JP2009114231A - 制振材用エマルション組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単量体成分を乳化重合してなるエマルションを含む制振材用エマルション組成物であって、該エマルションは、エマルション粒子中に硬化性モノマー及び/又はオリゴマーと重合開始剤とを含有するものであり、該制振材用エマルション組成物は、水分含有量が40質量%以下の該エマルション粒子の水分散体である制振材用エマルション組成物。
【選択図】なし
Description
このような制振性塗料等には、制振性及び塗膜の強度に優れることに加え、更に加熱乾燥性にも優れるものであることが求められており、これら全ての特性を高いレベルで実現する制振材が求められている。
以下に本発明を詳述する。
また、エマルションは、硬化性モノマー又はオリゴマーのいずれか又は両方を含むもののいずれであってもよく、エマルション、硬化性モノマー及び/又はオリゴマー、及び、重合開始剤は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
また、本発明におけるエマルションにおいては、更に水分量の少ない水分散体とすることが可能である。エマルション粒子の水分散体の水分含有量は、30質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、25質量%以下である。水分含有量が少ないと、塗膜の乾燥工程において必要となる熱量が少なく、より短い加熱時間で良好な塗膜を形成することが可能となる。
このようにしてエマルション粒子中に硬化性モノマー及び/又はオリゴマーと重合開始剤とを含ませた形態とする場合、硬化性モノマー及び/又はオリゴマー、及び、重合開始剤としては、エマルション粒子中に浸透する性質を有するものを用いることが好ましい。
本発明の場合、硬化性モノマー及び/又はオリゴマーは、エマルション粒子の調製中に吸わせることができる化合物であることが好ましい。
ポリエチレングリコール鎖を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(1)により表されるポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが好適である。
またポリエチレングリコールジアクリレート(商品名「SARTOMER SR−344」、巴工業社製)、トリプロピレングリコールアクリレート(商品名「アロニックスM−200」、東亜合成化学工業社製)等も好適である。更に、下記一般式(2)で表されるアクリル酸2−(2’−ビニルキシエトキシエチル)も好適である。
(A)ウレタン(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステルの重合体又は共重合体の側鎖に(メタ)アクロイル基含有アクリル樹脂(以下、単に(メタ)アクリル樹脂ということがある。)エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の多官能ラジカル重合性化合物、例えば、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノヒドロキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールペンタ/ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(モノヒドロキシ)ペンタ(メタ)アクリレート等のペンタ(メタ)アクリレート類。
(B)ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル等、少なくとも2つ以上の重合性不飽和二重結合をもつオリゴマー、モノマーであるポリオレフィン系化合物。
平均粒子径は、例えば、エマルションを蒸留水で希釈し充分に攪拌混合した後、ガラスセルに約10ml採取し、これを動的光散法による粒度分布測定器(Particle Sizing Systems社製「NICOM P Model 380」)で測定することにより求めることができる。
なお、重量平均分子量は、例えば、以下の測定条件下で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定により求めることができる。
測定機器:HLC−8120GPC(商品名、東ソー社製)
分子量カラム:TSK−GEL GMHXL−Lと、TSK−GELG5000HXL(いずれも東ソー社製)とを直列に接続して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
検量線用標準物質:ポリスチレン(東ソー社製)
測定方法:測定対象物を固形分が約0.2質量%となるようにTHFに溶解し、フィルターにてろ過した物を測定サンプルとして分子量を測定する。
pHは、pHメーター(堀場製作所社製「F−23」)等により測定することができる。
なお、粘度は、B型回転粘度計を用いて、25℃、20rpmの条件下で測定することができる。
上記制振材用エマルション組成物は、乳化重合によって製造されたエマルションのTgと制振材用エマルション組成物が示すMFT(最低造膜温度)の差が10〜100℃であることが好ましい。ここで、MFTは、後述する測定方法により求めることが好ましい。エマルションのTgは、計算Tgであることが好ましい。計算Tg(ガラス転移温度)は、以下のFoxの式により求めるものとする。なお、計算Tgを計算する場合、MFT0℃以下は、0℃として取り扱うものとする。
Fox式:1/Tg=Σ(Wn/Tgn)/100
ここで、Wnは、単量体nの重量%、Tgnは単量体nからなるホモポリマーのTg(絶対温度)を示す。なお、ポリエチレングリコールジアクリレートを含む重合性単量体成分については、これらを除いて算出したTgを、該重合体単量体成分のガラス転移温度とした。
(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数4〜20のシクロアルキル(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の炭素数3〜20のアラルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル系単量体。
すなわち、本発明におけるエマルションの好ましい実施形態としては、炭素数4〜20のシクロアルキル(メタ)アクリレート、並びに、光安定性基及び/又は紫外線吸収基を有する重合性単量体の少なくとも一種を必須とする単量体成分から形成される形態が挙げられる。すなわち、炭素数4〜20のシクロアルキル(メタ)アクリレートのみを必須とする単量体成分から形成される形態でもよく、光安定性基及び/又は紫外線吸収基を有する重合性単量体のみを必須とする単量体成分から形成される形態でもよい。
なお、これらのアルキル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレートは、上述したアクリル系単量体と組み合わせて用いてもよいが、アルキル(メタ)アクリレート及びシクロアルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上、更に2種以上を用いることが最も好ましい。
本発明におけるエマルションでは、これらの単量体から形成される単量体単位の相乗効果により、水系制振材において優れた加熱乾燥性と制振性とをより充分に発揮することが可能となる。
なお上記質量割合は、全単量体成分100質量%に対する質量割合である。
すなわち、本発明において、単量体成分を乳化重合してなるエマルションの粒子を形成する単量体成分は、ブチルアクリレート及び/又は2−エチルヘキシルアクリレートを含んでなるものであることが好ましい。単量体成分がブチルアクリレート及び/又は2−エチルヘキシルアクリレートを含んでなるものであると、幅広い温度領域での制振性が向上する。
より好ましくは、単量体成分がブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートを含むことである。
上記単量体成分が2−エチルヘキシルアクリレートを含むものである場合、2−エチルヘキシルアクリレートの含有量は、アクリル共重合体を形成する単量体成分100質量%に対して、5〜55質量%であることが好ましい。より好ましくは、10〜50質量%である。
また、ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートの両方を含むものである場合、ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレート合計の含有量は、アクリル共重合体を形成する単量体成分100質量%に対して、20〜60質量%であることが好ましい。より好ましくは、30〜50質量%である。
上記アニオン性乳化剤としては、例えば、アンモニウムドデシルスルフォネート、ナトリウムドデシルスルフォネート等のアルキルスルフォネート塩;アンモニウムドデシルベンゼンスルフォネート、ナトリウムドデシルナフタレンスルフォネート等のアルキルアリールスルフォネート塩;ポリオキシエチレンアルキルスルフォネート塩(例えば、第一工業製薬(株)製、ハイテノール18E等);ポリオキシエチレンアルキルアリールスルフォネート塩(例えば、第一工業製薬(株)製、ハイテノールN−08等);ジアルキルスルホコハク酸塩;アリールスルホン酸ホルマリン縮合物;アンモニウムラウリート、ナトリウムステアリレート等の脂肪酸塩;等が挙げられる。
上記カチオン性乳化剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド等のアルキルアンモニウム塩;等が挙げられる。
上記高分子乳化剤としては、例えば、ポリアクリル等ナトリウム等のポリ(メタ)アクリル酸塩;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリヒドロキシエチルアクリレート等のポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;又はこれらの重合体を構成するモノマーのうちの1種以上を共重合成分とする共重合体;等が挙げられる。
上記乳化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記乳化重合においては、重合開始剤の分解を促進する目的で、例えば、亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤や硫酸第一鉄等の遷移金属塩を添加してもよい。
上記乳化重合で用いることができる添加剤としては、例えば、pH緩衝剤、(例えば、t−ドデシルメルカプタン等のチオール基を有する化合物等)等の公知の添加剤等が挙げられる。
なお、制振材配合物の固形分とは、上述した単量体成分のから得られるエマルションポリマーや後述する他の成分等、制振配合物を塗布して加熱乾燥した場合に、揮発せずに残る成分のことである。
電子線照射によって硬化されて使用される場合には、例えば通常50〜1000kev、好ましくは100〜300kevの加速電圧で、吸収線が1〜20Mrad程度となるように電子線を照射する方法を挙げることができる。電子線照射は大気中で行ってもよいが、窒素などの不活性ガス中で行うのが好ましい。吸収線量については、被膜中に残存する重合性二重結合が被膜物性に影響しないまで照射することができる。紫外線照射又は電子線照射後、必要に応じて加熱を行い、硬化を一層進行させてもよい。
熱によって硬化されて使用される場合、50〜180℃の乾燥機で0.5〜10分乾燥させる方法を挙げることができる。上記乾燥工程前に基材をプレヒートしたり、1〜10分室温にてセッティングする手法を併用してもよい。乾燥機は、ジェットオーブン、熱風乾燥機など一般的に使用されているものを使用することができる。
また、電子線にて硬化させる場合、熱又は光重合開始剤を必要としないため、得られた塗膜は耐候性、耐水性等塗膜性能を向上させることができる。
上記発泡剤の配合量としては、制振材用エマルション100質量%に対し、0.5〜5.0質量%とすることが好ましい。より好ましくは、1.0〜3.0質量%である。
上記無機顔料としては特に限定されず、例えば、後述する無機の着色剤や無機の防錆顔料等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記無機顔料の配合量としては、制振材用エマルション100質量%に対し、50〜700質量%とすることが好ましい。より好ましくは、100〜550質量%部である。
上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、タルク、硫酸バリウム、アルミナ、酸化鉄、酸化チタン、ガラストーク、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、タルク、珪藻土、クレー等の無機質の充填剤;ガラスフレーク、マイカ等の鱗片状無機質充填剤;金属酸化物ウィスカー、ガラス繊維等の繊維状無機質充填剤等が挙げられる。無機質充填剤の配合量としては、制振材用エマルションの固形分100重量部に対し、50〜700重量部とすることが好ましい。より好ましくは、100〜550重量部である。
なお、上記他の成分は、例えば、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、スパイラルミキサー、ニーダー、ディゾルバー等を用いて、上記制振材用エマルション等と混合され得る。
上記分散剤としては、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等の無機質分散剤及びポリカルボン酸系分散剤等の有機質分散剤が挙げられる。
上記防錆顔料としては、例えば、リン酸金属塩、モリブデン酸金属塩、硼酸金属塩等が挙げられる。
上記消泡剤としては、例えば、シリコン系消泡剤等が挙げられる。
上記多価金属化合物の形態は特に限定されず、例えば、粉体、水分散体や乳化分散体等であってよい。中でも、制振材配合物中への分散性が向上することから、水分散体又は乳化分散体の形態で使用することが好ましく、より好ましくは乳化分散体の形態で使用することである。また、多価金属化合物の使用量は、制振材配合物中の固形分100質量%に対して、0.05〜5.0質量%とすることが好ましい。より好ましくは0.05〜3.5質量%である。
上記制振材配合物の塗布量は、用途や所望する性能等により適宜設定すればよいが、乾燥時の塗膜の膜厚が、0.5〜8mmとなるようにすることが好ましい。より好ましくは、3〜6mmである。
本発明の制振材組成物は、加熱乾燥性に優れるものであることから、膜厚3〜6mmのような厚い塗膜を形成しても、乾燥時に膨張やクラックが生じにくく、しかも傾斜面の塗料のずり落ちも発生しにくい良好な塗膜を得ることができる。このような、本発明の制振材配合物を加熱乾燥後の膜厚が3〜6mmとなるように塗布して得られる制振材もまた、本発明の1つである。
これによっても、乾燥時に膨張やクラックが生じにくく、しかも傾斜面の塗料のずり落ちも発生しにくい良好な塗膜を得ることができる。
このような、乾燥時の塗膜の膜厚が、3〜6mmとなるように塗工し、乾燥する制振材配合物の塗工方法や、乾燥後の塗膜の面重量が2.0〜6.0kg/m2となるように塗工し、乾燥する制振材配合物の塗工方法もまた、本発明の好ましい実施形態のひとつである。
<不揮発分(NV)>
得られた水性樹脂分散体約1gを秤量、熱風乾燥機で110℃×1時間後、乾燥残量を不揮発分として、乾燥前質量に対する比率を質量%で表示した。
<pH>
pHメーター(堀場製作所社製「F−23」)により25℃での値を測定した。
<粘度>
B型回転粘度計を用いて、25℃、20rpmの条件下で測定した。
動的光散乱法による粒度分布測定器(Particle Sizing Systems社製「NICOM P Model 380」)を用い、体積平均粒子径を測定した。
また、標準偏差をその体積平均粒子径で割った値(標準偏差/体積平均粒子径×100)を粒度分布として算出した。
以下の測定条件下で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。
測定機器:HLC−8120GPC(商品名、東ソー社製)
分子量カラム:TSK−GEL GMHXL−Lと、TSK−GELG5000HXL(いずれも東ソー社製)とを直列に接続して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
検量線用標準物質:ポリスチレン(東ソー社製)
測定方法:測定対象物を固形分が約0.2質量%となるようにTHFに溶解し、フィルターにてろ過した物を測定サンプルとして分子量を測定した。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを取り付けた重合器に脱イオン水339部を仕込んだ。その後、窒素ガス気流下で撹拌しながら内温を75℃まで昇温した。一方、上記滴下ロートにスチレン400部、メタクリル酸メチル105部、2−エチルへキシルアクリレート135.0部、ブチルアクリレート350部、アクリル酸10.0部、t−ドデシルメルカプタン4.0部、予め20%水溶液に調整したニューコール707SF(商品名、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩:日本乳化剤社製)180.0部及び脱イオン水164.0部からなる単量体乳化物を仕込んだ。次に、重合器の内温を75℃に維持しながら、上記単量体乳化物のうちの27.0部、5%過硫酸カリウム水溶液5部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10部を添加し、初期重合を開始した。40分後、反応系内を80℃維持したまま、残りの単量体乳化物を210分にわたって均一に滴下した。同時に5%過硫酸カリウム水溶液95部及び2%亜硫酸水素ナトリウム水溶液90部を210分かけて均一に滴下し、滴下終了後60分同温度を維持し、重合を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却後、2−ジメチルエタノールアミン16.7部を添加し、不揮発分54.9%、pH8.1、粘度460mPa・s、粒子径230nm(粒度分布24%)、重量平均分子量49000のアクリル系エマルション粒子を得た。
製造例1で滴下ロートに仕込む単量体スチレン400部、メタクリル酸メチル105部、2−エチルへキシルアクリレート135部、ブチルアクリレート350部、アクリル酸10部を、スチレン350部、メタクリル酸メチル155部、2−エチルへキシルアクリレート135部、ブチルアクリレート350部、アクリル酸10部にした以外は製造例1と同様の操作を行い、不揮発分55.0%、pH7.9部、粘度250mPa・s、粒子径215nm(粒度分布22%)、重量平均分子量42000のアクリル系エマルション粒子を得た。
製造例1で滴下ロートに仕込む単量体スチレン400部、メタクリル酸メチル105部、2−エチルへキシルアクリレート135部、ブチルアクリレート350部、アクリル酸10部を、スチレン250部、メタクリル酸メチル255部、2−エチルへキシルアクリレート135部、ブチルアクリレート350部、アクリル酸10部にした以外は製造例1と同様の操作を行い、不揮発分55.0%、pH8.0、粘度290mPa・s、粒子径238nm(粒度分布25%)、重量平均分子量48000のアクリル系エマルション粒子を得た。
製造例1で滴下ロートに仕込む単量体スチレン400部、メタクリル酸メチル105部、2−エチルへキシルアクリレート135部、ブチルアクリレート350部、アクリル酸10部を、スチレン505部、2−エチルへキシルアクリレート135部、ブチルアクリレート350部、アクリル酸10部にした以外は製造例1と同様の操作を行い、不揮発分55.0%、pH7.8、粘度180mPa・s、粒子径205nm(粒度分布21%)、重量平均分子量40000のアクリル系エマルション粒子を得た。
製造例1において得られたエマルション粒子100部に、硬化性モノマーとしてポリエチレングリコールジアクリレート(商品名、サートマーSR−344:サートマー社製)を20部、重合開始剤として2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)(商品名、ABN−E:日本ヒドラジン工業社製)1部を混ぜ、エマルション型のポリマー粒子1を得た。
実施例2〜6については、硬化性モノマー又は硬化性オリゴマーを表1に示すものを用いた以外は、同様の操作を繰り返してエマルション型のポリマー粒子2〜6を得た。
製造例1において得られたエマルション粒子100部に、硬化性モノマーとしてポリエチレングリコールジアクリレート(商品名、サートマーSR−344:サートマー社製)を40部、重合開始剤として2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)(商品名、ABN−E:日本ヒドラジン工業社製)1部を混ぜ、エマルション型のポリマー粒子7を得た。
製造例2において得られたエマルション粒子100部に、硬化性モノマーとしてポリエチレングリコールジアクリレート(商品名、サートマーSR−344:サートマー社製)を20部、重合開始剤として2,2’アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)(商品名、ABN−E:日本ヒドラジン工業社製)1部を混ぜ、エマルション型のポリマー粒子8を得た。
製造例3において得られたエマルション粒子100部に、硬化性モノマーとしてポリエチレングリコールジアクリレート(商品名、サートマーSR−344:サートマー社製)を20部、重合開始剤として2,2’アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)(商品名、ABN−E:日本ヒドラジン工業社製)1部を混ぜ、エマルション型のポリマー粒子9を得た。
製造例4において得られたエマルション粒子100部に、硬化性モノマーとしてポリエチレングリコールジアクリレート(商品名、サートマーSR−344:サートマー社製)を20部、重合開始剤として2,2’アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)(商品名、ABN−E:日本ヒドラジン工業社製)1部を混ぜ、エマルション型のポリマー粒子10を得た。
製造例1で得られたアクリル系エマルション粒子100部に、粒子間架橋剤として、酸化亜鉛水分散体(商品名、アクリセットEMN−AZO−50:日本触媒社製)3部を添加後撹拌し、エマルション型のポリマー粒子11を得た。
製造例1において使用した単量体(メタクリル酸メチル505部、2−エチルヘキシルアクリレート135.0部、ブチルアクリレート350部、アクリル酸10.0部)に更に多官能単量体としてトリメチロールプロパントリメタクリレート0.5部を加えた以外は同様の操作をして、エマルション型のポリマー粒子12を得た。
製造例1において得られたエマルション粒子100部に、硬化性モノマーとしてポリエチレングリコールジアクリレート(商品名、サートマーSR−344:サートマー社製)を10部、重合開始剤として2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)(商品名、ABN−E:日本ヒドラジン工業社製)1部を混ぜ、エマルション型のポリマー粒子13を得た。
製造例1において、初期に反応器に仕込む脱イオン水339部を123部にした以外は同様の操作を繰り返し、不揮発分62.0%、pH8.3、粘度2800mPa・s、粒子径210nm(粒度分布26%)、重量平均分子量52000のエマルション型ポリマー粒子14を得た。
実施例1〜10、及び、比較例1〜4で得られたエマルション型ポリマー粒子を下記の通り配合し、制振材配合物として機械安定性、乾燥塗膜表面状態、耐塗膜崩壊性、及び、制振性を下記の方法に従い評価した。結果を表2に示す。
エマルション型ポリマー粒子 359部
炭酸カルシウムNN#200*1 620部
分散剤 アクアリックDL−40S*2 6部
増粘剤 アクリセットWR−650*3 4部
消泡剤 ノプコ8034L*4 1部
発泡剤 F−30*5 6部
*1:日東粉化工業株式会社製 充填剤
*2:株式会社日本触媒製 ポリカルボン酸型分散剤(有効成分44%)
*3:株式会社日本触媒製 アルカリ可溶性のアクリル系増粘剤(有効成分30%)
*4:サンノプコ株式会社製 消泡剤(主成分:疎水性シリコーン+鉱物油)
*5:松本油脂社製 発泡剤
制振材配合物100gに純水30gを添加し、充分に攪拌・混合し、100メッシュ金網でろ過した後、その70gを用い、マーロン試験安定性試験機(熊谷理機工業社製)にて、機械安定性試験をおこなった。(JIS K6828:1996に準じる、台ばかり目盛り10Kg,円盤回転数1000min−1、回転時間5分、試験温度25℃)試験終了後、その制振材配合物を直ちに100メッシュ金網でろ過し、110℃オーブンで1時間乾燥させた。以下の式にて凝集率を算出し、評価を行った。
凝集率(%)=(乾燥後の金網の質量(g)−乾燥前の金網の質量(g))/70(g)×100
評価基準
◎:0.0001%未満
○:0.001以上、0.0001%未満
△:0.01以上、0.001%未満
×:0.1以上、0.01%未満
関西ペイント社製カチオン電着塗料エレクロン「KG−400」を用いて電着塗装した0.8*70*150の鋼板(ED鋼板)に、上記により得られた塗料配合物をwet膜厚6mmになるように塗布し、直ちに塗布面を垂直にして、120℃×30分間の焼き付けを行って、得られた塗膜を目視により観察して、塗膜崩壊性の評価を行った。
評価基準
塗布面上端から塗料が崩壊した長さ(mm)
◎:Omm
○:1〜2mm
△:3〜5mm
×:6mm以上
制振材配合物を冷間圧延鋼板(SPCC・15mm幅×250mm長さ×厚み1.5mm)上に3mmの厚みで塗布して150℃で30分間乾燥し、冷間圧延鋼板上に面密度4.0Kg/m2の制振材被膜を形成した。制振性の測定は、片持ち梁法(株式会社小野測機製損失係数測定システム)を用いて評価した。
評価基準(相対評価)
◎:制振性極めて良好
○:制振性良好
△:制振性不良
<制振性試験II>
制振性試験Iにおいて、加熱乾燥条件を150℃で15分とした以外は同様の操作を行い、制振性を評価した。
評価基準(相対評価)
◎:制振性極めて良好
○:制振性良好
△:制振性不良
×:測定不可能
Claims (5)
- 単量体成分を乳化重合してなるエマルションを含む制振材用エマルション組成物であって、
該エマルションは、エマルション粒子中に硬化性モノマー及び/又はオリゴマーと重合開始剤とを含有するものであり、
該制振材用エマルション組成物は、水分含有量が40質量%以下の該エマルション粒子の水分散体である
ことを特徴とする制振材用エマルション組成物。 - 前記エマルションは、全単量体成分100質量%に対して、スチレンを35質量%以上含有するアクリル系エマルションである
ことを特徴とする請求項1に記載の制振材用エマルション組成物。 - 前記硬化性モノマー及び/又はオリゴマーは、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制振材用エマルション組成物。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の制振材用エマルション組成物、顔料、発泡剤、及び、増粘剤を必須成分とする制振材配合物であって、
固形分濃度が制振材配合物100質量%中、70〜90質量%である
ことを特徴とする制振材配合物。 - 請求項4に記載の制振材配合物を加熱乾燥後の膜厚が3〜6mmとなるように塗布して得られることを特徴とする制振材。
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