JP2009112288A - 冷蔵食品及びその製造方法 - Google Patents

冷蔵食品及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009112288A
JP2009112288A JP2007292469A JP2007292469A JP2009112288A JP 2009112288 A JP2009112288 A JP 2009112288A JP 2007292469 A JP2007292469 A JP 2007292469A JP 2007292469 A JP2007292469 A JP 2007292469A JP 2009112288 A JP2009112288 A JP 2009112288A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vermicelli
aqueous solution
mass
water
alkaline aqueous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007292469A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4871842B2 (ja
Inventor
Hiroshi Okawa
博史 大川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OHKAWA Ltd
Original Assignee
OHKAWA Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OHKAWA Ltd filed Critical OHKAWA Ltd
Priority to JP2007292469A priority Critical patent/JP4871842B2/ja
Publication of JP2009112288A publication Critical patent/JP2009112288A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4871842B2 publication Critical patent/JP4871842B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Noodles (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)

Abstract

【課題】湯戻しを行わずに手軽に食することができ、かつ、柔軟で良好な食感を維持した状態での冷蔵長期保存を可能とした春雨あるいは葛切りの冷蔵食品及びその製造方法を提供する
【解決手段】春雨あるいは葛切りが、pH11.0以上pH13.0以下のアルカリ性水溶液からなる充填水と共に容器または袋に充填されており、前記春雨あるいは葛切りに前記アルカリ性水溶液が浸透され、含水率が80質量%以上95質量%以下とされた冷蔵食品とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷蔵食品及びその製造方法に関し、詳しくは、湯戻しなしで食することのできる冷蔵春雨及び冷蔵葛切りに関し、良好な食感を維持したままで長期保存を可能とするものである。
春雨や葛切りは、乾燥春雨、乾燥葛切りのような乾燥食品の形態として製造・販売されているほか、該乾燥食品を湯戻しした、いわゆる生春雨あるいは生葛切りの状態で容器あるいは袋に充填した冷蔵(チルド)食品の形態でも広く製造・販売されている。これら生春雨や生葛切りは、原料の澱粉中の菌やカビにより腐敗が進行しやすく、保存性に欠けるため、通常、保存性向上効果を有する充填水に充填されている。
例えば、特公昭63−58550号公報(特許文献1)では、湯戻しした乾燥葛切りを0.5〜3.0g/lのミョウバン水を満たした袋内に入れて密閉する生葛切りの保存方法が提案されている。
また、特開2001−299251号公報(特許文献2)では、乾燥葛切りを湯中に浸漬して膨潤させ、水洗、冷却した後、酸性物質を添加した充填水とともに袋に入れて密封し、加熱殺菌する葛切りの製造方法が提案されている。
特公昭63−58550号公報 特開2001−299251号公報
特許文献1のようなミョウバン水は春雨や葛切りの充填水として一般的に広く用いられている。しかし、低濃度であると保存性に欠ける一方、特許文献1のように1ヶ月以上の長期保存を可能にしようとするとミョウバン濃度を高める必要があり、春雨や葛切りにミョウバンの苦味が残るおそれがあると共に春雨や葛切りの麺線が硬くなり食感が悪くなる問題がある。
また、特許文献2のように加熱殺菌を行うことにより保存性は向上するが、特許文献1と同様に酸性の充填水では春雨や葛切りの麺線が締まって硬くなり、食感が悪くなる問題が依然として残存する。
そのため、従来の冷蔵用の生春雨や生葛切りは完全に湯戻しを行っていない状態、所謂、半戻しの状態で充填水に充填して販売されているケースも多い。しかし、この場合、湯戻しを行わなければ食することができないため、手軽に食することができるものではなかった。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、湯戻しを行わずに手軽に食することができ、かつ、柔軟で良好な食感を維持した状態での冷蔵長期保存を可能とした春雨あるいは葛切りの冷蔵食品及びその製造方法を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、第1の発明として、
春雨あるいは葛切りが、pH11.0以上pH13.0以下のアルカリ性水溶液からなる充填水と共に容器または袋に充填されており、
前記春雨あるいは葛切りに前記アルカリ性水溶液が浸透され、含水率が80質量%以上95質量%以下とされていることを特徴とする冷蔵食品を提供している。
本発明者らが前記課題について鋭意研究した結果、従来、酸性の水溶液により保存性が向上できるとされてきた湯戻し後の春雨あるいは葛切り(所謂、生春雨あるいは生葛切り)の充填水をpH11.0以上13.0以下のアルカリ性水溶液とすることで、湯戻し後の春雨や葛切りの保存性を向上させながら、良好な食感が得られることを知見した。
即ち、前記pH範囲のアルカリ性水溶液からなる充填水を春雨や葛切りの麺線内部に浸透させることで、春雨や葛切りの麺線の含水率を向上させることができ、冷蔵保存しても柔かく、口当たりのよい食感を維持することができる。その結果、本発明の冷蔵食品は充填水の水切りを行うだけで、従来多く販売されている冷蔵用の生春雨や生葛切りのように湯戻しを行わなくても手軽に食することができる。
前記充填水のpH値の下限を11.0としているのは、充填水のpH値が11.0未満では春雨や葛切りに含まれる澱粉がβ化して硬くなり、10℃以下の冷蔵(チルド)環境下で冷却して長期保存すると春雨や葛切りの麺線が硬くなるため好ましくないからである。具体的には、湯戻しした春雨や葛切りをpH値が8.5未満の酸性〜中性水溶液からなる充填水に浸漬して冷蔵保存を行なうと、春雨や葛切りに含まれる澱粉がβ化して1〜2日で硬くなる。またpH8.5以上11.0未満のアルカリ性の充填水としても、幾分澱粉のβ化を抑制できるものの硬くなり、効果が不十分である。
一方、充填水のpH値の上限を13.0としているのは、pH13.0を超える充填水の調製には強アルカリ剤を使用する必要があり、充填水に浸漬された春雨や葛切りを洗浄してもアルカリ剤が残存するおそれがあるため食品に用いるには好ましくないからである。
特に春雨や葛切りに丁度良い食感を与え、かつ保存性も良いことから、前記充填水のpH値は11.5以上12.8以下とするのが好ましく、さらに12.3以上12.8以下とするのが好ましい。
本発明の冷蔵食品は、前記春雨あるいは葛切りには前記アルカリ性水溶液が浸透され、含水率が80質量%以上95質量%以下とされている。このような高含水率の「生澱粉食品」に対し、前記pH値を有する充填水は効果的に作用し、澱粉の老化を防止して保存中に生じる麺線の硬化を効果的に防止することができる。
具体的には、含水率を前記範囲としているのは、含水率が80質量%未満であると春雨あるいは葛切りが硬くなり、柔らかな食感が得られず、95質量%を超えると逆に柔らかくなり過ぎ、歯ごたえのない食感になるからである。
含水率の上限は好ましくは94質量%、さらに好ましくは92質量%である。一方、下限は好ましくは85質量%、特に好ましくは88質量%である。
なお、含水率は、後述の実施例に記載した方法で測定している。
前記アルカリ性水溶液は、酸化カルシウム(生石灰)、水酸化カルシウム(消石灰)、貝カルシウム、貝殻焼成カルシウム、ソーダ灰、木灰等を水に溶解して調製することができる。なかでも酸化カルシウム及び/または水酸化カルシウムを水に溶解して調製したものであることが好ましい。
特に、酸化カルシウム及び/または水酸化カルシウムを水に飽和溶解した飽和酸化カルシウム水溶液あるいは飽和水酸化カルシウム水溶液を用いることが好ましい。
前記飽和酸化カルシウム水溶液、飽和水酸化カルシウム水溶液は、酸化カルシウムあるいは水酸化カルシウムを水100質量部に対して1質量部程度添加し、攪拌後、静置して、上澄み液を採取することにより得られる。このようにして調製した飽和酸化カルシウム水溶液のpHは約12.5〜12.9となる。
前記冷蔵食品において、充填水は含水した春雨あるいは葛切り100質量部に対して、200〜400質量部の割合で容器または袋に充填されていることが好ましい。
これは、充填水の液量が200質量部未満であると、十分に充填水に春雨あるいは葛切りが浸漬されず、硬くなり、保存性にも劣るおそれがあるからである。
一方、充填水の液量の上限値は特に制限されないが、含水した春雨あるいは葛切り100質量部に対して、400質量部以下の割合とするのが好ましい。これは400質量部を超えると春雨や葛切りに対する充填水が過剰量となり、余剰な充填水を充填することになり、コスト上好ましくないからである。
第2の発明として、第1の発明の冷蔵春雨、冷蔵葛切りからなる冷蔵食品の製造方法を提供している。該製造方法は、
乾燥状態の春雨あるいは葛切りをpH6.5〜pH9.0の温湯で湯戻して、前記乾燥状態の3.0倍〜5.0倍の質量となる半戻し状態にし、
ついで、前記半戻し状態の春雨あるいは葛切りをpH11.0〜pH13.0のアルカリ性水溶液と共に容器または袋に充填し、該容器または袋中において春雨あるいは葛切りに前記アルカリ性水溶液を浸透させ、前記湯戻し前の乾燥状態の9.5倍〜12.5倍の質量となる全戻し状態にしていることを特徴とする。
本製造方法では、乾燥春雨あるいは乾燥葛切りを中性の温湯で半戻し状態にした後に、該半戻し状態の春雨あるいは葛切りに対してアルカリ性水溶液を浸透させている。乾燥春雨あるいは乾燥葛切りをこのような手順で、かつ、前記倍率で膨潤させ、戻すことで、春雨や葛切りに程良い硬さ及び食感を付与することができる。さらに、春雨や葛切りにアルカリ性水溶液を浸透させることができるので、保存性を高め、かつ、冷蔵保存中に硬くなるのを防止することができる。
前記本発明の冷蔵食品の製造方法は、詳細には、
はじめに、乾燥状態の春雨あるいは葛切りの3.0倍〜5.0倍の質量とした半戻し状態としている。これは、戻し率を3.0倍未満とすると麺線の膨潤が不十分で、後にアルカリ性水溶液に浸漬させても十分に麺線が膨潤しないおそれがあり、5.0倍を超えると後にアルカリ性水溶液を充填しても最終的に目標とする充填水のpH値まで達しないおそれがあるからである。
さらに好ましい戻し率は3.5倍〜4.5倍である。
ついで、半戻し状態の春雨あるいは葛切りの麺線にアルカリ性水溶液を浸透させ、乾燥状態の9.5倍〜12.5倍の質量となる全戻し状態としている。前記範囲の戻し率とすることで、柔軟な食感を有しながら、歯ごたえも残した含水率に春雨あるいは葛切りを調製することができる。
全戻し状態の春雨あるいは葛切りは、半戻し状態からは2〜3倍の質量とされていることが好ましい。
前記春雨あるいは葛切りへのアルカリ水溶液の浸透は、ボイル殺菌処理で行っていることが好ましい。このようにボイル殺菌処理を行うことで、菌を死滅させる殺菌処理と、アルカリ水溶液を春雨や葛切りに浸透させる処理を同時に行うことができ、保存性をさらに向上させ、製造コストも抑えることができる。
半戻し状態の春雨あるいは葛切りを充填する袋あるいは容器の形状、材質等は特に問わないが、ボイル殺菌に耐えうる耐熱性を有する材質であることが好ましい。
本発明の冷蔵食品の原料となる乾燥状態の春雨あるいは葛切りとしては、公知の製造方法で得られる乾燥春雨、乾燥葛切りを広く用いることができる。
また、前記乾燥春雨あるいは乾燥葛切りに使用される原料澱粉の種類は特に制限されず、1種または複数種の澱粉を組合わせて用いることができる。
例えば、乾燥春雨の原料澱粉としては、緑豆澱粉、えんどう豆澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、葛粉澱粉、小麦澱粉及びタピオカ澱粉等が挙げられ、なかでも緑豆澱粉、えんどう豆澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉を組合わせていることが好ましい。乾燥葛切りの原料澱粉としても、前記乾燥春雨の原料澱粉と同様のものを用いることができるが、特に、葛粉澱粉100%のもの、葛粉澱粉と馬鈴薯澱粉とを組合わせたもの、あるいは馬鈴薯澱粉100%のものとされていることが好ましい。
本発明の冷蔵食品は、春雨あるいは葛切りの麺線表面の充填水を水切りし、軽く水洗いするだけで手軽に食することができるため、カップ容器と共に笊等を備えた販売形態とされていることが好ましい。
また、本発明の冷蔵食品には、春雨あるいは葛切りに浸透したアルカリ性水溶液を中和するため、食酢等を含む酸性のたれ等が添付されて販売されることが好ましい。しかし、葛切りはシロップ等が添付された冷生菓子の形態とされていてもよい。
本発明の第1の発明の冷蔵食品は、pH11.0以上pH13.0以下のアルカリ性水溶液からなる充填水と共に容器または袋に充填されているので、保存性を向上させ、春雨あるいは葛切りが冷蔵保存中に硬くならず、良好な食感を長期に渡り維持することができる。また、アルカリ性水溶液が浸透した春雨あるいは葛切りは、含水率を高くすることができ、柔軟で、口触りがよい食感を得ることができる。
さらに、第2の発明の製造方法にように、中性の温湯で乾燥春雨あるいは乾燥葛切りを戻した後、アルカリ性水溶液で戻して、かつ、戻し率を制御することにより、柔軟で食感の良い春雨あるいは葛切りを容易に製造することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、冷蔵用の冷製生春雨10を示し、該冷製生春雨10は、充填水11と共に湯戻し後の春雨12が包装材13内に充填されている。
前記冷製生春雨10は、乾燥状態の春雨をpH6.5〜pH9.0の温湯で湯戻して、前記乾燥状態の3.0倍〜5.0倍の質量となる半戻し状態にし、
ついで、前記半戻し状態の春雨をpH11.0〜pH13.0のアルカリ性水溶液と共に容器または袋に充填し、該容器または袋中において春雨に前記アルカリ性水溶液を浸透させ、前記湯戻し前の乾燥状態の9.5倍〜12.5倍の質量となる全戻し状態にしている。
前記のように、まず、乾燥状態の春雨の3.0倍〜5.0倍(好ましくは3.5倍〜4.5倍)の質量とした半戻し状態としている。
乾燥春雨は濃度50〜55質量%の澱粉液のスラリーをつくり、該スラリーを細孔から熱湯中に押し出し、糊化した麺線を冷却、ついで−7〜−10℃の冷凍室で24時間冷凍して熟成させ、冷水で戻してから乾燥して作製したものを用いている。
前記熟成は、麺線内の糊化した澱粉分子を老化、再配列させ、調理時の煮崩れが少なくするとともに付着性を低下させ、硬さや脆さなどのテクスチャーを付与するために行われるものであり、中国産はるさめのように天日干しで行われていてもよい。このようにして得られた乾燥春雨の水分率は、およそ12〜16質量%である(五訂 日本食品標準分析表によれば、緑豆春雨の水分率が14.6%、普通春雨の水分率が15.0%である)。
前記乾燥春雨を、pH6.5〜pH9.0(好ましくはpH7.0〜pH8.5)の温湯で湯戻して、半戻し状態としている。
ついで、半戻し状態の春雨の麺線を、袋または容器内にアルカリ性水溶液からなる充填水と共に封入し、アルカリ性水溶液を半戻し状態の春雨に浸透させ、乾燥状態の9.5倍〜12.5倍の質量となる全戻し状態としている。該全戻し状態の春雨は半戻し状態からは2〜3倍の質量としている。
前記春雨へのアルカリ水溶液の浸透は、ボイル殺菌処理で行っている。
半戻し状態の春雨を充填する袋あるいは容器はボイル殺菌に耐えうる耐熱性を有する材質からなるものとしている。
前記アルカリ性水溶液からなる充填水11は、pH値が12.0以上13.0以下としている。
具体的には、前記充填水として飽和石灰水(すなわち、飽和酸化カルシウム水溶液あるいは飽和水酸化カルシウム水溶液)を用いており、該飽和石灰水は、水100質量部に対して1質量部の酸化カルシウムあるいは水酸化カルシウムを添加・攪拌し、好ましくは1晩以上静置して不溶な水酸化カルシウム、炭酸カルシウムを沈殿させたのち、上澄み液を採取することにより調製している。
このようにして調製した飽和石灰水のpH値は12.5〜12.9となる。
次に、図2を参照して、充填水11を充填した冷製生春雨10の具体的な製造方法の一例を述べる。
公知の方法により製造された乾燥春雨10kgを50℃の温湯100L(pH 約7.5)で15分間湯戻しして半戻し状態とし、中性の水で水洗いする。
乾燥春雨としては、馬鈴薯澱粉、えんどう豆澱粉、緑豆澱粉からなる普通春雨(Uはるさめ)を用いている。
この半戻しにより、乾燥春雨は含水・膨潤し、乾燥春雨の3.0〜5.0倍の質量となる(含水率65〜80%)。
ついで、半戻し状態の春雨を1製品の質量分ずつ計量し、前述の方法で調製した充填水と共にポリエチレン等のプラスチック製の袋に充填包装している。
この際、半戻し状態の春雨100質量部に対して、充填水は200〜400質量部(約300質量部)の割合となるように充填している。
ついで、半戻し状態の春雨を充填した袋を80℃の湯に浸漬し、20分間ボイル殺菌処理を行っている。この際、半戻し状態の春雨の麺線内部にアルカリ性の充填水が浸透し、春雨は全戻し状態となる。
このように春雨を半戻し状態でアルカリ性水溶液に充填し、ボイル殺菌を行うことで、加熱殺菌と春雨の追い戻しを兼ねることができ、製造コストを抑えることができる。
ついで、ボイル殺菌後の袋を湯から引き上げ、水冷(25℃以下)後、10℃以下の冷蔵庫内で冷蔵保管して本実施形態の冷製生春雨10を得ている。
冷製生春雨10において、春雨12は充填水であるアルカリ性水溶液が含浸されて乾燥春雨の9.5倍〜12.5倍の質量に膨潤しており、柔かく、コシのある食感を有する。
このときの春雨12の麺線の含水率は85質量%以上95質量%以下となり、冷却後の充填水のpH値は11.5以上12.5以下となっている。
前記実施形態の冷製生春雨10は、例えば、図3に示すようなカップ入り冷製生春雨30のような製品形態とすることができる。
カップ入り冷製生春雨30は、笊22及び食酢を含有する添付たれ23と共に蓋21の付いたカップ容器20内に納められている。
冷製生春雨10は、前述したように、春雨12が80質量%以上95%以下の含水率で湯戻しされており、湯戻しなしで食することができる程度の柔軟な食感を有するため、笊22を用いて充填水11を切り、春雨12をカップ容器20に入れ、添付たれ23をかけて手軽に食することができる。
冷蔵葛切りは、前記冷製生春雨10とおよそ同様な工程で製造している。
まず、乾燥葛切りは、葛粉等の澱粉100質量部に対して50〜60℃の温湯を50〜60質量部加えて完全糊化して60〜75%の水分を含有する透明な糊化澱粉帯状物を得、該帯状物を10℃程度の環境で冷却した後、切刃にて麺線上に裁断し、乾燥させる等により製造することができる。このようにして得られた乾燥葛切りの水分率は、およそ10〜16質量%となる。
該乾燥葛切りも、前記乾燥春雨と同様に、まず、pH6.5〜pH9.0の温湯で湯戻して、前記乾燥状態の3.0倍〜5.0倍の質量となる半戻し状態にしている。
ついで、半戻し状態の葛切りの麺線をアルカリ性水溶液と共に袋詰めし、半戻しした葛切りにアルカリ性水溶液を浸透させ、乾燥状態の9.5倍〜12.5倍の質量となる全戻し状態としている。前記葛切りへのアルカリ水溶液の浸透は、ボイル殺菌処理で行っている。
なお、冷蔵葛切りは、添付たれの代わりにシロップ等を添付した水生菓子の製品形態とすることもできる。
以下、本発明の冷製生春雨とした実施例、及び比較例を示す。
(実施例1)
公知の方法により製造された乾燥春雨10kg(U−18はるさめ:水分率 約15.0%)を50℃の温湯100L(pH約7.5)で15分間湯戻して半戻し状態とし、中性の水で4回すすいで水洗いした。
水洗後の春雨は、乾燥春雨の3〜5倍の質量となり、70質量%の含水率であった。
ついで、半戻し状態の春雨を50gずつ計量し、前記実施形態の方法で水酸化カルシウム(消石灰)を用いて調製した充填水(pH12.46の飽和石灰水)150mlと共にポリエチレン製袋に充填密閉包装し、袋ごと80℃の湯に入れて20分間ボイル殺菌処理を行い、殺菌処理と共に、春雨の追い戻し及びアルカリ性水溶液の浸透を行った。
ボイル殺菌後の袋を25℃以下の温度で20分間水冷した後、袋を開けてpH計(東亜ディーディーケー株式会社製「HM−50G(商品名)」)で充填水のpH値を測定した。また、全戻し状態とされた春雨は乾燥状態の春雨の10.1倍の質量となり、後述の方法で測定した含水率は91.7質量%であった。
次に、袋入りの生春雨を10℃以下の冷蔵庫中で保存して冷製生春雨を得た。
(比較例1〜3)
前記充填水の代わりに中性(pH7.5)のイオン交換水を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1とした。
前記充填水の代わりにpH2.46のミョウバン水を用いた以外は実施例1と同様にして比較例2とした。
前記充填水の代わりにpH11.07の石灰水を用いた以外は実施例1と同様にして比較例3とした。充填後のpHは下記表1に示されているようにpH11.0未満のpH10.88となった。
実施例、比較例の方法により製造した冷製生春雨について、下記方法で麺線の硬さ評価、及び含水率の測定を行ない、その結果を表1に示した。
(麺線の硬さ評価)
各実施例、比較例について複数個の袋入り春雨を用意し、10℃以下の冷蔵庫中で冷蔵保存して、最初の7日は1日毎に、7日を過ぎてからは1週間毎に1袋ずつ開けて春雨を取り出し、食感を評価することにより行った。
(含水率の測定)
各実施例、比較例の袋から各々春雨を取り出して軽く充填水を切り、約10gずつ採取して乾熱処理前の含水した春雨の質量(W1)を測定し、機内温度105℃とした乾熱減菌機(株式会社東洋製作所製「SP−450(製品名)」)で5時間加熱乾燥を行ったのち、機内から取り出し、各々の乾熱処理後の質量(W2)を測定した。
下記式(1)から含水率(W)を算出した(単位:%)
含水率(W)=[(W1−W2)/W1]×100 (1)
W1(g):乾熱処理前の含水した春雨の質量(g)
W2(g):乾熱処理後の乾燥した春雨の重量(g)
Figure 2009112288
表1に示すように、pH値が11.0以上13.0以下の充填水が充填された実施例1の冷製生春雨は1ヶ月を経過しても硬くなることはなく、良好な食感を長期に渡り維持することができた。
これに対し、中性の充填水を充填した比較例1、酸性の充填水を充填した比較例2、pHが11.0未満のアルカリ性充填水を充填した比較例3は、いずれも1日経過した時点で春雨の麺線が硬い食感となっており、長期に渡り良好な食感を維持することができなかった。
実施形態の冷製生春雨を示す図である。 実施形態の冷製生春雨の製造工程を示すフロー図である。 実施形態の冷製生春雨の販売形態の一例を示す図である。
符号の説明
10 冷製生春雨
11 充填水
12 春雨
13 袋

Claims (4)

  1. 春雨あるいは葛切りが、pH11.0以上pH13.0以下のアルカリ性水溶液からなる充填水と共に容器または袋に充填されており、
    前記春雨あるいは葛切りに前記アルカリ性水溶液が浸透され、含水率が80質量%以上95質量%以下とされていることを特徴とする冷蔵食品。
  2. 前記アルカリ性水溶液は、酸化カルシウム及び/または水酸化カルシウムを水に溶解して調製したものである請求項1に記載の冷蔵食品。
  3. 請求項1または請求項2に記載の冷蔵食品の製造方法であって、
    乾燥状態の春雨あるいは葛切りをpH6.5〜pH9.0の温湯で湯戻して、前記乾燥状態の3.0倍〜5.0倍の質量となる半戻し状態にし、
    ついで、前記半戻し状態の春雨あるいは葛切りをpH11.0〜pH13.0のアルカリ性水溶液と共に容器または袋に充填し、該容器または袋中において春雨あるいは葛切りに前記アルカリ性水溶液を浸透させ、前記湯戻し前の乾燥状態の9.5倍〜12.5倍の質量となる全戻し状態にしていることを特徴とする冷蔵食品の製造方法。
  4. 前記春雨あるいは葛切りへのアルカリ性水溶液の浸透は、ボイル殺菌処理で行っている請求項3に記載の冷蔵食品の製造方法。
JP2007292469A 2007-11-09 2007-11-09 冷蔵食品及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4871842B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007292469A JP4871842B2 (ja) 2007-11-09 2007-11-09 冷蔵食品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007292469A JP4871842B2 (ja) 2007-11-09 2007-11-09 冷蔵食品及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009112288A true JP2009112288A (ja) 2009-05-28
JP4871842B2 JP4871842B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=40780146

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007292469A Expired - Fee Related JP4871842B2 (ja) 2007-11-09 2007-11-09 冷蔵食品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4871842B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4880750A (ja) * 1972-01-26 1973-10-29
JPH08154607A (ja) * 1994-12-09 1996-06-18 Yoshino Shoji:Kk めん類の製造方法
JP2001204414A (ja) * 2000-01-28 2001-07-31 Nissin Food Prod Co Ltd 包装麺類およびその製造方法
JP2001299251A (ja) * 2000-04-14 2001-10-30 Fuso Chemical Co Ltd 葛切りの製造方法
JP2001299256A (ja) * 2000-04-18 2001-10-30 Nissin Food Prod Co Ltd 長期保存麺の製造方法
JP2002112720A (ja) * 2000-10-04 2002-04-16 Nihon Starch Co Ltd β−アミラーゼで処理された澱粉麺およびその製法
JP2003219824A (ja) * 2002-01-24 2003-08-05 Nihon Starch Co Ltd 生澱粉麺の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4880750A (ja) * 1972-01-26 1973-10-29
JPH08154607A (ja) * 1994-12-09 1996-06-18 Yoshino Shoji:Kk めん類の製造方法
JP2001204414A (ja) * 2000-01-28 2001-07-31 Nissin Food Prod Co Ltd 包装麺類およびその製造方法
JP2001299251A (ja) * 2000-04-14 2001-10-30 Fuso Chemical Co Ltd 葛切りの製造方法
JP2001299256A (ja) * 2000-04-18 2001-10-30 Nissin Food Prod Co Ltd 長期保存麺の製造方法
JP2002112720A (ja) * 2000-10-04 2002-04-16 Nihon Starch Co Ltd β−アミラーゼで処理された澱粉麺およびその製法
JP2003219824A (ja) * 2002-01-24 2003-08-05 Nihon Starch Co Ltd 生澱粉麺の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4871842B2 (ja) 2012-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106279960A (zh) 一种可生物降解的抗菌食品包装膜及其制备方法
JP5518692B2 (ja) レトルトうどんの製造方法
KR20190084655A (ko) 냉동참치의 해동 및 숙성방법
KR101718304B1 (ko) 과당 중합체를 포함하는 쌈무 및 이의 제조방법
CN105767957B (zh) 一种无臭冻干大蒜粉胶囊产品
JP2010029162A (ja) ペットフード、及びペットフードの製造方法
JP2000083610A (ja) 麺類の製造方法
KR100508819B1 (ko) 해초류 및 채소류를 함유하는 기능성 쌀 및 이의 제조방법
JP3604377B2 (ja) 乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法、及び該製造方法によって得られた乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブ
UA89622C2 (uk) Спосіб консервування плодів
JP4002475B2 (ja) 麺類の製造方法
JP4871842B2 (ja) 冷蔵食品及びその製造方法
JP6452865B1 (ja) 柿ペーストの製造方法及び柿アイスクリームの製造方法
JP2004350555A (ja) 加熱調理不要の包装茹で冷しそばの製造方法
JP4722825B2 (ja) 卵加工食品およびその製造方法
KR20160131555A (ko) 참치회를 위한 냉동 참치의 가공 방법
CN102008047B (zh) 一种速食年糕及加工方法
JP5814091B2 (ja) とろろ加工品を具として用いたおにぎり、およびこれに用いるおにぎりの具
CN104905189A (zh) 一种泡藕带
JP2969041B2 (ja) 即席パスタ及び即席スープパスタの製造方法
JP2006340702A (ja) 冷凍調理済メンマの製造方法
JP2016015965A (ja) 肉類乾燥製品の製造方法
JP2004073183A (ja) 加熱調理不要の包装茹で冷麺類の製造方法
KR102046724B1 (ko) 대나무 케이크의 제조방법 및 위 제조방법에 의하여 제조된 대나무 케이크
KR102586307B1 (ko) 돌산 갓 추출물이 함유된 간장을 이용한 반건조 생선의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees