JP2018016797A - 着色有機微粒子並びに、該粒子を含有する組成物及び樹脂成型体 - Google Patents

着色有機微粒子並びに、該粒子を含有する組成物及び樹脂成型体 Download PDF

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Abstract

【課題】従来、粒子表面に顔料を付着させたり、粒子中に顔料を含有させたりするなど様々な方法を用いた着色樹脂微粒子の製造方法の検討が行われている。しかし、このような粒子を添加剤として含有した塗膜は表面が白ボケして見えたり、色相のソリッド感等の外観が損なわれたりするという問題があった。【解決手段】体積平均粒子径が0.5〜30μmであるビニル系重合体粒子であって、該粒子が顔料とアニオン性の反応性乳化剤を含有していることを特徴とする着色有機微粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、着色有機微粒子並びに、該粒子を含有する組成物及び樹脂成型体に関する。
従来、粒子表面に顔料を付着させたり、粒子中に顔料を含有させたりするなど様々な方法を用いた着色樹脂微粒子の製造方法の検討が行われている。例えば、特許文献1には、重合性不飽和単量体、乳化剤及び重合開始剤を含有する油相中に顔料を分散させた水性媒体を加え、転相乳化法により乳化を行い、重合することで得られるインクジェット用インクの色材として利用できる着色樹脂微粒子の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には分散剤として反応性乳化剤であるビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステル塩またはメタクリロイルポリオキシアルキレン硫酸エステル塩を用いた、アクリル酸エステル系単量体の懸濁重合方法が開示されている。
特開2003−137910号公報 特許第4754173号公報
しかし、特許文献1に記載されているような着色樹脂微粒子は転相乳化を行っているため、乳化剤を多量に添加することが必要となる。また、得られる粒子の粒子径がナノサイズと小さいため、粒子が凝集しやすく、例えば塗料に含有させた際に、塗膜表面の凹凸が大きくなるため、触感が損なわれるといった問題や、微粒子の顔料含有割合が低下するために、塗料や樹脂などの艶消し添加剤として利用すると、塗膜表面が白ボケして見えたり、色相のソリッド感等の外観が損なわれたりする問題があった。
また、特許文献2において開示されている懸濁重合方法では、塗料や樹脂などへの添加剤として利用可能な平均粒子径が3〜100μmの粒子を得ることができるものの、該粒子は着色されたものではない。この点、該文献においては、粒子を含有させる樹脂組成物中に別途添加剤として顔料を含有させて着色する方法が開示されている。しかし、粒子自体が着色されていない影響で、樹脂組成物の表面が白ボケして見えたり、色相のソリッド感等の外観が損なわれたりする問題があった。
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑みて創案されたものであり、その目的は、塗料組成物などに含有させた際の塗膜表面の触感や色相のソリッド感等の外観を損なうことのない着色有機微粒子並びに、該粒子を含有する組成物及び樹脂成型体を提供することにある。
即ち本発明の上記目的は、以下の手段により達成される。
[1]体積平均粒子径が0.5〜30μmであるビニル系重合体粒子であって、該粒子が顔料とアニオン性の反応性乳化剤を含有していることを特徴とする着色有機微粒子。
[2]ビニル系重合体粒子を構成する全単量体重量を100重量部とした際に、アニオン性の反応性乳化剤を0.01〜5重量部含有していることを特徴とする[1]に記載の着色有機微粒子。
[3]アニオン性の反応性乳化剤が、1−プロペニル基及び/又はアリル基を有することを特徴とする[1]または[2]に記載の着色有機微粒子。
[4]アニオン性の反応性乳化剤が、アルキルアリルスルホコハク酸塩及び/又はポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸塩であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の着色有機微粒子。
[5]顔料の平均粒子径が5〜50nmであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の着色有機微粒子。
[6]顔料がカーボンブラックであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の着色有機微粒子。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の着色有機微粒子を含有する塗料組成物。
[8][1]〜[6]のいずれかに記載の着色有機微粒子を含有するインク組成物。
[9][1]〜[6]のいずれかに記載の着色有機微粒子を含有する樹脂成型体。
[10]ビニル系単量体100重量部に対して、アニオン性の反応性乳化剤0.01〜5重量部、水溶性有機溶媒に分散させた顔料分散液を顔料の純分換算で1〜30重量部、重合開始剤0.5〜5重量部を含む混合物を水媒体中に分散させ、懸濁重合することを特徴とする着色有機微粒子の製造方法。
[11]水溶性有機溶媒のSP値が8.5〜11((cal/cm1/2)であることを特徴とする[10]に記載の着色有機微粒子の製造方法。
本発明の着色有機微粒子は粒子中に顔料を含有させた、体積平均粒子径が0.5〜30μmの粒子である。かかる本発明の着色有機微粒子は塗料組成物、インク組成物、樹脂成型体などに含有させた際に、各組成物で形成される塗膜や成型体の表面が白ボケすることがなく、色相のソリッド感等の外観が損なわれないため、添加剤として好適に利用することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の着色有機微粒子は顔料とアニオン性の反応性乳化剤を含有しており、体積平均粒子径が0.5〜30μmの粒子である。
本発明の着色有機微粒子は体積平均粒子径の下限が、0.5μm以上、好ましくは0.8μm以上、より好ましくは1μm以上であることが望ましく、また、上限が、30μm以下、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下であることが望ましい。体積平均粒子径が0.5μm未満では、粒子が凝集しやすくなるため、例えば塗料に含有させた際に塗膜の表面凹凸が大きくなるため、触感が悪化したり、粒子中への顔料含有割合が減るために塗膜表面が白ボケして見えたりする可能性がある。また、体積平均粒子径が30μmを超える場合には、形成した塗膜の表面凹凸が大きくなるため、塗膜の触感が悪化したり、塗膜から粒子が脱落したりする可能性がある。
ここで、本発明における塗膜表面が白ボケした状態とは、樹脂粒子を含有していない塗膜の色相に対して、樹脂粒子を含有させた塗膜の色が薄かったり、くすんだりして見える状態のことを指す。
本発明に採用するアニオン性の反応性乳化剤は、分子内に重合系内の単量体と共重合し得る二重結合とアニオン性の官能基を有するものであればよい。これらのアニオン性の官能基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、硫酸基、硫酸エステル基、又はこれらの塩などが挙げられる。
本発明において使用するアニオン性の反応性乳化剤の量としては、全単量体重量を100重量部とした際に、下限としては、0.01重量部以上であることが好ましく、0.03重量部以上であることがより好ましく、0.05重量部以上であることがさらに好ましい。また、上限としては、5重量部以下であることが好ましく、1重量部以下であることがより好ましく、0.1重量部未満であることが更に好ましい。反応性乳化剤の量が0.01重量部未満では、粒子径が不均一になり、粗大粒子が多くなる可能性がある。また、反応性乳化剤の量が5重量部を超えると、顔料粒子を取り込みにくい微小粒子径のエマルジョン粒子が多く副生してしまうため、得られた粒子を含有させた塗膜が白ボケしたり、色相のソリッド感等の外観が損なわれたりする可能性がある。
上記、アニオン性の反応性乳化剤の市販品としては、三洋化成社製のエレミノール(登録商標)のJS−20やRS−3000、第一工業製薬社製のアクアロン(登録商標)のKH−10、KH−1025、KH−05、HS−10、HS−1025、BC−0515、BC−10、BC−1025、BC−20、BC−2020、花王社製のラテムル(登録商標)のS−120、S−180A、S−180、PD−104、ADEKA社製のアデカリアソープ(登録商標)のSR−1025、SE−10N等が挙げられる。
本発明に採用するアニオン性の反応性乳化剤は、分子内に比較的低反応性な基である1−プロペニル基及び/又はアリル基を有するものであることが望ましい。これは、1−プロペニル基やアリル基を有する反応性乳化剤を用いることで、重合反応が穏和に進むためであり、これにより粒子中に顔料が均一に取り込まれやすくなり、得られた粒子を塗料などの添加剤として用いた際に、塗膜が白ボケしにくく、色相のソリッド感等の外観が損なわれにくい。
前述した市販品の中で、1−プロペニル基やアリル基を有する反応性乳化剤としては、エレミノールのJS−20、アクアロンのKH−10、KH−1025、KH−05、HS−10、HS−1025、BC−0515、BC−10、BC−1025、BC−20、BC−2020などが挙げられる。
また、前述する1−プロペニル基やアリル基を有する反応性乳化剤の中でも、特にアルキルアリルスルホコハク酸塩及び/又はポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸塩を用いることで、粒子中に顔料をより均一に取り込むことができるため、該粒子を含有する塗膜が白ボケして見えたり、色相のソリッド感等の外観が損なわれたりすることがないため、塗料等の添加剤として好適な着色有機微粒子を得ることができる。
本発明に採用する顔料としては、特に限定はないが、平均粒子径が好ましくは5〜50nm、より好ましくは8〜30nmの顔料であることが望ましい。平均粒子径が50nmを超えると、全単量体量に対して同じ重量割合で顔料を添加した際に、顔料粒子の数が少なくなるため、粒子中に顔料が均一に取り込まれない可能性がある。また、顔料の種類としては、有機顔料や無機顔料を用いることが可能である。さらに、樹脂や界面活性剤などで表面改質を行った加工顔料を用いることもでき、これらを水や水溶性有機溶媒に分散させた顔料分散体を用いることもできる。その中でも、顔料を容易に分散させることが可能な水溶性有機溶媒を用いることが好ましい。顔料を予め分散させておくことで、顔料が凝集してしまうために粒子内に取り込まれなかったり、不均一に取り込まれてしまったりという問題が解消され、均一に着色された粒子が得られる。そのため、得られた粒子を用いた塗料が白ボケしにくくなり、良好な外観が得られやすくなる。一方で、有機溶媒が疎水性の場合、顔料が均一に分散しにくくなることがあり、顔料が粒子内に均一に取り込まれない恐れがある。
顔料分散体を用いる場合の顔料分散体に対する顔料含有割合の下限としては、10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましい。また、上限としては、60重量%以下であることが好ましく、50重量%以下であることがより好ましい。
また、顔料を水溶性有機溶媒に分散させる方法については、均一に分散できる方法であれば特に限定はないが、プラネタリーミキサー等のミキサー類やボールミルやビーズミルといったミル類を用いて分散させることが可能である。
上述する顔料の具体例としては、酸化チタン、酸化カルシウム、三酸化アンチモン、リトポン、カーボンブラック、黄鉛、モリブデン赤、ベンガラ等の無機顔料や、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系の有機顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料を挙げることができる。その中でも、カーボンブラック等の黒色顔料を用いた場合には、白ボケしないことによる効果が顕著に表れるため、漆黒性を有する着色有機微粒子を得ることが可能となる。
また、顔料を分散させる水溶性有機溶媒としては、20℃、1気圧における水に対する溶解性が5重量%以上、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上であって、顔料を分散させることができるものであれば特に限定はないが、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジアキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングコリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−へキサントリオール、チオジグリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類、グリセリン、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルサルフォオキサイド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等の環状アミド化合物及びスクシンイミド等のイミド化合物等が挙げられる。
上述した水溶性有機溶媒の中でも、後述する方法により算出したSP値が、8.5〜11((cal/cm1/2)であるものが好ましく、8.8〜10.5((cal/cm1/2)であるものがより好ましい。SP値が上述した範囲内であれば、モノマーとの親和性を有するため、顔料が均一に分散されたままの状態でモノマー滴内に取り込まれ、粒子が形成される。そのため、顔料を粒子内に効率的に取り込むことが可能となり、該粒子を用いた塗料で形成した塗膜は白ボケしにくく、色相のソリッド感等の外観が損なわれにくい。
本発明の着色有機微粒子の顔料含有量としては、塗料などに含有させた際に所望の色相が得られる範囲であれば特に限定はない。顔料の種類によっても異なるが、通常は全単量体重量を100重量部とした際に、顔料の純分換算で1〜30重量部であることが好ましく、1.5〜20重量部であることがより好ましい。顔料含有量が1重量部未満では、得られる着色有機微粒子において、着色度が不十分となるため塗料等に含有させた際に所望の色相が得られない可能性がある。また、30重量部を超えて含有させても、顔料の含有量増加に伴う色相の変化が乏しくなるためあまり好ましくない。
本発明の着色有機微粒子は、用途により要求特性が様々であるという観点から、利用できる単量体の種類が豊富なビニル系重合体粒子であることが好ましい。利用できるビニル系単量体としては、特に制限はないが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステル系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ラウリル、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル系単量体、スチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系単量体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系単量体、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド等のN−アルキル置換(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能単量体等が挙げられる。このような単量体は、単独で、または2種類以上を組合せて用いてもよい。
また、本発明の着色有機微粒子は水系や有機系の溶媒に溶解しないという観点から、上述する単量体に加えて、一分子内に重合性の二重結合を2つ以上有した架橋性のある単量体を構成成分とするものであることが好ましい。
上記の架橋性のある単量体の含有量としては、全単量体重量に対して、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%であることが望ましい。
かかる架橋性のある単量体の代表的な例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどが挙げられる。
上述してきた、本発明の着色有機微粒子の製造方法としては、目的とする粒子が得られる方法であれば特に限定はないが、一例として、前述するビニル系単量体100重量部、アニオン性の反応性乳化剤0.01〜5重量部、顔料を純分換算で1〜30重量部、重合開始剤0.5〜5重量部からなる混合物を水媒体中に分散させ、懸濁重合して製造する方法が挙げられる。
かかる方法において使用される重合開始剤としては、ラジカル重合を開始できるものであれば特に制限はないが、例えばメチルエチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、アセチルペルオキシド、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物類;2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;などを挙げることができる。特に、単量体の揮発を抑制し、収率を向上させる観点から半減期温度が60℃以下の開始剤を用いることが望ましい。また、かかる重合開始剤の一般的な使用量としては、全単量体重量を100重量部とした際に、0.5〜5重量部程度である。
また、本発明の着色有機微粒子は、その製造工程において、モノマー滴中に顔料やアニオン性の反応性乳化剤以外にも様々な添加剤を含有させ、機能付与することが可能である。かかる添加剤としては、防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、分散剤、紫外線吸収剤、芳香剤、消臭剤、吸着剤、無機系吸湿剤、光触媒など、様々なものを挙げることができる。なお、複数の添加剤を用いてもよいことは言うまでもない。
本発明の着色有機微粒子は、塗料組成物、インキ組成物、樹脂成型体などの様々な材料、組成物に含有させることができ、特に、色を重視する材料、組成物に好適に利用することができるため、例えば、自動車の内装材用塗料組成物や家電の筐体に用いる樹脂や塗料組成物等の添加剤として好適に利用できる。
かかる塗料やインキ組成物を製造する方法としては、本発明の着色有機微粒子及びバインダ樹脂を有機溶剤に添加する方法が挙げられる。ここで、バインダ樹脂は、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が挙げられ、具体的には、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、シリコーン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。なお、塗膜に透明性を付与する場合には、アクリル系樹脂、アクリル−シリコーン系樹脂などを好適に用いることができる。
また、上記有機溶剤としては、バインダ樹脂を溶解するものであれば、特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、アセトン、アニソールなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。また、かかる塗料やインキ組成物には、レベリング剤、表面改質剤、脱泡剤、顔料などの着色剤といった公知の各種添加剤が添加されてもよい。
本発明の着色有機微粒子の塗料やインキ組成物への添加方法としては、例えば、有機溶剤にバインダ樹脂を溶解した後に、本発明の着色有機微粒子を添加して、サンドミル、ボールミル、アトライター、高速回転撹拌装置、三本ロールなどを用いて均一に分散、混合させる方法を挙げることができる。
また、着色有機微粒子の塗料やインキ組成物への添加量としては、各組成物の固形分重量に対して、5〜50重量%の範囲で所望の色相が得られるように、適宜選択すればよい。
なお、本発明の着色有機微粒子は、上記のような有機溶剤系の塗料やインキ組成物に限定されず、無溶剤系、水性、粉体など各種塗料やインキ組成物にも用いることができる。
本発明の樹脂成型体としては、繊維、合成皮革、人工皮革、フィルム、シートなどを挙げることができる。これらに用いられる樹脂としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂など透明性に優れ、耐候性が良く、剛性のある樹脂が好ましく用いられる。
上述する樹脂成型体の製造方法としては、例えば、シートの場合では、樹脂100重量部と本発明の着色有機微粒子5〜50重量部とを混合機で混合し、溶融混練機で混練した後、押し出すことでシート状の樹脂成型体を得ることができる。また、溶融混練後、ペレットとして取り出し、このペレットを溶融後射出成型することでも上記成型体を得ることが出来る。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び百分率は、断りのない限り重量基準で示す。まず、各特性の評価方法について説明する。
(1)平均粒子径
島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−200V」を使用して水を分散媒として測定し、体積基準で表した粒子径分布から、平均粒子径(μm)を求める。
(2)塗膜品位試験用の試験片の作成
試料粒子3重量部と水50重量部を黒色の水性多用途カラー塗料(アサヒペン社製)100重量部に加え、ホモジナイザーで10分間撹拌した。得られた塗料組成物を20cm四方のPETフィルム(コスモシャイン#A4300(厚さ100μm:東洋紡(株)製)上にバーコーター#26で塗工し、その後50℃の熱風乾燥機中で30分乾燥し、試験片を作成した。
また、外観の比較用試験片として、試料粒子を添加していない試験片も同様の方法で作成した。
(3)SP値の算出
水溶性有機溶媒のSP値(δ(cal/cm1/2)は、溶媒の分子構造をもとに、下記のFedorsの計算式(式1)により算出した。
(式1)
δ=[ΣEcoh/ΣV]1/2
ここで、Ecohは有機溶媒を構成する各原子団の凝集エネルギーを、Vは各原子団のモル体積を示す。
(4)塗膜品位試験評価
前項の手順にて作成した試験片について、目視による外観と、触感による異物感を下記の判断基準に従って評価した。
[外観]
◎: 比較用試験片と同等以上の黒さを有している。
○ : 比較用試験片よりやや白ボケしている。
× : 比較用試験片より白ボケしている。
[触感]
○ : 均一な触感であり、異物感がほとんど感じ取れない。
× : 異物感を感じ取れる。
(実施例1)
反応槽に水600重量部を仕込み、重合開始剤として2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2重量部を加えた。次いで、メタクリル酸メチル190重量部、エチレングリコールジメタクリレート10重量部からなる単量体混合物と顔料として三菱カーボンブラック#980(平均粒径16nm、三菱化学社製)30重量部、アニオン性の反応性乳化剤としてアルキルアリルスルホコハク酸塩を含有する三洋化成社製のエレミノール(登録商標)JS−20(反応性乳化剤含有量39%)2重量部を反応槽に加え、ホモミキサーを用いて分散した。その後、撹拌しながら、50℃で2時間重合を行い、水洗、脱水、乾燥して着色有機微粒子Aを得た。該粒子の特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、反応性乳化剤の量を2重量部から0.25重量部へと減らしたこと以外は同様に処理を行い、着色有機微粒子Bを得た。該粒子の特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、反応性乳化剤の量を2重量部から20重量部へと増やしたこと以外は同様に処理を行い、着色有機微粒子Cを得た。該粒子の特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、アニオン性の反応性乳化剤を三洋化成社製のエレミノール(登録商標)RS−3000(反応性乳化剤含有量50%)3重量部としたこと以外は同様に処理を行い、着色有機微粒子Dを得た。該粒子の特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、アニオン性の反応性乳化剤として、2−プロペニル基を有する、第一工業製薬社製のアクアロン(登録商標)BC−1025(反応性乳化剤含有量25%)6.5重量部を用いること以外は同様に処理を行い、着色有機微粒子Eを得た。該粒子の特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例6)
反応槽に水600重量部を仕込み、重合開始剤として2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2重量部を加えた。次いで、メタクリル酸メチル190重量部、エチレングリコールジメタクリレート10重量部からなる単量体混合物と顔料として三菱カーボンブラック#980(平均粒径16nm、三菱化学社製)のメチルエチルケトン(SP値:9.01((cal/cm1/2)分散体(顔料含有割合:34%)を顔料の純分換算で30重量部、アニオン性の反応性乳化剤としてアルキルアリルスルホコハク酸塩を含有する三洋化成社製のエレミノール(登録商標)JS−20(反応性乳化剤含有量39%)0.25重量部を反応槽に加え、ホモミキサーを用いて分散した。その後、撹拌しながら、50℃で2時間重合を行い、水洗、脱水、乾燥して着色有機微粒子Fを得た。該粒子の特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例6において、アニオン性の反応性乳化剤の量を0.17重量部とすること以外は同様に処理を行い、着色有機微粒子Gを得た。該粒子の特性を評価した結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例6において、顔料として三菱カーボンブラック#980(平均粒径16nm、三菱化学社製)メチルエチルケトン分散体の代わりに、イソプロピルアルコール(SP値:11.6((cal/cm1/2)分散体(顔料含有割合:38%)を顔料の純分換算で30重量部加えること以外は同様に処理を行い、着色有機微粒子Hを得た。該粒子の特性を評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、アニオン性の反応性乳化剤を用いないこと以外は同様に処理を行い、着色有機微粒子Iを得た。該粒子の特性を評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、アニオン性の反応性乳化剤の代わりに、ノニオン性の反応性乳化剤である第一工業製薬社製のアクアロン(登録商標)RN−2025(反応性乳化剤含有量25%)6.5重量部を用いること以外は同様に処理を行い、着色有機微粒子Jを得た。該粒子の特性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2018016797

Claims (11)

  1. 体積平均粒子径が0.5〜30μmであるビニル系重合体粒子であって、該粒子が顔料とアニオン性の反応性乳化剤を含有していることを特徴とする着色有機微粒子。
  2. ビニル系重合体粒子を構成する全単量体重量を100重量部とした際に、アニオン性の反応性乳化剤を0.01〜5重量部含有していることを特徴とする請求項1に記載の着色有機微粒子。
  3. アニオン性の反応性乳化剤が、1−プロペニル基及び/又はアリル基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の着色有機微粒子。
  4. アニオン性の反応性乳化剤が、アルキルアリルスルホコハク酸塩又はポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の着色有機微粒子。
  5. 顔料の平均粒子径が5〜50nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の着色有機微粒子。
  6. 顔料がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の着色有機微粒子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の着色有機微粒子を含有する塗料組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の着色有機微粒子を含有するインク組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の着色有機微粒子を含有する樹脂成型体。
  10. ビニル系単量体100重量部に対して、アニオン性の反応性乳化剤0.01〜5重量部、水溶性有機溶媒に分散させた顔料分散液を顔料の純分換算で1〜30重量部、重合開始剤0.5〜5重量部を含む混合物を水媒体中に分散させ、懸濁重合することを特徴とする着色有機微粒子の製造方法。
  11. 水溶性有機溶媒のSP値が8.5〜11((cal/cm1/2)であることを特徴とする請求項10に記載の着色有機微粒子の製造方法。
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