JP2008133394A - 発泡性制振材用水性塗料及び制振材 - Google Patents

発泡性制振材用水性塗料及び制振材 Download PDF

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Abstract

【課題】 制振材料の使用量の低減により、制振材料自身もしくは制振材を使用する駆体そのものの軽量化を実現することができる制振塗料及びそれらを得るための水性アクリル−スチレン重合体(A)を提供すること。
【解決手段】 ポリオキシアルキレンフェニルエーテルの硫酸アンモニウム塩存在下、乳化重合により得られる平均粒子径が200〜300nmで且つ、酸価が10〜20であるカルボキシル基含有アクリル−スチレン重合体(A)のエマルジョンと発泡剤(B)、無機充填剤(C)を含有する発泡性制振性塗料であって、前記アクリル−スチレン重合体(A)のエマルジョンから得られた樹脂フィルムのトルエンゲル残存率が1重量%以下であり、tanδのピーク値が2.5以上で、且つ、tanδのピーク値が現れる温度範囲が25〜55℃であることを特徴とする発泡性制振性塗料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、制振性塗料の皮膜形成成分として有用な水性バインダーに関し、特に有効な温度範囲において優れた制振性能を発揮することで、軽量化が可能となる制振材料を形成できる水性アクリル−スチレン重合体(A)に関する。更に、本発明は、かかる水性アクリル−スチレン重合体(A)とから成る水性アクリル−スチレンエマルション(a)を主成分として含む発泡性制振性塗料に関し、特に剥がれや膨れの発生を惹起することなく制振効果の大きな発泡した厚膜の形成を可能とする発泡性制振性塗料に関する。更にまた、本発明は、かかる発泡性制振性塗料を用いて形成される高い制振性を有する制振材に関する。
生活環境や作業環境の快適さを求める要求の高まりに伴い、自動車、鉄道車両、航空機、船舶等の室内や、冷蔵庫、洗濯機、掃除機等の家電製品などに生じる振動や振動音を抑制乃至防止し生活環境や作業環境を静寂に保つための対策が強く求められている。
従来、これらの制振性付与方法として、基材表面にアスファルトシートなどのシート状制振材を貼り付け、焼き付け、融着による方法や有機溶剤系又は水系の制振性塗料を塗装する方法が採用されてきた。しかし、シート状制振材を貼り付ける方法では、シート形状を複雑な基材形状に合わせることが困難な場合も少なくないし、基材形状に合わせたシートを基材の種類やサイズごとに製作、分類、保管しておく必要があるうえ、シートの貼り付け作業はロボット化が困難で人手によらざるを得ないなどの作業効率上の問題があった。一方、制振性塗料を塗布する方法では、近年共役ジエン系単量体とその他の単量体とから形成される共重合ラテックスを使用した制振塗料が用いられる事があるが、共役ジエン系単量体は制振性を充分に発揮するものではなく、制振塗料の制振性の向上要求に対応できないとの問題を抱えていた。
制振材料は、振動する車両などの基材とともに振動しながらその材料の動的粘弾性から生じる内部摩擦などにより振動エネルギーを熱エネルギーに変換することにより振動を減衰させ振動音を低減させるものである。制振材料の動的粘弾性は温度によって大きく変化するため、制振性能は温度に依存し、特定の温度で極大となる。従って、制振塗料による得られる制振材料においても、その動的粘弾性の大小が大きく関与することとなり、そのバインダーである水性アクリル−スチレン重合体(A)樹脂フィルムの粘弾性も高いことが必須となる。
検討例として、水性アクリルエマルジョン樹脂フィルムの固有動的粘弾性測定(DMA)チャートにおけるtanδのピークについて、温度が違う2種類の水性アクリルエマルジョンを使用することで、その温度範囲を広くすることを可能とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、そのピーク値は0.5〜1.2と低く、これらを使用した制振塗料によって得られる制振材料を使用しても、軽量化が充分ではない。
特開2005−187605号公報
本発明の目的は、制振塗料としてより高い制振性を得ることのできる水性アクリル−スチレン重合体(A)を使用することにより、それによって得られる制振塗料を使用することで、制振材料の使用量の低減により、制振材料自身もしくは制振材を使用する駆体そのものの軽量化を実現することができる制振塗料及びそれらを得るための水性アクリル−スチレン重合体(A)を提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、アクリル−スチレン重合体(A)で且つ得られた樹脂フィルムのトルエンゲル分率を低く制御し、樹脂フィルムの固有粘弾性測定(DMA)チャートにおける損失正接(tanδ)(以下、単にtanδという。)のピーク値を2.5以上としたアクリル−スチレン重合体(A)を用いて、発泡剤(B)、無機質充填剤(C)を配合した制振塗料が高い制振性を実現し、それにより制振材自身の軽量化が可能であるとの技術的知見を見出し、この知見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ポリオキシアルキレンフェニルエーテルの硫酸アンモニウム塩存在下、乳化重合により得られる平均粒子径が200〜300nmで且つ、酸価が10〜20であるカルボキシル基含有アクリル−スチレン重合体(A)のエマルジョンと発泡剤(B)、無機充填剤(C)を含有する発泡性制振性塗料であって、前記アクリル−スチレン重合体(A)のエマルジョンから得られた樹脂フィルムのトルエンゲル残存率が1重量%以下であり、tanδのピーク値が2.5以上で、且つ、tanδのピーク値が現れる温度範囲が25〜55℃であることを特徴とする発泡性制振性塗料を提供する。
更にまた、本発明は、前記発泡性制振性塗料の塗膜の30℃、40℃、50℃の損失係数の合計が0.4以上である、請求項1に記載の発泡性制振性塗料をも提供する。
本発明の水性アクリル−スチレンエマルション(a)は、制振性塗料の皮膜形成成分として用いた場合、制振材料の使用環境温度である25〜55℃の温度範囲において高い制振効果を奏する。
また、本発明の発泡性制振性塗料は、25〜55℃の温度範囲において高い制振効果を奏する均一に発泡した制振塗膜を形成することができ、塗装時には塗膜の剥がれや膨れを生じることなく厚膜の塗布が可能であり、かつスプレーガンの目詰まりがなく安定したスプレー塗装が可能である。
更にまた、本発明の制振体は、従来最大6mm程度に発泡した制振塗膜に対し、その半分以下の膜厚により、25〜55℃の温度範囲において高い制振効果を奏するから、車両、家電機器、精密機器、建築構造物などの振動と振動音の発生を効果的に抑制ないし防止でき、従来の制振材と比較し、軽量化を実施することができる。
本発明で使用するアクリル−スチレン重合体(A)は、アクリル−スチレン重合体(A)のエマルジョンから得られた樹脂フィルムのトルエンゲル残存率が5%以下であるものである。また、前記アクリル−スチレン重合体(A)は、その貯蔵弾性率、損失弾性率及びtanδの最大ピークの強度とピーク温度の各値がそれぞれ前記数値範囲内にある動的粘弾性特性を有する限り、複数の種類の混合物であってもよいが、より好ましくは単独重合体がよい。アクリル−スチレン重合体(A)の動的粘弾性特性を広い温度範囲にわたって制御するには、単独重合体で制御するよりも複数の重合体の混合物で制御するほうが容易であるが、温度範囲を広くすることで結果として、制振性の低下を引き起こすこととなる。本発明で使用するアクリル−スチレン重合体(A)としては、単独重合体で且つtanδピーク値が2.5以上であることが必要である。
実使用条件を鑑み使用する温度範囲をより広くするためには、本発明で使用するアクリル−スチレン重合体(A)のtanδピーク温度を変更し、それぞれ単独重合体と発泡剤(B)、無機充填剤(C)とから成る制振塗料を作製し、それにより得られる軽量化された制振材を積層することで対応することができる。
本発明の制振材塗料用に用いる重合体水性分散液は、粒子径が200〜300nmの重合体(A)粒子を必須の成分として使用し、該重合体(A)は主たる重合単位として(メタ)アクリル酸エステル単量体単位とスチレンを有するアクリル−スチレン系重合体であり、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体とスチレンを主体とした単量体成分を、水性媒体中で乳化重合して得られるアクリル−スチレン系重合体水性分散液が挙げられる。このような重合体粒子(A)と発泡剤(B)、無機質充填剤(C)とから成る制振材用塗料に制振性を付与することができる。
重合体(A)を製造する際に使用する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
また、重合体(A)には、前記(メタ)アクリレート単量体の他、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族環を有するビニル化合物を共重合することが可能であり、これらを共重合すると制振材としての制振性が向上するため好ましい。これらの中でも、特にスチレンを共重合して、重合体(A)をアクリル−スチレン重合体とすると、制振性が大幅に向上するため好ましい。
重合体(A)には、前記の単量体類の他、カルボキシル基を含有する単量体単位を重合体(A)中に含有すると、制振材用塗料の塗装作業性、即ち、制振材用塗料を連続的に長時間塗装した際に塗装ノズルが詰まる問題や、塗装した塗膜を加熱乾燥する際にズレ、タレ、フクレ、クラックが発生することを抑制できるため好ましい。
カルボキシル基を含有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルプロピオン酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)ヒドロキシエチルハイドロゲンフタレートおよびこれらの塩等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸を使用すると、制振材塗料を加熱乾燥する際のフクレやクラックが発生することを抑制する効果が大きいため好ましい。
また、その他のエチレン性不飽和単量体として、乳化重合時の安定性、エマルジョンの貯蔵安定性を向上させることを目的として、スルホン酸基および/またはサルフェート基(および/またはその塩)、リン酸基および/またはリン酸エステル基(および/またはその塩)を含有するエチレン性不飽和単量体を併用することができる。そのようなその他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等のビニルスルホン酸類またはその塩、アリルスルホン酸、2−メチルアリルスルホン酸等のアリル基含有スルホン酸類またはその塩、(メタ)アクリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸2−スルホプロピル等の(メタ)アクリレート基含有スルホン酸類またはその塩、(メタ)アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸等の(メタ)アクリルアミド基含有スルホン酸類またはその塩、リン酸基を有する「アデカリアソープPP−70、PPE−710」(旭電化工業(株)製)等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
重合体(A)粒子の粒子径は、200nm未満の場合、制振材用塗料を連続的に長時間塗装した際に塗装ノズルが詰まる問題や、制振材塗料の乾燥時にフクレやクラックが発生し易くなり、粒子径が300nmを越える場合は、ズレやタレが発生し易くなる。故に、重合体(A)粒子の粒子径は、200〜300nmの範囲であることが好ましい。本発明における粒子径とは、後述する実施例に記載した方法で測定したものである。
重合体(A)は、実用温度領域での制振性を発現するために、重合体(A)から形成される皮膜の固体動的粘弾性測定(DMA)におけるtanδのピーク温度が25〜55℃であることが好ましい。皮膜の固体動的粘弾性は、制振材としての制振性に大きく影響するため、重合体(A)の皮膜の固体動的粘弾性を上記範囲に調整し、且つtanδのピーク値は2.5以上であることが、高い制振性を発現し軽量化を実現するために好ましい。本発明における固体動的粘弾性測定(DMA)とは、後述する実施例に記載した方法で測定したものである。
重合体(A)粒子の製造方法は、モノマー総量の0.5〜5重量%のモノマーを用いて初期反応を行い、その後、残りのモノマーを連続的に滴下して乳化重合して得られるものが特に好ましい。重合体を水性媒体中で重合する乳化重合法を用いると、重合体(A)粒子の粒子径の調整が容易であり、生産性にも優れるため好ましい。重合体を水性媒体中で製造する方法としては、水、重合性単量体混合物、重合開始剤、(必要に応じて乳化剤及び分散安定剤を用いてもよい)を一括混合して重合する方法もあるが、tanδピーク値を高くするためには、前記の方法が好ましい。
重合体(A)を重合する際の重合温度は、使用する単量体の種類、重合開始剤の種類等によって異なるが、水性媒体中で重合する場合は通常30〜90℃の温度範囲で行うことが好ましい。
重合体(A)を重合する際の水性媒体としては、特に限定されるものではないが、水のみを使用してもよいし、或いは、水と水溶性溶剤の混合溶液を使用してもよい。ここで用いる水溶性溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
重合体(A)の重合の際に用いる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が用いられ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類、過酸化水素等があり、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合するか、或いは前記過酸化物と、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等のような還元剤とを併用したレドックス重合開始剤系によっても重合でき、また、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用することも可能であり、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
上記の重合体(A)の重合の際に用いる重合開始剤の内、有機過酸化物類としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
また、上記の重合体(A)の重合の際に用いる重合開始剤の内、還元性有機化合物としては、例えば、アスコルビン酸およびその塩、エリソルビン酸およびその塩、酒石酸およびその塩、クエン酸およびその塩、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩等が挙げられ、上記有機過酸化物類と併用して、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
本発明において、アクリル−スチレン重合体(A)で且つ得られた樹脂フィルムのトルエンゲル分率を調整する方法としては、例えば、後述する連鎖移動能を有する化合物を用い、その使用量を適宜調整すればよい。また、重合体(A)の分子量を調整する必要がある場合も、分子量調整剤として連鎖移動能を有する化合物を用いることが好ましい。連鎖移動能を有する化合物としては、例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリセリン等のメルカプタン類、またはα−メチルスチレン・ダイマー等を添加してもよい。
本発明では乳化重合時の乳化剤を使用することができる。使用する乳化剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤等が挙げられ、さらに具体的には、陰イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル及びその塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩等が挙げられ、非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレンジオール系界面活性剤等が挙げられ、陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアンモニウム塩等が挙げられ、両性イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル(アミド)ベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができるが、本発明では、後述する無機充填剤との混和性に優れる点から、陰イオン性界面活性剤及び/または非イオン性界面活性剤を使用することが好ましい。
また、上記の界面活性剤の他に、特殊界面活性剤として、フッ素系界面活性剤や、シリコーン系界面活性剤を使用することもできる。更に、一般的に「反応性乳化剤」と称される重合性不飽和基を分子内に有する乳化剤を使用することも出来る。本発明で使用出来る反応性乳化剤としては、例えば、スルホン酸基及びその塩を有する「ラテムルS−180」(花王(株)製)、「エレミノールJS−2、RS−30」(三洋化成工業(株)製)等;硫酸基及びその塩を有する「アクアロンKH−10、HS−10」(第一工業製薬(株)製)、「アデカリアソープSE−10、SE−20」(旭電化工業(株)製)等;リン酸基を有する「ニューフロンティアA−229E」(第一工業製薬(株)製)等;非イオン性親水基を有する「アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50」(第一工業製薬(株)製)等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
さらに、乳化剤の他、乳化剤以外の分散安定剤を使用することもでき、例えば、ポリビニルアルコール、繊維素エーテル、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性ポリアミド樹脂、水性ポリウレタン樹脂等の合成或いは天然の水溶性高分子物質が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
上記の重合体(A)にカルボキシル基を含有する場合は、該カルボキシル基が塩基性物質で中和されていてもよく、中和剤として使用する塩基性物質としては、通常のものが使用でき、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の水溶性有機アミン類等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
アクリル−スチレン重合体(A)は次に1例として示す具体的方法及びその通常の設計変更に従って製造することができる。すなわち、単量体、乳化剤、重合開始剤(例えば、過硫酸ナトリウム)等の混合物(単量体プレミックス)100重量部の中の1重量部を、予め60重量部の水の入った反応容器の中に一括して仕込み、所定温度(例えば、70〜80℃)で1時間攪拌してシード乳化重合のためのシード(種粒子)を合成する。反応温度を同温度に維持し攪拌しながら、反応系に残り99重量部の単量体プレミックスを5時間に亙って滴下し、その後2時間反応を続けてシード乳化重合反応を行う。反応終了後、反応物を冷却し、アルカリ物質(例えば、アンモニア)で中和して目的とする水性アクリル−スチレン系エマルションを得る。
上記反応で用いる乳化剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオン系重合乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系重合乳化剤等が挙げられる。これらの乳化剤は単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ノニオン系及びアニオン系の併用、及び陽イオン界面活性剤、両イオン界面活性剤等の使用も可能である。乳化剤の使用量は、乳化重合に供される重合性モノマーの全量100重量部に対して、0.3〜3重量部が好ましい。0.3重量部以上とすることで合成樹脂エマルションの安定性が良好となり、3重量部以下とすることで乾燥被膜の耐水性が良好となる。
また、乳化重合反応において使用する重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム(K)、過硫酸ナトリウム(Na)、過硫酸アンモニウム[(NH]、過酸化水素等の水性触媒;tert−ブチルハイドパ−オキサイド、クメンハイドロパ−オキサイド等の油性触媒が挙げられる。重合開始剤の使用量は、乳化重合に供される重合性単量体の100重量部に対して、0.1〜0.7重量部が好ましい。
また、乳化重合反応において分子量を調整するために、重合時に連鎖移動剤及び重合停止剤等の分子量調整剤または重合率調整剤を適宜使用することができる。更に冷却による反応中断により分子量のコントロールを行っても良い。かかる連鎖移動剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−トデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類、ターピノーレン、t−テルピネン、α−メチルスチレンダイマー、エチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンスルフィド、アミノフェニルスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
連鎖移動剤の使用量は、乳化重合に供される重合性単量体の全量100重量部に対して1.0重量部以下が好ましい。1.0重量部以下の場合、得られる重合体(樹脂フィルム)のトルエンゲル分率と架橋密度を適切な範囲に制御することができる。なお、重合体の適切なトルエンゲル分率は重合体の全重量の1.0重量%以下である。重合体のトルエンゲル分率が1.0重量%より高いと、均一な発泡が妨げられ「膨れ」が発生しやすくなる。重合体のゲル分率が上記の適切な範囲内にあるときは、「剥がれ」や「膨れ」のない均一に発泡した制振性塗膜が得られる。
また重合停止剤としては、例えばハイドロキノン(フェノール)類、アミン系硫黄類、硫酸ヒドロキシルアミン、アンモニア、苛性ソーダ、苛性カリ等が挙げられ、またその他重合停止効果のあるものが使用でき、更にこれらを複数併用しても良い。その使用量は重合禁止剤の種類及び単量体との反応性比により異なる。乳化重合反応においては、前記乳化剤、連鎖移動剤及び重合開始剤のほか、必要に応じて各種電解質、pH調製剤等を併用してもよい。
本発明に用いるアクリル−スチレン重合体(A)粒子は、水性アクリル−スチレンエマルション(a)の形態をとる。水性アクリル−スチレンエマルション(a)の好適な粒子径は200〜300nmである。粒子径がこの範囲内にあるときは、その水性アクリル−スチレンエマルション(a)を用いた制振性塗料は、優れた厚膜形成性を有すると共に、そのエマルション粒子は優れた機械的安定性を有し、スプレー塗装時にスプレーガンの目詰まりを起こさない。
前記水性アクリル−スチレンエマルション(a)は、未反応モノマーの臭気を低減する等のため、例えば、ストリッピング等の方法によって、必要とされる固形分含有量に濃縮されて使用することが好ましい。固形分含有量は、一般的に塗装性を考慮して適宜調整され、通常好ましくは30〜60重量%に調整される。
また、前記水性アクリル−スチレンエマルション(a)に、発泡剤(B)と更に無機系充填剤(C)とを配合することによって本発明の発泡性制振性塗料を製造することができる。かかる無機充填剤としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化チタン、セピオライト等が挙げられる。無機充填剤(C)の使用量は、重合体固形分100重量部に対して5〜250重量部が好ましく、10〜150重量部が特に好ましい。この範囲において優れた耐ブロッキング性及び皮膜形成性が得られる。
発泡剤としては種々の発泡剤を使用することができるが、フロン系液体がカプセル内に充填された発泡剤が好適である。発泡剤の使用量は、重合体固形分100重量部に対して1〜5重量部が好ましい。
また、本発明の発泡性制振性塗料には、その使用目的に応じて他の添加剤を加えることができる。他の添加剤としては、例えば、無機顔料、有機顔料等の着色剤、キレート剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、圧縮回復剤、消泡剤、殺菌剤、防腐剤、湿潤剤、エポキシ系を除く架橋剤、酸化亜鉛・硫黄・加硫促進剤等の加硫剤、タック防止剤、起泡剤、整泡剤、浸透剤、撥水・撥油剤・ブロッキング防止剤、難燃剤、充填剤、増粘剤等を挙げることができ、かかる添加剤の選択、添加量、添加順序等は、アクリルエマルションの製造条件、作業性、安定性、更に加工適性、塗布量等を考慮して、適宜に決定されれば良い。これらの添加剤を加える場合は、例えば、制振性塗料の用途に用いるエマルションについて、上記の添加剤を、それぞれ、エマルションの固形分100重量部に対し0.01〜5重量部加えることが好ましい。
本発明の発泡性制振性途料は自動車、鉄道車両、航空機、船舶等の室内や、冷蔵庫、洗濯機、掃除機等の家電製品などの広範な対象物の制振部位に塗装され、対象物の振動や振動音を抑制ないし防止し、生活環境や作業環境を静寂に保つことができる。本発明の発泡性制振性塗料を基材に塗装する方法は、特に限定されるものではなく、必要に応じた方法を適宜採ることができるが、エアレススプレー、スリットノズル押しだし等の方法が好ましい。塗料の乾燥条件は、特に限定されず、対象基材や塗装膜厚などを考慮して適宜設定すればよいが、例えば乾燥温度70〜150℃、乾燥時間20〜60分の乾燥条件とすることができる。本発明の発泡性制振性塗料を使用して形成された制振塗膜は、発泡後の塗膜の厚さが5〜8mm程度の厚膜となる場合でも、剥がれや膨れがなく均一に発泡した制振塗膜となるので、優れた制振性のみならず、平滑な表面をもつ美麗な外観を呈する。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、例中の部及び%はそれぞれすべて重量部及び重量%である。
(本発明で使用する水性アクリルエマルションの合成)
合成例1
攪拌装置を備えた容器に水20部、スチレン60部、2−エチルヘキシルアクリレート38部、メタクリル酸2部、ラウリルメルカプタン0.5部、乳化剤として「ニューコール707SF」[日本乳化剤(株)製ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩]2部及び「ネオゲンS−20F」[第一工業製薬(株)製、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム]1部を混合して単量体プレミックスを調製した。
攪拌装置を備えた重合容器に水43部、上記単量体プレミックス1部及び過硫酸ナトリウム0.1部を仕込み、80℃で1時間反応させた。次いで、反応容器中の反応液を80℃に保ち攪拌しながら、残りの単量体プレミックスを5時間に亙って連続的に滴下した。
滴下終了後、80℃で2時間反応を行い、アンモニアにてpHを8.0〜8.5に調整し、本発明で使用する水性アクリル−スチレンエマルション(a−1)を得た。
合成例2
攪拌装置を備えた容器に水20部、スチレン56部、2−エチルヘキシルアクリレート42部、メタクリル酸2部、ラウリルメルカプタン0.5部、乳化剤として「ニューコール707SF」[日本乳化剤(株)製ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩]2部及び「ネオゲンS−20F」[第一工業製薬(株)製、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム]1部を混合して単量体プレミックスを調製した。
攪拌装置を備えた重合容器に水43部と前記単量体プレミックス1部及び過硫酸ナトリウム0.1部を仕込み、80℃で1時間反応させた。次いで、反応容器中の反応液を80℃に保ち攪拌しながら、残りの単量体プレミックスを5時間に亙って連続的に滴下した。
滴下終了後、80℃で2時間反応を行い、アンモニアにてpHを8.0〜8.5に調整し、本発明で使用する水性アクリル−スチレンエマルション(a−2)を得た。
合成例3
攪拌装置を備えた容器に水20部、スチレン66部、2−エチルヘキシルアクリレート32部、メタクリル酸2部、ラウリルメルカプタン0.5部、乳化剤として「ニューコール707SF」[日本乳化剤(株)製ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩]2部、「ネオゲンS−20F」[第一工業製薬(株)製、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム]1部を混合して単量体プレミックスを調製した。
攪拌装置を備えた重合容器に水43部と上記単量体プレミックス1部及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、70℃で1時間反応した。次いで、反応容器中の反応液を70℃に保ち攪拌しながら、残りの単量体プレミックスを、5時間に亙って連続的に滴下した。滴下終了後、70℃で2時間反応を行い、アンモニアにてpHを8.0〜8.5に調整し、本発明で使用する水性アクリル−スチレンエマルション(a−3)を得た。
比較合成例−1
攪拌装置を備えた耐圧容器に水85部、スチレン60部、2−エチルヘキシルアクリレート38部、メタクリル酸2部、ラウリルメルカプタン0.5部、乳化剤として「ニューコール707SF」[日本乳化剤(株)製ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩]2部及び「ネオゲンS−20F」[第一工業製薬(株)製、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム]1部を混合し、70℃に保ち攪拌しながら、過硫酸アンモニウム0.3部を投入し、反応を開始し、70℃で4時間反応を行い、アンモニアにてpHを8.0〜8.5に調整し本発明で使用する水性アクリル−スチレンエマルション(e−1)を得た。
比較合成例−2
攪拌装置を備えた耐圧容器に水120部、スチレン40部、ブタジエン57部、アクリル酸3部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、乳化剤として「ニューコール707SF」[日本乳化剤(株)製ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩]2部及び「ネオゲンS−20F」[第一工業製薬(株)製、直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム]1部を混合し、70℃に保ち攪拌しながら、過硫酸アンモニウム0.3部を投入し、反応を開始し、70℃で7時間反応を行い、アンモニアにてpHを8.5〜9.0に調整し、本発明で使用する水性ブタジエン−スチレンエマルション(e−2)を得た。
(本発明の水性アクリル−スチレンエマルション(a)とそれを用いたフィルムの調製)
実施例1〜3
合成例1で得られた水性アクリル−スチレンエマルション(a−1)20部をガラス板上に流延し、室温で6時間、次いで120℃で20分間乾燥し、乾燥膜厚300μmのフィルムを得た。合成例2〜3により得られた水性アクリル−スチレンエマルションについても同様の方法によりフィルムを得た。
(比較例の水性アクリルエマルションとそれを用いたフィルムの調製)
比較例1
比較合成例1で得られた制振塗料用水性アクリル−スチレンエマルション(e−1)20部をガラス板上に流延し、室温で6時間、次いで120℃で20分間乾燥し、乾燥膜厚300μmのフィルムを得た。
比較例2
比較合成例2により得られた水性ブタジエン−スチレンエマルションについても同様の方法によりフィルムを得た。
(本発明及び比較例の水性アクリル−スチレンエマルションを用いたフィルムの動的粘弾性特性の測定と結果)
前記各実施例及び比較例で得られた各フィルムのtanδ(=E’’/E’)及びその温度をRHEOMETRICS社製の固体粘弾性測定装置「RSA−2」を用いて測定した。それらの測定結果の各値を表1に掲げる。なお、表中のtanδmax(℃)はtanδのピーク値が現れる温度であり、tanδmax値はtanδのピーク値である。
[トルエンゲル残存率の測定方法]
トルエンゲル残存率は重合体のトルエン不溶解分率として測定した。ガラス板上に乾燥後の膜厚が0.5mmとなるように試料を塗工し、40℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に140℃で5分間乾燥したものを50mm角に切り取り、試料とした。次に、予め試料のトルエン浸漬前の重量(G1)を測定しておき、トルエン溶液中に常温で24時間浸漬した後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残さの重量(G2)を測定し、以下の式に従ってトルエンゲル残存率を求めた。
トルエンゲル残存率(重量%)=〔(G2/G1)〕×100
Figure 2008133394
(本発明の制振性塗料、それを用いた発泡性制振性塗装鋼板及びそれらの損失係数)
表2に記載の配合組成に従って実施例及び比較例の各発泡性制振性塗料を調製した。各発泡性制振性塗料の不揮発分含有量はそれぞれ80%に調整した。各発泡性制振性塗料を発泡乾燥膜厚が4mmとなるように、1mm厚の電着塗装鋼板上に塗付し、次いで130℃で30分間乾燥して、発泡した制振性塗膜で被覆された電着塗装鋼板(面密度は6kg/m2)を得た。面密度6kg/mとは、1mに6kgの塗膜が塗装されていることを表す。得られた各塗膜について、GIS G 0602「制振鋼板の振動減衰試験方法」の半値幅法に準じて、30℃(282Hz)、40℃(224Hz)、及び50℃(207Hz)における損失係数を測定した。( )内の値は、損失係数を測定した時の振動数を表す。それらの測定結果の各値を表2に掲げる。
Figure 2008133394
表2中の配合処方量は不揮発固形分の重量部である。
分散剤: サンノプコ(株)製「ノプコスパース44−C」(ポリカルボン酸ナトリウム塩 有効成分含有量40重量%)
消泡剤: サンノプコ(株)製「ノプコ8034L」(ポリカルボン酸ナトリウム塩 有効成分含有量40重量%)
増粘剤:ポリアクリル酸系
フィラー:炭酸カルシウム
本発明の水性アクリル−スチレンエマルション及びそれを用いた発泡性制振塗料は、高い制振性を有するため、自動車、鉄道車両、航空機、船舶等の室内や、冷蔵庫、洗濯機、掃除機等の家電製品などに生じる振動や振動音を抑制及び防止することができ、高い制振性により、制振材料の軽量化を実施することができる。

Claims (4)

  1. ポリオキシアルキレンフェニルエーテルの硫酸アンモニウム塩存在下、乳化重合により得られる平均粒子径が200〜300nmで且つ、酸価が10〜20であるカルボキシル基含有アクリル−スチレン重合体(A)粒子のエマルジョンと発泡剤(B)、無機充填剤(C)を含有する発泡性制振性塗料であって、前記アクリル−スチレン重合体(A)のエマルジョンから得られた樹脂フイルムのトルエンゲル残存率が1重量%以下であり、tanδのピーク値が2.5以上で、且つ、tanδのピーク値が現れる温度範囲が25〜55℃であることを特徴とする発泡性制振性塗料。
  2. 前記発泡性制振性塗料の塗膜の30℃、40℃、50℃の損失係数の合計が0.4以上である、請求項1に記載の発泡性制振性塗料。
  3. 前記カルボキシル基含有アクリル−スチレン重合体(A)粒子が、モノマー総量の0.5〜2重量%により初期反応を行い、その後、残りのモノマーを連続的に滴下して乳化重合を行って得られるものである請求項1に記載の発泡性制振性塗料。
  4. 前記アクリル−スチレン重合体(A)粒子が、スチレン系単量体単位50〜70重量%と炭素原子数6〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体単位25〜45重量%とカルボキシル基含有ビニル系単量体単位1〜6重量%を有する請求項1に記載の発泡性制振性塗料。
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