JP2009108027A - ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物の調製及び使用の方法 - Google Patents

ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物の調製及び使用の方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ピロリン酸第二鉄クエン酸キレート組成物を含む水溶性鉄キレート組成物の提供。
【解決手段】鉄欠乏の治療に有用な高水溶性のピロリン酸クエン酸第二鉄キレートは、重量で、約7%〜約11%の鉄、約14%〜約30%のシトレート、約10%〜約20%のピロホスフェート及び2重量%以下のホスフェートを含有する。これらのキレート組成物は、重量で、約1.5%以下のホスフェート又は約1%以下のホスフェートを有することができる。これらのキレート組成物は、重量で、約0.1%以下のホスフェートを有する。硫酸イオン含有量は、通常は約20重量%〜約35重量%である。
【選択図】なし

Description

関連出願との相互参照
本願は、ウィリアム S.マコール(William S. McCall)によって2007年7月20日に出願された、発明の名称を「ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物の調製及び使用の方法」と称する米国仮特許出願第60/961,327号に基づく優先権を米国特許法第119条第(e)の定めにより請求するものであり、その開示の全体を、本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
鉄欠乏は世界で最もよくみられる微量栄養素の欠乏であって、13億の人々(即ち、世界人口の24%)がこれに羅患している。鉄は、(1)肺から組織への酸素のキャリヤー;(2)細胞内での電子の移動;及び(3)神経伝達、ステロイドホルモンの合成、胆汁酸塩の合成、及び肝臓での解毒過程における基本的酵素反応のコファクター等、生命維持に欠くことのできない各種生理学的機能を有することから、重度の鉄欠乏、即ち鉄欠乏性貧血は特に患者を衰弱させる。鉄欠乏性貧血がもたらす結果としては、母体死亡率及び胎児死亡率の増加、未熟分娩及び出産時低体重のリスクの増加、学習障害や精神運動発達遅滞、作業能力の低下、免疫障害(感染症の高リスク)、体温維持の不能性、及び異食症からくる鉛中毒に関連するリスクがある。
鉄欠乏性貧血に羅患するのは、一般に、腎疾患、炎症性腸疾患、癌、HIV及び糖尿病等、慢性疾患の患者である。例えば、定期的に慢性腎不全に対する透析治療を受けている患者は、貧血にも苦しんでいることが非常に多い。組換エリスロポエチン、即ち赤血球産生過程を再現する組換DNA版ヒトエリスロポエチンタンパク質が利用可能になる前は、全ての腎臓透析患者の約90%もが衰弱性貧血を経験したと考えられる。透析患者における貧血の主因は、適切な量の赤血球を産生するのに十分なエリスロポエチンを腎臓が生産できないことである。エリスロポエチン治療は、赤血球産生過程を再現するものであるので貧血の抑制や消失に有効である場合が非常に多いが、鉄の欠乏もまた透析患者によくみられ、エリスロポエチン治療にもかかわらず貧血となる可能性がある。従って、エリスロポエチン治療に加えて、貧血の透析患者の血液に生物学的に利用可能な形態の鉄を送達することが、貧血を効果的に治療するために多くの場合必要且つ望ましいであろう。更に、鉄補給によって、鉄欠乏ではない患者においてさえ、貧血を効果的に治療するために必要なエリスロポエチンの投与量を減少させることができるという証拠がある。これは非常に重要である。なぜならば、組換エリスロポエチンは、高価な薬物であると共に軽度高血圧症及びインフルエンザ様症状の原因となる可能性があるからである。よって、多くの場合、効果的に鉄を補給することでエリスロポエチン治療を強化することが望ましい。
鉄欠乏を鉄補給剤の経口投与によって治療することはよく知られている。従来の経口鉄強化剤は、次の4群に分けることができる:(1)易水溶性(例えば硫酸第一鉄やグルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、クエン酸第二鉄アンモニウム)、(2)難水溶性(例えばフマル酸第一鉄やコハク酸第一鉄、サッカリン酸第一鉄)、(3)水不溶性(例えばピロリン酸第二鉄やオルトリン酸第二鉄、元素鉄)、及び(4)実験用[例えばウシヘモグロビンから単離されるナトリウム鉄EDTAや鉄ポルフィリン(ヘム)錯体]。
一般に、所望の治療効果を達成するためには、比較的大用量の経口鉄強化剤が必要である。胃腸管からの非ヘム鉄の吸収は、身体における鉄の状態、鉄塩の溶解性、腸粘膜の統合性及び摂取飲食物中の吸収阻害物質や吸収促進物質の存在によって強く影響される為、2%から90%超まで変化する。例えば、ポリフェノール化合物及び/又はフィチン酸を含有する食品は食物鉄と結合するので腸内の遊離鉄濃度が低下し、吸収されない錯体が形成される。小麦や米、トウモロコシ、オオムギ、モロコシ、オート麦等の穀類;ホウレンソウや香辛料等の野菜;大豆やブラックビーン、エンドウ等の豆類;茶やコーヒー、ココア、ワイン等の飲料は、腸からの鉄吸収を阻害する物質を含有する。L−アスコルビン酸塩とL−システインは鉄の吸収を促進することが知られている。
鉄補給剤を経口投与すると、悪心や嘔吐、便秘、胃刺激症状等、望ましくない副作用が見られることがよく知られている。また、これらの理由及び他の理由のため、患者の服薬コンプライアンスが得られないこともよく共通した問題である。
鉄の経口送達に関する上記の課題を解決するため、非経口投与に好適な鉄含有製剤の開発に多大な努力が向けられてきた。非経口投与製剤は、一般に、溶液のpHが約pH4〜約pH8の範囲内である特定の製剤成分の水溶液である。非経口投与には、静脈内注射、筋肉内注射、透析による投与が包含される。
非経口投与用の鉄含有組成物の調製は特に困難である。鉄化合物の水に対する溶解性は、溶液のpH及び他の製剤成分の存在に強く依存する。一般に、鉄塩は酸性溶液に可溶である。反対に塩基性溶液中では、EDTA等のキレート剤が存在しない限り、鉄イオンは不溶性酸化物を形成し、製剤から析出してしまう。
更に、鉄化合物を水溶液の形態で調製することによって、鉄のレドックス化学と酸化反応を触媒するその能力とに関連して困難の度合いが増す。レドックス化学に関しては、鉄には良く見られる2種の酸化状態が存在する。即ち第一鉄(又はFe+2状態)と第二鉄(又はFe+3状態)である。一般に、鉄がその第一鉄酸化状態にある鉄化合物は、鉄がその第二鉄酸化状態にある鉄化合物よりも水に可溶である。L−アスコルビン酸塩やL−システイン等の還元剤の存在下では、鉄は、その第二鉄酸化状態からその第一鉄酸化状態に、そしてその逆へと循環することが知られている。溶液中の鉄イオンは高反応性の酸化剤且つ触媒であって、他の製剤成分を酸化させてしまう。例えば、溶液中の鉄イオンは、デキストロースや多糖類、アミン、フェノールの酸化を触媒して、未酸化の物質とは異なる色、生物活性、毒性等を有するなど、望ましくない性質を有する分解生成物が形成される原因となる。
静脈内投与に関しては、ワトソン・ファーマシューティカルズ社(カリフォルニア州コロナ)から入手可能な鉄デキストラン(INFED(登録商標))が、非経口投与に用いるために0.9(重量)%の塩化ナトリウム水溶液で調製される。[Physicians Desk Reference、第59版(2005)3301−3303頁]。鉄デキストランは、鉄がイオン結合及び弱い静電的相互作用によって結合する分子量が一般に約10万〜約20万の範囲のデキストラン巨大分子である。従って、このようにして調製された鉄デキストランは、場合によっては注射中に重度のアレルギー性反応、発熱及び発疹を引き起こす。非経口である筋肉内投与は痛みを伴い、多くの場合注射部位に望ましくない変色が生じる原因となる。更に静脈内注射後においては、鉄デキストラン中の鉄の約半分が生体利用可能であるに過ぎない。その残りがどうなるのかについては知られていない。
鉄デキストラン等の鉄サッカライド錯体の静脈内投与は静脈確保を必要とし、鉄デキストランやグルコン酸第二鉄等の商業的に入手可能な静脈内に投与される鉄補給剤は比較的費用がかかり、且つ投与のための時間と技術とを多く必要とする。
鉄デキストランの腹腔内送達は、貧血を治療するために用いられてきた。しかし、鉄デキストランは、腹腔内投与されると腹膜の近くのマクロファージ内に貯蔵され、腹膜に異常な変化が生じる可能性があるという証拠がある。
注射によって投与することができる他の鉄製剤は、例えばカリンガム(Callingham)らの米国特許第5,177,068号、ピータース(Peters)及びラージャ(Raja)の米国特許第5,063,205号、ハイダー(Hider)らの米国特許第4,834,983号、ジェンソン(Jenson)の米国特許第4,167,564号、ヒル(Hill)の米国特許第4,058,621号、ダールバーグ(Dahlberg)らの米国特許第3,886,267号、ミューラー(Muller)の米国特許第3,686,397号、デクスター(Dexter)及びルービン(Rubin)の米国特許第3,367,834号、及びサルトマン(Saltman)らの米国特許第3,275,514号において教示されている。一般に、これらは、ポリマー基質に結合した、或いは各種の配位子、糖類、デキストラン、タンパク質加水分解物等によってキレート化された鉄の製剤である。全ては不成功に終わり、及び/又は実際的な利用がなされえない重度の有害副作用を伴った。
米国特許第5,177,068号 米国特許第5,063,205号 米国特許第4,834,983号 米国特許第4,167,564号 米国特許第4,058,621号 米国特許第3,886,267号 米国特許第3,686,397号 米国特許第3,367,834号 米国特許第3,275,514号
鉄イオン錯体を含有する組成物を使用する透析を介して、鉄が欠乏している患者に鉄を送達することが知られている。その利点は、透析治療によって透析期間の全体に亘って比較的一定の速度で血液に鉄が送達されるということである。これは、鉄が速やかにトランスフェリンと結合することにより血漿中の遊離鉄は無視し得る量となるためである。
溶解性ピロリン酸第二鉄(或いは「ピロリン酸第二鉄(可溶)」とも称する)は、確定した組成を持たない鉄製剤である。その構造を示す確定した化学式は知られていない。一般に、それは、「ピロリン酸第二鉄とクエン酸ナトリウムとの混合物」又は「4種の塩(ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸ナトリウム、クエン酸第二鉄、クエン酸ナトリウム)の混合物」又は「クエン酸ナトリウムによって可溶となったピロリン酸第二鉄」と記載される。溶解性ピロリン酸第二鉄は、表1に記載する性質を有することが知られている。
Figure 2009108027
溶解性ピロリン酸第二鉄は、商業的に入手することができる。従来の溶解性ピロリン酸第二鉄は、約10.5%〜約12.5%の鉄を含有する淡黄緑色(apple green)の固体である。製造業者によれば、溶解性ピロリン酸第二鉄は、空気や光への曝露から保護されているならば3年間は安定である。従来の溶解性ピロリン酸第二鉄の分析によって、代表的な従来の調製物が鉄、ピロリン酸アニオン、クエン酸アニオン、リン酸アニオン、硫酸アニオン及びナトリウムを含有することが判明している(表2)。
Figure 2009108027
溶解性ピロリン酸第二鉄として知られる混合物の調製のための方法は、カスパーリ(Caspari)によって提供されている。(チャールズ・カスパーリ(Charles Caspari)、Treatise on Pharmacy for Students & Pharmacists、リー・ブラザーズ社、1906、556〜557頁)。カスパーリ(Caspari)が開示している調製物は、ピロリン酸ナトリウムを用いて硫酸第二鉄の溶液から白いピロリン酸第二鉄(Fe(P)を析出させ、クエン酸ナトリウム又はクエン酸アンモニウムの溶液中でこの析出物を溶解し、このようにして得られた溶液を濃縮し、計量することによって作製される。別法として、カスパーリ(Caspari)は、この鉄製剤は、11部の結晶ピロリン酸ナトリウムを、11部のクエン酸第二鉄をその2倍の重量の水に溶解して得た溶液に添加し、その結果生じる緑色の溶液を60℃(140°F)以下の温度で蒸発させ、シロップ状の粘稠度を得て、次いでこのシロップをガラスプレート上に広げて固化させることによって作製されることを記述している。当今の処理技法は後者の調製方法に適用されてきたと考えられるが、その処理には多くの重大な欠点があり、その欠点としては、重要な出発材料であるクエン酸第二鉄は組成が不明の不安定な物質である;「シロップ状」組成物の粘稠度及び粘度が不定である;及び前記生成物を単離・精製するための手段が開示されないという点が挙げられる。従来の調製方法の如何を問わず、表2を考察することで、従来の溶解性ピロリン酸第二鉄のアニオン組成については、ピロホスフェートの含有率は約4.7%〜約10.1%;シトレート含有率は約34.3%〜約44.2%;ホスフェート含有率は約12.9%〜約17.4%;及びサルフェート含有率は約4.2%〜約19.5%と、広く変化していることが了解される。
本発明は、ピロリン酸第二鉄クエン酸キレート組成物を含む水溶性鉄キレート組成物を提供する。本発明のキレート組成物は、ピロホスフェートとシトレートとを第二鉄とキレート化された形で含む。本発明のキレート組成物は水溶性鉄強化剤であり、鉄欠乏性貧血、特に慢性疾患の貧血の治療に有用である。
本発明のこれらの及び他の特徴、利点及び目的は、以下の明細書及び請求項を参照することで当業者によって更に理解され且つ認められるであろう。
本発明の幾つかのアスペクトに係る組成物は、重量で、約7%〜約11%の鉄、約14%〜約30%のシトレート、約10%〜約20%のピロホスフェート及び約2%以下のホスフェートを有する安定した水溶性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物を含む。前記キレート組成物は、重量で、約1.5%以下のホスフェート又は約1%以下のホスフェートを有することができる。本発明の一アスペクトにおいて、キレート組成物は、重量で、約0.1%以下のホスフェートを有する。硫酸イオン含有量は、通常は約20重量%〜約35重量%である。
本発明の幾つかのアスペクトによる方法は、重量で、約7%〜約11%の鉄、約14%〜約30%のシトレート、約10%〜約20%のピロホスフェート及び約2%以下のホスフェートを有する安定した水溶性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物の調製のための段階を含む。キレート組成物は、重量で、約1.5%以下のホスフェート又は約1%以下のホスフェートを有することができる。本発明の一アスペクトにおいて、キレート組成物は、重量で、約0.1%以下のホスフェートを有する。硫酸イオン含有量は、通常は、約20重量%〜約35重量%である。
本発明の幾つかのアスペクトにおいて、水溶性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物は、ヒト、動物、魚及び鳥についての栄養学並びに診断学の分野における食品添加物、栄養補給剤、栄養補助食品、医療用食品、栄養剤、鉄強化剤及び鉄原料として使用される。溶解性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物は、本発明の幾つかのアスペクトにおいてヒトの臨床的な応用及び獣医学的な応用のための医薬的及び薬理活性成分として使用される。
水溶性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物を、鉄欠乏又は貧血の予防又は治療のためにかかる投与を必要とする被験体に投与する方法が、本発明の幾つかのアスペクトにおいて提供される。
本発明の方法においては、水溶性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物は、単独で投与されるか、又は、鉄欠乏によって引き起こされる有害作用の発現の予防又は経過の逆転に十分な量の他の物質(例えば、摂取に適切な剤形である錠剤、カプレット、丸剤、カプセル剤、トローチ剤、口内錠、粉剤、顆粒又は溶液を形成するために必要な材料と共に)と併用して投与される。更に、本発明の方法においては、本発明の水溶性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物は、単独で投与されるか、又は、鉄欠乏によって引き起こされる有害作用の発現の予防又は経過の逆転のための非経口投与用製剤における十分な量の他の物質と併用して投与される。
本発明の方法は、前述のように、経口摂取又は注射によって哺乳類に投与される組成物を用いる。こうして投与される組成物は、食品添加物、一般に安全と考えられている物質(即ちGRAS物質)、又は米国連邦規則(CFR)の第21編で定める薬物のいずれかであると考えることができる。
本発明の方法において、上述のキレート組成物は、食品補助剤、栄養補助食品、栄養補助剤又は医療用食品として摂取することができる。「食品補助剤、栄養補助食品及び栄養補助剤」という語は、食品や、食物成分や、栄養を提供することを目的とした組成物に存在する鉄を増強させる本発明組成物を包含し或いは含む。「医療用食品」という用語は、摂取物の鉄を増大させることを目的として臨床家又は医師によって処方される本発明のキレート組成物を包含し或いは含む。
本発明の方法において、本明細書において記載するキレート組成物は、経口か注射のいずれかで薬物として投与することができる。
本発明の溶解性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物及び適切な医薬担体を含む医薬組成物を使用してヒト等を含む温血動物における鉄欠乏を治療する方法は、本発明の範囲内に含まれる。開示の目的のために付言すると、温血動物は動物界のメンバーであって、温血動物としては哺乳類や鳥が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いられる「キレート」という用語は、金属カチオンを取り囲み、静電結合によってそれに結合する金属カチオン及びアニオンを一般に意味する。本発明の水溶性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物は、シトレートアニオンとピロホスフェートアニオンとの両方への静電結合によって取り囲まれ且つこれらに結合する第二鉄カチオンを含む。
「賦形剤材料」という用語は、製剤の一部を形成する任意の化合物を意味するものであって、その化合物は、生物活性自体を有することが意図されるわけではなく、剤形に特定の特徴を与えるために製剤に添加されるものであって、その特徴としては、例えば活性成分に対して化学的劣化からの保護を与えることや、錠剤又はカプレットの、それが形成される装置からの放出を容易にすること等が挙げられる。
「治療する」及び「治療」等の用語は、本明細書においては、一般に、所望の薬学的及び生理学的作用を得ることをいう。作用は一時的なものであってよく、また、疾病、症状或いは病状を予防する又は部分的に予防するという意味での予防的作用であってもよいし、及び/又は、疾病、状態、病状或いは疾病に起因する有害な作用の部分的或いは完全な治癒という意味での治癒的な作用であってもよい。本明細書において使用される「治療」という用語は、哺乳類、特にヒトの疾病の如何なる治療をも包含し、且つ(a)特定の疾病の疾病素質を有するが罹患しているとはまだ診断されていない患者において疾病が発症するのを予防する、(b)疾病を阻害する、即ち、疾病の進行を止める、(c)疾病を軽減し、疾病及び/又はその症状や病状を和らげる、(d)患者における正常濃度範囲に臨床値を戻すこと、を含む。
「治療的に有効」という文言は、例えば、鉄欠乏症を軽減、緩和、抑制又は予防するという目的を達成するか、或いは、従来の鉄組成物が通常随伴する有害副作用を回避しながら生理学的に適切な濃度の鉄を回復させるという目的を達成する経口又は非経口投与治療において、必要とされる活性成分の量が適切であることをいう。
本明細書において使用される「静脈内注射のために適切」という用語は、米国薬局方(USP(U.S.Pharmacopoeia、U.S.Pharmacopoeial Convention,Inc.)、ロックビル、メリーランド州、2006年)の総説中、「注射」という見出しの下に示される注射用溶液についての一般的な要求を満たす組成物を参照する際に当業者によって理解される、従来の意味を有する。
「非経口栄養組成物」という用語は非経口投与のための組成物をいう。
「透析治療」という用語は、腎疾患患者の血液から透析溶液への、膜を通した浸透圧による代謝物、毒素及び水の交換を含む慢性腎疾患の臨床的治療を意味する。従来の透析治療は、The New England Journal of Medicine、338巻、20号,1428〜1437頁(1998)に発表された「透析治療」という題名の論文においてS.パスタン(S. Pastan)及びJ.ベイリー(J. Bailey)によって記載されている。
「透析液」という用語は、慢性腎疾患の治療のための透析手順の一部である静脈内投与用組成物を意味する。透析液は、従来、腹膜透析(腹膜が透析膜を構成する)又は血液透析(合成膜が透析膜を構成する)のいずれかに用いるために提供されてきた。血液透析液は、一般に、処理された水中で使用前に溶液形態に戻される酸(A)及び塩基(B)の濃縮物である、2種の乾燥粉末濃縮物から、或いは2種の水性濃縮物から調製される。有機酸と電解質と浸透圧物質(但し重炭酸塩以外)を含有するA濃縮物を、重炭酸塩と処理された水を含有するB濃縮物と透析装置内で混合して、最終的な血液透析液が作製される。腹膜透析液は、浸透圧物質と電解質と水との予備混合溶液であって、溶液形態に戻す必要なしで透析に使用される。
長期に亘り鋭意実験を繰り返した後、本発明者は、約2%以下のホスフェートを含む水溶性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物を見出した。このキレート組成物は、重量で、約1.5%以下のホスフェート又は約1%以下のホスフェートを有することができる。幾つかのアスペクトにおいては、キレート組成物は、重量で、約0.1%以下のホスフェートを有する。
本発明の水溶性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物の調製方法は、水中でクエン酸イオン及びピロリン酸イオンを結合させ、第二鉄イオンを添加し、次いで水溶性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物をそこから単離することを含む。次のパラメーターは、生成物の収率、品質及び/又は組成に影響を及ぼす:(a)鉄とシトレートとピロホスフェートの比率;(b)各原材料の純度;(c)使用される水の量;(d)反応温度;(e)所望の生成物、即ち本発明のピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物の沈澱を引き起こすために用いられる有機溶媒;(f)沈澱を引き起こすために用いられる有機溶媒の量;及び(g)乾燥温度。
本発明の組成物を得るためには、ほぼ1:1:0.5のモル比でFe3+とシトレートとピロホスフェートとを用いることができる。この比率は約±10%の変化が許容でき、即ちFe3+とシトレートとピロホスフェートのモル比は、Fe3+が0.9〜1.1モル:シトレートが0.9〜1.1モル:ピロホスフェートが0.45〜0.55モルであってよい。前記モル比の変化がより大きくなると、組成物は、本発明の組成物とは異なるものとなる。例えば、1:0.5:1のモル比(Fe3+:シトレート:ピロホスフェート)を用いると、キレート組成物を提供することができなくなる。
各原材料は高純度を示す。出発材料としての第二鉄塩、シトレート及びピロホスフェートが各々含有する金属(アルミニウム、アンチモン、ヒ素、ビスマス、カドミウム、銅、鉛、水銀、モリブデン、タリウム及びスズ)は、出発材料1グラム当たり250マイクログラム未満であるが、それはこれらの金属がヒトにおいて知られた毒性を示すからである。ピロホスフェートに含有されるホスフェートの量は、好ましくは約0.1%未満、より好ましくは約0.01%未満である。
第二鉄塩出発材料1グラムにつき水2ミリリットル(+/−10%)の割合の水量は、全ての出発材料及びその結果生じるキレート組成物の生成物の溶解に適切であり、有機溶媒の添加によって所望のキレート組成物を沈澱させることができる。使用水量が実質的に少量である場合、出発材料を完全に溶解することはできないが、使用水量が実質的に多量である場合、有機溶媒の添加後に所望のキレート組成物が析出し得ないか、若しくは低収量で析出する。通常、出発材料の溶解のためには、第二鉄塩1グラムにつき約1.5ミリリットル〜約10ミリリットルの水量を用いることができる。
第二鉄塩出発材料の添加に先立ち、出発材料の完全溶解を達成するために反応温度を約70℃〜約85℃の範囲の温度に上昇させることができる。一旦溶解が完全に達成されると、第二鉄イオンの存在下でピロホスフェートがホスフェートへと加水分解されることを防止するために、反応温度を約15℃〜約75℃、好ましくは約15℃〜約39℃の範囲の温度に低下させることができる。
本発明者は、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、アセトニトリル、アセトン、2−ブタノン)は、所望のキレート組成物の析出に有用であることを見出した。
第二鉄塩出発材料1グラムにつき14ミリリットル(+/−10%)の量のメタノールが使用され得る。添加量が実質的にこれより少量であると、所望のキレート組成物の析出が不完全になる可能性がある。添加量がこれより多いと、望ましくない副産物の混入のリスクが増加するであろう。メタノール及び/又は他の有機溶媒の適切な量は、第二鉄イオン原料1グラム当たり約10〜約25ミリリットルの範囲を取り得る。
所望のキレート組成物の湿式ケーキ(即ち、水及びメタノールを含む生成物の塊)が約80℃を超える温度で乾燥される場合、ピロホスフェートはホスフェートに加水分解される。従って、析出物は80℃以下での温度で乾燥することが好ましい。
いかなる特定の仮説又は理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者は、本発明の溶解性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物によって、(a)第二鉄はピロホスフェート及びシトレートによって強くキレート化される;及び(b)キレート組成物は非常に水溶性である、という重要な利点がもたらされると考える。
リガンドと金属イオンとの間の静電結合の強さは、従来は安定度定数(Kstab)で記述され、その定数の対数として表現されることが多い。[マーテルAE(Martell AE)、スミスRM.(Smith RM.)、Critical Stability Constants.1〜6巻、ニューヨーク:プレナム プレス;1974、1975、1976、1977、1982及び1989]。第二鉄イオンとシトレート間の場合、log Kstabは12であり、第二鉄イオンとピロホスフェート間の場合、log Kstabは22.2である。[グプタAJ(Gupta AJ)、クランブリスAL.(Crumbliss AL.)、Treatment of iron deficiency anemia:Are monomeric iron compounds suitable for parenteral administration? J Lab Clin Med 2000;136:371〜178]。これらの安定度定数は、クロライドやグルコネート等、他のアニオンとの第二鉄イオンの安定度定数より数桁大きく、このことは、第二鉄イオンとシトレートとの間の静電結合及び第二鉄イオンとピロホスフェートとの間の静電結合が他のリガンドに対する結合よりも強いことを示している。本発明のキレート組成物は、1ミリリットル当たり1グラム超という水への溶解性を示す。本発明のキレート組成物は、重量で、約10%〜約20%のピロホスフェートを含有する。最近の研究により、ポリリン酸化合物は細胞内の鉄輸送のための候補物質であり得ることが示されており、これらのポリリン酸化合物の中で、ピロホスフェートはトランスフェリンとの鉄交換の誘発に最も有効な剤であることが示されている。[コノプカ K(Konopka K)、マレスカル JC(Mareschal JC)、クライトン RR.(Crichton RR.)、Iron transfer from transferrin to ferritin mediated by pyrophosphate.Biochem Biophys Res Commun 1980;96(3):1408〜13.ポラック S(Pollack S)、バンデルホフ G(Vanderhoff G)、ラスキー F.(Lasky F.)、Iron removal from transferrin.An experimental study.Biochim Biophys Acta 1977;497(2):481〜7.ムラリドハラ BK(Muralidhara BK)、ヒロセ M.(Hirose M.)、Anion−mediated iron release from transferrins.The kinetic and mechanistic model for N−lobe of ovotransferrin.J Biol Chem 2000;275(17):12463〜9]。本発明のピロリン酸クエン酸第二鉄キレートの構造は、トランスフェリンへの鉄輸送を可能にするピロホスフェート酵素複合体の推定構造に似ている。[カワート RE(Cowart RE)、スウォープ S(Swope S)、ロー TT(Loh TT)、チャスティーン ND(Chasteen ND)、ベイツ GW.(Bates GW.)、The exchange of Fe3+ between pyrophosphate and transferrin.Probing the nature of an intermediate complex with stopped flow kinetics, rapid multimixing, and electron paramagnetic resonance spectroscopy.Journal of Biological Chemistry 1986;261(10):4607〜14]。更に、マイクロモル濃度におけるピロホスフェートは、第二鉄と強固に結合し、それによってその酸化促進活性を阻害することが知られている。[セルバート G(Cervato G)、ビアーニ P(Viani P)、セスターロ B.(Cestaro B.)、Studies on peroxidation processes of model membranes:role of pyrophosphate.Chem Phys Lipids 1990;56(2−3):91〜9.セルバート G(Cervato G)、ビアーニ P(Viani P)、ガッティ P(Gatti P)、カッツォーラ R(Cazzola R)、セスターロ B.(Cestaro B.)、Further studies on the antioxidant role of pyrophosphate in model membranes.Chem Phys Lipids 1993;66(1−2):87〜92]。例えば、シトレートもホスフェートもマイクロモル濃度ではこの活性を示さない。本発明の組成物は、重量で、約2%未満のホスフェート、約1.5%未満のホスフェート、約1%未満のホスフェート又は約0.1%未満のホスフェートを含有することができる。ホスフェートの濃度を高くすれば、前記組成物の溶液剤形中又は投与後の身体内のいずれかにおいて、水不溶性リン酸塩類が析出するリスクが増加するであろう。身体内において、循環系のリン酸塩類の沈澱は内皮機能不全の原因となる。これらの理由によって、本発明のピロリン酸クエン酸キレート組成物は、従来の溶解性ピロリン酸第二鉄、第二鉄塩、第二鉄多糖類複合体及び第一鉄塩よりも有利な生体適合性を示すものと考えられる。
本発明の溶解性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物は、水に化学量論的割合で第二鉄塩とクエン酸(又はクエン酸塩)とピロリン酸2水素2ナトリウム(又はピロリン酸4ナトリウム)(モル比=1:1:0.5)を添加して調製することができる。第二鉄塩(第二鉄イオン原料物質)としては、硫酸第二鉄、硫酸第二鉄水和物、塩化第二鉄及び硫酸第二鉄アンモニウムを使用することができる。好ましくは、第二鉄塩は硫酸第二鉄水和物である。シトレート(クエン酸イオン原料物質)としては、クエン酸、クエン酸1ナトリウム、クエン酸2ナトリウム及びクエン酸3ナトリウムを使用することができる。ピロホスフェート(ピロリン酸イオン原料物質)としては、ピロリン酸2水素2ナトリウム又はピロリン酸4ナトリウムを使用することができる。適切な反応温度は約20℃〜約85℃である。
本発明の好ましい一アスペクトにおいては、本発明の溶解性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物は、第二鉄イオン、シトレート及びピロホスフェートの溶液から析出によって回収することができる。本発明の溶解性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物は、有機溶媒を添加し、キレート組成物の溶液が得られるまで十分な反応時間を経過させた後に回収することができる。適切な有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、アセトニトリル、アセトン及び2−ブタノンから選択することができる。
好都合なことに、工業的な観点から、溶解性ピロリン酸クエン酸第二鉄キレートの固体組成物の調製のためのプロセスには、従来の装置及び試薬を使用することができる。選択された処理装置によって、反応温度を制御したり、反応完結の程度について反応の進行をモニターすることが可能になり、不純物の除去が容易になる。
本発明の方法によって得られるピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物は、再現可能であり、溶媒も化学的汚染物質も生物学的汚染物質も含有しない。本発明のピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物は、従来の方法及び手法を用いて処方集記載の各種剤形内に容易に粉末化及び/又は加工される。
本発明の組成物は、温血動物の身体の作用部位に対し、治療活性成分(即ち活性成分)を接触させる任意の手段によって投与することができる。これら活性成分は、固体剤形(例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、咀嚼組成物及び速やかに溶解するフィルム)又は液体剤形(例えば、エリキシル剤、シロップ剤及び懸濁剤)における経口経路によって投与することができる。経口投与用のカプセル剤又は錠剤は、徐放性製剤形態を包含することができ、且つ活性剤放出の薬物動態を変更することが知られるヒドロキシプロピルメチルセルロースや関連材料内の活性化合物の分散物として提供することが可能である。固体剤形は、知られた医薬的手法を使用して数時間に亘って薬物の連続放出をもたらすための持続放出製剤として製造することができる。圧縮錠剤は、糖衣錠やフィルムコート錠とすればいかなる不快な味もマスクし錠剤を環境雰囲気から保護することができ、また腸溶錠とすれば腸管内で選択的に消化を受けるようにできる。固体経口剤形及び液体経口剤形は、患者が受容しやすくするために着色剤及び香料を含むことができる。
前記活性成分は、溶液や懸濁剤や乳剤等の液体形状投与剤として、静脈内経路によって投与することができる。
例えば、非経口栄養(PN)、別名非経口的高カロリー栄養法は、栄養を維持する組成物を静脈内に補給する内科的治療であり、哺乳類の種々の病気(例えば、癌、胃腸疾患、大きな熱傷、広範囲に亘る創傷及びAIDS)に必要とされる。部分的非経口栄養は、経口摂取を補う毎日の栄養要求量のごく一部を補給する。多くの入院患者は、この方法によってデキストロース又はアミノ酸溶液を投与される。完全静脈栄養治療(TPN)によって、全ての毎日の栄養要求量が腸を回避して静脈内に補給される。口からの食事摂取及び腸の使用が可能でない場合や、慢性疾患のため患者の消化器系が栄養剤を吸収することができない場合、或いは栄養を経腸の投与及び補充によって満たすことができない場合に、手術の後、TPNが利用される。早産児及び病気の乳児は多くの場合長期間のTPNを必要とする。非経口栄養用組成物は、通常、少なくとも水、グルコース、アミノ酸及び任意に乳化脂肪を含有する。それらは、アミノ酸溶液、デキストロース溶液及び/又は脂肪乳剤から無菌的に調合することができる。PN組成物は、ビタミン剤、電解質及び必須微量元素を更に含有することができる。本発明者らは、本発明の溶解性ピロリン酸第二鉄組成物がPN組成物と適合し、且つPN組成物と混合されたとき、鉄及びピロホスフェートを補充するものであることを見出した。ヒトや他の温血動物において、補充の鉄及びピロホスフェートは、それぞれ例えば鉄欠乏(貧血)及び骨障害を治療するために有用である。
透析は、代謝副産物、毒素及び余分な液を、透析膜を通すことによって慢性腎疾患(CKD)の被験体の血液から除去する臨床的治療法である。透析は、従来、合成膜が透析膜を構成する血液透析として、或いは患者の腹膜が透析膜を構成する腹膜透析として実施されている。透析関連の鉄欠乏は6ヵ月の治療によって約90パーセントのCKD患者に影響を及ぼすものであって、本発明者は、透析を受けているCKD患者に投与される従来の鉄強化剤の代わりに本発明のピロリン酸クエン酸第二鉄キレート組成物を用いることができると考える。
一般に、本発明の医薬組成物は、本技術分野の標準的参照であるレミントン(Remington)のPharmaceutical Sciences[ジェンナーロ AR(Gennaro AR)、Ed.レミントン(Remington):The Science and Practice of Pharmacy.20th Edition.ボルチモア:Lippincott.Williams&Williams,2000]に記載される従来の手法によって調製することができる。治療目的のためには、本発明の活性成分は、通常、示された投与経路に適した1種以上の賦形剤と結合される。
以下の実施例は、本発明に係る有用な組成物と、鉄欠乏を治療する際のかかる治療を必要とする被験体における予想転帰とを示す。実施例は、本発明の範囲の代表的なものであって、それ自体、添付の特許請求の範囲において列挙される本発明を限定するものであると判断されることも解釈されるべきでない。
実施例1:試料の分析
本発明の溶解性ピロリン酸第二鉄組成物の特徴を記述するために、表3にリストが示される試験及びアッセイを用いた。
Figure 2009108027
Figure 2009108027
実施例2:溶解性ピロリン酸第二鉄の調製及び析出:濃縮、冷却及び有機添加剤の効果。
硫酸第二鉄(2g、2当量の鉄)を20mLの水に溶解し、濃いオレンジ色の溶液を得た。クエン酸2ナトリウム(3.78g、4当量)を30mLの水に添加して得た溶液と、ピロリン酸4ナトリウム(4.8g、3当量)を40mLの水に添加して得た溶液とを硫酸第二鉄溶液に滴下した。添加の最中に、硫酸第二鉄溶液の色は濃いオレンジ色から淡緑色に変化した。添加が完了した際、透明な緑色の溶液が得られた。溶液の6ミリリットルのアリコートを表4に示すように処理した。
Figure 2009108027
その結果、反応混合物の濃縮も冷却も所望の生成物を提供しなかったことが示された。しかしながら、低級アルコール(メタノール、エタノール、2−プロパノール)及びアセトニトリルは、溶解性ピロリン酸第二鉄の析出のために適切な添加剤であった。メタノール及び2−プロパノールは最も多くの析出物を提供したように見えた。
実施例3:溶解性ピロリン酸第二鉄の調製及び析出:溶液のpHの変化の効果。
硫酸第二鉄(2g、2当量の鉄)を20mLの水に溶解し、pHが1.76の濃いオレンジ色の溶液を得た。クエン酸2ナトリウム(3.78g、4当量)及びピロリン酸4ナトリウム(4.8g、3当量)を40mLの水に添加して得た溶液(pH6.31)を硫酸第二鉄溶液に滴下した。添加の最中に、硫酸第二鉄溶液の色は濃いオレンジ色から淡緑色に変化した。添加が完了した際、pHが5.1の透明な緑色の溶液が得られた。12ミリリットルのアリコートを表5に示すように処理した。固体の炭酸水素ナトリウムを添加して溶液のpHを調整し、次いで5mLの2−プロパノールを添加して析出を生じさせた。
Figure 2009108027
褐色の析出物は水溶性であったが、溶解性ピロリン酸第二鉄の色は緑色であることが知られている。それ故、pHをよりアルカリ性側の値に調整しても、所望の生成物は得られない。
実施例4:溶解/析出実験からの従来の溶解性ピロリン酸第二鉄の回収。
400ミリグラムの量の市販の溶解性ピロリン酸第二鉄を第1の量の水に溶解した。次いで、2種のアルコール(メタノール(MeOH)及び2−プロパノール(IPA))の内の第2の量の1種を添加した。実験結果を表6に示す。
Figure 2009108027
Figure 2009108027
これらの実験から、以下の結論が引き出された。第一に、SFPの溶解に必要な水の量はわずかである。あまりに多くの水を使用すると、溶質を容易に回収することができないか、若しくは乾燥後に油及び/又はガラスプレートに変化する水和物として回収される。後続の実験において、非常に濃縮された水溶液を調製及び使用した。第2に、IPAは、固体を析出させるためにMeOHよりも良好な溶媒であるように思われた。しかし、あまりに多くのIPAを使用した場合、最初に形成した淡黄色の固体は油状になり、濾過及び乾燥が困難な非常に粘着性の材料を形成した。対照的に、更なるMeOHを用いて、「油状化」現象を引き起こすことなくSFPを再析出することができた。それ故、後続の実験において、SFPの析出を生じさせる剤としてMeOHを使用した。
実施例5:試薬のモル比の最適化
推定される分子式に基づいて、式1に示される試薬のモル比を出発点として用いた。
Figure 2009108027

これらの実験によって、一様に、従来のSFPに類似の黄緑色の粉末が得られた。しかし、収量の変化は非常に大きかった。更に、アニオン組成物は、従来のSFPのものとは異なっていた。幾つかの実験からのデータを表7にまとめる。本発明の生成物(「FPCC」)は一貫して、従来のSFPよりも非常に高い率のピロホスフェート及び低い率のシトレートを含有していた。湿式ケーキが105℃で乾燥されなかった場合(表7の最初の3項目)、ホスフェートは本発明の組成物内に存在しなかった。(サルフェートについてはモニターされなかった。)
Figure 2009108027
実施例6:出発材料の化学量論比の最適化
実験を完了して出発材料の化学量論比を最適化した。Feとシトレートとピロホスフェートとのモル比は、表8に示すように変えた。全ての反応を、鉄の原料Fe(SOに対して同じスケールで行った(即ち1.0g)。また、全ての反応を2.5mLのHO中で同じ濃度で3通り行い、MeOH(2.5mL)によって析出させた。
Figure 2009108027
Figure 2009108027
表8にまとめた実験によって、Fe:シトレート:PPiの最も有用な比は、1:1:0.5〜1:1.25:0.5の範囲内であることが示された。この仮説を確認し且つSFPの合成のための有用な比をよりよく定義するために、更なる実験を実施した(表9)。
Figure 2009108027
これらの実験から、少なくとも1:1のモル比(硫酸第二鉄:クエン酸2ナトリウム)が適切であったと結論づけられた。更に鉄に対するピロホスフェートのモル比が0.5:1を超えた場合、生成物はますます不溶性になった。これらの観察結果を念頭において、1:1:0.5の硫酸第二鉄とクエン酸2ナトリウムとピロリン酸4ナトリウムのモル比を、スケールアップした実験用に選択した。
実施例7:スケール変更された実験
標準化された条件(表10)を用いて、幾つかのスケールで反応を行った。1:1:0.5のFe:シトレート:PPiのモル比を用いた。水中におけるクエン酸2ナトリウム及びピロリン酸4ナトリウムの溶液を約50℃に加温した。硫酸第二鉄の固体を添加し、反応混合物を撹拌した。暗緑色の溶液が得られた。メタノールを一回で添加し、溶液を激しく撹拌した。ライムグリーンの析出物が生じ、凝集を防止するために反応混合物を数分間激しく撹拌した。微細粉体化された析出物を濾過によって単離し、空気乾燥し、次いで50℃、真空下で3時間乾燥した。(これらの乾燥条件下では、ホスフェートへの加水分解は観察されなかった。)材料については表10に示すように特徴付けられた。参照として、従来のSFPを対照剤として使用した。アウトライヤーと考えられる実験(4867)を除いて、結果は再現可能であった。
Figure 2009108027
実施例8:乾燥温度の効果
医薬品工業における標準的作業においては、材料は105℃で(恒量に)乾燥される。しかし、この作業を実施した場合、生成物のアニオン組成は[シトレート+ピロホスフェート]から[シトレート+ピロホスフェート+ホスフェート]に変化した。生成物中のピロホスフェートの加水分解が加熱によって引き起こされるのかどうかを確認するために単純な実験を実施した。反応は、ホスフェートが得られないことが既に観察された条件下で実施された。固体生成物の半分を周囲温度及び圧力で乾燥し、残り半分を105℃で乾燥した。空気乾燥された材料はホスフェートを有さなかったことが明らかになり、オーブンで乾燥された材料は、理論通りに5.1%のホスフェートを含有したことが明らかになった。
実施例9:本発明のピロリン酸クエン酸第二鉄キレートの調製:方法A
クエン酸水素ナトリウムセスキ水和物(Na・1.5 HO;MW 263.11;0.038モル;10.0g)及びピロリン酸4ナトリウム10水和物(Na・10 HO;MW 446.06;0.019モル;8.5g)を250mLのエルレンマイヤーフラスコ内に置いた。25mLのHO(2gの硫酸第二鉄につき5mL)を添加した後、撹拌しながら反応混合物を約50〜55℃に加熱した。固体を溶解して透明で無色の溶液を得た。完全溶解を確実にするために反応混合物を数分間約50℃に保った。
Fe(SO水和物の固体(75.9%のFe(SO;0.019モル;10g)を数部添加した際、反応混合物を熱から取り出し、撹拌しながら室温に冷却させた。このようにして、透明で暗緑色の溶液を得た。撹拌速度を上昇させて溶液を激しく撹拌させ、メタノール(70mL;2gの硫酸第二鉄につき14mL)を1部添加した。薄い緑色の析出物が生じた。メタノールの添加後更に5分間、上澄液及び析出物を撹拌し、次いで固体析出物を真空下で濾過によって単離した。フィルターチップから離れる液滴の間隔が約30秒になるまで、湿式ケーキを空気乾燥させた。
薄い黄緑色の固体である湿式ケーキを、予め秤量したパイレックス(登録商標)皿に移し、70〜75℃及び−760mmHgの真空オーブン内に置いた。前記固体をオーブン内で24時間乾燥させ、24時間目に取り出してベンチ天板上で室温に冷却させた。次いで冷却された固体を秤量し、70〜75℃及び−760mmHgの乾燥オーブン内に戻した。2時間後、材料を取り出し、もう一度周囲温度に冷却させ、再秤量した。重量の変化はなかった。(更に重さが失われた場合、更なる乾燥のために上述の条件のオーブン内に乾燥固体を戻した。)更なる乾燥が必要ない場合、固体を乳鉢及び乳棒において粉砕して最終的な粉末状の材料を得ることができた。
3回の実験を実施し、表11に示す結果を得た。
Figure 2009108027
実施例10:本発明のピロリン酸クエン酸第二鉄キレートの調製:方法B
クエン酸3ナトリウム2水和物(Na・2 HO;MW 294.1;0.038モル;11.2g)及びピロリン酸4ナトリウム10水和物(Na・10 HO;MW 446.06;0.019モル;8.5g)を、125mLのエルレンマイヤーフラスコ内に置いた。25mLのHO(2gの硫酸第二鉄水和物につき5mL)を添加し、ホットプレート上に反応容器を置いてよく撹拌した。温度を80〜85℃に上昇させた。一旦全ての可視の固体を溶解させ、溶解を確実にするために透明且つ無色の溶液の温度を約80℃で数分間保った。熱源は取り除き、撹拌を継続した。
次いで、Fe(SO水和物の固体(75.9%Fe(SO;0.019モル;10g)を数部添加し、反応混合物を室温(24℃)に冷却させた。これによって暗緑色の溶液が得られた。この時点で撹拌速度を上昇させて溶液を激しく撹拌させた。次いでメタノール(70mL)(2gの硫酸第二鉄につき14mL)を1部添加し、激しい撹拌を継続した。薄い緑色の析出物が生じた。メタノールの添加後数分間、析出物及び上澄液を撹拌した。次いで前記固体を真空下で濾過によって単離し、フィルターチップから離れる液滴の間隔が約30秒になるまで空気乾燥させた。
所望の生成物である湿式の薄い黄緑色の固体を、予め秤量したパイレックス(登録商標)皿に移し、70〜75℃及び−760mmHgの真空オーブン内に置いた。前記固体をオーブン内で24時間乾燥させ、24時間目に取り出してベンチ天板上で室温に冷却させた。次いで冷却された固体を秤量し、70〜75℃及び−760mmHgの乾燥オーブン内に戻した。2時間後、材料を取り出し、もう一度周囲温度に冷却させ、再秤量した。重量の変化がない場合、乾燥固体を保管用アンバーガラス瓶に移した。重量変化を観測したならば、材料を上記の通りに乾燥した。
2回の実験を実施し、表12に示す結果を得た。
Figure 2009108027
実施例11:本発明のピロリン酸クエン酸第二鉄キレートの調製:方法C
クエン酸(C;MW 192.12;0.01265モル;2.43g)、クエン酸3ナトリウム2水和物(Na・2 HO;MW 294.1;0.0243モル;7.44g)及びピロリン酸4ナトリウム10水和物(Na・10 HO(MW 446.06;0.019モル;8.5g)を、250mLのエルレンマイヤーフラスコ内に置いた。25mLのHO(2gの硫酸第二鉄につき5mL)を添加した後、よく撹拌しながら反応混合物を約50〜55℃に加熱した。固体を溶解して透明で無色の溶液を得た。完全溶解を確実にするために反応混合物を数分間約50℃に保った。
Fe(SO水和物の固体(75.9%のFe(SO;0.019モル;10g)を数部添加した際、反応混合物を熱から取り出し、よく撹拌しながら室温に冷却させた。このようにして、透明で、暗緑色の溶液を得た。この時点で撹拌速度を上昇させて溶液を激しく撹拌させ、次いでメタノール(70mL;2gの硫酸第二鉄につき14mL)を1部添加した。薄い緑色の析出物が生じた。メタノールの添加後更に5分間、反応混合物を撹拌させ、次いで前記固体を真空下で濾過によって単離した。フィルターチップから離れる液滴の間隔が約30秒になるまで、湿式ケーキを空気乾燥させた。
薄い黄緑色の固体である湿式ケーキを、予め秤量したパイレックス(登録商標)皿に移し、70〜75℃及び−760mmHgの真空オーブン内に置いた。前記固体をオーブン内で24時間乾燥させ、24時間目に取り出してベンチ天板上で室温に冷却させた。次いで冷却された固体を秤量し、70〜75℃及び−760mmHgの乾燥オーブン内に戻した。2時間後、材料を取り出し、もう一度周囲温度に冷却させ、再秤量した。1%超の重量の変化はなかった。(必要であると考えられるならば、更なる乾燥のために上述の条件のオーブン内に乾燥固体を戻すことができる。)
実施例12:本発明のピロリン酸クエン酸第二鉄キレートの短時間安定性
10gの乾燥固体1部を粉砕し、風袋を計量したガラス皿上に置いた。皿をアルミニウム箔でカバーし、ベンチ天板上に置いた。24時間毎に6日間連続して皿を再秤量した。
実施例13:水への溶解度
本発明のピロリン酸クエン酸第二鉄キレートの秤量された部分を1mLの水に添加した。各添加後、スラリーを撹拌し、溶解をモニターした。1グラムのキレートを添加した後でさえ、溶液は飽和しなかった。従って、前記キレートは、水1ミリリットル当たり1グラムを超える溶解度を有しており、それは、米国薬局方の定義により、非常に水溶性である。
実施例14:溶解速度
各試験品の1.0gの部分を、磁気攪拌子が入ったガラスビーカー内に置いた。100mLの濃縮重炭酸塩水溶液を各試験品に添加した。スラリーを撹拌し、完全溶解までの時間をモニターした。実験データを表13にまとめる。
Figure 2009108027
上の説明は、好ましい実施態様のみのものであると判断される。本発明の改変は、当業者及び本発明を製造又は使用する人々によってなされよう。それ故、図面に示された実施態様や上記された実施態様は、単に例証を示す目的のためのものであって、均等論を含む特許法の原理に従って解釈される添付の請求項によって定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。

Claims (23)

  1. 水溶性で固形の第二鉄ピロリン酸クエン酸キレート組成物であって、
    鉄クエン酸ピロリン酸と、
    重量で2%以下のホスフェートとを含有する第二鉄ピロリン酸クエン酸キレート組成物。
  2. 重量で7%〜11%の鉄、14%〜30%のシトレート、10%〜20%のピロホスフェートを含有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 1ミリリットルの水に対し少なくとも1gの割合で水に可溶である、請求項1に記載の組成物。
  4. 重量で1.5%以下のホスフェートが存在する、請求項1に記載の組成物。
  5. 重量で1%以下のホスフェートが存在する、請求項1に記載の組成物。
  6. 重量で0.1%以下のホスフェートが存在する、請求項1に記載の組成物。
  7. クエン酸イオン源と、ピロリン酸イオン源と、第二鉄イオン源とを水中で合わせて溶液を形成し、
    得られた溶液から固形の第二鉄ピロリン酸クエン酸キレート組成物を沈澱させるために十分な量の有機溶媒を添加し、次いで
    固形の第二鉄ピロリン酸クエン酸キレート組成物を単離することを含む、水溶性で固形の第二鉄ピロリン酸クエン酸キレート組成物を調製する方法であって、当該キレート組成物は、重量で2%以下のホスフェートを含有する方法。
  8. 前記固形の第二鉄ピロリン酸キレート組成物は、重量で7%〜11%の鉄、14%〜30%のシトレート、10%〜20%のピロホスフェートを含有する、請求項7に記載の方法。
  9. クエン酸イオン源、ピロリン酸イオン源、及び第二鉄イオン源の量は、第二鉄イオン:クエン酸イオン:ピロリン酸イオンのモル比が0.9〜1.1:0.9〜1.1:0.45〜0.55である、請求項7に記載の方法。
  10. クエン酸イオン源、ピロリン酸イオン源、及び第二鉄イオン源はそれぞれ含有する、アルミニウム、アンチモン、ヒ素、ビスマス、カドミウム、銅、鉛、水銀、モリブデン、タリウム及びスズの各金属の量は、前記各イオン源1g当たり250マイクログラム未満である、請求項7に記載の方法。
  11. ピロリン酸イオン源が含有するホスフェートは0.1%未満である、請求項7に記載の方法。
  12. ピロリン酸イオン源が含有するホスフェートは0.01%未満である、請求項7に記載の方法。
  13. クエン酸イオン源、ピロリン酸イオン源、及び第二鉄イオン源を溶解させるために用いる前記水の量は、第二鉄イオン源1gに対し1.5ミリリットル〜10ミリリットルである、請求項7に記載の方法。
  14. 第二鉄イオン源の添加に先立ち前記溶液を70℃〜85℃に加熱し、第二鉄イオン源の添加後、第二鉄イオン源が完全に溶解するまで、温度を70℃〜85℃に維持する、請求項7に記載の方法。
  15. 第二鉄イオン源が完全に溶解した後、溶液の温度を15℃〜75℃の範囲に入るまで低下させてピロホスフェートの加水分解を防ぐ、請求項14に記載の方法。
  16. 有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、アセトニトリル、アセトン、2−ブタノン及びこれら溶媒の組合せから選択される、請求項7に記載の方法。
  17. 有機溶媒は、溶解した第二鉄イオン源、溶解したクエン酸イオン源、および溶解したピロリン酸イオン源を含有する溶液に、第二鉄イオン源1gあたり10〜25ミリリットルの量において添加される、請求項7に記載の方法。
  18. 前記固形の第二鉄ピロリン酸クエン酸キレートは、温度80℃以下で乾燥される、請求項7に記載の方法。
  19. 第二鉄イオン源は、硫酸第二鉄、硫酸第二鉄水和物、塩化第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム及びこれら材料の組合せから選択され、
    クエン酸イオン源は、クエン酸、クエン酸1ナトリウム、クエン酸2ナトリウム、クエン酸3ナトリウム及びこれら材料の組合せから選択され、
    ピロリン酸イオン源は、ピロリン酸2水素2ナトリウム、ピロリン酸4ナトリウム及びこれら両材料の組合せから選択される、請求項7に記載の方法。
  20. ホスフェート含有量が重量で2%未満である固形の第二鉄ピロリン酸クエン酸キレート組成物を治療的有効量において含有する経口又は非経口投与形態物を包含する医薬組成物。
  21. 透析液である、請求項20に記載の組成物。
  22. 鉄欠乏の治療を必要とする被験者に対し、ホスフェート含有量が重量で2%未満である固形の第二鉄ピロリン酸クエン酸キレート組成物を治療的有効量において含有する経口又は非経口投与形態物を包含する医薬組成物を投与することを含む、鉄欠乏を治療する方法。
  23. 投与が透析で行われる、請求項22に記載の方法。
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