JP4696659B2 - 紫外線硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、接着剤分野をはじめとする様々な分野で適用可能な紫外線硬化性樹脂組成物に関する。
従来より各種分野では、加熱工程を経ることなく硬化塗膜を形成することが可能な紫外線硬化性樹脂組成物の検討が進められており、近年、印刷インキ、接着剤、塗料等の分野で実用化されつつある。
前記紫外線硬化性樹脂組成物としては、例えば、不飽和二重結合を有するアクリル樹脂等のラジカル重合によって硬化が進行する、いわゆるラジカル重合性紫外線硬化型樹脂組成物が知られている。しかし、前記ラジカル重合性紫外線硬化型樹脂組成物は、酸素存在下で十分に硬化しにくいという、実用上の問題を有していた。
前記問題を解決することを目的として、大気中の酸素の影響を受けない、カチオン重合タイプの紫外線硬化性樹脂組成物の検討が進められており、例えばウレタン系脂環式エポキシ樹脂、カチオン重合性物質及び/又は(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤を含有してなる樹脂組成物が、硬化性に優れ、また、光沢性や基材に対する密着性に優れた硬化物を形成可能であることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、前記樹脂組成物に、通常、紫外線硬化させる際に適用されうるレベルの紫外線照射量、目安として概ね1000〜5000mJ/cmを照射して得られた硬化物は、一見、十分に硬化が進行したようであっても、実際にはゲル分率が十分なレベルにまで達しておらず、その結果、有機溶剤等の影響により劣化を引き起こす場合があった。即ち、前記樹脂組成物を、例えば塗料に使用した場合は、耐溶剤性に優れた塗膜を形成することは困難であり、また、接着剤に使用した場合は、有機溶剤の影響で接着強度の低下等を引き起こす場合があるという問題を有していた。
また、紫外線硬化性樹脂組成物としては、エポキシ樹脂をはじめとするカチオン重合性化合物、オキセタン環を少なくとも1個有する化合物、カチオン重合開始剤、及び潤滑性付与剤を含有する紫外線硬化型缶用塗料組成物が、加工性、密着性、硬度等の性能に優れた塗膜を形成できることが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、前記紫外線硬化型缶用塗料組成物は、カチオン重合性化合物としてエポキシ化合物を使用していることから、得られる硬化塗膜は硬くて脆く、接着剤や塗料などの分野で求められているレベルの柔軟性を有する硬化塗膜を形成することは困難であった。なお、接着剤分野等で求められている柔軟性とは、柔軟な基材と、硬化塗膜とからなる構成体を折り曲げる等した際に、該硬化塗膜の基材に対する十分な追随性を示すものであり、通常、折り曲げ等により該硬化塗膜の割れが発生しないレベルの柔軟性が求められている。
ところで、電子製品をはじめとする精密機器の製造ラインでは、加熱による精密機器への悪影響を防止する観点から、紫外線硬化可能な接着剤や塗料が使用されることが多い。前記製造ラインでは、通常、紫外線を照射した後、前記接着剤等が十分に硬化するまで作業を次工程へ進めることができないため、製造工程の効率化を図る観点から、紫外線硬化性樹脂組成物には、硬化性、即ち少ない紫外線照射量(時間)であっても硬化が十分に進行することが可能な性質が求められている。
しかし、硬化性に優れ、かつ優れた耐溶剤性及び柔軟性を有する硬化物を形成可能な紫外線硬化性樹脂組成物については、各種分野で検討が進められているものの、未だ見出されていないのが現状である。
特開平9−87357号公報 特開平9−309950号公報
本発明が解決しようとする課題は、硬化性に優れ、且つ耐溶剤性及び柔軟性に優れた硬化物を形成できる紫外線硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明者等は、従来から知られている脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマーと光カチオン重合開始剤とその他のカチオン重合性化合物とを含有してなる紫外線硬化性樹脂組成物をベースとして、硬化性、ならびに得られる硬化物の耐溶剤性及び柔軟性の改善を目的として鋭意検討を進めた。
前記その他のカチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物等が一般的に知られているが、これらを使用した紫外線硬化性樹脂組成物では、硬化性、ならびに得られる硬化物の耐溶剤性及び柔軟性を十分に改善することはできなかった。
また、前記脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマーの他に、一般的にカチオン重合タイプの官能基として知られているグリシジル基、即ち脂環式構造を有さないエポキシ基や、オキセタン環構造を有するウレタンプレポリマー等を使用することを検討したものの、やはり、硬化性等を十分に改善することはできなかった。
さらに検討を進めるなかで、少なくとも1個の脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマーと、2個以上のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物と、光カチオン重合開始剤とを含有してなる樹脂組成物が、各種組成を組み合わせ検討したなかで、特異的に硬化性に優れ、かつ得られた硬化物が柔軟性等に優れることを見出すに至った。
即ち本発明は、少なくとも1個の脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(A)、2個以上のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物(B)、及び光カチオン重合開始剤(C)を含有することを特徴とする紫外線硬化性樹脂組成物に関する。
尚、本発明でいう数平均分子量とは、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を使用し、流量1ml/分の条件で、RI検出器(屈折法)にて、分子量既知のポリスチレン換算にて測定した値を表す。本発明では特定の分子量分布を持つ数平均分子量のうち、最大分子量を示すエリアの数平均分子量に着目している。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、硬化性に優れ、且つ耐溶剤性、柔軟性、有機材料や無機材料、金属材料に対しての密着性に優れた硬化物を形成できることから、例えば光部品用接着剤等の各種接着剤や、粘着剤や、液晶シール剤等の各種シーリング剤や、液状プリント配線板レジスト及びドライフィルムレジスト等の各種レジストや、剥離紙用コーティング剤、光ディスク用コート剤、缶コーティング剤、人工皮革・合成皮革用表面コート剤及び粉体塗料等の各種コーティング剤や、平版インキ、スクリーンインキ、フレキソインキ、グラビアインキ及びジェットインキ等の各種インキ用ビヒクル等の広範な分野において使用することが可能であり、実用上、極めて利用価値の高いものである。
本発明は、少なくとも1個の脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(A)、オキセタン環構造を2個以上有するオキセタン化合物(B)、及び光カチオン重合開始剤(C)を主成分として含有し、その他に必要に応じて各種添加剤などを含有してなる紫外線硬化性樹脂組成物である。
はじめに、本発明で使用する脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(A)について説明する。
本発明で使用する脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(A)は、脂環式エポキシ基を分子内に少なくとも1個有するウレタンプレポリマーである。
前記ウレタンプレポリマー(A)が有する脂環式エポキシ基とは、脂環式構造を形成する炭素原子のうち、隣接する2個の炭素原子に、共通の酸素原子1個が結合した状態のエポキシ基をいう。かかる脂環式エポキシ基は、後述する光カチオン重合開始剤(C)の存在下で紫外線照射されることによって開環し、重合反応を進行させる。
前記脂環式エポキシ基は、前記ウレタンプレポリマー(A)中に少なくとも1個存在することが好ましく、2〜4個存在することがより好ましい。前記範囲内の脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(A)を使用することによって、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は良好な硬化性を有し、かつ得られた硬化物に良好な柔軟性を付与することが可能となる。
前記脂環式エポキシ基は、前記ウレタンプレポリマー(A)の分子末端や側鎖に存在しても良いが、得られる紫外線硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させることを考慮すれば、分子末端に脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマーを使用することが好ましい。
ウレタンプレポリマーといわれるものは、一般的に比較的低分子量のものが多いが、当業者においては、数万の数平均分子量を有するものもウレタンプレポリマーと称されており、本発明においても数万の数平均分子量を有するウレタンプレポリマーを使用することができる。本発明で使用するウレタンプレポリマー(A)のサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した最大分子量を示すエリアの数平均分子量は、5000〜100000の範囲のものを使用することが好ましく、8000〜30000の範囲のものを使用することがより好ましい。前記範囲内の数平均分子量を有するウレタンプレポリマー(A)を使用することによって、柔軟性に優れ、かつ有機材料や無機材料、金属材料に対して良好な密着性を有する紫外線硬化性樹脂組成物を得ることができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)は、例えば、ポリオール(a)とポリイソシアネート(b)とを、前記ポリイソシアネート(b)の有するイソシアネート基が、前記ポリオール(a)の有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることによって、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造し、次いで前記ウレタンプレポリマーと、1個の水酸基を有する脂環式エポキシ化合物(c)とを反応させることによって製造することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用できる前記ポリオール(a)としては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば活性水素含有基を2個以上有する反応開始剤とアルキレンオキシドとを反応させて得られるポリエーテルポリオールや、ウレタン変性ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール、ポリマーポリオール、PHD(polyharnsstoffの略)ポリエーテルポリオール等を使用することができる。
前記ポリエーテルポリオールを製造する際に使用できる前記反応開始剤としては、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、メチルグルコシド、ソルビトール、蔗糖、脂肪族アミン系化合物、芳香族アミン系化合物、蔗糖アミン系化合物、燐酸、酸性リン酸エステル等を使用することができる。
前記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン等を単独で使用又は2種以上を併用することができる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコールを使用することが好ましい。
前記ポリオール(a)として使用可能なポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量ポリオールとポリカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールや、環状エステル化合物を開環重合させることによって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
前記低分子量ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3−ジメチロールへプタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等を使用することができ、これら単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を使用することができ、これら単独で使用又は2種以上併用することができる。
前記環状エステル化合物としては、例えばε−カプロラクトン、δ−バレロラクトンを使用することができる。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際には、前記ポリオール(a)以外に、必要に応じて、イソシアネート基と反応しうる活性水素を有する化合物を使用することができる。
前記イソシアネート基と反応しうる活性水素を有する化合物としては、例えば低分子量ポリオール、脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノールアミン等の、一般的に鎖伸長剤として知られているものを使用することができる。
前記低分子量ポリオールとしては、前記ポリエステルポリオールを製造する際に使用可能なものとして例示した低分子量ポリオールと同様のものを使用することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用できるポリイソシアネート(b)としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、あるいはイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等を使用することができ、これら単独で使用又は2種以上併用することができるが、なかでも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを使用することが好ましい。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用できる1個の水酸基を有する脂環式エポキシ化合物(c)としては、例えば下記構造式(1)〜(4)等を使用することができる。
Figure 0004696659
Figure 0004696659
Figure 0004696659
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前記構造式(1)で示される脂環式エポキシ化合物としては、例えば、ETHB、エポリードHD−300、エポリードHD−302(以上、ダイセル化学工業(株)製)等の一般に市販されているものを使用することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)の製造方法において、前記ポリオール(a)と前記ポリイソシアネート(b)とは、前記ポリオール(a)が有する水酸基1当量に対して前記ポリイソシアネート(b)の有するイソシアネート基の当量割合が1.1〜5.0となる範囲で反応させることが好ましく、2.0〜3.0の範囲で反応させることがより好ましい。前記範囲内の当量割合で反応させることによって、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物の著しい粘度上昇を抑制でき、また、良好な柔軟性を有する硬化物を得ることが可能となる。
また、前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと前記1個の水酸基を有する脂環式エポキシ化合物(c)とは、前記脂環式エポキシ化合物(c)が有する水酸基1当量に対して、前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのイソシアネート基の当量割合が、0.8〜1.2の範囲で反応させることが好ましく、0.9〜1.0の範囲で反応させることがより好ましい。前記範囲内の当量割合で反応させて得られるウレタンプレポリマー(A)を使用することによって、良好な柔軟性を有する硬化物を形成することが可能な紫外線硬化性樹脂組成物を得ることが可能となる。
前記ウレタンプレポリマー(A)の製造方法に従い、前記ポリオール(a)、前記ポリイソシアネート(b)、及び前記脂環式エポキシ化合物(c)を反応させる際には、概ね70〜100℃の範囲で、それらを2〜15時間程度反応させることが好ましい。
次に、本発明で使用する2個以上のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物(B)について説明する。
2個以上のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物(B)は、下記構造式(5)で示されるオキセタン環構造を分子中に2個以上有するものであって、後述する光カチオン重合開始剤(C)の存在下で紫外線照射されることによって開環し、重合反応を進行させる。
Figure 0004696659
前記オキセタン化合物(B)は、分子中に前記オキセタン環構造を2〜4個有することが好ましく、2個有することがより好ましい。前記範囲のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物(B)は、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させることができ、かつ得られた硬化物に良好な柔軟性を付与することが可能となる。
前記オキセタン環構造を2個以上有するオキセタン化合物(B)としては、例えば下記一般式(6)、(7)で示される化合物等を単独で使用又は2種以上を併用することができる。
Figure 0004696659
Figure 0004696659
上記一般式(6)、(7)において、Rは水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、フリル基又はチエニル基を表し、Rは2価の有機残基を表し、Zは酸素原子又は硫黄原子を表す。
前記Rが示す炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−もしくはt−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等であり、また、アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、トリル、キシリル基等であり、また、アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル基等である。
また、前記一般式(6)中、Rが表す2価の有機残基としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基、4〜30個の炭素原子を有するポリ(オキシアルキレン)基、フェニレン基、キシリレン基、下記一般式(8)及び(9)で示される構造がある。
前記Rを構成する直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基は、メチレン基、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、ブチレン基、シクロヘキシレン基などの炭素原子数1〜15のアルキレン基であることが好ましい。また、4〜30個の炭素原子を有するポリ(オキシアルキレン)基は、4〜8個の炭素原子を有するものが好ましく、例えば、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基であることが好ましい。
Figure 0004696659
前記一般式(8)中、Rは酸素原子、硫黄原子、CH2、NH、SO、SO2、C(CF3)又はC(CH3)を表す。
Figure 0004696659
前記一般式(9)中、Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、アリーレン基、及び下記一般式(10)で示される官能基を示す。
Figure 0004696659
前記一般式(10)中、nは1〜6の整数を表し、mは1〜15の整数を示す。
前記一般式(10)としては、mが1〜3の整数であることが好ましい。
前記オキセタン化合物(B)としては、例えば、アロンオキセタンOXT−221(ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、東亜合成(株)製)、OXT−121(1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトシキ)メチル〕ベンゼン、東亜合成(株)製)等が、入手のしやすさ等の観点から好適に使用することができる。
次に、本発明で使用する光カチオン重合開始剤(C)について説明する。
本発明で使用する光カチオン重合開始剤(C)は、本発明の紫外線樹脂組成物に紫外線を照射した際に、前記脂環式エポキシを有するウレタンプレポリマー(A)及び前記オキセタン環構造を有するオキセタン化合物(B)のカチオン重合を開始させることができる。
前記光カチオン重合開始剤(C)としては、例えば
カチオン部分が、芳香族スルホニウム、芳香族ヨードニウム、芳香族ジアゾニウム、芳香族アンモニウム、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Feカチオンであり、アニオン部分が、BF-、PF-、SbF-、[BX-(ただし、Xは少なくとも2つ以上のフッ素又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基)で構成されるオニウム塩を単独で使用又は2種以上を併用することができる。
前記芳香族スルホニウム塩としては、例えばビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えばフェニルジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウム テトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、前記芳香族アンモニウム塩としては、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
また、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe塩としては、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラフルオロボレート、2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を使用することができる。
前記光カチオン重合開始剤(C)としては、例えば、CPI−100P、CPI−100A(以上、サンアプロ(株)製)、UVI−6990、UVI−6992、UVI−6976(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)、SP−150、SP−170(以上、旭電化工業(株)製)、FC−508、FC−512(以上、スリーエム社製)、CI−5102(以上、日本曹達(株)製)、イルガキュア250(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074(以上、ローディア・ジャパン(株)製)等を使用することができる。
また、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物には、前記ウレタンプレポリマー(A)、前記オキセタン化合物(B)、及び光カチオン重合開始剤(C)の他に、2個以上の脂環式エポキシ基を有する、前記ウレタンプレポリマー(A)以外の脂環式エポキシ化合物(D)を併用することが好ましい。前記脂環式エポキシ化合物(D)を併用することによって、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化性を格段に向上させることができる。
なお、脂環式エポキシ基とは、脂環式化合物の脂肪族環を形成する環状に結合した炭素原子のうちの2個の炭素原子(通常は互に隣接する炭素原子)に共通の酸素原子1個が結合したエポキシ基をいう。
前記脂環式エポキシ化合物(D)は、分子中に脂環式エポキシ基を2〜4個有することが好ましく、2個有することがより好ましい。前記範囲の脂環式エポキシ基を有する前記脂環式エポキシ化合物を使用することによって、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化性を格段に向上させることができ、さらには紫外線照射により得られた硬化物の良好な柔軟性を維持することが可能となる。
脂環式エポキシ基を2個有する、前記ウレタンプレポリマー(A)以外の脂環式エポキシ化合物としては、例えば、下記一般式(11)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(式中、kが0の化合物。)、そのカプロラクトン変性物(式中、kが1の化合物。)、そのトリメチルカプロラクトン変性物(構造式(12)及び構造式(13))、及びそのバレロラクトン変性物(構造式(14)及び構造式(15))や、構造式(16)で示される化合物を使用することができ、なかでも3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(式中、kが0の化合物。)を使用することが好ましい。
Figure 0004696659
前記一般式(11)中、kは0又は1を表す。
Figure 0004696659
Figure 0004696659
Figure 0004696659
Figure 0004696659
Figure 0004696659
前記一般式(11)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートおよびそのカプロラクトン変性物としては、例えば、セロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2080、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085(以上、ダイセル化学工業(株)製)、サイラキュアUVR−6105、サイラキュアUVR−6107、サイラキュアUVR−6110(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)等が市販されている。
また、前記一般式(16)で示されるアジピン酸エステル系の脂環式エポキシ化合物としては、例えばサイラキュアUVR−6128、ERL4289、ERL4299(以上、ダウ・ケミカル日本(株)製)等が市販されている。
また、脂環式エポキシ基を3個有する、前記ウレタンプレポリマー(A)以外の脂環式エポキシ化合物としては、下記一般式(17)で示される化合物を使用することができる。
Figure 0004696659
一般式(17)中、n1及びn2は、それぞれ独立して0又は1であり、それらは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(17)で示される脂環式エポキシ化合物としては、例えばエポリードGT300、エポリードGT301、エポリードGT302(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が市販されている。
また、脂環式エポキシ基を4個有する、前記ウレタンプレポリマー(A)以外の脂環式エポキシ化合物としては、例えば下記一般式(18)で示される化合物を使用することができる。
Figure 0004696659
前記一般式(18)中、n3〜n6は、それぞれ独立して0又は1を示し、それらは同一であっても異なっていてもよい。
前記一般式(18)で示される脂環式エポキシ化合物としては、例えば、エポリードGT400、エポリードGT401、エポリードGT403(以上、ダイセル化学工業(株)製)等が市販されている。
次に、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、例えば密閉型プラネタリーミキサー等を用いて前記ウレタンプレポリマー(A)及び前記オキセタン化合物(B)、必要に応じて前記脂環式エポキシ化合物(D)を均一になるまで混合、攪拌し、次いで、前記光カチオン重合開始剤(C)を混合、攪拌することによって製造することができる。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物中における、前記ウレタンプレポリマー(A)と前記オキセタン化合物(B)との質量割合[(A)/(B)]は、20/80〜80/20の範囲であることが好ましく、50/50〜75/25の範囲であることがより好ましい。前記範囲の質量割合を有する紫外線硬化性樹脂組成物は、より硬化性、柔軟性に優れ、有機材料や無機材料、金属材料に対する密着性にも優れる。
また、2個以上の脂環式エポキシ基を有する、前記ウレタンプレポリマー(A)以外の脂環式エポキシ化合物(D)を併用する場合には、前記オキセタン化合物(B)と前記脂環式エポキシ化合物(D)との質量割合[(B)/(D)]が、30/70〜99/1の範囲であることが好ましい。前記範囲の質量割合を有する紫外線硬化性樹脂組成物は、より硬化性に優れ、かつ得られた硬化物の良好な柔軟性を維持することが可能となり、有機材料や無機材料、金属材料に対しての良好な密着性を維持することが可能となる。
また、前記光カチオン重合開始剤(C)は、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物の全量に対して0.5〜20質量%の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量%の範囲で使用することがより好ましい。前記範囲の光カチオン重合開始剤(C)を含む紫外線硬化性樹脂組成物は、良好な硬化性を有し、また、得られた硬化物中に残存する酸の量がほぼ無視できるレベルであるため、酸による金属などの基材の劣化を抑制することができる。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。前記添加剤としては、例えばシランカップリング剤、充填剤、チキソ付与剤、増感剤、前記した各種ポリオール以外のその他のポリオール、レベリング剤、酸化防止剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、耐光安定剤、蛍光増白剤、発泡剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、有機顔料、無機顔料、有機溶剤、染料、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、中空発泡体、結晶水含有化合物、難燃剤、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤、顔料分散剤、不活性気体、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤、有機及び無機水溶性化合物等を併用することができる。
前記シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランまたはγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等を使用することができる。
前記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、カオリン、タルク、カーボンブラック、アルミナ、酸化マグネシウム、無機或いは有機バルーン、リチアトルマリン、活性炭等を使用することができる。
前記チキソ付与剤としては、表面処理炭酸カルシウム、微粉末シリカ、ベントナイト、ゼオライト等も使用することができる。
本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、例えば、紙、木材、プラスチック、金属等からなる基材にロールコーター等を用いて1〜500μmの厚さに塗布し、次いで該塗布面に紫外線を照射することによって、硬化塗膜を形成することが可能である。紫外線の照射量は、50〜5000mJ/cmが好ましく、100〜3000mJ/cmがより好ましい。本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、比較的低照射量、概ね100〜1000mJ/cmの照射量であっても、十分に硬化することが可能であるため、紫外線の照射による基材の損傷を抑制することができる。前記紫外線を照射する際には、例えばキセノンランプ、キセノン−水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプなどの公知のランプを使用することができる。なお、上記の紫外線照射量は、いずれもUVチェッカーUVR−N1(日本電池(株)製)を用いて300〜390nmの波長域において測定した値を基準としている。
以下、本発明を実施例、及び比較例により、一層具体的に説明する。
[合成例1](脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(I)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量が1000)601質量部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート227質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で3時間反応させた。
次いで、さらに攪拌しながら前記構造式(1)で示される化合物(ETHB、ダイセル化学工業(株)製)172質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で3時間反応させ、脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(I)を得た。得られたウレタンプレポリマー(I)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した最大分子量を示すエリアの数平均分子量は、15000であった。
[合成例2](脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(II)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量が1000)796質量部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート148質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=1.50に相当。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で7時間反応させた。
次いで、さらに攪拌しながら前記構造式(1)で示される化合物56質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、90℃で3時間反応させ、脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(II)を得た。得られたウレタンプレポリマー(II)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した最大分子量を示すエリアの数平均分子量は、28000であった。
[合成例3](脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(III)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量が1000)209質量部、ポリプロピレングリコール(水酸基当量が200のもの)261質量部、ネオペンチルグリコールと1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸とを反応させて得られたポリエステルジオール(水酸基当量が1000)52質量部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、トリレンジイソアネート82質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.60。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で2.5時間反応させた。
次いで、さらに攪拌しながら4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート235質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で2.5時間反応させた。
次いで、さらに攪拌しながら、前記構造式(1)で示す化合物161質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で3時間反応させ、脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(III)を得た。得られたウレタンプレポリマー(III)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した最大分子量を示すエリアの数平均分子量は、9000であった。
[合成例4](脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(IV)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量が5000)885質量部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート66質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で7時間反応させた。
次いで、前記構造式(1)で示す化合物49質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で3.5時間反応させ、脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(IV)を得た。得られたウレタンプレポリマー(IV)のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定した最大分子量を示すエリアの数平均分子量は、83000であった。
[合成例5](オキセタン環構造を有するウレタンプレポリマー(V)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量が1000)615質量部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート228質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で3時間反応させた。
次いで、さらに攪拌しながら下記構造式(19)の化合物(アロンオキセタンOXT−101、東亞合成(株)製)157質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で2.5時間反応させ、オキセタン環構造を有するウレタンプレポリマー(V)を得た。
Figure 0004696659
[合成例6](脂環式エポキシ基以外のエポキシ基を有するウレタンプレポリマー(VI)の合成例)
清浄なフラスコにポリプロピレングリコール(水酸基当量が1000)648質量部を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート244質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=3.00。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で3時間反応させた。
次いで、さらに攪拌しながら、下記構造式(20)の化合物(グリシドール、ダイセル化学工業(株)製)108質量部を仕込み(イソシアネート基当量/水酸基当量=0.90。)、窒素雰囲気下で攪拌しながら内容物を90℃で3時間反応させ、グリシジル基を有するウレタンプレポリマー(VI)を得た。
Figure 0004696659
[実施例1]
密閉型プラネタリーミキサー中に、前記ウレタンプレポリマー(I)及びOXT−221(ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、東亜合成(株)製)を仕込み、均一になるまで攪拌することにより混合した。次いで、CPI−100P(ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液:サンアプロ(株)製)を混合、攪拌することで、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物を得た。
[実施例2〜8、比較例1〜11]
前記ウレタンプレポリマー(I)、OXT−221、及びCPI−100Pの代わりに表1及び表2に記載のものを使用する以外は、前記実施例1と同様の方法で、紫外線硬化性樹脂組成物を調製した。
実施例1〜8、比較例1〜11の紫外線硬化性樹脂組成物の硬化性、耐溶剤性及び柔軟性を、以下に記した方法により評価した。
[硬化性の評価方法]
指触評価
バーコーターを用いて、前記紫外線硬化性樹脂組成物をポリプロピレン板上に厚さ50μmに塗布し、装置内を1回通過させるごとに145mJ/cmの紫外線照射量となるように設定したコンベアタイプの紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm、コンベアスピード10m/min)を用いて、前記紫外線硬化性樹脂組成物の塗布されたポリプロピレン板を、1回、3回及び5回通過させ、前記紫外線硬化性樹脂組成物の塗布面に紫外線照射した。照射後の塗膜表面を指で押すことによって、塗膜の硬化の程度を評価した。なお、上記の紫外線照射量はUVチェッカーUVR−N1(日本電池(株)製)を用いて300〜390nmの波長域において測定した値である。
◎・・・完全に硬化しフィルムが形成される。
○・・・フィルムが形成されるが、一部未硬化の部分がある。
△・・・部分的に硬化が進行するもののフィルムは形成されない。
×・・・紫外線を照射する前と変化なし。
[耐溶剤性の評価方法]
ゲル分率による評価
バーコーターを用いて前記紫外線硬化性樹脂組成物をポリプロピレン板上に厚さ50μmに塗布し、装置内を1回通過させるごとに145mJ/cmの紫外線照射量となるように設定した紫外線照射装置CSOT―40(日本電池(株)製、高圧水銀ランプ使用、強度120W/cm、コンベアスピード10m/min)を用いて、前記紫外線硬化性樹脂組成物の塗布されたポリプロピレン板を10回通過させ、前記紫外線硬化性樹脂組成物の塗布面に紫外線照射した後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で7日間養生し、前記ポリプロピレン板から剥離することによってフィルムを作製した。得られたフィルムを酢酸エチルに24時間浸漬した後、107℃の条件下で1時間乾燥させ、次式に基づいてゲル分率(質量%)を算出した。
N=Wb/Wa×100
N ;ゲル分率(質量%)
a ;浸漬前の試料の質量(g)
b ;乾燥後の試料の質量(g)
判定基準
○・・・ゲル分率が80質量%以上。
△・・・ゲル分率が70質量%以上80%未満。
×・・・ゲル分率が70質量%未満、又は硬化が十分に進行せずフィルムが形成されない。
[柔軟性の評価方法]
前記「(2)ゲル分率による評価」の欄に記載した方法と同様の方法でフィルムを作製し、手でフィルムを折り曲げた場合の割れの有無を、下記基準で評価した。
○・・・90°曲げても割れが発生しない。
×・・・1〜90°曲げると割れが発生する。
*・・・硬化が十分に進行せずフィルムを作製することができなかったため、評価できなかった。




























Figure 0004696659























Figure 0004696659
(表1及び表2中に示す略号の説明)
OXT−221:ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル。
OXT−121:1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトシキ)メチル〕ベンゼン。
OXT−101:3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン。
OXT−211:3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン。
OXT−212:3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン。
(以上、東亜合成(株)製、商標:アロンオキセタン)。
UVR−6110:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ダウ・ケミカル日本(株)製、商標:サイラキュア)。
CPI−100P:ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェートのプロピレンカーボネート50質量%溶液(サンアプロ(株)製)。

Claims (6)

  1. 少なくとも1個の脂環式エポキシ基を有するウレタンプレポリマー(A)、2個以上のオキセタン環構造を有するオキセタン化合物(B)、及び光カチオン重合開始剤(C)を含有することを特徴とする紫外線硬化性樹脂組成物。
  2. さらに、2個以上の脂環式エポキシ基を有する、前記ウレタンプレポリマー(A)以外の脂環式エポキシ化合物(D)を含有してなる、請求項1に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  3. 前記ウレタンプレポリマー(A)が、脂環式エポキシ基を2〜4個有するものである、請求項1又は2に記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  4. 前記オキセタン化合物(B)が、オキセタン環構造を2〜4個有するものである、請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  5. 前記オキセタン化合物(B)が、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル及び1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトシキ)メチル〕ベンゼンなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  6. 前記ウレタンプレポリマー(A)と前記オキセタン化合物(B)との質量割合[(A)/(B)]が、20/80〜80/20の範囲である、請求項1〜5のいずれかに記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
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