湿度は同じであるため、同じような操作で2室の乾燥室2の乾燥物を同時に乾燥させることができるという利点がある。
[遠赤外線乾燥装置1の使用方法]
次に、本実施例の遠赤外線乾燥装置1を使用して乾燥物を乾燥させる手順について説明する。まず、機械室3のシャッタ5を開けて乾燥物を積んだ台車11を入口4から乾燥室2に搬入する。乾燥室2内の雰囲気が加熱状態になっているときは、熱を逃がさないように、入口4のシャッタ5の開閉をなるべく控える。乾燥室2に乾燥物を搬入した後、入口4をシャッタ5で閉じ、乾燥運転を開始する。制御装置14は機械室3に設けられており、機械室3には入口6を扉7で開閉し、人が随時入退室して運転操作や乾燥運転状態の確認等をする。
次に、本実施例の遠赤外線乾燥装置1を使用して乾燥物を乾燥させる手順について説明する。まず、機械室3のシャッタ5を開けて乾燥物を積んだ台車11を入口4から乾燥室2に搬入する。乾燥室2内の雰囲気が加熱状態になっているときは、熱を逃がさないように、入口4のシャッタ5の開閉をなるべく控える。乾燥室2に乾燥物を搬入した後、入口4をシャッタ5で閉じ、乾燥運転を開始する。制御装置14は機械室3に設けられており、機械室3には入口6を扉7で開閉し、人が随時入退室して運転操作や乾燥運転状態の確認等をする。
乾燥室2内の温度湿度センサ16により測定された温度と湿度を基にして、所定の温度と湿度になるように、給気ユニット8の熱風温度と送風量を調整する。このとき、機械室3の吸気ユニット15から送られる外気の空気量も調整することが好ましい。また、排気ユニット9により乾燥室2内の空気を排気するため、給気ユニット8と吸気ユニット15だけではなく、排気ユニット9も連動して制御する。このように制御することで、乾燥室2内の空気量(換気量)を調整することができる。
また、給気ユニット8だけではなく、前述の遠赤外線ヒータ10より乾燥室2内の温度を加熱する。これにより、台車11に載せた乾燥物に含まれる水分を蒸発させ、この蒸気を循環ファン12と排気ユニット9により絶えず排気して、乾燥室2内を換気することができる。遠赤外線ヒータ10と給気ユニット8のオン・オフ制御により、乾燥室2内の温度は、例えば55℃に維持することができる。また、給気ユニット8と必要に応じて吸気ユニット15、及び排気ユニット9を連動して制御することで乾燥室2内の湿度は、例えば10%に維持することができる。
このように、遠赤外線ヒータ10及び給気ユニット8により、乾燥室2内を適切な温度値に維持でき、給気ユニット8と排気ユニット9及び吸気ユニット15の作動により乾燥室2内を換気することで、乾燥室2内を適切な湿度値に維持できる。従って、外気温度が低いときや外気湿度が高いときでも、乾燥室内の温度と湿度を所定の値に維持でき、乾燥物の乾燥時間を短くすることができる。
図8は、本発明の遠赤外線乾燥装置1を使用して干し芋の原料(含水率61.9%の蒸したタマユタカ種のサツマイモをスライスしたもの)を乾燥したときの乾燥時間と乾燥物の重量との関係を示したグラフである。ユニットヒータを備えた給気ユニット8と遠赤外線ヒータ10のオン・オフ制御により乾燥室2内の温度を45℃程度に維持し、給気ユニット8、吸気ユニット15、及び排気ユニット9を連動して制御することで乾燥室2内の湿度を12%程度に維持して乾燥させた。
また、図9は、従来の遠赤外線乾燥装置を使用して干し芋の原料を乾燥したときの乾燥時間と乾燥物の重量との関係を示したグラフである。従来の遠赤外線乾燥装置には、給気ユニット8にユニットヒータが設けられておらず、外気をそのまま乾燥室2内に給気して乾燥させた。
図8のグラフから、給気ユニット8を通して外気を加熱して乾燥室2に給気した本発明の実施例では、乾燥時間8時間で乾燥物の重量は317gとなり、乾燥開始の重量628gの約半分となった。その分、乾燥物から水分が蒸発されたことを意味する。他方、図9に示したユニットヒータを備えない給気ユニット8を使用した比較例では、24時間の乾燥時間でも重量が乾燥開始当初の半分にもならなかった。このように、本発明の遠赤外線乾燥装置1を使用することで、乾燥物の水分を短時間で蒸発させることができ、乾燥時間を大幅に削減することができる。
[乾燥物の含水率制御]
さらに、本実施例では、乾燥物の含水率を所定の値にするような制御を行う。前述のように、乾燥物、特に果実や野菜の乾燥物は完全に乾燥させたものよりも、ある程度水分を含んだ状態の方が実際の果実や野菜の食感が近くなり、好まれる傾向にある。例えば、干し芋の原料(含水率61.9%の蒸したタマユタカ種のサツマイモをスライスしたもの)は、含水率が26.9%になるように乾燥させることが望ましく、その含水率を保つことで、甘さと食感が適度に保たれて高品質の干し芋になる。
さらに、本実施例では、乾燥物の含水率を所定の値にするような制御を行う。前述のように、乾燥物、特に果実や野菜の乾燥物は完全に乾燥させたものよりも、ある程度水分を含んだ状態の方が実際の果実や野菜の食感が近くなり、好まれる傾向にある。例えば、干し芋の原料(含水率61.9%の蒸したタマユタカ種のサツマイモをスライスしたもの)は、含水率が26.9%になるように乾燥させることが望ましく、その含水率を保つことで、甘さと食感が適度に保たれて高品質の干し芋になる。
図8のグラフに示す例では、含水率61.9%の蒸したサツマイモ(重量628g)を原料に使用しているが、このサツマイモの含水率が26.9%になるように乾燥させることを検討する。重量628gのサツマイモの水分量は388.7g(=628×61.9/100)、サツマイモから水分量を除いた重量は239.3g(=628−388.7)である。このサツマイモの含水率が26.9%になる水分量をx(g)とすると、以下の式が成り立つ。
数式を解くと、水分量xは、88.1gとなり、この水分量を含む乾燥サツマイモ(干し芋)の重量は、327.4gとなる。従って、サツマイモがこの重量になるまで乾燥させる。図8より、干し芋が327.4gになるまでにかかる時間は、7時間と8時間の間にある。このような重量の計算は制御装置14により自動的に行われることが好ましい。
サツマイモの重量は乾燥物を積む台車11又は簀の子に備えられた質量センサ(図示せず)を用いて測定してもよいし、定期的に取り出して測定してもよい。質量センサを用いた場合には、所定の質量になるまで、遠赤外線ヒータ10、給気ユニット8、吸気ユニット15、及び排気ユニット9を連動して制御し、所定の質量になるとブザー等で通知する又は自動的に運転を停止するように制御することができる。サツマイモを定期的に取り出して、重量を測定する場合には、所定の質量になった後に手動で制御装置14を操作して運転を停止する。なお、サツマイモの重量の測定は1個ずつ行なってもよいが、簀の子単位で行なってもよいし、台車単位で行なってもよい。
本実施例では、乾燥物として干し芋の原料を例に挙げて説明したが、乾燥物はいかなるものでもよく、例えばマンゴーやバナナの原料を乾燥させてもよい。マンゴーやバナナに関しても所定の含水率を保持することで、甘さと食感が適度に保たれ、高品質の乾燥フルーツを生産することができる。
以上説明してきた様に、本発明の遠赤外線乾燥装置は、外気の温度や湿度に関わらず、ユニットヒータを備えた給気ユニット、遠赤外線ヒータ、排気ユニット及び吸気ユニットを連動して制御することで乾燥室内の温度値と湿度値を適した値にすることができる。それにより、乾燥を短時間で効率的且つ安定的に行えるため、生産物の生産性を大きく向上することができる。
また、乾燥物の質量を測定し、所定の含水率となる質量まで水分を蒸発させた後に運転を停止するため、所定の含水率を有する高品質の乾燥物を、短時間で生産することができる。
なお、上述した実施例の遠赤外線乾燥装置は一例であり、その構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
1 遠赤外線乾燥装置
2 乾燥室
3 機械室
4 乾燥室の入口
5 シャッタ
6 機械室の入り口
7 扉
8 給気ユニット
9 排気ユニット
10 遠赤外線ヒータ
11 台車
12 循環ユニット
13 仕切壁
14 制御装置
15 吸気ユニット
16 温度湿度センサ
21 送風部
22 加熱部
23 ターミナルユニット
2 乾燥室
3 機械室
4 乾燥室の入口
5 シャッタ
6 機械室の入り口
7 扉
8 給気ユニット
9 排気ユニット
10 遠赤外線ヒータ
11 台車
12 循環ユニット
13 仕切壁
14 制御装置
15 吸気ユニット
16 温度湿度センサ
21 送風部
22 加熱部
23 ターミナルユニット
Claims (4)
- 乾燥させる乾燥物を収納する乾燥室(2)と、前記乾燥物を加熱する遠赤外線ヒータ(10)と、前記乾燥室(2)内の空気を循環する循環ユニット(12)と、前記乾燥室(2)内に外気を給気する給気ユニット(8)と、前記乾燥室(2)の外に水蒸気と共に乾燥室(2)内の空気を排気する排気ユニット(9)と、温度湿度センサ(16)と、制御装置(14)と、から構成され、
前記給気ユニット(8)は、前記乾燥室(2)に導入する外気を加熱するユニットヒータ(22)を備え、
前記制御装置(14)が、前記遠赤外線ヒータ(10)、前記給気ユニット(8)及び前記排気ユニット(9)を制御することを特徴とする遠赤外線乾燥装置。 - 請求項1に記載の遠赤外線乾燥装置において、更に、前記乾燥室(2)に隣接した機械室(3)を備え、該機械室(3)に前記制御装置(14)と、外気の空気を供給する吸気ユニット(15)が設置され、前記制御装置(14)が、前記遠赤外線ヒータ(10)、前記給気ユニット(8)、前記排気ユニット(9)及び前記吸気ユニット(15)を制御することを特徴とする遠赤外線乾燥装置。
- 請求項1又は2に記載の遠赤外線乾燥装置において、前記乾燥室(2)に搬入する乾燥物を積んだ台車(11)又は簀の子に、質量センサが備えられていることを特徴とする遠赤外線乾燥装置。
- 請求項1から3のいずれかに記載の遠赤外線乾燥装置において、前記乾燥室(2)を2室以上備え、1つの前記制御装置(14)が、各乾燥室(2)の前記遠赤外線ヒータ(10)、前記給気ユニット(8)及び前記排気ユニット(9)を制御することを特徴とする遠赤外線乾燥装置。
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