JP2006169380A - 水性被覆用組成物 - Google Patents
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Abstract
耐チッピング性と共に、優れた制振性を兼備する塗膜を形成することができる水性被覆組成物製造用の水性樹脂分散液、及びそれを用いた水性被覆組成物を提供すること。
【解決手段】
水性媒体中に分散された共重合体微粒子(A)を含有してなる水性樹脂分散液であって、該共重合体微粒子(A)が、アクリル−スチレン共重合体により構成される芯部(A−1)と共役ジエン共重合体により構成される殻部(A−2)からなる複合体粒子であることを特徴とする水性樹脂分散液。
【選択図】なし
Description
本発明の水性樹脂分散液に含まれる共重合体微粒子(A)は、その粒子の比較的多量の部分を占めるアクリル−スチレン共重合体により構成される芯部(A−1)と、該芯部(A−1)より外側にあり、芯部よりも比較的小部分を占める少なくとも一層からなる、共役ジエン共重合体により構成される殻部(A−2)からなる複合体粒子である。なお殻部(A−2)は、芯部(A−1)をほぼ均一層状に被覆していてもよく、また場合によっては、部分的に、例えば、網目状、島状に被覆してもよい。さらにこのような複層粒子は、必ずしも二層構造である必要はなく、必要に応じて、二層もしくはそれ以上の殻部を有する三層又はそれ以上の構造とすることもできる。
ガラス転移温度(Tg)の計算:
本発明の水性樹脂分散液において、共重合体微粒子(A)の芯部(A−1)を構成するアクリル−スチレン共重合体は、必ずしも限定されるものではないが、下記単量体(a1)〜(a4)の共重合体であることが好ましい。
H2C=CHCOOR1 (1)
(但し、式中R1は炭素数4〜12の直鎖又は分枝アルキル基を示す)
で表され、その単独重合体のガラス転移点が−40℃以下であるアクリル酸エステル、
(a12)スチレン、
(a13)炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン酸、
(a14)下記一般式(2)、
H2C=CR2COOR3 (2)
(但し、式中R2は水素又はメチル基、R3は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す)
で表される上記(a11)以外の単量体。
本発明における共重合体微粒子(A)は、以上述べたアクリル−スチレン共重合体により構成される芯部(A−1)と、共役ジエン共重合体により構成される殻部(A−2)からなる複合体粒子である。
(a21)共役ジエン単量体、
(a22)単独重合体のガラス転移点が40℃以上のメタクリル酸エステル単量体、シアン化ビニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体、並びに、必要に応じて、
(a23)単量体(a21)及び(a22)と共重合可能で、該単量体(a21)及び(a22)以外の単量体、
の共重合体であることがさらに好ましい。
(1)アクリル酸エステル及び前記単量体(a22)以外のメタクリル酸エステル:例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、i−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、i−ノニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレートなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル。
以上詳述した本発明の水性樹脂分散液は、前記のように、例えば自動車の床裏、タイヤハウス、ガソリンタンク等室外板金加工部材などに用いられる、耐チッピング性と共に、広い温度領域にわたる制振性をも兼備した水性被覆用組成物として好適に用いられる。
なお、実施例及び比較例において用いる試験片の作成及びその試験方法は次ぎのとおりである。
JIS G−3141に定める自動車用鋼板に、日本ペイント(株)製のカチオン電着塗料「U−600」を用いて電着塗装した鋼板(ED鋼板)(寸法0.8mm×100mm×200mm)を基材して用い、これに以下の実施例及び比較例により得られる各水性被覆用組成物を、エアレス吹付け塗装法によって乾燥塗膜が500μmの厚さになるように塗装し、常温にて10分間放置後、80℃にて20分間乾燥し、次いで120℃にて60分間乾燥して試験片を作製した。
前(1)項で作製した試験片を、ゴバン目試験機〔スガ試験機(株)製〕を用いて、塗装表面から縦、横それぞれ2mm間隔で基材に達する深さのカット線も入れて1cm2中に25個のゴバン目を作成した。このゴバン目に24mm幅のセロファンテープ〔ニチバン(株)製〕を貼付け、手で素早く180゜剥離を行い、塗膜に残存した目の数を数えて塗膜残存目数/25と表示した。残存する目数としては20以上であることが好ましい。
前(1)項で作製した試験片を、約25℃の恒温条件下に16時間放置した後、事務用カッターを用いて塗膜表面から基材に達する深さで、4cm2中に縦10mm幅×横5mm幅のカットを入れた。試験片は、水平面に対して60゜の角度で立てかけて固定し、その塗面のカット部をめがけて、2mの高さから25mmφのポリ塩化ビニル製パイプを通してナット(M−4)を鉛直方向に連続して落下させ、基材の素地が露出したときの落下したナットの総重量で評価した。
耐チッピング性を示すナットの総重量は、30kg以上、さらには50kg以上であることが好ましい。
前(1)項において、ED鋼板の代わりにビーム(制振材料特性評価システム付属の測定試料作成用金属板)を用い、乾燥膜厚の膜厚を500μmとなるように作製する代わりに、2000μmとなるように作製する以外は前(1)項と同様にして試料を作製し、ASTM E756−83に準じ、制振材料特性評価システム「ダンプ・テスト(DAMP TEST)」〔(株)東陽テクニカ製〕を用いて、0℃、20℃、40℃及び60℃の各温度における損失係数〔ロス・ファクター(Loss Factor)〕を測定した。なお、測定は3dB法にて処理し、得られたデータは周波数140Hzに換算したものである。
各温度における損失係数は、何れも0.05以上、さらには0.07以上、特には0.10以上であることが好ましい。
前(1)項における吹き付け塗装に当って、乾燥塗膜の厚さを変えて塗装を行い、室温にて10分間放置後、直ちに140℃にて60分間の乾燥を行い、フクレの生じない最大膜厚を求め、フクレ限界膜厚とした。
フクレ限界膜厚は1300μm以上であることが好ましく、1500μm以上であることが更に好ましい。
前(1)項で作製した試験片を、約25℃の恒温条件下に16時間放置した後、−30℃の冷凍庫中で最低2時間以上放置した。次いで、雰囲気温度−30℃で25mmφの金属パイプを用い、試験片を折り曲げた際の、折り曲げ部の状態を目視にて確認し、以下の基準により評価した。
◎・・・ 亀裂等、全く無し。
○・・・ 極微小なクラックが入る程度。
△・・・ 亀裂幅1mm未満のクラックが入る。
×・・・ 亀裂幅1mm以上の大きなクラックが入る。
制振材料特性評価システム付属の測定試料作成用金属板であるビームの一方の面に、耐チッピング用塗膜形成用の被覆組成物をエアレス吹付け塗装法によって乾燥塗膜が1mmの厚さになるように塗装して、塗膜欠陥が生じないように定法に従い乾燥して耐チッピング用塗膜を形成し、その後ビームの他方の面に、制振性塗膜形成用の被覆組成物を、同様にエアレス吹付け塗装法により乾燥膜厚を変えて制振性塗膜を形成して試験片とする。得られた試験片を用い、前(4)項の制振性試験に準じた方法により、各温度における損失係数を測定し、各温度における損失係数が、0.10以上となるときの制振性塗膜の厚さを求め、その時の耐チッピング用塗膜と制振性塗膜の総重量を求めた。
実施例1
攪拌機、複数の液体及び気体原料供給装置、並びに温度計を備えたオートクレーブに、脱イオン水90重量部、界面活性剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1重量部及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB約16)1重量部を仕込み、窒素フローしながら70℃に昇温した。次に、芯部を形成するための単量体(芯部形成単量体)として、単量体(a11)である2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)30.8重量部(芯部形成単量体の合計100重量%に基づいて44重量%)、単量体(a12)であるスチレン(St)16.8重量部(同24重量%)、単量体(a13)であるアクリル酸(AA)1.4重量部(同2重量%)、並びに単量体(a14)であるメチルメタクリレート(MMA)21重量部(同30重量%)を均一に混合した単量体混合液を第一の液体原料供給装置から、重合開始剤水溶液として過硫酸アンモニウム(APS)の5重量%水溶液6重量部を第二の液体原料供給装置から、それぞれ3時間かけて連続的に添加し、その後同温度で2時間保持して複合微粒子の芯部を形成するガラス転移温度(TgA1)約20℃のアクリル・スチレン系共重合体の水性分散液を得た。
実施例1において、芯部形成単量体として、EHA44重量部及びMMA30重量部を用いる代わりに、表1に示すようにこれらの単量体の使用比率を変え、又は単量体(a11)としてEHAを用いる代わりにブチルアクリレート(BA)を用いてその使用量を変える以外は実施例1と同様に重合して、共重合体微粒子の芯部を形成するガラス転移温度(TgA1)の異なるアクリル・スチレン系共重合体の水性分散液を得る以外は実施例1と同様にして、複合体粒子である共重合体微粒子の水性分散液を得た。
実施例1において、殻部形成単量体としてBd40重量部、St30重量部及びMMA30重量部を用いる代わりに、表1に示すような単量体を表1に示すような量で用いる以外は製造例1と同様に重合して、共重合体微粒子の殻部を形成するガラス転移温度(TgA2)の異なる共重合体微粒子の水性分散液を得た。
実施例1において、実施例1と同一組成の芯部形成単量体及び殻部形成単量体を用い、共重合体微粒子中に占める芯部の割合を70重量%とする代わりに、表1に示すように変え、それに伴って、芯部形成単量体の混合液及び5重量%APS水溶液4重量部、並びに殻部形成単量体の混合液及びの5重量%APS水溶液の添加時間を適宜変えて、芯部を形成する共重合体及び殻部を形成する共重合体をそれぞれ重合する以外は実施例1と同様にして、複合体粒子である共重合体微粒子の水性分散液を得た。
攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた反応容器に、脱イオン水90重量部、界面活性剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1重量部及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB約16)1重量部を仕込み、窒素フローしながら70℃に昇温した。次に、芯部を形成するための単量体(芯部形成単量体)として、単量体(a11)であるEHA30.8重量部(芯部形成単量体の合計100重量%に基づいて44重量%)、単量体(a12)であるSt16.8重量部(同24重量%)、単量体(a13)であるAA1.4重量部(同2重量%)、並びに単量体(a14)であるMMA21重量部(同30重量%)を均一に混合した単量体混合液と、重合開始剤水溶液としてAPSの5重量%水溶液6重量部を3時間かけて連続的に添加し、その後同温度で2時間保持して複合微粒子の芯部を形成するガラス転移温度(TgA1)約20℃のアクリル・スチレン系共重合体の水性分散液を得た。
比較例1で用いたと同様の反応容器に、脱イオン水90重量部、界面活性剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム1重量部及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB約16)1重量部を仕込み、窒素フローしながら70℃に昇温した。次に、単量体としてEHA44重量部、St24重量部、AA2重重量部、並びにMMA30重量部を均一に混合した単量体混合液と、重合開始剤水溶液としてAPSの5重量%水溶液8重量部を4時間かけて連続的に添加し、その後、同温度で2時間保持して、均質粒子であるガラス転移温度約20℃のアクリル・スチレン系共重合体微粒子の水性分散液を得た。得られた共重合体微粒子の水性分散液は、固形分50.1重量%、pH7.3、粘度160mPa・s、平均粒子径220nmであった。
参考例1において、表1に示すとおりに単量体の組成を変更した以外は参考例1と同様にして、均質粒子であるガラス転移温度約−28℃のアクリル系共重合体の水性分散液微粒子を得た。得られた共重合体微粒子の水性分散液は、固形分50.2重量%、pH7.2、粘度120mPa・s、平均粒子径250nmであった。
EHA:2−ヘキシルアクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
St:スチレン
AA:アクリル酸
Bd:ブタジエン
〔水性被覆用組成物の作製〕
殻部にBdを共重合した複合粒子である、実施例1の共重合体微粒子水性分散液199.2重量部(固形分で約100重量部)、分散剤として「ノブコスパース44C」〔サンノプコ(株)製、ポリカルボン酸系分散剤〕2.0重量部(固形分約0.88重量部)、消泡剤として「ノプコ8034L」〔サンノプコ(株)製〕0.2重量部、無機質充填剤として重質炭酸カルシウム100重量部及び軽質炭酸カルシウム50重量部、着色顔料としてカーボンブラック3重量部、並びに防錆顔料としてメタ硼酸バリウム7重量部を、ティスパーを用いて均一に分散させ、次いで界面活性剤系の増粘剤として「アデカノールUH−472」〔旭電化(株)製〕0.5重量部及び「ノプコ8034L」0.2重量部を加えてさらに攪拌して、塗膜中に占める総顔料(炭酸カルシウム、カーボンブラック及びメタ硼酸バリウムの合計量)の割合(以下、PWCと略記することがある)が約62重量%、固形分が71.6重量%、pH8.9で粘度が24000mPa・sの水性被覆用組成物を作製した。
実施例21において、無機質充填剤、着色顔料及び防錆顔料の使用量を変え、必要に応じて、分散剤、消泡剤及び増粘剤の使用量を変える以外はほぼ実施例21と同様にして、水性被覆用組成物を作製し各種塗膜物性試験を行った。得られた水性被覆用組成物の配合組成及びその特性値(PWC、固形分、pH及び粘度)を表3に、各種塗膜物性の測定結果を表4に示す。
実施例21において、実施例1の共重合体微粒子水性分散液を用いる代わりに、実施例2〜7の複合粒子殻部のガラス転移温度(TgA2)が同一で、複合粒子芯部のガラス転移温度(TgA1)が異なる共重合体微粒子の水性分散液を用いる以外は実施例21と同様にして、水性被覆用組成物を作製し各種塗膜物性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及びその特性値を表3に、各種塗膜物性の測定結果を表4に示した。
実施例21において、実施例1の共重合体微粒子水性分散液を用いる代わりに、実施例8〜11の共重合体微粒子芯部のガラス転移温度(TgA1)が同一で、共重合体微粒子殻部のガラス転移温度(TgA2)が異なる共重合体微粒子の水性分散液を用いる以外は実施例21と同様にして、水性被覆用組成物を作製し各種塗膜物性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及びその特性値を表3に、各種塗膜物性の測定結果を表4に示した。
実施例21において、実施例1の共重合体微粒子水性分散液を用いる代わりに、複合粒子の芯部と殻部の割合を変えて作製した実施例12〜15の共重合体微粒子水性分散液を用いる以外は実施例21と同様にして、水性被覆用組成物を作製し各種塗膜物性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及びその特性値を表3に、各種塗膜物性の測定結果を表4に示した。
実施例21において、実施例1の共重合体微粒子水性分散液を用いる代わりに、殻部にBdを共重合しない複合粒子である比較例1の共重合体微粒子水性分散液、又は均質粒子である参考例1もしくは2の共重合体微粒子水性分散液を用いる以外は実施例21と同様にして、水性被覆用組成物を作製し各種塗膜物性試験を行った。該被覆用組成物の配合組成及びその特性値を表3に、各種塗膜物性の測定結果を表4に示した。
実施例41
前記試験法(6)に従って、耐チッピング用塗膜と制振性塗膜の総合評価を行った。耐チッピング用塗膜形成用の被覆組成物及び制振性塗膜形成用の両方の被覆組成物として、前記実施例21で作製した組成物を用いた。評価の結果を表5に示す。
実施例41において、制振性塗膜の膜厚を実施例41より少し厚くする以外は実施例41と同様にして総合評価を行った。評価の結果を表5に示す。
実施例41において、制振性塗膜形成用の被覆組成物だけを参考例21で作製した組成物を用いる以外は実施例41と同様にして総合評価を行った。評価の結果を表5に示す。
実施例41において、耐チッピング用塗膜形成用の被覆組成物として、ポリ塩化ビニルペーストレジン{鐘淵化学工業(株)製}50重量部及びブレンドレジン50重量部{日本ゼオン(株)製}、可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)100重量部、充填剤として炭酸カルシウム(平均粒径10μm)150重量部を混合したものを用いて、焼付を140℃、30分で行い、また制振性塗膜形成用の被覆組成物を参考例21で作製した組成物を用いる以外は実施例41と同様にして総合評価を行った。評価の結果を表5に示す。
実施例41において、耐チッピング用塗膜形成用の被覆組成物として、前記参考例22で作製した組成物を用い、制振性塗膜形成用の被覆組成物を参考例21で作製した組成物を用いる以外は実施例41と同様にして総合評価を行った。評価の結果を表5に示す。
Claims (17)
- 水性媒体中に分散された共重合体微粒子(A)を含有してなる水性樹脂分散液であって、該共重合体微粒子(A)が、アクリル−スチレン共重合体により構成される芯部(A−1)と共役ジエン共重合体により構成される殻部(A−2)からなる複合体粒子であることを特徴とする水性樹脂分散液。
- 芯部(A−1)を構成するアクリル−スチレン共重合体のガラス転移温度(TgA1)が0〜50℃の範囲である請求項1に記載の水性樹脂分散液。
- 芯部(A−1)を構成するアクリル−スチレン共重合体が、下記単量体(a11)〜(a14)[但し、単量体(a11)〜(a14)の合計を100重量%とする]、
(a11)下記一般式(1)、
H2C=CHCOOR1 (1)
(但し、式中R1は炭素数4〜12の直鎖又は分枝アルキル基を示す)
で表され、その単独重合体のガラス転移点が−40℃以下であるアクリル酸エステル 20〜60重量%、
(a12)スチレン 5〜45重量%、
(a13)炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン酸 0.3〜5重量%、
(a14)下記一般式(2)、
H2C=CR2COOR3 (2)
(但し、式中R2は水素又はメチル基、R3は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す)
で表される上記(a11)以外の単量体 5〜65重量%、
の共重合体である請求項1に記載の水性樹脂分散液。 - 殻部(A−2)を構成する共重合体の(平均)ガラス転移温度(TgA2)が20℃以下である請求項1に記載の水性樹脂分散液。
- 殻部(A−2)のガラス転移温度(TgA2)が−50〜0℃の範囲である請求項1に記載の水性樹脂分散液。
- 芯部(A−2)を構成する共役ジエン共重合体が、下記単量体(a21)〜(a23)、
(a21)共役ジエン単量体、
(a22)単独重合体のガラス転移点が40℃以上のメタクリル酸エステル単量体、シアン化ビニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体、並びに、必要に応じて、
(a23)単量体(a21)及び(a22)と共重合可能で、該単量体(a21)及び(a22)以外の単量体、
の共重合体である請求項1に記載の水性樹脂分散液。 - 共役ジエン単量体(a21)がブタジエンである請求項6に記載の水性樹脂分散液。
- メタクリル酸エステル単量体、シアン化ビニル単量体及び/又は芳香族ビニル単量体(a22)が、スチレン及び/又はメチルメタクリレートである請求項6に記載の水性樹脂分散液。
- 共重合体微粒子(A)を構成する芯部(A−1)/殻部(A−2)の重量比が、50/50〜90/10の範囲である請求項1に記載の水性樹脂分散液。
- 共重合体微粒子(A)の平均粒子径が150〜400nmの範囲である請求項1記載の水性樹脂分散液。
- 共重合体微粒子(A)が乳化重合により形成される請求項1に記載の水性樹脂分散液。
- 重合体複合微粒子が、芯部(A−1)となるアクリル−スチレン共重合体微粒子の存在下、水性媒体中で、殻部(A−2)を形成するための共役ジエンを含む単量体を乳化重合することにより形成される請求項11に記載の水性樹脂分散液。
- 水性媒体中に分散された共重合体微粒子(A)を含む請求項1〜10の何れか1項に記載の水性樹脂分散液、及び無機質充填剤(B)を含有してなる水性被覆用組成物。
- 無機質充填剤(B)が、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、タルク、珪藻土、パーライト、水酸化アルミニウム、ガラス粉、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、セピオライト、マイカ、ウォラストナイト及びゼオライトよりなる群から選ばれる請求項13記載の被覆用組成物。
- 水性被覆用組成物が、さらに防錆顔料及び着色顔料を含有する請求項13記載の水性被覆用組成物。
- 防錆顔料が、リン酸金属塩、モリブテン酸金属塩及び硼酸金属塩から選ばれる請求項15記載の被覆用組成物。
- 水性被覆用組成物により形成される塗膜中に占める総顔料(防錆顔料、無機質充填剤及び着色顔料の合計量)の割合(PWC)が、50〜80重量%の範囲である請求項13記載の被覆用組成物。
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