JP3248770B2 - 自動車の耐チッピング材 - Google Patents
自動車の耐チッピング材Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の耐チッピング
材、更に詳しくは、耐寒性良好で、焼付乾燥した場合1
300μ以上の厚膜でもフクレ、ワレの発生しない皮膜
を形成しうる水性の耐チッピング材に関する。
材、更に詳しくは、耐寒性良好で、焼付乾燥した場合1
300μ以上の厚膜でもフクレ、ワレの発生しない皮膜
を形成しうる水性の耐チッピング材に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、自動車の耐チッピング材、たとえばアンダーコーテ
ィング材、ストーンガードコーティング材、ガソリンタ
ンクコーティング材にはポリ塩化ビニル系プラスチゾル
が使用されているが、焼却時に塩化水素ガスが発生し、
酸性雨の原因になるなど環境汚染が問題となっている。
このため最近では、ポリ塩化ビニル系プラスチゾルに代
わる環境汚染のない材料として、スチレン−ブタジエン
系ラテックスやアクリル系樹脂エマルジョンの水性の耐
チッピング材が検討され、各種のものが研究開発されて
いる(たとえば特開昭59−75954号、同61−1
71776号および同62−230868号公報参
照)。しかし、現状の自動車塗装ラインで使用した場
合、焼付乾燥時にフクレ、ワレが生じ、厚膜塗布ができ
ない状況にあり(通常、膜厚1000μ以下に制限)、ま
た特にアクリル系樹脂エマルジョンの場合、形成皮膜の
耐寒性が不十分となることがある。
り、自動車の耐チッピング材、たとえばアンダーコーテ
ィング材、ストーンガードコーティング材、ガソリンタ
ンクコーティング材にはポリ塩化ビニル系プラスチゾル
が使用されているが、焼却時に塩化水素ガスが発生し、
酸性雨の原因になるなど環境汚染が問題となっている。
このため最近では、ポリ塩化ビニル系プラスチゾルに代
わる環境汚染のない材料として、スチレン−ブタジエン
系ラテックスやアクリル系樹脂エマルジョンの水性の耐
チッピング材が検討され、各種のものが研究開発されて
いる(たとえば特開昭59−75954号、同61−1
71776号および同62−230868号公報参
照)。しかし、現状の自動車塗装ラインで使用した場
合、焼付乾燥時にフクレ、ワレが生じ、厚膜塗布ができ
ない状況にあり(通常、膜厚1000μ以下に制限)、ま
た特にアクリル系樹脂エマルジョンの場合、形成皮膜の
耐寒性が不十分となることがある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記厚膜
における焼付乾燥時のフクレ、ワレの防止、および耐寒
性の向上について鋭意研究を進めた結果、以下に示す知
見を見出した。すなわち、水性の耐チッピング材を焼付
乾燥する場合、その水分散樹脂のガラス転移点(以下、
Tgで表示)が高いとフクレは発生しないが、ワレが発生
し、また形成皮膜の耐寒性が悪くなる。これに対し、水
分散樹脂のTgが低いと耐寒性がよく、かつワレも発生
しにくいがフクレが生じ易くなる。そこで、水分散樹脂
そのものをコア/シェル二層構造とし、コア側に低Tg
樹脂を用いおよびシェル側に高Tg樹脂を用い、そして
通常配合される充填剤の量を特定化することにより、単
純に低Tg樹脂の水分散体と高Tg樹脂の水分散体との混
合系からは達成されない、所期目的の、厚膜塗布でもワ
レ、フクレが生じず、かつ耐寒性良好なコーティング皮
膜が形成しうることを見出した。
における焼付乾燥時のフクレ、ワレの防止、および耐寒
性の向上について鋭意研究を進めた結果、以下に示す知
見を見出した。すなわち、水性の耐チッピング材を焼付
乾燥する場合、その水分散樹脂のガラス転移点(以下、
Tgで表示)が高いとフクレは発生しないが、ワレが発生
し、また形成皮膜の耐寒性が悪くなる。これに対し、水
分散樹脂のTgが低いと耐寒性がよく、かつワレも発生
しにくいがフクレが生じ易くなる。そこで、水分散樹脂
そのものをコア/シェル二層構造とし、コア側に低Tg
樹脂を用いおよびシェル側に高Tg樹脂を用い、そして
通常配合される充填剤の量を特定化することにより、単
純に低Tg樹脂の水分散体と高Tg樹脂の水分散体との混
合系からは達成されない、所期目的の、厚膜塗布でもワ
レ、フクレが生じず、かつ耐寒性良好なコーティング皮
膜が形成しうることを見出した。
【0004】すなわち、本発明は、(A)Tg−70〜−
20℃の樹脂コア60〜95%(重量%、以下同様)とT
g0〜150℃の樹脂シェル5〜40%の二層構造を有
するコア/シェル樹脂の水分散体; および(B)充填剤か
ら成り、上記水分散体(A)のコア/シェル樹脂分100
部(重量部、以下同様)に対し充填剤(B)100〜30
0部を配合したことを特徴とする自動車の耐チッピング
材を提供するものである。
20℃の樹脂コア60〜95%(重量%、以下同様)とT
g0〜150℃の樹脂シェル5〜40%の二層構造を有
するコア/シェル樹脂の水分散体; および(B)充填剤か
ら成り、上記水分散体(A)のコア/シェル樹脂分100
部(重量部、以下同様)に対し充填剤(B)100〜30
0部を配合したことを特徴とする自動車の耐チッピング
材を提供するものである。
【0005】本発明で用いる上記水分散体(A)のコア/
シェル樹脂は、Tg−70〜−20℃、好ましくは−6
0〜−30℃の樹脂(低Tg樹脂)コアとTg0〜150
℃、好ましくは80〜120℃の樹脂(高Tg樹脂)シェ
ルの二層構造を有し、以下の手順に従って製造すること
ができる。先ず、予め製造した、コアを構成する低Tg
樹脂の水分散体に、要すれば水を加え、乳化剤および重
合開始剤の存在下、所定の高Tg樹脂シェルを構成する
モノマーを乳化重合させることにより、目的とするコア
/シェル樹脂の水分散体(A)が得られる。
シェル樹脂は、Tg−70〜−20℃、好ましくは−6
0〜−30℃の樹脂(低Tg樹脂)コアとTg0〜150
℃、好ましくは80〜120℃の樹脂(高Tg樹脂)シェ
ルの二層構造を有し、以下の手順に従って製造すること
ができる。先ず、予め製造した、コアを構成する低Tg
樹脂の水分散体に、要すれば水を加え、乳化剤および重
合開始剤の存在下、所定の高Tg樹脂シェルを構成する
モノマーを乳化重合させることにより、目的とするコア
/シェル樹脂の水分散体(A)が得られる。
【0006】なお、コア/シェル樹脂において、低Tg
樹脂コアのTgが−70℃未満であると、水分散体(A)
の放置安定性が悪化し、−20℃を越えると、焼付乾燥
後の形成皮膜の耐寒性が悪くなり、耐チッピング性が低
下する。高Tg樹脂シェルのTgが0℃未満であると、焼
付乾燥時の水ぬけ性が悪くなり、フクレを生じ、また1
50℃を越えると、造膜性が低下し、焼付乾燥時にワレ
を生じる。
樹脂コアのTgが−70℃未満であると、水分散体(A)
の放置安定性が悪化し、−20℃を越えると、焼付乾燥
後の形成皮膜の耐寒性が悪くなり、耐チッピング性が低
下する。高Tg樹脂シェルのTgが0℃未満であると、焼
付乾燥時の水ぬけ性が悪くなり、フクレを生じ、また1
50℃を越えると、造膜性が低下し、焼付乾燥時にワレ
を生じる。
【0007】得られるコア/シェル樹脂において、低T
g樹脂コア60〜95%、好ましくは70〜95%およ
び高Tg樹脂シェル5〜40%、好ましくは5〜30%
に設定されていることが重要である。低Tg樹脂コアが
60%未満であると、焼付時の造膜性が低下し、形成皮
膜にワレが生じる傾向となり、また95%を越えると、
焼付乾燥時に形成皮膜にフクレが生じる傾向となる。
g樹脂コア60〜95%、好ましくは70〜95%およ
び高Tg樹脂シェル5〜40%、好ましくは5〜30%
に設定されていることが重要である。低Tg樹脂コアが
60%未満であると、焼付時の造膜性が低下し、形成皮
膜にワレが生じる傾向となり、また95%を越えると、
焼付乾燥時に形成皮膜にフクレが生じる傾向となる。
【0008】上記低Tg樹脂の水分散体としては、たと
えばTg−70〜−20℃を持つジエン系樹脂[スチレン
−ブタジエン系ラテックス(以下、SBRラテックスと
称す)、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス(以
下、NBRラテックスと称す)、およびメタクリル酸メ
チル−ブタジエン系ラテックス(以下、MBRラテック
スと称す)]またはアクリル酸エステル共重合体系樹脂エ
マルジョンを使用すればよい。
えばTg−70〜−20℃を持つジエン系樹脂[スチレン
−ブタジエン系ラテックス(以下、SBRラテックスと
称す)、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス(以
下、NBRラテックスと称す)、およびメタクリル酸メ
チル−ブタジエン系ラテックス(以下、MBRラテック
スと称す)]またはアクリル酸エステル共重合体系樹脂エ
マルジョンを使用すればよい。
【0009】上記高Tg樹脂シェルを構成するモノマー
としては、通常のアクリル酸エステル共重合体系樹脂に
用いられるものが使用されてよく、たとえばメチルアク
リレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ペンチルメ
タクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、ヒドロキシメチルアクリレー
ト、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなど
の(メタ)アクリレート; スチレン、ビニルトルエン、ジ
ビニルベンゼン、α−メチルスチレン、エチルスチレン
などの芳香族ビニルモノマー; アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどのシアン化ビニルモノマー; マレイ
ン酸、フマル酸、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸もしく
はその酸無水物; その他酢酸ビニル、塩化ビニル、アク
リルアマイド、N−メチロールアクリルアマイド、ジア
セトンアクリルアマイド等が挙げられ、これらの中か
ら、Tg0〜150℃の樹脂シェルを付与する1種また
は2種以上の混合物を選定すればよい。さらに、スチレ
ン等のビニル系モノマーを共重合してもよい。
としては、通常のアクリル酸エステル共重合体系樹脂に
用いられるものが使用されてよく、たとえばメチルアク
リレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ペンチルメ
タクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、ヒドロキシメチルアクリレー
ト、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなど
の(メタ)アクリレート; スチレン、ビニルトルエン、ジ
ビニルベンゼン、α−メチルスチレン、エチルスチレン
などの芳香族ビニルモノマー; アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどのシアン化ビニルモノマー; マレイ
ン酸、フマル酸、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸もしく
はその酸無水物; その他酢酸ビニル、塩化ビニル、アク
リルアマイド、N−メチロールアクリルアマイド、ジア
セトンアクリルアマイド等が挙げられ、これらの中か
ら、Tg0〜150℃の樹脂シェルを付与する1種また
は2種以上の混合物を選定すればよい。さらに、スチレ
ン等のビニル系モノマーを共重合してもよい。
【0010】上記乳化剤としては、たとえばポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、オレイ
ン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド
などのノニオン系界面活性剤; オレイン酸ナトリウム、
オレイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸アンモニウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなど
のアニオン系界面活性剤、ラウリルベンダインなどの両
性界面活性剤および界面活性剤の分子構造中にラジカル
共重合性不飽和結合を有する、いわゆる反応性界面活性
剤が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を
使用する。
エチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、オレイ
ン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド
などのノニオン系界面活性剤; オレイン酸ナトリウム、
オレイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸アンモニウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなど
のアニオン系界面活性剤、ラウリルベンダインなどの両
性界面活性剤および界面活性剤の分子構造中にラジカル
共重合性不飽和結合を有する、いわゆる反応性界面活性
剤が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を
使用する。
【0011】上記重合開始剤としては、たとえばアゾビ
スイソブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメ
チル、2,2'−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩
などのアゾ系; クメンハイドロパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタ
ンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオ
キサイド、過酸化水素などの過酸化物系; 過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫
酸塩系が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合
物を使用する。
スイソブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメ
チル、2,2'−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩
などのアゾ系; クメンハイドロパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタ
ンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオ
キサイド、過酸化水素などの過酸化物系; 過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫
酸塩系が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合
物を使用する。
【0012】本発明で用いる充填剤(B)としては、たと
えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレ
ー、硅藻土、マイカ、カオリン、ヒル石、水酸化アルミ
ニウム、アルミナ、シリカ、グラファイト、石英、硫酸
バリウム、酸化チタン、カーボンブラック、カーボンフ
ァイバー、ロックウール、繊維状チタン酸カリウム、ア
タバルジャイト、ウオラストナイト、ホウ酸アルミニウ
ム、アスベスト等が挙げられ、これらの1種または2種
以上の混合物を使用する。使用量は、上記水分散体(A)
のコア/シェル樹脂100部に対して100〜300
部、好ましくは100〜200部の範囲で選定する。1
00部未満であると、焼付乾燥時に揮発成分が多くな
り、皮膜にフクレが生じ易く、また300部を越える
と、形成皮膜の弾性が低下し、耐チッピング性が低下す
る傾向となる。
えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレ
ー、硅藻土、マイカ、カオリン、ヒル石、水酸化アルミ
ニウム、アルミナ、シリカ、グラファイト、石英、硫酸
バリウム、酸化チタン、カーボンブラック、カーボンフ
ァイバー、ロックウール、繊維状チタン酸カリウム、ア
タバルジャイト、ウオラストナイト、ホウ酸アルミニウ
ム、アスベスト等が挙げられ、これらの1種または2種
以上の混合物を使用する。使用量は、上記水分散体(A)
のコア/シェル樹脂100部に対して100〜300
部、好ましくは100〜200部の範囲で選定する。1
00部未満であると、焼付乾燥時に揮発成分が多くな
り、皮膜にフクレが生じ易く、また300部を越える
と、形成皮膜の弾性が低下し、耐チッピング性が低下す
る傾向となる。
【0013】本発明に係る自動車の耐チッピング材は、
上述のコア/シェル樹脂の水分散体(A)に、要すれば適
当な分散剤(たとえばポリカルボン酸ナトリウム、縮合
ナフタレンスルホン酸ナトリウムもしくはアンモニウ
ム、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン
脂肪酸エステル、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメ
タリン酸ナトリウムなど)の存在下で、所定量の充填剤
(B)を加え、均一に撹拌混合することにより構成され、
さらに必要に応じて通常の着色顔料、防錆顔料、可塑
剤、増粘剤、コロイド安定剤、防腐剤、揺変付与剤、凍
結防止剤、pH調整剤等を適量配合してもよい。
上述のコア/シェル樹脂の水分散体(A)に、要すれば適
当な分散剤(たとえばポリカルボン酸ナトリウム、縮合
ナフタレンスルホン酸ナトリウムもしくはアンモニウ
ム、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン
脂肪酸エステル、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメ
タリン酸ナトリウムなど)の存在下で、所定量の充填剤
(B)を加え、均一に撹拌混合することにより構成され、
さらに必要に応じて通常の着色顔料、防錆顔料、可塑
剤、増粘剤、コロイド安定剤、防腐剤、揺変付与剤、凍
結防止剤、pH調整剤等を適量配合してもよい。
【0014】
【発明の効果】以上の構成から成る本発明耐チッピング
材は、ガソリンタンク、床裏面、タイヤハウス、サイド
シール、フロントエプロン、リヤーエプロン等の板金部
位の電着塗膜面、中塗, 上塗塗膜面に適用でき、しかも
従来では到底及ばなかった厚膜、すなわち、1300μ
以上(場合によっては1500μ以上)で塗布(エアレス
スプレーが好ましい)した場合にも、焼付乾燥時のフク
レ、ワレの発生がなく、かつ特に冬場に要求される耐寒
性に優れたコーティング皮膜を形成することができる。
材は、ガソリンタンク、床裏面、タイヤハウス、サイド
シール、フロントエプロン、リヤーエプロン等の板金部
位の電着塗膜面、中塗, 上塗塗膜面に適用でき、しかも
従来では到底及ばなかった厚膜、すなわち、1300μ
以上(場合によっては1500μ以上)で塗布(エアレス
スプレーが好ましい)した場合にも、焼付乾燥時のフク
レ、ワレの発生がなく、かつ特に冬場に要求される耐寒
性に優れたコーティング皮膜を形成することができる。
【0015】
【実施例】次に製造例、実施例および比較例を挙げて、
本発明をより具体的に説明する。なお、製造例は実施例
で用いるコア/シェル樹脂の水分散体の製造法を示す。
本発明をより具体的に説明する。なお、製造例は実施例
で用いるコア/シェル樹脂の水分散体の製造法を示す。
【0016】製造例1 Tg−45℃を持つSBRラテックス(樹脂分50%)8
0部に、2−エチルヘキシルメタクリレート1部とメチ
ルメタクリレート9部、水10部、乳化剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.03部および重合開始
剤として過硫酸カリウム0.03部を加え、室温で10
分間撹拌混合して原料組成物を得る。次に、上記原料組
成物の1/5量を反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下
で75〜80℃にて1時間乳化重合を行った後、同温度
で残りの4/5量を2時間にわたって滴下し、1時間乳
化重合を行い、次いで別途上記と同じ重合開始剤0.0
3部を加えてさらに1時間乳化重合を続け、反応を終了
する。重合生成物を100メッシュ篩に通して、コア
(Tg−45℃)/シェル(Tg90℃)樹脂の水分散体(樹
脂分50%、コア/シェルの重量比=8/2)を得る。
0部に、2−エチルヘキシルメタクリレート1部とメチ
ルメタクリレート9部、水10部、乳化剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.03部および重合開始
剤として過硫酸カリウム0.03部を加え、室温で10
分間撹拌混合して原料組成物を得る。次に、上記原料組
成物の1/5量を反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下
で75〜80℃にて1時間乳化重合を行った後、同温度
で残りの4/5量を2時間にわたって滴下し、1時間乳
化重合を行い、次いで別途上記と同じ重合開始剤0.0
3部を加えてさらに1時間乳化重合を続け、反応を終了
する。重合生成物を100メッシュ篩に通して、コア
(Tg−45℃)/シェル(Tg90℃)樹脂の水分散体(樹
脂分50%、コア/シェルの重量比=8/2)を得る。
【0017】製造例2 製造例1と同じTg−45℃を持つSBRラテックス8
0部に、スチレン9部と2−エチルヘキシルメタクリレ
ート1部、水10部、乳化剤としてドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ0.03部および重合開始剤として過硫
酸カリウム0.03部を加え、室温で10分間撹拌混合
して原料組成物を得、以下、製造例1と同様な操作条件
で、コア(Tg−45℃)/シェル(Tg85℃)樹脂の水分
散体(樹脂分50%、コア/シェルの重量比=8/2)を
得る。
0部に、スチレン9部と2−エチルヘキシルメタクリレ
ート1部、水10部、乳化剤としてドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ0.03部および重合開始剤として過硫
酸カリウム0.03部を加え、室温で10分間撹拌混合
して原料組成物を得、以下、製造例1と同様な操作条件
で、コア(Tg−45℃)/シェル(Tg85℃)樹脂の水分
散体(樹脂分50%、コア/シェルの重量比=8/2)を
得る。
【0018】製造例3 製造例1と同じTg−45℃を持つSBRラテックス7
0部に、メチルメタクリレート6部と2−エチルヘキシ
ルメタクリレート9部、水15部、乳化剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.045部および重合開
始剤として過硫酸カリウム0.045部を加え、室温で
10分間撹拌混合して原料組成物を得、以下、製造例1
と同様な操作条件で、コア(Tg−45℃)/シェル(Tg
25℃)樹脂の水分散体(樹脂分50%、コア/シェルの
重量比=7/3)を得る。
0部に、メチルメタクリレート6部と2−エチルヘキシ
ルメタクリレート9部、水15部、乳化剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.045部および重合開
始剤として過硫酸カリウム0.045部を加え、室温で
10分間撹拌混合して原料組成物を得、以下、製造例1
と同様な操作条件で、コア(Tg−45℃)/シェル(Tg
25℃)樹脂の水分散体(樹脂分50%、コア/シェルの
重量比=7/3)を得る。
【0019】製造例4 Tg−45℃を持つNBRラテックス80部に、メチル
メタクリレート9部と2−エチルヘキシルメタクリレー
ト1部、水10部、乳化剤としてドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ0.03部および重合開始剤として過硫酸
カリウム0.03部を加え、室温で10分間撹拌混合し
て原料組成物を得、以下、製造例1と同様な操作条件
で、コア(Tg−45℃)/シェル(Tg90℃)樹脂の水分
散体(樹脂分50%、コア/シェルの重量比=8/2)を
得る。
メタクリレート9部と2−エチルヘキシルメタクリレー
ト1部、水10部、乳化剤としてドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ0.03部および重合開始剤として過硫酸
カリウム0.03部を加え、室温で10分間撹拌混合し
て原料組成物を得、以下、製造例1と同様な操作条件
で、コア(Tg−45℃)/シェル(Tg90℃)樹脂の水分
散体(樹脂分50%、コア/シェルの重量比=8/2)を
得る。
【0020】製造例5 Tg−45℃を持つアクリル系樹脂(メチルメタクリレー
ト/2−エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂)エマ
ルジョン(樹脂分50%)80部に、メチルメタクリレー
ト9部と2−エチルヘキシルメタクリレート1部、水1
0部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.03部および重合開始剤として過硫酸カリウム0.
03部を加え、室温で10分間撹拌混合して原料組成物
を得、以下、製造例1と同様な操作条件で、コア(Tg−
45℃)/シェル(Tg90℃)樹脂の水分散体(樹脂分5
0%、コア/シェルの重量比=8/2)を得る。
ト/2−エチルヘキシルアクリレート共重合樹脂)エマ
ルジョン(樹脂分50%)80部に、メチルメタクリレー
ト9部と2−エチルヘキシルメタクリレート1部、水1
0部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.03部および重合開始剤として過硫酸カリウム0.
03部を加え、室温で10分間撹拌混合して原料組成物
を得、以下、製造例1と同様な操作条件で、コア(Tg−
45℃)/シェル(Tg90℃)樹脂の水分散体(樹脂分5
0%、コア/シェルの重量比=8/2)を得る。
【0021】実施例1〜5製 造例1〜5で製造したコア/シェル樹脂の水分散体1
00部に、下記表1に示す部数の、分散剤としてトリポ
リリン酸ソーダ(日本化学工業(株)製)および充填剤(炭
酸カルシウムおよび水酸化アルミニウム)を加え、均一
撹拌して水性コーティング材を得、次いで下記性能試験
に付して、結果を表1に併記する。
00部に、下記表1に示す部数の、分散剤としてトリポ
リリン酸ソーダ(日本化学工業(株)製)および充填剤(炭
酸カルシウムおよび水酸化アルミニウム)を加え、均一
撹拌して水性コーティング材を得、次いで下記性能試験
に付して、結果を表1に併記する。
【0022】性能試験 (1)耐寒性 −30℃にてデュポン式衝撃試験(条件:おもさ500
g、落下距離50cm、先端は直径12.7mmの半球形材)
に付す。○はワレ、剥離等の異常なし、×はワレ、剥離
あり (2)厚膜性 鋼板に塗布した後、90℃で10分の乾燥および120
℃で20分の焼付を行ったときに、フクレまたはワレが
発生する限界の乾燥膜厚(μ)で評価する。 (3)耐チッピング性 鋼板に乾燥膜厚300μで形成した皮膜に対し、45°
の角度で黄銅ナット(M4)を2m、直径25mmの円筒の
中に連続して落下させ、素地が露出したときの落下ナッ
トの総重量(kg)で評価する。
g、落下距離50cm、先端は直径12.7mmの半球形材)
に付す。○はワレ、剥離等の異常なし、×はワレ、剥離
あり (2)厚膜性 鋼板に塗布した後、90℃で10分の乾燥および120
℃で20分の焼付を行ったときに、フクレまたはワレが
発生する限界の乾燥膜厚(μ)で評価する。 (3)耐チッピング性 鋼板に乾燥膜厚300μで形成した皮膜に対し、45°
の角度で黄銅ナット(M4)を2m、直径25mmの円筒の
中に連続して落下させ、素地が露出したときの落下ナッ
トの総重量(kg)で評価する。
【0023】比較例1〜4 実施例1において、コア/シェル樹脂の水分散体の代わ
りにTgの異なるSBRラテックスを用いる以外は、同
様にして水性コーティング材(比較例1〜3)を得、そ
の性能試験結果を表1に併記する。また実施例1におい
て、充填剤(炭酸カルシウムおよび水酸化アルミニウ
ム)の量を減らす以外は、同様にして水性コーティング
材(比較例4)を得、その性能試験結果を表1に併記す
る。
りにTgの異なるSBRラテックスを用いる以外は、同
様にして水性コーティング材(比較例1〜3)を得、そ
の性能試験結果を表1に併記する。また実施例1におい
て、充填剤(炭酸カルシウムおよび水酸化アルミニウ
ム)の量を減らす以外は、同様にして水性コーティング
材(比較例4)を得、その性能試験結果を表1に併記す
る。
【0024】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友安 宏秀 大阪府高槻市明田町7番1号 サンスタ ー技研株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 151/04
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)ガラス転移点−70〜−20℃の樹
脂コア60〜95重量%とガラス転移点0〜150℃の
樹脂シェル5〜40重量%の二層構造を有するコア/シ
ェル樹脂の水分散体; および (B)充填剤 から成り、上記水分散体(A)のコア/シェル樹脂分10
0重量部に対し充填剤(B)100〜300重量部を配合
したことを特徴とする自動車の耐チッピング材。 - 【請求項2】 ガラス転移点−70〜−20℃の樹脂コ
アが、ジエン系またはアクリル酸エステル共重合体系の
樹脂で構成され、ガラス転移点0〜150℃の樹脂シェ
ルが、アクリル系またはスチレン系の樹脂で構成されて
いる請求項1に記載の耐チッピング材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08189893A JP3248770B2 (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | 自動車の耐チッピング材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08189893A JP3248770B2 (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | 自動車の耐チッピング材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06293876A JPH06293876A (ja) | 1994-10-21 |
JP3248770B2 true JP3248770B2 (ja) | 2002-01-21 |
Family
ID=13759268
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08189893A Expired - Fee Related JP3248770B2 (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | 自動車の耐チッピング材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3248770B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP5583930B2 (ja) * | 2008-07-04 | 2014-09-03 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 共重合体ラテックス |
WO2010001964A1 (ja) * | 2008-07-04 | 2010-01-07 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 共重合体ラテックス及びその製造方法 |
JP5484805B2 (ja) * | 2008-11-07 | 2014-05-07 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 共重合体ラテックスの製造方法 |
JP5498062B2 (ja) * | 2009-06-18 | 2014-05-21 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 共重合体ラテックスの製造方法 |
KR102148742B1 (ko) * | 2018-10-08 | 2020-08-27 | (주)제이씨콥스 | 친환경 자동차용 동절기 전용 언더코팅 아크릴 에멀전 조성물 |
-
1993
- 1993-04-08 JP JP08189893A patent/JP3248770B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06293876A (ja) | 1994-10-21 |
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