JPH09111132A - 水性樹脂分散液 - Google Patents

水性樹脂分散液

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JPH09111132A
JPH09111132A JP23594995A JP23594995A JPH09111132A JP H09111132 A JPH09111132 A JP H09111132A JP 23594995 A JP23594995 A JP 23594995A JP 23594995 A JP23594995 A JP 23594995A JP H09111132 A JPH09111132 A JP H09111132A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材との密着性及び安定性に優れ、特に広い
温度範囲にわたって優れた制振性を示し、しかも柔軟性
で耐チツピング性及び低温耐衝撃性に優れた被膜を形成
しうる水性樹脂分散液を提供する。 【解決手段】 水性媒体中に分散された重合体微粒子を
含有してなる水性樹脂分散液であって、該重合体微粒子
として特定のガラス転移温度(Tg)を有する芯部と殻
部とからなる複合体微粒子(A)、並びに、芯部のTg
が複合体微粒子(A)とは異なる特定の複合体微粒子
(B)及び/又は特定のTgをもつ重合体微粒子(C)
を含有してなることを特徴とする水性樹脂分散液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は水性樹脂分散液に関し、さらに詳
しくは、基材との密着性及び安定性に優れ、広い温度範
囲にわたつて優れた制振性を示し、しかも柔軟で耐チツ
ピング性及び低温耐衝撃性に優れた被膜を形成しうる、
殊に水性被覆用組成物製造用として有用な水性樹脂分散
液に関する。
【0002】従来、車両、船舶、各種機械・器具、建築
材料等の構造部材の表面における振動を防止して騒音を
防止するために、部材自体を厚くしたり、振動の発生を
低減するために装置自体の改良を試みたり、部材表面に
シート状の制振材を貼り付けたり、制振塗料を塗布又は
吹き付けによつて施工し、振動及び騒音を防止する等の
対策がとられている。
【0003】しかし、部材自体を厚くすることは、部材
のコストアツプ、加工性の低下等を招き、さらに自動車
車輛等の場合には燃費の増大につながる等の問題があ
る。また、シート状制振材の貼付では、部材の形状に合
わせたカツテイング加工が不可欠となり、加工上煩雑で
あるという難点がある。
【0004】さらに、制振塗料に関しては、従来から種
々のものが提案されており、例えば、ゴム、アスフアル
ト、各種の合成樹脂エマルジヨン等の粘弾性的特性をも
つ材料をベースにしたものや、これにさらにグラフアイ
ト、マイカ、ヒル石、炭酸カルシウム、タルク、クレー
等の無機質粉体を配合して、機械的なヒステリシス、内
部摩擦等を付与したもの等が知られている。
【0005】しかし、これら従来提案されている制振塗
料の多くは、高い制振特性を発揮するものの、その高い
制振特性を示す温度範囲が狭く、また、形成される塗膜
が硬くて脆く、耐チツピング性に劣る等の欠点がある。
【0006】一方、水性制振塗料は、取扱易さ、作業環
境の安全性などの点で優れており、注目されているが、
厚い塗膜の形成が一般に容易でないという問題点があ
る。
【0007】制振塗料は、その性能発現という観点から
通常1000μm以上という厚い塗膜を形成させなけれ
ばならず、また生産性の面から高温で迅速に乾燥するも
のであることが強く望まれているが、厚い塗膜を急速に
加熱すると、塗膜表面が先に乾燥して表皮を形成し、次
いで内部に残留する水が蒸発して先に形成された表皮を
持ち上げてフクレ(熱ブリスター)を生じたり、表皮が
破れてキレツを生じる等の問題が生ずる。このようなフ
クレやキレツの発生を避けるため、厚い塗膜を常温で乾
燥すると、造膜が不十分であつたり、乾燥時の応力が熱
により緩和されないため、塗膜にクラツクを生じるなど
の問題が生ずる。
【0008】また、低温から高温に至る広い温度領域で
優れた制振性能を発揮する水性制振塗料として、エマル
ジヨン状スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ
アミドエポキシ化合物及び/又はメラミン−ホルムアル
デヒド化合物及び鱗片状無機質粉体を水に分散してなる
水性制振塗料(特公昭63−24550号公報)や、エ
マルジヨン状スチレン−アクリル酸エステル共重合体、
エマルジヨン状酢酸ビニル系重合体、架橋剤及び鱗片状
無機質粉体を水に分散してなる水性制振塗料(特公平2
−33747号公報)等が提案されているが、これらの
塗料から形成される塗膜は可撓性が不十分であり、耐チ
ツピング性や低温耐衝撃性などの低温物性の点で満足で
きないものである。
【0009】本発明の主たる目的は、低温から高温に至
る広い温度範囲で優れた制振性能を示し、しかも柔軟で
耐チツピング性及び低温耐衝撃性にも優れた被膜を形成
することができ、さらに基材への密着性や、保存安定
性、機械安定性等の安定性に優れた水性樹脂分散液を提
供することである。
【0010】本発明のその他の目的及び特徴は以下の説
明から明らかとなるであろう。
【0011】本発明によれば、水性媒体中に分散された
重合体微粒子を含有してなる水性樹脂分散液であつて、
該重合体微粒子が(A) ガラス転移温度(TgA-1
が−10℃〜50℃の範囲内にあるカルボキシル基含有
アクリル系重合体(A−1)からなる芯部と、該芯部を
被覆するガラス転移温度(TgA-2)が−10℃より低
い重合体(A−2)からなる殻部よりなる芯−殻型複合
体微粒子であつて、該複合体微粒子の重量を基準にし
て、該芯部が50〜90重量%を占め且つ残りが殻部で
ある複合体微粒子と、(B) ガラス転移温度(Tg
B-1)が−10℃〜50℃の範囲内にあり且つ上記複合
体微粒子(A)の芯部の重合体(A−1)のガラス転移
温度(TgA-1)よりも少なくとも10℃低いアクリル
系重合体(B−1)からなる芯部と、該芯部を被覆する
ガラス転移温度(TgB-2)が−10℃より低い重合体
(B−2)からなる殻部よりなる芯−殻型複合体微粒子
であつて、該複合体微粒子の重量を基準にして芯部が5
0〜90重量部を占め且つ残りが殻部である複合体微粒
子及び/又は(C) ガラス転移温度(Tgc)が−3
0℃〜50℃の範囲内にあり且つ上記複合体微粒子
(A)の芯部の重合体(A−1)のガラス転移温度(T
A- 1)と少なくとも10℃異なる重合体微粒子とから
なり、微粒子(A)、(B)及び(C)の合計量を基準
にして、複合体微粒子(A)を30〜90重量%、及び
複合体微粒子(B)と重合体微粒子(C)を合計で70
〜10重量%含有することを特徴とする水性樹脂分散液
が提供される。
【0012】本発明の水性樹脂分散液は、水性媒体と、
その中に安定に分散された重合体微粒子とから本質的に
なり、そしてその重合体微粒子が、或る種の特定の芯−
殻型複合体粒子(A)を他の特定の芯−殻型複合体粒子
(B)及び/又は特定のガラス転移温度をもつ重合体微
粒子(C)と組み合わせよりなる点に大きな特徴を有す
るものであり、それから形成される被膜は、例えば、約
0〜約60℃という広い温度領域の全体にわたつてロス
フアクター(tan δ)が0.03以上という優れた制
振性能を発揮し、しかも常温における耐チツピング性及
び低温雰囲気下における耐衝撃性にも優れている、とい
う顕著な特性を有している。
【0013】以下、本発明の水性樹脂分散液についてさ
らに詳細に説明する。
【0014】芯−殻型複合体微粒子(A) 本発明の水性樹脂分散液が必須の重合体微粒子成分とし
て含有する複合体微粒子(A)は、(1) ガラス転移
温度(TgA-1)が−10℃〜50℃の範囲内にあるカ
ルボキシル基含有アクリル系重合体(A−1)からなる
芯部と、(2) 該芯部を被覆するガラス転移温度(T
A-2)が−10℃より低い重合体(A−2)からなる
殻部よりなる芯−殻型複合体微粒子であつて、該複合体
微粒子の重量を基準にして、該芯部が50〜90重量%
を占め且つ残りが殻部であるものである。
【0015】カルボキシル基含有アクリル系重合体(A
−1):上記の複合体微粒子(A)の芯部を構成するア
クリル系重合体(A−1)は、カルボキシル基を含有す
るものであり、その含有量は厳密に制限されるものでは
なく、乳化重合の容易さ、最終の水性樹脂分散液に望ま
れる特性等に応じて広い範囲にわたり変えることができ
るが、一般には、該アクリル系重合体(A−1)100
g当り2.5〜100ミリグラム当量、好ましくは5〜
90ミリグラム当量、さらに好ましくは10〜80ミリ
グラム当量の範囲内にあるのが好都合であり、また、ア
クリル系重合体(A−1)のカルボキシル基含有量は、
複合体微粒子(A)の全カルボキシル基含量の少なくと
も50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに
好ましくは80重量%以上であるのが望ましい。
【0016】また、アクリル系重合体(A−1)のガラ
ス転移温度(TgA-1)は−10℃〜50℃の範囲内に
あることが重要である。もし、複合体微粒子(A)の芯
部を構成するアクリル系重合体(A−1)のTgA-1
−10℃よりも低いと、得られる被膜の常温での制振性
能が不十分となり、また常温耐チツピング性、基材表面
への密着性、耐水性等も不足しがちになり、一方、50
℃よりも高いと、常温での制振性能が不十分となり、ま
た常温耐チツピング性及び低温耐衝撃性が低下する傾向
がある。しかして、TgA-1は特に−5℃〜45℃、さ
らに特に−0℃〜40℃の範囲内であることが好まし
い。
【0017】さらに、アクリル系重合体(A−1)の分
子量は特に制限されないが、通常、500,000以
上、好ましくは1,000,000以上の重量平均分子量
をもつことができる。
【0018】アクリル系重合体(A−1)は上記の特性
を有するものである限り、該重合体を構成するモノマー
の種類は厳密には制限されないが、通常、以下に述べる
(M−1)、(M−2)及び(M−3)の3種のモノマ
ーを前記のカルボキシル基含有量及びTgを満足させる
ように共重合させることにより形成されたアクリル系共
重合体であることが望ましい。
【0019】(M−1) 式
【0020】
【化5】
【0021】式中、R1は水素原子又はメチル基を表わ
し、そしてR2は炭素数1〜12、好ましくは1〜9の
直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基を表わす、で示され
る(メタ)アクリル酸アルキルエステル:例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペン
チル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリ
レート、ヘキシルアクリレート、ヘプチル(メタ)アク
リレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ノニルアクリレート、イソノニル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデ
シル(メタ)アクリレート、t−ドデシル(メタ)アク
リレートなど。これらの中、特に好適なものとしては、
メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルア
クリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、イソノニルアクリレートなどが挙げら
れる。
【0022】(M−2) 炭素数3〜5のα,β−不飽和
モノ−又はジ−カルボン酸:例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、シトラコン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸など。これらの
中、特に、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸が
好適である。
【0023】(M−3) 式
【0024】
【化6】
【0025】式中、R3は水素原子又はメチル基を表わ
し、Xは水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、モ
ノ−もしくはジ−ジハロビニル基、炭素数6〜8のアリ
ール基(例えば、フエニル、トリル、エチルフエニル、
キシリルなど)、ニトリル基又は−OCOR4基を表わ
し、ここで、R4は水素原子又は炭素数1〜12の直鎖
状もしくは分枝鎖アルキル基を表わす、で示される、上
記(M−1)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
共重合可能なモノマー:例えば、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼンなど
のビニル芳香族化合物;アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、バーサチツク酸ビニル(商品名)などのビニルエス
テル;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン
等のモノオレフイン;ブタジエン、イソプレン、クロロ
プレン等の共役ジオレフインなど。これらの中、好適な
ものとしては、前記式(II)におけるXがフエニル基
又はニトリル基を表わすもの、殊にスチレン及びアクリ
ロニトリルが挙げられる。
【0026】以上述べたモノマーの共重合割合は、アク
リル系重合体(A−1)の重合時の仕込み量として、モ
ノマーの合計量を基準にして以下の範囲内であることが
望ましい。
【0027】モノマー(M−1):一般に40〜99.
5重量%、好ましくは45〜99重量%、さらに好まし
くは50〜98重量%; モノマー(M−2):一般に0.5〜20重量%、好ま
しくは0.8〜15重量%、さらに好ましくは1〜10
重量%; モノマー(M−3):一般に0〜59.5重量%、好ま
しくは0〜54重量%、さらに好ましくは0〜48重量
%。
【0028】重合体(A−2):本発明における複合体
微粒子(A)の殻部を構成する重合体(A−2)として
は、そのガラス転移温度(TgA-2)が−10℃より低
いものが使用される。TgA-2が−10℃以上と高過ぎ
ると、得られる被膜の耐寒性、柔軟性が失われがちにな
り、特に低温耐衝撃性が低下する傾向がある。かくし
て、殻部を構成する重合体(A−2)のガラス転移温度
TgA-2は、一般に、−15℃〜−60℃、殊に−20
℃〜−50℃の範囲内であることが望ましい。
【0029】また、重合体(A−2)は一般に500,
000以上、好ましくは1,000,000以上の重量平
均分子量をもつことができる。
【0030】重合体(A−2)の種類は特に制限される
ものではなく、重合体(A−2)としては、各種の熱可
塑性樹脂を用いることができるが、一般にはアクリル系
重合体及びウレタン系重合体、特に前者のアクリル系重
合体が好適である。以下これらについてさらに具体的に
説明する。
【0031】殻部の重合体(A−2)として用いうるア
クリル系重合体(A−2−1)は、そのTgが上記Tg
A-2の範囲内にある限り、該重合体を構成するモノマー
の組成には特に制限はないが、例えば、前述したモノマ
ー(M−1)の少なくとも1種を必須成分とし、これに
必要に応じて前記モノマー(M−2)及び(M−3)か
ら選ばれる1種又は複数種のモノマーを組合わせて
(共)重合することにより得られるアクリル系(共)重
合体が好適である。
【0032】しかして、アクリル系重合体(A−2−
1)を構成するモノマー成分として好適なものには、モ
ノマー(M−1)として、メチルメタクリレート、ブチ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートに代
表される(メタ)アクリル酸のC1-9アルキルエステ
ル;モノマー(M−2)として、アクリル酸又はメタク
リル酸;及びモノマー(M−3)として、スチレン、バ
ーサチツク酸ビニル(商品名)の組合わせが挙げられ
る。
【0033】なお、アクリル系重合体(A−2−1)
が、構成モノマー成分としてモノマー(M−2)を含む
場合、重合体(A−2−1)中のモノマー(M−2)の
含量は、重合体(A−1)及び(A−2−1)中のモノ
マー(M−2)の合計に対して50重量%以下、好まし
くは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下
であることが望ましい。
【0034】アクリル系重合体(A−2−1)を構成す
るモノマーの構成割合は、アクリル系重合体(A−2−
1)の重合時の仕込み量として、モノマーの合計量を基
準にして以下の範囲内であることが望ましい。
【0035】モノマー(M−1):一般に50〜100
重量%、好ましくは70〜100重量%; モノマー(M−2):一般に0〜10重量%、好ましく
は0〜5重量%; モノマー(M−3):一般に0〜50重量%、好ましく
は0〜30重量%。
【0036】一方、重合体(A−2)として使用しうる
ウレタン系重合体(A−2−2)は、塗料分野、接着剤
分野等において通常用いられるものであることができ
る。
【0037】かかるウレタン系重合体(A−2−2)
は、通常の方法に従い、ポリイソシアネート化合物とポ
リオール化合物とから得られる末端にイソシアネート基
を有するウレタンプレポリマーに、鎖延長剤を反応させ
ることにより調製することができる。
【0038】ウレタン系重合体(A−2−2)の製造に
際して使用しうるポリイソシアネート化合物としては、
例えば1,3-または1,4-フエニレンジイソシアネー
ト、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネート、
1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4′-ジフエニ
ルメタンジイソシアネート、3,3′-ジメチルジフエニ
ルメタン-4,4′-ジイソシアネート、1,3-キシリレ
ンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合
物;1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-
1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8-オクタ
メチレンジイソシアネート、1,10-デカメチレンジイ
ソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;
1,3-または1,4-シクロヘキシレンジイソシアネー
ト、1-メチルシクロヘキサン-1,3-または1,4-ジイ
ソシアネート、4,4′-ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3-イソ
シアネートメチルシクロヘキサン等の脂環族ポリイソシ
アネート化合物;などを例示することができる。これら
ポリイソシネート化合物の中で好適なものとしては、例
えば、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネート、
1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
トが挙げられる。
【0039】上記ポリイソシネート化合物と反応せしめ
られるポリオール化合物としては、ポリエステルポリオ
ール類、ポリエーテルポリオール類及びポリエステルエ
ーテルポリオール類が包含され、ポリオール化合物とし
ては、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオ
ール類及びポリエステルエーテルポリオール類などがあ
る。ポリエステルポリオール類としては、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタン
ジオール、1,6-ヘキサンジオール、グルセロール、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ソルビ
タン、ソルビトール等の多価アルコールと、例えば、コ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル
酸、メサコン酸、シトラコン酸、イコタン酸、グルタル
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリ
ット酸、トリメリット酸、ドデカンジカルボン酸等の多
価カルボン酸との縮合物及びラクトン重合物などを例示
することができ、また上記ポリエーテルポリオール類と
しては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ
エチレンプロピレングリコールなどのポリアルキレング
リコールを挙げることができ、ポリエステルエーテルポ
リオール類としては、上記ポリエステルポリオール類に
エチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加させた
もの、上記ポリエーテルポリオール類と上記ポリカルボ
ン酸とを縮合させた末端に水酸基を有するものなどを挙
げることができる。
【0040】鎖延長剤としては、イソシアネート基と反
応性のある活性水素原子を含有する官能基を少なくとも
2個有する化合物を使用することができ、その代表的な
例としては、例えば、水、多価アルコール類、第1級も
しくは第2級の多価アミン類、ヒドラジン及びその誘導
体などが包含される。
【0041】上記多価アルコール類としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-ま
たは1,3-プロピレングリコール、1,2-、1,3-また
は1,4-ブチレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-
プロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、2,
2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等の脂肪族
ジオール;2,2,4,4-テトラメチルシクロブタンジオ
ール、1,3-シクロペンタンジオール、メチレンビス
(4-シクロヘキサノール)等の脂環族ジオール;1,4
-フエニレンビス(2-ヒドロキシエチルエーテル)、
1,2-プロピレングリコールビス(2-ヒドロキシフエ
ニルエーテル)等の芳香族ジオール;などを挙げること
ができる。多価アミン類としては、例えば、エチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミ
ン、ジアミノジフエニルメタン、ジエチレントリアミン
などを例示することができ、ヒドラジンの誘導体として
は、例えば、ジメチルヒドラジン、1,6-ヘキサメチレ
ンビスヒドラジンなどの置換ヒドラジン;ジカルボン
酸、ジスルホン酸、ラクトンまたは多価アルコールとヒ
ドラジンとの反応生成物;などを挙げることができる。
【0042】前記鎖延長剤としては、これらの他に、特
にウレタンプレポリマーやウレタン系重合体のエマルジ
ョン化に際して、これらにイオン性を付与するために用
いられるものが挙げられ、その具体例としては、例え
ば、2,2-ジメチロール酢酸、2,2-ジメチロールプロ
ピオン酸、2,2-ジメチロール酪酸、2,2-ジメチロー
ル吉草酸等のジヒドロキシカルボン酸;2,5-ジアミノ
安息香酸、α,ε-カプロン酸(リジン)、2-アミノ-5
-グアニジノ吉草酸(アルギニン)等のジアミノカルボ
ン酸;メチルジエタノールアミンなどのアルキルジアル
カノールアミン;等を挙げることができる。
【0043】前記の末端にイソシアネート基を有するウ
レタンプレポリマーは、例えば、前記ポリイソシアネー
ト化合物とポリオール化合物とを、イソシアネート基が
水酸基より当量的に過剰になるような割合で使用し、窒
素雰囲気下に有機溶媒中で撹拌しながら約25〜110
℃の温度で、必要に応じて触媒の存在下に反応させるこ
とにより製造することができる。
【0044】ここで使用しうる有機溶媒としては、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオ
キサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;例えば、
酢酸エチル等のエステル類;ヘプタン、オクタン等の脂
肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン等の脂環族炭化水素類;等を挙げることができる。ま
た、有用な反応触媒としては、例えば、トリエチルアミ
ン等の第3級アミン;塩化第1錫等の無機塩類;ジ-n-
ブチル錫ジラウレート等の有機金属化合物;などが挙げ
られる。
【0045】上記の如くして調製されるウレタンプレポ
リマーを鎖延長剤とそれ自体既知の方法により反応させ
ることにより、殻部の重合体(A−2)として適したウ
レタン系重合体(A−2−2)を得ることができる。
【0046】複合体微粒子(A)の構造 複合体微粒子(A)は、前述したアクリル系重合体(A
−1)からなる芯部と、上記の重合体(A−2)からな
る殻部とからなる芯−殻構造をもつ複合体微粒子であ
る。芯部は実質的に前記のカルボキシル基含有アクリル
系重合体(A−1)のみからなることができるが、場合
によつては、重合体(A−2)が少量混入していてもよ
い。また、殻部は実質的に前記の重合体(A−2)のみ
から構成されていることができるが、場合によつてはカ
ルボキシル基含有アクリル系重合体(A−1)が少量混
入していてもよい。
【0047】しかして、分散複合体微粒子(A)中の芯
部重合体(A−1)及び殻部重合体(A−2)の割合
は、最終の水性樹脂分散液に望まれる特性等に応じて変
えることができるが、一般には、複合体微粒子(A)の
重量を基準にして、芯部重合体(A−1)は50〜90
重量%、好ましくは60〜85重量%、さらに好ましく
は70〜80重量%の範囲内にあり且つ殻部重合体(A
−2)は50〜10重量%、好ましくは40〜15重量
%、さらに好ましくは30〜20重量%の範囲内にある
ことができる。複合体微粒子(A)中の芯部重合体(A
−1)の割合が50重量%より少ないと、形成される被
膜の制振性が不十分となりがちであり、反対に90重量
%を超えると、殻部重合体(A−2)の効果が現れにく
く、形成される被膜が硬くなり過ぎて低温耐衝撃性が低
下する傾向にある。
【0048】また、殻部重合体(A−2)が前述したア
クリル系重合体(A−2−1)である場合には、芯部重
合体(A−1)及び殻部重合体(A−2)は、複合体微
粒子(A)を構成する全モノマー組成が下記に示す範囲
内となるように選ぶことが望ましい。
【0049】モノマー(M−1):一般に40〜99.
5重量%、好ましくは45〜99重量%、さらに好まし
くは50〜95重量%; モノマー(M−2):一般に0.5〜10重量%、好ま
しくは1〜5重量%; モノマー(M−3):一般に0〜60重量%、好ましく
は0〜55重量%、さらに好ましくは0〜50重量%。
【0050】本発明の水性樹脂分散液中の複合体微粒子
(A)は、アクリル系重合体(A−1)からなる芯部
と、この芯部を被覆する重合体(A−2)からなる殻部
とからなる実質的に球状の粒子からなることが好まし
く、その粒子の平均粒径は、一般に0.05〜5ミクロ
ン、好ましくは0.05〜0.9ミクロン、さらに好まし
くは0.1〜0.5ミクロンの範囲内であることができ
る。なお、複合体微粒子(A)、並びに後述する複合体
微粒子(B)および重合体微粒子(C)の平均粒径はD
LS法により測定した値である。
【0051】また、上記殻部は芯部の表層部を均一に被
覆していることが望ましいが、場合によつては、部分的
に、例えば、網目状、島状に被覆していることもでき
る。複合体微粒子(A)は、主として芯部を構成するカ
ルボキシル基含有アクリル系重合体(A−1)に起因し
て、酸性を呈し、その粒子のカルボキシル基の含有量
は、電導度滴定法により測定して、複合体粒子100g
当り通常5〜150ミリグラム当量、特に10〜75ミ
リグラム当量の範囲内にありうる。
【0052】なお、芯部のアクリル系重合体(A−1)
のカルボキシル基の含有量は、水性分散液の製造過程に
おいて、芯部重合体(A−1)のエマルジヨンの形成が
終つた時点でサンプリングして電導度滴定法により測定
することができる。
【0053】また、殻部重合体(A−2)がウレタン系
重合体(A−2−2)である場合、複合体微粒子(A)
は、後述するように、通常、殻部形成用ウレタン系重合
体のエマルジヨン又は水溶液の存在下に芯部を形成する
アクリル系モノマーを添加して重合することにより調製
されるが、この場合、芯部のアクリル系重合体(A−
1)のカルボキシル基の含有量は、ウレタン系重合体及
び生成する複合体微粒子のそれぞれのカルボキシル基の
含有量を上記の方法で測定し、下記の計算式によつて芯
部のアクリル系重合体(A−1)のカルボキシル基の含
有量を求めることができる。
【0054】
【数1】
【0055】ここで XA:芯部のアクリル系重合体のカルボキシル基含有量 Xp:複合体微粒子のカルボキシル基含有量 Xu:ウレタン系重合体のカルボキシル基含有量 Wu:複合体微粒子中に占めるウレタン系重合体の重量
分率 WA:複合体微粒子中に占める芯部のアクリル系重合体
の重量分率水性媒体 :以上に述べた複合体微粒子(A)、並びに後
述する複合体微粒子(B)および重合体微粒子(C)を
分散させるための分散媒としての水性媒体は、通常水で
あるが、場合によつては、水と水混和性有機溶媒との混
合溶媒を使用することもできる。
【0056】複合体微粒子(A)の水性分散液の調製
殻部重合体(A−2)が前述した如きアクリル系重合体
(A−2−1)である場合の複合体微粒子(A)の水性
分散液は、それ自体既知のいわゆる「シード重合法」の
如き多段階の乳化重合法により調製することができる。
例えば、該水性分散液は、(1) 界面活性剤及び/又
は保護コロイドの存在下に、水性媒体中で、芯部重合体
(A−1)を形成するのに必要な割合の前記モノマー
(M−1)、(M−2)及び(M−3)を乳化重合させ
てカルボキシル基含有アクリル系重合体(A−1)のエ
マルジヨンを調製する工程、及び(2) 形成されるア
クリル系重合体(A−1)のエマルジヨンに対して、殻
部のアクリル系重合体(A−2−1)を形成するのに必
要な割合のモノマー(M−1)、(M−2)及び(M−
3)を一段階又は多段階で添加してさらに乳化重合する
工程により製造することができる。
【0057】上記の工程(1)において界面活性剤とし
ては、非イオン系、アニオン系、カチオン系及び両性の
いずれの界面活性剤でも使用しうるが、通常非イオン系
及び/又はアニオン系界面活性剤が好適である。用いう
るアニオン系界面活性剤としては、例えば、ステアリン
酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナト
リウム等の脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリ
ル硫酸ナトリウム等のアルキル(又はアルケニル)硫酸
エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシ
エチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキ
ルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;ポリオ
キシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリ
オキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル
硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフエノー
ルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンア
ルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類等が挙げられ
る。
【0058】また、使用しうる非イオン系界面活性剤と
しては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオ
キシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル
類;ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリ
オキシアルキレンアルキルアリールエーテル類;ソルビ
タンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソ
ルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル
類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等の
ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポ
リオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレン
モノステアレート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エス
テル類;オレイン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノ
グリセリド等のグリセリン脂肪酸エステル類;ポリオキ
シエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロツクコポリマ
ー;等を例示することができる。
【0059】さらに、使用しうるカチオン系界面活性剤
としては、例えば、ラウリルアミンアセテート等のアル
キルアミン塩;例えば、ラウリルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウム
クロライド等の第4級アンモニウム塩;ポリオキシエチ
ルアルキルアミン等が挙げられ、そして両性界面活性剤
としては、例えば、ラウリルベタインなどのアルキルベ
タイン等を挙げることができる。
【0060】さらにまた、これらの界面活性剤のアルキ
ル基の水素の一部をフツ素で置換したフツ素含有界面活
性剤や、これら界面活性剤の分子構造中にラジカル共重
合性不飽和結合を有する、いわゆる反応性界面活性剤等
も使用することができる。
【0061】これらの界面活性剤のうち、乳化重合時の
凝集物発生の少なさなどの観点より、非イオン系界面活
性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキル(又はア
ルケニル)エーテル類、ポリオキシアルキレンアルキル
アリールエーテル類;そしてアニオン系界面活性剤とし
ては、アルキルアリールスルホン酸塩類、アルキル(又
はアルケニル)硫酸塩類、アルキルスルホコハク酸エス
テル塩及びその誘導体類、ポリオキシアルキレンアルキ
ル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル類、ポリオ
キシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル
塩類等を使用することが好ましい。これらの界面活性剤
はそれぞれ単独で又は適宜組合わせて使用することがで
きる。
【0062】上記界面活性剤の使用量は、用いる界面活
性剤の種類やモノマーの種類等に応じて変えることがで
きるが、一般には、芯部重合体(A−1)及び殻部重合
体(A−2−1)を形成するのに用いるモノマーの合計
100重量部に対して約0.5〜約10重量部、好まし
くは約1〜約6重量部、さらに好ましくは約1〜約4重
量部の範囲内とすることができる。
【0063】一方、前記工程(1)で使用しうる保護コ
ロイドとしては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコ
ール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニ
ルアルコール等のポリビニルアルコール類;ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;グ
アーガムなどの天然多糖類などが挙げられる。
【0064】これら保護コロイドは単独で使用してもよ
く、或いは前述の界面活性剤と併用してもよい。その使
用量は、使用条件にもよるが、通常、芯部重合体(A−
1)及び殻部重合体(A−2−1)を形成するのに使用
するモノマーの合計100重量部に対して約0〜約3重
量部の範囲内とすることができる。
【0065】前記工程(1)の乳化重合に使用しうる重
合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩類;t−
ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイドなどの
有機過酸化物類;過酸化水素;などが挙げられ、これら
はそれぞれ単独で又は複数種組合わせて使用することが
できる。
【0066】重合開始剤の使用量は厳密ではなく適当に
選択することができるが、一般には、芯部重合体(A−
1)を形成するために使用されるモノマーの合計100
重量部に対して約0.05〜約1重量部、より好ましく
は約0.1〜約0.7重量部、特に好ましくは約0.1〜
約0.5重量部の範囲内を例示することができる。
【0067】また、前記工程(1)の乳化重合に際し
て、所望により、還元剤を併用することができる。使用
しうる還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石
酸、クエン酸、ブドウ糖等の還元性有機化合物;例え
ば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸
ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化
合物を例示することができる。
【0068】かかる還元剤の使用量もまた適宜選択する
ことができるが、通常、芯部重合体(A−1)を形成す
るために使用するモノマーの合計100重量部に対し
て、約0.05〜約1重量部の範囲内を例示することが
できる。
【0069】さらにまた、前記工程(1)の乳化重合に
際して、所望により連鎖移動剤を用いることもできる。
このような連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸;
シアノ酢酸のC1-8アルキルエステル類;ブロモ酢酸;
ブロモ酢酸のC1-8アルキルエステル類;アントラセ
ン、フエナントレン、フルオレン、9−フエニルフルオ
レンなどの芳香族化合物類;p−ニトロアニリン、ニト
ロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、
p−ニトロフエノール、p−ニトロトルエン等の芳香族
ニトロ化合物類;ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラ
メチル−p−ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体類;
トリブチルボラン等のボラン誘導体;四臭化炭素、四塩
化炭素、1,1,2,2−テトラブロモエタン、トリブロ
モエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメ
タン、トリブロモメタン、3−クロロ−1−プロペン等
のハロゲン化炭化水素類;クロラール、フラルデヒド等
のアルデヒド類;炭素数1〜18のアルキルメルカプタ
ン類;チオフエノール、トルエンメルカプタン等の芳香
族メルカプタン類;メルカプト酢酸;メルカプト酢酸の
1-10アルキルエステル類;炭素数1〜12のヒドロキ
ルアルキルメルカプタン類;ビネン、ターピノレン等の
テルペン類等を挙げることができる。
【0070】上記連鎖移動剤を用いる場合その使用量
は、芯部重合体(A−1)を形成するのに使用されるモ
ノマーの合計100重量部に対して約0.005〜約3.
0重量部の範囲内であるのが好ましい。
【0071】前記工程(1)を実施する場合の1つの好
適な方法としては、適宜界面活性剤及び/又は保護コロ
イドを含有していてもよい水性媒体中に、芯部重合体
(A−1)を形成するためのモノマー成分、界面活性剤
及び/又は保護コロイド、重合開始剤及び必要に応じて
使用される他の成分を逐次添加する方法が挙げられる。
工程(1)の乳化重合は一般に約30〜約100℃、好
ましくは約40〜約90℃の温度で実施することができ
る。これにより、カルボキシル基含有アクリル系重合体
(A−1)のエマルジヨンを形成せしめることができ
る。
【0072】次いで工程(2)において、このようにし
て得られる芯部重合体(A−1)のエマルジヨンに対し
て、殻部のアクリル系重合体(A−2−1)を形成する
ためのモノマーが添加され、さらに乳化重合が行われ
る。この第2段階目の乳化重合は、実質的に界面活性剤
及び/又は保護コロイドを追加することなく行なわれ
る。
【0073】例えば、第2段階目の重合は、工程(1)
で得られる芯部重合体(A−1)のエマルジヨン中に、
殻部のアクリル系重合体(A−2−1)を形成するのに
必要なモノマー成分、重合開始剤及び必要に応じて使用
される他の成分、例えば還元剤又は連鎖移動剤を逐次添
加することにより行なうことができる。
【0074】この第2段階目の重合に際して使用される
重合開始剤は、工程(1)について前述したものの中か
ら選ぶことができ、その使用量は特に制限されないが、
通常、殻部のアクリル系重合体(A−2−1)を形成す
るためのモノマーの合計100重量部に対して約0.0
5〜約1重量部、好ましくは約0.1〜約0.7重量部、
さらに好ましくは約0.1〜約0.5重量部の範囲内を例
示することができる。また、還元剤及び連鎖移動剤は使
用する場合には、芯部重合体(A−1)の場合と同割合
とすることができる。
【0075】また、工程(2)の第2段階目の乳化重合
は、一般に約30〜約100℃、好ましくは約40〜約
90℃の温度で実施することができる。
【0076】以上に述べた多段階の乳化重合により、芯
部がカルボキシル基含有アクリル系重合体(A−1)か
らなり且つ殻部がアクリル系重合体(A−2−1)から
なる複合体微粒子(A)の水性分散液を製造することが
できる。
【0077】一方、殻部重合体(A−2)がウレタン系
重合体(A−2−2)である場合の複合体微粒子(A)
は、例えば、ウレタン系重合体の水溶液又はエマルジヨ
ン、好ましくはウレタン系重合体エマルジヨンの存在下
に、前述した芯部のカルボキシル基含有アクリル系重合
体を形成するためのモノマー、例えば前記モノマー(M
−1)、(M−2)及び(M−3)を添加して重合する
方法によつて調製することができる。
【0078】この方法に使用しうるウレタン系重合体エ
マルジヨンは、例えば、前述したウレタンプレポリマー
と鎖延長剤を以下に述べる如き方法によつて反応させる
ことにより製造することができる:カチオン性エマルジ
ョンの製造法としては、例えば、(1)末端にイソシア
ネート基を有するウレタンプレポリマーを、鎖延長剤と
して3級アミノ基を有するジオールを用いてポリマー化
したのち4級化剤もしくは酸によりカチオン化するか、
または、鎖延長剤として4級アミノ基を有するジオール
を反応させてカチオン化する方法、(2)末端にイソシ
アネート基を有するウレタンプレポリマーを、鎖延長剤
としてポリアルキレンポリアミンを用いてポリマー化し
た後、エピハロヒドリンと酸を反応させてカチオン化す
る方法、などを挙げることができる。
【0079】また、アニオン性エマルジョンの製造法と
しては、例えば、(3)末端にイソシアネート基を有す
るウレタンプレポリマーを、鎖延長剤としてジヒドロキ
シカルボン酸またはジアミノカルボン酸を用いてポリマ
ー化した後、アルカリ性化合物により中和してアニオン
化する方法、(4)疎水性ポリオールと芳香族ポリイソ
シアネートから得た末端にイソシアネート基を有するウ
レタンプレポリマーを、スルホン化し第3級アミンで中
和してアニオン化する方法、等を挙げることができる。
【0080】更に、非イオン性エマルジョンの製造法と
しては、例えば、(5)末端にイソシアネート基を有す
るウレタンプレポリマーを、乳化剤を用いて必要に応じ
てジアミン等を含む水溶液中に分散し、水またはジアミ
ンで鎖延長する方法、(6)末端にイソシアネート基を
有するウレタンプレポリマーに、長鎖アルコールのアル
キレンオキシド縮合物(非イオン界面活性剤の一種)と
水酸基等の親水基を有するアミンとを反応させる方法、
(7)末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポ
リマーに前記鎖延長剤を反応させてウレタン系重合体と
し、乳化剤を用いて機械的に水中に分散させる方法、等
を挙げることができる。
【0081】ウレタン系重合体エマルジョンとしては、
以上に述べたものの他に、例えば、ポリイソシアネート
化合物または末端にイソシアネート基を有するウレタン
プレポリマーに、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートなどの水酸基含有ビニル系単量体を反応させるこ
とによりウレタンプレポリマー中にラジカル重合性基を
導入し、該ウレタンプレポリマーと前記(メタ)アクリ
ル系モノマーとを乳化共重合したもの;前記末端にイソ
シアネート基を有するウレタンプレポリマーのイソシア
ネート基の1部を各種のブロック剤でブロックするか、
該ウレタンプレポリマーまたはウレタン系重合体にイソ
シアネート基の1部をブロック化したウレタンプレポリ
マーを反応させるかして、分子中にブロック化イソシア
ネートを含有する該ウレタンプレポリマーまたはウレタ
ン系重合体とし、これを前記同様の方法で乳化したもの
なども使用することができる。
【0082】さらに、例えば、「HUX−350」、
「HUX−320」、「HUX−232」、「HUX−
401」、「HUX−550」[以上、旭電化工業
(株)製]、「スーパーフレツクス410」、「スーパ
ーフレツクス460」[以上、第一工業製薬(株)
製]、「MELUSI−437」、「MELUSI−5
45」、「MELUSI−585」、「MELUSI−
589」、「MELUSI−590」、「MELUSI
−490」[以上、トーヨーポリマー(株)製]等の商
品名で市販されているウレタン系重合体エマルジヨンを
使用することもできる。
【0083】これらのうち、ウレタン系重合体エマルジ
ヨンとしては、複合体微粒子形成の容易さ、及び、得ら
れる複合体粒子の分散安定性のよさ等の観点からして、
アニオン性または非イオン性エマルジョンを用いるのが
好適である。
【0084】また、以上述べた如くして製造されるウレ
タン系重合体エマルジョン中の重合体粒子の平均粒子径
は、一般に0.01〜0.5ミクロン、好ましくは0.0
2〜0.3ミクロンの範囲内にあることが望ましい。
【0085】以上に述べた如くして調製されるウレタン
系重合体エマルジヨンの存在下での芯部のカルボキシル
基含有アクリル系重合体(A−1)形成用のモノマーの
重合は、殻部重合体(A−2)がアクリル系重合体(A
−2−1)である場合の複合体微粒子(A)の調製法と
して前述した方法の工程(1)に準じて、ただし通常は
界面活性剤及び/又は保護コロイドを用いないで行なう
ことができる。
【0086】例えば、殻部重合体であるウレタン系重合
体エマルジヨンに対して芯部のアクリル系重合体(A−
1)を形成するのに必要な割合のモノマー(M−1)、
(M−2)及び(M−3)を添加して乳化重合する方法
により行なうことができる。さらに、殻部重合体(A−
2)がウレタン系重合体(A−2−2)である場合の複
合体微粒子(A)の別の調製方法としては、例えば、前
述のとおり芯部のカルボキシル基含有アクリル系重合体
(A−1)を形成した後、このアクリル系重合体(A−
1)の存在下に、前記のラジカル重合性基を有するウレ
タン系プレポリマー(例えばポリイソシアネート化合物
又はウレタンプレポリマーに2−ヒドロキシ(メタ)ア
クリレートなどのラジカル重合性モノマーを付加させた
もの)又はウレタン系重合体をアクリル系モノマー等の
適宜のラジカル重合性モノマーに溶解させたものを添加
して重合する方法を採用することもできる。
【0087】これにより、芯部がカルボキシル基含有ア
クリル系重合体(A−1)からなり且つ殻部がウレタン
系重合体(A−2−2)からなる芯−殻型複合体微粒子
(A)を含む水性分散液が得られる。
【0088】得られる複合体微粒子(A)の水性分散液
の固形分濃度は、特に制限されるものではなく、用途、
取扱の容易さ等に応じて広い範囲にわたつて変化させる
ことができるが、一般には約10〜約70重量%、好ま
しくは約30〜約65重量%、さらに好ましくは約40
〜約60重量%の範囲内が適当である。
【0089】また、該水性分散液は、通常、2〜10、
好ましくは2〜8の範囲内のpHを有することができ、
さらに約10〜約10000cps、好ましくは約50
〜約5000cpsの範囲内の粘度(B型回転粘度計、
25℃、20rpmによる)をもつことができる。
【0090】なお、水性分散液のpHの調整は、水性分
散液に、アンモニア水、水溶性アミン類、水酸化アルカ
リ水溶液等を添加することによつて行なうことができ
る。
【0091】芯−殻型複合体微粒子(B) 本発明の水性樹脂分散液において、以上に述べた複合体
微粒子(A)と組合わせて使用されうる複合体微粒子
(B)は、複合体微粒子(A)と同じく、基本的には、
(1) ガラス転移温度(TgB-1)が−10℃〜50
℃の範囲内にあるカルボキシル基含有アクリル系重合体
(B−1)からなる芯部と、(2) 該芯部を被覆する
ガラス転移温度(TgB-2)が−10℃より低い重合体
(B−2)からなる殻部よりなる芯−殻型複合体微粒子
であつて、該複合体微粒子の重量を基準にして、該芯部
が50〜90重量%を占め且つ残りが殻部であるもので
ある。ただし、複合体微粒子(B)の芯部のアクリル系
重合体(B−1)として、そのガラス転移温度(Tg
B-1)が、複合体微粒子(A)の芯部のアクリル系重合
体(A−1)のガラス転移温度(TgA-1)よりも少な
くとも10℃低いもの、好ましくは15℃以上低いも
の、さらに好ましくは20℃以上低いものを用いる点
で、複合体微粒子(A)と異なる。中でも、TgA-1
のTgB-1の温度差(TgA-1−TgB-1)は、10〜5
0℃、特に15〜45℃、さらに特に20〜40℃の範
囲内にあるのが好適である。
【0092】しかして、複合体微粒子(B)としては、
複合体微粒子(A)について前述したものの中から、上
記のガラス転移温度条件を満たすものを選んで使用する
ことができる。
【0093】重合体微粒子(C) 本発明の水性樹脂分散液において、前述した複合体微粒
子(A)と組合わせ使用されうる重合体微粒子(C)
は、そのガラス転移温度(Tgc)が−30℃〜50
℃、好ましくは−25℃〜40℃、さらに好ましくは−
20℃〜30℃の範囲内にあり且つ併用される複合体微
粒子(A)の芯部のアクリル系重合体(A−1)のガラ
ス転移温度(TgA-1)と少なくとも10℃、好ましく
は15℃以上、さらに好ましくは20℃以上異なる(高
くても低くてもよい)ものであれば、その種類には特に
制限はなく使用することができる。中でも、TgA-1
Tgcの温度差|TgA-1−Tgc|が10〜50℃、好
ましくは15〜45℃、さらに好ましくは20〜40℃
の範囲内にあるものが好ましい。例えば、アクリル系重
合体、合成ゴム系重合体、飽和脂肪酸ビニル系重合体、
ウレタン系重合体、エポキシ系重合体等、種々の重合体
を用いることができる。また、その製造法も、乳化重合
法、懸濁重合法等適宜の方法を採用することができる
が、重合反応の容易さ、得られる本発明の水性樹脂分散
液の安定性、形成される被膜の諸物性等の観点から乳化
重合法により製造するのが好ましい。
【0094】例えば、アクリル系重合体、合成ゴム系重
合体、飽和脂肪酸ビニル系重合体などの重合体の微粒子
を製造する場合には、前記複合体微粒子(A)のエマル
ジヨンの調製法において述べた工程(1)と同様に、界
面活性剤及び/又は保護コロイドの存在下且つ所望によ
り連鎖移動剤の存在下に、適宜の単量体を水性媒体中で
乳化重合することにより、(共)重合体エマルジヨンと
して製造するのが好ましい。
【0095】また、ウレタン系重合体微粒子としては、
殻部重合体(A−2)がウレタン系重合体である複合体
微粒子(A)の調製に際して前述したウレタン系重合体
エマルジヨンと同様にして製造されたものを用いること
ができる。
【0096】さらに、エポキシ系重合体微粒子は、ビス
フエノールA型、ビスフエノールF型等のエポキシ重合
体を主成分とする微粒子であり、例えば、これらエポキ
シ重合体と前記複合体微粒子(A)のエマルジヨンの調
製法において記載した如き界面活性剤とを、必要に応じ
て加熱下に混合して強制乳化する方法;エポキシ重合体
に多塩基酸、アミノ酸、オキシ酸などを付加させてカル
ボキシル基を導入し、導入されたカルボキシル基をアン
モニア、低級アミン等の揮発性塩基で中和して水中に分
散する方法;有機溶媒中でエポキシ重合体の存在下に不
飽和カルボン酸を含むアクリル系モノマーを重合してエ
ポキシ重合体の主鎖にカルボキシル基を含むアクリル系
重合体をグラフト化させ、揮発性塩基により中和して水
中に分散する方法;予め重合したカルボキシル基含有重
合体を三級アミンなどの存在下にエポキシ重合体のエポ
キシ基と反応させることによりカルボキシル基を導入
し、揮発性塩基により中和して水中に分散する方法など
により調製することができる。
【0097】重合体微粒子(C)は、一般に、0.01
〜1ミクロン、好ましくは0.01〜0.5ミクロン、さ
らに好ましくは0.02〜0.3ミクロンの範囲内の平均
粒子径をもつことができる。
【0098】水性樹脂分散液 本発明の水性樹脂分散液は、水性媒体中に、前述した複
合体微粒子(A)と、複合体微粒子(B)及び/又は重
合体微粒子(C)を分散することにより、例えば、前述
した如くして調製される複合体微粒子(A)の水性分散
液を、複合体微粒子(B)及び/又は重合体微粒子
(C)の水性分散液と混合することにより製造すること
ができる。
【0099】その際の各成分の配合割合は、微粒子
(A)、(B)及び(C)の合計量(固形分合計量)を
基準にして次のとおりとすることができる。
【0100】 一般的範囲 好適範囲 最適範囲 (重量%) (重量%) (重量%) 複合体微粒子(A) 30〜90 40〜80 50〜70 複合体微粒子(B) 0〜70 0〜60 0〜50 重合体微粒子(C) 0〜70 0〜60 0〜50 微粒子(B)と微粒 70〜10 60〜20 50〜30 子(C)の合計量 本発明の水性樹脂分散液としては、一般に、複合体微粒
子(A)と複合体微粒子(B)を含有するものが好適で
ある。
【0101】本発明により提供される水性樹脂分散液
は、カルボキシル基含有アクリル系重合体を主体とする
芯部と、該芯部を被覆するアクリル系重合体を主体とす
る殻部とからなる複数の複合体微粒子又はそのような複
合体微粒子の少なくとも1種と重合体微粒子とが水性媒
体中に安定に分散した複数の重合体微粒子の混合物の水
性樹脂分散液であり、例えば、マスチツク塗料、防音塗
料、防振塗料、コーキング材等の各種の水性被覆用組成
物、特に、制振性水性被覆用組成物におけるビヒクル成
分として有利に利用することができる。
【0102】しかして、本発明はまた、本発明の水性樹
脂分散液と無機質充填剤からなる水性被覆用組成物が提
供するものである。
【0103】上記無機質充填剤は、増量剤、被膜の硬さ
の調節、ブリスターの発生防止等の目的で本発明の組成
物に配合されるものであり、使用しうる無機質充填剤と
しては、実質的に水に不溶性ないし難溶性の、針状、繊
維状、鱗片状、球状などの任意の形状の無機質固体粉
末、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カオ
リン、クレー、タルク、珪藻土、マイカ、水酸化アルミ
ニウム、ガラス粉、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、
セピオライト、ウオラストナイト、ゼオライト等を例示
することができる。
【0104】また、必要に応じて、シラスバルーン、ガ
ラスバルーン、樹脂バルーン等の軽量化又は気泡の導入
を目的とした添加物や、ベントナイト、セルロース誘導
体等の作業性、粘性調整等を目的とした添加物も使用す
ることができる。
【0105】これらの無機質充填剤の配合量は、その種
類や被覆用組成物に対して望まれる物性等に応じて広い
範囲で変化させることができるが、前記水性樹脂分散液
の全固形分100重量部に対して、一般に100〜39
0重量部、好ましくは120〜380重量部、さらに好
ましくは150〜300重量部の範囲内とすることがで
きる。
【0106】また、上記無機質充填剤は、一般に約1〜
約50ミクロン、特に約5〜約30ミクロンの範囲内の
平均粒径をもつものであることが望ましい。
【0107】本発明の水性被覆用組成物は、必要に応じ
て、通常の被覆用組成物におけると同様に、防錆顔料、
着色顔料、架橋剤等を含有することができる。
【0108】上記防錆顔料としては、例えば、鉛丹;ク
ロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸ストロンチウ
ムなどのクロム酸金属塩;リン酸亜鉛、リン酸カルシウ
ム、リン酸アルミニウム、リン酸チタン、リン酸珪素、
または、これら金属のオルトもしくは縮合リン酸塩など
のリン酸金属塩;モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カル
シウム、モリブデン酸亜鉛カルシウム、モリブデン酸亜
鉛カリウム、リンモリブデン酸亜鉛カリウム、リンモリ
ブデン酸カルシウムカリウムなどのモリブデン酸金属
塩;硼酸カルシウム、硼酸亜鉛、硼酸バリウム、メタ硼
酸バリウム、メタ硼酸カルシウムなどの硼酸金属塩;等
を例示することができる。これらの防錆顔料のうち、リ
ン酸金属塩、モリブデン酸金属塩、硼酸金属塩などの無
毒性または低毒性防錆顔料が好ましい。
【0109】防錆顔料の配合量としては、該水性樹脂分
散液の全固形分100重量部に対して、例えば、0〜5
0重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲内を例示す
ることができる。
【0110】また、着色顔料としては、例えば、酸化チ
タン、カーボンブラツク、弁柄、ハンザイエロー、ベン
ジジンイエロー、フタロシアニンブルー、キナクリドン
レツド等の有機もしくは無機の着色顔料を挙げることが
できる。これらの着色顔料の配合量は、水性樹脂分散液
の全固形分100重量部に対して、例えば、0〜10重
量部、好ましくは0.5〜5重量部の範囲内を例示する
ことができる。
【0111】なお、これら防錆顔料及び着色顔料の粒径
は、得られる被覆用組成物の形成被膜の平滑さなどの観
点から、1〜50ミクロンの範囲内にあるのが好まし
い。
【0112】本発明の水性樹脂分散液を用いた水性被覆
用組成物は、それにより形成される被膜中に占める総顔
料(前記無機質充填剤、着色顔料、防錆顔料及び軽量化
又は気泡の導入を目的とした添加物等の合計量)の割合
(以下、PWCと略記することがある)が、好ましくは
50〜80重量%、より好ましくは55〜77重量%、
さらに好ましくは60〜75重量%となるようにするの
がよい。該PWCの値が該下限値以上であれば、得られ
る被膜の強度及び耐チツピング性が優れているので好ま
しく、該上限値以下であれば、得られる被膜の低温耐衝
撃性及び柔軟性が優れているので好ましい。
【0113】(架橋剤)さらに、本発明の水性被覆用組
成物に適宜配合しうる架橋剤としては、(a)水溶性多
価金属塩、例えば、酢酸亜鉛、蟻酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩
化亜鉛等の亜鉛塩;酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウムなどアルミニウム塩;酢酸カルシ
ウム、義酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウ
ム、亜硫酸カルシウム等のカルシウム塩;酢酸バリウ
ム、塩化バリウム、亜硫酸バリウム等のバリウム塩;酢
酸マグネシウム、蟻酸マグネシウム、塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、亜硫酸マグ
ネシウム等のマグネシウム塩;酢酸鉛、蟻酸鉛等の鉛
塩;酢酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸
ニッケル等のニッケル塩;例えば、酢酸マンガン、塩化
マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン等のマンガン
塩;例えば、塩化銅、硝酸銅、硫酸銅等の銅塩;など、
(b)アジリジン化合物、例えば、4,4′-ジフエニル
メタンジイソシアネートとエチレンイミンとの反応生成
物等の下記ポリイソシアネート架橋剤とエチレンイミン
との反応生成物、(c)ポリイソシアネート架橋剤、例
えば、芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイ
ソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物
など前記のウレタン系重合体製造に用いられるポリイソ
シアネート化合物;これらポリイソシアネート化合物の
2量体または3量体;これらイソシアネートと、例え
ば、エチレングリコール、トリメチロールプロパン等の
前記鎖延長剤として用いられる多価アルコール類とのア
ダクト体など、(d)水溶性エポキシ樹脂、例えば、グ
リセロールジグリシジルエーテルなど、(e)水溶性メ
ラミン樹脂、例えば、メチロールメラミン;該メチロー
ルメラミンの水酸基の少なくとも1部をメチルアルコー
ル、エチルアルコール、n-ブチルアルコールなどでエ
ーテル化したものなど、(f)水分散性ブロック化イソ
シアネート、例えば、トリメチロールプロパントリトリ
レンジイソシアネートメチルエチルケトオキシムアダク
トなど上記ポリイソシアネート架橋剤と揮発性の低分子
活性水素含有化合物の付加物、等を挙げることができ
る。
【0114】上記揮発性底分子活性水素含有化合物とし
ては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、
n-ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ベ
ンジルアルコール、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、フエノ
ール等の脂肪族、脂環族または芳香族アルコール;ジメ
チルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノールなど
のヒドロキシ第3アミン;例えば、アセトキシム、メチ
ルエチルケトオキシム等のケトオキシム類;例えば、ア
セチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エステ
ル等の活性メチレン化合物;ε-カプロラクタム等のラ
クタム類;などを例示することができる。
【0115】これらの架橋剤の使用量は、得られる被覆
用組成物の粘度の経時変化抑制等の観点から、該組成物
中の重合体微粒子100重量部に対して、例えば、0〜
10重量部の範囲内を例示することができる。
【0116】本発明の水性被覆用組成物には、さらに必
要に応じて、無機質分散剤[例えば、ヘキサメタリン酸
ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等]、有機質分
散剤[例えば、ノプコスパース44C(商品名、ポリカ
ルボン酸系;サンノプコ(株)製]などの分散剤;シリ
コン系などの消泡剤;ポリビニルアルコール、セルロー
ス系誘導体、ポリカルボン酸系樹脂、界面活性剤系等の
増粘剤および粘性改良剤;エチレングリコール、ブチル
セロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトール
アセテート等の有機溶剤;老化防止剤;防腐剤・防黴
剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;等を添加混合すること
ができる。
【0117】本発明の水性被覆用組成物は、特に限定さ
れるものではないが、一般に、約10〜約85重量%、
好ましくは約30〜約80重量%、特に好ましくは約5
0〜約70重量%の範囲内の固形分を含有し、また、7
〜11、好ましくは8〜10の範囲内のpHを有し且つ
約3,000〜約100,000cps、好ましくは約
5,000〜約50,000cpsの範囲内の粘度(B型
回転粘度計、25℃、20rpmによる)をもつことが
できる。
【0118】本発明の水性被覆用組成物を適用すること
ができる基材は、特に制限されず、例えば、鋼板;例え
ば、鉛−錫合金メツキ鋼板(タンシート鋼板)、錫メツ
キ鋼板、アルミニウムメツキ鋼板、鉛メツキ鋼板、クロ
ムメツキ鋼板、ニツケルメツキ鋼板などの各種メツキ鋼
板;電着塗装鋼板などの塗装鋼板;等を挙げることがで
きる。
【0119】本発明の水性被覆用組成物の塗装は、それ
自体既知の塗装法、例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、
ローラー塗装等により行なうことができるが、一般にエ
アレス吹き付け塗装が好適である。
【0120】その際の塗装膜厚は、基材の用途等に応じ
て異なるが、通常、約500ミクロン以上、特に約10
00〜約5000ミクロンの範囲内が適当である。ま
た、塗膜の乾燥は自然乾燥、加熱乾燥等により行なうこ
とができる。
【0121】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本明細書における各種の物性は以下の
方法で測定したものである。
【0122】ガラス転移温度(Tg):厚さ約0.05
mmのアルミニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5m
mの円筒型のセルに、重合体の水性分散液の試料約10
mgを秤取し、100℃で2時間乾燥したものを測定試
料とする。示差走査熱量計[Differential Scanning Ca
lorimeter:セイコー電子工業(株)製SSC−500
0型]を用い、−150℃から昇温速度10℃/min
で測定決定する。
【0123】上記Tg測定法によれば、本発明の水性樹
脂分散液に含まれるアクリル系重合体複合体微粒子など
の芯部及び殻部からなる複層粒子の場合、相異なる2つ
のTg値が測定できるので、高い方のTg値をTgA-1
又はTgB-1、低い方のTg値をTgA-2又はTgB-2
する。
【0124】粘度:B型回転粘度計により25℃、20
rpmの条件下に測定する。
【0125】カルボキシル基含有量:重合体水性分散液
約10gを精秤し、脱イオン水約300gで希釈した
後、イオン交換樹脂で処理してpH3以下に調整して試
料とする。なお、殻部がウレタン系重合体からなる複合
体微粒子の場合には、その水性分散液の凝集等の発生を
防止するため、イオン交換樹脂で処理する前に、該水性
分散液にカルボキシル基を含まない界面活性剤等を添加
するのが好ましい。この試料を自記録式自動電導度滴定
装置を用い、0.5N水酸化ナトリウム水溶液にて滴定
を行ない、計算により重合体100g当りのカルボキシ
ル基含有量を求める。
【0126】平均粒径:重合体の水性分散液を蒸留水で
5万〜15万倍に希釈し、十分に撹拌混合した後、21
mmφガラスセル中にパスツールピペツトを用いて約1
0ml採取し、これを動的光散乱光度計DLS−700
[大塚電子(株)製]の所定の位置にセツトし、以下の
測定条件下で測定する。
【0127】 測定条件 測定温度 25±1℃ クロツクレート(Clock Rate) 10μsec コレレーシヨン チヤンネル(Corel.Channel) 512 積算測定回数 200回 光散乱角 90° 上記の測定結果をコンピユータ処理して平均粒径を求め
る。
【0128】また、以下の実施例及び比較例において用
いる試験用サンプルの作成及び試験方法は次のとおりで
ある。
【0129】(1) 試験片の作成 JIS G−3141に規定する自動車用鋼板に、日本
ペイント(株)製カチオン電着塗料「U−600」を用
いて電着塗装した0.8×100×200mmの鋼板
(ED鋼板)に、各水性被覆用組成物試料をエアレス吹
付け塗装法によつて乾燥塗膜が500ミクロンの厚さに
なるように塗装し、室温で乾燥する。
【0130】(2)密着性試験 前(1)項で作成した試験片を、ゴバン目試験機[スガ
試験機(株)製]を用いて、塗装表面から縦、横それぞ
れ2mm間隔で基材に達する深さのカット線を入れて4
cm2中に100個のゴバン目を作成する。このゴバン
目に24mm幅のセロフアンテープ[ニチバン(株)
製]を貼付け、手ですばやく180°剥離を行い、塗膜
に残存した目の数を数えて塗膜残存目数/100と表示
する。
【0131】(3) 耐チツピング性試験 前(1)項で作成した試験片を、約25℃の恒温条件下
に3時間放置したのち前(2)項で用いたと同様のゴバ
ン目試験機を用いて、塗装表面からそれぞれ縦2mm間
隔に11本、横4mm間隔に6本のカツト線を基材に達
する深さで入れて同温度で測定する。
【0132】試験片は、水平面に対して60°の角度で
立てかけて固定し、その塗面に2mの高さから鉛直方法
に25mmφのポリ塩化ビニル製パイプを用いてナツト
(M−4)をカツト部をめがけて連続して落下させ、E
D鋼板の素地が露出したときの落下したナツトの総重量
で評価する。
【0133】(4)低温耐衝撃性試験 前(1)項で作成した試験片を、−30℃の恒温条件下
に3時間以上放置したのち同温度でJIS K-540
0に準じてデユポン式耐衝撃テストを行う。
【0134】この時の条件は、試験器に半径6.35±
0.33mmの撃ち型と受け台を取り付け、試験片の塗
膜面を上向きにしてその間に挟み、質量500±1gの
重りを50cmの高さから撃ち型の上に落とし、塗膜面
の損傷の度合いを目視により次のような評価基準に従っ
て評価する。
【0135】 ◎・・・・・全く変化無し ○・・・・・わずかに微クラック発生 △・・・・・微クラック発生多い ×・・・・・大きなクラック発生(5)制振性試験 前(1)項において、ED鋼板の代わりに、ビーム(制
振材料特性評価システム付属の測定試料作成用金属板)
を用い、乾燥膜厚が2000μとなるように作成する以
外は同様にして作成した試験片を、ASTM E756
−83に準じ、制振材料特性評価システム「ダンプ・テ
スト(DAMP TEST)」[(株)東陽製]を用い
て、0℃、20℃、40℃及び60℃の各温度における
損失係数[ロス・フアクター(Loss Facto
r)]を測定した。なお、測定は3dB法にて処理し、
得られたデータは周波数140Hzに換算したものであ
る。
【0136】複合体微粒子の水性分散液の調製 参考例1 撹拌機、還流冷却器温度計および原料添加装置を備えた
反応容器に、脱イオン水94重量部、界面活性剤として
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部及びポ
リオキシエチレンノニルフエノールエーテル(HLB約
16)1重量部を仕込み、窒素フローしながら70℃に
昇温した。次いでこの反応容器に、芯部形成用モノマー
(Mc)としてメチルメタクリレート(MMA)35.2
重量部、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)2
7.2重量部、スチレン(St)16重量部及びアクリ
ル酸(AA)1.6重量部を均一に混合したモノマー混
合液と、重合開始剤水溶液としての過硫酸アンモニウム
(APS)の5重量%水溶液6重量部とを3時間にわた
り連続的に添加し、その後同温度で1時間保持して芯部
形成用アクリル系重合体からなるエマルジヨンを得た。
このエマルジヨンの一部を取り出し、前記電導度滴定法
により芯部重合体のカルボキシル基含有量を測定した。
【0137】次いで引き続き70℃に保ちながら、この
アクリル系重合体エマルジヨンに、殻部形成用モノマー
(Ms)としてEHA15.6重量部及びSt4.4重量
部を均一に混合したモノマー混合液と、APSの5重量
%水溶液2重量部とを1時間にわたり連続的に添加し、
その後同温度で2時間保持し、次いで約25重量%のア
ンモニア水を適量添加してアクリル系重合体の複合体微
粒子からなる水性分散液を得た。
【0138】この重合に際してのMcおよびMsのそれぞ
れの組成、芯部重合体のTgおよび殻部重合体のTg、
並びに芯部と殻部との重量比を後記表1に、得られた水
性分散液の固形分、pH、粘度、平均粒子径、芯部重合
体および複合体微粒子のカルボキシル基含有量を後記表
2に示す。
【0139】参考例2〜5 参考例1において、モノマー混合物Mcの組成を変え、
必要に応じて芯部重合体のTgを変える以外は参考例1
と同様にしてアクリル系重合体の複合体微粒子からなる
水性分散液を得た。これらの重合に際してのMc及びMs
のそれぞれの組成、芯部重合体のTgおよび殻部重合体
のTg、並びに芯部と殻部との重量比を後記表1に、得
られた水性分散液の固形分、pH、粘度、平均粒子径、
芯部重合体および複合体微粒子のカルボキシル基含有量
を後記表2に示す。
【0140】参考例6 参考例3において、モノマー混合液Msの組成を変えて
殻部重合体のTgを変える以外は参考例3と同様にして
アクリル系重合体の複合体微粒子からなる水性分散液を
得た。この重合に際してのMcおよびMsのそれぞれの組
成、芯部重合体のTgおよび殻部重合体のTg、並びに
芯部と殻部との重量比を後記表1に、得られた水性分散
液の固形分、pH、粘度、平均粒子径、芯部重合体およ
び複合体微粒子のカルボキシル基含有量を後記表2に示
す。
【0141】参考例7 参考例1において、モノマー混合液Mc及びMsの組成及
び使用量を変え、芯部と殻部との量比を変える以外は実
施例1と同様にしてアクリル系重合体の複合体微粒子か
らなる水性分散液を得た。これらの重合に際してのMc
およびMsのそれぞれの組成、芯部重合体のTgおよび
殻部重合体のTg、並びに芯部と殻部との重量比を後記
表1に、得られた水性分散液の固形分、pH、粘度、平
均粒子径、芯部重合体および複合体粒子のカルボキシル
基含有量を後記表2に示す。
【0142】参考例8 参考例1で用いたのと同様の反応容器に、ウレタン系重
合体エマルジヨン「HUX−350」[旭電化工業
(株)製、固形分30重量%;詳細は後記の表3に示
す]100重量部及び脱イオン水22重量部を仕込み、
窒素フローしながら70℃に昇温した。次に芯部を形成
するためのモノマー(Mc)として、MMA15.4重量
部、EHA39.2重量部、St14重量部及びAA1.
4重量部を均一に混合したモノマー混合液、並びに、重
合開始剤水溶液としてAPSの5重量%水溶液8重量部
を3時間にわたり連続的に添加し、その後同温度で1時
間保持したのち、約25重量%アンモニア水を適量添加
して芯部がアクリル系共重合体で殻部がウレタン系重合
体からなる複合体微粒子の水性分散液を得た。
【0143】この重合に際してのMcの組成および殻部
に用いたウレタン系重合体エマルジヨンの種類、芯部重
合体のTgおよび殻部重合体のTg、並びに芯部と殻部
との重量比を後記表1に、得られた水性分散液の固形
分、pH、粘度、平均粒子径、芯部重合体および複合体
微粒子のカルボキシル基含有量を表2に示す。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
【0146】重合体微粒子の水性分散液の調製 参考例9 参考例1で用いたと同様の反応容器に、脱イオン水8
9.5重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム1.25重量部及びポリオキシエチレ
ンノニルフエノールエーテル(HLB約16)1.25
重量部を仕込み、窒素フローしながら70℃に昇温し
た。次いでこの反応容器に重合体微粒子を形成するため
のモノマーとして、MMA44重量部、EHA34重量
部、St20重量部及びAA2重量部を均一に混合した
モノマー混合液、並びに、重合開始剤水溶液としてAP
Sの5重量%水溶液10重量部を3時間にわたり連続的
に添加し、その後同温度で1時間保持したのち、約25
重量%のアンモニア水を適量添加してアクリル系重合体
微粒子の水性分散液を得た。
【0147】この重合におけるモノマー組成、得られた
重合体微粒子のTg、並びに、得られた重合体微粒子の
水性分散液の固形分、pH、粘度および平均粒子径を表
3に示す。
【0148】参考例10および11 参考例9において、単量体のMMAとEHAとの使用割
合を変えて重合体のTgを変える以外は参考例9と同様
にして、アクリル系重合体微粒子の水性分散液を得た。
用いられたモノマー組成、得られた重合体微粒子のT
g、並びに、得られた重合体微粒子の分散液の固形分、
pH、粘度および平均粒子径を表3に示す。
【0149】参考例12 参考例1で用いたと同様の反応容器に、脱イオン水41
重量部及び保護コロイドとして「ゴーセランL−326
6」[日本合成化学工業(株)製、変性ポリビニルアル
コール]2重量部を仕込み、窒素フローしながら80℃
に昇温した。次いでこの反応容器に、別の容器で作成し
た脱イオン水46.6重量部、界面活性剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム2重量部、および酢酸
ビニル(VAc)100重量部からなるプレエマルジヨ
ンと重合開始剤水溶液としてのAPSの5重量%水溶液
6重量部とを3時間にわたり連続的に添加し、その後同
温度で1時間保持したのち、約25%のアンモニア水を
適量添加して酢酸ビニル重合体微粒子の水性分散液を得
た。
【0150】この重合におけるモノマー組成、得られた
重合体微粒子のTg、並びに、得られた重合体微粒子の
水性分散液の固形分、pH、粘度および平均粒子径を表
3に示す。
【0151】また前記参考例8の殻部重合体として用
い、さらに後記する実施例12〜14において重合体微
粒子として用いるウレタン系重合体の水性分散液を表4
に示す。
【0152】
【表3】
【0153】
【表4】
【0154】水性被覆用組成物の調製 実施例1 複合体微粒子(A)として参考例1で調製したアクリル
系重合体の複合体微粒子の水性分散液100重量部(固
形分で約50重量部)を用い、且つ複合体微粒子(B)
として参考例4で調製したアクリル系重合体の複合体微
粒子の水性分散液100重量部(固形分で50重量部)
を用いて得られる水性樹脂分散液200重量部(固形分
で100重量部)に、分散剤として「ノプコスバース4
4C」[サンノプコ(株)製、ポリカルボン酸系分散
剤]2.0重量部(固形分約0.88重量部)、無機質充
填剤として粉末炭酸カルシウム218重量部、着色顔料
としてカーボンブラツク3重量部および防錆顔料として
メタホウ酸バリウム12重量部をデイスパーを用いて均
一に分散させ、次いで増粘剤として「アデカノールUH
−472」[旭電化工業(株)製]0.5重量部を加え
てさらに撹拌して、PWCが70重量%で固形分が7
6.6重量%の水性被覆用組成物を作成した。
【0155】得られた水性被覆用組成物を用いて各種物
性試験を行つた。該被覆用組成物の配合組成、性状およ
び各種物性の測定結果を表5に示した。
【0156】実施例2および比較例1〜2 実施例1において、複合体微粒子(A)として参考例1
の複合体微粒子の水性分散液および複合体微粒子(B)
として参考例4の複合体微粒子の水性分散液をそれぞれ
100重量部用いる代わりに、その使用割合を変え、又
は、参考例4の複合体微粒子の水性分散液を用いない以
外は、実施例1と同様にして水性被覆用組成物を作成
し、各種物性試験を行つた。該被覆用組成物の配合組
成、性状および各種物性の測定結果を表5に示した。
【0157】実施例3および比較例3〜4 実施例1において、複合体微粒子(B)として参考例4
の複合体微粒子の水性分散液を100重量部用いる代わ
りに、それぞれ参考例2、参考例6又は参考例8で調製
した複合体微粒子の水性分散液を用いる以外は、実施例
1と同様にして水性被覆用組成物を作成し、各種物性試
験を行つた。該被覆用組成物の配合組成、性状及び各種
物性の測定結果を表5に示した。
【0158】実施例4〜6および比較例5〜6 実施例1において、複合体微粒子(A)として参考例1
の複合体微粒子の水性分散液を用いる代わりに、それぞ
れ参考例2、参考例3、参考例5、参考例6又は参考例
7で調製した複合体微粒子の水性分散液を用いる以外は
実施例1と同様にして水性被覆用組成物を作成し、各種
物性試験を行つた。該被覆用組成物の配合組成、性状及
び各種物性の測定結果を表5に示した。
【0159】なお、参考例5の複合体微粒子の水性分散
液を用いた比較例5の水性被覆用組成物は、該組成物の
配合時に無機質充填剤等の分散性が悪く、得られた水性
被覆用組成物の安定性も不十分で、エアレス吹き付け塗
装には適さないものであつた。
【0160】
【表5】
【0161】実施例7 実施例1において、複合体微粒子(B)として参考例4
の複合体微粒子の水性分散液を100重量部用いる代わ
りに、重合体微粒子(C)として参考例11で調製した
重合体微粒子の水性分散液を用いる以外は、実施例1と
同様にして水性被覆用組成物を作成し、各種物性試験を
行つた。該被覆用組成物の配合組成、性状及び各種物性
の測定結果を表6に示した。
【0162】実施例8および9 実施例7において、複合体微粒子(A)として参考例1
の複合体微粒子の水性分散液を100重量部用いる代わ
りに、参考例3又は7の複合体微粒子の水性分散液を用
いる以外は、同様にして水性被覆用組成物を作成し、各
種物性試験を行つた。該被覆用組成物の配合組成、性状
及び各種試験の測定結果を表6に示した。
【0163】実施例10および比較例7 実施例7において、複合体微粒子(A)として参考例1
の複合体微粒子の水性分散液および重合体微粒子(C)
として参考例11の重合体微粒子の水性分散液をそれぞ
れ100重量部用いる代わりに、参考例4で調製した複
合体微粒子の水性分散液及び参考例9で調製した重合体
微粒子の水性分散液をそれぞれ100重量部用い、又は
それらの使用割合を変える以外は、実施例7と同様にし
て水性被覆用組成物を作成し、各種物性試験を行つた。
該被覆用組成物の配合組成、性状及び各種試験の測定結
果を表6に示した。
【0164】実施例11および比較例8 実施例10において、重合体微粒子(C)として参考例
9の重合体微粒子の水性分散液を100重量部用いる代
わりに、参考例10で調製した重合体微粒子の水性分散
液又は、参考例11で調製した重合体微粒子の水性分散
液をそれぞれ100重量部用いる以外は、実施例10と
同様にして水性被覆用組成物を作成し、各種試験を行つ
た。該被覆用組成物の配合組成、性状及び各種試験の測
定結果を表6に示した。
【0165】実施例12 実施例10において、複合体微粒子(A)として参考例
4の複合体微粒子の水性分散液および重合体微粒子
(C)として参考例9の重合体水性分散液をそれぞれ1
00重量部用いる代わりに、参考例4の複合体微粒子の
水性分散液を140重量部(固形分で70重量部)及び
参考例12で調製した酢酸ビニル重合体微粒子の水性分
散液を60重量部(固形分で30重量部)用いた以外
は、実施例10と同様にして水性被覆用組成物を作成
し、各種試験を行つた。該被覆用組成物の配合組成、性
状及び各種試験の測定結果を表6に示した。
【0166】実施例13〜15 実施例12において、重合体微粒子(C)として参考例
12の酢酸ビニル重合体微粒子の水性分散液を60重量
部(固形分で30重量部)用いる代わりに、ウレタン系
重合体微粒子の水性分散液「HUX−232」、「HU
X−350」[以上、旭電化工業(株)製、ウレタン系
重合体エマルジヨン、固形分30重量%]を100重量
部(固形分で約30重量部)、又は「HUX−320」
[旭電化工業(株)製、ウレタン系重合体エマルジヨ
ン、固形分33重量%]を91重量部(固形分で約30
重量部)を用いる以外は、実施例12と同様しにして水
性被覆用組成物を作成し、各種物性試験を行つた。該被
覆用組成物の配合組成、性状及び各種試験の測定結果を
表6に示した。
【0167】比較例9 実施例7において、複合体微粒子(A)として参考例1
の複合体微粒子の水性分散液を100重量部用いる代わ
りに、参考例9で調製した重合体微粒子の水性分散液を
用いる以外は、実施例7と同様にして水性被覆用組成物
を作成し、各種物性試験を行つた。該被覆用組成物の配
合組成、性状及び各種試験の測定結果を表6に示した。
【0168】
【表6】

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中に分散された重合体微粒子を
    含有してなる水性樹脂分散液であつて、該重合体微粒子
    が(A) ガラス転移温度(TgA-1)が−10℃〜5
    0℃の範囲内にあるカルボキシル基含有アクリル系重合
    体(A−1)からなる芯部と、該芯部を被覆するガラス
    転移温度(TgA-2)が−10℃より低い重合体(A−
    2)からなる殻部よりなる芯−殻型複合体微粒子であつ
    て、該複合体微粒子の重量を基準にして、該芯部が50
    〜90重量%を占め且つ残りが殻部である複合体微粒子
    と、(B) ガラス転移温度(TgB-1)が−10℃〜
    50℃の範囲内にあり且つ上記複合体微粒子(A)の芯
    部の重合体(A−1)のガラス転移温度(TgA-1)よ
    りも少なくとも10℃低いカルボキシル基含有アクリル
    系重合体(B−1)からなる芯部と、該芯部を被覆する
    ガラス転移温度(TgB-2)が−10℃より低い重合体
    (B−2)からなる殻部よりなる芯−殻型複合体微粒子
    であつて、該複合体微粒子の重量を基準にして芯部が5
    0〜90重量部を占め且つ残りが殻部である複合体微粒
    子及び/又は(C) ガラス転移温度(Tgc)が−3
    0℃〜50℃の範囲内にあり且つ上記複合体微粒子
    (A)の芯部の重合体(A−1)のガラス転移温度(T
    A- 1)と少なくとも10℃異なる重合体微粒子とから
    なり、微粒子(A)、(B)及び(C)の合計量を基準
    にして、複合体微粒子(A)を30〜90重量%、及び
    複合体微粒子(B)と重合体微粒子(C)を合計で70
    〜10重量%含有することを特徴とする水性樹脂分散
    液。
  2. 【請求項2】 複合体微粒子(A)の芯部のアクリル系
    重合体(A−1)のガラス転移温度(TgA-1)及び複
    合体微粒子(B)の芯部のアクリル系重合体(B−1)
    のガラス転移温度(TgB-1)がそれぞれ−5℃〜45
    ℃の範囲内にある請求項1に記載の水性樹脂分散液。
  3. 【請求項3】 複合体微粒子(A)の殻部の重合体(A
    −2)のガラス転移温度(TgA-2)及び複合体微粒子
    (B)の殻部の重合体(B−2)のガラス転移温度(T
    B-2)がそれぞれ−15℃〜60℃の範囲内にある請
    求項1に記載の水性樹脂分散液。
  4. 【請求項4】 複合体微粒子(B)の芯部のアクリル系
    重合体(B−1)のガラス転移温度(TgB-1)が、複
    合体微粒子(A)の芯部のアクリル系重合体(A−1)
    のガラス転移温度(TgA-1)よりも15℃以上低い請
    求項1に記載の水性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 複合体微粒子(A)の芯部のアクリル系
    重合体(A−1)のガラス転移温度(TgA-1)と複合
    体微粒子(B)の芯部のアクリル系重合体(B−1)の
    ガラス転移温度(TgB-1)との差(TgA-1−T
    B-1)が10〜50℃の範囲内にある請求項1に記載
    の水性樹脂分散液。
  6. 【請求項6】 重合体微粒子(C)のガラス転移温度
    (Tgc)が−25℃〜40℃の範囲内にある請求項1
    に記載の水性樹脂分散液。
  7. 【請求項7】 重合体微粒子(C)のガラス転移温度
    (Tgc)が複合体微粒子(A)の芯部のアクリル系重
    合体(A−1)のガラス転移温度(TgA-1)と15℃
    以上異なる請求項1に記載の水性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 複合体微粒子(A)の芯部のアクリル系
    重合体(A−1)のガラス転移温度(TgA-1)と重合
    体微粒子(C)のガラス転移温度(Tgc)の温度差が
    10〜50℃の範囲内にある請求項1に記載の水性樹脂
    分散液。
  9. 【請求項9】 カルボキシル基含有アクリル系重合体
    (A−1)及び(B−1)がそれぞれ重合体(A−1)
    及び(B−1)100g当り2.5〜100ミリグラム
    当量のカルボキシル基を含有する請求項1に記載の水性
    樹脂分散液。
  10. 【請求項10】 複合体微粒子(A)及び(B)におい
    て、芯部が、該複合体微粒子の重量を基準にして、60
    〜85重量%を占める請求項1に記載の水性樹脂分散
    液。
  11. 【請求項11】 カルボキシル基含有アクリル系重合体
    (A−1)及び(B−1)がそれぞれ、(M−1) 式 【化1】 式中、R1は水素原子又はメチル基を表わし、そしてR2
    は炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基
    を表わす、で示される(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テル40〜99.5重量%、(M−2) 炭素数3〜5
    のα,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン酸0.5〜20
    重量%、及び(M−3) 式 【化2】 式中、 R3は水素原子又はメチル基を表わし、 Xは水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、モノ−
    もしくはジ−ハロビニル基、炭素数6〜8のアリール
    基、ニトリル基又は−OCOR4基を表わし、ここで、
    4は水素原子又は炭素数1〜12の直鎖状もしくは分
    枝鎖状アルキル基を表わす、で示され、上記(M−1)
    の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な
    モノマー0〜59.5重量%、の共重合によつて得られ
    るカルボキシル基含有アクリル系共重合体である請求項
    1に記載の水性樹脂分散液。
  12. 【請求項12】 重合体(A−2)及び(B−2)がそ
    れぞれアクリル系重合体又はウレタン系重合体である請
    求項1に記載の水性樹脂分散液。
  13. 【請求項13】 アクリル系重合体が(M−1) 式 【化3】 式中、R1は水素原子又はメチル基を表わし、そしてR2
    は炭素数1〜12の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基
    を表わす、で示されるアクリル酸アルキルエステル50
    〜100重量%、(M−2) 炭素数3〜5のα,β−
    不飽和モノ−又はジ−カルボン酸0〜10重量%、及び
    (M−3) 式 【化4】 式中、 R3は水素原子又はメチル基を表わし、 Xは水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、モノ−
    もしくはジ−ハロビニル基、炭素数6〜8のアリール
    基、ニトリル基又は−OCOR4基を表わし、ここで、
    4は水素原子又は炭素数1〜12の直鎖状もしくは分
    枝鎖状アルキル基を表わす、で示される上記(M−1)
    の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な
    モノマー0〜50重量%の(共)重合によつて得られる
    アクリル系(共)重合体である請求項12に記載の水性
    樹脂分散液。
  14. 【請求項14】 複合体微粒子(A)及び(B)がそれ
    ぞれ0.05〜5ミクロンの範囲内の平均粒子径をもつ
    請求項1に記載の水性樹脂分散液。
  15. 【請求項15】 複合体微粒子(A)及び(B)がそれ
    ぞれ、該粒子100g当り5〜150ミリグラム当量の
    カルボキシル基を含有する請求項1に記載の水性樹脂分
    散液。
  16. 【請求項16】 重合体微粒子(C)がアクリル系重合
    体、合成ゴム系重合体、飽和脂肪酸ビニル系重合体、ウ
    レタン系重合体又はエポキシ系重合体の微粒子である請
    求項1に記載の水性樹脂分散液。
  17. 【請求項17】 重合体微粒子(C)が0.01〜1ミ
    クロンの範囲内の平均粒子径をもつ請求項1に記載の水
    性樹脂分散液。
  18. 【請求項18】 微粒子(A)、(B)及び(C)の合
    計量を基準にして、複合体微粒子(A)を40〜80重
    量%、及び複合体微粒子(B)と重合体微粒子(C)を
    合計で60〜20重量%含有する請求項1に記載の水性
    樹脂分散液。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の水性樹脂分散液及び
    無機質充填剤からなる水性被覆用組成物。
  20. 【請求項20】 無機質充填剤が炭酸カルシウム、シリ
    カ、アルミナ、カオリン、クレー、タルク、珪藻土、マ
    イカ、水酸化アルミニウム、ガラス粉、硫酸バリウム、
    炭酸マグネシウム、セピオライト、ウオラストナイト及
    びゼオライトからなる群より選ばれる請求項19に記載
    の組成物。
  21. 【請求項21】 無機質充填剤を、水性樹脂分散液の全
    固形分100重量部に対して100〜390重量部の範
    囲内で含有する請求項19に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 無機質充填剤が1〜50ミクロンの範
    囲内の平均粒径を有する請求項19に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 水性被覆用組成物が制振性水性被覆用
    組成物である請求項19に記載の組成物。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の組成物で塗装され
    た物品。
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