JP2000178499A - 制振材用共重合体ラテックス - Google Patents

制振材用共重合体ラテックス

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JP2000178499A
JP2000178499A JP10360587A JP36058798A JP2000178499A JP 2000178499 A JP2000178499 A JP 2000178499A JP 10360587 A JP10360587 A JP 10360587A JP 36058798 A JP36058798 A JP 36058798A JP 2000178499 A JP2000178499 A JP 2000178499A
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monomer
weight
copolymer latex
ethylenically unsaturated
vibration damping
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Takeshi Suetsugu
剛 末次
Shigeo Suzuki
重夫 鈴木
Masaaki Tsuji
正明 辻
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制振材に、優れた耐ブリスター性、密着性を付
与する共重合体ラテックスの提供。 【解決手段】全単量体混合物に対して、共役ジエン系単
量体(a)10〜80重量%、エポキシ基を有するエチ
レン系不飽和単量体(b)0.5〜10重量%、エチレ
ン系不飽和カルボン酸アミド単量体(c)0.5〜10
重量%、(b)および(c)以外のエチレン系不飽和単
量体(d)10〜89重量%を含む単量体混合物を乳化
重合して得られる制振材用共重合体ラテックスが課題を
解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振材用共重合体
ラテックスに関し、詳しくは、制振材に優れた耐ブリス
ター性と密着性を付与する共重合体ラテックスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、住環境の快適化の要求が高まって
いるなか、自動車、鉄道等の車両や船舶、掃除機や洗濯
機などの家庭電化製品および建築構造物などの振動やそ
れによる騒音の防止対策が強く望まれている。従来これ
らの防止対策としては、基材表面にシート状の制振材を
貼り付けたり、制振塗料を塗布するといった方法がとら
れている。しかし、シート状の制振材の貼り付けは、シ
ートを基材の形状に合わせる必要があり作業効率が低下
する。また、制振性を向上させるためにシートを厚くす
ると一層の作業効率低下、コストアップおよび基材の重
量化といった問題が起きる。また、フィルム、シート分
野において対応力が強いポリ塩化ビニル系の制振材料は
焼却処理によって塩化水素が発生し、酸性雨をもたらす
など環境面での問題がある。一方、制振塗料に関して
は、一般に分散剤として有機溶剤系塗料が汎用されてい
るが、有機溶剤、特に芳香族炭化水素系溶剤は大気汚染
源の一つであり、VOC(揮発性有機化合物)規制によ
り有機溶剤系塗料の使用が問題視されている。また、自
動車の室内床下、タイヤハウス、エンジンルーム等に制
振性を付与するために自動車アンダーコート用塗料とし
て広く用いられているポリ塩化ビニル系プラスチゾル
も、上述の環境問題から代替品の検討が進められてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の問題点から、最
近では制振塗料を有機溶剤系のものから水性のものに転
換する検討がなされている。制振塗料の要求される性能
としては、制振性、耐水性、貯蔵安定性、耐ブリスター
性、成膜性、密着性、耐クラック性などが挙げられる。
従来の有機溶剤系塗料では、これらの性能と機能を高度
に設計することができたが、水性制振塗料においては、
これらの物性面での性能が十分でなく、特に密着性と耐
ブリスター性が劣っている。これら問題点の解決方法と
して、スチレン/アクリル共重合体合成樹脂エマルジョ
ンとアクリル酸エステル共重合体合成樹脂エマルジョン
をブレンドしてなるエマルジョン塗料(特開平9−87
572号)や、アクリル系エマルジョン重合体と脂肪族
ビニル系エマルジョン重合体粒子からなる塗料(特開平
7−292318号)等が提案されているが、いずれも
上記の問題点を解決するには至っていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな従来技術がもつ問題点を解決すべく、鋭意研究を重
ねた結果、共役ジエン系単量体(a)、エポキシ基を有
するエチレン系不飽和単量体(b)、エチレン系不飽和
カルボン酸アミド単量体(c)、(b)および(c)以
外のエチレン系不飽和単量体(d)とを単量体成分とし
て用いることで、制振材に優れた密着性、耐ブリスター
性を与える共重合体ラテックスが得られることを見出
し、この知見に基づいてさらに研究を重ねて本発明を完
成するに至った。すなわち本発明は、(1)全単量体混
合物に対して、共役ジエン系単量体(a)10〜80重
量%、エポキシ基を有するエチレン系不飽和単量体
(b)0.5〜10重量%、エチレン系不飽和カルボン
酸アミド単量体(c)0.5〜10重量%、(b)およ
び(c)以外のエチレン系不飽和単量体(d)10〜8
9重量%を含む単量体混合物を乳化重合して得られる制
振材用共重合体ラテックス、(2)(b)および(c)
以外のエチレン系不飽和単量体(d)が、全単量体混合
物に対してエチレン系不飽和カルボン酸単量体(e)
0.5〜10重量%を含有するものである前記(1)記
載の制振材用共重合体ラテックス、(3)エポキシ基を
有するエチレン系不飽和単量体(b)として、メタクリ
ル酸グリシジルを用いる前記(1)記載の制振材用共重
合体ラテックス、(4)エチレン系不飽和カルボン酸ア
ミド単量体(c)として、メタクリルアミドを用いる前
記(1)記載の制振材用共重合体ラテックス、および
(5)前記(1)〜(4)に記載の共重合体ラテックス
と充填剤を含有する制振材用組成物、である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の共重合体ラテック
スを製造する方法について説明する。本発明において用
いられる共役ジエン系単量体(a)としては、例えば
1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−
ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等を挙げ
ることができる。これらの共役ジエン系単量体(a)
は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。本発明においては、特に1,3−ブタジエンが好
ましく用いられる。このような共役ジエン系単量体
(a)の使用量は、全単量体混合物に対して、10〜8
0重量%、好ましくは15〜75重量%である。これら
の使用量が10重量%より少ないと成膜性や密着性が低
下しクラックの生じることがある。一方使用量が80重
量%を越えると塗膜にベトツキが生じる。本発明におい
て用いられるエポキシ基を有するエチレン系不飽和単量
体(b)としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等を挙
げることができるが、特にメタクリル酸グリシジルが好
ましく用いられる。このようなエポキシ基を有するエチ
レン系不飽和単量体(b)は、単独で、又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。このようなエポキシ
基を有するエチレン系不飽和単量体(b)の使用量は、
全単量体混合物に対して、0.5〜10重量%、好まし
くは1〜8重量%である。これらの使用量が0.5重量
%より少ないと基材との密着性が低下する。一方、使用
量が10重量%を越えてもさらに向上する性能は特にな
い。
【0006】本発明において用いられるエチレン系不飽
和カルボン酸アミド単量体(c)としては、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルア
ミド、N−メチロールアクリルアミド等を挙げることが
できるが、特にメタクリルアミドが好ましく用いられ
る。このエチレン系不飽和カルボン酸アミド単量体
(d)を使用した場合、その使用量は、全単量体混合物
に対して通常0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜8
重量%の範囲である。使用量が0.5重量%より少ない
と耐ブリスター性が低下することがあり、また基材との
密着性も低下することがある。一方、使用量が10重量
%をこえても向上する性能は特にない。本発明において
用いられる(b)および(c)以外のエチレン系不飽和
単量体(d)としては、例えばスチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等の芳香
族ビニル化合物、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリ
ル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル化合物、例
えば酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロル
アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、例えば
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなど
のエチレン系不飽和アミン化合物等を挙げることができ
る。これらのエチレン系不飽和単量体(d)は、単独で
又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その使
用量は、後述するエチレン系不飽和カルボン酸単量体
(e)と併せて全単量体混合物に対して通常10〜8
9.0重量%、好ましくは15〜80重量%の範囲であ
る。
【0007】エチレン系不飽和カルボン酸単量体(e)
としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸等のモノカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、
イタコン酸等のジカルボン酸や、それらの無水物、例え
ばマレイン酸メチル、イタコン酸メチル等のジカルボン
酸のモノエステル、即ち、半エステル等を挙げることが
できるが、特にアクリル酸とメタクリル酸が好ましく用
いられる。これらのエチレン系不飽和カルボン酸単量体
(e)は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いる
ことができる。これらエチレン系不飽和カルボン酸単量
体(e)を使用する場合、その使用量は、全単量体混合
物に対して通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜8
重量%の範囲である。これらの使用量が0.5重量%よ
り少ないと反応安定性が十分でないことがある。一方、
10重量%を越えると組成物の粘度が高くなり取り扱い
が不便になる場合がある。
【0008】本発明の共重合体ラテックスの平均粒子径
は、通常100〜500nm、好ましくは100〜30
0nmである。平均粒子径が100nm未満であると耐
ブリスター性が低下することがあり、平均粒子径が50
0nmを越えると密着性が低下することがある。共重合
体ラテックスのゲル分は、通常40〜95重量%、好ま
しくは50〜90重量%である。ゲル分が40重量%未
満であると耐ブリスター性が低下することがあり、95
重量%を越えると密着性が低下することがある。また、
共重合体ラテックスのガラス転移温度は、通常−80〜
60℃、好ましくは−60〜50℃である。ガラス転移
温度が−80℃より低いと塗膜にベトツキの生じること
があり、60℃を越えると密着性が低下することがあ
る。本発明の制振材用共重合体ラテックスを製造するに
は、従来より知られている乳化重合法を採用することが
できる。すなわち水性媒体中、たとえば水の中に単量体
混合物、重合開始剤、乳化剤および重合連鎖移動剤等を
適宜加えて乳化重合を行うことができる。単量体成分の
添加方法は特に限定されるものではなく、一括添加法、
連続添加法あるいは多段添加法などの任意の方法を採用
することができる。
【0009】重合開始剤の種類も、特に限定されるもの
ではなく、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、
過硫酸アンモニウム等の無機過硫酸塩、例えばクメンハ
イドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、イ
ソプロピルベンゼンパーオキサイド等の有機過酸化物、
例えばアゾイソブチロニトリル等のアゾ系の開始剤を用
いることができる。これらは単独でまたは2種以上を組
み合わせて使用することができる。これらのうち、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等
の無機過硫酸塩等が重合安定性の面から好ましく用いら
れる。また上記した重合開始剤は、重亜硫酸ナトリウ
ム、硫酸第1鉄等の還元剤と組み合わせてなるいわゆる
レドックス系重合開始剤としても用いることができる。
乳化重合における重合開始剤の使用量は、全単量体混合
物100重量部に対して、通常0.1〜2重量部程度で
あり、好ましくは0.2〜1重量部程度である。乳化重
合の際に用いられる乳化剤の種類も、特に限定されるも
のではなく、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニル
エーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキル
エステルスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物等のアニオン系界面活性剤、例えば、
ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル等のノニオン系界面活性
剤、両性界面活性剤としては、例えばラウリルベタイ
ン、ステアリルベタインの塩等のアルキルベタイン型の
塩、ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチ
ル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシンの
塩等のアミノ酸型のもの等を挙げることができ、これら
は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることが
できる。これらの乳化剤のうち、特にナフタレンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物またはドデシルフェニルエーテル
ジスルホン酸ナトリウム等が好ましく用いられる。
【0010】乳化重合に用いられる乳化剤の使用量は、
用いる全単量体混合物100重量部に対し、通常0.0
5〜2.5重量部程度であり、好ましくは0.1〜1重量
部程度である。乳化重合の際に用いられる重合連鎖移動
剤の種類も、特に限定されるものではなく、例えば、ヘ
キシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−ドデ
シルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘ
キサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタ
ン等のアルキルメルカプタン類、例えば、四塩化炭素、
四臭化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素、例
えば、メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル、メ
ルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、メ
ルカプトプロピオン酸トリデシルエステル等のメルカプ
トカルボン酸アルキルエステル、例えば、メルカプト酢
酸メトキシブチルエステル、メルカプトプロピオン酸メ
トキシブチルエステル等のメトキシカルボン酸アルコキ
シアルキルエステル、例えば、オクタン酸2−メルカプ
トエチルエステル等のカルボン酸メルカプトアルキルエ
ステル及びα−メチルスチレンダイマー、ターピノーレ
ン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、ア
ニソール、アリルアルコール等を挙げることができる。
【0011】これらの重合連鎖移動剤は、単独でまたは
2種以上を組み合わせて用いることができる。上記重合
連鎖移動剤のうち、アルキルメルカプタン類、四塩化炭
素、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、α−メ
チルスチレンダイマー、ターピノーレン等が好ましく用
いられる。これら重合連鎖移動剤の使用量は、全単量体
混合物100重量部に対して、通常0〜5重量部、好ま
しくは0〜3重量部である。また、乳化重合に際して
は、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等のキレート
剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の分散剤や無機塩等の
存在下に行ってもよい。共重合体ラテックスの製造にお
いて、重合転化率は通常約90重量%以上、好ましくは
約94重量%以上である。本発明の制振材用組成物は共
重合体ラテックスと充填剤を主成分とするものである。
充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、カオリン、シ
リカ、タルク、硫酸バリウム、アルミナ、酸化鉄、酸化
チタン、ガラストークなど無機質の充填剤を挙げること
ができ、これらは単独または2種以上を併用することが
できる。そのほか、ガラスフレーク、マイカ等の鱗片状
無機質充填剤や金属酸化物ウィスカー、ガラス繊維等の
繊維状無機質充填剤を挙げることができる。また、必要
に応じて消泡剤、増粘剤、分散剤、湿潤剤、凍結防止
剤、防錆剤、密着付与剤などの添加剤を適宜用いること
ができる。
【0012】制振材用組成物における共重合体ラテック
スと充填剤の配合割合は、共重合体ラテックス100重
量部(ドライ)に対して、充填剤は通常50〜400重
量部、好ましくは100〜300重量部である。制振材
用組成物の固形分濃度は通常60〜85重量%、好まし
くは65〜80重量%である。本発明の共重合体ラテッ
クスを含有してなる制振材用組成物は、自体公知の方
法、例えば、刷毛、へら、エアスプレー、エアレススプ
レー、モルタルガン、リシンガンなどを用いて塗布する
ことができる。
【0013】
【実施例】以下に実施例および比較例をあげて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定
されるものではない。なお、実施例における%および部
はすべて重量基準である。 実施例1 <共重合体ラテックスの製造>窒素置換した5リットル
容量のオートクレーブに第1段の仕込みとして、1,3
−ブタジエン15.0部、スチレン20.0部、アクリル
酸1.0部、メタクリル酸グリシジル1.0部、メタクリ
ルアミド1.0部、過硫酸ナトリウム0.3部、水100
部、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム
0.3部およびターシャルドデシルメルカプタン0.4部
を仕込み、60℃で撹拌しながら反応させた。3時間後
第2段の仕込みとして、1,3−ブタジエン20.0部、
スチレン37.0部、アクリル酸1.0部、メタクリル酸
グリシジル4.0部をドデシルジフェニルエーテルスル
ホン酸ナトリウム0.3部およびターシャルドデシルメ
ルカプタン0.05部を4時間かけて逐次添加した。1
5時間にわたって反応を行った後、重合転化率94%以
上(単量体100部当たり)に達した時点で、得られた
反応混合物を30℃まで冷却し、水酸化カリウムを用い
てpH7.0±0.2に調整した。ついで、反応混合物
に水蒸気を吹き込んで未反応単量体を除去し、さらにラ
テックスの固形分濃度を54%まで濃縮して、目的とす
る共重合体ラテックスを得た。
【0014】次に得られたラテックスを用いて次の組成
を有する制振材用組成物を調製した。 <制振材用組成物の調製> 共重合体ラテックス 100部 炭酸カルシウム(R重炭)*1) 200部 消泡剤(KM−71)*2) 0.3部 分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム) 1.5 部 増粘剤(ASE−60)*3) 0.05部 水 全固形分が70%になる量 *1):丸尾カルシウム(株)製 *2):信越化学工業(株)製 *3):日本アクリル化学(株)製 上記の共重合体ラテックス、分散剤及び水をミキサーに
投入し、撹拌しながら炭酸カルシウムを徐々に添加し、
十分に撹拌後さらに増粘剤と消泡剤を撹拌下に添加し
て、全固形分70%の制振材用組成物を得た。これを用
いて後述する試験方法で制振材用組成物の評価をした。
その結果を単量体の配合量等とともに〔表1〕および
〔表2〕に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】実施2〜7 〔表1〕に記載の単量体を用いて実施例1と同様の操作
で乳化重合を行い、共重合体ラテックスを製造した。つ
いでこれを用いて実施例1と同様にして制振材用組成物
を調製した。その組成物の評価結果は〔表1〕に示すと
おりである。
【0018】比較例1〜8 〔表2〕に記載の単量体を用いて実施例1と同様にして
乳化重合を行い、共重合体ラテックスを製造した。つい
でこれを用いて実施例1と同様にして制振材用組成物を
調製した。得られた組成物の評価結果は〔表2〕に示す
とおりである。〔表1〕、〔表2〕中の各物性は、以下
の方法にて測定し評価した。 (1)ゲル分(トルエン不溶分) 実施例および比較例で得られた共重合体ラテックスをそ
れぞれガラスモールドに流し、厚さ0.3mmのフィル
ムを作成した。このフィルムを2〜3mm角に切り、
0.4gを精秤した。その試料をトルエン100mlに
浸漬し、30℃の振盪式恒温槽で6時間振盪した。その
後、100メッシュ金網で濾過し、濾液の固形分を求
め、このゾル固形分よりゲル分を算出した。 (2)ガラス転移温度(Tg) 実施例および比較例で得られた共重合体ラテックスをそ
れぞれガラスモールドに流し、厚さ1.5mmのフィル
ムを作成した。このフィルムについて走査型示差熱計を
用いて測定した。 (3)平均粒子径 コールターカウンターMODEL N4+(コールター(株)
製)を用いて測定した。 (4)制振性 制振材組成物を電着塗装鋼板にエアレス塗装し、80℃
で10分間、さらに120℃で30分間乾燥し、電着塗
装鋼板上に乾燥膜厚1,500μmの被覆膜を形成し、
(株)岩本製作所VES−F−IIIを用いて、25℃に
て周波数10HzのTanσを測定し、制振性を評価し
た。すなわち、この値が大きい程、制振性が良いことを
示す。 (5)密着性 JIS K5400 8.5項の付着性の碁盤目テープ
法に準じて測定した。すなわち電着塗装鋼板の代わりに
ターンシート板を用いて、上述の方法により膜厚30μ
mの被覆膜を形成し、被覆膜を貫通して、ターンシート
板に達する切り傷を碁盤目状(隙間間隔2mm)に付
け、この碁盤目の上に粘着テープを貼り、剥がした後の
付着状態を目視によって観察した。
【0019】10:切り傷1本ごとが細くて両側が滑ら
かで、切り傷の交点と正方形の一目一目に剥がれない。 8:切り傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の
一目一目に剥がれがなく、欠損部の面積は全正方形面積
の5%以内。 6:切り傷の両側と交点に剥がれがあって、欠損部の面
積は全正方形面積の5〜15%。 4:切り傷による剥がれの幅が広く、欠損部の面積は全
正方形面積の15〜35%。 2:切り傷による剥がれの4点よりも広く、欠損部の面
積は全正方形面積の35〜65%。 0:剥がれの面積は、全正方形面積の65%以上 (6)耐ブリスター性 上述の方法で得られた膜厚1000μmの被覆膜を形成
し、各被覆膜の膨れの状況を観察した。 ○:塗膜表面に膨れがない。 △:塗膜表面の膨れが全面積の50%未満。 ×:塗膜表面の膨れが全面積の50%以上。
【0020】本発明の共重合体ラテックスを用いて調製
した制振性塗料は、優れた密着性と耐ブリスター性を示
したのに対し、メタクリル酸グリシジルを含有しない比
較例1〜3及び7の共重合体ラテックスを用いて調製し
た共重合体ラテックスは密着性に劣り、メタクリルアミ
ドを含有しない比較例4〜6及び8の共重合体ラテック
スを用いて調製した制振性塗料は、耐ブリスター性が劣
っていることが明らかである。
【0021】
【発明の効果】本発明の共重合体ラテックスを用いて調
製した制振性塗料は、高い制振性、密着性および耐ブリ
スター性を被膜に与え、有機溶媒を含まず、焼却処理の
際塩化水素を発生させないので、環境汚染の恐れがな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 正明 大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85 号 武田薬品工業株式会社化学品カンパニ ー内 Fターム(参考) 4J038 CA021 CG141 CG171 CH171 DB361 DB371 KA08 MA08 MA10 NA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全単量体混合物に対して、共役ジエン系単
    量体(a)10〜80重量%、エポキシ基を有するエチ
    レン系不飽和単量体(b)0.5〜10重量%、エチレ
    ン系不飽和カルボン酸アミド単量体(c)0.5〜10
    重量%、(b)および(c)以外のエチレン系不飽和単
    量体(d)10〜89重量%を含む単量体混合物を乳化
    重合して得られる制振材用共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】(b)および(c)以外のエチレン系不飽
    和単量体(d)が、全単量体混合物に対してエチレン系
    不飽和カルボン酸単量体(e)0.5〜10重量%を含
    有するものである請求項1記載の制振材用共重合体ラテ
    ックス。
  3. 【請求項3】エポキシ基を有するエチレン系不飽和単量
    体(b)として、メタクリル酸グリシジルを用いる請求
    項1記載の制振材用共重合体ラテックス。
  4. 【請求項4】エチレン系不飽和カルボン酸アミド単量体
    (c)として、メタクリルアミドを用いる請求項1記載
    の制振材用共重合体ラテックス。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載の共重合体ラテックス
    と充填剤を含有する制振材用組成物。
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