JP2009106003A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の分割ステータコアを備えた回転電機において、部品点数の低減を図ることができると共に、回転電機の中心軸方向の長さが低減された回転電機を提供する。
【解決手段】回転電機100は、ステータコアにコイル線230U1〜230W6の一部が巻回されて形成されたコイル131U1〜131W6を含む環状のステータを備え、コイル線230U1〜230W6は、ステータティースに巻回されたコイル131U1〜131W6と、コイル131U1〜131W6の一方の端部からヨーク部上に引き出された端子部135U1〜135W6と、コイル131U1〜131W6の他方の端部から引き出されてヨーク部上を延び、コイル131U1〜131W6に対してステータの周方向に離れて設けられた他のコイル131U1〜131W6を含む他のコイル線230U1〜230W6の端子部135U1〜135W5に接続された配線134U1〜134W5とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は回転電機に関し、特に、複数の分割ステータコアを備えた回転電機であって、部品点数の低減および小型化が図られた回転電機に関する。
従来から、巻線の装着の容易化等を図るために、各種回転電機が提案されている。たとえば、特開2004−159427号公報に記載されたブラシレスモータは、放射状に延びるティースと、各ティースの径方向内方側端部を連結すると共に、一端を閉塞する底部が形成されたキャンとを備え、各ティースに巻線が巻回されている。各巻線をティースに装着する際には、予め巻回され、複数のコイルが形成された巻線をティースに装着することで、複数のティースに同時にコイルを装着している。そして、所定のティースから他のティースに渡る渡り線を、キャンの底部に沿って配設する。
これにより、たとえば、各ティースに巻回された各巻線をバスバ等の結線部材で接続した場合よりも、部品点数の低減を図ることができると共に、結線の容易化が図られている。
また、特開2002−199644号公報に記載された3相モータにおいては、3相のコイルから構成されたコイル集合体を含むステータを備えている。そして、各コイルの中性点を導電材料から形成されたバスバに接続し、このバスバをコイル集合体の外側に配置している。このように、コイル集合体の外周にバスバを配置することで、中性点の結線の束および中性点がコイル集合体の軸方向に隣接することがなく、モータの軸長の低減が図られている。
特開2004−159427号公報 特開2002−199644号公報
しかし、特開2004−159427号公報に記載されブラシレスモータにおいては、キャンが必須の構成となっており、備品点数の低減を図ることができず、さらに、渡り線がこのキャンの底部に配設されており、軸長の低減を十分に図ることができない。
特開2002−199644号公報に記載された3相モータにおいては、コイルは、分布巻が採用されている。一般に、この分布巻においては、コイルのと占積率が低く、さらに、1つのコイル長の長さが長いため、銅損が大きくなっている。
そこで、このような問題を解決する手段として、たとえば、ステータコアを複数の分割ステータコアで構成し、各分割ステータコアにコイルを巻回し、コイルが巻回された分割ステータコアを環状に配置してステータを構成する方法が考えられる。この手法においては、各分割ステータコアごとにコイルを巻回するので、コイルの占積率の向上を図ることができ、さらに、コイル長の長さを低減することができ、銅損の低減を図ることができる。
しかし、このように複数の分割ステータコアを備えた回転電機においては、各分割ステータコアに装着された各コイルを接続する必要がある。各コイルを接続する手法としては、たとえば、環状の配電部材を、ステータに対して、ステータの中心軸方向に隣り合う位置に配置して、この配電部材を介して各コイルを接続する手法が考えられる。
しかし、このような配電部材を配置したのでは、回転電機の中心軸方向の長さが長くなり、さらに、部品点数が多くなるという問題が生じる。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、複数の分割ステータコアを備えた回転電機において、部品点数の低減を図ることができると共に、回転電機の中心軸方向の長さが低減された回転電機を提供することである。
本発明に係る回転電機は、回転可能に設けられたロータと、ロータの周囲に配置され、環状に形成されたステータコア、およびステータコアにコイル線の一部が巻回されて形成された巻線部を含む環状のステータとを備える。
そして、上記ステータコアは、ステータの周方向に複数配列された分割ステータコアを含み、分割ステータコアは、ステータの周方向に延びるヨーク部と、該ヨーク部からロータに向けて突出し、巻線部が装着されたステータティースとを含む。そして、上記コイル線は、ステータティースに巻回された巻線部と、巻線部の一方の端部からヨーク部上に引き出された引出部と、巻線部の他方の端部から引き出されてヨーク部上を延び、巻線部に対してステータの周方向に離れて設けられた他の巻線部を含む他のコイル線の引出部に接続された配線部とを含む。
好ましくは、上記配線部は、巻線部のうち、ステータの径方向外方側の端部からヨーク部上に引き出され、引出部は、巻線部のうち、ステータの径方向内方側の端部からヨーク部上に引き出される。
好ましくは、上記ステータティースに装着され、コイル線とステータティースとを絶縁する絶縁部材をさらに備える。そして、上記絶縁部材は、ステータティースを受け入れ可能な貫通孔が形成されたステータティース受入部と、該ステータティース受入部から張り出すように形成され、ヨーク部の内周面に沿う張出部とを含む。そして、上記張出部には、巻線部からヨーク部上に配線部を案内する案内部が形成される。
好ましくは、上記絶縁部材は、配線部および引出部とヨーク部との間を絶縁するヨーク絶縁部を含む。好ましくは、上記コイル線は、該コイル線の延在方向に対して垂直な断面形状が方形形状とされ、巻線部は、ステータティースのうち、ヨーク部側に位置する基部からステータの径方向内方に位置する先端部に向けて巻き重ねて構成される。好ましくは、上記コイル線は、第1位相の交流電力が供給される第1コイル線および該第1コイル線に接続された第2コイル線と、第2位相の交流電力が供給される第3コイル線および該第3コイル線に接続された第4コイル線とを含む。
そして、上記第3コイル線の第3巻線部は、第1コイル線の第1巻線部に対して、ステータの周方向に隣り合う位置に設けられ、第2コイル線の第2巻線部は、第3コイル線の第3巻線部に対して第1巻線部と反対側に配置される。さらに、上記第4コイル線の第4巻線部は、第2巻線部に対して、第3巻線部と反対側に配置され、第1コイル線の第1配線部は、第3巻線部の外周側を通り、第2コイル線の第2引出部に接続される。上記第3コイル線の第3配線部は、第2巻線部の外周側を通り、第4コイル線の第4引出部に接続され、第3コイル線の第3引出部は、第1配線部とヨーク部との間をステータの径方向外方に向けて延び、第1配線部よりステータの径方向外方側にて、第1配線部を受け入れるように、ステータの中心軸方向に屈曲する。そして、上記第2コイル線の第2引出部は、第3配線部とヨーク部との間をステータの径方向外方に向けて延び、第3配線部よりステータの径方向外方側にて、第3配線部を受け入れるように、ステータの中心軸方向に向けて屈曲する。
本発明に係る回転電機によれば、回転電機の部品点数の低減を図ることができると共に、回転電機の中心軸方向の長さを低減することができる。
本発明の実施の形態に係る回転電機について、図1から図14を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組合わせることは、当初から予定されている。
図1は、本発明の実施の形態に係る回転電機100の断面図である。この図1に示すように、回転電機100は、回転中心線Oを中心に回転可能に支持された回転シャフト110と、この回転シャフト110に固設されたロータ120と、このロータ120の周囲に環状に配置されたステータ130とを備えている。
ロータ120は、筒状に形成されたロータコア121と、このロータコア121に形成され回転中心線O方向に延びる磁石挿入孔126内に挿入された永久磁石122とを備えている。なお、ロータコア121は、たとえば、複数の電磁鋼板を積層して構成したり、または、圧粉磁心などによって構成したりする。また、永久磁石122は、磁石挿入孔126内に充填された樹脂124によって磁石挿入孔126内に固定されている。
図2は、ステータ130の斜視図である。この図2に示すようにステータ130は、回転中心線Oを中心に環状に配置された複数の分割ステータコア150と、この分割ステータコア150に巻回されたコイル131とを備えている。
図3は、各コイル131の接続状態を示すステータ130の平面図である。図4は、各分割ステータコア150の斜視図である。この図3において、回転電機100は、図示されないインバータおよびコンバータを介してバッテリからの電力が供給されており、バッテリからの直流電力がインバータおよびコンバータによって三相交流電力に変換されて、回転電機100に供給されている。
各分割ステータコア150は、ステータ130の周方向に沿って延びるヨーク部152と、このヨーク部152から図1に示すロータ120に向けて突出するステータティース151とを備えている。
図3に示す回転電機100は、U相の交流電力が供給されるU相外部端子部136Uと、V相の交流電力が供給されるV相外部端子部136Vと、W相の交流電力が供給されるW相外部端子部136Wとを備えている。
そして、複数の分割ステータコア150V1,150U1,150W1〜150V6,150U6,150W6がステータ130の周方向に配列している。各分割ステータコア150V1,150U1,150W1〜150V6,150U6,150W6には、各々コイル線230V1,230U1,230W1〜230V6,230U6,230W6の一部が巻回されて形成されたコイル130V1,130U1,130W1〜130V6,130U6,130W6が装着されている。そして、各コイル線230V1,230U1,230W1〜230V6,230U6,230W6は、上記コイル130V1,130U1,130W1〜130V6,130U6,130W6と、このコイル130V1,130U1,130W1〜130V6,130U6,130W6の内端部に接続された端子部135V1,135U1,135W1〜135V5,135U5,135W5と、コイル130V1,130U1,130W1〜130V6,130U6,130Wの外端部に接続された配線134V1,134U1,134W1〜134U5,134W5とを備えている。
コイル線230V1のV相端子部135V1に、コイル線230V2のV相配線134V1が接続されて、V相コイル131V1とV相コイル131V2とが接続されている。コイル線230V2のV相端子部135V2に、コイル線230V3のV相配線134V2が接続されて、V相コイル131V2とV相コイル131V3とが電気的に接続されている。コイル線230V3のV相端子部135V3に、コイル線230V4のV相配線134V3が接続されて、V相コイル131V3とV相コイル131V4とが電気的に接続されている。コイル線230V4のV相端子部135V4に、コイル線230V5のV相配線134V4が接続されて、V相コイル131V4とV相コイル131V5とが電気的に接続されている。コイル線230V5のV相端子部135V5に、コイル線230V6のV相配線134V5が接続されており、V相コイル131V5とV相コイル131V6とが電気的に接続されている。
コイル線230U1のU相端子部135U1に、コイル線230U2のU相配線134U1が接続されて、U相コイル131U1とU相コイル131U2とが接続されている。コイル線230U2のU相端子部135U2に、コイル線230U3のU相配線134U2が接続されて、U相コイル131U2とU相コイル131U3とが電気的に接続されている。コイル線230U3のU相端子部135U3に、コイル線230U4のU相配線134U3が接続されて、U相コイル131U3とU相コイル131U4とが電気的に接続されている。コイル線230U4のU相端子部135U4に、コイル線230U5のU相配線134U4が接続されて、U相コイル131U4とU相コイル131U5とが電気的に接続されている。コイル線230U5のU相端子部135U5に、コイル線230U6のU相配線134U5が接続されており、U相コイル131U5とU相コイル131U6とが電気的に接続されている。
コイル線230W1のW相端子部135W1に、コイル線230W2のW相配線134W1が接続されて、W相コイル131W1とW相コイル131W2とが接続されている。コイル線230W2のW相端子部135W2に、コイル線230W3のW相配線134W2が接続されて、W相コイル131W2とW相コイル131W3とが電気的に接続されている。コイル線230W3のW相端子部135W3に、コイル線230W4のW相配線134W3が接続されて、W相コイル131W3とW相コイル131W4とが電気的に接続されている。コイル線230W4のW相端子部135W4に、コイル線230W5のW相配線134W4が接続されて、W相コイル131W4とW相コイル131W5とが電気的に接続されている。コイル線230W5のW相端子部135W5に、コイル線230W6のW相配線134W5が接続されており、W相コイル131W5とW相コイル131W6とが電気的に接続されている。
これにより、V相コイル131V1〜131V6が電気的に接続され、U相コイル131U1〜131U6が電機的に接続され、さらに、W相コイル131W1〜131W6が電気的に接続されることになる。
ここで、コイル線230V6は、中性点端子部141Vを備えており、コイル線230U6は、中性点端子部141Uを備えており、中性点端子部141Vと中性点端子部141Uとは互いに中性点接続配線138によって接続されている。さらに、コイル線230W6は、中性点端子部141Wを備えており、この中性点端子部141Wと中性点端子部141Uとは互いに、中性点接続配線137によって接続されている。そして、これら、中性点端子部141V,141U,141Vと中性点接続配線137および中性点接続配線138とによって中性点140が構成されている。
ここで、各V相コイル131V1〜131V6は、各U相コイル131U1〜131U6に対して、ステータ130の周方向に隣接している。さらに、各W相コイル131W1〜131W6は、各U相コイル131U1〜131U6に対して、各V相コイル131V1〜131V6と反対側に配置されている。
W相コイル131W6から引き出されたW相配線134W5は、U相コイル131U6、V相コイル131V6およびW相コイル131W5に対して、径方向外方側に位置する各分割ステータコア150U6,150V6,150W5のヨーク部上を延びている。そして、W相コイル131W6の引き出し位置からW相端子部135W5に向かうにしたがって、ステータ130の径方向外方側に向けて変位し、W相端子部135W5に接続されている。
このW相コイル131W6に対して、W相配線134W5の延在方向に隣接するU相コイル131U6から引き出されたU相配線134U5は、V相コイル131V6、W相コイル131W5およびU相コイル131U5に対して、径方向外方側に位置する各分割ステータコア150V6,150W5,150U5のヨーク部上を延びている。
そして、U相配線134U5は、V相コイル131V6およびW相コイル131W5の径方向外方側では、W相配線134W5に対して径方向内方側を通ると共に、U相端子部135U5に向かうにしたがって、径方向外方側に向けて変位し、U相端子部135U5に接続されている。
さらに、U相コイル131U6に対してU相配線134U5の延在方向に隣接するV相コイル131V6から引き出されたV相配線134V5は、W相コイル131W5、U相コイル131U5およびV相コイル131V5の径方向外方側に位置する各分割ステータコア150W5,150U5,150V5のヨーク部上を延びている。
そして、V相配線134V5は、W相コイル131W5の径方向外方側では、W相配線134W5およびU相配線134U5に対して径方向内方側を通り、さらに、U相コイル131U5に対して径方向外方側では、U相配線134U5の径方向内方側を通る。
このV相配線134V5においても、V相コイル131V6からの引き出し部からV相端子部135V5に向かうにしたがって、径方向外方側に向けて変位し、V相端子部135V5に接続されている。さらに、V相コイル131V6に対してV相配線134V5の延在方向に隣接するW相コイル131W5から引き出されたW相配線134W4は、U相コイル131U5、V相コイル131V5およびW相コイル131W4の径方向外方側に位置する分割ステータコア150U5,150V5,150W4のヨーク部上を延びている。そして、W相配線134W4は、U相コイル131U5に対して径方向外方側では、U相配線134U5およびV相配線134V5に対して径方向内方側を通り、さらに、V相コイル131V5に対して径方向外方側では、V相配線134V5の径方向内方側を通っている。このW相配線134W4においても、W相コイル131W5からの引き出し位置からW相端子部135W4に向かうに従って、径方向外方に向けて変位し、そして、W相配線134W4に接続されている。そして、他の配線についても、上記W相配線134W5、U相配線134U5、V相配線134V5、W相配線134W4と同様に配設されている。
このように、各コイル線230V2,230U2,230W2〜230V6,230U6,230W6の各配線134V1,134U1,134W1〜134V5,134U5,134W5が、周方向に離れて設けられたコイル130V1,130U1,130W1〜130V6,130U6,130W6同士を接続しており、従来の回転電機のように、各コイルを接続する接続配線等が不要となり、回転電機100の部品点数の低減を図ることができる。
さらに、各配線134V1,134U1,134W1〜134V5,134U5,134W5は、ステータ130の径方向に互いにずれるように配設されており、互いに回転中心線O方向に重ならないため、回転電機100の回転中心線O方向の高さが低く抑えられている。
図5は、コイル線230U5の詳細を示す斜視図である。図5に示すように、コイル線230U5は、図4に示す分割ステータコア150U5のステータティース151U5に巻回されたU相コイル131U5と、このU相コイル131U5の径方向内方側の端部から分割ステータコア150U5のヨーク部152U5上に引き出されたU相端子部135U5と、U相コイル131U5の径方向外方側の端部から引き出されたU相配線134U4とを備えている。
そして、U相端子部135U5は、U相コイル131U5の径方向内方端部である内周端部181U5から引き出されており、この内周端部181U5からステータ130の径方向外方に向けて延びる径方向延在部182U5と、この径方向延在部182U5からヨーク部152の端面に向けて垂下する垂下部183U5と、垂下部183U5の下端部からステータ130の径方向外方に向けて延びる底部184U5と、この底部184U5の端部から回転中心線O方向に立ち上がる立上部185U5とを備えている。
内周端部181U5は、回転中心線O方向に向けて延び、U相端子部135U5は、コイル線230U5のうち、内周端部181U5よりも端部側を屈曲して構成されている。このように、回転中心線O方向に向けて延びる内周端部181U5より端部側に位置する部分を屈曲して、U相端子部135Uを構成することで、U相端子部135U5を構成するときの屈曲回数を低減することができる。
そして、U相端子部135U5の垂下部183U5、底部184U5および立上部185U5とによってV相配線134V5およびW相配線134W4を受け入れ可能な受入部190U5が規定されている。この受入部190U5は、上方に向けて開口するように形成されており、底部184U5は、V相配線134V5およびW相配線134W4と、分割ステータコア150U5のヨーク部152U5との間をステータ130の径方向に向けて延びている。
U相配線134U4は、コイル線230U5の一部がステータティース151U5に巻回されて形成されたU相コイル131U5の径方向外方側の端部からヨーク部152U5上に引き出されて形成されている。このU相配線134U4は、U相コイル131U5の径方向外方に位置する端部であって、ステータ130の径方向に向けて延びている部分から引き出されている。これにより、U相配線134U4を構成するために、コイル線230U5の端部側を屈曲する屈曲回数が低減されている。すなわち、U相端子部135U5を、内周端部181U5から引き出して形成すると共に、U相配線134U4をU相コイル131U5の外周端部から引き出して形成することで、コイル線230U5の屈曲回数を低減することができ、コイル線230U5を容易に構成することができる。
そして、U相配線134U4の先端部側には、回転中心線O方向に向けて屈曲し、周方向に隣り合うコイル線230U4のU相端子部135U4に接続される接続部186U4が形成されている。
ここで、立上部185U4の表面のうち、接続部186U4と接触する部分と、接続部186U4の表面のうち、立上部185U4と接触する部分とでは、コイル線230U5およびコイル線230U4の表面に形成された絶縁被膜が取られており、互いに電気的に接続されている。なお、接続部186U4は、立上部185U4の径方向内方側の内側面に接触している。そして、たとえば、立上部185U4と、接続部186U4とは互いに半田つけなどで接着させてもよい。
また、同様に立上部185U5にも、U相コイル131U5に対して、U相配線134U4の延在方向と反対側に位置するU相コイル131U6から引き出されたU相配線134U5の接続部186U5が接続されている。
コイル線230U5は、コイル線230U5の延在方向に対して垂直な断面形状が方形形状とされている。そして、U相コイル131U5は、図4に示すステータティース151U5のうち、ヨーク部152U5側に位置する基部側から、ステータティース151U5のうち、ステータ130の径方向内方側に位置する先端部に向かうように、巻き重ねられて構成されている。これにより、断面形状が円形のコイル線と比較して占積率を向上させることができる。
なお、図5を用いて、コイル線230U5の構成について説明したが、他のコイル線230V1,230U1,230W1,230V2,230U2,230W2,230V3,230U3,230W3,230V4,230U4,230W4,230V5,230W5も同様に構成されている。
図6は、コイル線230U6の詳細を示す斜視図である。この図6に示すように、コイル線230U6は、分割ステータコア150のステータティース151に装着されるU相コイル131U6と、このU相コイル131U6の内周端部181U6から引き出された中性点端子部141Uと、この中性点端子部141Uの端部から周方向に延びる中性点接続配線138と、U相コイル131U6の外周側端部から引き出されたU相配線134U5とを備えている。
中性点端子部141Uには、コイル線230W6の中性点接続配線137が接続されており、さらに、中性点接続配線138は、中性点端子部141Vの周方向内方側の側面に接続されている。U相配線134U5の先端部は、回転中心線O方向に向けて屈曲する接続部186U5が形成されており、この接続部186U5が立上部185U5の径方向内方側の側面に接続されている。
中性点端子部141Uは、内周端部181U6の端部からステータ130の径方向外方に向けて引き出された径方向延在部182U6と、この径方向延在部182U6の端部に接続され、ヨーク部152の端面に向けて垂下する垂下部183U6と、垂下部183U6の端部に接続された底部184U6と、底部184U6の端部に接続され、回転中心線O方向に立ち上がる立上部185U6とを備えている。
この中性点端子部141Uは、W相配線134W5を受け入れるように、上方に向けて開口しており、底部184U6は、分割ステータコアのヨーク部と、W相配線134W5との間を延びている。
なお、図6を用いて、コイル線230U6について説明したが、他のコイル線230V6およびコイル線230W6も同様に構成されている。
さらに、図7は、図5に示すコイル線230U5のU相コイル131U5が装着された分割ステータコア150U5およびこの分割ステータコア150U5に装着されたインシュレータ160U5の斜視図である。分割ステータコア150U5は、ステータ130の周方向に延びるヨーク部152U5と、このヨーク部152U5からロータ120に向けて突出するステータティース151U5とを備えている。
この分割ステータコア150U5には、絶縁部材から構成されたインシュレータ160U5が装着されており、分割ステータコア150U5と、コイル線230U5とが絶縁されている。このインシュレータ160U5は、ステータティース151U5を受け入れ可能な貫通孔170U5が形成されティース受入部161U5と、このティース受入部161U5からヨーク部152U5の内表面に沿って延びる張出部162U5とを備えている。
さらに、インシュレータ160U5は、張出部162U5の径方向外方側の周面から、径方向外方に向けて張出し、ヨーク部152U5の回転中心線O方向に配列する端面を覆うヨーク絶縁部163U5,164U5を備えている。
図4および図7において、ティース受入部161U5は、ステータティース151U5の側面を支持する側壁部165U5,166U5と、ステータティース151U5の上端面および下端面を支持する上壁部168U5および下壁部167U5とを備えている。上壁部168U5の上端部には、上方に向けて突出し、U相コイル131U5の内周面を支持する突起部172U5が形成されており、下壁部167U5にも、下方に向けて突出し、U相コイル131U5の内周面を支持する突起部171U5が形成されている。
張出部162U5は、ステータティース151U5に装着されたU相コイル131U5の径方向外方側の端面を支持すると共に、ヨーク部152U5とU相コイル131U5との絶縁が図られている。そして、この張出部162U5は、ティース受入部161に装着されたU相コイル131U5からU相配線134U5をヨーク部152U5側に案内すると共に、U相配線134U5を支持する配線導入部173U5を備えている。そして、U相配線134U5は、張出部162U5に形成された配線導入口174U5からヨーク絶縁部164U5上に引き出されている。
ここで、ヨーク絶縁部164U5は、このヨーク絶縁部164U5上に配設されるU相配線134U5、U相端子部135U5、V相配線134V5およびW相配線134W4と、分割ステータコア150U5との絶縁を確保している。
図8は、分割ステータコア150U5の平面図であり、図9は、径方向外方側から見た分割ステータコア150U5の背面図である。図8に示すように、インシュレータ160U5のヨーク絶縁部164U5には、固定部材200U5が形成されている。この固定部材200U5は、固定部201U5と、この固定部201U5に対して径方向外方側に間隔を隔てて形成された固定部202U5と、固定部202U5よりも径方向外方側に間隔を隔てて形成された固定部203U5とを備えている。
図10は、U相コイル131U5およびその近傍における平面図である。この図10に示すように、W相端子部135W内をU相配線134U5とV相配線134V5とが通り、さらに、W相コイル131W5からW相配線134W4が引き出されている。
そして、W相配線134W4は、固定部201U5によって支持されており、V相配線134V5は、固定部201U5および固定部202U5によって支持されている。さらに、U相配線134U5は、固定部202U5と固定部203U5とによって支持されている。このように、各U相配線134U5、V相配線134V5およびW相配線134W4は、それぞれ固定部材200U5によって固定されており、位置ずれすることがされている。
このように構成された回転電機100においては、図3に示すU相外部端子部136UにU相交流電力が供給されて、U相コイル131U1〜131U6にU相交流電力が供給される。また、V相外部端子部136Vには、V相交流電力が供給され、V相コイル131V1〜131V6にU相交流電力が供給されされる。さらに、W相外部端子部136Wには、W相交流電力が供給され、W相コイル131W1〜131W6にW相交流電力が供給される。このように、各位相が異なる交流電力が各コイルに供給されることで、図1に示すロータ120が回転する。
本実施の形態に係る回転電機100の製造方法について、図11、図12および適宜図1から図10のいずれかを用いて、説明する。図11は、回転電機100の製造過程中の状態を示す斜視図であり、図12は、図11に示された状態の次の工程を示す斜視図である。
これら図11および図12に示すように回転電機100は、各U相配線134U,V相配線134V,W相配線134Wの延在方向と反対方向(本実施の形態においては、時計回りの方向)に順次、コイルが装着された分割ステータコア150を上方から嵌めることで環状のステータ130を形成する。
たとえば、図11は、コイル線230V1,230U1,230W1〜230V5,230U5がそれぞれ巻回された、分割ステータコア150V1,150U1,150W1〜150V5,150U5がステータ130の周方向に沿って組み立てられている。
そして、図12は、図11に示す状態から新たに、コイル線230W5が組みつけられた分割ステータコア150W5を組み付けたときの状態である。
分割ステータコア150W5は、図12に示すように、回転電機100の矢印A方向から組み付けられる。
W相配線134W4は、W相コイル131W5から引き出され、固定部材200U5、固定部材200V5および固定部材200W5によって固定され、さらに、U相端子部135U5およびV相端子部135V4によって規定された凹部内を通る。そして、W相配線134W4の先端部がW相端子部135W4の内周面と接続する。
ここで、図8において、固定部材200U5を構成する固定部201U5と、固定部202U5と、固定部203U5とは上記のように間隔を隔てて形成されており、W相配線134W4を上方から固定部201U5の側面側にはめ込むことができる。
また、他の固定部材200V5および固定部材200W5も、固定部材200U5と同様に構成されており、分割ステータコア150W5を矢印A方向からはめ込むことで、容易に、W相配線134W4を固定することができる。
さらに、U相端子部135U5およびV相端子部135V4によって規定された凹部は、矢印A方向から進入するW相配線134W4を受け入れ可能なように開口しており、矢印A方向から分割ステータコア150W5を挿入したとしても、W相配線134W4と、U相端子部135U5およびV相端子部135V4とが干渉することが抑制されている。
そして、W相配線134W5を固定部材200U5、固定部材200V5および固定部材200W5によって位置決めすることで、W相端子部135W5の内周面と、W相配線134W4の先端部とを正確に接触させることができ、容易に、W相配線134W4とW相端子部135W4との接続を行うことができる。
このように順次各割ステータコア150V1,150U1,150W1〜150V8,150U8,150W8を順次装着することで、容易にステータ130を構成することができる。その後、このステータ130をモータケースに固定すると共に、ステータ130の内周側にロータ120を配置することで回転電機100を製造することができる。
なお、上記図11および図12に示す例においては、各配線の延在方向と反対方向に向けて新たに分割ステータコア150を矢印A方向から挿入して、回転電機100を構成することとしているが、これに限られない。
図13は、回転電機100の製造過程の状態を示す斜視図であり、図14は、図13に示された状態の次の工程を示す斜視図である。
この図13に示された状態においては、コイル線230V6,230U6,230W6が装着された分割ステータコア150V1,150U1,150W1が配列している。そして、図14に示すように、配線134V5,134U5,134W5の延在方向前方側に分割ステータコア150W5を矢印B方向から挿入し、装着してもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、回転電機に関し、特に複数の分割ステータコアを備えた回転電機に好適である。
本発明の実施の形態に係る回転電機の断面図である。 ステータの斜視図である。 各コイルの接続状態を示すステータの平面図である。 各分割ステータコアの斜視図である。 コイル線の詳細を示す斜視図である。 コイル線の詳細を示す斜視図である。 図5に示すコイル線のU相コイルが装着された分割ステータコアおよびこの分割ステータコアに装着されたインシュレータの斜視図である。 分割ステータコアの平面図である。 径方向外方側から見た背面図である。 U相コイルおよびその近傍における平面図である。 回転電機の製造過程の状態を示す斜視図である。 図11に示された状態の次の工程を示す斜視図である。 回転電機の製造過程の状態を示す斜視図である。 図13に示された状態の次の工程を示す斜視図である。
符号の説明
100 回転電機、110 回転シャフト、120 ロータ、121 ロータコア、122 永久磁石、124 樹脂、126 磁石挿入孔、130 ステータ、131U U相コイル、131V V相コイル、131W W相コイル、134U U相配線、134V V相配線、134W W相配線、135U U相端子部、135V V相端子部、135W W相端子部、136U U相外部端子部、136V V相外部端子部、136W W相外部端子部、140 中性点、150 分割ステータコア、151 ステータティース、152 ヨーク部、160 インシュレータ、161 ティース受入部、162 張出部、163 ヨーク絶縁部、164 ヨーク絶縁部。

Claims (6)

  1. 回転可能に設けられたロータと、
    前記ロータの周囲に配置され、環状に形成されたステータコア、および前記ステータコアにコイル線の一部が巻回されて形成された巻線部を含む環状のステータとを備え、
    前記ステータコアは、前記ステータの周方向に複数配列された分割ステータコアを含み、前記分割ステータコアは、前記ステータの周方向に延びるヨーク部と、該ヨーク部から前記ロータに向けて突出し、前記巻線部が装着されたステータティースとを含み、
    前記コイル線は、前記ステータティースに巻回された前記巻線部と、前記巻線部の一方の端部から前記ヨーク部上に引き出された引出部と、前記巻線部の他方の端部から引き出されて前記ヨーク部上を延び、前記巻線部に対して前記ステータの周方向に離れて設けられた他の巻線部を含む他のコイル線の引出部に接続された配線部とを含む、回転電機。
  2. 前記配線部は、前記巻線部のうち、前記ステータの径方向外方側の端部から前記ヨーク部上に引き出され、前記引出部は、前記巻線部のうち、前記ステータの径方向内方側の端部から前記ヨーク部上に引き出される、請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記ステータティースに装着され、前記コイル線と前記ステータティースとを絶縁する絶縁部材をさらに備え、
    前記絶縁部材は、前記ステータティースを受け入れ可能な貫通孔が形成されたステータティース受入部と、該ステータティース受入部から張り出すように形成され、前記ヨーク部の内周面に沿う張出部とを含み、
    前記張出部には、前記巻線部から前記ヨーク部上に前記配線部を案内する案内部が形成された、請求項1または請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記絶縁部材は、前記配線部および前記引出部と前記ヨーク部との間を絶縁するヨーク絶縁部を含む、請求項3に記載の回転電機。
  5. 前記コイル線は、該コイル線の延在方向に対して垂直な断面形状が方形形状とされ、前記巻線部は、前記ステータティースのうち、前記ヨーク部側に位置する基部から前記ステータの径方向内方に位置する先端部に向けて巻き重ねて構成された、請求項1から請求項4のいずれかに記載の回転電機。
  6. 前記コイル線は、第1位相の交流電力が供給される第1コイル線および該第1コイル線に接続された第2コイル線と、第2位相の交流電力が供給される第3コイル線および該第3コイル線に接続された第4コイル線とを含み、
    前記第3コイル線の第3巻線部は、前記第1コイル線の第1巻線部に対して、前記ステータの周方向に隣り合う位置に設けられ、
    前記第2コイル線の第2巻線部は、前記第3コイル線の第3巻線部に対して前記第1巻線部と反対側に配置され、
    前記第4コイル線の第4巻線部は、前記第2巻線部に対して、前記第3巻線部と反対側に配置され、
    前記第1コイル線の第1配線部は、前記第3巻線部の外周側を通り、前記第2コイル線の第2引出部に接続され、
    前記第3コイル線の第3配線部は、前記第2巻線部の外周側を通り、前記第4コイル線の第4引出部に接続され、
    前記第3コイル線の第3引出部は、前記第1配線部と前記ヨーク部との間を前記ステータの径方向外方に向けて延び、前記第1配線部より前記ステータの径方向外方側にて、前記第1配線部を受け入れるように、前記ステータの中心軸方向に屈曲し、
    前記第2コイル線の第2引出部は、前記第3配線部と前記ヨーク部との間を前記ステータの径方向外方に向けて延び、前記第3配線部より前記ステータの径方向外方側にて、前記第3配線部を受け入れるように、前記ステータの中心軸方向に向けて屈曲する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の回転電機。
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