JP2009102535A - 多分岐ポリエーテルポリオール含有紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

多分岐ポリエーテルポリオール含有紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、印刷基材に対する密着性に優れ、かつ良好な硬化性を有する紫外線硬化型のインクジェット記録用インク組成物を提供することである。
【解決手段】本発明は、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られる多分岐ポリエーテルポリオール(A)、2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物(B)、及び酸発生剤(C)を含有することを特徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に関する。
【選択図】図3

Description

本発明は、紫外線硬化型のインクジェット記録用インク組成物に関する。
インクジェット記録装置による印刷は、ノズルよりインクを吐出し、被記録材に付着せしめる方式である。この方式は、ノズルと被記録材とが非接触状態にあるため、曲面や凹凸のある不規則な形状を有する被記録材の表面に対して、良好な印刷を行うことが出来る。このため、前記方式は、産業用途においても広範囲にわたる利用分野が期待されている印刷方式である。
前記方式に使用するインク組成物としては、主溶剤として水を用いる水性インク、主溶剤として有機溶剤を用いる油性インク、あるいは、紫外線などの活性エネルギー線で硬化、乾燥する水性及び油性インクが提案されている。
なかでも、紫外線によって硬化するインクは、乾燥性、塗膜硬化性の点で優れており、特に被記録材が金属、ガラス、プラスチックなどの、実質的にインクを吸収しない基材に対して広く適用可能であるという点で優れる。
前記したような紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物としては、主としてラジカル重合性のものとカチオン重合性のものとに大別される。
ラジカル重合性の紫外線硬化性樹脂組成物を用いた柔軟性、密着性、耐溶剤性、高靭性等の硬化後の塗膜特性に優れた紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物としては、アセタール結合、ウレタン結合、エステル結合、及びエーテル結合から選ばれる少なくとも1つの結合を介してエチレン性不飽和基を有するポリビニルアセタールを含んでなる活性エネルギー線硬化性インクが開示されている。(例えば、特許文献1参照。)
しかし、前記紫外線硬化性樹脂組成物のラジカル重合は、該組成物の硬化が十分に進行する前に、ラジカルの停止反応等に起因して停止する場合があった。
また、前記紫外線硬化性樹脂組成物のラジカル重合は、該組成物の硬化が十分に進行する前に、大気中の酸素の影響でラジカルが失活することにより、停止する場合があった。そのため、該組成物に紫外線を照射し硬化を十分に進行させるためには、例えば窒素置換された環境下で行う等の対策が必要であった。
一方で、カチオン重合性の紫外線硬化性樹脂組成物は、ラジカルに起因した硬化反応でないため、前記したようなラジカルの停止反応や酸素の影響によるラジカルの失活を引き起こさない。また、前記紫外線硬化性樹脂組成物のカチオン重合は、紫外線照射を重合途中で中止した後であっても引き続き進行する。したがって、カチオン重合性紫外線硬化型のインクであれば、前記したような問題点を解消できるのではないかと期待されている。
しかし、インクジェットインクには、印刷基材に対する優れた密着性や硬化性等の様々な特性が求められているなかで、従来のカチオン重合性の紫外線硬化型インクでは、印刷基材に対する密着性と優れた硬化性の点で実用上十分なレベルにあと一歩及ぶものではなかった。
特開2004−269690号公報
本発明が解決しようとする課題は、印刷基材に対する密着性に優れ、かつ良好な硬化性を有する紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を提供することである。
本発明者等は、カチオン重合性樹脂として原料選択の幅のある水酸基含有化合物と、酸発生剤とを含むカチオン重合性樹脂組成物をベースとして検討を開始した。
具体的には、本発明者等は、市販のポリエステルポリオールやポリエーテルポリオール等の水酸基含有化合物と、脂環式エポキシ化合物等の各種のカチオン重合性化合物と、酸発生剤とを含むカチオン重合性樹脂組成物を検討したが、目的とした印刷基材への密着性や、優れた硬化性を発現可能なインク組成物を見出すには到らなかった。
本発明者等は、更に検討を進めたなかで、前記水酸基含有化合物として、多分岐ポリエーテルポリオールを使用することによって上記課題を解決できるのではないかと考え、新規水酸基含有化合物の開発を行い検討した結果、目的とした印刷基材への密着性と優れた硬化性を両立可能なインク組成物を見出すに到った。
具体的には、ヒドロキシアルキルオキセタンと1官能エポキシ化合物とを反応させて得られる、複数の水酸基を有する新規な多分岐ポリエーテルポリオールを合成し、該多分岐ポリエーテルポリオールと、2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物と、酸発生剤とを含有するインク組成物の諸物性を検討したところ、該組成物が印刷基材への密着性と優れた硬化性を両立可能なことを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち本発明は、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られる多分岐ポリエーテルポリオール(A)、2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物(B)、及び酸発生剤(C)を含有することを特徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に関する。
本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、印刷基材に対する優れた密着性と良好な硬化性、更には実用上十分なレベルの柔軟性を有する硬化塗膜を形成することが可能であることから、実用上、極めて利用価値の高いものである。
本発明は、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られる多分岐ポリエーテルポリオール(A)、2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物(B)、酸発生剤(C)、及びその他必要に応じて各種添加剤等を含有してなる紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物である。
はじめに、本発明で使用する多分岐ポリエーテルポリオール(A)について説明する。
本発明で使用する多分岐ポリエーテルポリオールは、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られる多分岐ポリエーテルポリオールである。なお、前記「多分岐」とは、分子鎖が2以上に分岐した先で更に2以上に分岐した分子構造を意味する。
前記多分岐状のポリエーテルポリオールは、その他のポリオールを使用した場合と比較して、紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化速度を向上することが可能である。
ここで、前記ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)としては、特に問題の無い限り如何なるものを使用しても良い。また、単独で使用しても複数組み合わせて使用しても良い。前記ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)としては、例えば、下記一般式(1)で表される構造を有するものを使用することができる。
Figure 2009102535
(一般式(1)中のRは、メチレン基、エチレン基またはプロピレン基を表し、Rは、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシアルキル基、または炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基を表す。)
前記一般式(1)中のRを構成し得る炭素原子数1〜8のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、及び2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
また、前記一般式(1)中のRを構成し得る炭素原子数1〜5のアルコキシアルキル基の例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基等が挙げられる。
また、前記一般式(1)中のRを構成し得る炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基の例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、及びヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
前記ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)としては、慣性半径がより小さく、多分岐ポリエーテルポリオール(A)の低粘度、液状化に効果的であるとの観点より、一般式(1)中のRがメチレン基であり、かつ、Rが炭素原子数1〜7のアルキル基である化合物を使用することが好ましく、なかでも3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン、及び3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタンを使用することがより好ましい。
また、上記ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と開環重合反応する1官能性エポキシ化合物(a2)としては、特に問題の無い限り如何なるものも使用しても良い。また、これは単独で使用しても複数組み合わせて使用しても良い。
前記1官能性エポキシ化合物(a2)としては、例えば下記一般式(2)で示される様な化合物を使用することができる。
Figure 2009102535
(一般式(2)中、Rは有機残基を表す。)
前記式(2)中のRは、2価の有機残基等を介してエポキシ基を形成する炭素に結合して環を形成していても良く、また、前記一般式(1)中のRとして例示したものと同様のものであっても良い。
前記1官能性エポキシ化合物(a2)としては、より具体的には、オレフィンエポキサイド、グリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物等を使用することができる。
前記オレフィンエポキサイドとしては、特に限定されないが、具体例としては、プロピレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、1−ペンテンオキサイド、1−ヘキセンオキサイド、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシドデカン、シクロヘキセンオキシド、シクロオクテンオキシド、シクロドデセンオキシド、スチレンオキシド、及び、フッ素原子数1〜18のフロロアルキルエポキシド等を使用することができる。
前記グリシジルエーテル化合物としては、特に限定されないが、具体例としては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジルエーテル、i−プロピルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、i−ブチルグリシジルエーテル、n−ペンチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシル−グリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、アリールグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−メチルフェニルグリシジルエーテル、4−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル、4−メトキシフェニルグリシジルエーテル、及び、1〜18のフッ素原子数を有するフロロアルキルグリシジルエーテル等を使用することができる。
前記グリシジルエステル化合物としては、特に限定されないが、具体例としては、グリシジルアセテート、グリシジルプロピオネート、グリシジルブチレート、グリシジルメタクリレート、及びグリシジルベンゾエート等を使用することができる。
前記した1官能性エポキシ化合物(a2)としては、多分岐ポリエーテルポリオール(A)の低粘度、液状化に効果的であるとの観点よりオレフィンエポキサイドを使用することが好ましく、なかでもプロピレンオキサイド、1−ブテンオキサイド、1−ペンテンオキサイド、または1−ヘキセンオキサイドを使用することがより好ましい。
前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)は、例えば前記ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と前記1官能性エポキシ化合物(a2)との開環重合反応により製造することができる。かかる製造方法としては、例えば以下の(方法1)〜(方法4)の方法が挙げられるが、特に限定される訳ではない。
(方法1)
ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と、1官能性エポキシ化合物(a2)とを、モル基準で、[ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)/1官能性エポキシ化合物(a2)]=1/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/6、より好ましくは1/1〜1/3となる割合で混合する。得られた混合物と、パーオキサイドフリーの有機溶剤、例えば、ジエチルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−i−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、t−アミルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルまたはジオキソランとを、[{(a1)+(a2)}/有機溶剤]の質量比が、1/1〜1/5、好ましくは1/1.5〜1/4、更に好ましくは1/1.5〜1/2.5となる割合で混合、溶解したものを原料溶液とする。
次に、重合開始剤、またはその有機溶剤溶液を0.1〜1時間、好ましくは0.3〜0.8時間、より好ましくは0.3〜0.5時間かけて、−10℃〜−15℃に冷却された原料溶液中に攪拌しながら滴下する。
前記重合開始剤は、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と、1官能性エポキシ化合物(a2)との全モル量に対して好ましくは0.01〜1.0モル%、より好ましくは0.03〜0.7モル%、特に好ましくは0.05〜0.5モル%なる割合で使用できる。
前記重合開始剤としては、特に問題の無い限り如何なるものも使用できる。例えば、HSO、HCl、HBF、HPF、HSbF、HAsF、p−トルエンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸などのブロンステッド酸、BF、AlCl、TiCl、SnClなどのルイス酸、トリアリールスルフォニウム−ヘキサフルオロホスフェート、トリアリールスルフォニウム−アンチモネート、ジアリールイオドニウム−ヘキサフルオロホスフェート、ジアリールイオドニウム−アンチモネート、N−ベンジルピリジニウム−ヘキサフルオロホスフェート、N−ベンジルピリジニウム−アンチモネートなどのオニウム塩化合物、トリフェニルカルボニウム−テトラフルオロボレート、トリフェニルカルボニウム−ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルカルボニウム−ヘキサフルオロアンチモネートなどのトリフェニルカルボニウム塩、p−トルエンスルホニルクロライド、メタンスルホニルクロライド、トリフルオロメタンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸メチルエステル、p−トルエンスルホン酸エチルエステル、メタンスルホン酸メチルエステル、トリフルオロメタンスルホン酸メチルエステル、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステルなどのアルキル化剤等を挙げることができる。
前記重合開始剤としては、反応性を向上する観点から、HPF、HSbF、HAsF、トリフェニルカルボニウム−ヘキサフルオロホスフェート、BFを使用することが好ましく、なかでもHPF、トリフェニルカルボニウム−ヘキサフルオロホスフェート、及びBFを使用することがより好ましい。
前記重合開始剤を有機溶剤溶液として使用する場合の有機溶剤としては、パーオキサイドフリーの有機溶剤、例えば、ジエチルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−i−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテル、t−アミルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルまたはジオキソランを使用することができる。
また、前記重合開始剤の有機溶剤溶液を使用する場合、反応性を向上する観点から、当該溶液中の重合開始剤の濃度は、1〜90質量%、好ましくは10〜75質量%、より好ましくは25〜65質量%である。
滴下終了後、この重合開始剤を含む原料溶液が25℃になるまで攪拌し、次にリフラックスする温度まで加熱し、0.5〜20時間かけてヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と、1官能性エポキシ化合物(a2)とが全て多分岐ポリエーテルポリオールに転化するまで重合反応を行うことによって重合体溶液を得る。尚、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)との転化率は、GC、NMR、またはIRスペクトルによって確認し制御することができる。
重合反応終了後、得られた重合体溶液を、前記重合開始剤と同当量の水酸化アルカリ水溶液やナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシドにより中和する。中和後の重合体溶液を濾過し、溶媒で目的物である多分岐ポリエーテルポリオールを抽出した後、減圧下で有機溶剤を留去することによって、多分岐ポリエーテルポリオールを得ることができる。
(方法2)
ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とを、モル基準で、[ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)/1官能性エポキシ化合物(a2)]=1/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/6、多分岐構造を形成するうえで、より好ましくは1/1〜1/3となる割合で混合した混合物を調製する。
次に、重合開始剤溶液を製造する。重合開始剤としては、前記方法1に記載したものと同様のものが使用できる。重合開始剤の使用量としては、前記方法1に記載した量と同じになる様に調整する。使用する有機溶剤としては、前記方法1に記載した有機溶剤と同様のものが使用できる。使用する有機溶剤の量は、[{前記混合物}/有機溶剤]の質量比が、1/0.25〜1/5、好ましくは1/0.3〜1/3.5、より好ましくは1/0.5〜1/2の範囲である。
次に、前記重合開始剤溶液を10℃〜60℃に調整し、攪拌しながら前記混合物を0.1〜20時間、好ましくは2〜10時間かけて滴下する。滴下終了後、攪拌しながら20℃〜60℃の温度で維持し、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とが全て多分岐ポリエーテルポリオールに転化するまで重合反応を行う。ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)との転化率は、GC、NMR、またはIRスペクトルによって確認し制御することができる。反応終了後は、前記方法1と同様にして中和及び濾過を行った後に有機溶剤を留去することによって、多分岐ポリエーテルポリオールを得ることができる。
(方法3)
ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と、1官能性エポキシ化合物(a2)とを、モル基準で、[ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)/1官能性エポキシ化合物(a2)]=1/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/6、より好ましくは1/1〜1/3となる割合で混合する。得られた混合物と、70℃以上の沸点を有する炭化水素系の有機溶剤、例えば、n−ヘプタン、i−オクタン、シクロヘキサンとを、[{(a1)+(a2)}/有機溶剤]の質量比が、1/1〜1/10、好ましくは1/2〜1/7、更に好ましくは1/2.5〜1/3.5となる割合で混合、溶解したものを原料溶液とする。前記有機溶剤としては、溶解性に優れるシクロヘキサンを使用することが好ましい。
次に、重合開始剤を、0〜25℃、好ましくは5〜15℃、より好ましくは10〜15℃に保持した前記原料溶液中に攪拌下で投入する。重合開始剤としては、前記方法1に記載したものと同様のものが使用できる。重合開始剤の使用量としては、前記方法1に記載した量と同じになる様に調整する。
混合直後は、系内が不均一系になって25〜40℃まで系内温度が上昇する場合がある。その場合には、系内を15〜25℃まで冷却する。次に、系内を40〜70℃、好ましくは50〜60℃に加熱して、1〜5時間、好ましくは2〜3時間の間、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とが全て多分岐ポリエーテルポリオールに転化するまで重合反応を行う。ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)との転化率は、GC、NMR、またはIRスペクトルによって確認し制御することができる。
反応終了後は、方法1と同様にして中和及び濾過を行った後で有機溶剤を留去することにより多分岐ポリエーテルポリオールを得ることができる。
(方法4)
ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とを、モル基準で、[ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)/1官能性エポキシ化合物(a2)]=1/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/6、より好ましくは1/1〜1/3となる割合で混合した混合物を調製する。
次に、重合開始剤溶液を製造する。重合開始剤としては、前記方法1に記載したものと同様のものが使用できる。重合開始剤の使用量としては、前記方法1に記載した量と同じになる様に調整する。使用する有機溶剤としては、前記手法3に記載した有機溶剤と同様のものが使用できる。使用する有機溶剤の量は、[{前記混合物}/有機溶剤]の質量比が、1/0.25〜1/5、好ましくは1/0.3〜1/3.5、より好ましくは1/0.5〜1/2の範囲である。
次に、前記重合開始剤溶液を0℃〜25℃、好ましくは5℃〜15℃、特に好ましくは10℃〜15℃に調整し、攪拌しながら前記混合物を0.1〜20時間、好ましくは2〜10時間かけて、系内が20〜35℃になる様に保持しながら連続的に滴下する。滴下終了後、攪拌しながら系内を20℃〜25℃に調整する。次に、系内を40〜70℃、好ましくは50〜60℃に加熱して、1〜5時間、好ましくは2〜3時間の間、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)とが全て多分岐ポリエーテルポリオールに転化するまで重合反応を行う。ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能性エポキシ化合物(a2)との転化率は、GC、NMR、またはIRスペクトルによって確認し制御することができる。反応終了後は、前記方法1と同様にして中和及び濾過を行った後に有機溶剤を留去することによって、多分岐ポリエーテルポリオールを得ることができる。
前記方法で得られた多分岐ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,000〜4,000であり、より好ましくは1,300〜3,500である。
また、前記多分岐ポリエーテルポリオールの水酸基価は、好ましくは150〜350mg・KOH/g、より好ましくは170〜330mg・KOH/gである。
かかる範囲の数平均分子量及び水酸基価を有する多分岐ポリエーテルポリオールは、常温で低粘度の液状であり、良好な流動性を示す為、2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物(B)、酸発生剤(C)等との配合が容易であり、また該多分岐ポリエーテルポリオールを使用した紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物は吐出性が良く、また、基材への濡れ性に優れる。
尚、前記した液状とは、室温で流動性を有することを意味し、具体的には、配合の容易さの観点よりBH型回転粘度計による粘度が、100Pa・s(25℃)以下である状態をいう。
また、前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)の具体的構造には、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と、1官能性エポキシ化合物(a2)とを開環重合反応させて得られる種々の構造が含まれ得る。
具体例を挙げれば、例えば、下記一般式(1)で表されるヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と、下記一般式(2)で表される1官能性エポキシ化合物(a2)とを開環反応させた場合には、以下の様な構造単位が含まれる。即ち下記の構造で表される、繰り返し単位、及び、末端構造単位の中から適宜選択される構造単位によって、前記多分岐ポリエーテルポリオールは構成され得る。
Figure 2009102535
(一般式(1)中のRは、メチレン基、エチレン基またはプロピレン基を表し、Rは、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシアルキル基、または炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル基を表す。)
Figure 2009102535
(一般式(2)中、Rは有機残基を表す。またRは2価の有機残基などを介してエポキシ基を形成する炭素に結合して環を形成していても良い。またRはRの例から選択される基であっても良い。)
Figure 2009102535
Figure 2009102535
ここで、前記OR1〜OR3、OE1、OE2、ER1、EE1、及びEE2の各構造単位の実線部分は当該構造単位内の単結合を示し、破線部分は、その構造単位とその他の構造単位との間でエーテル結合を形成する単結合を示す。
また、前記OR1〜OR3、OE1、及びOE2は、ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)に起因する構造単位であって、そのうちOR1〜OR3は繰り返し単位を表し、OE1及びOE2は多分岐ポリエーテルポリオール(A)の末端構造単位を表す。
また、ER1、EE1、及びEE2は、前記1官能性エポキシ化合物(a2)に起因する構造単位であって、そのうちER1は繰り返し単位を表し、EE1及びEE2は多分岐ポリエーテルポリオール(A)の末端構造単位を表す。
上記多分岐ポリエーテルポリオール(A)は、前記OR1〜OR3及びER1から選択される繰り返し単位によって、連続する多分岐構造が形成され得る。そしてその多分岐構造の末端に前記OE1、OE2、EE1、及びEE2から選択される末端構造単位を有することができる。尚、これらの繰り返し単位及び末端構造単位は、特に問題の無い限りどのような構成で存在しても良く、またどのような割合や量で存在していても良い。例えば、繰り返し単位及び末端構造単位はランダムに存在していても良いし、OR1〜OR3が分子構造の中心部分を構成し、末端に前記末端構造単位を有するものであって良い。
また、前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)は、その分子構造中に1級水酸基及び2級水酸基を有することが好ましい。とりわけ、2級水酸基の反応遅延性に起因して、本発明のインクの可使時間を、ある程度長時間確保することができるものと推定される。
また、前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)の分子構造は、多分岐に起因して球状形状や樹枝形状等の三次元的な構造を有する。このとき、水酸基は、前記形状の外側を向いて存在すると推定される。したがって、2級水酸基の存在によって反応速度が低下した場合であっても、最終的には多分岐ポリエーテルポリオール中に存在するほとんどの水酸基が反応に十分に関与できるため、本発明のインクの硬化物の架橋密度を格段に向上できるものと考えられる。
このように、本発明のインクの十分な長さの可使時間と得られる硬化物の優れた硬化性とを向上し、かつインクとしての低粘度化を図る観点から、前記多分岐ポリエーテルポリオール接着剤中の前記2級水酸基の数は、全水酸基の数に対して、25〜70%であることが好ましく、25〜60%であることがより好ましい。
次に、本発明で使用する2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物(B)について説明する。
前記脂環式エポキシ化合物(B)が有する脂環式エポキシ基とは、脂環式化合物の脂環式構造を形成する炭素原子のうちの2個の炭素原子(通常は互に隣接する炭素原子)に共通の酸素原子1個が結合したエポキシ基をいう。
また、前記脂環式エポキシ化合物(B)としては、特に限定される訳ではないが、2〜4個の脂環式エポキシ基を有する化合物を使用することが、印刷基材への密着性の向上と優れた硬化性とを両立可能な紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を得るうえで好ましい。
前記脂環式エポキシ化合物(B)としては、例えば、下記一般式(3)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(式中、aが0の化合物。)、そのカプロラクトン変性物(式中、aが1の化合物。)、そのトリメチルカプロラクトン変性物(構造式(4)及び構造式(5))、及びそのバレロラクトン変性物(構造式(6)及び構造式(7))や、構造式(8)で示される化合物を使用することができる。
Figure 2009102535
前記一般式(3)中、aは0または1を表す。
Figure 2009102535
Figure 2009102535
Figure 2009102535
Figure 2009102535
Figure 2009102535
前記一般式(3)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート及びそのカプロラクトン変性物としては、例えば、セロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2080、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085(以上、ダイセル化学工業(株)製)、サイラキュアUVR−6105、サイラキュアUVR−6107、サイラキュアUVR−6110(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)等の市販品を使用することができる。
また、前記一般式(8)で示されるアジピン酸エステル系の脂環式エポキシ化合物としては、例えばサイラキュアUVR−6128(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)等の市販品を使用することができる。
また、脂環式エポキシ基を3個有する脂環式エポキシ化合物としては、下記一般式(9)で示される化合物を使用することができる。
Figure 2009102535
一般式(9)中、b及びcは、それぞれ独立して0または1であり、それらは同一であっても異なっていても良い。
一般式(9)で示される脂環式エポキシ化合物としては、例えばエポリードGT301、エポリードGT302(以上、ダイセル化学工業(株)製)等の市販品を使用することができる。
また、脂環式エポキシ基を4個有する脂環式エポキシ化合物としては、例えば下記一般式(10)で示される化合物を使用することができる。
Figure 2009102535
前記一般式(10)中、d〜gは、それぞれ独立して0または1を示し、それらは同一であっても異なっていても良い。
前記一般式(10)で示される脂環式エポキシ化合物としては、例えば、エポリードGT401、エポリードGT403(以上、ダイセル化学工業(株)製)等の市販品を使用することができる。
本発明紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物中に含まれる、前記脂環式エポキシ化合物(B)の含有量は、特に限定される訳ではないが、前記脂環式エポキシ化合物(B)の有する脂環式エポキシ基と、前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)の有する水酸基とのモル割合[脂環式エポキシ化合物(B)の有する脂環式エポキシ基/多分岐ポリエーテルポリオール(A)の有する水酸基]が、1以上である範囲が好ましく、1〜5の範囲であることがより好ましい。かかる範囲の脂環式エポキシ化合物(B)を含有する紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、硬化性に優れる。
次に、本発明で使用する酸発生剤(C)について説明する。
本発明で使用する酸発生剤(C)としては、例えば、光酸発生剤、熱酸発生剤等を単独で使用または2種以上を併用することができる。
光酸発生剤とは、紫外線照射によりカチオン重合を開始することのできる酸を発生する化合物を意味し、熱酸発生剤とは、熱によりカチオン重合を開始することのできる酸を発生する化合物を意味する。
前記光酸発生剤としては、例えば、カチオン部分が、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、チアンスレニウム、チオキサントニウム、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Feカチオンであり、アニオン部分が、BF-、PF-、SbF-、[BX-(但し、Xは少なくとも2つ以上のフッ素またはトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)で構成されるオニウム塩を単独で使用または2種以上を併用することができる。
前記芳香族スルホニウム塩としては、例えばビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えばフェニルジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族アンモニウム塩としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記チオキサントニウム塩としては、S−ビフェニル 2−イソプロピル チオキサントニウム ヘキサフルオロホスフェート等を使用することができる。
また、前記(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe塩としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
前記光酸発生剤としては、例えば、CPI−100P、CPI−101A、CPI−200K(以上、サンアプロ(株)製)、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6990、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6992、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6976(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172(以上、旭電化工業(株)製)、CI−5102、CI−2855(以上、日本曹達(株)製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−180L、サンエイドSI−110、サンエイドSI−180(以上、三新化学工業(株)製)、エサキュア1064、エサキュア1187(以上、ランベルティ社製)、オムニキャット550(アイジーエム レジン社製)、イルガキュア250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、ロードシル フォトイニシエーター2074(RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(ローディア・ジャパン(株)製)等が市販されている。
前記酸発生剤(C)の使用量は特に限定される訳ではないが、前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)と前記脂環式エポキシ化合物(B)との全量対し、0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは1.0〜7.5質量%の範囲であることが望ましい。前記範囲内の酸発生剤(C)を使用することによって、優れた貯蔵安定性、優れた硬化性、及び良好な基材への密着性を示す紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を得ることができ、特に、基材が金属である場合には、該インク組成物からなる硬化物中に残存する酸による腐食等の劣化を抑制することができる。
また、本発明のインク組成物には、前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)、前記脂環式エポキシ化合物(B)、前記酸発生剤(C)の他に、更にカチオン重合性を有するオキセタン化合物(D)を併用しても良い。前記オキセタン化合物(D)を併用することにより、紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化性を更に向上させることが可能となる。
前記オキセタン化合物(D)とは、下記構造式(11)で示されるオキセタン環構造を分子中に有する化合物を意味する。
Figure 2009102535
オキセタン化合物(D)としては、例えば下記一般式(12)、(13)、(14)で示される化合物等を単独で使用または2種以上を併用することができる。
Figure 2009102535
Figure 2009102535
Figure 2009102535
上記一般式(12)、(13)、(14)において、Rは水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、フリル基またはチエニル基を表し、Rは水素原子、炭素原子数1〜8の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、芳香環を有する基、炭素原子数2〜6のアルキルカルボニル基、炭素原子数2〜6のアルコキシカルボニル基、または炭素原子数2〜6のN−アルキルカルバモイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基を表し、Rは2価の有機残基を表し、Zは酸素原子または硫黄原子を表す。
前記Rが示す炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−もしくはt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等であり、また、アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、トリル、キシリル基等であり、また、アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル基等である。
前記Rが示す炭素原子数1〜8の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−もしくはt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基等であり、炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、例えば1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基あるいは3−ブテニル基等であり、芳香環を有する基としては、例えばフェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基あるいはフェノキシエチル基等であり、炭素原子数2〜6のアルキルカルボニル基としては、例えばエチルカルボニル基、プロピルカルボニル基あるいはブチルカルボニル基等である。
また、前記一般式(13)中、Rが表す2価の有機残基としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、4〜30個の炭素原子を有するポリ(オキシアルキレン)基、フェニレン基、キシリレン基、下記一般式(15)及び(16)で示される構造がある。
前記Rを構成する直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基は、メチレン基、エチレン基、1,2−または1,3−プロピレン基、ブチレン基、シクロヘキシレン基などの炭素原子数1〜15のアルキレン基であることが好ましい。また、4〜30個の炭素原子を有するポリ(オキシアルキレン)基は、4〜8個の炭素原子を有するものが好ましく、例えば、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基であることが好ましい。
Figure 2009102535

前記一般式(15)中、Rは酸素原子、硫黄原子、CH2、NH、SO、SO2、C(CF3)またはC(CH3)を表す。
Figure 2009102535
前記一般式(16)中、Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、アリーレン基、及び下記一般式(17)で示される官能基を示す。
Figure 2009102535
前記一般式(17)中、hは1〜6の整数を表し、iは1〜15の整数を示す。前記iは1〜3の整数であることが好ましい。
前記オキセタン化合物(D)としては、例えば、アロンオキセタンOXT−101、アロンオキセタンOXT−121、アロンオキセタンOXT−212、アロンオキセタンOXT−221(以上、東亞合成(株)製)、エタナコールEHO、エタナコールOXMA、エタナコールOXBP、エタナコールOXTP(以上、宇部興産(株)製)等が市販されている。
前記オキセタン化合物(D)を併用する場合、前記オキセタン化合物(D)の含有量は特に限定される訳ではないが、前記オキセタン化合物(D)の有するオキセタニル基と、前記脂環式エポキシ化合物(B)の有する脂環式エポキシ基とのモル割合[オキセタン化合物(D)の有するオキセタニル基/脂環式エポキシ化合物(B)の有する脂環式エポキシ基]が、0.01〜5であることが好ましく、0.1〜2.5であることがより好ましい。かかる範囲の前記オキセタン化合物(D)を含有する紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、未反応で残存する前記脂環式エポキシ化合物(B)の量を更に低減でき、より一層、硬化性に優れる。
本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、例えば以下の方法で製造することができる。
本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、例えば密閉型プラネタリーミキサー等を用いて前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)と、前記脂環式エポキシ化合物(B)、必要に応じて前記オキセタン化合物(D)を均一になるまで混合、攪拌し、次に、前記酸発生剤(C)を混合、攪拌することによって製造することができる。
本発明のインク組成物は、水や揮発性有機溶剤を含有するインクに比べて粘度が高い。このため、紫外線硬化型インクジェットプリンターにおいては、通常、ヘッドを加温してインク組成物の粘度を低下させ、安定吐出を可能としている。加温温度は70℃近くに達するものもある。インク組成物の安定吐出のためには、ヘッドの吐出機構にもよるが、ヘッドの加温温度に設定したときの粘度(吐出粘度)が、2〜50mPa・sであることが好ましく、3〜30mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3〜20mPa・sである。前記範囲内の粘度を有するインク組成物であれば安定的に吐出することが可能である。
本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物には、必要に応じて着色剤を使用することができる。
前記着色剤としては、カラー画像形成を行う上で、従来よりインクジェットに使用されている顔料及び染料等の着色剤であれば得に限定するものではないが、顔料を用いることにより、インクによって形成される絵柄に良好な耐水性、耐光性を付与させることができるため好ましい。
使用する顔料としては、例えばアゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、アンスラキノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、蛍光顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系及びカーボンブラック系などの無機顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本実施形態で使用されるインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量部ごとが好ましい。
また、前記顔料の分散性を向上させることを目的として、分散助剤を使用することもできる。
前記分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。
着色剤に顔料を用いた場合の顔料の分散は、その過程で顔料粒子の平均粒径が0.08〜0.5μmとなるよう微粒子化を行うことが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件等を適宜設定することができる。前記顔料の分散後の粒径を上記粒径範囲に入るように調整、管理することによって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
上記着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、着色材の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはアベシア社(Avecia社)のソルスパース(Solsperse)シリーズが挙げられる。
前記分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部使用することが好ましい。
また、ガラス、金属、プラスチック等の実質的にインクを吸収しない被記録材に、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を用いて画像を形成する際は、これら被記録材の表面の臨界表面張力と該インク組成物の表面張力とを勘案し、インク組成物の表面張力を、被記録材の臨界表面張力より低く設定することにより、ハジキを発生させることなく被記録材上に形成することができる。
このように、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の表面張力を調製するためには、ガラス、プラスチック、金属等の被記録材へのぬれ性と、吐出後の良好な液滴形成性と、該液滴が媒体上に着弾し、硬化後に形成される画像の分解能等を考慮することが好ましい。
具体的には、本発明のインク組成物を用いて、フィルムやプラスチックのような柔軟な被記録材に対して印刷する場合には、そのインク組成物の表面張力は、22mN/mより大きくかつ35mN/mより小さいことが好ましい。
前記表面張力調整剤としては、一般に表面張力の調整に用いられる公知の化合物を特に問題なく用いる事ができる。例えば、アルコール類やグリコールエーテル類などの有機溶剤、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、変性シリコンオイル等が挙げられる。
変性シリコンオイルの例としては、ポリエーテル変性シリコンオイル、メチルスチレン変性シリコンオイル、オレフィン変性シリコンオイル、アルコール変性シリコンオイル、アルキル変性シリコンオイル等が挙げられる。
表面張力調整剤としての有機溶剤の利用は可能であるが、揮発成分を含まないまたは揮発成分が少ない、という紫外線硬化型のインク組成物の特徴の一つが失われるため、有機溶剤以外の表面張力調整剤を用いることが好ましく、特に紫外線硬化型化合物中に容易に溶解することなどから、各種有機基を導入した変性シリコンオイルがより好ましい。また、これら表面張力調整剤は、インク総量の0.05〜1質量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明のインク組成物には、粘度の調整を目的として有機溶剤を用いることもできる。有機溶剤としては、本発明にある吐出安定性、被記録材料面に着弾した際の優れたインク濡れ性(はじき防止)を低下させないものを選択しなければならない。有機溶剤としては、ケトン、エステル、エーテル、アルコール、脂肪族及び芳香族炭化水素系などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらの有機溶剤は単独で用いるほか、2種類以上の併用も可能である。ただしこれら有機溶剤の過剰の使用は、揮発成分を含まないまたは揮発成分が少ないという紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の特徴の一つが失わせるため、使用するにしても少量に留めることが好ましい。
本実施形態で使用されるインク組成物には、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、インク組成物の保存性を高めるため、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することができる。紫外線硬化型のインクは、加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。
以下、本発明を実施例、及び比較例により、一層具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定される訳ではない。
[合成例1]
<多分岐ポリエーテルポリオール(I)の合成>
リフラックスコンデンサー、マグネット式攪拌棒、温度計を具備した2リットル三口フラスコ中で、十分に乾燥した3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン 348質量部(3モル)とプロピレンオキサイド 348質量部(6モル)とを混合し、次いで、それらを過酸化物フリーの1リットルのジエチルエーテルに溶解した後、−14℃のアイスバスで冷却した。
次いで、開始剤としてHPF5.5質量部の60質量%水溶液を前記フラスコ内に10分で滴下した。フラスコ内の混合物は僅かに白濁した。
次いで、前記フラスコ内の前記混合物を室温で一晩反応させ、翌朝、透明な反応混合物を3時間還流した。
次いで、前記開始剤を、NaOCH9質量部の30質量%メタノール溶液を用いて失活させた。
開始剤失活後の反応混合物を濾過した後、減圧下、バス温度75℃で加熱することによって反応混合物中のジエチルエーテルを留去した。ジエチルエーテルを完全に留去した後、多分岐ポリエーテルポリオール(I)667質量部を得た。収率89質量%であった。
この多分岐ポリエーテルポリオール(I)は、数平均分子量(Mn)=1,440、重量平均分子量(Mw)=3,350、水酸基価(OHV)=265mg・KOH/gであり、プロトンNMRから、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタンとプロピレンオキサイドとのモル比率が1:1.9であった。また、全水酸基数に対する2級水酸基数の割合は39%であった。この多分岐ポリエーテルポリオールの13C−NMRのチャート図を第1図に、プロトンNMRのチャート図を第2図に示す。その分子構造中には1級水酸基と2級水酸基の存在が確認できた。
次に、実施例及び比較例で調製した紫外線硬化型インクジェット記録用インクについて以下の項目の評価を行った。評価結果を上記表1に示す。
[実施例]
下記表1の配合割合にしたがって、ウレタンプレポリマー(I)等を混合、撹拌した後、それらを1.2μmのメンブレンフィルターを用いて、ろ過することにより、紫外線硬化型インクジェットプリンター用クリアインク組成物を得た。
なお、インクジェットヘッドを45℃に加温したピエゾ式インクジェットプリンターにて、各インク組成物の吐出性を評価した結果、いずれのインクも吐出性は良好であった。
Figure 2009102535
H2004:多分岐ポリエステルポリオール(パーストープ(Perstorp)社製、商標:Bortorn)
アロンオキセタンOXT−221:東亜合成(株)製 ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル
EX−214L:ナガセケムテックス(株)製 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
CEL2021P:ダイセル化学工業(株)製 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−シクロヘキサンカルボキシレート
UVI6992:ダウ・ケミカル日本(株)製 光カチオン重合開始剤
KF351A:信越化学工業(株)製 ポリエーテル変性シリコンオイル
PTMG−1000:ポリテトラメチレングリコール(三菱化学(株)製)
実施例1、実施例2、比較例1〜4にて作製した紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に行った各種評価方法を以下に示す。
[硬化性]
実施例及び比較例で得られたインク組成物を、易接着処理されたポリエチレンテレフタレート製のフィルム(東山フィルム(株)製 HK−31WF 100μm厚)上に、スピンコーターを用いて約6μmの膜厚で塗布し、次いで、装置内を1回通過させるごとに340mJ/cmの紫外線照射量となるように設定したコンベアタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm、コンベアスピード10m/min)を用いて前記塗膜に紫外線を照射し、指で塗膜表面に触れたときに、タックフリーになるまでの照射パス回数を確認した。通常5パス以下の照射量で硬化しタックフリーとなれば実使用上問題ないと考えられる。
なお、上記の紫外線照射量は、いずれもUVチェッカーUVR−N1(日本電池(株)製)を用いて300〜390nmの波長域において測定した値を基準としている。
[柔軟性]
前記「硬化性」の評価方法で使用したフィルムと同様のフィルムを作製し、該フィルムを手で90℃に折り曲げた際の、硬化塗膜の割れの有無を、下記基準で評価した。
○:90°曲げても割れが発生しない。
×:90°曲げると割れが発生する。
[印刷基材への密着性]
実施例及び比較例で得られたインク組成物を、易接着処理されたポリエチレンテレフタレート製のフィルム(東山フィルム(株)製 HK−31WF 100μm厚)上に、スピンコーターを用いて約6μmの膜厚で塗布し、次いで、装置内を1回通過させるごとに340mJ/cmの紫外線照射量となるように設定したコンベアタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm、コンベアスピード10m/min)を用いて前記塗膜に紫外線を照射することで前記フィルム上にインク組成物からなる画像を形成した。
形成されたインク画像上に、幅25mmのセロハン粘着テープを貼り、圧着した後、90度の剥離角度ですばやく剥離し、剥離後の硬化膜の状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
まったく画像が剥離しなかったものを○、一部剥離が見られたものを△、すべて剥離したものを×と評価した。
第1図は、合成例1で得られた多分岐ポリエーテルポリオール(I)の13C−NMRのチャート図である。 第2図は、合成例1で得られた多分岐ポリエーテルポリオール(I)のプロトンNMRのチャート図である。 第3図は、本発明で使用する多分岐ポリエーテルポリオールの一例を示す化学式である。 第4図は、本発明で使用する多分岐ポリエーテルポリオールの形成の一例を示した化学反応式である。

Claims (6)

  1. ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と1官能エポキシ化合物(a2)とを開環反応させて得られる多分岐ポリエーテルポリオール(A)、2個以上の脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物(B)、及び酸発生剤(C)を含有することを特徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  2. 前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)が、1,000〜4,000の数平均分子量を有し、150〜350mg・KOH/gの水酸基価を有し、かつその分子構造中に2級水酸基(H2)を全水酸基数に対して25〜70%の割合で有するものである、請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  3. 前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)が、前記ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)と前記1官能エポキシ化合物(a2)とを、モル基準で、[ヒドロキシアルキルオキセタン(a1)/1官能エポキシ化合物(a2)]=1/1〜1/3の割合で開環反応させて得られるものである、請求項1または2に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  4. 前記脂環式エポキシ化合物(B)の有する脂環式エポキシ基と、前記多分岐ポリエーテルポリオール(A)の有する水酸基とのモル割合[脂環式エポキシ化合物(B)の有する脂環式エポキシ基/多分岐ポリエーテルポリオール(A)の有する水酸基]が、1以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  5. 更にオキセタン環構造を有するオキセタン化合物(D)を含有してなる、請求項1〜4のいずれかにに記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
  6. 更に、着色剤を含有してなる請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
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