JP2002112720A - β−アミラーゼで処理された澱粉麺およびその製法 - Google Patents
β−アミラーゼで処理された澱粉麺およびその製法Info
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Abstract
の製法を提供する。 【解決手段】 乾燥澱粉麺、半生澱粉麺または生澱粉麺
をβ−アミラーゼ処理して得られるβ−アミラーゼ処理
澱粉麺およびその製法。β−アミラーゼ処理生澱粉麺
は、湯戻し処理後、良好な食感が長期間にわたり維持さ
れるので、生澱粉麺として長期間の保管が可能となり、
従来必要であった、食べる直前の湯戻し処理が不要とな
り、簡便性が高い。特に、サラダ、酢の物または甘味冷
菓など、食する時点での温度が低い料理においては、従
来必要であった半生澱粉麺または乾燥澱粉麺の湯戻し後
の冷却という操作が不要となり有用である。
Description
処理されることにより、向上された賞味期間を有する澱
粉麺、および前記澱粉麺の製造方法に関する。
雨および葛きりが知られている。これらは、乾麺として
製造、販売されていると共に、乾麺を水または温水で戻
し半生の状態にしたものも生春雨、生葛きりとして製
造、販売されている。乾麺および半生製品はいずれも、
食する前に湯戻しによって生麺とされる必要があるもの
の、半生麺は乾麺に比べて湯戻しの時間が短く、加熱に
より調理が行われて食する時点での料理の温度が高い、
鍋物、炒め物などの料理においては調理が短期間に行わ
れるという利点を有する。しかし、サラダ、酢の物な
ど、料理自体に加熱を必要とせず、食する時点での温度
も低い料理では、半生麺のみをあらかじめ加熱して生麺
に戻し、それを冷却して使用する必要があるので、湯戻
し時間は短いという利点はあるが、冷却する手間が生じ
て煩雑である。また、これら乾燥または半生の澱粉麺を
湯戻しして生澱粉麺とした後に、野菜、魚肉、海藻類等
の食材とマヨネーズ、ドレッシング、三杯酢などの調味
料で和えた惣菜が広く加工販売されている。しかし、こ
の惣菜においては、湯戻しされた生澱粉麺の澱粉が老化
することにより麺が硬化するので、湯戻し後の賞味期間
はせいぜい1〜2日であり、それ以上時間が経過したも
のは本来の麺の良好な食感を留めたものではなく、ぼそ
ぼそ感の強い劣化した食感となってしまう。
るいは油脂、脂肪酸エステルその他添加物を組み合わせ
ることによる方法が知られているが、生澱粉麺の食感劣
化を防止できると言えるものはなく、調理時の味付けと
いう点からもそれら添加物の使用量に限界がある場合も
多い。また、澱粉の種類や加工方法によっては、澱粉の
老化の進行を抑制することも可能ではあるが、老化しな
いまたは老化しにくい澱粉を使用して、かつ本来の澱粉
麺の良好な食感を作り出すことは未だできていない。こ
れは、通常の米より澱粉が老化しにくいもち米でご飯を
炊いて老化防止をしても、本来のご飯の食感とは異なる
ものであるのと同様と考えれば容易に理解できる。
粉質の製品である餅や団子に関しては、原料中にアミラ
ーゼ等の酵素を添加し、成型前に酵素処理することによ
って最終製品である餅や団子の老化防止を図るという簡
便な方法が知られている。しかし、これら餅や団子と異
なり、澱粉麺の細い麺線の形状および独自の食感を達成
するためには、麺の製造工程である程度の老化が必要と
される。そして、澱粉麺の製造において、原料中にアミ
ラーゼを添加し、麺の形状に成型する前に酵素処理をす
るという方法を使用すれば、麺の製造に必要な程度の老
化も妨げられて麺の成型が不可能となる。このため、澱
粉麺においては、アミラーゼで処理する老化防止方法は
行われていなかった。
の湯戻しが不要で手間のかからない生澱粉麺であって、
食感が良好で、湯戻し後の賞味期間の長い生澱粉麺が強
く要望されていた。本発明は、このような事情に鑑みて
なされたものであって、本発明は、原澱粉麺製造後、未
処理澱粉麺をβ−アミラーゼで処理することを特徴とす
る処理澱粉麺の製造方法を提供することを目的とし、ま
た、前記方法によって製造された、食する直前に加熱の
必要がなく、湯戻し後の賞味期間が向上された処理澱粉
麺を提供することを目的とする。
て、未処理澱粉麺をβ−アミラーゼ処理して得られる処
理澱粉麺を提供する。また、本発明は請求項2として、
未処理澱粉麺をβ−アミラーゼ処理することを特徴とす
る処理澱粉麺の製造方法を提供する。
含む材料から形成される麺状の食品で、例えば、春雨、
葛きり等が該当するが、これらに限定されるものではな
い。また、麺の断面の形状、太さ、長さ等は特に限定さ
れるものではない。本発明の澱粉麺に使用される原料澱
粉としては、澱粉麺の食感、調理法等に応じて任意の澱
粉を使用することができ、例えば、甘藷、馬鈴薯、緑
豆、トウモロコシ、葛、米、小麦、タピオカなどから得
られる澱粉およびこれらの混合物を用いることができる
が、これらに限定されるものではない。好ましくは、澱
粉は甘藷、馬鈴薯、緑豆、トウモロコシ、葛、米、小麦
またはタピオカから得られる澱粉、およびこれらの混合
物である。β−アミラーゼ処理時の麺の戻しの程度が最
適になるという観点から、緑豆から得られる緑豆澱粉を
50%以上含むものがより好ましい。
−アミラーゼ処理されていない澱粉麺をいい、β−アミ
ラーゼ処理されていない澱粉麺であれば、澱粉麺は、後
述する原澱粉麺、乾燥澱粉麺、半生澱粉麺および生澱粉
麺のいずれであっても良い。最終製品の品質という観点
から、原澱粉麺を乾燥後、すなわち、一旦乾燥澱粉麺を
製造した後の何れかの段階でβ−アミラーゼ処理するの
が好ましい。また、本発明における「処理澱粉麺」と
は、未処理澱粉麺がβ−アミラーゼ処理されて得られた
澱粉麺をいう。
粉麺を乾燥することにより製造された乾燥状態の澱粉麺
であって、水で戻されると半生澱粉麺となるものであ
り、また、湯戻しされれば生澱粉麺となるものであれば
良く、特に限定されるものではない。本発明に使用でき
る乾燥澱粉麺は、任意の、公知の乾燥澱粉麺の製造方法
によって製造することができる。また、「原澱粉麺」と
は、成型された直後の澱粉麺をいい、例えば、上述の原
料澱粉と、原料澱粉の一部を他の成分と共に所定量の熱
湯で溶解して糊化させたキャリア糊とをミキサーで混練
して、使用される澱粉の種類に応じた所定の水分量の澱
粉スラリーとし、該スラリーを押出器を用いて麺線と
し、該麺線を煮込み釜に投入して糊化して原澱粉麺が製
造される。原澱粉麺はその後水で冷却、冷凍され、しか
る後にこれを解氷して乾燥され、所望の長さに切断され
ることによって乾燥澱粉麺となるが、この方法に限定さ
れるものではない。なお、原澱粉麺の製造の際に、小麦
粉、そば粉、カルボキシメチルセルロースなどの増粘
剤、加工澱粉など、他の成分を添加することができ、こ
れら他の成分が含まれる原澱粉麺も本発明に使用可能で
ある。
を水で戻す処理を行うことにより、水分を含有すること
となった澱粉麺であるが、そのまま食することはでき
ず、食する場合には湯戻し処理が必要な状態の澱粉麺を
いう。また、「水による戻し処理」とは、乾燥澱粉麺に
水分を加え、半生澱粉麺を製造する処理をいい、例え
ば、乾燥澱粉麺を水に浸漬することにより行われるが、
これに限定されるものではない。乾燥澱粉麺を半生澱粉
麺に戻す条件は、使用される澱粉麺における澱粉の種
類、麺の太さ等に応じて適宜決定され、特に限定される
ものではない。
粉麺または半生澱粉麺を湯戻し処理した澱粉麺であっ
て、さらなる戻しを必要とせずに、そのまま食すること
ができる状態の澱粉麺をいう。本発明の生澱粉麺は、湯
で戻されただけで各種調味料によって調味されていない
状態の生澱粉麺であっても良いし、各種の調味料で調味
された状態の生澱粉麺であっても良い。例えば、調味後
の生澱粉麺は、野菜、魚肉、海藻類等の食材とマヨネー
ズ、ドレッシング、三杯酢などの調味料で和えた和え
物、各種食材と中華たれなどの調味料と共に炒めた炒め
物等の惣菜中に含まれるものであっても良い。
澱粉麺または半生澱粉麺を水の存在下で加熱して生澱粉
麺に加工する処理をいい、該処理ができるのであれば方
法は特に限定されるものではない。例えば、湯戻し処理
の一態様としては、乾燥澱粉麺または半生澱粉麺を熱湯
中で湯がく処理が挙げられ、他の態様としては、半生澱
粉麺を水分と共に加熱して炒める処理が挙げられる。湯
戻し処理に必要な加熱条件は使用される麺の澱粉の種
類、麺の太さ等に応じて決定されるが、通常、90〜1
00℃の熱湯中で3〜10分間、好ましくは、3〜5分
間加熱される。また、湯戻し処理と同時に調味が行われ
ても良い。
処理澱粉麺をβ−アミラーゼ水溶液と接触させることに
より行われ、好ましくは、処理の容易さという観点か
ら、β−アミラーゼ水溶液に未処理澱粉麺を浸漬させる
ことにより処理される。β−アミラーゼ処理に供される
未処理澱粉麺としては、β−アミラーゼで処理されてい
ない原澱粉麺、乾燥澱粉麺、半生澱粉麺または生澱粉麺
の何れであっても良く、好ましくは生澱粉麺である。
には処理原澱粉麺が得られる。乾燥澱粉麺がβ−アミラ
ーゼ処理される場合には、β−アミラーゼ処理は澱粉麺
をβ−アミラーゼ水溶液と接触させることにより行われ
るので、乾燥澱粉麺から半生澱粉麺への水による戻し処
理が同時に行われることとなり、この処理によって、処
理半生澱粉麺が得られる。また、半生澱粉麺がβ−アミ
ラーゼ処理される場合には、この処理によって、処理半
生澱粉麺が得られる。これら処理半生澱粉麺を湯戻し処
理することにより処理生澱粉麺が得られる。さらに、生
澱粉麺がβ−アミラーゼ処理される場合には、処理生澱
粉麺が得られる。なお、生澱粉麺をβ−アミラーゼ処理
する場合には、湯戻し処理により生澱粉が得られた後、
食感が良好に維持されている間にβ−アミラーゼ処理が
行われなければならず、好ましくは湯戻し処理後1日以
内、より好ましくは12時間以内、さらにより好ましく
は、湯戻し直後に行われる。また、原澱粉麺がβ−アミ
ラーゼ処理される場合には処理原澱粉麺が得られる。本
発明の処理澱粉麺とは、上述の処理半生澱粉麺、処理生
澱粉麺および処理原澱粉麺を含む概念である。
と比べて、賞味期間が向上されている。賞味期間とは湯
戻し処理により得られた生澱粉麺の食感が良好に維持さ
れる期間であり、それが「向上された」とは、生澱粉麺
の食感が良好に維持される期間が、本発明における処理
がなされない場合と比べ延長されたことである。すなわ
ち、本発明におけるβ−アミラーゼ処理生澱粉麺はアミ
ラーゼ処理をしない生澱粉麺よりも食感が良好に維持さ
れる期間が長いのである。一般に、食感を維持するため
に特別の処理がなされない場合には、生澱粉麺は湯戻し
処理後1〜2日で食感が劣化し、ぼそぼそ感の強い食感
となる。本発明における賞味期間は、7日以上であり、
好ましくは、20日以上、より好ましくは30日以上で
ある。
ミラーゼ(EC 3.2.1.2)であり、α−アミラ
ーゼやグルコアミラーゼでは湯戻し処理後の賞味期間の
向上は達成できない。理論に拘束されるのは望むもので
はないが、本発明における湯戻し処理後の賞味期間の向
上という効果は、澱粉の老化に伴う麺からの離水防止で
はなく、麺表面への酵素のアタックにより、澱粉中のα
−1,4結合によるグルコース鎖が部分的に短くなり、
澱粉の老化による麺の硬化を緩和し、結果として、食感
の劣化を防止し、賞味期間を向上させるものと考えられ
る。
(EC 3.2.1.2)としては、市販のβ−アミラ
ーゼが使用できる。また、β−アミラーゼとしては、任
意の起源のβ−アミラーゼが使用でき、例えば、麦芽、
馬鈴薯、甘藷、大豆、小麦のような植物由来、およびB
acillus属細菌のような微生物由来のβ−アミラ
ーゼが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。また、遺伝子工学的手法により製造されたものでも
良い。使用されるβ−アミラーゼは、処理される澱粉麺
に含まれる澱粉の種類、β−アミラーゼ処理が行われる
溶液の温度、pH、塩濃度等に応じて、適宜最適なもの
を選択することができる。例えば、β−アミラーゼ処理
と同時に調味が行われる様な場合には、調味料を添加し
た状態で該処理が行われるが、調味料によりβ−アミラ
ーゼ溶液のpHが変動する場合には、これに合った至適
pHを有するβ−アミラーゼが選択されることとなる。
また、高温でβ−アミラーゼ処理が行われる場合には、
例えば、大豆由来のβ−アミラーゼのような耐熱性β−
アミラーゼが好ましい。
理条件は澱粉麺の特性、使用されるβ−アミラーゼの特
性により適宜設定することができるが、一般的な処理条
件を以下に述べる。β−アミラーゼ水溶液中のβ−アミ
ラーゼ濃度は、酵素活性15000AUN/gのものを
使用した場合には0.01〜0.5%、好ましくは0.
01〜0.3%、より好ましくは0.03〜0.15%
である。処理温度は40〜80℃、好ましくは40〜6
0℃、より好ましくは50〜60℃である。β−アミラ
ーゼ水溶液のpHは4.0〜8.0、好ましくは、4.
0〜7.0、より好ましくは、5.0〜6.0である。
処理時間は0.5〜10時間、好ましくは、0.5〜5
時間、より好ましくは1.0〜3.0時間である。ま
た、水溶液中には、塩類等他の物質が含まれても良い。
て、β−アミラーゼ処理半生澱粉麺の場合は湯戻し処
理、β−アミラーゼ処理生澱粉麺の場合は調理などの各
種処理に供されることになるが、これらβ−アミラーゼ
処理澱粉麺は、処理後そのままで後続の処理がなされて
も良いし、必要であれば水洗い、酵素の失活処理等がな
された後に後続の処理がなされてもよい。
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
50gをボールに入れ、熱湯820mlを注いでキャリ
ア糊を得た。次に、原料澱粉とこのキャリア糊をミキサ
ーで混練して水分50%のスラリーを得た。これを直径
8mmの穴から湯釜に落下させ麺状化した。得られた麺
線の直径は0.8mmであった。1分間煮込んだ後、麺
線を釜から取り出して水道水にさらして冷却し原澱粉麺
を製造した。その後、冷凍庫中、−10℃で10時間冷
凍し、しかる後、水道水にさらして解氷し、さらに、2
時間乾燥機で乾燥させ、約10cmの長さに切り揃え、
乾燥澱粉麺を製造した。
3分間、湯戻し処理して生澱粉麺を得た。湯戻し処理
後、生澱粉麺100gを、水300ml中に0.3gの
β−アミラーゼ(酵素活性15000AUN/g、大豆
由来、ナガセ社製)を含むβ−アミラーゼ水溶液(pH
6.0)に60℃で4時間浸漬することによりβ−アミ
ラーゼ処理を行った。処理後、得られたβ−アミラーゼ
処理生澱粉麺を5リットルの水を用いて5分間洗浄し、
真空包装し、80℃で30分間加熱殺菌し、酵素も失活
させた。
分間浸漬することにより半生澱粉麺を製造した。次い
で、水300ml中に0.3gのβ−アミラーゼ(酵素
活性15000AUN/g、大豆由来、ナガセ社製)を
含むβ−アミラーゼ水溶液(pH6.0)に半生澱粉麺
100gを60℃で1〜4時間浸漬することによりβ−
アミラーゼ処理を行った。得られたβ−アミラーゼ処理
半生澱粉麺を100℃の熱湯中で3分間、湯戻し処理し
てβ−アミラーゼ処理生澱粉麺を得た。処理後5リット
ルの水を用いて5分間洗浄し、真空包装し、80℃で3
0分間加熱殺菌した。
中に0.3gのβ−アミラーゼ(酵素活性15000A
UN/g、大豆由来、ナガセ社製)を含むβ−アミラー
ゼ水溶液(pH6.0)に、60℃で4時間浸漬するこ
とによりβ−アミラーゼ処理を行った。得られたβ−ア
ミラーゼ処理半生澱粉麺を100℃の熱湯中で3分間、
湯戻し処理してβ−アミラーゼ処理生澱粉麺を得た。処
理後5リットルの水を用いて5分間洗浄し、真空包装
し、80℃で30分間加熱殺菌した。
分間浸漬し、その後、60℃の温水に4時間浸漬するこ
とにより半生澱粉麺を製造した。この半生澱粉麺100
gを100℃の熱湯中で3分間、湯戻し処理して生澱粉
麺を得た。処理後5リットルの水を用いて5分間洗浄
し、真空包装し、80℃で30分間加熱殺菌した。
3分間湯戻し処理し、その後60℃の温水に4時間浸漬
して生澱粉麺を得た。得られた生澱粉麺100gを5リ
ットルの水を用いて5分間洗浄し、真空包装し、80℃
で30分間加熱殺菌した。
感の違い 実施例2〜4および比較例1〜2で得られた真空包装さ
れた生澱粉麺について、湯戻し処理後、8℃に冷蔵して
1、2、3、7、20および30日経過後に食感の評価
を行った。なお、実施例3については、β−アミラーゼ
で4時間処理を行ったものを評価した。評価は、10名
のパネラーが実施例2〜4および比較例1〜2の生澱粉
麺にタレをつけて試食することにより行った。結果を表
1に示す。
はややぼそぼそ感はあるものの食べられる状態であった
が、2日目以降はぼそぼそ感が強く、食感の劣化が認め
られた。これに対して、実施例2〜4のβ−アミラーゼ
処理生澱粉麺においては、30日目においても良好な食
感が維持されているとの結果が得られた。本発明におい
ては、β−アミラーゼ処理対象が乾燥澱粉麺、半生澱粉
麺、生澱粉麺のいずれであっても食感の向上を可能にす
ることが明らかとなった。
ったサンプルについて得られた真空包装された生澱粉麺
について、それぞれ、湯戻し処理後、8℃に冷蔵し、
1、2、3、7、20および30日経過後に食感の評価
を行った。なお、対照群として比較例1を評価した。評
価は、10名のパネラーが実施例2〜4および比較例1
〜2の生澱粉麺にタレをつけて試食することにより行っ
た。
そぼそ感はあるものの食べられる状態であったが、2日
目以降はぼそぼそ感が強く、食感の劣化が認められた。
これに対して、実施例3のβ−アミラーゼ処理生澱粉麺
においては、β−アミラーゼ処理時間が1、2、3およ
び4時間のいずれにおいても、30日目においても良好
な食感が維持されているとの結果が得られた。
%とし、麺の太さを1.2mmとした以外は、実施例1
と同じ方法で乾燥澱粉麺を製造した。得られた乾燥澱粉
麺を実施例3と同じ方法で(β−アミラーゼ処理時間:
4時間)処理し、β−アミラーゼ処理生澱粉麺を製造し
た(実施例5)。また、この乾燥澱粉麺を用いて比較例
2と同じ方法で生澱粉麺を製造した(比較例3)。これ
ら実施例5および比較例3の生澱粉麺について、湯戻し
処理後、8℃に冷蔵し、1、2、3および7日目に、1
0名のパネラーが生澱粉麺にタレをつけて試食すること
により、食感の評価を行った。結果を表2に示す。
そぼそ感はあるものの食べられる状態であったが、2日
目以降はぼそぼそ感が強く、食感の劣化が認められた。
これに対して、実施例5のβ−アミラーゼ処理生澱粉麺
においては、7日目においても良好な食感が維持されて
いるとの結果が得られた。よって、澱粉麺の組成を変え
ても本発明による食感の維持は達成されることが明らか
となった。
50gをボールに入れ、熱湯820mlを注いでキャリ
ア糊を得た。次に、原料澱粉とこのキャリア糊をミキサ
ーで混練して水分50%のスラリーを得た。このスラリ
ーに10.5gのβ−アミラーゼ(酵素活性15000
AUN/g、大豆由来、ナガセ社製)を添加して撹拌
し、60℃で4時間インキュベートしたが、酵素反応は
進まなかった。また、上記水分50%のスラリーを糊化
した後、澱粉1050gに対して10.5gのβ−アミ
ラーゼ(酵素活性15000AUN/g、大豆由来、ナ
ガセ社製)を添加して4時間撹拌した。この場合、酵素
反応は行われたが、すでに糊化しているため、麺線の形
成は不可能であった。
ミラーゼ処理澱粉麺は、原澱粉麺形成前にβ−アミラー
ゼ処理するのでなく、澱粉麺形成後にβ−アミラーゼ処
理することによって、β−アミラーゼ処理されたにも拘
わらず麺線の形成を可能にし、かつ、得られた処理生澱
粉麺は湯戻し処理後、良好な食感が長期間にわたり維持
されるので、生澱粉麺として長期間の保管が可能とな
る。また、本発明のβ−アミラーゼ処理澱粉麺は生澱粉
麺として長期間保存できるので、従来必要であった、食
べる直前の湯戻し処理が不要となり、簡便性が高まり、
特に、サラダ、酢の物または甘味冷菓など、食する時点
での温度が低い料理においては、従来必要であった半生
澱粉麺または乾燥澱粉麺の湯戻し後の冷却という操作が
不要となり有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 未処理澱粉麺をβ−アミラーゼ処理して
得られる処理澱粉麺。 - 【請求項2】 未処理澱粉麺をβ−アミラーゼ処理する
ことを特徴とする処理澱粉麺の製造方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100637730B1 (ko) | 2005-06-28 | 2006-10-25 | 주식회사농심 | 개량 숙면의 제조 방법 |
JP2009112288A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-05-28 | Ohkawa Ltd | 冷蔵食品及びその製造方法 |
JP2010068717A (ja) * | 2008-09-16 | 2010-04-02 | Matsuyoshi Uema | 麺類の長期保存方法 |
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