JP7198146B2 - 塗料用水性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
なお、上述したように、耐汚染性向上を目的として、塗膜を硬質化する代わりに、塗膜表面を親水化することで汚れ(油分)を雨が洗い流す手法(セルフクリーニング)も検討されてきたが(例えば、図1~図3を参照。)、耐水白化性の課題があり、また、親水化剤の量にも限界があった。すなわち、親水化剤を多く入れすぎると、塗膜の耐水性が低下するため、耐汚染性を充分向上するためには塗膜を硬質化する手法を併用せざるを得なかった。
以上のように、耐汚染性向上技術と塗膜のクラック防止とを両立させる技術開発が望まれていた。
(塗料用水性樹脂組成物)
本発明の塗料用水性樹脂組成物は、ウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分を有するエマルション粒子、及び、重量平均分子量が1万~20万の水溶性ポリマーを含むことを特徴とする。
ウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分とを有するエマルション粒子、及び、特定の分子量を規定した水溶性ポリマーを含む水性樹脂組成物の構成は、(メタ)アクリルエマルションと水溶性樹脂とを必須として構成される従来の塗料用水性樹脂組成物と比べて、より優れた耐汚染性を発現する。理由は定かではないが、ウレタン系ポリマー成分とアクリル系ポリマー成分とを有するエマルション粒子から形成される塗膜とその表面に固着する前記水溶性ポリマーとの作用が、効果的にセルフクリーニングしているからと考えられる。
本発明の塗料用水性樹脂組成物に含まれる、ウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分を有するエマルション粒子とは、ウレタン系ポリマーとアクリル系ポリマーとが複合化してなるエマルション粒子であってもよく、ウレタン系ポリマーとアクリル系ポリマーとが単に混合されてなるエマルション粒子であってもよいが、ウレタン系ポリマーとアクリル系ポリマーとが複合化してなるエマルション粒子であることが好ましい。複合化の形態については、後述する。
すなわち、エマルション粒子が有するウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分は、それぞれ、複合化されてポリマーの一部(ポリマー鎖)となったものであってもよく、ポリマーそのものであってもよいが、複合化されてポリマー鎖となったものであることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとは、(メタ)アクリル酸のカルボン酸基と1価のアルコール又はフェノールとがエステル結合した構造を有するモノマーを言う。アルコールは、炭化水素基及び/又はアリール基を有する化合物(ただし、フェノールは除く)であってよい。該(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであってもよく、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルであってもよく、(メタ)アクリル酸アリールエステルであってもよい。言い換えれば、該(メタ)アクリル酸エステルの炭化水素部は、アルキル基であってもよく、シクロアルキル基であってもよく、アリール基であってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アリールエステルとしては、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、1種又は2種以上を使用できる。
紫外線吸収性基を有する不飽和モノマー類としては、例えば、2-〔2’-ヒドロキシ-5’-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(2-(メタ)アクロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。
紫外線安定性不飽和モノマー類としては、例えば、4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。
アクリル系ポリマー成分が、スチレン系不飽和モノマー類由来の構成単位を含有する場合、アクリル系ポリマー成分中、スチレン系不飽和モノマー類由来の構成単位の含有量は、1~30質量%であることが好ましく、3~25質量%がより好ましい。
アクリル系ポリマー成分が、多官能性不飽和モノマー類由来の構成単位を含有する場合、アクリル系ポリマー成分中、多官能性不飽和モノマー類由来の構成単位の含有量は、0.1~20質量%であることが好ましく、1~10質量%がより好ましい。
アクリル系ポリマー成分が、アミド基含有不飽和モノマー類由来の構成単位を含有する場合、アクリル系ポリマー成分中、アミド基含有不飽和モノマー類由来の構成単位の含有量は、0.1~20質量%であることが好ましく、1~10質量%がより好ましい。
アクリル系ポリマー成分が、アルキレングリコール鎖を有する不飽和モノマー類由来の構成単位を含有する場合、アクリル系ポリマー成分中、アルキレングリコール鎖を有する不飽和モノマー類由来の構成単位の含有量は、0.1~20質量%であることが好ましく、1~10質量%がより好ましい。
アクリル系ポリマー成分が、フッ素原子を有する不飽和モノマー類由来の構成単位を含有する場合、アクリル系ポリマー成分中、フッ素原子を有する不飽和モノマー類の含有量は、0.1~20質量%であることが好ましく、1~10質量%がより好ましい。
本明細書中、ガラス転移温度は、ポリマー又はポリマー鎖を構成する各モノマー成分のホモポリマーのガラス転移温度を用いて、下記Foxの式より計算される。
1/Tg=Σ(Wn/Tgn)/100
ここで、Wnはモノマーnの質量%、TgnはモノマーnからなるホモポリマーのTg(K:絶対温度)を示す。
なお、Tgは、上述したFox式による計算値であるが、実測値の場合にも、同様の範囲が好ましい。Tgの実測値は、例えば、Tgは水性樹脂組成物を示差熱走査熱量分析することによって得ることができる。
上記ウレタン系ポリマー成分は、中でも、耐候性の観点から、ポリカーボネート型ウレタン系ポリマー、ポリエステル型ウレタン系ポリマー、又は、これらウレタン系ポリマー由来のポリマー鎖が好ましく、耐汚染性及び耐候性の観点から、ポリカーボネート型ウレタン系ポリマー又はポリカーボネート型ウレタン系ポリマー由来のポリマー鎖がより好ましい。言い換えれば、上記ウレタン系ポリマー成分は、カーボネート結合を有するウレタン系ポリマー成分であることがより好ましい。
コア・シェル構造を有するエマルション粒子の製造方法は、特に制限されず、例えば、コア部となるエマルション粒子を用意し、コア部上にモノマー成分を滴下し、乳化重合してシェル部を形成させる方法、コア部となるポリマーと、(メタ)アクリル系モノマーとを含む成分を滴下重合する方法等が挙げられるが、コア部となるエマルション粒子を用意し、コア部上にモノマー成分を滴下し、乳化重合してシェル部を形成させる方法が好適である。例えば、上述したウレタン系ポリマーからなるエマルション粒子に対し、(メタ)アクリル系モノマーを必須成分として含むモノマー成分を滴下して乳化重合(シード重合)し、コア-シェル構造を得る方法が好ましい。このような方法により得られる粒子構造を有するものであると、本発明の効果がより顕著なものとなる。
上記平均粒子径は、動的光散乱法による粒度分布測定器(大塚電子株式会社FPAR-1000)を用いて測定されるものである。
本発明における重量平均分子量が1万~20万の水溶性ポリマーとしては、水溶性である限り特に限定されないが、例えば、ポリカルボン酸系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、セルロースやその誘導体、ゼラチン、N-ビニル環状ラクタム由来の構成単位を有するポリマー等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。上記水溶性ポリマーは、更に、後述する架橋構造を形成し得る官能基を有するモノマー(例えば、後述するカルボニル基含有モノマーやオキサゾリン基含有モノマー)由来の構成単位を含んでいてもよい。
なお、(メタ)アクリル酸、マレイン酸のエステルとしては、特に限定されないが、炭素数1~20のアルキルエステル等が好適なものとして挙げられる。
なお、上記質量比は、固形分による質量比を表す。
上記有機溶剤としては、水と混合することができるものである限り特に制限されず、例えば、メタノールのような低級アルコール等の親水性溶剤等を用いることができる。
上記エマルション粒子と上記水溶性ポリマーとが架橋構造を形成し得るものであると、水溶性ポリマーを塗膜表面に配向させ、かつ、塗膜と架橋形成した水溶性ポリマーが塗膜表面から容易に流出しないものとすることができるため、塗料用水性樹脂組成物から形成される塗膜が、長期にわたってその親水性によっても耐汚染性に優れたものとなる。また、塗膜形成時に架橋構造が形成されること等で得られる塗膜が適度に硬質化してもよく、耐汚染性に優れたものとなる。
これらの中でも、エポキシ基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、イソシアネート基、オキサゾリン基、ヒドラジノ基、カルボニル基が好ましい。より好ましくは、オキサゾリン基、カルボキシル基、ヒドラジノ基、カルボニル基である。
すなわち、架橋構造を形成し得る官能基は、オキサゾリン基、カルボキシル基、ヒドラジノ基、カルボニル基のいずれかであることが好ましい。
架橋構造がオキサゾリン基とカルボキシル基との組み合わせ、又は、ヒドラジノ基とカルボニル基の組み合わせで形成されると、塗料組成物から得られる塗膜の低温硬化性が向上し、塗膜の物性が更に優れたものとなる。
なお、上記架橋剤(C)は、上記エマルション粒子が有する官能基(α)と上記水溶性ポリマーが有する官能基(β)との間で反応して架橋構造を形成し得るものである限り、重量平均分子量が1万~20万の水溶性ポリマーに該当するものであってもよい。該架橋剤(C)は、本発明の塗料用水性樹脂組成物に含まれる水溶性ポリマーと同じものであってもよく、異なるものであってもよい。該架橋剤(C)は、水溶性ポリマーとして機能してもよい。
また上記架橋剤(C)がオキサゾリン系架橋剤である場合、後述するオキサゾリン基含有モノマーを適宜使用できる。
なお、上記質量比は、固形分による質量比を表す。
上記官能基(α)が、カルボキシル基である場合、エマルション粒子が含むポリマー成分(好ましくは、アクリル系ポリマー成分)の原料として、上述したカルボキシル基を有するモノマーを適宜使用できる。
本発明は、本発明の塗料用水性樹脂組成物を含む塗料(水性塗料)でもある。
本発明の塗料の固形分100質量%中、本発明の塗料用水性樹脂組成物に含まれる樹脂(エマルション粒子が含むポリマー成分及び水溶性ポリマーの合計)の固形分は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましく、15質量%以上であることが特に好ましい。また、上記樹脂の固形分は、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることが更に好ましい。
上記顔料は、有機顔料であってもよく、無機顔料であってもよい。上記有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、アゾ顔料、アゾメチン顔料、メチン顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イミノイソインドリン顔料、イミノイソインドリノン顔料、キナクリドンレッドやキナクリドンバイオレット等のキナクリドン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、アントラピリミジン顔料、カルバゾール顔料、モノアリーライドイエロー、ジアリーライドイエロー、ベンゾイミダゾロンイエロー、トリルオレンジ、ナフトールオレンジ、キノフタロン顔料等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。上記無機顔料は、例えば、無機着色剤、防錆顔料、充填材等の1種又は2種以上を使用することができる。該無機着色剤としては、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄等が挙げられる。該防錆顔料としては、リン酸金属塩、モリブデン酸金属塩、硼酸金属塩等が挙げられる。該充填材としては、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、タルク、硫酸バリウム、アルミナ、酸化鉄、ガラストーク、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、珪藻土、クレー等の無機質充填材;ガラスフレーク、マイカ等の鱗片状無機質充填材;金属酸化物ウィスカー、ガラス繊維等の繊維状無機質充填材等が挙げられる。
上記顔料の配合量としては、本発明の塗料中の樹脂の固形分100質量部に対し、10~900質量部とすることが好ましく、より好ましくは100~800質量部であり、更に好ましくは200~500質量部である。
上記その他の添加剤の配合量としては、本発明の塗料中の樹脂の固形分100質量部に対し、0~100質量部とすることが好ましく、0~30質量部とすることがより好ましい。
なお、上記顔料、及び、他の成分は、例えば、ディスパー、バタフライミキサー、プラネタリーミキサー、スパイラルミキサー、ニーダー、ディゾルバー等を用いて、本発明に係る界面活性剤成分や樹脂等と混合され得る。
上記水及び/又は有機溶剤としては、例えば、水;エチレングリコール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等の有機溶媒が挙げられる。水及び/又は有機溶剤の配合量としては、本発明の塗料の固形分濃度を調整するために適宜設定すればよい。
本発明は、ウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分を有するエマルション粒子、及び、重量平均分子量が1万~20万の水溶性ポリマーを含む塗料用水性樹脂組成物の製造方法であって、該製造方法は、ウレタン系ポリマーの水分散体の存在下でアクリル系モノマーを乳化重合してエマルション粒子を得る工程を含む塗料用水性樹脂組成物の製造方法でもある。
中でも、特に耐水性を重視する場合には、重合性基を有する乳化剤、いわゆる反応性乳化剤を使用するのが好ましい。
このような反応性乳化剤の例を以下に示す。
また、重合反応の反応温度は、特に限定されないが、0~200℃が好ましい。より好ましくは、50~150℃である。
反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧下、減圧下、加圧下のいずれで反応させてもよいが、常圧下又は減圧下で溶媒を沸騰させながら反応させると、効果的に除熱ができ、反応制御が容易となるので好ましい。
重合反応を行う雰囲気は、反応が進行する限り特に制限されるものではないが、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
<Tg>
各段で用いたモノマー組成から、上述したFoxの式を用いて算出した。なお、全ての段で用いたモノマー組成から算出したTgを「トータルTg」として記載した。
得られた塗料用水性樹脂組成物約1gを秤量し、熱風乾燥機にて110℃1時間乾燥させ、乾燥残量を、不揮発分として、乾燥前質量に対する比率を質量%で算出し表示した。
pHメーター(堀場製作所社製「F-23」)により25℃での値を測定した。
(製造例A1)
冷却管、窒素導入ライン、及び、温度計を設置した重合容器内に脱イオン水602部を仕込み、窒素ガスを導入することにより、重合容器内を窒素ガス雰囲気とした。室温下で重合容器内の内容物を攪拌しながら0.02%硫酸銅水溶液1.7部添加した。滴下ロートAに脱イオン水186.6部及びN-ビニルピロリドン1053部を添加し、プレミックスを調製した。滴下ロートBに脱イオン水74部及び35%過酸化水素水21.3部を添加した。滴下ロートCに脱イオン水69部及び25%アンモニア水溶液3.3部を添加した。滴下ロートA、滴下ロートB及び滴下ロートCの各内容物を3時間かけて均一に重合容器内に滴下し重合反応を行った。滴下終了後、重合容器の内温が重合熱によって上昇した後、60℃で3時間、重合容器内の内容物を撹拌し、ポリマー溶液A1を得た。
冷却管、窒素導入ライン及び温度計を設置した重合容器内に脱イオン水100部、900部の製造例A1で得られたポリマー溶液A1を重合容器内に添加し、窒素ガスを重合容器内に導入することにより、窒素ガス雰囲気とした。室温下で重合容器内の内容物を攪拌しながら85℃まで昇温し、温度が一定になったところでジアセトンアクリルアミド100部、アクリル酸10部、脱イオン水50部及び25%アンモニア水溶液4.7部を混合した水溶液を120分間かけて重合容器内に添加するとともに、過硫酸アンモニウム1.5部を脱イオン水48.5部に溶解させた水溶液を120分間かけて重合容器内に添加した。滴下終了後、脱イオン水200部を重合容器内に添加し、80℃で1時間攪拌することにより、反応を終了した。得られたポリマー溶液の不揮発含量は40.1%であり、ポリマー溶液に含まれているポリマーの重量平均分子量は30000であった。得られたポリマーを水溶性ポリマー(A)とした。
冷却管、窒素導入ライン及び温度計を設置した重合容器内に脱イオン水594部を仕込んだ。フラスコ内に窒素ガスを導入し、フラスコ内を窒素ガス雰囲気にした。
滴下ロートA内にN-ビニルピロリドン255部、ジアセトンアクリルアミド9部及びメチルメタクリレート26部を添加し、プレミックスを調製した。滴下ロートB内に脱イオン水129部及び2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩6.5部を添加した。
滴下ロートA及び滴下ロートBの各内容物をそれぞれ2時間かけて均一に重合容器内に滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、重合容器内の温度が重合熱によって上昇した後、80℃の温度で2時間撹拌した。
次に、滴下ロートA及び滴下ロートBをそれぞれ脱イオン水51部で洗浄し、得られた洗浄液を重合容器内に添加し、80℃の温度で1時間撹拌した。1時間後、脱イオン水に溶かした2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩10%水溶液2.6部を重合容器内に添加し、さらに80℃の温度で1時間撹拌することにより、水溶性ポリマー溶液を得た。得られた水溶性ポリマー溶液の不揮発分含量は25.0質量%であり、得られたポリマーの重量平均分子量は20000であった。得られたポリマーを水溶性ポリマー(B)とした。
滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコ内に脱イオン水100部を入れた。
一方、滴下ロート内で脱イオン水52部、乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR-10の25%水溶液〕10部、2-エチルへキシルアクリレート66部、メチルメタクリレート108部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート2部、ジアセトンアクリルアミド2部、及び、4-メタクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン2部からなる滴下用プレエマルションを調製した。
フラスコ内の脱イオン水にゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら昇温し80℃に到達させた。80℃に到達後、ウレタン樹脂としてポリカーボネート系のスーパーフレックス460S(第一工業製薬社製、ウレタン樹脂の水分散体であり不揮発分33質量%である)をフラスコ内に60部添加し、続けて5%過硫酸カリウム水溶液18部を添加した。その後、フラスコ内の温度を80℃に到達させてから、滴下用プレエマルションを2時間かけて滴下することでアクリルウレタン複合化エマルションを得た。
滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持し、25%アンモニア水をフラスコ内に添加し、pHを9に調整して重合を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、不揮発分の含有率が45質量%である樹脂エマルションを得た。
表1に、使用した各モノマーの量を、使用した全モノマー成分合計量100重量部に対する比率(質量部)で示した。得られた樹脂エマルションに、製造例A2で得た水溶性ポリマー(A)のポリマー溶液と、架橋剤であるアジピン酸ジヒドラジドとを配合固形比が100:4:1となるように配合し、塗料用水性樹脂組成物1を調製した。得られた塗料用水性樹脂組成物1について、下記試験方法に従って物性を評価した。評価結果を表1に示す。
下記表1に示されるように、ウレタン系ポリマー及びモノマー成分の種類及び量を変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、塗料用水性樹脂組成物2~12を調製した。得られた塗料用水性樹脂組成物2~12のそれぞれについて、下記試験方法に従って物性を評価した。結果を表1に示す。
滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコ内に脱イオン水100部を入れた。
一方、滴下ロート内で脱イオン水52部、乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR-10の25%水溶液〕10部、2-エチルへキシルアクリレート66部、メチルメタクリレート108部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート2部、ジアセトンアクリルアミド2部、及び、4-メタクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン2部、ウレタン樹脂としてポリカーボネート系のスーパーフレックス460S(第一工業製薬社製、ウレタン樹脂の水分散体であり不揮発分33質量%である)60部からなる滴下用プレエマルションを調製した。
フラスコ内の脱イオン水にゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら昇温し80℃に到達させた。80℃に到達後、5%過硫酸カリウム水溶液18部をフラスコ内に添加した。その後、フラスコ内の温度を80℃に到達させてから、滴下用プレエマルションを2時間かけて滴下することでアクリルウレタン複合化エマルションを得た。
滴下終了後、フラスコの内容物を80℃で60分間維持し、25%アンモニア水をフラスコ内に添加し、pHを9に調整して重合を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、不揮発分の含有率が45質量%である樹脂エマルションを得た。
下記表2に示されるようにウレタン系ポリマー及びモノマー成分の種類及び量を変更し、比較例1、4、7では架橋剤であるアジピン酸ジヒドラジドを配合しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行って、塗料用水性樹脂組成物14~18、20を調製した。得られた塗料用水性樹脂組成物14~18、20のそれぞれについて、下記試験方法に従って物性を評価した。結果を表2に示す。
下記表2に示されるようにウレタン系ポリマー及びモノマー成分の種類及び量を変更し、架橋剤であるアジピン酸ジヒドラジドを配合しなかった以外は、実施例13と同様の操作を行って、塗料用水性樹脂組成物19を調製した。得られた塗料用水性樹脂組成物19について、下記試験方法に従って物性を評価した。結果を表2に示す。
<モノマー成分>
2EHA:2-エチルヘキシルアクリレート(Tg:-70℃)
MMA:メチルメタクリレート(Tg:105℃)
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート(Tg:83℃)
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート(Tg:55℃)
DAAM:ジアセトンアクリルアミド(Tg:65℃)
HALS:4-メタクリロイルオキシ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン(Tg:130℃)
なお、上記モノマーの化合物名の後に括弧書きにて示したTgは、当該モノマーからなるホモポリマーのTg(℃)である。
<評価方法>
(A)クリヤー塗料配合
塗料用水性樹脂組成物1~20 100部に、成膜助剤として2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールイソブチレート〔JNC(株)製、品番:CS-12〕10部を添加し、ホモディスパーで回転速度1500rpmにて10分間撹拌した後、不揮発分量が37%となるように希釈水、消泡剤(SNデフォーマー777〔シリコン系消泡剤:ノプコ社製〕)を添加した。更に増粘剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH-420〕の5%水溶液を当該混合物に添加しその状態で30分間攪拌後、300メッシュ金網で濾過することにより、試料を調製した。
塗料用水性樹脂組成物1~20 100部に、成膜助剤として2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールイソブチレート〔JNC(株)製、品番:CS-12〕10部を添加し、ホモディスパーで回転速度1500rpmにて10分間撹拌した後、顔料ペーストの量が樹脂粒子と顔料ペーストの合計の14体積%となるように、白色顔料ペーストを添加した。さらに、不揮発分量が45質量%となるように適量の希釈水及び適量のシリコーン系消泡剤〔サンノプコ(株)製、商品名:SNデフォーマー777〕を当該混合物に添加した後、BH型粘度計〔東京計器(株)製〕で回転速度20rpmにおける25℃での粘度が4500mPa・sとなるように増粘剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH-420〕の5%水溶液を当該混合物に添加し、その状態で30分間攪拌後、300メッシュ金網で濾過することにより、試料を調製した。
なお、白色顔料ペーストは、脱イオン水210部、分散剤〔花王(株)製、商品名:デモールEP〕60部、分散剤〔第一工業製薬(株)製、商品名:ディスコートN-14〕50部、湿潤剤〔花王(株)製、商品名:エマルゲンLS-106〕10部、プロピレングリコール60部、酸化チタン〔石原産業(株)製、品番:CR-95〕1000部及びガラスビーズ(直径:1mm)200部をホモディスパーで回転速度3000rpmにて60分間分散させることによって調製した。酸化チタンを分散させた後に、60メッシュ金網で濾過しガラスビーズを除去後、白色顔料ペーストとして使用した。
離形紙を貼りつけたガラス板(縦:150mm、横:150mm、厚さ:2mm)の端に試験膜厚が0.3mmになるようにガムテープで枠をつけた試験用基板に上記で得られたクリヤー塗料を塗布し、室温で24時間、80℃で48時間乾燥させた後、形成された塗膜を基板から剥離させ、短冊状(縦:50mm、横:10mm)に切り抜き、-10℃に調温した恒温槽内で2時間入れた後、引っ張り試験機〔(株)島津製作所製、商品名:オートグラフAGS-100D〕を用いて引っ張り速度50mm/minの条件で引っ張り試験を行い、被膜の伸張率(低温伸び率)を評価した。
◎:5%以上
〇:3%以上、5%未満
×:3%未満
被膜の伸張率(低温伸び率)が3%以上であれば、良好である。
アルミ板〔日本テストパネル(株)製、縦:400mm、横:100mm、厚さ:1mm〕に上記白色塗料(上記エナメル塗料)を10mi1アプリケーターで塗布し、23℃で1週間乾燥させた。試験板を縦方向に半分のところ(200mm)で南面30度の傾斜がつくように折り曲げた。試験板の斜面の部位に関して初期E値(E0)を色差計〔日本電色工業(株)製、品番:ZE-6000〕で測定し、JIS Z2381(大気暴露試験方法通則)に準じ、以下の条件にて屋外暴露試験を行った。2ヵ月後に試験板を引き上げ、上記色差計で試験板の斜面の部位に関してE値(E1)を測定した。
次に、E値の変化値を式:ΔE=(E1)-(E0)に基づいて求め、耐汚染性を評価した。
-試験条件-
南面30度、直接暴露(暴露地:大阪府吹田市/(株)日本触媒敷地内)
◎:2.7以下
〇:2.7を超え、2.9以下
×:2.9を超える
ΔEが2.9以下であれば、良好である。
イオン交換水95部にガラスビーズ(直径:1mm)5部を加え、ホモディスパーで回転速度500rpmにて撹拌しながらカーボンブラック〔三菱ケミカル(株)製、商品名:MA-100〕を5部添加した。添加後、回転速度を2500rpmにて30分間分散させた。分散後、60メッシュ金網で濾過しガラスビーズを除去後、カーボン分散液として使用した。
白アクリル板〔日本テストパネル(株))製、縦:150mm、横:70mm、厚さ:2mm〕に上記クリヤー塗料を8milアプリケーターで塗布し、23℃で24時間乾燥させた。乾燥後、試験板に関して初期E値(E0)を色差計〔日本電色工業(株)製、品番:ZE-6000〕で測定し、上記カーボン分散液を20milアプリケーターで塗布し、24時間乾燥させた。乾燥後、カーボンブラックを流水と刷毛〔豚毛、毛丈40mm〕を使用して洗い流し、上記色差計で試験板に関してE値(E1)を測定した。
次に、E値の変化値を式:ΔE=(E1)-(E0)に基づいて求め、耐汚染性を評価した。
◎:36以下
〇:36を超え、39以下
×:39を超える
ΔEが39以下であれば、良好である。
スレート板〔日本テストパネル(株)製、縦:150mm、横:150mm、厚さ:6mm〕に、溶剤系シーラー〔エスケー化研(株)製、商品名:EXシーラー)を150g/m2になるようにエアスプレーにて塗装し、23℃にて24時間乾燥させた後、上記のエナメル塗料を10milアプリケーターにて塗装し、23℃で1週間養生した。養生後の試験板の側面、背面をアルミテープでシールし、試料が塗布された面の60°鏡面光沢を光沢計〔日本電色工業(株)製、品番:VG2000〕で測定し、さらに以下の条件にて200時間耐候性試験を行ない、前記光沢計で当該スレート板の塗装面の光沢を測定し、式:
[光沢保持率(%)]=〔[耐候性試験後の光沢]÷[耐候性試験前の光沢]〕×100
に基づいて求め、以下の評価基準に基づいて耐候性を評価した。
-試験条件-
試験機:メタルウェザー〔KU-R4型:ダイプラ・ウィンテス(株)製)
照射:気温65℃で相対湿度50%の雰囲気中で4時間照射(照射強度:80mW/cm2)
湿潤:気温35℃で相対湿度98%の雰囲気中で4時間
シャワー:湿潤前後に各30秒
◎:90%以上
〇:80%以上、90%未満
△:70%以上、80%未満
×:70%未満
光沢保持率が80%以上であれば、良好である。
Claims (16)
- 塗料用水性樹脂組成物であって、
該組成物は、ウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分を有するエマルション粒子、及び、重量平均分子量が1万~20万の水溶性ポリマーを含み、
該エマルション粒子は、官能基(α)を有し、
該水溶性ポリマーは、官能基(β)を有し、
該組成物は、該官能基(α)と該官能基(β)との間で反応して架橋構造を形成し得る架橋剤(C)を含み、
該官能基(α)及び官能基(β)は、それぞれ、カルボニル基であり、該架橋剤(C)は、ヒドラジン系架橋剤であるか、又は、
該官能基(α)及び官能基(β)は、それぞれ、カルボキシル基であり、該架橋剤(C)は、オキサゾリン系架橋剤である
ことを特徴とする塗料用水性樹脂組成物。 - 塗料用水性樹脂組成物であって、
該組成物は、ウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分を有するエマルション粒子、及び、重量平均分子量が1万~20万である、N-ビニル環状ラクタム由来の構成単位を有する水溶性ポリマーを含む
ことを特徴とする塗料用水性樹脂組成物。 - 塗料用水性樹脂組成物であって、
該組成物は、ウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分を有するエマルション粒子、及び、重量平均分子量が1万~20万の水溶性ポリマーを含み、
該エマルション粒子は、官能基(α)を有し、
該水溶性ポリマーは、官能基(β)を有し、
該組成物は、該官能基(α)と該官能基(β)との間で反応して架橋構造を形成し得る架橋剤(C)を含み、
該官能基(α)及び該官能基(β)は、同一又は異なって、オキサゾリン基、カルボキシル基、ヒドラジノ基、又は、カルボニル基であり、
ことを特徴とする塗料用水性樹脂組成物。 - 前記組成物は、エマルション粒子と前記水溶性ポリマーとが架橋構造を形成し得るものである
ことを特徴とする請求項2に記載の塗料用水性樹脂組成物。 - 前記エマルション粒子は、官能基(α)を有し、
前記水溶性ポリマーは、官能基(β)を有し、
前記組成物は、該官能基(α)と該官能基(β)との間で反応して架橋構造を形成し得る架橋剤(C)を含む
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の塗料用水性樹脂組成物。 - 前記官能基(α)及び官能基(β)は、それぞれ、カルボニル基であり、前記架橋剤(C)は、ヒドラジン系架橋剤であるか、又は、
前記官能基(α)及び官能基(β)は、それぞれ、カルボキシル基であり、前記架橋剤(C)は、オキサゾリン系架橋剤である
ことを特徴とする請求項5に記載の塗料用水性樹脂組成物。 - 前記エマルション粒子は、官能基(α)を有し、
前記水溶性ポリマーは、該官能基(α)と反応して架橋構造を形成し得る官能基(β)を有する
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の塗料用水性樹脂組成物。 - 前記官能基(α)は、カルボキシル基であり、
前記官能基(β)は、オキサゾリン基である
ことを特徴とする請求項7に記載の塗料用水性樹脂組成物。 - 前記ウレタン系ポリマー成分と前記アクリル系ポリマー成分との質量割合は、1:90~50:50の範囲内である
ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の塗料用水性樹脂組成物。 - 前記水溶性ポリマーは、N-ビニル環状ラクタム由来の構成単位を50質量%以上有する
ことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の塗料用水性樹脂組成物。 - 前記ウレタン系ポリマー成分は、カーボネート結合を有するウレタン系ポリマー成分である
ことを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の塗料用水性樹脂組成物。 - 請求項1~11のいずれかに記載の塗料用水性樹脂組成物を含む
ことを特徴とする塗料。 - ウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分を有するエマルション粒子、及び、重量平均分子量が1万~20万の水溶性ポリマーを含む塗料用水性樹脂組成物の製造方法であって、
該製造方法は、ウレタン系ポリマーの水分散体の存在下でアクリル系モノマーを乳化重合してエマルション粒子を得る工程を含み、
該エマルション粒子は、官能基(α)を有し、
該水溶性ポリマーは、官能基(β)を有し、
該組成物は、該官能基(α)と該官能基(β)との間で反応して架橋構造を形成し得る架橋剤(C)を含み、
該官能基(α)及び官能基(β)は、それぞれ、カルボニル基であり、該架橋剤(C)は、ヒドラジン系架橋剤であるか、又は、
該官能基(α)及び官能基(β)は、それぞれ、カルボキシル基であり、該架橋剤(C)は、オキサゾリン系架橋剤である
ことを特徴とする塗料用水性樹脂組成物の製造方法。 - ウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分を有するエマルション粒子、及び、重量平均分子量が1万~20万である、N-ビニル環状ラクタム由来の構成単位を有する水溶性ポリマーを含む塗料用水性樹脂組成物の製造方法であって、
該製造方法は、ウレタン系ポリマーの水分散体の存在下でアクリル系モノマーを乳化重合してエマルション粒子を得る工程を含む
ことを特徴とする塗料用水性樹脂組成物の製造方法。 - 前記水溶性ポリマーは、N-ビニル環状ラクタム由来の構成単位を50質量%以上有する
ことを特徴とする請求項14に記載の塗料用水性樹脂組成物の製造方法。 - ウレタン系ポリマー成分及びアクリル系ポリマー成分を有するエマルション粒子、及び、重量平均分子量が1万~20万の水溶性ポリマーを含む塗料用水性樹脂組成物の製造方法であって、
該製造方法は、ウレタン系ポリマーの水分散体の存在下でアクリル系モノマーを乳化重合してエマルション粒子を得る工程を含み、
該エマルション粒子は、官能基(α)を有し、
該水溶性ポリマーは、官能基(β)を有し、
該組成物は、該官能基(α)と該官能基(β)との間で反応して架橋構造を形成し得る架橋剤(C)を含み、
該官能基(α)及び該官能基(β)は、同一又は異なって、オキサゾリン基、カルボキシル基、ヒドラジノ基、又は、カルボニル基である
ことを特徴とする塗料用水性樹脂組成物の製造方法。
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