JP2009084523A - 多官能オキセタニル基を有する紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明が解決しようとする課題は、印刷基材に対する密着性に非常に優れ、かつ良好な硬化性と柔軟性とを有する紫外線硬化型のインクジェット記録用インク組成物を提供することである。
【解決手段】本発明は、1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールをはじめとする特定のオキセタニル化合物由来の構造を有するウレタンプレポリマー(A)、及び、光カチオン重合開始剤(B)を含有することを特徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールをはじめとする特定のオキセタニル化合物由来の構造を有するウレタンプレポリマー(A)、及び、光カチオン重合開始剤(B)を含有することを特徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、紫外線硬化型のインクジェット記録用インク組成物に関する。
インクジェット記録装置による印刷は、ノズルよりインクを吐出し、被記録材に付着せしめる方式である。この方式は、ノズルと被記録材とが非接触状態にあるため、曲面や凹凸のある不規則な形状を有する被記録材の表面に対して、良好な印刷を行うことが出来る。このため、前記方式は、産業用途においても広範囲にわたる利用分野が期待されている印刷方式である。
前記方式に使用するインク組成物としては、主溶剤として水を用いる水性インク、主溶剤として有機溶剤を用いる油性インク、あるいは、紫外線などの活性エネルギー線で硬化、乾燥する水性及び油性インクが提案されている。
前記方式に使用するインク組成物としては、主溶剤として水を用いる水性インク、主溶剤として有機溶剤を用いる油性インク、あるいは、紫外線などの活性エネルギー線で硬化、乾燥する水性及び油性インクが提案されている。
なかでも、紫外線によって硬化するインクは、乾燥性、塗膜硬化性の点で優れており、特に被記録材が金属、ガラス、プラスチックなどの、実質的にインクを吸収しない基材に対して広く適用可能であるという点で優れる。
前記したような紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物としては、主としてラジカル重合性のものとカチオン重合性のものとに大別される。
ラジカル重合性の紫外線硬化性樹脂組成物を用いた柔軟性、密着性、耐溶剤性、高靭性等の硬化後の塗膜特性に優れた紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物としては、アセタール結合、ウレタン結合、エステル結合、及びエーテル結合から選ばれる少なくとも1つの結合を介してエチレン性不飽和基を有するポリビニルアセタールを含んでなる活性エネルギー線硬化性インクが開示されている。(例えば、特許文献1参照。)
しかし、前記インク組成物のラジカル重合は、該組成物の硬化が十分に進行する前に、ラジカルの停止反応等に起因して停止する場合があった。
また、前記インク組成物のラジカル重合は、該組成物の硬化が十分に進行する前に、大気中の酸素の影響でラジカルが失活することにより、停止する場合があった。そのため、該組成物に紫外線を照射し硬化を十分に進行させるためには、例えば窒素置換された環境下で行う等の対策が必要であった。
ラジカル重合性の紫外線硬化性樹脂組成物を用いた柔軟性、密着性、耐溶剤性、高靭性等の硬化後の塗膜特性に優れた紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物としては、アセタール結合、ウレタン結合、エステル結合、及びエーテル結合から選ばれる少なくとも1つの結合を介してエチレン性不飽和基を有するポリビニルアセタールを含んでなる活性エネルギー線硬化性インクが開示されている。(例えば、特許文献1参照。)
しかし、前記インク組成物のラジカル重合は、該組成物の硬化が十分に進行する前に、ラジカルの停止反応等に起因して停止する場合があった。
また、前記インク組成物のラジカル重合は、該組成物の硬化が十分に進行する前に、大気中の酸素の影響でラジカルが失活することにより、停止する場合があった。そのため、該組成物に紫外線を照射し硬化を十分に進行させるためには、例えば窒素置換された環境下で行う等の対策が必要であった。
一方で、カチオン重合性のインク組成物は、ラジカルに起因した硬化反応でないため、前記したようなラジカルの停止反応や酸素の影響によるラジカルの失活を引き起こさない。また、前記インク組成物のカチオン重合は、紫外線照射を重合途中で中止した後であっても引き続き進行する。したがって、カチオン重合性紫外線硬化型のインクであれば、前記したような問題点を解消できるのではないかと期待されている。
しかし、インクジェットインクには、印刷基材に対する優れた密着性等の様々な特性が求められているなかで、従来のカチオン重合性の紫外線硬化型インクでは、密着性の点で実用上十分なレベルにあと一歩及ぶものではなかった。
しかし、インクジェットインクには、印刷基材に対する優れた密着性等の様々な特性が求められているなかで、従来のカチオン重合性の紫外線硬化型インクでは、密着性の点で実用上十分なレベルにあと一歩及ぶものではなかった。
本発明が解決しようとする課題は、印刷基材に対する密着性に優れ、かつ良好な硬化性を有する紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を提供することである。
本発明者等は、様々な構造を有するウレタンプレポリマーと光カチオン重合開始剤との組み合わせの検討を進めるなかで、後述するような特定のオキセタニル基含有構造を有するウレタンプレポリマーと光カチオン重合開始剤とを含むインク組成物が、印刷基材に対して優れた密着性を発現できることを見出した。また、前記インク組成物であれば、良好な硬化性と柔軟性とを両立できることも見出した。
即ち本発明は、下記一般式(1)で示される構造を有するウレタンプレポリマー(A)、光カチオン重合開始剤(B)を含有することを特徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に関する。
本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、印刷基材に対して優れた密着性を有し、更には、良好な硬化性と、実用上十分なレベルの柔軟性を有する硬化塗膜を形成することが可能であることから、実用上、極めて利用価値の高いものである。
本発明は、一般式(1)で示される構造を有するウレタンプレポリマー(A)、光カチオン重合開始剤(B)を主成分として含有し、その他に必要に応じて各種添加剤などを含有してなる紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物である。
はじめに、本発明で使用する前記一般式(1)で示される構造を有するウレタンプレポリマー(A)について説明する。
本発明で使用するウレタンプレポリマー(A)は、分子中に前記一般式(1)で示される構造を有する。本発明で使用するウレタンプレポリマー(A)としては、各種のオキセタニル基を有していればよいというものではなく、前記一般式(1)によって示された特定のオキセタニル基含有の構造を有していることが、印刷基材への優れた密着性と、実用上十分なレベルの柔軟性を有する硬化被膜を形成可能な紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を得るうえで重要である。
例えば、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンとを反応させて得られる、オキセタニル基含有ウレタンプレポリマー及び光カチオン開始剤を含有する紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物では、紫外線を十分に照射しても、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に匹敵するレベルの基材密着性を発現できず、また十分な柔軟性を有する硬化被膜を形成することは困難である。
前記ウレタンプレポリマー(A)は、前記一般式(1)で示される構造を、分子中のいずれの位置に有していてもよい。なかでも、前記ウレタンプレポリマー(A)としては、前記一般式(1)で示される構造を、分子の両末端に有するウレタンプレポリマーを使用することが、紫外線の照射による優れた硬化性を有し、かつ柔軟性に優れた硬化物を形成可能な紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を得るうえでより好ましい。
前記一般式(1)で示される構造中のaは、0または1を表す。
また、前記一般式(1)で示される構造中のb及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数であり、0〜5の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。前記範囲内のウレタンプレポリマーを使用することにより、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の粘度をより低下させることができ、これにより、インクジェット記録用インクとしての吐出性に必要な低粘度化が容易となる。
また、前記一般式(1)で示される構造中のb及びcは、それぞれ独立して0〜10の整数であり、0〜5の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。前記範囲内のウレタンプレポリマーを使用することにより、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の粘度をより低下させることができ、これにより、インクジェット記録用インクとしての吐出性に必要な低粘度化が容易となる。
また、前記一般式(1)で示される構造中のR1及びR2は、それぞれ独立して、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基を表すが、なかでもメチレン基であることが好ましい。
また、前記一般式(1)で示される構造中のR3、R6及びR7は、それぞれ独立して、アルキル基または水素原子を表す。前記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等である。
また、前記一般式(1)で示される構造中のR4及びR5は、それぞれ独立して、2〜4個の炭素原子数を含むアルキレン基を表し、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などである。
前記一般式(1)で示される構造としては、具体的には、a、b及びcがいずれも0であり、R1及びR2がいずれもメチレン基であり、R3が水素原子であり、かつR6及びR7がエチル基である構造であることが、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の粘度を低下させ、吐出安定性を向上できることから好ましい。
また、前記一般式(1)で示される構造中のR3、R6及びR7は、それぞれ独立して、アルキル基または水素原子を表す。前記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等である。
また、前記一般式(1)で示される構造中のR4及びR5は、それぞれ独立して、2〜4個の炭素原子数を含むアルキレン基を表し、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などである。
前記一般式(1)で示される構造としては、具体的には、a、b及びcがいずれも0であり、R1及びR2がいずれもメチレン基であり、R3が水素原子であり、かつR6及びR7がエチル基である構造であることが、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の粘度を低下させ、吐出安定性を向上できることから好ましい。
また、ウレタンプレポリマーといわれるものは、一般的に比較的低分子量のものが多いが、当業者においては、数万の数平均分子量を有するものもウレタンプレポリマーと称されており、本発明においても数万の数平均分子量を有するウレタンプレポリマーを使用することができる。本発明で使用するウレタンプレポリマー(A)のサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した数平均分子量は、500〜100000の範囲であることが好ましく、1000〜50000の範囲であることがより好ましい。前記範囲内の数平均分子量を有するウレタンプレポリマー(A)を使用することによって、得られた硬化物が柔軟性に優れ、かつ有機材料や無機材料、金属材料等の印刷基材に対して良好な密着性を有する紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を得ることができる。また、本発明でいう数平均分子量とは、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を使用し、流量1ml/分の条件で、RI検出器(屈折法)にて、分子量既知のポリスチレン換算にて測定した値を表す。
前記ウレタンプレポリマー(A)は、例えば、ポリオール(a)とポリイソシアネート(b)とを、前記ポリイソシアネート(b)の有するイソシアネート基が、前記ポリオール(a)の有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(aa)を製造し、次いで前記ウレタンプレポリマー(aa)と、下記一般式(2)で示される化合物(ab)とを反応させることによって製造することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用できる前記ポリオール(a)としては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。これらは、単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記ポリオール(a)に使用可能なポリエーテルポリオールとしては、例えば分子中に活性水素含有基を2個以上有する反応開始剤と、アルキレンオキシドとの反応により得られる化合物等が挙げられる。
前記反応開始剤としては、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、メチルグルコシド、ソルビトール、蔗糖、脂肪族アミン系化合物、芳香族アミン系化合物、蔗糖アミン系化合物、燐酸、酸性リン酸エステル等を使用することができ、これらを単独使用または2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を使用することができ、これらを単独使用または2種以上を併用してもよい。
前記分子中に活性水素含有基を2個以上有する反応開始剤と、アルキレンオキシドとの反応により得られるポリエーテルポリオールの具体例としては、例えばポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール及びそれらの共重合体等が挙げられる。
また、前記ポリエーテルポリオールとしては、前記したものの他にテトラヒドロフランの開環重合により得られるポリテトラメチレングリコール等を使用することもできる。
前記ポリオール(a)に使用可能なポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量ポリオールとポリカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールや、環状エステル化合物を開環重合することによって得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
前記低分子量ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3−ジメチロールへプタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等を使用することができ、これら単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を使用することができ、これら単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記環状エステル化合物としては、例えばε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン等を使用することができ、これら単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記ポリオール(a)に使用可能なその他のポリオールとしては、ポリエーテルポリオールの変性体である、ポリマーポリオール、PHD(polyharnsstoff dispersionの略。)ポリエーテルポリオール、ウレタン変性ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール等を使用することができる。なお、ポリマーポリオールとは、ポリオール中で、アクリロニトリル、スチレンモノマー等のビニル基を有するモノマーをグラフト重合させたポリエーテルポリオールである。また、PHDポリエーテルポリオールとは、ポリエーテル中でジアミンとジイソシアネートを反応させ、生成するポリウレアを安定分散させたポリオールである。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際には、前記ポリオール(a)以外に、必要に応じて、イソシアネート基と反応しうる活性水素を有する化合物を使用することができる。
前記イソシアネート基と反応しうる活性水素を有する化合物としては、例えば低分子量ポリオール、脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノールアミン等の、一般的に鎖伸長剤として知られているものを使用することができる。
前記低分子量ポリオールとしては、前記ポリエステルポリオールを製造する際に使用可能なものとして例示した低分子量ポリオールと同様のものを使用することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用できるポリイソシアネート(b)としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、あるいはキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香環にアルキレン基を介してイソシアネート基が結合しているジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられ、これら単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用できる前記一般式(2)で示される化合物(ab)としては、1,3−Bis(3−ethyl−oxetan−3−ylmethoxy)−propan−2−ol[1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オール]を使用することが好ましい。1,3−Bis(3−ethyl−oxetan−3−ylmethoxy)−propan−2−ol[1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オール]を使用することによって得られた、前記一般式(1)中のa、b及びcが0であり、R1及びR2がメチレン基であり、R3が水素原子であり、かつR6及びR7がエチル基である構造を有するウレタンプレポリマーは、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の粘度を低下させることにより、紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の吐出安定性を向上させることができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用可能な、前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(aa)は、前記ポリオール(a)と前記ポリイソシアネート(b)とを、例えば窒素置換されたフラスコ内で、前記ポリオール(a)が有する水酸基の当量に対し前記ポリイソシアネート(b)の有するイソシアネート基の当量が過剰となる割合で攪拌しながら反応させることによって製造することができる。
前記ポリオール(a)と前記ポリイソシアネート(b)とは、前記ポリオール(a)が有する水酸基1当量に対して前記ポリイソシアネート(b)の有するイソシアネート基の当量割合が1.1〜5.0となる範囲で反応させることが好ましく、1.3〜3.0の範囲で反応させることがより好ましい。前記範囲内の当量割合で反応させて得られたウレタンプレポリマーを使用することにより、吐出安定性及びインクジェット記録用インクとしての吐出性に優れ、かつ印刷基材への優れた密着性を有するインク組成物を得ることが可能である。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)は、前記反応で得られたウレタンプレポリマー(aa)と、前記一般式(2)で示される化合物(ab)とを、例えば窒素雰囲気下で、攪拌しながら反応させることにより製造することができる。
前記ウレタンプレポリマー(aa)と、前記化合物(ab)とは、前記化合物(ab)が有する水酸基1当量に対して、前記ウレタンプレポリマー(aa)のイソシアネート基の当量割合が、0.5〜1.2の範囲で反応させることが好ましく、0.8〜1.0の範囲で反応させることがより好ましい。前記範囲内の当量割合で反応させて得られるウレタンプレポリマーを使用することにより、インクジェット記録用インクの吐出性に優れ、かつ印刷基材への優れた密着性を有する紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を得ることができる。
また、前記ポリオール(a)と前記ポリイソシアネート(b)、及び、前記ウレタンプレポリマー(aa)と前記化合物(ab)は、それぞれ概ね70〜100℃の範囲で、2〜15時間程度反応させることが好ましい。
次に、本発明で使用する光カチオン重合開始剤(B)について説明する。
本発明で使用する光カチオン重合開始剤(B)は、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に紫外線を照射した際に、前記ウレタンプレポリマー(A)のカチオン重合を開始させることができる。
本発明で使用する光カチオン重合開始剤(B)は、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に紫外線を照射した際に、前記ウレタンプレポリマー(A)のカチオン重合を開始させることができる。
前記光カチオン重合開始剤(B)としては、例えば、カチオン部分が、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、チアンスレニウム、チオキサントニウム、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Feカチオンであり、アニオン部分が、BF4-、PF6-、SbF6-、[BX4]-(ただし、Xは少なくとも2つ以上のフッ素又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)で構成されるオニウム塩を単独で使用又は2種以上を併用することができる。
前記芳香族スルホニウム塩としては、例えばビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えばフェニルジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族アンモニウム塩としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記チオキサントニウム塩としては、S−ビフェニル 2−イソプロピル チオキサントニウム ヘキサフルオロホスフェート等を使用することができる。
また、前記(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe塩としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
前記光カチオン重合開始剤(B)としては、例えば、CPI−100P、CPI−100A、CPI−110P、CPI−200K(以上、サンアプロ(株)製)、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6992、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6992、サイラキュア光硬化開始剤UVI−6976(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172(以上、旭電化工業(株)製)、CI−5102、CI−2855(以上、日本曹達(株)製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−180L、サンエイドSI−110、サンエイドSI−180(以上、三新化学工業(株)製)、エサキュア1064、エサキュア1187(以上、ランベルティ社製)、オムニキャット550(アイジーエム レジン社製)、イルガキュア250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、ロードシル フォトイニシエーター2074(RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074。ローディア・ジャパン(株)製)等が市販されている。
また、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物には、使用するインクジェットヘッドに適合した吐出粘度とするため、前記ウレタンプレポリマー(A)、光カチオン重合開始剤(B)の他に、カチオン重合性化合物(C)を併用することができる。
前記カチオン重合性化合物(C)は、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化性を損なうことなく、インクジェット記録用インクとしての吐出性を向上させることができる。
前記カチオン重合性化合物(C)は、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化性を損なうことなく、インクジェット記録用インクとしての吐出性を向上させることができる。
本発明のインク組成物は、水や揮発性有機溶剤を含有するインクに比べて粘度が高いことが好ましい。このため、紫外線硬化型インクジェットプリンターにおいては、通常、ヘッドを加温してインク組成物の粘度を低下させ、安定吐出を可能としている。加温温度は70℃近くに達するものもある。インク組成物の安定吐出のためには、ヘッドの吐出機構にもよるが、ヘッドの加温温度に設定したときの粘度(吐出粘度)が、2〜50mPa・sであることが好ましく、3〜30mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3〜20mPa・sである。前記範囲内の粘度を有するインク組成物であれば安定的に吐出することが可能である。
紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の粘度を低下させ、塗工作業性を向上させる方法としては、一般に有機溶剤を併用する方法が知られている。しかし、有機溶剤を使用した場合には、該紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を基材上等に塗布した後、有機溶剤を揮発等する工程が必要となる場合があることから、塗工作業工程の更なる効率化の観点、及び地球環境負荷を低減する観点から、有機溶剤の代わりに反応性希釈剤として前記その他のカチオン重合性化合物(C)を使用することが好ましい。かかるその他のカチオン重合性化合物(C)を使用することにより、得られる紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の粘度を低下させることができ、かつ前記カチオン性重合化合物(C)は前記ウレタンプレポリマー等と共重合し硬化皮膜を形成するため、有機溶剤を使用した場合のように揮発工程等を必要としない、というメリットがある。
前記カチオン重合性化合物(C)としては、例えば脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物、脂環式エポキシ化合物、下記構造式(3)で示されるオキセタン環構造を分子中に有するオキセタン化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物等のグリシジルエーテル型エポキシ化合物等を単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物としては、例えばソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等を使用することができる。
前記脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物としては、前記したなかでも2〜4個のエポキシ基を有する脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物を使用することが好ましい。
前記2〜4個のエポキシ基を有する脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物としては、例えば、エピクロン705、エピクロン707、エピクロン720、エピクロン725、エピクロン726(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、デナコールEX−611、デナコールEX−614B、デナコールEX−512、デナコールEX−411、デナコールEX−421、デナコールEX−313、デナコールEX−321、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−212L、デナコールEX−214L、デナコールEX−810、デナコールEX−850L、デナコールEX−911(以上、ナガセケムテックス(株)製)、SR−NPG、SR−16H、SR−16HL、SR−TMP、SR−PG、SR−TPG、SR−4PG、SR−2EG、SR−8EG、SR−8EGS、SR−GLG、SR−DGE、SR−DGE、SR−4GL、SR−4GLS、SR−SEP(以上、阪元薬品工業(株)製)、YED205,YED216(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、リカレジンW−100(以上、新日本理化(株)製)等が市販されている。
また、前記脂環式エポキシ化合物としては、脂環式エポキシ基を複数個、好ましくは2〜4個有するものを使用することができる。
脂環式エポキシ基を2個有する脂環式エポキシ化合物としては、例えば、下記一般式(4)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(式中、dが0の化合物。)、そのカプロラクトン変性物(式中、dが1の化合物。)、そのトリメチルカプロラクトン変性物(構造式(5)及び構造式(6))、及びそのバレロラクトン変性物(構造式(7)及び構造式(8))や、構造式(9)で示される化合物を使用することができる。
脂環式エポキシ基を2個有する脂環式エポキシ化合物としては、例えば、下記一般式(4)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(式中、dが0の化合物。)、そのカプロラクトン変性物(式中、dが1の化合物。)、そのトリメチルカプロラクトン変性物(構造式(5)及び構造式(6))、及びそのバレロラクトン変性物(構造式(7)及び構造式(8))や、構造式(9)で示される化合物を使用することができる。
前記一般式(4)中、dは0又は1を表す。
前記一般式(4)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートおよびそのカプロラクトン変性物としては、例えば、セロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2080、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085(以上、ダイセル化学工業(株)製)、サイラキュアUVR−6105、サイラキュアUVR−6107、サイラキュアUVR−6110(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)等が市販されている。
また、前記一般式(9)で示されるアジピン酸エステル系の脂環式エポキシ化合物としては、例えばサイラキュアUVR−6128(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)等が市販されている。
脂環式エポキシ基を3個有する脂環式エポキシ化合物としては、下記一般式(10)で示される化合物を使用することができる。
一般式(10)中、e及びfは、それぞれ独立して0又は1であり、それらは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(10)で示される脂環式エポキシ化合物としては、例えばエポリードGT301、エポリードGT302(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が市販されている。
脂環式エポキシ基を4個有する脂環式エポキシ化合物としては、例えば下記一般式(11)で示される化合物を使用することができる。
前記一般式(11)中、g〜jは、それぞれ独立して0又は1を示し、それらは同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(11)で示される脂環式エポキシ化合物としては、例えば、エポリードGT401、エポリードGT403(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が市販されている。
また、前記オキセタン環構造を有するオキセタン化合物としては、オキセタン環構造を複数個、好ましくは2〜4個有するものを使用することができる。
オキセタン環構造を前記2〜4個のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物としては、例えば下記一般式(12)、(13)で示される化合物等を単独で使用又は2種以上を併用することができる。
オキセタン環構造を前記2〜4個のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物としては、例えば下記一般式(12)、(13)で示される化合物等を単独で使用又は2種以上を併用することができる。
上記一般式(12)、(13)において、R8は水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、フリル基又はチエニル基を表し、R9は2価の有機残基を表し、Zは酸素原子又は硫黄原子を表す。
前記R8が示す炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−もしくはt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等であり、また、アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、トリル、キシリル基等であり、また、アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル基等である。
また、前記一般式(12)中、R9が表す2価の有機残基としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、4〜30個の炭素原子を有するポリ(オキシアルキレン)基、フェニレン基、キシリレン基、下記一般式(14)及び(15)で示される構造がある。
前記R9を構成する直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基は、メチレン基、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、ブチレン基、シクロヘキシレン基などの炭素原子数1〜15のアルキレン基であることが好ましい。また、4〜30個の炭素原子を有するポリ(オキシアルキレン)基は、4〜8個の炭素原子を有するものが好ましく、例えば、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基であることが好ましい。
前記一般式(14)中、R10は酸素原子、硫黄原子、CH2、NH、SO、SO2、C(CF3)2又はC(CH3)2を表す。
前記一般式(15)中、R11は1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、アリーレン基、及び下記一般式(16)で示される官能基を示す。
前記一般式(16)中、kは1〜6の整数を表し、lは1〜15の整数を示す。
前記一般式(16)としては、lが1〜3の整数であることが好ましい。
前記2〜4個のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物としては、例えば、アロンオキセタンOXT−221、アロンオキセタンOXT−121(以上、東亞合成(株)製)、エタナコールOXBP(以上、宇部興産(株)製)等が市販されている。
前記ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば、エピクロン840、エピクロン840−S、エピクロン850、エピクロン850−S、エピクロン850−CRP、エピクロン850−LC(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、デナコールEX−252(以上、ナガセケムテックス(株)製)、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート828EL、エピコート828XA、エピコート834(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、リカレジンBPO−20E、リカレジンBEO−60E(以上、新日本理化(株)製)等が市販されている。
前記水添ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば、デナコールEX−252(以上、ナガセケムテックス(株)製)、SR−HBA(以上、阪元薬品工業(株)製)、エピコートYX−8000、エピコートRXE−21(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、リカレジンHBE−100(以上、新日本理化(株)製)等が市販されている。
前記ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、例えば、エピクロン830、エピクロン830−S、エピクロン830−LVP、エピクロン835、エピクロン835−LV(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、エピコート806、エピコート806L、エピコート807(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)等が市販されている。
前記カチオン重合性化合物(C)としては、2〜4個のエポキシ基を有する脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物や2〜4個のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物を使用することがより好ましい。前記範囲内のエポキシ基を有する脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物や前記範囲内のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物は、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化性を更に向上させ、かつ該組成物の粘度を低下できることから、インクジェット記録用インクとしての吐出性に必要な低粘度化を容易にする。
次に、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の製造方法について説明する。
本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を製造するには、基本的に前記ウレタンプレポリマー(A)、光カチオン重合開始剤(B)、必要に応じて前記カチオン重合性化合物(C)の紫外線硬化性樹脂組成物を主成分として、必要に応じて顔料、分散剤、表面張力調整剤等の各種添加剤を加えて、混合、撹拌もしくは分散して作製することができる。
本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を製造するには、基本的に前記ウレタンプレポリマー(A)、光カチオン重合開始剤(B)、必要に応じて前記カチオン重合性化合物(C)の紫外線硬化性樹脂組成物を主成分として、必要に応じて顔料、分散剤、表面張力調整剤等の各種添加剤を加えて、混合、撹拌もしくは分散して作製することができる。
前記光カチオン重合開始剤(B)は、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の全量に対して0.5〜20質量%の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量%の範囲で使用することがより好ましい。前記範囲の光カチオン重合開始剤(B)を含む紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、良好な硬化性を有し、また、得られた硬化物中に残存する酸の量を低減させることができるため、酸による金属などの基材の劣化を抑制することができる。
また、カチオン重合性化合物(C)を併用する場合には、前記ウレタンプレポリマー(A)と前記カチオン重合性化合物(C)との質量割合[(A)/(C)]が、60/40〜5/95の範囲であることが好ましく、50/50〜10/90の範囲であることがより好ましい。
本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物には、必要に応じて着色剤を使用することができる。
前記着色剤としては、カラー画像形成を行う上で、従来よりインクジェットに使用されている顔料及び染料等の着色剤であれば得に限定するものではないが、顔料を用いることにより、インクによって形成される絵柄に良好な耐水性、耐光性を付与させることができるため好ましい。
使用する顔料としては、例えばアゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、アンスラキノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、蛍光顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系及びカーボンブラック系などの無機顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本実施形態で使用されるインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量部ごとが好ましい。
また、前記顔料の分散性を向上させることを目的として、分散助剤を使用することもできる。
前記分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。
前記分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。
着色剤に顔料を用いた場合の顔料の分散は、その過程で顔料粒子の平均粒径が0.08〜0.5μmとなるよう微粒子化を行うことが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件等を適宜設定することができる。前記顔料の分散後の粒径を上記粒径範囲に入るように調整、管理することによって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
上記着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、着色材の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはアベシア社(Avecia社)のソルスパース(Solsperse)シリーズが挙げられる。
前記分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部使用することが好ましい。
前記分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部使用することが好ましい。
また、ガラス、金属、プラスチック等の実質的にインクを吸収しない被記録材に、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を用いて画像を形成する際は、これら被記録材の表面の臨界表面張力と該インク組成物の表面張力とを勘案し、インク組成物の表面張力を、被記録材の臨界表面張力より低く設定することにより、ハジキを発生させることなく被記録材上に形成することができる。
このように、本発明の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の表面張力を調製するためには、ガラス、プラスチック、金属等の被記録材へのぬれ性と、吐出後の良好な液滴形成性と、該液滴が媒体上に着弾し、硬化後に形成される画像の分解能等を考慮することが好ましい。
具体的には、本発明のインク組成物を用いて、フィルムやプラスチックのような柔軟な被記録材に対して印刷する場合には、そのインク組成物の表面張力は、22mN/mより大きくかつ35mN/mより小さいことが好ましい。
具体的には、本発明のインク組成物を用いて、フィルムやプラスチックのような柔軟な被記録材に対して印刷する場合には、そのインク組成物の表面張力は、22mN/mより大きくかつ35mN/mより小さいことが好ましい。
前記表面張力調整剤としては、一般に表面張力の調整に用いられる公知の化合物を特に問題なく用いる事ができる。例えば、アルコール類やグリコールエーテル類などの有機溶剤、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、変性シリコンオイル等が挙げられる。
変性シリコンオイルの例としては、ポリエーテル変性シリコンオイル、メチルスチレン変性シリコンオイル、オレフィン変性シリコンオイル、アルコール変性シリコンオイル、アルキル変性シリコンオイル等が挙げられる。
表面張力調整剤としての有機溶剤の利用は可能であるが、揮発成分を含まないまたは揮発成分が少ない、という紫外線硬化型のインク組成物の特徴の一つが失われるため、有機溶剤以外の表面張力調整剤を用いることが好ましく、特に紫外線硬化型化合物中に容易に溶解することなどから、各種有機基を導入した変性シリコンオイルがより好ましい。また、これら表面張力調整剤は、インク総量の0.05〜1質量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明のインク組成物には、粘度の調整を目的として有機溶剤を用いることもできる。有機溶剤としては、本発明にある吐出安定性、被記録材料面に着弾した際の優れたインク濡れ性(はじき防止)を低下させないものを選択しなければならない。有機溶剤としては、ケトン、エステル、エーテル、アルコール、脂肪族及び芳香族炭化水素系などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらの有機溶剤は単独で用いるほか、2種類以上の併用も可能である。ただしこれら有機溶剤の過剰の使用は、揮発成分を含まないまたは揮発成分が少ないという紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物の特徴の一つが失わせるため、使用するにしても少量に留めることが好ましい。
本実施形態で使用されるインク組成物には、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、インク組成物の保存性を高めるため、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することができる。紫外線硬化型のインクは、加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。
以下、本発明を実施例、及び比較例により、一層具体的に説明する。
[合成例1](ウレタンプレポリマー(I)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)496質量部を仕込み、次いで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート186質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら、それらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)496質量部を仕込み、次いで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート186質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら、それらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、前記フラスコ内に1,3−Bis(3−ethyl−oxetan−3−ylmethoxy)−propan−2−ol[1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オール]318質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールとを90℃で10時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー(I)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(I)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。また、得られたウレタンプレポリマー(I)は、分子の両末端に、前記一般式(1)で示される構造のうち、a、b及びcが0であり、R1及びR2がメチレン基であり、R3が水素原子であり、かつR6及びR7がエチル基である、構造を有していた。
[合成例2](ウレタンプレポリマー(II)の合成例)
清浄なフラスコにポリカプロラクトンポリオール(水酸基当量=1000)496質量部を仕込み、次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート186質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
清浄なフラスコにポリカプロラクトンポリオール(水酸基当量=1000)496質量部を仕込み、次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート186質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、前記フラスコ内に1,3−Bis(3−ethyl−oxetan−3−ylmethoxy)−propan−2−ol[1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オール]318質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと1,3−ビス(3−エチル−オキセタン−3−イルメトキシ)−プロパン−2−オールとを90℃で10時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー (II)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(II)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。また、得られたウレタンプレポリマー(II)は、分子の両末端に、前記一般式(1)で示される構造のうち、a、b及びcが0であり、R1及びR2がメチレン基であり、R3が水素原子であり、かつR6及びR7がエチル基である、構造を有していた。
[合成例3](ウレタンプレポリマー(III)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)649質量部を仕込み、次いで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート244質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)649質量部を仕込み、次いで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート244質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、下記構造式(17)の化合物(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン)107質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと下記構造式(17)の化合物とを90℃で3時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー(III)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(III)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。
[合成例4](ウレタンプレポリマー(IV)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)648質量部を仕込み、次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート244質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)648質量部を仕込み、次いで、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート244質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、グリシドール108質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとグリシドールとを90℃で4時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー(IV)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(IV)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。
[合成例5](ウレタンプレポリマー(V)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)601質量部を仕込み、次いで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート227質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量=1000)601質量部を仕込み、次いで4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート227質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながらそれらを90℃で3時間反応させることによって分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。
次いで、下記構造式(18)で示される化合物(3,4−エポキシテトラヒドロベンジルアルコール)172質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと下記構造式(18)で示される化合物とを90℃で3時間反応させることによって、ウレタンプレポリマー(V)を調製した。得られたウレタンプレポリマー(V)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した数平均分子量は、2000であった。
[実施例]
下記表1の配合割合にしたがって、上記で得られたウレタンプレポリマーI〜V等を十分に混合、撹拌した後、それらを1.2μmのメンブレンフィルターを用いて、ろ過することにより、紫外線硬化型インクジェットプリンター用クリアインク組成物を得た。
下記表1の配合割合にしたがって、上記で得られたウレタンプレポリマーI〜V等を十分に混合、撹拌した後、それらを1.2μmのメンブレンフィルターを用いて、ろ過することにより、紫外線硬化型インクジェットプリンター用クリアインク組成物を得た。
なお、インクジェットヘッドを65℃に加温したピエゾ式インクジェットプリンターにて、実施例1〜2、比較例1〜4のインクの吐出性を評価した結果、いずれのインクも吐出性は良好であった。
アロンオキセタンOXT−221:東亜合成(株)製 ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル
EX−214L:ナガセケムテックス(株)製 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
セロキサイド2021P:ダイセル化学工業(株)製 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−シクロヘキサンカルボキシレート
UVI−6992:ダウ・ケミカル日本(株)製 光カチオン重合開始剤
KF−351A:信越化学工業(株)製 ポリエーテル変性シリコンオイル
EX−214L:ナガセケムテックス(株)製 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
セロキサイド2021P:ダイセル化学工業(株)製 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−シクロヘキサンカルボキシレート
UVI−6992:ダウ・ケミカル日本(株)製 光カチオン重合開始剤
KF−351A:信越化学工業(株)製 ポリエーテル変性シリコンオイル
なお、実施例1、実施例2、比較例1〜4にて作製した紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物に行った各種評価方法を以下に示す。
[硬化性]
実施例及び比較例で得られたインク組成物を、易接着処理されたポリエチレンテレフタレート製のフィルム(東山フィルム(株)製 HK−31WF 100μm厚)上に、スピンコーターを用いて約6μmの膜厚で塗布し、次いで、装置内を1回通過させるごとに340mJ/cm2の紫外線照射量となるように設定したコンベアタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm、コンベアスピード10m/min)を用いて前記塗膜に紫外線を照射し、指で塗膜表面に触れたときに、タックフリーになるまでの照射パス回数を確認した。通常5パス以下の照射量で硬化しタックフリーとなれば実使用上問題ないと考えられる。
なお、上記の紫外線照射量は、いずれもUVチェッカーUVR−N1(日本電池(株)製)を用いて300〜390nmの波長域において測定した値を基準としている。
実施例及び比較例で得られたインク組成物を、易接着処理されたポリエチレンテレフタレート製のフィルム(東山フィルム(株)製 HK−31WF 100μm厚)上に、スピンコーターを用いて約6μmの膜厚で塗布し、次いで、装置内を1回通過させるごとに340mJ/cm2の紫外線照射量となるように設定したコンベアタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm、コンベアスピード10m/min)を用いて前記塗膜に紫外線を照射し、指で塗膜表面に触れたときに、タックフリーになるまでの照射パス回数を確認した。通常5パス以下の照射量で硬化しタックフリーとなれば実使用上問題ないと考えられる。
なお、上記の紫外線照射量は、いずれもUVチェッカーUVR−N1(日本電池(株)製)を用いて300〜390nmの波長域において測定した値を基準としている。
[柔軟性]
前記「硬化性」の評価方法で使用したフィルムと同様のフィルムを作製し、該フィルムを手で90℃に折り曲げた際の、硬化塗膜の割れの有無を、下記基準で評価した。
○:90°曲げても割れが発生しない。
×:90°曲げると割れが発生する。
前記「硬化性」の評価方法で使用したフィルムと同様のフィルムを作製し、該フィルムを手で90℃に折り曲げた際の、硬化塗膜の割れの有無を、下記基準で評価した。
○:90°曲げても割れが発生しない。
×:90°曲げると割れが発生する。
[印刷基材への密着性]
実施例及び比較例で得られたインク組成物を、易接着処理されたポリエチレンテレフタレート製のフィルム(東山フィルム(株)製 HK−31WF 100μm厚)上に、スピンコーターを用いて約6μmの膜厚で塗布し、次いで、装置内を1回通過させるごとに340mJ/cm2の紫外線照射量となるように設定したコンベアタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm、コンベアスピード10m/min)を用いて前記塗膜に紫外線を照射することで前記フィルム上にインク組成物からなる画像を形成した。
形成されたインク画像上に、幅25mmのセロハン粘着テープを貼り、圧着した後、90度の剥離角度ですばやく剥離し、剥離後の硬化膜の状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
まったく画像が剥離しなかったものを○、一部剥離が見られたものを△、すべて剥離したものを×と評価した。
実施例及び比較例で得られたインク組成物を、易接着処理されたポリエチレンテレフタレート製のフィルム(東山フィルム(株)製 HK−31WF 100μm厚)上に、スピンコーターを用いて約6μmの膜厚で塗布し、次いで、装置内を1回通過させるごとに340mJ/cm2の紫外線照射量となるように設定したコンベアタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm、コンベアスピード10m/min)を用いて前記塗膜に紫外線を照射することで前記フィルム上にインク組成物からなる画像を形成した。
形成されたインク画像上に、幅25mmのセロハン粘着テープを貼り、圧着した後、90度の剥離角度ですばやく剥離し、剥離後の硬化膜の状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
まったく画像が剥離しなかったものを○、一部剥離が見られたものを△、すべて剥離したものを×と評価した。
Claims (9)
- 前記ウレタンプレポリマー(A)が、前記一般式(1)で示される構造を、分子の両末端に有するものである、請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
- 前記ウレタンプレポリマー(A)が、前記一般式(1)中のb及びcが0である構造を有するものである、請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
- 前記ウレタンプレポリマー(A)が、前記一般式(1)中のa、b及びcが0であり、R1及びR2がメチレン基であり、R3が水素原子であり、かつR6及びR7がエチル基である構造を有するものである、請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
- 更に、前記ウレタンプレポリマー(A)以外のその他のカチオン重合性化合物(C)を含有してなる、請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
- 更に、着色剤を含有してなる請求項1に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
- 前記その他のカチオン重合性化合物(C)が、2〜4個のエポキシ基を有する脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル化合物である、請求項6に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
- 前記その他のカチオン重合性化合物(C)が、2〜4個のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物である、請求項6に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007259708A JP2009084523A (ja) | 2007-10-03 | 2007-10-03 | 多官能オキセタニル基を有する紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014519427A (ja) * | 2011-06-06 | 2014-08-14 | シクパ ホルディング ソシエテ アノニム | 硬化性樹脂組成物により製造された層を含むインクジェットプリントヘッド |
JP2020075979A (ja) * | 2018-11-06 | 2020-05-21 | 花王株式会社 | インクジェット印刷用水系インク |
US10906882B2 (en) | 2016-07-13 | 2021-02-02 | Changzhou Tronly Advanced Electronic Materials Co., Ltd. | Polyfunctional oxetane-based compound and production method thereof |
-
2007
- 2007-10-03 JP JP2007259708A patent/JP2009084523A/ja active Pending
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