JP2009097017A - インターポリマー組成物およびそれから作られたキャストストレッチフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な加工特性を有し、かつ良好な衝撃強度、穴開き性及び伸縮特性を有し、輸送及び貯蔵する場合に保護して使用する目的で利用される高透明フィルムであるキャストストレッチフィルム並びに該フィルム用インターポリマー組成物を提供する。
【解決手段】インターポリマー組成物から生じさせたキャストストレッチフィルムであって、該インターポリマー組成物は、(A)実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーを10から100重量%及び(B)不均一インターポリマーを0から90重量%含有し、そして該インターポリマー組成物は、100ラド/秒および弛緩時間(τ)において下記の関係:Log(100ラド/秒における粘度)≦4.43−0.8 log(I)またはlog(τ)>−1.2−1.3log(I)のいずれかを満足させる粘度を有する。
【選択図】なし

Description

本出願は1996年12月12日付けで提出した暫定的米国出願番号60/032825の利点を請求するものである。
キャストストレッチフィルム(cast stretch films)は、製造品または品目を輸送および貯蔵する場合に保護して使用する目的で利用される高透明度のフィルムである。商業的適応性を示すそのようなフィルムがエチレンのポリマー類およびコポリマー類から製造されてきた。そのようなポリマー類に優れた加工性を持たせることができれば、それは非常に望ましいことである、即ちキャストストレッチフィルムへの加工をより速い生産速度、より低いエネルギー要求かつ低下した溶融流れ摂動(melt flow perturbations)で行うことができれば、これは非常に望ましいことである。これを行おうとする時、以前には、高いせん断速度応答(shear rateresponse)[ポリマーの高荷重メルトインデックス(high load melt index)を低荷重メルトインデックスで割った値としてせん断速度応答を定義する]を示すエチレン/α−オレフィンコポリマー類を用いる必要があった。そのようなポリマー類の場合、メルトフロー比(melt flow ratio)(MFR)値が高いことは分子量分布が比較的幅広いことを示すことを、本分野の技術者は認識している。典型的なチーグラー(Ziegler)触媒を使用した線状低密度ポリエチレンは比較的幅広い分子量分布を示すことから、これがそのような用途で用いられてきた。
キャストストレッチフィルム用途で用いられるポリマー類は加工が容易であることが重要であるが、また、そのようなフィルムが高い衝撃強度とオンパレット穴開き(on−pallet puncture)を示すならば、それは非常に望ましいことである。伝統的なチーグラー・ナッタ触媒を使用した線状エチレン/α−オレフィンポリマー類の衝撃強度および穴開き強度を高くしようとする場合、これはしばしば分子量分布を狭くするか或はそれと組み合わせて分子量を高くすることを通して達成されている。
米国特許第5,231,151号および5,487,938号(Spencer他)には、パレットラッピング(pallet wrapping)用途で用いられるキャストフィルムを製造しようとする時、ATREFで測定して高密度画分を17%より多い量で含んでいて3.6未満の分子量分布(MWD)を示す線状低密度ポリエチレン(LLDPE)が特に有効であることが教示されている。
米国特許第4,243,619号(Fraser他)には、狭い分子量分布を示すポリマー組成物(チーグラー触媒を用いて作られたエチレン/α−オレフィンコポリマー類である)からストレッチフィルム用途で用いるに有用で良好な光学および機械的特性を示すフィルムを製造する方法が記述されている。
米国特許第5,175,049号(Huff他)には、層を少なくとも2層含んで成るフィルム積層物であるラップ包装用クリングフィルム(cling film)の組成物が記述されている。その外側層は非常に低密度のエチレン/α−オレフィンコポリマー(LVLDPE)を含んで成りそして少なくとも1つの層は線状低密度エチレン/α−オレフィンコポリマー(LLDPE)を含んで成る。そのような組成物はラップ包装に適した差別的クリング特性を示した。
また、狭い分子量分布を示す線状ポリマー類は低い溶融弾性(melt elasticity)を示すことが原因で溶融加工に問題が生じることもよく知られている。そのようなポリマー類はまた比較的低い押出し加工速度でも有意な表面メルトフラクチャー(melt fracture)を経験し、それによって加工が容認されなくなりかつ完成品の表面に不規則な部分が生じる。このような不規則な部分が生じると、例えば包装材料上のバーコードを電子的に読み取る時などに困難さが生じ得る。このように、良好な加工性を示し得ると同時に向上したオンパレット穴開き、ダート衝撃(dart impact)および伸縮性を示しかつ表面に不規則な部分がほとんどないフィルムをもたらし得る樹脂の製造は困難なままである。
エチレン/α−オレフィンの共重合で用いるに適したメタロセン(metallocene)を基とする触媒が比較的最近紹介された結果として新規なエチレンインターポリマー類がもたらされた。この用語「インターポリマー」を、本明細書では、少なくとも2種類の異なるモノマー類が重合した重合体(結果としてインターポリマーが生じる)を示す目的で用いる。これはコポリマー類、ターポリマー類などを包含する。
このようなメタロセン触媒にはビス(シクロペンタジエニル)触媒系およびモノ(シクロペンタジエニル)拘束幾何(Constrained Geometry)触媒系が含まれる。このような拘束幾何金属錯体およびそれの製造方法が1990年7月3日付けで出願した米国出願番号545,403(ヨーロッパ特許出願公開第416,815号);1990年7月3日付けで提出した米国出願番号547,718(ヨーロッパ特許出願公開第468,651号);1991年5月20日付けで提出した米国出願番号702,475(ヨーロッパ特許出願公開第514,828号);1992年5月1日付けで提出した米国出願番号876,268(ヨーロッパ特許出願公開第520,732号);1993年1月21日付けで提出した米国出願番号8,003(WO93/19104);米国出願連続番号08/241,523(WO95/00526)ばかりでなく、米国特許第5,055,438、米国特許第5,057,475、米国特許第5,096,867、米国特許第5,064,802および米国特許第5,132,380号に開示されている。
1991年3月20日付けで公開されたヨーロッパ特許出願公開第418,044号(米国出願番号07/758,654に相当)および米国出願番号07/758,660には、前記拘束幾何触媒の特定カチオン誘導体が開示および請求されていて、それらはオレフィン重合用触媒として用いるに非常に有用である。1991年6月24日付けで提出した米国出願番号720,041は、前記拘束幾何触媒といろいろなボラン類の特定反応生成物が開示されていて、それの製造方法が教示および請求されている。米国特許第5,453,410号には、カチオン拘束幾何触媒とアルモキサン(alumoxane)の組み合わせが適切なオレフィン重合用触媒であるとして開示された。上述した係属中の米国出願、発行された米国特許および公開されたヨーロッパ特許出願は、それらに含まれている教示に関して引用することによって全体が本明細書に組み入れられる。
メタロセン触媒系の使用によって新規なインターポリマーが生み出されたことから、そのような材料を含有させた組成物では新規な要求が生じてきた。そのようなポリマー類は均一(homogeneous)インターポリマーとして知られていて、例えば伝統的なチーグラー触媒を使用した不均一ポリオレフィンポリマー類などに比較して狭い分子量および組成分布(全コモノマーモル含有量中央値の50パーセント以内に入るコモノマー含有量を有するポリマー分子の重量パーセントとして定義される)を示すことを特徴とする。そのようなポリマー類を用いて作られた吹込成型(blown)およびキャストフィルムは、一般に、チーグラー・ナッタ触媒使用LLDPEを用いて作られたフィルムよりも強靭でかつ良好な光学特性およびヒートシール性(heat sealability)を示す。パレットラップ用途用キャストフィルムの場合、メタロセン使用LLDPE[“EXCEEDTMmLLDPE Hexene Copolymers−Structure/Property Relationhips”B.C.TrudellおよびG.D.Malpass Jr,著を参照]の方がチーグラー・ナッタを用いて作られたLLDPEよりも有意な利点を示し、特に向上した耐オンパレット穴開き性を示すことが知られている。しかしながら、そのようなメタロセン使用LLDPEが押出し加工機で示す加工性はチーグラー・ナッタ製品に比較して有意に劣っている。EXCEED(商標)(Exxon Chemicalの商標)として知られるメタロセン使用LLDPEが示す組成分布分枝指数(Composition Distribution Branch Index)(CBDI)値は65%より高い[“EXCEEDTMmLLDPE Hexene Copolymers−Structure/Property Relationhips”B.C.TrudellおよびG.D.Malpass Jr,を参照]。チーグラー・ナッタを用いて作られた材料が示す組成分布はより幅広く、65%より低い値を示す。
また、米国特許第5,272,236号(Lai他)に記述されている実質的に線状である(substantially linear)エチレン/α−オレフィンポリマー類もメタロセンを基とする均一ポリマー類である、と言うのは、そのコモノマーは所定インターポリマー分子内でランダムに分布していてインターポリマー分子の実質的に全部がそのインターポリマー内で同じエチレン/コモノマー比を有するからである。しかしながら、上記ポリマー類は優れた加工性とユニークな流動特性を示しかつ高い溶融弾性と耐メルトフラクチャー性(resistance to melt fracture)を示すことからユニークである。このようなポリマー類は拘束幾何メタロセン触媒系を用いた連続重合方法で成功裏に製造可能である。
最近の研究でメタロセン触媒を用いたLLDPEと高圧LDPEもしくはチーグラー触媒使用LLDPEのブレンド物が示す特性が試験された。そのようなブレンドは典型的にチーグラーLLDPEの加工性とメタロセンを基とするポリマー類の向上した物性の均衡を探求しようとするものである。追加的に、そのような新規で複雑なメタロセン触媒系に伴うコストは充分に確立されたチーグラー触媒系に比較して高いことから、そのようなブレンドを行うと、純粋にメタロセンを基とするポリマー類に比較して製造コストが低くなる可能性がある。
Research Disclosure No.310163(Anonymous)には、チーグラー・ナッタ触媒使用エチレンコポリマーとメタロセン触媒使用エチレンコポリマーのブレンド物をキャストフィルムに加工するとメタロセン触媒使用ポリマー単独に比較して光学特性、じん性、ヒートシール性、フィルムブロッキング(film blocking)および巻戻しノイズ(unwind noise)特性が向上したと教示されている。例えば、メタロセンを使用してエチレンとヘキセンから生じさせたLLDPE(Iが3.0で0.917g/cm)を90%とチーグラー・ナッタ触媒を使用してエチレンとヘキセンから生じさせたLLDPE(Iが0.5で0.921g/cm)を10%含めたブレンド物は、上述したメタロセン使用LLDPEが100%のブレンド物に比較して、TD耐引裂き性(tear resistance)およびMD極限張力および正割係数(secant modulus)が向上した(他のフィルム特性の変化を伴わないで)。
Research Disclosure No.37652(Anonymous)には、シングルサイト(single site)メタロセン触媒を用いて作られた樹脂と高圧ポリエチレン樹脂のブレンド物は優れた光学およびヒートシール特性を示して、キャストフィルム用途で用いるに有用であることが教示されている。
Research Disclosure No.37644(Anonymous)には、シングルサイトメタロセン触媒を用いて作られた樹脂と伝統的な(チーグラー・ナッタ)触媒を用いて作られた樹脂のブレンド物は優れた横方向引裂きおよび機械方向極限張力特性を示して、キャストフィルム用途で用いるに有用であることが教示されている。
米国特許第5,376,439号(Hodgson他)には、70%より大きい組成幅インデックス(compositional breadth index)を示す非常に低密度のエチレンポリマーが25から90重量%で70%未満の組成幅インデックスを示す低から中密度のエチレンポリマーが10から75重量%のブレンド物を含んで成るポリマー組成物が記述されている。そのような組成物から作られたフィルムは優れた伸び、張力および衝撃特性を示した。
WO94/25523(Chum他)には、フィルムを少なくとも1種の均一分枝エチレン/α−オレフィンインターポリマーと不均一分枝エチレン/α−オレフィンインターポリマーのブレンド物にすると、相乗的に向上した物性を示すフィルムが生じ得ることが教示されている。そのように配合した組成物から作られたフィルムは驚くべきほど良好な衝撃および張力特性を示し、特に良好な引張り応力とじん性の組み合わせを示す。
米国特許第5,395,471号(Obijeski他)には、少なくとも1種の実質的に線状であるポリエチレン単独か或はそれと少なくとも1種の高圧エチレンポリマーの組み合わせまたは少なくとも1種の不均一線状オレフィンポリマーの組み合わせを含む組成物が押出し加工被覆装置で示すライン速度は向上することが教示されている。その新規な組成物はより高いドローダウン率(draw down rates)、より低いネックイン(neck−in)およびより高い耐ドローリゾナンス性(resistance to draw resonance)を示すと同時にフィルムの耐酷使性(abuse resistance)を保持しているか或は向上した耐酷使性を示す。
このように、良好な加工特性を示すキャストストレッチフィルムをもたらし得るであろうポリマー類を開発することができれば、これは望ましいことである。また、良好な加工特性を示しかつ良好な衝撃強度、穴開き性および伸縮特性を示すキャストストレッチフィルムを製造することができれば、これも望ましいことである。また、配向の影響に対する感受性が低いキャストストレッチフィルムを製造することができれば、これも望ましいことである。最後に、また、メタロセン触媒を用いた生成物とチーグラーを基とする触媒を用いた生成物のブレンド物であるポリマー類からそのような向上したキャストストレッチフィルムを製造することができれば、これもコストの観点から望ましいことである。
発明の要約
本発明は、インターポリマー組成物およびそれから作られたキャストストレッチフィルムに関し、ここで、上記インターポリマー組成物が、
(A)実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含んでいて、これが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から100重量%の量で存在し、かつ
(B)不均一インターポリマーを含んでいて、これが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして0から90重量%の量で存在し、そしてここでは、
上記インターポリマー組成物が<10.0のI10/I値を示すようにし、そしてこの組成物を、100ラド/秒(rad/s)および弛緩時間(relaxation time)(τ)において下記の関係:
Log(100ラド/秒における粘度)≦4.43−0.8 log(I
または
log(τ)>−1.2−1.3log(I
のいずれかを満足させる粘度を有するとして特徴づけられる。
本発明は、また、インターポリマー組成物[このインターポリマー組成物はATREF曲線に異なるピークを2つ示し、かつ
−T≦25℃
(ここで、Tは、最も高い結晶化ピーク(crystallization peak)の溶出温度(elution temperature)であり、そしてTは、最も低い結晶化ピークの溶出温度である)であり、かつ
Mv/Mv≦1
(ここで、Mvは、最も高い溶出温度を持つピークの所の粘度平均分子量であり、そしてMvは、最も低い溶出温度を持つピークの所の粘度平均分子量である)であり、かつ
Mw/Mn≦3
である]およびそれから作られたキャストストレッチフィルムにも関する。
本発明のインターポリマー類およびフィルムは好ましい加工性とオンパレット特性の均衡を示しかつチーグラー・ナッタ製品およびメタロセンを基とするLLDPE類(これらは実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含まない)に比べて相乗的に高いダート衝撃強度を示し得る。本発明のインターポリマー類は、加工性の意味でチーグラー・ナッタ触媒を用いて作られたポリマー類に類似しているが、本発明のキャストストレッチフィルムが示すオンパレット性能(伸縮性および耐穴開き性を包含)はずっと良好である。本発明のキャストストレッチフィルムは、オンパレット性能に関して、メタロセン使用LLDPE類(これらは長鎖分枝を全く含まない)から作られたフィルムに相当しているが、加工性はずっと良好である。
発明の詳細な説明
定義
本明細書において、元素または金属が特定の族に属すると言及する場合これらは全部CRC Press,Inc.が出版しそして著作権を有する元素周期律表(1989)を指す。また、族または族類に対する如何なる言及も、族の番号付けでIUPACシステムを利用している上記元素周期律表に示される如き族または族類を指すものとする。
本明細書に示す如何なる数値も、少なくとも2つの単位が任意の下方値と任意の上方値の間で分離していることを条件として、1つの単位の増分において上記下方値から上方値までの値全部を包含する。一例として、成分の量または工程変数の値、例えば温度、圧力、時間などの量が例えば1から90、好適には20から80、より好適には30から70などであると記述する場合、15から85、22から68、43から51、30から32などの如き値は明らかに本明細書中に入ることを意図する。値が1未満の場合の1単位は適宜0.0001、0.001、0.01または0.1であると見なす。これらは単に具体的に意図するものの例であり、最小値と最大値の間の数値の可能な組み合わせは全部同様な方法で明らかにその適用範囲内に入ると見なされるべきである。
ストレッチフィルムは、熱をかけないで縦方向またはそれと横方向の組み合わせで冷延伸を受けさせることができそしてアラウンドアロード(around a load)で引き伸ばした時に長期間に渡って張力を保持し得るポリエチレンフィルムに与えられる名称である。キャストストレッチフィルムと吹込成型ストレッチフィルムは加工方法で区別され得る。キャストフィルムと吹込成型フィルムの主要な差は冷却方法、フィルム配向、ライン速度およびゲージコントロールに関する差である。キャストフィルムは典型的に吹込成型フィルムに比較して良好な光学特性を示しかつずっと高い機械方向配向度を示す。本明細書に記述する新規な特性を示すキャストストレッチフィルムおよびフィルム構造物は通常のキャストフィルム加工技術を用いて製造可能である。通常のキャスティング(casting)方法が例えばModern Plastics Encyclopedia/89 1988年10月中旬 65巻 no.11,232−234頁(これの開示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。
用語「線状エチレン/α−オレフィンポリマー類」は、オレフィンポリマーが長鎖分枝を持たないことを意味する。即ち、線状エチレン/α−オレフィンポリマーには、例えば均一分枝(即ち均一に分枝した)分布重合方法[例えば米国特許第3,645,992号(Elston)(これの開示は引用することによって本明細書に組み入れられる)]を用いて作られた線状低密度ポリエチレンポリマー類または線状高密度ポリエチレンポリマー類の場合のように長鎖分枝が存在せず、そしてそれらは、そのコモノマーが所定インターポリマー分子内でランダムに分布していてインターポリマー分子の実質的に全部がそのインターポリマー内で同じエチレン/コモノマー比を有するポリマー類である。この用語「線状エチレン/α−オレフィンポリマー類」は、長鎖分枝を多数持つことが本分野の技術者に知られている高圧分枝ポリエチレンを指さない。このような線状エチレン/α−オレフィンポリマーは典型的にエチレン/α−オレフィンから作られたインターポリマーであり、ここで、このα−オレフィンは少なくとも1種のC−C20α−オレフィン(例えば1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなど)であり、この少なくとも1種のα−オレフィンは好適には1−オクテンである。このエチレン/α−オレフィンインターポリマーは最も好適にはエチレンとC−C20α−オレフィンから作られたコポリマー、特にエチレン/1−オクテンのコポリマーである。本発明の実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー類は伝統的な線状エチレン/α−オレフィンポリマー類(例えば不均一分枝線状低密度ポリエチレン、線状高密度ポリエチレンまたは均一分枝線状ポリエチレン)と同じ種類のものでなく、またそれらは伝統的な高分枝低密度ポリエチレンと同じ種類のものでもない。本発明で用いるに有用な実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー類は、驚くべきことに、比較的狭い分子量分布を示すにも拘らず優れた加工性を示す。更により驚くべきことには、この実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー類の場合、多分散指数[即ち分子量分布(Mw/Mn)]から本質的に独立させてそれが示すメルトフロー比(I10/I)を変えることができる。このことは、多分散指数を高くするとまたI10/I値も高くなってしまうと言った流動特性を示す通常の不均一分枝線状ポリエチレン樹脂とは対照的である。
実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー類(成分A)
本発明の実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマー類およびインターポリマー類を本明細書でも米国特許第5,272,236号(Lai他)(これの内容は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる)と同様に定義する。この実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマー類は、そのコモノマーが所定インターポリマー分子内でランダムに分布していてインターポリマー分子の実質的に全部がそのインターポリマー内で同じエチレン/コモノマー比を有するポリマー類である。
この用語「実質的に線状である」エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、そのポリマーバックボーンが炭素1000個当たり0.01個の長鎖分枝から炭素1000個当たり3個の長鎖分枝、より好適には炭素1000個当たり0.01個の長鎖分枝から炭素1000個当たり1個の長鎖分枝、特に炭素1000個当たり0.05個の長鎖分枝から炭素1000個当たり1個の長鎖分枝で置換されていることを意味する。
長鎖分枝を、本明細書では、コモノマーが有する炭素の全数よりも2少ない炭素数よりも少なくとも炭素1個分長い鎖長であるとして定義し、例えばエチレン/オクテンから作られた実質的に線状であるエチレンインターポリマーの長鎖分枝の長さは少なくとも炭素7個分である[即ち、炭素8個分から炭素2個分を引くと炭素6個分になり、これに炭素1個分を足すと、長鎖分枝の長さが炭素7個分であることに等しくなる]。この長鎖分枝の長さはポリマーのバックボーンの長さとほぼ同じ長さである可能性がある。13C核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて長鎖分枝を測定し、そしてRandallの方法(Rev.Macromol.Chem.Phys.、C29(2&3)、285−297頁)(これの開示は引用することによって本明細書に組み入れられる)を用いて量を定める。長鎖分枝は、勿論、単にコモノマーが組み込まれた結果として生じる短鎖分枝から区別されるべきであり、このように、例えばエチレン/オクテンから作られた実質的に線状であるポリマーが有する短鎖分枝の長さは炭素6個分である一方、この同じポリマーの長鎖分枝の長さは少なくとも炭素7個分である。
「流動学的プロセシング・インデックス」(PI)は、気体押出しレオメーター(gas extrusion rheometer)(GER)で測定した時のポリマーの見掛け粘度(kポイズで表す)である。この気体押出しレオメーターは、「Polymer Engineering Science」、17巻、No.11、770頁(1977)の中でM.Shida、R.N.ShroffおよびL.V.Cancioが記述していると共に、Van Nostrand Reinhold Co.が出版しているJohn Dealy著「Rheometers for Molten Plastics」、(1982)の97から99頁(両方の出版物とも引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に記述されている。全てのGER実験を、入り口角度が180°で直径が0.0296インチでL/Dが20:1のダイスを用いて5250から500psigの窒素圧力下190℃の温度で実施する。本明細書に記述する実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマー類の場合のPIは、GERを用いて2.15x10ダイン/cm2の見掛けせん断応力で測定した材料の見掛け粘度(kポイズで表す)である。本明細書に記述する新規な実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマー類が示すPIは、好ましくは0.01kポイズから50kポイズの範囲、好適には15kポイズ以下である。本明細書に記述する新規な実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマー類が示すPIは、ほぼ同じIとMw/Mnにおいて、比較線状エチレン/α−オレフィンポリマーが示すPIの約70パーセントに等しいか或はそれ以下である。
メルトフラクチャー現象を識別する目的で、見掛けせん断速度に対する見掛けせん断応力のプロットを用いる。Ramamurthy「Journal of Rheology」、30(2)、337−357、1986に従い、特定の臨界流量を越えると観察される押出された物の不規則さは、幅広い意味で2つの主要な型に分類分け可能である、即ち表面メルトフラクチャーとグロスメルトフラクチャーに分類分け可能である。
表面メルトフラクチャーは、明らかに安定した流れ条件下で起こり、そしてその詳細な範囲は、鏡面光沢損失から、よりひどい「鮫肌」形態に至る。本開示では、表面メルトフラクチャーが起こり始める時(OSMF)を、押出された物の光沢が失われ始める時(押出された物の表面の粗さが40Xの倍率でのみ検出可能になる時)であるとして特徴付ける。上記実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー類の場合の表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度は、ほぼ同じIとMw/Mnを有する線状エチレン/a−オレフィンポリマーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度より、少なくとも50パーセント大きく、ここで、本明細書で用いる如き「ほぼ同じ」は、各値が比較線状エチレンポリマーの比較値の10パーセント以内にあることを意味する。
グロスメルトフラクチャーは、不安定な流れ条件下で起こり、そしてその詳細な範囲は、規則正しい歪み(粗い部分と滑らかな部分が交互に存在すること、螺旋状であることなど)から不規則な歪みに至る。商業的受け入れに関して(例えばブローンフィルム製品などで)、表面の欠陥は存在していたとしても最小限でなくてはならない。本明細書では、GERで押出された押出し物の表面粗さおよび構造の変化を基準にして、表面メルトフラクチャーが起こり始める時(OSMF)およびグロスメルトフラクチャーが起こり始める時(OGMF)の臨界せん断速度を用いることにする。
本明細書に記述する組成物の構成で用いるに有用な実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマー類は均一な分枝分布を示す。即ち、このようなポリマー類は、そのコモノマーが所定インターポリマー分子内でランダムに分布していてインターポリマー分子の実質的に全部がそのインターポリマー内で同じエチレン/コモノマー比を有するポリマー類である。このポリマー類が示す均一性を典型的には短鎖分枝分布指数(SCBDI)(Short Chain Branch Distribution Index)または組成分布分枝指数(CDBI)(Composition Distribution Branch Index)で記述し、これを、全コモノマーモル含有量中央値の50パーセント以内に入るコモノマー含有量を有するポリマー分子の重量パーセントとして定義する。ポリマーのCDBIは、本技術分野で知られる技術で得られるデータ、例えばWild他、Journal of Polymer Science,Poly.Phys.Ed.、20巻、441頁(1982)、米国特許第4,798,081号(Hazlitt他)などに記述されているか或は米国特許第5,008,204号(Stehling)(これらの開示は引用することによって本明細書に組み入れられる)などに記述されている如き例えば昇温溶出分離法(temperature rising elution fractionation)(本明細書では「TREF」と省略する)などで得られるデータから容易に計算される。CDBIを計算する技術は米国特許第5,322,728号(Davey他)および米国特許第5,246,783号(Spenadel他)または米国特許第5,089,321号(Chum他)(これらの開示は全部引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。本発明で用いる実質的に線状であるオレフィンインターポリマー類の場合のSCBDIまたはCDBIは、好適には約30パーセントより大きく、特に約50パーセントより大きい。本発明で用いる実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー類は、これをTRFE技術で測定した時、「高密度」画分を本質的に測定可能量で含まない[即ち、この均一エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、炭素1000個当たりのメチル数が2に等しいか或はそれ以下の分枝度を示すポリマー画分を含まない]。この実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマー類は、また、短鎖分枝度が高い画分も全く含まない[即ち、それらは炭素1000個当たりのメチル数が30に等しいか或はそれ以上の分枝度を示すポリマー画分を含まない]。
拘束幾何触媒
本発明の実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー成分(成分A)の製造で用いる触媒は、本技術分野で拘束幾何金属錯体として記述されている錯体を基とする触媒である。このような触媒は高い効率を示し、このことは、ポリマー内に残存する触媒残渣がポリマーの品質に影響を与えないほど効率的であることを意味する。検出され得る金属原子(本明細書では「M」と表示)の量は典型的に約10ppmに等しいか或はそれ以下であり、適切な共触媒(例えば本明細書に記述するアルミノキサン類の1つ)を用いた時に検出され得るアルミニウム残渣の量は約250ppmに等しいか或はそれ以下である。
上記触媒は上述した金属錯体a)から誘導される1種以上のカチオン種もしくは双性イオン種から成る混合物の形態で存在すると考えている。完全にカチオン性か或は部分電荷分離した(partially charge separated)金属錯体、即ち双性イオン金属錯体が以前に米国特許第5,470,993号および5,486,632号(これらの教示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示された。
そのようなカチオン錯体は、式:
p−1
[式中、
Mは、表面的(formal)酸化状態が+4または+3の4族の金属であり、
Lは、各場合とも独立して、シクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基またはオクタヒドロフルオレニル基であり、これは場合によりヒドロカルビル、ハロ、ハロヒドロカルビル、アミノヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジヒドロカルビルアミノ、ジヒドロカルビルホスフィノ、シリル、アミノシリル、ヒドロカルビルオキシシリルおよびハロシリル基(これらが含む非水素原子数は20以下である)から成る群から独立して選択される1から8個の置換基で置換されていてもよく、或は更に場合により、上記L基の2つがヒドロカルバジイル、ハロヒドロカルバジイル、ヒドロカルビレンオキシ、ヒドロカルビレンアミノ、シラジイル、ハロシラジイルおよび二価のアミノシラン基(これらが含む非水素原子数は20以下である)から選択される二価の置換基で一緒になって結合していてもよく、
Xは、各場合とも独立して、一価のアニオン性σ結合(σ−bonded)配位基、両方の価がMに結合する二価のアニオン性σ結合配位基または1つの価がMに結合しかつ1つの価がL基に結合する二価のアニオン性σ結合配位基であり、ここで、上記Xが含む非水素原子数は60以下であり、
lは、1であり、
pは、0、1または2であるが、Xが一価のアニオン性σ結合配位基であるか或は1つの価がMに結合しかつ1つの価がL基に結合する二価のアニオン性σ結合配位基の時にはMの表面的酸化状態よりも1小さく、或はXが両方の価がMに結合する二価のアニオン性σ結合配位基の時のpはMの表面的酸化状態よりも1+1小さく、そして
は、活性化用共触媒に由来する配位しない適合性アニオンである]に相当すると考えている。
上記双性イオン錯体は、特に、メタロシクロペンテン(metallocyclopentene)の形態にある4族金属のジエン錯体[この金属は+4の表面的酸化状態にある(即ち、Xが2−ブテン−1,4−ジイルまたはそれのヒドロカルビル置換誘導体であり、両方の価がMに結合する)]にルイス酸である活性化用共触媒、特にトリス(パーフルオローアリール)ボラン類を用いた活性化を受けさせると生じる。
このような双性イオン錯体は、式:
X’Xp−1XX**−A
[式中、
Mは、表面的酸化状態が+4の4族の金属であり、
L、X、lおよびpは、この上で定義した通りであり、
X**は、共役ジエンX’の二価残基であり、これはメタロシクロペンテンの炭素と金属の結合の1つの所で環が開くことで生じ、そしてAは、活性化用共触媒に由来する配位しない適合性アニオンである]に相当すると考えている。
用語「配位しない」を本明細書で用いる場合、これは、カチオン金属錯体に配位しないか或はそれに配位するとしても若干のみであることで中性ルイス塩基(α−オレフィンを包含)に置き換わり得るに充分なほど不安定なままであるアニオンを意味する。配位しないアニオンは、具体的には、本発明の触媒系で電荷均衡アニオン(charge balancing anion)として機能を果す時に中性の4配位金属錯体と中性の副生成物が生じるようにそれの断片を上記カチオンに移転することのないアニオンを指す。「適合性アニオン」は、最初に生じた錯体が分解を起こす時に減成を起こして中性になることも後で行う所望の重合を邪魔することもないアニオンである。
X’は、各場合とも独立して、原子数が20以下の中性ルイス塩基である配位する化合物である。
本発明で用いる配位錯体の例には、式:
LMXX’(I)
に相当する前記種が含まれる。好適なX’基はホスフィン類、特にトリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンおよびビス(1,2−ジメチルホスフィノ)エタンなど;P(OR)[ここで、RはC−C30ヒドロカルビルである];エーテル類、特にテトラヒドロフラン;アミン類、特にピリジン、ビピリジン、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)およびトリエチルアミン;炭素原子数が4から40のオレフィン類および共役ジエン類である。共役ジエンX’基を含む錯体には、金属が+2の表面的酸化状態にありそしてL、M、X、X’およびpがこの上で定義した通りでqが0、1または2の錯体が含まれる。
好適な金属錯体は前記種類(I)に属し、これは式:
[式中、
Mは、表面的酸化状態が+2、+3または+4のチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
は、各場合とも独立して、水素、ヒドロカルビル、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロおよびそれらの組み合わせから成る群から選択される(上記Rが有する非水素原子数は20以下である)か、或は隣接するR基が一緒になって二価の誘導体(即ち、ヒドロカルバジイル、シラジイルまたはゲルマジイル基)を生じることによって縮合環系を形成しており、
各X”は、ハロ、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルアミノまたはシリル基(上記基が有する非水素原子数は20以下である)であるか、或は2つのX”基が一緒になって中性のC5−30共役ジエンまたはそれの二価誘導体を形成しており、
Yは、−O−,−S−,−NR−,−PR−であり、
Zは、SiR ,CR ,SiR SiR ,CR CR ,CR=CR,CR SiR ,またはGeR であり、
ここで、Rはこの上で定義した通りであり、そして
nは、1から3の整数である]
に相当する。
本発明で用いるに最も好適な配位錯体は、式:
[式中、
は、各場合とも独立して、水素、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、シリル、ゲルミルおよびそれらの混合物から選択される基(上記基が有する非水素原子数は20以下である)であり、
Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
Z、Y、XおよびX’は、この上で定義した通りであり、
pは、0、1または2であり、そして
qは、0または1であるが、但し
pが2でqが0の時にはMが+4の表面的酸化状態にあってXがハロゲン化物、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジ(ヒドロカルビル)アミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド、ヒドロカルビルスルフィドおよびシリル基に加えてそれらのハロ置換誘導体、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換誘導体、ヒドロカルビルオキシ置換誘導体およびジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換誘導体から成る群から選択されるアニオン性配位子であり、ここで、上記X基の非水素原子数は20以下であり、
pが1でqが0の時にはMが+3の表面的酸化状態にあってXがアリル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニルおよび2−(N,N−ジメチル)アミノベンジルから成る群から選択される安定化用(stabilizing)アニオン性配位子基であるか或はMが+4の表面的酸化状態にあってXが共役ジエンの二価誘導体でMとXが一緒になってメタロシクロペンテン基を形成しており、そして
pが0でqが1の時にはMが+2の表面的酸化状態にあってX’が場合により1つ以上のヒドロカルビル基で置換されていてもよい中性の共役もしくは非共役ジエンで上記X’が炭素原子を40個以下の数で有していてMと一緒にπ錯体を形成していることを条件とする]
に相当する錯体である。
本発明で用いるにより好適な配位錯体は、式:
[式中、
は、各場合とも独立して、水素またはC1−6アルキルであり、
Mは、チタンであり、
Yは、−O−,−S−,−NR−,−PR−であり、
は、SiR ,CR ,SiR SiR ,CR CR ,CR=CR,CR SiR ,またはGeR であり、
は、各場合とも独立して、水素であるか、或はヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、シリル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリールおよびそれらの組み合わせから選択される一員であり、ここで、上記Rの非水素原子数は20以下であり、場合により、Zに由来する2つのR基(Rが水素でない時)か或はZに由来する1つのR基とYに由来する1つのR基が環系を形成していてもよく、
pは、0、1または2であり、
qは、0または1であるが、但し
pが2でqが0の時にはMが+4の表面的酸化状態にあってXが各場合とも独立してメチルまたはベンジルであり、
pが1でqが0の時にはMが+3の表面的酸化状態にあってXが2−(N,N−ジメチル)アミノベンジルであるか或はMが+4の表面的酸化状態にあってXが2−ブテン−1,4−ジイルであり、そして
pが0でqが1の時にはMが+2の表面的酸化状態にあってX’が1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジェンであることを条件とする]
に相当する錯体である。
後者のジエンは非対称ジエン基の一例であり、その結果として、実際上個々の幾何異性体の混合物である金属錯体の生成がもたらされる。
上記錯体の調製はよく知られている合成技術を用いて実施可能である。上記金属錯体の好適な製造方法が1995年4月24日付けで提出した米国出願番号(USSN)8/427,378(これの教示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている。これらの反応を−100から300℃、好適には−78から100℃、最も好適には0から50℃の温度の適切な非障害(noninterfering)溶媒中で行う。金属Mに還元を受けさせて高い酸化状態から低い酸化状態にする目的で還元剤を用いることも可能である。適切な還元剤の例はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウムおよび亜鉛、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の合金、例えばナトリウム/水銀アマルガムおよびナトリウム/カリウム合金など、ナトリウムナフタレニド、カリウムグラファイト、リチウムアルキル類、リチウムもしくはカリウムアルカジエニル類およびグリニヤール試薬である。
錯体を生じさせる時に用いるに適切な反応用媒体には、脂肪族および芳香族炭化水素、エーテル類および環状エーテル類、特に分枝鎖炭化水素、例えばイソブタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどおよびそれらの混合物;環状および脂環式炭化水素、例えばシクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタンなどおよびそれらの混合物;芳香族およびヒドロカルビル置換芳香族化合物、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレンなど、C1−4ジアルキルエーテル類、(ポリ)アルキレングリコール類のC1−4ジアルキルエーテル誘導体およびテトラヒドロフランが含まれる。また、前記の混合物も使用に適切である。
上述した配位錯体と組み合わせて用いるに適切な活性化用共触媒は、それからX置換基を引き抜いて不活性な非障害対イオンを生じさせるか或は上記錯体の双性イオン誘導体を生じさせる能力を有する化合物である。本明細書で用いるに適切な活性化用共触媒には、完全フッ素置換トリ(アリール)ホウ素化合物、最も具体的にはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン;高分子でなくて適合性で配位しないイオン形成(ion forming)化合物(このような化合物を酸化条件下で用いることを包含)が含まれ、特に、配位しない適合性アニオンのアンモニウム塩、ホスホニウム塩、オキソニウム塩、カルボニウム塩、シリリウム塩またはスルホニウム塩、そして配位しない適合性アニオンのフェロセニウム塩の使用が含まれる。適切な活性化技術にはバルクエレクトロリシス(bulk electrolysis)(本明細書の以下により詳細に説明する)の使用が含まれる。前記活性化用共触媒と活性化技術の組み合わせも同様に使用可能である。前記活性化用共触媒および活性化技術は下記の文献にいろいろな金属錯体に関して既に教示されている:ヨーロッパ特許出願公開第277,003号、米国特許第5,153,157号、米国特許第5,064,802号、ヨーロッパ特許出願公開第468,651号(米国連続番号07/547,718に相当)、ヨーロッパ特許出願公開第520,732号(米国連続番号07/876,268に相当)、そしてヨーロッパ特許出願公開第520,732号(1992年5月1日付けで提出した米国連続番号O7/884,966に相当)(これらの教示は引用することによって本明細書に組み入れられる)。
より詳細には、本発明の1つの態様で共触媒として用いるに適切なイオン形成化合物は、プロトンを供与し得るブレンステッド酸であるカチオンを含みかつ配位しない適合性アニオンAを含むものである。用語「配位しない」を本明細書で用いる場合、これは、4族の金属を含有する前駆体錯体にもそれから生じる触媒作用を示す誘導体にも配位しないか或は上記錯体に配位するとしても若干のみであることで中性ルイス塩基に置き換わり得るに充分なほど不安定なままであるアニオンまたは物質を意味する。「適合性アニオン」は、最初に生じた錯体が分解を起こす時に減成を起こして中性になることも後で行う所望の重合も上記錯体の他の使用も邪魔することのないアニオンである。
好適なアニオンは、電荷を持つ金属またはメタロイドのコア(core)を有する単一の配位錯体を含有するアニオンであり、このアニオンは、2つの成分を一緒にした時に生じ得る活性触媒種(金属カチオン)の電荷の均衡を保つ能力を有するものである。また、上記アニオンは、オレフィン系、ジオレフィン系およびアセチレン系不飽和化合物または他の中性ルイス塩基、例えばエーテル類またはニトリル類などに置き換わるに充分なほど不安定であるべきである。適切な金属には、これらに限定するものでないが、アルミニウム、金および白金が含まれる。適切なメタロイド類には、これらに限定するものでないが、ホウ素、燐およびケイ素が含まれる。金属またはメタロイド原子を1個有する配位錯体を含むアニオンを含有する化合物は勿論よく知られていて、特にアニオン部分の中にホウ素原子を1個有するそのような化合物は数多く商業的に入手可能である。
このような共触媒は、好適には、下記の一般式:
(L*−H) (A)d−
[式中、
L*は、中性ルイス塩基であり、
(L*−H)は、ブレンステッド酸であり、
d−は、d−の電荷を有する配位しない適合性アニオンであり、そして
dは、1−3の整数である]
で示される。
より好適には、Ad−は式:
[M’Q
[式中、
M’は、表面的酸化状態が+3のホウ素またはアルミニウムであり、そして
Qは、各場合とも独立して、水素化物、ジアルキルアミド、ハロゲン化物、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキサイド、ハロ置換ヒドロカルビル、ハロ置換ヒドロカルビルオキシおよびハロ置換シリルヒドロカルビル基(完全ハロゲン置換ヒドロカルビル基、完全ハロゲン置換ヒドロカルビルオキシ基および完全ハロゲン置換シリルヒドロカルビル基を包含)から選択され、ここで、上記Qの炭素数は20以下であるが、但しQがハロゲン化物であるのは1回以内であることを条件とする]
に相当する。
適切なヒドロカルビルオキサイドQ基の例が米国特許第5,296,433号(これの教示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている。
より好適な態様において、dは1である、即ち上記対イオンは一負電荷を有し、Aである。本発明の触媒の調製で用いるに特に有用なホウ素含有活性化用共触媒は、下記の一般式:
(L*−H)(BQ
[式中、
L*は、この上で定義した通りであり、
Bは、表面的酸化状態が+3のホウ素であり、そして
Qは、非水素原子数が20以下のヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、フッ素置換ヒドロカルビル基、フッ素置換ヒドロカルビルオキシ基またはフッ素置換シリルヒドロカルビル基であるが、但しQがヒドロカルビルであるのは1回以内であることを条件とする]
で示される。
最も好適には、Qは、各場合とも、フッ素置換アリール基、特にペンタフルオロフェニル基である。
本発明の改良触媒の調製で活性化用共触媒として使用可能なホウ素化合物の説明的非制限例は、
三置換アンモニウム塩、例えばテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリメチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリプロピルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリ(n−ブチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリ(s−ブチル)アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチル−N−ドデシルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチル−N−オクタデシルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N−メチル−N,N−ジドデシルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N−メチル−N,N−ジオクタデシルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチルアニリニウム、n−ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチルアニリニウム、ベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチルアニリニウム、テトラキス(4−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチルアニリニウム、テトラキス(4−(トリイソプロピルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチルアニリニウム、ペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジエチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウム、テトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸トリメチルアンモニウム、テトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸トリプロピルアンモニウム、テトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸トリ(n−ブチル)アンモニウム、テトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸ジメチル(t−ブチル)アンモニウム、テトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチルアニリニウム、テトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジエチルアニリニウム、およびテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ホウ酸N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムなど、
二置換アンモニウム塩、例えばテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジ−(i−プロピル)アンモニウム、およびテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジシクロヘキシルアンモニウムなど、
三置換ホスホニウム塩、例えばテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリフェニルホスホニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリ(o−トリル)ホスホニウム、およびテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸トリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムなど、
二置換オキソニウム塩、例えばテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジフェニルオキソニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジ(o−トリル)オキソニウム、およびテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジ(2,6−ジメチルフェニル)オキソニウムなど、
二置換スルホニウム塩、例えばテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジフェニルスルホニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ジ(o−トリル)スルホニウム、およびテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸ビス(2,6−ジメチルフェニル)スルホニウムなどである。
好適な(L*−H)カチオンはN,N−ジメチルアニリニウム、トリブチルアンモニウム、N−メチル−N,N−ジドデシルアンモニウム、N−メチル−N,N−ジオクタデシルアンモニウムおよびそれらの混合物である。
イオンを形成する別の適切な活性化用共触媒には、配位しない適合性アニオンとカチオン性酸化剤の塩が含まれ、これは式:
(OXe+(Ad−e−
[式中、
Oxe+はe+の電荷を有するカチオン性酸化剤であり、
eは1から3の整数であり、そして
d−およびdはこの上で定義した通りである]
で表される。
カチオン性酸化剤の例には、フェロセニウム、ヒドロカルビル置換フェロセニウム、AgまたはPb+2が含まれる。Ad−の好適な態様は、ブレンステッド酸を含有する活性化用共触媒、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩に関してこの上で定義したアニオンである。
イオンを形成する別の適切な活性化用共触媒には、配位しない適合性アニオンとカルベニウムイオンの塩である化合物が含まれ、これは式:
[式中、
(C)はC1−20のカルベニウムイオンであり、そして
はこの上で定義した通りである]
で表される。
好適なカルベニウムイオンはトリチルカチオン、即ちトリフェニルメチリウムである。
イオンを形成する適切なさらなる活性化用共触媒には、配位しない適合性アニオンとシリリウムイオンの塩である化合物が含まれ、これは式:
'''Si
[式中、
R’’’は、C1−10ヒドロカルビルであり、そして
は、この上で定義した通りである]
で表される。
活性化用共触媒である好適なシリリウム塩は、テトラキスペンタフルオロフェニルホウ酸トリメチルシリリウム、テトラキスペンタフルオロフェニルホウ酸トリエチルシリリウムおよびそれのエーテル置換付加体である。シリリウム塩は以前にJ.Chem Soc.Chem.Comm.、1993、383−384ばかりでなくLambert,J.B.他、Organometallics、1994、13、2430−2443にも一般的に開示された。上述したシリリウム塩を付加重合用触媒の活性化用共触媒として用いることが1994年9月12日付けで提出した米国出願番号08/304,314に請求されている。
また、アルコール類、メルカプタン類、シラノール類およびオキシム類がトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランと一緒に形成する特定の錯体も有効な触媒活性化剤であり、これらも本発明で使用可能である。このような共触媒は米国特許第5,296,433号(これの教示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている。
上記バルクエレクトロリシス技術は、金属錯体の電気化学的酸化を配位しない不活性なアニオンを含む支持用電解質存在下の電解条件下で行うことを伴う。この技術では、上記金属錯体を触媒的に不活性にする可能性がある電解副生成物の生成を反応中に実質的にもたらさないような電解用溶媒、支持用電解質および電解圧を用いる。より詳細には、適切な溶媒は、電解条件(一般的には0℃から100℃の温度)下で液状で上記支持用電解質を溶かす能力を有していて不活性な材料である。「不活性な溶媒」は、電解で用いる反応条件下で還元も酸化も受けない溶媒である。所望の電解反応を考慮して、一般的には、所望の電解で用いる電位の影響を受けない溶媒および支持用電解質を選択することができる。好適な溶媒にはジフルオロベンゼン(全異性体)、ジメトキシエタン(DME)およびそれらの混合物が含まれる。
最近見い出された、活性化用共触媒を生じさせるさらなる電気化学技術は、ジシラン化合物の電解を配位しない適合性アニオン源の存在下で行う技術である。上記技術は全部1994年9月12日付けで提出した米国出願番号08/82,201により詳細に開示および請求されていて(WO95/00683)として相当する形態で公開された。この活性化技術では最終的にカチオン性の金属錯体が生じることから、その過程中に結果として生じる上記錯体の量は、上記過程中に活性化を受けた錯体の生成で消費されたエネルギーの量を測定することを通して容易に測定可能である。
最も好適な活性化用共触媒はトリスペンタフルオロフェニルボランおよびテトラキスペンタフルオロフェニルホウ酸N,N−ジオクタデシル−N−メチルアンモニウムである。この後者の化合物はビス(水添樹脂)メチルアンモニウム化合物から誘導されるホウ酸塩混合物の主要成分であり、本明細書では、上記混合物を活性化用共触媒として用いることも可能である。
上記触媒の調製を、好適には、4族の金属の誘導体とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを不活性な希釈剤、例えば有機液体など中で接触させることを通して行う。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランは商業的に入手可能なルイス酸であり、これは公知技術に従って容易に調製可能である。この化合物はジルコノセン類(zirconocenes)のアルキル引き抜きで用いる目的でMarks,他 AmChemSoc.1991,113,3623−3625に開示されている。
この使用する金属錯体:活性化用共触媒のモル比を好適には1:10から2:1、より好適には1:5から1.5:1、最も好適には1:5から1:1の範囲にする。
上記拘束幾何触媒にアルミニウム共触媒を全く含めないか或はアルミニウム共触媒を少量のみ含めてもよい(即ち3:1のA1:M比から100:1のAl:M比にしてもよい)。例えば、拘束幾何触媒として用いる上記カチオン錯体に追加的活性化剤、例えばアルキルアルミノキサンなどを用いたさらなる活性化を受けさせてもよい。好適な共活性化剤にはメチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサンおよびそれらの組み合わせが含まれる。また、いわゆる修飾メチルアルミノキサン(MMAO)も共触媒として用いるに適切である。そのような修飾アルミノキサンを製造する1つの技術が米国特許第4,960,878号(Crapo他)(これの開示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている。また、米国特許第4,544,762号(Kaminsky他)、5,015,749号(Schmidt他)、5,041,583号(Sangokoya)、5,041,584号(Crapo他)および5,041,585号(Deavenport他)(これらの開示は全部引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されているようにしてアルミノキサン類を製造することも可能である。
また、狭い組成分布と分子量分布を示すエチレンインターポリマー類の製造で用いるに有用な拘束幾何触媒を不活性な支持体に支持させることも可能である。このような支持体は典型的に固体状の特に多孔質の任意支持体、例えばタルクまたは無機酸化物など、または樹脂状支持体材料、例えばポリオレフィンなどであってもよい。この支持体材料は好適には微細形態の無機酸化物である。
本発明に従って望ましく用いるに適切な無機酸化物材料には、IIA、IIIA、IVAまたはIVB族の金属の酸化物、例えばシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナおよびそれらの混合物が含まれる。単独でか或はシリカ、アルミナまたはシリカ−アルミナと組み合わせて使用可能な他の無機酸化物は、マグネシア、チタニア、ジルコニアである。しかしながら、他の適切な支持体材料、例えば微細ポリオレフィン類、例えば微細ポリエチレンなどを用いることも可能である。
金属の酸化物は一般に酸性のヒドロキシル基を表面に含んでいて、これが拘束幾何触媒成分(反応スラリーに添加)に反応する。このような無機酸化物支持体を使用する場合、使用に先立ってそれに脱水を受けさせておく、即ち熱処理を受けさせて水を除去しかつ表面のヒドロキシル基の濃度を低くしておく。この処理を真空中か或は乾燥した不活性ガス、例えば窒素などでパージ洗浄(purging)しながら100℃から1000℃、好適には300℃から800℃の温度で実施する。圧力の考慮は重要でない。この熱処理の継続期間は1から24時間であってもよいが、しかしながら、表面のヒドロキシル基に関して平衡が達成されることを条件として、より短い時間または長い時間を用いることも可能である。
本発明で用いるに適した実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー類は、エチレンと少なくとも1種のC−C20α−オレフィンまたはそれらとC−C18ジオレフィン類の組み合わせから作られたインターポリマー類である。エチレンと1−オクテンから作られたコポリマー類が特に好適である。本明細書では、コポリマーまたはターポリマーなどを示す目的で用語「インターポリマー」を用いる。即ち、エチレンを他の少なくとも1種のコモノマーと一緒に重合させるとインターポリマーが生じる。エチレンと一緒に有効に共重合する他の不飽和モノマー類には、例えばエチレン系不飽和モノマー類、共役もしくは非共役ジエン類、ポリエン類などが含まれる。好適なコモノマー類にはC−C20α−オレフィン類、特にプロペン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンが含まれる。他の好適なモノマー類にはスチレン、ハロ置換もしくはアルキル置換スチレン類、テトラフルオロエチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエンおよびナフテン系(例えばシクロペンテン、シクロヘキセンおよびシクロオクテン)が含まれる。
不均一エチレン/α−オレフィンインターポリマー(成分B)
本発明のキャストストレッチフィルムの製造で用いるポリマー類は、幅広い組成分布を示す不均一インターポリマーと実質的に線状であるエチレン/αオレフィンインターポリマーのブレンド物であり得る。この不均一成分と実質的に線状である成分は、後者の場合にはインターポリマー分子の実質的に全部がそのインターポリマー内で同じエチレン/コモノマー比を有する一方で不均一インターポリマー類はインターポリマー分子が同じエチレン/コモノマー比を持たない点で異なる。本明細書で用いる用語「幅広い組成分布」は、不均一インターポリマー類の場合のコモノマー分布を記述する用語であり、これは不均一インターポリマーが「線状」画分を有しかつ不均一インターポリマーがDSCで溶融ピークを複数示す(即ち異なる溶融ピークを少なくとも2つ示す)ことを意味する。このような不均一インターポリマー類は約10パーセント(重量)以上、好適には約15パーセント(重量)以上、特に約20パーセント(重量)以上が炭素1000個当たりのメチル数が2に等しいか或はそれ以下の分枝度を示す。このような不均一インターポリマー類はまた約25パーセント以下(重量)、好適には約15パーセント(重量)以下、特に約10パーセント(重量)以下が炭素1000個当たりのメチル数が25に等しいか或はそれ以上の分枝度を示す。
チーグラー触媒
本発明の不均一成分の製造で用いるに適したチーグラー触媒は、特に高い重合温度の溶液方法で用いるに有用な典型的支持型チーグラータイプ触媒である。そのような組成物の例は、有機マグネシウム化合物、アルキルハライドもしくはアルミニウムハライドまたは塩化水素と遷移金属化合物から誘導された組成物である。そのような触媒の例が米国特許第4,314,912号(Lowery,Jr他)、4,547,475号(Glass他)および4,612,300号(Coleman,III)(これらの教示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。
特に適切な有機マグネシウム化合物には、例えば炭化水素に溶解し得るジヒドロカルビルマグネシウム、例えばマグネシウムジアルキルおよびマグネシウムジアリールなどが含まれる。適切なマグネシウムジアルキル類の例には、特にn−ブチル−s−ブチルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、イソプロピル−n−ブチル−マグネシウム、エチル−n−ヘキシルマグネシウム、エチル−n−ブチルマグネシウム、ジ−n−オクチルマグネシウム、そしてその他、アルキルの炭素原子数が1から20のものが含まれる。適切なマグネシウムジアリールの例にはジフェニルマグネシウム、ジベンジルマグネシウムおよびジトリルマグネシウムが含まれる。適切な有機マグネシウム化合物にはアルキルおよびアリールマグネシウムアルコキサイド類およびアリールオキサイド類、そしてアリールおよびアルキルマグネシウムハライド類が含まれ、ハロゲンを含まない有機マグネシウム化合物がより望ましい。
本明細書で使用可能なハライド源は、とりわけ、活性を示す非金属ハライド類、金属ハライド類および塩化水素である。
適切な非金属ハライド類は式R’X[式中、R’は水素または活性を示す一価有機基でありそしてXはハロゲンである]で表される。特に適切な非金属ハライド類には、例えばハロゲン化水素および活性有機ハライド類、例えばt−アルキルハライド類、アリルハライド類、ベンジルハライド類および他の活性ヒドロカルビルハライド類(このヒドロカルビルは本明細書の上で定義した通りである)などが含まれる。活性有機ハライドは、少なくとも活性を示す、即ち塩化s−ブチルのハロゲンのように容易に失われて他の化合物に移行、好適には塩化t−ブチルのように活性を示すハロゲンとして不安定なハロゲンを含むヒドロカルビルハライドを意味する。このような有機モノハライドに加えて、本明細書の上に定義した如き活性を示す有機ジハライド類、トリハライド類および他のポリハライド類も適切に用いられると理解する。好適な活性を示す非金属ハライド類の例には、塩化水素、臭化水素、塩化t−ブチル、臭化t−アミル、塩化アリル、塩化ベンジル、塩化クロチル、メチルビニルカルビニルクロライド、α−フェニルエチルブロマイド、ジフェニルメチルクロライドが含まれる。塩化水素、塩化t−ブチル、塩化アリルおよび塩化ベンジルが最も好適である。
本明細書で用いることができる適切な金属ハライド類には、式
MRy−a
[式中、
Mは、メンデレエフ元素周期律表のIIB、IIIAまたはIVA族の金属であり、
Rは、一価の有機基であり、
Xは、ハロゲンであり、
yは、Mの原子価に相当する値を有し、そして
aは、1からyの値を有する]
で表される金属ハライド類が含まれる。
好適な金属ハライド類は、式
AlR3−a
[式中、
各Rは、独立して、本明細書の上で定義した如きヒドロカルビル、例えばアルキルなどであり、
Xは、ハロゲンであり、そして
aは、1から3の数である]
で表されるアルミニウムハライド類である。
エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドおよびジエチルアルミニウムブロマイドなどの如きアルキルアルミニウムハライド類が最も好適であり、エチルアルミニウムジクロライドが特に好適である。別法として、三塩化アルミニウムなどの如き金属ハライドまたは三塩化アルミニウムとアルキルアルミニウムハライドもしくはトリアルキルアルミニウム化合物の組み合わせも適切に使用可能である。
上述した有機マグネシウムの有機部分、例えばR”など、およびハライド源の有機部分、例えばRおよびR’などは、通常のチーグラー触媒の毒になる官能基を含まないことを条件として、適切には、他の任意有機基であると理解する。
上記有機マグネシウム化合物とハライド源から前以てマグネシウムハライドを生じさせておいてもよいか、或はそれをインサイチューで生じさせることも可能であり、後者の場合、好適には、適切な溶媒または反応媒体中で(1)有機マグネシウム成分と(2)ハライド源を混合した後に他の触媒成分を混合することを通して触媒の調製を行う。
支持型触媒成分を調製する時、通常のチーグラー・ナッタ遷移金属化合物のいずれも遷移金属成分として有効に使用可能である。この遷移金属成分は、典型的には、IVB、VBまたはVIB族金属の化合物である。この遷移金属成分は一般に式:
TiX’4−q(OR
TrX’4−q
VOX’および
VO(OR
で表される。
Trは、IVB、VBまたはVIB族の金属、好適にはIVBまたはVB族の金属、好ましくはチタン、バナジウムまたはジルコニウムであり、
qは、0であるか或は4に等しいか或はそれ以下の数であり、
X’は、ハロゲンであり、そして
は、炭素原子数が1から20のアルキル基、アリール基もしくはシクロアルキル基であり、そして
は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、置換アラルキルである。
上記アリール、アラルキルおよび置換アラルキルは炭素原子を1から20個、好適には炭素原子を1から10個含む。上記遷移金属化合物がヒドロカルビル基を含んでいて、Rがアルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキル基である場合、このヒドロカルビル基は好適には金属と炭素の結合に対してベータ位に位置するH原子を含まない。アラルキル基の説明的非制限例は、メチル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルヘキシル;アリール基、例えばベンジルなど;シクロアルキル基、例えば1−ノルボルニルなどである。望まれるならば、上記遷移金属化合物の混合物を用いることも可能である。
このような遷移金属化合物の説明的例にはTiCl,TiBr,Ti(OCCl,Ti(OC)Cl,Ti(OCCl,Ti(OCCl,Ti(OC13Cl,Ti(OC17Br,およびTi(OC1225)Cl,Ti(O−i−C,およびTi(O−n−Cが含まれる。
バナジウム化合物の説明的例にはVCl,VOCl,VO(OC,およびVO(OCが含まれる。
ジルコニウム化合物の説明的例にはZrCl,ZrCl(OC),ZrCl(OC,ZrCl(OC,Zr(OC,ZrCl(OC),ZrCl(OC,およびZrCl(OCが含まれる。
この上に示したように、上記遷移金属化合物の混合物を有効に用いることができ、支持体に接触させてもよい遷移金属化合物の数には全く制限がない。ハロゲン化物およびアルコキサイドである如何なる遷移金属化合物もそれらの混合物も有効に使用可能である。この上に挙げた遷移金属化合物が特に好適であり、四塩化バナジウム、オキシ塩化バナジウム、チタンテトライソプロポキサイド、チタンテトラブトキサイドおよび四塩化チタンが最も好適である。
また、不活性な酸化物支持体と遷移金属化合物から適切な触媒材料を生じさせることも可能である。溶液重合方法で用いるに適したそのような組成物の例が米国特許第5,420,090号(Spencer他)(これの教示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。
このような触媒の調製で用いる無機酸化物支持体は、この上に記述した如き粒子状の如何なる酸化物または混合物酸化物であってもよく、吸着水分が実質的になくなるようにそれに熱または化学的脱水を受けさせておく。
このような無機酸化物の比粒子サイズ、表面積、細孔容積および表面のヒドロキシル基数の特徴は、それが本発明の実施で示す有用性にとって重要ではない。しかしながら、そのような特徴によって上記触媒組成物の調製で用いるべき無機酸化物の量が決定されるばかりでなくその触媒組成物を用いて生じさせるポリマーの特性が影響を受けることから、本発明の個々の面で用いるに適した無機酸化物を選択する時、しばしばそのような特徴を考慮に入れる必要がある。一般に、平均粒子サイズが1から100ミクロン、好適には2から20ミクロンの範囲で表面積が1グラム当たり50から1,000平方メートル、好適には1グラム当たり100から400平方メートルで細孔容積が1グラム当たり0.5から3.5cm、好適には1グラム当たり0.5から2cmの範囲の無機酸化物を用いると通常最適な結果が得られる。
触媒の性能を更に向上させようとする場合には、支持体材料の表面を修飾しておくのが望ましい可能性がある。具体的には、支持体材料、例えばシリカ、アルミナまたはシリカ−アルミナなどを加水分解特性を有する有機金属化合物で処理することを通して、表面の修飾を達成する。より詳細には、支持体材料の表面を修飾する作用剤に、周期律表の11AおよびIIIA族金属の有機金属化合物を含める。このような有機金属化合物を最も好適にはマグネシウムおよびアルミニウムの有機金属、特に式RMgRおよびRAlR[式中、R、RおよびRは各々同一もしくは異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルコキサイド基、アルカジエニル基またはアルケニル基である]で表されるマグネシウムおよびアルミニウムアルキル類またはそれらの混合物から選択する。上記炭化水素基R、RおよびRは炭素原子を1から20個の範囲、好適には炭素原子を1から10個含み得る。
表面を修飾する作用は、適切な溶媒に入っている有機金属化合物を支持体材料が入っているスラリーに添加することにより行なわれる。適切な溶媒に入っている有機金属化合物と支持体の接触を20から100℃の範囲の温度で約30から180分間、好適には60から90分間維持する。上記支持体をスラリーにする時に用いる希釈剤は、上記有機金属化合物の溶解で用いた溶媒のいずれであってもよく、好適には同じ溶媒にする。
また、上記不均一ポリマー成分もエチレンのホモポリマーであってもよいか或は好適にはエチレンと少なくとも1種のC−C20α−オレフィンまたはそれらとC−C18ジオレフィン類の組み合わせから作られたインターポリマーであってもよい。エチレンと1−オクテンから作られた不均一コポリマー類が特に好適である。
最終的なエチレンインターポリマー組成物
均一エチレンポリマーと不均一エチレンポリマーの両方がエチレン/α−オレフィンインターポリマーであるエチレンポリマー組成物が特に好適である。
このような材料がキャストフィルムラインで示す加工性の尺度を100ラド/秒における粘度で示す。このようなせん断速度における粘度が低ければ低いほど機械にかかるアンペアがより低くなり、その結果として、アンペアが最大限の時にその機械で産出される材料の産出量がより高くなり得ることを観察した。本発明のインターポリマー組成物が100ラド/秒で示す粘度は下記の関係:
Log(100ラド/秒における粘度)≦4.43−0.8 log(I
を満たす。
ある材料がキャストフィルムラインで100ラド/秒の時に示す粘度は10,000ポイズに等しいか或はそれ以下であるのが加工の観点から非常に好ましい。0.1ラド/秒の時の粘度と100ラド/秒の時の粘度の比率を該材料が示すせん断感受性の尺度として用いることができる。この材料が押出し加工ラインで示す加工性能は、メルトインデックスが一定であるとすると上記数値が高ければ高いほど良好である。同様な様式でメルトインデックス比I10/Iを用いることができる。
大部分のポリマー類はせん断低粘化(shear thinning)挙動を示す。このことは、せん断速度を高くするに伴って粘度が低下する傾向があることを意味する。異なるポリマー類は異なるせん断低粘化挙動を示し得る。これはポリマーが典型的な加工装置、例えば押出し加工機などで示す加工に関係することから、これは非常に重要な特性である。せん断で低粘化する傾向が高いポリマーが有利である。特定のスクリュー回転速度(これはポリマーに加えられるせん断速度に直接関係する)においてポリマーが示すせん断低粘化の度合が高ければ高いほど、それが示す粘度は低くなるであろう。その結果として、押出し加工機の産出量がより高くなり、スクリューを回転させるアンペアがより低くなりかつダイスの所の圧力がより低くなるであろう。
ポリマーが示す分子量分布の幅が広ければ広いほど、またはそれと組み合わせて長鎖分枝の含有量が高ければ高いほど、せん断低粘化の度合がより高くなると予測することができることは、よく知られている。また、キャストストレッチフィルムを加工する時、そのような要因は両方とも機械的特性、例えばオンパレット伸縮性およびじん性など、ダートおよび穴開きに負の効果を与える得ることもよく知られている。従って、良好な加工挙動と共に良好な機械的特性が維持されるような均衡を取る必要がある。
粘度とせん断速度の間の関係を記述する便利な方法は、よく知られているBird Carreau式(N.Gamesh Kumar,J.polym.Sci.Macromolecular Review,15巻,255(1980)):
である。
この式中、粘度を示す目的でηを用い、そしてせん断速度を示す目的でγを用い、ηをゼロせん断粘度と呼び、これはせん断がかかっていない時のポリマーが示す粘度を表す。ポリマーがせん断低粘化を起こす時、それが該ポリマーが達成し得る最大粘度である。定数τは該ポリマー系が示す平均弛緩時間である。このポリマーが示すせん断低粘化の度合は、このポリマーが示す弛緩時間が長ければ長いほど大きくなるであろう。定数nは明確な物理的重要性を全く持たない。
キャストストレッチフィルム材料の場合のメルトインデックス(I)は典型的に1から7g/10分の範囲、より典型的には2から5g/10分の範囲である。この値の範囲ならば、大部分の材料が示すメルトインデックスはゼロせん断粘度に直接相互関係を示す。このような条件の時、該材料が示すせん断低粘化挙動はほとんど一意に平均弛緩時間τとポリマーの定数nで決定される。
本発明のインターポリマー組成物は、下記の式:
log(τ)>−1.2−1.3 log(I
に一致する弛緩時間を示す。このように弛緩時間がより長いことから、材料の充分なせん断低粘化挙動が確保されると同時に良好な機械的特性が保持される。
最終的インターポリマー組成物の調製
均一エチレンインターポリマーと不均一エチレンポリマーのブレンド物を用いる場合、本明細書に記述する各成分を各々異なる反応槽内で個別に製造した後それらを一緒にブレンドして本発明のインターポリマー組成物を生じさせることができる。また、本分野で公知の任意重合方法および手順(高圧または低圧の溶液、スラリーまたは気相重合方法を包含)を用いて、この新規な組成物をインサイチューで製造することも可能であるが、但し明記した特性組み合わせを示す新規な組成物が実際に得られるように操作、反応槽の形態、触媒系などを選択、使用および実施することを条件とする。好適には、本明細書に記述する組成物で用いる均一エチレンポリマーおよび不均一エチレンポリマーの調製を反応槽を複数用いた方式で行うが、米国特許第3,914,342号(Mitchell)およびWO94/00500(米国出願番号07/904,770に相当)ばかりでなく1993年1月29日付けで提出した米国出願番号08/10958(これらの教示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されているように反応槽を2基よりも多い数で用いる場合、それらは並列もしくは直列のいずれかか或は両方の組み合わせで操作可能である。反応槽を複数用いた方式の場合、これらの反応槽の少なくとも1つで拘束幾何触媒を用いて均一エチレンインターポリマーを生じさせそして反応槽の少なくとも1つでチーグラー触媒を用いて不均一エチレンインターポリマーを生じさせる。好適な様式の操作では、チーグラー触媒を用いると重合温度を高くすることができると言ったことを大いに利用して、反応槽(複数)を直列形態で操作する。反応槽(複数)を直列連結する時には、1番目の反応槽(類)内で拘束幾何触媒を用いて生じさせた重合反応生成物をエチレン/α−オレフィン反応体およびチーグラー触媒および溶媒と一緒に2番目の反応槽(類)に直接(即ち逐次的)に送り込む。
反応槽を複数用いて反応槽を直列に配置した重合装置(特に反応槽を2基用いた装置)では、この直列連結の1番目の反応槽のポリマースプリット(split)を一般に40重量パーセントに等しいか或はそれ以上、好適には45重量パーセントから60重量パーセントの範囲にする。この1番目の成分(即ち直列連結の1番目の反応槽で生じさせるポリマー成分)を、好適には、2番目(即ち最後)の成分に比較してポリマー密度が低くかつ分子量が高いことで特徴付ける。連続重合装置でそのような選択を確保するには、2番目の反応槽(または直列連結の1番目の反応槽とは別の他の任意反応槽)に補給するコモノマー供給材料(例えばオクテン)のパーセントをより高くする必要があり得る。
反応槽を複数用いた重合に反応槽を2基含める場合、直列連結の2番目の反応槽へのポリマーマススプリット(mass split)を一般に60重量パーセントに等しいか或はそれ以下、好適には40重量パーセントから55重量パーセントの範囲にする。直列配置における1番目の反応槽は、典型的に、仕上げ操作につながる生成物出口から最も離れて位置する反応槽である。
また、本発明の好適な態様では、少なくとも1基の再循環フローループ(flow loop)反応槽から成る重合装置、特に非断熱的に操作され、少なくとも2基の再循環ループ反応槽から成る重合装置を用いて、この新規な組成物を製造する。そのような好適な重合装置はKao他が1997年4月1日付けで提出した同時係属中の出願番号08/831172(これの開示は引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述した如き装置である。
この非断熱的重合を、好適には、約400Btu/時*立方フィート*度F(7.4kW/m*°K)に等しいか或はそれ以上、より好適には約600Btu/時*立方フィート*度Fに等しいか或はそれ以上、より特別には約1,200Btu/時*立方フィート*度Fに等しいか或はそれ以上、最も特別には約2,000Btu/時*立方フィート*度Fに等しいか或はそれ以上の連続体積熱除去速度(continuous volumetric heat removal rate)で達成する。
本明細書で用いる如き「体積熱除去速度」は、工程伝熱係数U(Btu/時*平方フィート*度F)に熱交換装置の熱交換面積A(平方フィート)を掛けた値を反応装置の全体積(立方フィート)で割った値である。通常の技術者は、Uおよび表面積の計算および測定に関してプロセスサイド(process side)を用いるか或はアウトサイドパラメーター(outside parameters)を用いるかに関して整合性が存在すべきであることを認識するであろう。本明細書に含める計算は熱交換用管、コイルなどの外側表面積および直径を基にしている(反応槽の混合物が上記管、コイルなどを通って流れるか否かに拘らず)。
非断熱的重合の達成では適切な如何なる熱交換装置も使用可能で、これは如何なる形態であってもよく、そのような熱交換装置には、例えば重合反応槽または反応槽類内に位置させた冷却用コイル、重合反応槽または反応槽類内に位置させた殻と管型(shell−and−tube)の熱交換器[この場合、反応槽のフロー流れ(類)(本技術分野ではまた「反応混合物」とも呼ばれる)が上記管の中を通って流れる]、またはジャケットまたは二重配管で冷却を与えることによって熱交換装置として設計されている全体再循環フローループ反応槽などが含まれる。適切に設計するならば、殻と管型の熱交換器の形態を用いることができ、この場合、熱交換器のハウジングに反応槽のフロー流れのための入り口と出口および伝熱媒体[例えば、水、水/グリコール、蒸気、SYLTHERMO(商標)材料、またはザ・ダウケミカル社(The Dow Chemical Company)が商標DOWTHERMの下で供給している媒体]のための入り口と出口を持たせる。別の設計では、反応熱または重合熱が反応槽のフロー流れから伝達されるように、反応槽のフロー流れが熱交換器のハウジング内に位置する複数の伝熱管の中を通って流れる一方で伝熱媒体が上記管の外側表面の上を流れるようにする。別法として、反応流れがハウジングの中を通って流れて伝達媒体が管の中を通って流れるようにする。この新規な組成物の製造で用いるに適した熱交換器装置は、管の管状壁が限定している曲がりくねった通路が中を貫いているか或はそれと組み合わせて内側ウエブ(web)(この中を通って反応混合物が流れる)を形成している固体状の固定式内側要素(solid static interior elements)が備わっている市販品(例えばKochが供給している固定式ミキサー/熱交換器など)である。
また、最終インターポリマー組成物およびそれの個々の成分(もし単離する場合)に種々の添加剤、例えば抗酸化剤[例えばヒンダードフェノール系(例えばIrganox(商標)1010)、ホスファイト類(例えばIrgafos(商標)168)]、クリング(cling)添加剤(例えばPIB)、アンチブロック添加剤、顔料、充填材などによる安定化を受けさせることも可能であり、それらを本出願者が見い出した向上した配合特性を妨害しない度合で配合に含めることができる。Irganox(商標)およびIrgafos(商標)は両方ともCiba Geigy Corporationが製造していて、それの商標である。Irgafos(商標)168はホスファイト系安定剤でありそしてIrganox(商標)1010はヒンダードフェノール系安定剤[例えばテトラキス[メチレン3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]メタン]である。
個々の成分および最終インターポリマー組成物の特性
a)実質的に線状であるエチレンインターポリマー(成分A)
本発明の組成物に組み込む実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーの量は、成分AとBの合計重量を基準にして、10から100重量パーセント、好適には10から90重量パーセント、より好適には35から55重量パーセントである。
本発明の組成物に組み込む実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーの密度は、一般に0.860から0.925、好適には0.880から0.920、より好適には0.895から0.915g/cmである。
本発明の組成物に組み込む実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーの場合のメルトインデックスは、一般に0.2から7、好適には0.4から4、より好適には0.5から2グラム/10分(g/10分)である。
本発明の組成物に組み込む実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーのI10/I比は約5.63に等しいか或はそれ以上である。
本発明の組成物に組み込む実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーのMw/Mn比は好適には1.8から3.0である。
b)不均一インターポリマー(成分B)
本発明の組成物に組み込む不均一インターポリマーの量は、成分AとBの合計重量を基準にして、0から90重量パーセント、好適には10から90重量パーセント、より好適には45から65重量パーセントである。
本発明の組成物に組み込む不均一インターポリマーの密度は、一般に0.895から0.955、好適には0.900から0.945、より好適には0.910から0.935g/cmである。
本発明の組成物に組み込む不均一インターポリマーのメルトインデックス(I)は、一般に0.20から500、好適には0.40から250、より好適には0.50から50g/10分である。
c)最終エチレンインターポリマー組成物
本発明のインターポリマー組成物の密度は、一般に0.910から0.922、好適には0.912から0.920、より好適には0.915から0.919g/cmである。
本発明のインターポリマー組成物のメルトインデックスは、0.5から10.0、より好適には1から10、更により好適には0.2から6.0グラム/10分(g/10分)である。
本発明のインターポリマー組成物のI10/I比は、典型的に10.0未満、好適には9.0未満、より好適には8.0未満である。
本発明のインターポリマー組成物が示す粘度は、下記の関係:
Log(100ラド/秒における粘度)≦4.43−0.8 log(I
に従う。
また、本発明のインターポリマー組成物は下記の関係:
log(τ)>−1.2−1.3 log(I
に従う弛緩時間も示す。
本発明の好適なインターポリマー組成物はATREF曲線に異なる2つのピークを示し、ここで、最も高い溶出温度を持つピークの所の粘度平均分子量(Mv)と最も低い溶出温度を持つピークの所の粘度平均分子量(Mv)の比率は、下記の関係:
Mv/Mv≦1
に一致し、そしてここで、Tは、最も高い結晶化ピークの溶出温度であり、そしてTは、最も低い結晶化ピークの溶出温度であり、そして
−T≦25℃
である。
本発明の好適なインターポリマー組成物は、また、下記の関係:
Mw/Mn≦3
に一致する分子量分布を示す。
実施例
試験方法
密度およびメルトフロー測定
上記実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンの密度をASTM D−792に従って測定する。本発明で用いる実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー類の分子量を、便利には、ASTM D−1238、条件190℃/2.16kg(以前には「条件(E)」として知られていてまたIとしても知られる)に従うメルトインデックス測定値を用いて示す。メルトインデックスはポリマーの分子量に反比例する。従って、メルトインデックスは分子量が高くなればなるほど低くなるが、この関係は直線的でない。
線状もしくは実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマー類が示す分子量の特徴づけで用いるに有用な別の測定値を、便利には、ASTM D−1238、条件190℃/10kg(以前には「条件(N)」として知られていてまたI10としても知られる)に従うメルトインデックス測定値を用いて示す。I10メルトインデックス項とIメルトインデックス項の比率がメルトフロー比であり、これをI10/Iとして表示する。本発明の組成物で用いる実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマー類の場合のI10/I比は、長鎖分枝の度合を示す、即ちポリマーに含まれる長鎖分枝の数はI10/I比が高ければ高いほど多い。
分子量分布測定
混合多孔度カラムが備わっているWaters 150高温クロマトグラフィー装置を140℃の装置温度で操作することによるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて全体としてのインターポリマー生成物サンプルおよび個々のインターポリマー成分を分析する。溶媒は1,2,4−トリクロロベンゼンであり、これを用いてサンプルが0.3重量パーセント入っている溶液を注入用として調製する。流量を1.0ミリリットル/分にし、注入量を100ミクロリットルにする。
狭い分子量分布のポリスチレン標準(Polymer Laboratories製)を溶出体積と協力させて用いて分子量測定値を引き出す。下記の方程式:
Mポリエチレン=a*(Mポリスチレン)
を引き出すに適切な、ポリエチレンとポリスチレンに関するMark−Houwink係数[WilliamsおよびWardが「Journal of Polymer Science」、Polymer Letters、6巻(621)1968の中で記述している如き]を用いて、ポリエチレンの相当する分子量を決定する。
上記方程式においてa=0.4316およびb=1.0である。重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを、下記の式:
=(Σw(M
[式中、wは、GPCカラムから溶出して来る画分iに入っている分子の重量分率であり、これは分子量Mを伴い、そしてMwを計算する時はj=1でありそしてMnを計算する時にはj=−1である]に従う通常様式で計算する。
分析昇温溶出分離/示差粘度測定(Analytical Temperature Rising Elution Fractionation/Differential Viscometry)(ATREF/DV)
米国特許第4,798,081号および5,008,204号(これの内容は全体が引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されているように、分析昇温溶出分離(ATREF)を高温の連続粘度測定と組み合わせて用いて、本発明のインターポリマー組成物の分析を行った。この技術は、ATREFによって結晶性ポリマーと半結晶性ポリマーを短鎖分枝含有量の関数として分別しそして上記分別した部分の粘度平均分子量Mvを連続的に測定する方法を含む。
典型的には、不活性な支持体(スチールショット(steel shot))が入っているカラムにポリマーサンプル(熱トリクロロベンゼンに溶解)を入れて温度をゆっくりと下げることでそれを結晶化させた。次に、溶出用溶媒であるトリクロロベンゼンの温度をゆっくりと上昇させることでその結晶化したサンプルを上記カラムから溶出させることを通して、ATREFクロマトグラムを生じさせた。このATREFの曲線には樹脂の鍵となる構造的特徴がいくつか示されていた。例えば、屈折率検出器からの応答で短鎖分枝分布が示される一方、示差粘度検出器からの応答で粘度平均分子量の推定値が得られる。
このように、本明細書で用いる如き用語「ATREFのピーク温度」(Tx)は、昇温溶出分離を用いて20から110℃の範囲で測定した時のATREF曲線に観察されるピークに相当する溶出温度を指す。「ピーク」は、組成物全体の場合、結晶化し得るポリマー部分の全体量を基準にした結晶化したポリマー部分の実質的重量パーセントに相当する。本発明の目的で、ショルダー、ハンプ、二重線また多重線からも区別されるとしてATREFピークを識別する。
本発明の組成物の場合、Tは、20から110℃の範囲の中で最も低い溶出温度の所に存在するピークの溶出温度であり、そしてTは、最も高い溶出温度の所に存在するピークの溶出温度である。
用語Mvを本明細書で用いる場合、これは、ATREF曲線の中で最も低い溶出温度Tを持つピークに相当する材料の粘度平均分子量を指し、そして用語Mvを本明細書で用いる場合、これは、ATREF曲線の中で最も高い溶出温度Tを持つピークに相当する材料の粘度平均分子量を指す。
流動学的分析
動的機械的分光測定装置(dynamic mechanical spectrometer)、例えばRheometricsから入手可能なRDA II、RDS IIまたはRMS 800などを用いて流動学的分析を実施した。ペレットまたは粒子を圧縮成形することでサンプルを得た。ASTM D 1928に従って圧縮成形を実施して均一なプラーク(plaques)を生じさせた。ポリエチレンの場合の典型的な温度は180から190℃の範囲である。直径が25mmの平行板配置を用いて直径が25mmで厚みが1−4mmの範囲のサンプル盤を調製した。
動的振動数走査(dynamic frequency sweep)を用いてサンプルの流動性を測定した。測定温度を190℃にする。振動数の間隔を0.1から100ラジアン/秒にし、歪みを10%にし、走査様式を対数にし、そして1ディケード(decade)当たり5ポイントにする。
レオメーターオーブン(rheometer oven)を温度が平衡状態になるようにしたが、これに約30分から1時間要し得る。次に、300秒間の遅延時間(delay time)を経過させた。上記オーブンを開けた後、サンプルを上記板の間に挿入した。1分後、上記板を下げて、隙間を1.8から2mmにした。サンプル挿入と最終的な隙間設定の間に経過する時間全体が3分間を越えないようにした。開始して3分後、オーブンを開けてサンプルのバリ取りを行った(trimmed)。温度を設定点に戻すには、測定を始める前に5分間の遅延時間を置くことで通常は充分であった。次に、分析を開始し、式1を対数形態で用いた非線形最小自乗手順で定数η、τおよびnを決定した。
実施例1
実施例1を表1に示す工程条件下で反応槽内(in−reactor)ブレンド物として製造し、その結果として得た生成物の仕様は表2に示す如きであった。
L/Dが24:1の2.5インチEgan押出し加工機とL/Dが32:1の3.5インチEgan押出し加工機とL/Dが24:1の2.0インチDavis Standard押出し加工機から成るEgan共押出し加工キャストフィルムラインを用いてキャストフィルムの加工を行った。この評価中、ダウデザイン(Dow design)A/B/Cフィードブロックおよび30インチのJohnsonコートハンガー、即ちダイスギャップ(die gap)が0.020インチのフレックスリップ(flex lip)を用いた。樹脂を基準にして押出し加工機のバレル温度を調整し、そして一定の溶融温度が維持されるように輸送速度を調整した。ダイスゾーンの温度はポリマー溶融物の温度に相当し、約525度Fであった。CMR 2000マイクロプロセッサーを用いてライン速度が600fpmになるように調節すると同時に層の比率が一定になるように押出し加工機のrpmを変えることでフィルムの厚み(0.8ミル)を達成した。特定のエアーギャップ(air gap)[フィルムがダイスの出口から一次冷却ロール上の接触地点にまで移動する距離としてエアーギャップを定義]で各樹脂サンプルを評価した。上記一次冷却ロール上の接触点を常に9時の地点に位置させる。このエアーギャップはキャストフィルム樹脂の性能特性にとって非常に重要な押出し加エパラメーターである、と言うのは、それによってフィルムの配向度が決定されるからである。フィルムの配向度はエアーギャップを狭くすればするほど大きくなり、それによって性能がより低下するであろう。
Rheometrics Mechanical Spectrometerを振動様式(oscillatory mode)で用いて粘度を190℃で測定した。Lantech Model SHC Fil Test Stretch Wrapperを用いてオンパレット伸縮性(OPS)を測定した。ダウが開発した試験におけるオンパレット伸縮性は、ダンサーバー(dance bar)の張力を10ポンドで一定にしてプレストレッチ(prestretch)のパーセントを高くした時にフィルムがプレストレッチローラー間で破壊を起こす地点である。それと同時に、耐酷使性を向上させようとする場合には、その包んだフィルムが穴開けに対して示す耐性をできるだけ高くすべきである。オンパレット穴開き(OPP)は、ある材料がパレット上の鋭利なもので突き破られるのに耐える能力を測定するものである。このダウの試験では、長さが12”の針をパレットフレーム(pallet frame)の上に位置させて上記フレームを9rpmで回転させることを通してそれの測定を行う。上記針の下に位置するパレットフレームをフィルムで包んで250%のプレストレッチに到達させそしてダンサーバーの張力を10ポンド力に調整した。上記パレットを回転させながらロールキャレジ(roll carriage)を上昇させて上記フィルムを上記針の所に集中させる。3ラップ(wraps)が得られるまでにフィルムの破壊が起こらないならば破壊が起こるまでダンサーバーの張力を単位段階(unit steps)で高めて行く。Iが2.3で密度が0.917g/cmのチーグラー・ナッタ型コポリマー類の場合、好適にはOPPが約12ポンドでOPSが250%ほどの高さの組み合わせが典型的である。より高い値の組み合わせが得られれば、それは非常に望ましいことである。フィルムが引き伸ばされていない状態で示すじん性の尺度がダート衝撃強度である。ダート衝撃BをASTMD−1709に従って測定した。
実施例1が示すメルトインデックスIは3.17で、I10/I比は6.53で、密度は0.9181g/cmである。それが示すMWD(Mw/Mnで測定)は2.39である。100ラド/秒で測定した時の粘度に対する0.1ラド/秒で測定した時の粘度の比率は2.44であり、100ラド/秒の時の粘度は12300ポイズであり、平均弛緩時間は0.02046秒であり、それの%HDは8.7であり、そしてCDBIは60.95%であった。この材料が示す耐オンパレット穴開き性は15ポンドで、それの極限伸びは320%で、ダートB衝撃強度は530gである[3”のエアーギャップでフィルムに加工した後に分析(実験6、表3)]。
実施例2から4
実施例2から4を実施例1の場合と同様な様式で反応槽内ブレンド物として調製し、その結果として得た生成物の仕様は表2に示す如きであった。気付くであろうように、結果として得たポリマーは実施例1のそれとは有意に異なっている。実施例2は実施例1の低密度版である(全体としての密度は0.9181g/cmではなく0.9118g/cmである)。実質的に線状である成分が示すメルトインデックスおよび密度は実施例1のそれらとは異なるが、結果として得たポリマーは非常に狭い分子量分布(Mw/Mnに従う)を示し、I10/I、100ラド/秒における粘度に対する0.1ラド/秒に対する粘度の比率、100ラド/秒における粘度、平均弛緩時間、%HDは比較的低く、かつCDBIは比較的高い(それぞれ2.82、6.77、8791ポイズ、0.01842秒、2.13、8.2%および59.32%)。それを実施例1の条件と同様な条件で加工した時にそれが示した性能は非常に類似している。更に、この実施例は、エアーギャップを3”から4”に変えても、従って配向を変えても、それに比較的感受性を示さない(表3の実験7および8)。
実施例3が示す分子量分布(Mw/Mnに従う)はより幅広く、I10/Iは高く、100ラド/秒における粘度に対する0.1ラド/秒に対する粘度の比率も高く、100ラド/秒における粘度で示されるように加工性が良好で、平均弛緩時間も良好であり、かつCDBIは低くて%HDは高い(それぞれ3.4、7.86、3.39、9506、0.0499秒および34.4%と20.8%)。それを実施例1の条件と同様な条件で加工して比較実験と背中合わせで比較した時、この材料は優れた加工性を示して、特に良好な衝撃値と良好なOPPとOPSの組み合わせを示す(表3を参照)。
実施例4は、これを実施例1から3と比較した時、高いメルトインデックスと高い密度の組み合わせである(それぞれ3.6g/10分と0.9181g/cm)。それの分子量分布(Mw/Mn)は下記の通りで、I10/Iは高く、100ラド/秒における粘度に対する0.1ラド/秒に対する粘度の比率、100ラド/秒における粘度、平均弛緩時間は下記の通りで、そしてCDBIは低くかつ%HDは高い(それぞれ3.12、7.62、2.79、7441、0.0286秒および42.36%と15.2%)。この材料は、加工性(100ラド/秒における粘度)がずっと向上しているのとは別に、この一連の中で最も高いOPS(345%)が観察されたが、それでもOPPおよびダートは、より低いメルトインデックスを示すチーグラー・ナッタ材料(比較実験A)のそれに類似している。
実施例5および6
実施例5および6は、ダウ・ケミカル社が製造している実質的に線状である均一エチレンインターポリマー材料の2つである。これらの材料は非常に狭い組成分布(CDBIはそれぞれ73.50と80.15であり、HD画分を含まない)を示しかつ実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーに典型的な分子量分布である2.14および2.16をそれぞれが示す。それらには長鎖分枝が存在していることから、押出し加工機を用いた時の加工性も非常に良好である(I10/I、100ラド/秒における粘度に対する0.1ラド/秒に対する粘度の比率、100ラド/秒における粘度および平均弛緩時間はそれぞれ7.5、3.44、10838ポイズ、0.1189秒、および8.6、4.37、8917ポイズ、0.2147秒)。しかしながら、それらを実施例3に記述した方法と同じ方法で加工して測定した時(表3の実験1から4)、それらは同様なオンパレット伸縮性とダート衝撃Bを示す。具体的には、実施例6は加工性(100ラド/秒における粘度で示される如き)が有意に良好な点で実施例3および5に比較して向上している。実施例6は、実施例3の場合のように、良好な衝撃値を示すと共に良好なOPPとOPSの組み合わせを示し、かつ比較実験DおよびEに比較して優れた加工性を示す。
実施例7−15
実施例7から15は実施例1の場合と同様に製造した追加的反応槽内ブレンド物であり、結果として得た生成物の仕様は表2bに示す如きである。流動学的特性を表4に示す。これらの実施例は全部式
log(τ)>−1.2−1.3 log(I
に従う。結果として、せん断低粘化が向上し、従って加工性が良好であると期待することができる。
比較実験A
Dowlex(商標)3347Aとして販売されている商業的に入手可能なチーグラー・ナッタ製造材料、即ちザ・ダウケミカル社が製造しているエチレン/1−オクテンコポリマーを実施例3で記述した方法と同じ方法で加工して測定した時、それは本発明の実施例に比べて明らかに劣っている。具体的には、1つのケースにおけるOPP、OPSおよびダートBはそれぞれ15ポンド、290%および116gである[実施例3の場合19ポンド、290%および656gであるのに比較して(それぞれ表3の実験1および3)]。別のケースにおけるOPPおよびOPSはそれぞれ12.5ポンドおよび265%である[実施例3の場合15ポンドおよび275%であるのに比較して(表3の実験3)]。100ラド/秒における粘度が比較的高い(11700ポイズ)。その結果として、この樹脂の場合の加工ラインにおけるライン速度は実施例2から4に比較して低くなるであろう。
比較実験B
比較実験Bはザ・ダウケミカル社が製造している実質的に線状であるインターポリマーであり、これの長鎖分枝のレベルは低く、その結果として、I10/Iは非常に低く(5.73)、100ラド/秒における粘度に対する0.1ラド/秒に対する粘度の比率も低く(1.79)、かつ加工性が劣っている(100ラド/秒における粘度は14000ポイズで平均弛緩時間は0.0071秒である)。しかしながら、それが示したオンパレット性能は実施例1および5(これらは両方ともより良好な加工性を示す)のそれに非常に類似している(表3、実験6)。
比較実験C
実施例1の場合と同様にして比較実験Cを反応槽内ブレンド物として製造して加工し、その生成物の仕様を表2に示す。この樹脂は幅広い分子量分布(Mw/Mnは4.75)と高いI10/Iを示すことから、実施例1から4に示したのと同様には性能向上を示さない(表3、実験5)。
比較実験DおよびE
比較実験Dは市販樹脂EXCEED(商標)ECD 3011で比較実験Eは市販樹脂EXCEED(商標)ECD 401であり、これらは両方ともEXXONが製造しているエチレン/1−ヘキセンコポリマーで、メタロセン使用LLDPEとして識別する。EXCEED(商標)ECD 301および401が示す組成分布および分子量分布は上記実質的に線状であるインターポリマー類が示すそれらよりも若干幅広いのみであるが、I10/I、100ラド/秒における粘度、平均弛緩時間、および100ラド/秒における粘度に対する0.1ラド/秒に対する粘度の比率(それぞれ6、11007ポイズ、0.008秒、1.82、および6.04、10067、0.0058、1.67)で示されるように、それの加工性は有意に劣っている。EXCEED(商標)ECD 301が全体として示す加工性を改良しようとして、その樹脂の製造業者は上記樹脂にフルオロエラストマー加工助剤を導入したと考えている(フッ素が150ppm存在していることで示されるように)。この材料を実施例1に記述した方法と同じ方法で加工して測定した時、それは優れたオンパレット性能を示す。EXCEED(商標)ECD 301は、エアーギャップを3”から4”に変えた時、それに対して比較的高い感受性を示す(表3の実験7および8)。
比較実験F−N
比較実験F−Nはエチレン/1−ヘキセンコポリマー類であり、これらは市場でメタロセン使用LLDPEまたはm−LLDPEとして入手可能である。これらの例の中でキャストフィルム用途で用いられる材料は下記である:比較実験FはEXCEED(商標)ECD 202であり、比較実験GからIはMitsui Petrochemicalが製造しているSP0540、SP1540およびSP2040である。いくつかの材料はブローンフィルム用途で用いられる。比較実施例JからKはEXCEED(商標)350L65、350D60、377D60および399L60(全部EXXONが製造)である。上記m−LLDPE類の加工は標準的なチーグラー・ナッタ材料よりも劣っていることが知られている。このことは、それらが示す流動学的特性(表4に要約)で示され、上記材料のいずれも平均弛緩時間とメルトインデックスの間の上記式を満足させなかった。

Claims (29)

  1. インターポリマー組成物を含んで成るキャストストレッチフィルムであって、更に、該インターポリマー組成物が、
    (A)該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から100重量%の量で存在する実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー、および
    (B)該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして0から90重量%の量で存在する不均一インターポリマー、を含んでいて、
    上記インターポリマー組成物が、100ラド/秒および弛緩時間(τ)において下記の関係:
    Log(100ラド/秒における粘度)≦4.43−0.8 log(I
    または
    log(τ)>−1.2−1.3log(I
    のいずれかを満足させる粘度を有するとして特徴づけられる、キャストストレッチフィルム。
  2. 成分Aが該インターポリマー組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から90重量%の量で存在しかつ成分Bが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から90重量%の量で存在していて、
    上記インターポリマー組成物が0.910から0.922g/cmの密度、0.5から10g/10分のメルトインデックス(I)および10.0未満のI10/Iを示し、そしてここで、
    (a)成分Aがエチレンと少なくとも1種のC−C20α−オレフィンから作られたインターポリマーで0.860から0.925g/cmの密度、0.2から7.0g/10分のメルトインデックス(I)および≧5.63のI10/Iを示し、そして
    (b)成分Bが0.895から0.955g/cmの密度および0.2から500g/10分のメルトインデックス(I)を示す、
    請求の範囲第1項記載のキャストストレッチフィルム。
  3. 成分Aが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から90重量%の量で存在しかつ成分Bが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から90重量%の量で存在していて、
    上記インターポリマー組成物が0.912から0.920g/cmの密度、1.0から7.0g/10分のメルトインデックス(I)および9.0未満のI10/Iを示し、そしてここで、
    (a)成分Aがエチレンと少なくとも1種のC−Cα−オレフィンから作られたインターポリマーで0.880から0.920g/cmの密度、0.4から4.0g/10分のメルトインデックス(I)および≧5.63のI10/Iを示し、そして
    (b)成分Bが0.900から0.945g/cmの密度および0.4から250g/10分のメルトインデックス(I)を示す、
    請求の範囲第1項記載のキャストストレッチフィルム。
  4. 成分Aが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして35から55重量%の量で存在しかつ成分Bが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして45から65重量%の量で存在していて、
    上記インターポリマー組成物が0.915から0.919g/cmの密度、2.0から6.0g/10分のメルトインデックス(I)および8.0未満のI10/Iを示し、そしてここで、
    (a)成分Aがエチレンとオクテン−1から作られたインターポリマーで0.895から0.915g/cmの密度、0.5から2.0g/10分のメルトインデックス(I)、≧5.63のI10/Iおよび1.8から3.0のMw/Mnを示し、そして
    (b)成分Bが0.910から0.953g/cmの密度および0.5から50g/10分のメルトインデックス(I)を示す、
    請求の範囲第1項記載のキャストストレッチフィルム。
  5. 少なくとも1種の実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含んでいて、該実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーが、
    a)≧5.63のメルトフロー比I10/Iを示し、
    b)式:Mw/Mn≦(I10/I)−4.63で定義される分子量分布Mw/Mnを示し、かつ
    c)表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度が、IおよびMw/Mnがほぼ同じ線状エチレン/α−オレフィンポリマーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度より、少なくとも50パーセント大きい、として特徴づけられる、
    請求の範囲第1項記載のキャストストレッチフィルム。
  6. 成分Aが少なくとも1種の実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含んでいて、該実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーが、
    a)≧5.63のメルトフロー比I10/Iを示し、
    b)式:Mw/Mn≦(I10/I)−4.63で定義される分子量分布Mw/Mnを示し、かつ
    c)IおよびMw/Mnがほぼ同じ線状エチレン/α−オレフィンインターポリマーが示すPIの約70パーセントに等しいか或はそれ以下のプロセシングインデックスを示す、として特徴づけられる、
    請求の範囲第1項記載のキャストストレッチフィルム。
  7. 該実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーが長鎖分枝をポリマーバックボーンに沿って炭素1000個当たり0.01から3個有する請求の範囲第1項記載のキャストストレッチフィルム。
  8. (A)少なくとも1基の反応槽内で、エチレンと他の少なくとも1種のα−オレフィンを、拘束幾何触媒組成物の存在下、アルミニウム共触媒を全く含有しないか或はアルミニウム共触媒を少量のみ含有する共触媒を存在させて、重合条件下で接触させることで、狭い組成分布を示しかつ狭い分子量分布を示す1番目のインターポリマーを生じさせることを通して、成分Aを生じさせ、そして
    (B)他の少なくとも1基の反応槽内で、エチレンと他の少なくとも1種のα−オレフィンを、不均一チーグラー触媒の存在下、重合条件下で接触させることで、幅広い組成分布を示しかつ幅広い分子量分布を示す2番目のインターポリマーを生じさせることを通して、成分Bを生じさせ、そして
    (C)該1番目のインターポリマーと該2番目のインターポリマーを一緒にすることで、ポリマー混合物を生じさせたものである、
    請求の範囲第1項記載のキャストストレッチフィルム。
  9. (A)少なくとも1基の反応槽内で、エチレンと他の少なくとも1種のα−オレフィンを、アルミニウム共触媒を全く含有しないか或はアルミニウム共触媒を少量のみ含有する拘束幾何触媒組成物の存在下、溶液重合条件下で接触させることで、狭い組成分布を示しかつ狭い分子量分布を示す1番目のインターポリマーが入っている溶液を生じさせることを通して、成分Aを生じさせ、そして
    (B)他の少なくとも1基の反応槽内で、エチレンと他の少なくとも1種のα−オレフィンを、不均一チーグラー触媒の存在下、段階(A)で用いた重合反応温度より高い温度の溶液重合条件下で接触させることで、幅広い組成分布を示しかつ幅広い分子量分布を示す2番目のインターポリマーが入っている溶液を生じさせることを通して、成分Bを生じさせ、そして
    (C)該1番目のインターポリマーが入っている溶液と該2番目のインターポリマーが入っている溶液を一緒にすることで、エチレン/α−オレフィンインターポリマー組成物を含んで成る高温のポリマー溶液を生じさせ、そして
    (D)段階(C)のポリマー溶液から溶媒を除去することで、該エチレン/α−オレフィンインターポリマー組成物を回収したものである、
    請求の範囲第1項記載のキャストストレッチフィルム。
  10. 成分Aおよび成分Bがエチレンとオクテン−1から作られたインターポリマー類である請求の範囲第1項記載のキャストストレッチフィルム。
  11. 該インターポリマー組成物が100ラド/秒において≦10,000ポイズの粘度を示す請求の範囲第1項記載のキャストストレッチフィルム。
  12. インターポリマー組成物を含んで成るキャストストレッチフィルムであって、該インターポリマー組成物が、ATREF曲線に異なるピークを2つ以上示し、そしてここで、
    −T≦25℃
    であり、ここで、Tは、最も高い結晶化ピークの溶出温度であり、そしてTは、最も低い結晶化ピークの溶出温度であり、そしてここで、
    Mv/Mv≦1
    であり、ここで、Mvは、最も高い溶出温度を持つピークの所の粘度平均分子量であり、そしてMvは、最も低い溶出温度を持つピークの所の粘度平均分子量であり、そしてここで、
    Mw/Mn≦3
    である、キャストストレッチフィルム。
  13. 該インターポリマー組成物が実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンコポリマーを含んでいて上記組成物が0.910から0.922g/cmの密度、0.5から10g/10分のメルトインデックス(I)および10.0未満のI10/Iを示す請求の範囲第12項記載のキャストストレッチフィルム。
  14. 該インターポリマー組成物がエチレンと少なくとも1種のC−Cα−オレフィンから作られたインターポリマーで0.912から0.920g/cmの密度、1.0から7.0g/10分のメルトインデックス(I)および9.0未満のI10/Iを示す請求の範囲第12項記載のキャストストレッチフィルム。
  15. 該インターポリマー組成物がエチレンとオクテン−1から作られたインターポリマーで0.915から0.919g/cmの密度、2.0から6.0g/10分のメルトインデックス(I)および8.0未満のI10/Iを示す請求の範囲第12項記載のキャストストレッチフィルム。
  16. インターポリマー組成物であって、
    (A)該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から100重量%の量で存在する実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマー、および
    (B)該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして0から90重量%の量で存在していて幅広い分子量分布と幅広い組成分布を示す不均一インターポリマー、を含んで成っていて、
    上記インターポリマー組成物が、100ラド/秒および弛緩時間(τ)において下記の関係:
    Log(100ラド/秒における粘度)≦4.43−0.8 log(I
    または
    log(τ)>−1.2−1.3log(I
    のいずれかを満足させる粘度を有するとして特徴づけられる、インターポリマー組成物。
  17. 成分Aが該インターポリマー組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から90重量%の量で存在しかつ成分Bが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から90重量%の量で存在していて、
    上記インターポリマー組成物が0.910から0.922g/cmの密度、0.5から10g/10分のメルトインデックス(I)および10.0未満のI10/Iを示し、そしてここで、
    (a)成分Aがエチレンと少なくとも1種のC−C20α−オレフィンから作られたインターポリマーで0.860から0.925g/cmの密度、0.2から7.0g/10分のメルトインデックス(I)および≧5.63のI10/Iを示し、そして
    (b)成分Bが0.895から0.955g/cmの密度および0.2から500g/10分のメルトインデックス(I)を示す、
    請求の範囲第16項記載のインターポリマー組成物。
  18. 成分Aが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から90重量%の量で存在しかつ成分Bが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして10から90重量%の量で存在していて、
    上記インターポリマー組成物が0.912から0.920g/cmの密度、1.0から7.0g/10分のメルトインデックス(I)および9.0未満のI10/Iを示し、そしてここで、
    (a)成分Aがエチレンと少なくとも1種のC−Cα−オレフィンから作られたインターポリマーで0.880から0.920g/cmの密度、0.4から4.0g/10分のメルトインデックス(I)および≧5.63のI10/Iを示し、そして
    (b)成分Bが0.900から0.945g/cmの密度および0.4から250g/10分のメルトインデックス(I)を示す、
    請求の範囲第16項記載のインターポリマー組成物。
  19. 成分Aが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして35から55重量%の量で存在しかつ成分Bが該組成物中に成分AとBの合計重量を基準にして45から65重量%の量で存在していて、
    上記インターポリマー組成物が0.915から0.919g/cmの密度、2.0から6.0g/10分のメルトインデックス(I)および8.0未満のI10/Iを示し、そしてここで、
    (a)成分Aがエチレンとオクテン−1から作られたインターポリマーで0.895から0.915g/cmの密度、0.5から2.0g/10分のメルトインデックス(I)、≧5.63のI10/Iおよび1.8から3.0のMw/Mnを示し、そして
    (b)成分Bが0.910から0.953g/cmの密度および0.5から50g/10分のメルトインデックス(I)を示す、
    請求の範囲第16項記載のインターポリマー組成物。
  20. 少なくとも1種の実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含んでいて、該実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマーが、
    a)≧5.63のメルトフロー比I10/Iを示し、
    b)式:Mw/Mn≦(I10/I)−4.63で定義される分子量分布Mw/Mnを示し、かつ
    c)表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度が、IおよびMw/Mnがほぼ同じ線状エチレン/α−オレフィンポリマーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度より、少なくとも50パーセント大きい、として特徴づけられる、
    請求の範囲第16項記載のインターポリマー組成物。
  21. 成分Aが少なくとも1種の実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーを含んでいて、該実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーが、
    a)≧5.63のメルトフロー比I10/Iを示し、
    b)式:Mw/Mn≦(I10/I)−4.63で定義される分子量分布Mw/Mnを示し、かつ
    c)IおよびMw/Mnがほぼ同じ線状エチレン/α−オレフィンインターポリマーが示すPIの70パーセントに等しいか或はそれ以下のプロセシングインデックスを示す、として特徴づけられる、
    請求の範囲第16項記載のインターポリマー組成物。
  22. 該実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンインターポリマーが長鎖分枝をポリマーバックボーンに沿って炭素1000個当たり0.01から3個有する請求の範囲第16項記載のインターポリマー組成物。
  23. 該インターポリマー組成物が100ラド/秒において≦10,000ポイズの粘度を示す請求の範囲第16項記載のインターポリマー組成物。
  24. インターポリマー組成物であって、ATREF曲線に異なるピークを2つ以上示し、そしてここで、
    −T≦25℃
    であり、ここで、Tは、最も高い結晶化ピークの溶出温度であり、そしてTは、最も低い結晶化ピークの溶出温度であり、そしてここで、
    Mv/Mv≦1
    であり、ここで、Mvは、最も高い溶出温度を持つピークの所の粘度平均分子量であり、そしてMvは、最も低い溶出温度を持つピークの所の粘度平均分子量であり、そしてここで、
    Mw/Mn≦3
    である、インターポリマー組成物。
  25. 実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンコポリマーを含んでいて上記組成物が0.910から0.922g/cmの密度、0.5から10g/10分のメルトインデックス(I)および10.0未満のI10/Iを示す請求の範囲第24項記載のインターポリマー組成物。
  26. エチレンと少なくとも1種のC−Cα−オレフィンから作られたインターポリマーで0.912から0.920g/cmの密度、1.0から7.0g/10分のメルトインデックス(I)および9.0未満のI10/Iを示す請求の範囲第24項記載のインターポリマー組成物。
  27. エチレンとオクテン−1から作られたインターポリマーで0.915から0.919g/cmの密度、2.0から6.0g/10分のメルドィンデックス(I)および8.0未満のI10/Iを示す請求の範囲第24項記載のインターポリマー組成物。
  28. (A)少なくとも1基の反応槽内で、エチレンと他の少なくとも1種のα−オレフィンを、拘束幾何触媒組成物の存在下、アルミニウム共触媒を全く含有しないか或はアルミニウム共触媒を少量のみ含有する共触媒を存在させて、重合条件下で接触させることで、狭い組成分布を示しかつ狭い分子量分布を示す1番目のインターポリマーを生じさせることを通して、成分Aを生じさせ、そして
    (B)他の少なくとも1基の反応槽内で、エチレンと他の少なくとも1種のα−オレフィンを、不均一チーグラー触媒の存在下、重合条件下で接触させることで、幅広い組成分布を示しかつ幅広い分子量分布を示す2番目のインターポリマーを生じさせることを通して、成分Bを生じさせ、そして
    (C)該1番目のインターポリマーと該2番目のインターポリマーを一緒にすることで、ポリマー混合物を生じさせたものである、
    請求の範囲第16項記載のインターポリマー組成物。
  29. (A)少なくとも1基の反応槽内で、エチレンと他の少なくとも1種のα−オレフィンを、アルミニウム共触媒を全く含有しないか或はアルミニウム共触媒を少量のみ含有する拘束幾何触媒組成物の存在下、溶液重合条件下で接触させることで、狭い組成分布を示しかつ狭い分子量分布を示す1番目のインターポリマーが入っている溶液を生じさせることを通して、成分Aを生じさせ、そして
    (B)他の少なくとも1基の反応槽内で、エチレンと他の少なくとも1種のα−オレフィンを、不均一チーグラー触媒の存在下、段階(A)で用いた重合反応温度より高い温度の溶液重合条件下で接触させることで、幅広い組成分布を示しかつ幅広い分子量分布を示す2番目のインターポリマーが入っている溶液を生じさせることを通して、成分Bを生じさせ、そして
    (C)該1番目のインターポリマーが入っている溶液と該2番目のインターポリマーが入っている溶液を一緒にすることで、エチレン/α−オレフィンインターポリマー組成物を含んで成る高温のポリマー溶液を生じさせ、そして
    (D)段階(C)のポリマー溶液から溶媒を除去することで、該エチレン/α−オレフィンインターポリマー組成物を回収したものである、
    請求の範囲第16項記載のインターポリマー組成物。
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