JP2009096692A - 間欠式不活性ガス注入によるオゾン発生方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電によるオゾン発生装置およびオゾン発生方法に関して、オゾン発生効率のより一層の向上を図る。
【解決手段】酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生方法において、電極31表面に不活性ガスである窒素のみの注入を行う不活性ガス注入時間と、不活性ガスの注入停止後に酸素を供給する酸素供給時間とを交互に繰り返して、電極31表面に窒素ガスを間欠式に供給を行うとともに、前記酸素に放電を行う。
【選択図】図3
【解決手段】酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生方法において、電極31表面に不活性ガスである窒素のみの注入を行う不活性ガス注入時間と、不活性ガスの注入停止後に酸素を供給する酸素供給時間とを交互に繰り返して、電極31表面に窒素ガスを間欠式に供給を行うとともに、前記酸素に放電を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、効率的にオゾンを発生させる技術に関する。
上水道のオゾン処理は広く行われるようになり、下水処理水においても高度処理の要望がたかまっている。オゾン処理において、オゾンはエネルギー多消費型の原材料物質であり、1kgのオゾンを製造するために13kWhもの電力を要している。このような製造コストの高さがオゾン処理の普及を阻害している。
オゾン発生器の原理としては、空気または酸素ガス中での電気放電および紫外線ランプを用いたものが大部分を占め、大規模・低コスト化が図れるのは電気放電を用いた方式である。電気放電式では放電の制御方法が各種考案され数々のオゾン発生器が製造されてきた。また、電極形状によりオゾン生成率を向上させる技術も知られている。例えば、高電圧電極を接地電極の反りや曲がりに順応させてオゾン発生効率を向上させるものが知られている(特許文献1を参照)。
オゾン発生器の原理としては、空気または酸素ガス中での電気放電および紫外線ランプを用いたものが大部分を占め、大規模・低コスト化が図れるのは電気放電を用いた方式である。電気放電式では放電の制御方法が各種考案され数々のオゾン発生器が製造されてきた。また、電極形状によりオゾン生成率を向上させる技術も知られている。例えば、高電圧電極を接地電極の反りや曲がりに順応させてオゾン発生効率を向上させるものが知られている(特許文献1を参照)。
また、供給された酸素ガスを解離させ酸素原子を生成する酸素原子発生部6と、この酸素原子発生部より送給される酸素原子を含む第1のガスと、反応ガス入口1より供給される酸素を含む第2のガスとを酸素原子発生部6より高い圧力下で混合して反応させてオゾンを生成するオゾン発生部(スロート3およびディフューザ4)と、酸素原子発生部6の圧力を大気圧以下の所定の低圧力にすると共に、第1のガスを低圧状態のままオゾン発生部に送給する減圧送給手段とを備えた装置を用いてオゾンを発生させる方法も知られている(特許文献2を参照)。
これは、低圧下において酸素分子を解離させて酸素原子を生成した後に、この酸素原子を含むガスに空気を供給してオゾンを発生するものである。
これは、低圧下において酸素分子を解離させて酸素原子を生成した後に、この酸素原子を含むガスに空気を供給してオゾンを発生するものである。
また、酸素原料を用いてオゾンを長時間生成し続けているとオゾン濃度が低下する現象が発生し、この現象の解消に窒素等の不活性ガスを酸素に添加することが知られている(非特許文献1参照)
特開2003−146622号公報
特開平9−86904号公報
高野哲美、ほか2名「純酸素原料におけるオゾンの発生量の異常減少」電気学会論文誌A,Vol.125,No.6,pp.508−514,2005年6月
しかし、オゾン発生の技術において、放電部分のメカニズムとオゾン発生のメカニズムについては、十分に考慮されていない。また、近年酸素原料によるオゾン発生法等が導入されているが高効率化のために必要なメカニズム解析がなされておらず、つまり、オゾン発生に必要な要素である分子・原子についての特定がなされておらず、原料ガス中で電気放電させるだけであった。特にオゾンが放電空間中または電極表面において窒素・アルゴン・二酸化炭素等の不活性ガスを触媒として生成されると考えられてはいるが、オゾン生成効率を向上させる要素についての特定が十分に出来ていない。このため、電極表面でオゾンが生成される場合のオゾン生成効率を向上させる要素ならびに生成メカニズムをさらに特定していく必要がある。
また、オゾン生成効率を向上させる要素を特定した場合においても、さらにオゾン発生効率を向上させるために好適なオゾン発生条件を見出す必要がある。
そこで本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電によるオゾン発生方法およびオゾン発生装置に関して、オゾン発生効率のより一層の向上を図ることを目的とする。
また、オゾン生成効率を向上させる要素を特定した場合においても、さらにオゾン発生効率を向上させるために好適なオゾン発生条件を見出す必要がある。
そこで本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電によるオゾン発生方法およびオゾン発生装置に関して、オゾン発生効率のより一層の向上を図ることを目的とする。
本発明者等は、上記課題について鋭意研究を行った結果、銅電極ならびに酸素雰囲気中で唯一水分吸着層を持たないニッケル電極を用い、窒素及びアルゴン等の不活性ガスのオゾン生成に果たす役割を確認したところ、不活性ガスを供給酸素ガスに添加するよりも不活性ガス単独で注入し、電極表面に不活性ガスを吸着させることでオゾン生成効率を向上させることが判明した。さらには、オゾン発生を継続して行う場合、電極表面の不活性ガスがなくなり発生するオゾン濃度が低下するが、オゾン濃度が低下した後に、短時間不活性ガスを注入することでオゾン濃度が向上することを確認した。この結果から一定のインターバルで不活性ガスを注入することにより、オゾン濃度の変動が少なくなりオゾン濃度が高められてオゾン生成効率が向上することを見出して、本発明を完成するに至った。
図1は酸素ガスへの放電により発生する物質のエネルギー状態を示す図である。
電気放電による酸素気体中の放電生成物としては、図1に示すように、O2 +、O2(E、F)、O(1D)、O、O2(b1Σg+)、O−、O2(a1Δg)、O2 −が揚げられる。この内、オゾンの生成エネルギーに近い生成エネルギーを有するO(1D)、O、O2(b)、O2(a)等の粒子が主にオゾンの生成に関与すると考えられている。
例えば、O2(b)の酸素分子よりの生成エネルギーを1.63、O2(a)の酸素分子よりの生成エネルギーを0.93、Oの酸素分子よりの生成エネルギーを、3.0とすると、O2(b)とOもしくは、O2(a)とOによりオゾンが生成されると、そのエネルギーは4.63、3.93となり、オゾンの生成に必要なエネルギー2.6を上回り、円滑なオゾン生成が阻害されてしまう。
ここで、酸素分子と酸素原子のエネルギーとオゾン分子のエネルギー差を調整する第三の物質として窒素分子等の作用を考え、酸素の放電により生成する物質に対して窒素分子を接触させることとした。
酸素ガスに放電などによりエネルギーを与え、イオン化もしくは励起された放電後の酸素ガスに対して窒素ガス等の第三の物質を作用させてエネルギーの調節を行い、オゾンを効率的に生成するものである。
電気放電による酸素気体中の放電生成物としては、図1に示すように、O2 +、O2(E、F)、O(1D)、O、O2(b1Σg+)、O−、O2(a1Δg)、O2 −が揚げられる。この内、オゾンの生成エネルギーに近い生成エネルギーを有するO(1D)、O、O2(b)、O2(a)等の粒子が主にオゾンの生成に関与すると考えられている。
例えば、O2(b)の酸素分子よりの生成エネルギーを1.63、O2(a)の酸素分子よりの生成エネルギーを0.93、Oの酸素分子よりの生成エネルギーを、3.0とすると、O2(b)とOもしくは、O2(a)とOによりオゾンが生成されると、そのエネルギーは4.63、3.93となり、オゾンの生成に必要なエネルギー2.6を上回り、円滑なオゾン生成が阻害されてしまう。
ここで、酸素分子と酸素原子のエネルギーとオゾン分子のエネルギー差を調整する第三の物質として窒素分子等の作用を考え、酸素の放電により生成する物質に対して窒素分子を接触させることとした。
酸素ガスに放電などによりエネルギーを与え、イオン化もしくは励起された放電後の酸素ガスに対して窒素ガス等の第三の物質を作用させてエネルギーの調節を行い、オゾンを効率的に生成するものである。
図2は不活性ガス注入手段として不活性ガス注入室、不活性ガス注入装置を備えたオゾン発生装置を示す図である。
図2に示すオゾン発生装置は、オゾン発生器5、不活性ガス注入室10、不活性ガス注入装置6、酸素ガス供給管8、およびオゾンガス排出管9により構成されている。酸素ガス供給管8には、酸素ガスボンベ等より酸素ガスが供給され、オゾン発生器5には放電用の高電圧電源が接続される。なお、オゾン発生装置には、バルブ、ガス流量制御装置、オゾン濃度計などを必要に応じて接続可能である。
酸素ガス供給管8は不活性ガス注入室10を介してオゾン発生器5に接続しており、オゾン発生器5内に酸素ガスを供給可能としている。すなわち、酸素ガス供給管8は、不活性ガス注入室10内に酸素ガスを供給し、該不活性ガス注入室10内より酸素ガスがオゾン発生器5内に導入される。該オゾン発生器5の下流側には、オゾンガス排出管9が接続されている。また、オゾン発生器5内には、図示せぬ沿面放電素子もしくは無声放電素子、または沿面放電と無声放電の複合放電素子が配置されており、この放電素子には高電圧に印加するための高電圧電源が接続されている。
また、不活性ガス注入手段Pは、前記不活性ガス注入室10と、不活性ガス注入装置6とで構成されており、該不活性ガス注入装置6と前記不活性ガス注入室10に配設された不活性ガス導入部7とが注入管により接続されている。こうして、不活性ガス注入室10内に不活性ガスを導入可能に構成されている。このような装置により窒素等の不活性ガスをオゾン発生器5内に注入して、電極表面に吸着させることにより、オゾンの発生効率を向上できる。
図2に示すオゾン発生装置は、オゾン発生器5、不活性ガス注入室10、不活性ガス注入装置6、酸素ガス供給管8、およびオゾンガス排出管9により構成されている。酸素ガス供給管8には、酸素ガスボンベ等より酸素ガスが供給され、オゾン発生器5には放電用の高電圧電源が接続される。なお、オゾン発生装置には、バルブ、ガス流量制御装置、オゾン濃度計などを必要に応じて接続可能である。
酸素ガス供給管8は不活性ガス注入室10を介してオゾン発生器5に接続しており、オゾン発生器5内に酸素ガスを供給可能としている。すなわち、酸素ガス供給管8は、不活性ガス注入室10内に酸素ガスを供給し、該不活性ガス注入室10内より酸素ガスがオゾン発生器5内に導入される。該オゾン発生器5の下流側には、オゾンガス排出管9が接続されている。また、オゾン発生器5内には、図示せぬ沿面放電素子もしくは無声放電素子、または沿面放電と無声放電の複合放電素子が配置されており、この放電素子には高電圧に印加するための高電圧電源が接続されている。
また、不活性ガス注入手段Pは、前記不活性ガス注入室10と、不活性ガス注入装置6とで構成されており、該不活性ガス注入装置6と前記不活性ガス注入室10に配設された不活性ガス導入部7とが注入管により接続されている。こうして、不活性ガス注入室10内に不活性ガスを導入可能に構成されている。このような装置により窒素等の不活性ガスをオゾン発生器5内に注入して、電極表面に吸着させることにより、オゾンの発生効率を向上できる。
上記オゾン発生装置の構成においては、オゾン発生器5の前段となる上流側に不活性ガスの注入を行う不活性ガス注入室10を設けたことにより、酸素の供給ガスを停止後に該不活性ガス注入室10内に不活性ガス注入装置6により不活性ガスを注入し、該不活性ガスをオゾン発生器5へと導入し、電極表面に吸着させる。不活性ガス注入後、再び酸素ガスをオゾン発生器5へと供給し、放電によりオゾン発生を行う。このように一定のインターバルでオゾン発生器5内へ不活性ガスと酸素供給とを分離して導入を行うことで、オゾン濃度の変動を少なくしてオゾン発生効率の向上が図られ、オゾン濃度をさらに向上することが可能となる。
即ち、請求項1においては、酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生方法において、
電極表面に不活性ガスのみの注入を行う不活性ガス注入時間と、不活性ガスの注入停止後に酸素を供給する酸素供給時間とを交互に繰り返して、電極表面に不活性ガスを間欠式に供給するとともに、前記酸素に放電を行うものである。
電極表面に不活性ガスのみの注入を行う不活性ガス注入時間と、不活性ガスの注入停止後に酸素を供給する酸素供給時間とを交互に繰り返して、電極表面に不活性ガスを間欠式に供給するとともに、前記酸素に放電を行うものである。
請求項2においては、前記不活性ガス注入時間と前記酸素供給時間をオゾン濃度減少の時定数に応じて設定するものである。
請求項3においては、酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電を行うオゾン発生装置において、
前記電極よりも酸素供給経路の上流側に、不活性ガスを注入する不活性ガス注入手段を備え、該不活性ガス注入手段と前記酸素供給手段から不活性ガスまたは酸素のどちらか一方のみを予め設定された不活性ガス注入時間と酸素供給時間に基づいて間欠式に供給するものである。
前記電極よりも酸素供給経路の上流側に、不活性ガスを注入する不活性ガス注入手段を備え、該不活性ガス注入手段と前記酸素供給手段から不活性ガスまたは酸素のどちらか一方のみを予め設定された不活性ガス注入時間と酸素供給時間に基づいて間欠式に供給するものである。
請求項4においては、前記不活性ガス注入時間と前記酸素供給時間をオゾン濃度減少の時定数に応じて設定するものである。
このように、酸素ガスに不活性ガスを添加するのではなく、不活性ガスのみを短時間注入し、さらに間欠的に窒素等の不活性ガスを注入することにより、効率的に、且つ、オゾン濃度の変化が少なくオゾンを発生させることができる。
具体的には、不活性ガスを不活性ガス注入手段を介して電極表面に供給し吸着させることと、不活性ガスを注入しないで酸素ガスを電極表面に供給し放電によりオゾンの発生を行うことを、分離して一定のインターバルで繰り返すことにより、オゾン濃度の変動を少なくしオゾン濃度を高めることができ、オゾン生成効率が向上する。
また、酸素原料によるオゾンの発生において、すでに導入されている既存のオゾン発生器の前段(電極部の上流側)に不活性ガスを注入できる不活性ガス注入手段を設置して、間欠式に不活性ガスを電極表面に供給することでオゾン発生効率を向上させてオゾン濃度を高められる。さらには装置改良に費用がかからず、非常に経済的である。
具体的には、不活性ガスを不活性ガス注入手段を介して電極表面に供給し吸着させることと、不活性ガスを注入しないで酸素ガスを電極表面に供給し放電によりオゾンの発生を行うことを、分離して一定のインターバルで繰り返すことにより、オゾン濃度の変動を少なくしオゾン濃度を高めることができ、オゾン生成効率が向上する。
また、酸素原料によるオゾンの発生において、すでに導入されている既存のオゾン発生器の前段(電極部の上流側)に不活性ガスを注入できる不活性ガス注入手段を設置して、間欠式に不活性ガスを電極表面に供給することでオゾン発生効率を向上させてオゾン濃度を高められる。さらには装置改良に費用がかからず、非常に経済的である。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図3は実験装置の全体構成を示す図、図4はオゾン発生器の側面一部断面図、図5は実施例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図、図6は実施例1の冷却水温度の変化に伴うオゾン濃度変化を示す図、図7は実施例1の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図、図8は実施例1のオゾン濃度減少の時定数の算出に用いた図、図9は実施例2の実験によるオゾン濃度変化を示す図、図10は実施例2の冷却水温度の変化に伴うオゾン濃度変化を示す図、図11は実施例2の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図、図12は実施例2のオゾン濃度減少の時定数の算出に用いた図である。
図3は実験装置の全体構成を示す図、図4はオゾン発生器の側面一部断面図、図5は実施例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図、図6は実施例1の冷却水温度の変化に伴うオゾン濃度変化を示す図、図7は実施例1の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図、図8は実施例1のオゾン濃度減少の時定数の算出に用いた図、図9は実施例2の実験によるオゾン濃度変化を示す図、図10は実施例2の冷却水温度の変化に伴うオゾン濃度変化を示す図、図11は実施例2の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図、図12は実施例2のオゾン濃度減少の時定数の算出に用いた図である。
図3を用いて実験装置の全体構成を説明する。
図3に示すように、オゾン発生装置の一例である実験装置は酸素ガスボンベ11、窒素ガスボンベ30、ガス流量制御装置12・22、インピンジャー10、オゾン発生器5、冷却装置19、オゾン濃度計14、排オゾン処理装置16、高電圧電源17等により構成される。
酸素ガスボンベ11はガス流量制御装置12に接続しており、酸素供給手段として構成されている。該ガス流量制御装置12は酸素ガス供給管8を介してオゾン発生器5に接続している。前記酸素ガス供給管8の中途部には切換バルブ8aが設けられており、該切換バルブ8aの上流側の酸素ガス供給管8から分岐管20が分岐している。該分岐管20は切換バルブ20aを介して不活性ガス注入室となるインピンジャー10の導入管10aに接続されている。また、不活性ガスである窒素を充填した窒素ガスボンベ30はガス流量制御装置22に接続しており、不活性ガス注入装置6として構成されている。該ガス流量制御装置22は不活性ガス注入管13を介して、切換バルブ20aとインピンジャー10との間の分岐管20の中途部に連通している。前記不活性ガス注入管13の中途部には切換バルブ13aが設けられている。また、前記切換バルブ8aの下流側の酸素ガス供給管8から分岐管21が分岐している。該分岐管21は切換バルブ21aを介してインピンジャー10の排出管10bに接続されている。また、前記切換バルブ21aとインピンジャー10との間の分岐管21の中途部に掃気管23が連通されており、該掃気管23の中途部には切換バルブ23aが設けられている。前記オゾン発生器5は、オゾンガス排出管9を介してオゾン濃度計14および排オゾン処理装置16に接続している。また、オゾン発生器5には、高電圧に印加するための高電圧電源17が接続されている。
なお、本実施形態で用いた前記窒素ガスボンベの替わりに、不活性ガスであるアルゴンを充填したアルゴンガスボンベを使用してもかまわない。
図3に示すように、オゾン発生装置の一例である実験装置は酸素ガスボンベ11、窒素ガスボンベ30、ガス流量制御装置12・22、インピンジャー10、オゾン発生器5、冷却装置19、オゾン濃度計14、排オゾン処理装置16、高電圧電源17等により構成される。
酸素ガスボンベ11はガス流量制御装置12に接続しており、酸素供給手段として構成されている。該ガス流量制御装置12は酸素ガス供給管8を介してオゾン発生器5に接続している。前記酸素ガス供給管8の中途部には切換バルブ8aが設けられており、該切換バルブ8aの上流側の酸素ガス供給管8から分岐管20が分岐している。該分岐管20は切換バルブ20aを介して不活性ガス注入室となるインピンジャー10の導入管10aに接続されている。また、不活性ガスである窒素を充填した窒素ガスボンベ30はガス流量制御装置22に接続しており、不活性ガス注入装置6として構成されている。該ガス流量制御装置22は不活性ガス注入管13を介して、切換バルブ20aとインピンジャー10との間の分岐管20の中途部に連通している。前記不活性ガス注入管13の中途部には切換バルブ13aが設けられている。また、前記切換バルブ8aの下流側の酸素ガス供給管8から分岐管21が分岐している。該分岐管21は切換バルブ21aを介してインピンジャー10の排出管10bに接続されている。また、前記切換バルブ21aとインピンジャー10との間の分岐管21の中途部に掃気管23が連通されており、該掃気管23の中途部には切換バルブ23aが設けられている。前記オゾン発生器5は、オゾンガス排出管9を介してオゾン濃度計14および排オゾン処理装置16に接続している。また、オゾン発生器5には、高電圧に印加するための高電圧電源17が接続されている。
なお、本実施形態で用いた前記窒素ガスボンベの替わりに、不活性ガスであるアルゴンを充填したアルゴンガスボンベを使用してもかまわない。
オゾン発生器5の構成について、図4を用いて説明する。
オゾン発生器5は、セラミックス誘電体41・41に挟まれたニッケル製エキスパンドメタルにより構成される電極31において放電を行い、前記酸素ガス供給管8と接続している酸素ガス供給口43より供給された酸素より、オゾンを生成して、オゾン化ガス排出口44に接続されている前記オゾンガス排出管9を介してオゾンを排出する。オゾン発生器5には冷却ジャケット42a・42bが装着されており、オゾン発生器5の温度調節可能となっている。
なお、本実施形態のオゾン発生器5の電極31は、該電極31の表面で無声放電と沿面放電の複合放電を生じさせるような構成としているが、特にこれに限定するものではなく、例えば沿面放電または無声放電を生じるように構成される素子を用いてもかまわない。
また、前記電極31はニッケル製であるが、特に限定するものではなく、銅製等の別の電極用金属であってもかまわない。
オゾン発生器5は、セラミックス誘電体41・41に挟まれたニッケル製エキスパンドメタルにより構成される電極31において放電を行い、前記酸素ガス供給管8と接続している酸素ガス供給口43より供給された酸素より、オゾンを生成して、オゾン化ガス排出口44に接続されている前記オゾンガス排出管9を介してオゾンを排出する。オゾン発生器5には冷却ジャケット42a・42bが装着されており、オゾン発生器5の温度調節可能となっている。
なお、本実施形態のオゾン発生器5の電極31は、該電極31の表面で無声放電と沿面放電の複合放電を生じさせるような構成としているが、特にこれに限定するものではなく、例えば沿面放電または無声放電を生じるように構成される素子を用いてもかまわない。
また、前記電極31はニッケル製であるが、特に限定するものではなく、銅製等の別の電極用金属であってもかまわない。
前記冷却ジャケット42a・42bの内部には、冷却装置19から送られてきた冷却水を流すための冷却水通路が蛇行状に形成されており、それぞれの冷却ジャケット42a・42bの上部には、冷却水通路へ冷却水を導入する冷却水導入管32と冷却水を排出する冷却水排出管33がそれぞれ接続されている。
これら冷却装置19と二つの冷却ジャケット42a・42bとの間には、冷却水の循環経路が形成されている。すなわち、冷却装置19から送られてきた冷却水は、冷却ジャケット42aの冷却水導入管32から冷却水通路内に流入したのち、冷却ジャケット42aと冷却ジャケット42bとを接続するチューブ34を介して、冷却ジャケット42a内の冷却水通路内から冷却ジャケット42bの冷却水通路に送られる。そして、冷却水は冷却ジャケット42bの冷却水通路を流れて冷却ジャケット42bの冷却水排出管33から冷却装置19に回収される。
これら冷却装置19と二つの冷却ジャケット42a・42bとの間には、冷却水の循環経路が形成されている。すなわち、冷却装置19から送られてきた冷却水は、冷却ジャケット42aの冷却水導入管32から冷却水通路内に流入したのち、冷却ジャケット42aと冷却ジャケット42bとを接続するチューブ34を介して、冷却ジャケット42a内の冷却水通路内から冷却ジャケット42bの冷却水通路に送られる。そして、冷却水は冷却ジャケット42bの冷却水通路を流れて冷却ジャケット42bの冷却水排出管33から冷却装置19に回収される。
インピンジャー10は、筒状のガラス瓶で形成されているものであり、上端の開口部はゴム製のキャップで閉じられている。
また、インピンジャー10は、不活性ガス添加の前段階で供給されていた残存酸素もしくは空気を、後述する切換バルブの操作及び不活性ガスの供給によって掃気管23から外部へと掃気することで不活性ガスのみを貯めておくことが可能である。
また、インピンジャー10は、不活性ガス添加の前段階で供給されていた残存酸素もしくは空気を、後述する切換バルブの操作及び不活性ガスの供給によって掃気管23から外部へと掃気することで不活性ガスのみを貯めておくことが可能である。
また、窒素ガスボンベ30と、ガス流量制御装置22と、前記インピンジャー10と、分岐管20・21と、不活性ガス注入管13と、掃気管23と、切換バルブ20a・21a・13a・23aと、切換バルブ8aとから間欠式に不活性ガスである窒素を注入することが可能である不活性ガス注入手段Pを構成している。
なお、図3に示した実験装置においては、装置内にインピンジャー10を配置した構成となっているが、特に限定するものではなく、インピンジャー10を介さない構成としてもかまわない。すなわち、酸素ガスと不活性ガスとを切換えるガス切換方法であれば、どのような方法を用いてもかまわない。ガス切換方法としては、例えば、電磁弁(インジェクタ)を使用して供給ガスを切換える方法や三方バルブ等により酸素ガスもしくは不活性ガスのどちらか一方のガスのみを供給できるようにする方法等が上げられる。
なお、図3に示した実験装置においては、装置内にインピンジャー10を配置した構成となっているが、特に限定するものではなく、インピンジャー10を介さない構成としてもかまわない。すなわち、酸素ガスと不活性ガスとを切換えるガス切換方法であれば、どのような方法を用いてもかまわない。ガス切換方法としては、例えば、電磁弁(インジェクタ)を使用して供給ガスを切換える方法や三方バルブ等により酸素ガスもしくは不活性ガスのどちらか一方のガスのみを供給できるようにする方法等が上げられる。
このような構成において、酸素ガスボンベ11より高純度の酸素ガス(純度99.5%)を、ガス流量制御装置12を介して、酸素ガス供給管8に流し、オゾン発生器5に酸素を供給する場合は、切換バルブ8aを開けておき、切換バルブ20a・21aを閉じて酸素をオゾン発生器5内へと導入する。そして、該オゾン発生器5内に導入された酸素ガスが、前記電極31近傍上で、放電されてオゾンガスが生成する。該オゾンガスは、オゾンガス排出管9から排出されてオゾン濃度計14に導入されて、オゾン濃度の測定を行うものである。また、オゾン発生器5内への酸素の供給を停止して、不活性ガス注入手段Pによりオゾン発生器5内に窒素を注入する場合は、注入前準備として切換バルブ20a・21aを閉めた状態で、掃気管23に設けられた切換バルブ23a及び切換バルブ13aを開けて、窒素ガスをインピンジャー10内に供給し、インピンジャー10内に残存する酸素もしくは空気を掃気する。掃気終了後、切換バルブ23aを閉めておく。このとき、インピンジャー10内は窒素ガスで満たされた状態となる。そうして窒素注入時になったときに、切換バルブ8aを閉めて酸素供給を停止し、切換バルブ21a及び切換バルブ13aを開けて、インピンジャー10を介して窒素ガスのみをオゾン発生器5内へと導く。このようにして、オゾン発生器5内への酸素ガスと窒素ガスのそれぞれの供給を間欠的に行えるようにしている。つまり、本実施例ではオゾン発生器5の前段に不活性ガスである窒素を注入するための窒素注入手段を設けた構成となっている。こうして切換バルブの開閉を行うことで、酸素をオゾン発生器5に供給しない場合においても上記同様にオゾン濃度計により、オゾン濃度の測定が行えるようにしている。
また、上述したように前記切換バルブ20a・21a・13a・23a及び8aの開閉を適宜行うことで、オゾン発生器5内に不活性ガス注入量と不活性ガス注入間隔を調整して不活性ガスである窒素を間欠式に注入することを可能としている。具体的には、電極31表面に窒素ガスのみの注入を行う不活性ガス注入時間と、窒素ガスの注入停止後に酸素を供給する酸素供給時間(インターバル)と、を適宜設定し、前記不活性ガス注入時間と前記酸素供給時間とを交互に繰り返して、電極31表面に酸素または窒素を間欠式に供給を行うとともに、前記酸素ガスに放電を行うことが可能である構成となっている。
なお、前述した不活性ガス注入手段Pの各切換バルブ20a・21a・13a・23a及び8aを電気的に開閉可能である電磁バルブ等で構成し、各バルブと酸素ガスボンベ11と窒素ガスボンベ30の各々のガス流量を制御するガス流量制御装置12・22とをコントローラ(図示せず)に接続して、コントローラに予め前記不活性ガス注入時間と前記酸素供給時間を設定しておき、設定時間通りに不活性ガスもしくは酸素ガスを供給するために自動的に切換バルブの開閉を行うようにし、且つ、ガス流量制御装置12・22を制御して、電極31上に自動的に酸素と窒素を交互に供給できるように構成してもかまわない。
なお、前述した不活性ガス注入手段Pの各切換バルブ20a・21a・13a・23a及び8aを電気的に開閉可能である電磁バルブ等で構成し、各バルブと酸素ガスボンベ11と窒素ガスボンベ30の各々のガス流量を制御するガス流量制御装置12・22とをコントローラ(図示せず)に接続して、コントローラに予め前記不活性ガス注入時間と前記酸素供給時間を設定しておき、設定時間通りに不活性ガスもしくは酸素ガスを供給するために自動的に切換バルブの開閉を行うようにし、且つ、ガス流量制御装置12・22を制御して、電極31上に自動的に酸素と窒素を交互に供給できるように構成してもかまわない。
次に、図3に示した本実施形態の実験装置でオゾン発生を行う場合において、不活性ガスの注入の条件として、前記不活性ガス注入時間と前記酸素供給時間を所定時間に設定して、前記不活性ガス注入時間と前記酸素供給時間に基づいて不活性ガス注入と酸素供給(不活性ガスの注入停止)を交互に繰り返して行い、その際のオゾン濃度変化を測定した。不活性ガス注入時間と酸素供給時間(不活性ガス注入停止時間)の設定条件としては、2条件(1.不活性ガス注入時間:60秒/酸素供給時間:59分、2.不活性ガス注入時間:10秒/酸素供給時間:9分50秒)であり、各条件におけるオゾン濃度変化を測定した。
<実施例1>
図5は実施例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図である。まずは、酸素のみを供給しつつ、しばらくの間(本実施例では約5時間)、オゾン発生器5により放電を行って、オゾンを発生させる。こうして、オゾン濃度がある程度低下し、冷却水温が略一定になるまで待つ。そして、酸素の供給を停止して、オゾン発生器5の前段(上流側)で不活性ガスの一例である窒素ガスを所定時間(窒素ガス注入時間、本実施例では60秒間)、オゾン発生器5内に導入して電極31表面に窒素の吸着を行った。その後窒素ガスのオゾン発生器5への供給を停止し、1時間程度、酸素の供給を行った(窒素注入インターバル、本実施例では1時間)。このように不活性ガスである窒素注入時間60秒、酸素供給時間59分(1時間のインターバル)という設定条件において、不活性ガス注入と、不活性ガス注入後の酸素供給を2回繰り返してオゾンの濃度変化を観察した。
図5において、横軸は時間(時)であり、縦軸はオゾン濃度(g/Nm3)を示すものである。
また、図7は実施例1の30℃換算のオゾンの濃度変化を示す図である。具体的には、オゾン濃度に関して冷却水温度(電極温度)を変化させて計測するとその結果は図6に示すようになる。図6の結果に基づきファント・フォッフ(van’t Hoff)式を用いて、図5で示す冷却水温を30℃一定となるように換算して、図7に示すように縦軸を30℃換算のオゾン濃度(g/Nm3)とし、横軸を時間(分)として再プロットしたものである。
図5は実施例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図である。まずは、酸素のみを供給しつつ、しばらくの間(本実施例では約5時間)、オゾン発生器5により放電を行って、オゾンを発生させる。こうして、オゾン濃度がある程度低下し、冷却水温が略一定になるまで待つ。そして、酸素の供給を停止して、オゾン発生器5の前段(上流側)で不活性ガスの一例である窒素ガスを所定時間(窒素ガス注入時間、本実施例では60秒間)、オゾン発生器5内に導入して電極31表面に窒素の吸着を行った。その後窒素ガスのオゾン発生器5への供給を停止し、1時間程度、酸素の供給を行った(窒素注入インターバル、本実施例では1時間)。このように不活性ガスである窒素注入時間60秒、酸素供給時間59分(1時間のインターバル)という設定条件において、不活性ガス注入と、不活性ガス注入後の酸素供給を2回繰り返してオゾンの濃度変化を観察した。
図5において、横軸は時間(時)であり、縦軸はオゾン濃度(g/Nm3)を示すものである。
また、図7は実施例1の30℃換算のオゾンの濃度変化を示す図である。具体的には、オゾン濃度に関して冷却水温度(電極温度)を変化させて計測するとその結果は図6に示すようになる。図6の結果に基づきファント・フォッフ(van’t Hoff)式を用いて、図5で示す冷却水温を30℃一定となるように換算して、図7に示すように縦軸を30℃換算のオゾン濃度(g/Nm3)とし、横軸を時間(分)として再プロットしたものである。
結果としては、酸素ガスのみを供給していた時から、酸素ガスの供給を停止して、窒素ガスを注入した時のオゾン濃度の変化を観察すると、オゾン濃度が上昇していた。
詳しくは、酸素の供給を停止してオゾン発生器5内に窒素を注入した時期は、図5に示す注入時期A・Bである。注入時期A・Bの注入後一定期間においては、注入前のオゾン濃度よりも注入後のオゾン濃度が明らかに高くなっており、注入された窒素が電極31表面に吸着し、多くのオゾンが発生したものと考えられる。この結果から一定のインターバル、本比較例では窒素注入時間60秒、酸素供給時間59分という設定条件で窒素をオゾン発生器5に注入することにより、容易にオゾン濃度を高められオゾン生成効率が向上することがわかった。
ただし、本実施例においては、窒素注入時間及び酸素供給時間(インターバル)を適正化することが十分でないために、60秒間窒素注入時期A・B近傍のオゾン濃度のピークが明確に2つに分離している。つまり、不連続なオゾン濃度でオゾンが供給されていることを示している。このときのオゾン濃度減少(図8参照)の時定数(1/eまで減るまでの時間の長さ)を算出したところ、時定数は18.86分であった。
詳しくは、酸素の供給を停止してオゾン発生器5内に窒素を注入した時期は、図5に示す注入時期A・Bである。注入時期A・Bの注入後一定期間においては、注入前のオゾン濃度よりも注入後のオゾン濃度が明らかに高くなっており、注入された窒素が電極31表面に吸着し、多くのオゾンが発生したものと考えられる。この結果から一定のインターバル、本比較例では窒素注入時間60秒、酸素供給時間59分という設定条件で窒素をオゾン発生器5に注入することにより、容易にオゾン濃度を高められオゾン生成効率が向上することがわかった。
ただし、本実施例においては、窒素注入時間及び酸素供給時間(インターバル)を適正化することが十分でないために、60秒間窒素注入時期A・B近傍のオゾン濃度のピークが明確に2つに分離している。つまり、不連続なオゾン濃度でオゾンが供給されていることを示している。このときのオゾン濃度減少(図8参照)の時定数(1/eまで減るまでの時間の長さ)を算出したところ、時定数は18.86分であった。
<実施例2>
図9は実施例2の実験によるオゾン濃度変化を示す図である。まずは、酸素のみを供給しつつ、しばらくの間(本実施例では約5時間)、オゾン発生器5により放電を行って、オゾンを発生させる。こうして、オゾン濃度がある程度低下し、冷却水温が略一定になるまで待つ。そして、酸素の供給を停止して、オゾン発生器5の前段(上流側)で不活性ガスの一例である窒素ガスを所定時間(窒素ガス注入時間、本実施例では10秒間)、オゾン発生器5内に導入して電極31表面に窒素の吸着を行った。その後窒素ガスのオゾン発生器5への供給を停止し、10分間程度、酸素の供給を行った(窒素注入インターバル、本実施例では10分間)。このように不活性ガスである窒素注入時間10秒、酸素供給時間9分50秒という設定条件において、不活性ガス注入と、不活性ガス注入後の酸素供給を7回繰り返してオゾンの濃度変化を観察した。
図9において、横軸は時間(時)であり、縦軸はオゾン濃度(g/Nm3)を示すものである。
また、図11は、実施例2の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図である。具体的には、オゾン濃度に関して冷却水温度(電極温度)を変化させて計測するとその結果は図10に示すようになる。図10の結果に基づきファント・フォッフ(van’t Hoff)式を用いて、図9で示す冷却水温を30℃一定となるように換算して、図11に示すように縦軸を30℃換算のオゾン濃度(g/Nm3)とし、横軸を時間(分)として再プロットしたものである。
図9は実施例2の実験によるオゾン濃度変化を示す図である。まずは、酸素のみを供給しつつ、しばらくの間(本実施例では約5時間)、オゾン発生器5により放電を行って、オゾンを発生させる。こうして、オゾン濃度がある程度低下し、冷却水温が略一定になるまで待つ。そして、酸素の供給を停止して、オゾン発生器5の前段(上流側)で不活性ガスの一例である窒素ガスを所定時間(窒素ガス注入時間、本実施例では10秒間)、オゾン発生器5内に導入して電極31表面に窒素の吸着を行った。その後窒素ガスのオゾン発生器5への供給を停止し、10分間程度、酸素の供給を行った(窒素注入インターバル、本実施例では10分間)。このように不活性ガスである窒素注入時間10秒、酸素供給時間9分50秒という設定条件において、不活性ガス注入と、不活性ガス注入後の酸素供給を7回繰り返してオゾンの濃度変化を観察した。
図9において、横軸は時間(時)であり、縦軸はオゾン濃度(g/Nm3)を示すものである。
また、図11は、実施例2の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図である。具体的には、オゾン濃度に関して冷却水温度(電極温度)を変化させて計測するとその結果は図10に示すようになる。図10の結果に基づきファント・フォッフ(van’t Hoff)式を用いて、図9で示す冷却水温を30℃一定となるように換算して、図11に示すように縦軸を30℃換算のオゾン濃度(g/Nm3)とし、横軸を時間(分)として再プロットしたものである。
結果としては、酸素ガスのみを供給していた時から、酸素ガスの供給を停止して、窒素ガスを注入した時のオゾン濃度の変化を観察すると、オゾン濃度が上昇していた。
詳しくは、酸素の供給を停止してオゾン発生器5内に窒素を注入した時期は、図9に示す注入時期A’・B’・C’・D’・E’・F’・G’である。注入時期A’・B’・C’・D’・E’・F’・G’の注入後一定期間においては、注入前のオゾン濃度よりも注入後のオゾン濃度が明らかに高くなっており、注入された窒素が電極31表面に吸着し、多くのオゾンが発生したものと考えられる。この結果から一定のインターバル、本実施例では窒素注入時間10秒、酸素供給時間9分50秒で交互に繰り返すという設定条件で窒素をオゾン発生器5に注入することにより、容易にオゾン濃度を高められオゾン生成効率が向上することがわかった。
さらに、本実施例においては、窒素注入時間及び酸素供給時間(インターバル)の適正化が図られために、オゾン濃度のピークが連なって凸状になっている。つまり、濃度変動が少ない状態でオゾンが供給されていることを示している。このときのオゾン濃度減少(図12)の時定数(1/eまで減るまでの時間の長さ)を算出したところ、時定数は16.6分であった。
このように、窒素注入時間及び酸素供給時間の設定を本実施例のように適切に行ったことにより、実施例1と比べ窒素注入インターバルが短くなって、オゾン濃度の変動が少なくなり、一定のオゾン濃度を維持して供給ができる。
詳しくは、酸素の供給を停止してオゾン発生器5内に窒素を注入した時期は、図9に示す注入時期A’・B’・C’・D’・E’・F’・G’である。注入時期A’・B’・C’・D’・E’・F’・G’の注入後一定期間においては、注入前のオゾン濃度よりも注入後のオゾン濃度が明らかに高くなっており、注入された窒素が電極31表面に吸着し、多くのオゾンが発生したものと考えられる。この結果から一定のインターバル、本実施例では窒素注入時間10秒、酸素供給時間9分50秒で交互に繰り返すという設定条件で窒素をオゾン発生器5に注入することにより、容易にオゾン濃度を高められオゾン生成効率が向上することがわかった。
さらに、本実施例においては、窒素注入時間及び酸素供給時間(インターバル)の適正化が図られために、オゾン濃度のピークが連なって凸状になっている。つまり、濃度変動が少ない状態でオゾンが供給されていることを示している。このときのオゾン濃度減少(図12)の時定数(1/eまで減るまでの時間の長さ)を算出したところ、時定数は16.6分であった。
このように、窒素注入時間及び酸素供給時間の設定を本実施例のように適切に行ったことにより、実施例1と比べ窒素注入インターバルが短くなって、オゾン濃度の変動が少なくなり、一定のオゾン濃度を維持して供給ができる。
実施例1と実施例2の各々の結果により、実施例2の窒素注入時間及び酸素供給時間の設定においては、オゾン濃度の変動を少なく保ちながら継続してオゾンを供給可能としているのに対して、実施例1の窒素注入時間及び酸素供給時間の設定では、高濃度のオゾンを少ないオゾン濃度変動で供給することは困難である。また、実施例2よりも窒素注入時間及び酸素供給時間(インターバル)をさらに短くしていくとオゾン濃度が減少する前に、窒素が注入されて再びオゾン濃度が上昇し、これを繰り返すことにより、変動のより少ないオゾン濃度でオゾンを供給することができる。
また、オゾン濃度減少の時定数に応じて、すなわち、本実施例においては、時定数16.66分以下となるように窒素注入時間及び酸素供給時間を設定することで、高いオゾン濃度を維持しつつ、オゾン濃度変動を少なくするような不活性ガスの注入を可能としたのである。
また、オゾン濃度減少の時定数に応じて、すなわち、本実施例においては、時定数16.66分以下となるように窒素注入時間及び酸素供給時間を設定することで、高いオゾン濃度を維持しつつ、オゾン濃度変動を少なくするような不活性ガスの注入を可能としたのである。
つまり、酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生方法において、電極31表面に不活性ガスである窒素のみの注入を行う不活性ガス注入時間と、不活性ガスの注入停止後に酸素を供給する酸素供給時間とを交互に繰り返して、電極31表面に窒素ガスを間欠式に供給するとともに、前記酸素に放電を行うことにより、オゾン濃度の変動を少なくしオゾン濃度を高めることができ、オゾン生成効率が向上する。
また、酸素供給手段により電極31に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電を行うオゾン発生装置において、前記電極31よりも酸素供給経路の上流側に、不活性ガスである窒素を注入する不活性ガス注入手段Pを備え、該不活性ガス注入手段Pと前記酸素供給手段から窒素ガスまたは酸素のどちらか一方のみを予め設定された不活性ガス注入時間と酸素供給時間に基づいて間欠式に供給することにより、オゾン濃度の変動を少なくしオゾン濃度を高めることができ、オゾン生成効率が向上する。
また、前記不活性ガス注入時間と前記酸素供給時間をオゾン濃度減少の時定数に応じて設定することにより、さらに効率的に、且つ、オゾン濃度の変動が少ない状態でオゾンを発生させることができる。
5 オゾン発生器
6 不活性ガス注入装置
8 酸素ガス供給管
11 酸素ガスボンベ
12・22 ガス流量制御装置
30 窒素ガスボンベ
31 電極
P 不活性ガス注入手段
6 不活性ガス注入装置
8 酸素ガス供給管
11 酸素ガスボンベ
12・22 ガス流量制御装置
30 窒素ガスボンベ
31 電極
P 不活性ガス注入手段
Claims (4)
- 酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生方法において、
電極表面に不活性ガスのみの注入を行う不活性ガス注入時間と、不活性ガスの注入停止後に酸素を供給する酸素供給時間とを交互に繰り返して、電極表面に不活性ガスを間欠式に供給するとともに、前記酸素に放電を行うことを特徴とするオゾン発生方法。 - 前記不活性ガス注入時間と前記酸素供給時間をオゾン濃度減少の時定数に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生方法。
- 酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電を行うオゾン発生装置において、
前記電極よりも酸素供給経路の上流側に、不活性ガスを注入する不活性ガス注入手段を備え、該不活性ガス注入手段と前記酸素供給手段から不活性ガスまたは酸素のどちらか一方のみを予め設定された不活性ガス注入時間と酸素供給時間に基づいて間欠式に供給することを特徴とするオゾン発生装置。 - 前記不活性ガス注入時間と前記酸素供給時間をオゾン濃度減少の時定数に応じて設定することを特徴とする請求項3に記載のオゾン発生装置。
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JP2007271678A JP2009096692A (ja) | 2007-10-18 | 2007-10-18 | 間欠式不活性ガス注入によるオゾン発生方法および装置 |
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2007
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