JP2009096691A - 間欠式水分添加によるオゾン発生方法および装置 - Google Patents
間欠式水分添加によるオゾン発生方法および装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電によるオゾン発生装置およびオゾン発生方法に関して、オゾン発生効率のより一層の向上を図る。
【解決手段】酸素供給手段により電極31に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生方法において、供給ガスに水または水蒸気の添加を行う水分添加時間と、水または水蒸気の添加を停止する水分添加停止時間と、を交互に繰り返して、供給ガスに水または水蒸気を間欠式に供給を行うとともに、前記供給ガスに放電を行う。
【選択図】図3
【解決手段】酸素供給手段により電極31に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生方法において、供給ガスに水または水蒸気の添加を行う水分添加時間と、水または水蒸気の添加を停止する水分添加停止時間と、を交互に繰り返して、供給ガスに水または水蒸気を間欠式に供給を行うとともに、前記供給ガスに放電を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、効率的にオゾンを発生させる技術に関する。
上水道のオゾン処理は広く行われるようになり、下水処理水においても高度処理の要望がたかまっている。オゾン処理において、オゾンはエネルギー多消費型の原材料物質であり、1kgのオゾンを製造するために13kWhもの電力を要している。このような製造コストの高さがオゾン処理の普及を阻害している。
オゾン発生器の原理としては、空気または酸素ガス中での電気放電および紫外線ランプを用いたものが大部分を占め、大規模・低コスト化が図れるのは電気放電を用いた方式である。電気放電式では放電の制御方法が各種考案され数々のオゾン発生器が製造されてきた。電極形状によりオゾン生成率を向上させる技術も知られている。例えば、高電圧電極を接地電極の反りや曲がりに順応させてオゾン発生効率を向上させるものが知られている(特許文献1を参照)。
オゾン発生器の原理としては、空気または酸素ガス中での電気放電および紫外線ランプを用いたものが大部分を占め、大規模・低コスト化が図れるのは電気放電を用いた方式である。電気放電式では放電の制御方法が各種考案され数々のオゾン発生器が製造されてきた。電極形状によりオゾン生成率を向上させる技術も知られている。例えば、高電圧電極を接地電極の反りや曲がりに順応させてオゾン発生効率を向上させるものが知られている(特許文献1を参照)。
また、供給された酸素ガスを解離させ酸素原子を生成する酸素原子発生部6と、この酸素原子発生部より送給される酸素原子を含む第1のガスと、反応ガス入口1より供給される酸素を含む第2のガスとを酸素原子発生部6より高い圧力下で混合して反応させてオゾンを生成するオゾン発生部(スロート3およびディフューザ4)と、酸素原子発生部6の圧力を大気圧以下の所定の低圧力にすると共に、第1のガスを低圧状態のままオゾン発生部に送給する減圧送給手段とを備えた装置を用いてオゾンを発生させる方法も知られている(特許文献2を参照)。
これは、低圧下において酸素分子を解離させて酸素原子を生成した後に、この酸素原子を含むガスに空気を供給してオゾンを発生するものである。
特開2003−146622号公報
特開平9−86904号公報
これは、低圧下において酸素分子を解離させて酸素原子を生成した後に、この酸素原子を含むガスに空気を供給してオゾンを発生するものである。
しかし、オゾン発生の技術において、放電部分のメカニズムとオゾン発生のメカニズムについては、十分に考慮されていない。また、近年酸素原料によるオゾン発生法等が導入されているが高効率化のために必要なメカニズム解析がなされておらず、つまり、オゾン発生に必要な要素である分子・原子についての特定がなされておらず、原料ガス中で電気放電させるだけであった。特にオゾンが放電空間中または電極表面において窒素・アルゴン・二酸化炭素等の不活性ガスを触媒として生成されると考えられてはいるが、オゾン生成効率を向上させる要素についての特定が十分に出来ていない。このため、電極表面でオゾンが生成される場合のオゾン生成効率を向上させる要素をさらに特定していく必要がある。
また、オゾン生成効率を向上させる要素を特定した場合においても、さらにオゾン発生効率を向上させるために好適なオゾン発生条件を見出す必要がある。
そこで本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電によるオゾン発生装置およびオゾン発生方法に関して、オゾン発生効率のより一層の向上を図ることを目的とする。
また、オゾン生成効率を向上させる要素を特定した場合においても、さらにオゾン発生効率を向上させるために好適なオゾン発生条件を見出す必要がある。
そこで本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電によるオゾン発生装置およびオゾン発生方法に関して、オゾン発生効率のより一層の向上を図ることを目的とする。
本発明者等は、上記課題について鋭意研究を行った結果、酸素雰囲気中で水分吸着層を持たないニッケル電極を用い、水分(H2O)のオゾン生成に果たす役割を確認したところ、電極表面に吸着した水分(H2O)がオゾン生成率を向上させることが判明した。これによりオゾン生成に水分(もしくは水蒸気)が大きく関与していることがわかり、電極よりも前段(上流側)において、水分を添加することによりオゾン生成に寄与させることができ、これにてオゾン生成効率の格段の向上を図ることができることを見出した。これに加えて水分添加量と水分添加間隔をさらに調整して検討を行った結果、さらに効率的に、且つ、オゾン濃度の変化が少なくオゾンを発生させることができることを見出して、本発明を完成するに至った。
図1は酸素ガスへの放電により発生する物質のエネルギー状態を示す図である。
電気放電による酸素気体中の放電生成物としては、図1に示すように、O2 +、O2(E、F)、O(1D)、O、O2(b1Σg+)、O−、O2(a1Δg)、O2 −が揚げられる。この内、オゾンの生成エネルギーに近い生成エネルギーを有するO(1D)、O、O2(b)、O2(a)等の粒子が主にオゾンの生成に関与すると考えられている。
例えば、O2(b)の酸素分子よりの生成エネルギーを1.63、O2(a)の酸素分子よりの生成エネルギーを0.93、Oの酸素分子よりの生成エネルギーを、3.0とすると、O2(b)とOもしくは、O2(a)とOによりオゾンが生成されると、そのエネルギーは4.63、3.93となり、オゾンの生成に必要なエネルギー2.6を上回り、円滑なオゾン生成が阻害されてしまう。
ここで、前述した水分の添加は、酸素分子と酸素原子のエネルギーとオゾン分子のエネルギー差を調整する物質、またはエネルギー差を調整する物質への補助促進剤として作用すると考えられ、放電室前段において酸素に水または水蒸気を供給し、該酸素ガスへの放電を行うことでオゾンを効率的に生成するものである。
電気放電による酸素気体中の放電生成物としては、図1に示すように、O2 +、O2(E、F)、O(1D)、O、O2(b1Σg+)、O−、O2(a1Δg)、O2 −が揚げられる。この内、オゾンの生成エネルギーに近い生成エネルギーを有するO(1D)、O、O2(b)、O2(a)等の粒子が主にオゾンの生成に関与すると考えられている。
例えば、O2(b)の酸素分子よりの生成エネルギーを1.63、O2(a)の酸素分子よりの生成エネルギーを0.93、Oの酸素分子よりの生成エネルギーを、3.0とすると、O2(b)とOもしくは、O2(a)とOによりオゾンが生成されると、そのエネルギーは4.63、3.93となり、オゾンの生成に必要なエネルギー2.6を上回り、円滑なオゾン生成が阻害されてしまう。
ここで、前述した水分の添加は、酸素分子と酸素原子のエネルギーとオゾン分子のエネルギー差を調整する物質、またはエネルギー差を調整する物質への補助促進剤として作用すると考えられ、放電室前段において酸素に水または水蒸気を供給し、該酸素ガスへの放電を行うことでオゾンを効率的に生成するものである。
図2は水分供給手段を備えたオゾン発生装置を示す図である。
図2に示すオゾン発生装置は、オゾン発生器5、チャンバー10、水分供給手段6、酸素ガス供給管8、およびオゾンガス排出管9により構成されている。酸素ガス供給管8には、酸素ガスボンベ等より酸素ガスが供給され、オゾン発生器5には放電用の高電圧電源が接続される。なお、オゾン発生装置には、バルブ、ガス流量制御装置、オゾン濃度計などを必要に応じて接続可能である。
酸素ガス供給管8はチャンバー10を介してオゾン発生器5に接続しており、オゾン発生器5内に酸素ガスを供給可能としている。すなわち、酸素ガス供給管8は、チャンバー10内に酸素ガスを供給し、該チャンバー10内より酸素ガスがオゾン発生器5内に導入される。該オゾン発生器5の下流側には、オゾンガス排出管9が接続されている。また、オゾン発生器5内には、図示せぬ沿面放電素子もしくは無声放電素子、または沿面放電と無声放電の複合放電素子が配置されており、この放電素子には高電圧に印加するための高電圧電源が接続されている。
また、水分供給手段6は、水分導入部6aと、該水分導入部6aに接続した水分供給源6bとで構成されており、水分導入部6aはチャンバー10に配設され、チャンバー10内に水または水蒸気を導入可能に構成されている。このような装置により水または水蒸気等の水分を酸素ガスに添加することにより、オゾンの発生効率を向上できる。
図2に示すオゾン発生装置は、オゾン発生器5、チャンバー10、水分供給手段6、酸素ガス供給管8、およびオゾンガス排出管9により構成されている。酸素ガス供給管8には、酸素ガスボンベ等より酸素ガスが供給され、オゾン発生器5には放電用の高電圧電源が接続される。なお、オゾン発生装置には、バルブ、ガス流量制御装置、オゾン濃度計などを必要に応じて接続可能である。
酸素ガス供給管8はチャンバー10を介してオゾン発生器5に接続しており、オゾン発生器5内に酸素ガスを供給可能としている。すなわち、酸素ガス供給管8は、チャンバー10内に酸素ガスを供給し、該チャンバー10内より酸素ガスがオゾン発生器5内に導入される。該オゾン発生器5の下流側には、オゾンガス排出管9が接続されている。また、オゾン発生器5内には、図示せぬ沿面放電素子もしくは無声放電素子、または沿面放電と無声放電の複合放電素子が配置されており、この放電素子には高電圧に印加するための高電圧電源が接続されている。
また、水分供給手段6は、水分導入部6aと、該水分導入部6aに接続した水分供給源6bとで構成されており、水分導入部6aはチャンバー10に配設され、チャンバー10内に水または水蒸気を導入可能に構成されている。このような装置により水または水蒸気等の水分を酸素ガスに添加することにより、オゾンの発生効率を向上できる。
上記オゾン発生装置の構成においては、オゾン発生器5の前段となる上流側に酸素に水分の添加を行うチャンバー10を設けたことにより、該チャンバー10内において酸素ガス供給管8を介して供給される純酸素もしくは高濃度酸素に水分供給手段6により一定のインターバルで水分を添加し、該水分を含む酸素ガスをオゾン発生器5へと導入し、放電によりオゾン発生を行う構成としている。こうすることで、オゾン発生効率の向上が図られ、オゾン濃度をさらに向上することが可能となる。
即ち、請求項1においては、酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生方法において、
供給ガスに水または水蒸気の添加を行う水分添加時間と、水または水蒸気の添加を停止する水分添加停止時間と、を交互に繰り返して、供給ガスに水または水蒸気を間欠式に供給するとともに、前記供給ガスに放電を行うものである。
供給ガスに水または水蒸気の添加を行う水分添加時間と、水または水蒸気の添加を停止する水分添加停止時間と、を交互に繰り返して、供給ガスに水または水蒸気を間欠式に供給するとともに、前記供給ガスに放電を行うものである。
請求項2においては、前記水分添加時間と前記水分添加停止時間をオゾン濃度減少の時定数に応じて設定するものである。
請求項3においては、酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電を行うオゾン発生装置において、
前記電極よりも酸素供給経路の上流側に、水または水蒸気を供給する水分供給手段を備え、該水分供給手段から水または水分を予め設定された水分添加時間と水分添加停止時間に基づいて間欠式に供給する間欠式水分添加機構を備えるものである。
前記電極よりも酸素供給経路の上流側に、水または水蒸気を供給する水分供給手段を備え、該水分供給手段から水または水分を予め設定された水分添加時間と水分添加停止時間に基づいて間欠式に供給する間欠式水分添加機構を備えるものである。
請求項4においては、前記水分添加時間と前記水分添加停止時間をオゾン濃度減少の時定数に応じて設定するものである。
このように、一定のインターバルで水分を供給ガス中に添加しつつ、オゾンの発生を行うことにより、オゾン濃度の変動を少なくしオゾン濃度を高めることができ、オゾン生成効率が向上する。さらには、オゾン濃度を容易に調節することも可能となるものである。水分を添加するだけであるため過剰なエネルギーを必要とせず、オゾン発生のエネルギー効率を向上できる。そして、生成されるオゾンにおいて、酸化力など、その化学的性質が維持される。
また、酸素原料によるオゾンの発生において、すでに導入されている既存のオゾン発生器の前段(電極部の上流側)に水分を添加できる水分供給手段を設置して、間欠式に水分を供給ガス中に添加することでオゾン発生効率を向上させてオゾン濃度を高められる。
また、前記水分供給手段を追加設置して間欠式に水分添加間隔を調節するだけなので、複雑な操作を必要とせず、装置改良に費用がかからず、非常に経済的である。
また、酸素原料によるオゾンの発生において、すでに導入されている既存のオゾン発生器の前段(電極部の上流側)に水分を添加できる水分供給手段を設置して、間欠式に水分を供給ガス中に添加することでオゾン発生効率を向上させてオゾン濃度を高められる。
また、前記水分供給手段を追加設置して間欠式に水分添加間隔を調節するだけなので、複雑な操作を必要とせず、装置改良に費用がかからず、非常に経済的である。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図3は実験装置の全体構成を示す図、図4はオゾン発生器の側面一部断面図、図5は比較例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図、図6は比較例1の冷却水温度の変化に伴うオゾン濃度変化を示す図、図7は比較例1の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図、図8は比較例1のオゾン濃度減少の時定数の算出に用いた図、図9は実施例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図、図10は実施例1の冷却水温度の変化に伴うオゾン濃度変化を示す図、図11は実施例1の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図、図12は実施例1のオゾン濃度減少の時定数の算出に用いた図、図13は実施例2の実験によるオゾン濃度変化を示す図、図14は実施例2の冷却水温度の変化に伴うオゾン濃度変化を示す図、図15は実施例2の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図、図16は実施例2のオゾン濃度減少の時定数の算出に用いた図である。
図3は実験装置の全体構成を示す図、図4はオゾン発生器の側面一部断面図、図5は比較例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図、図6は比較例1の冷却水温度の変化に伴うオゾン濃度変化を示す図、図7は比較例1の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図、図8は比較例1のオゾン濃度減少の時定数の算出に用いた図、図9は実施例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図、図10は実施例1の冷却水温度の変化に伴うオゾン濃度変化を示す図、図11は実施例1の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図、図12は実施例1のオゾン濃度減少の時定数の算出に用いた図、図13は実施例2の実験によるオゾン濃度変化を示す図、図14は実施例2の冷却水温度の変化に伴うオゾン濃度変化を示す図、図15は実施例2の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図、図16は実施例2のオゾン濃度減少の時定数の算出に用いた図である。
図3を用いて実験装置の全体構成を説明する。
図3に示すように、オゾン発生装置の一例である実験装置は酸素ガスボンベ11、ガス流量制御装置12、水分供給手段であるインピンジャー6、オゾン発生器5、冷却装置19、オゾン濃度計14、排オゾン処理装置16、高電圧電源17等により構成される。
酸素ガスボンベ11はガス流量制御装置12に接続しており、酸素供給手段として構成されている。該ガス流量制御装置12は酸素ガス供給管8を介してオゾン発生器5に接続している。前記酸素ガス供給管8の中途部には切換バルブ8aが設けられており、該切換バルブ8aの上流側の酸素ガス供給管8から分岐管20が分岐している。該分岐管20は切換バルブ20aを介してインピンジャー6の導入管6aに接続されている。また、前記切換バルブ8aの下流側の酸素ガス供給管8から分岐管21が分岐している。該分岐管21は切換バルブ21aを介してインピンジャー6の排出管6bに接続されている。前記オゾン発生器5は、オゾンガス排出管9を介してオゾン濃度計14および排オゾン処理装置16に接続している。また、オゾン発生器5には、高電圧に印加するための高電圧電源17が接続されている。
図3に示すように、オゾン発生装置の一例である実験装置は酸素ガスボンベ11、ガス流量制御装置12、水分供給手段であるインピンジャー6、オゾン発生器5、冷却装置19、オゾン濃度計14、排オゾン処理装置16、高電圧電源17等により構成される。
酸素ガスボンベ11はガス流量制御装置12に接続しており、酸素供給手段として構成されている。該ガス流量制御装置12は酸素ガス供給管8を介してオゾン発生器5に接続している。前記酸素ガス供給管8の中途部には切換バルブ8aが設けられており、該切換バルブ8aの上流側の酸素ガス供給管8から分岐管20が分岐している。該分岐管20は切換バルブ20aを介してインピンジャー6の導入管6aに接続されている。また、前記切換バルブ8aの下流側の酸素ガス供給管8から分岐管21が分岐している。該分岐管21は切換バルブ21aを介してインピンジャー6の排出管6bに接続されている。前記オゾン発生器5は、オゾンガス排出管9を介してオゾン濃度計14および排オゾン処理装置16に接続している。また、オゾン発生器5には、高電圧に印加するための高電圧電源17が接続されている。
オゾン発生器5の構成について、図4を用いて説明する。
オゾン発生器5は、セラミックス誘電体41・41に挟まれたニッケル製エキスパンドメタルにより構成される電極31において放電を行い、前記酸素ガス供給管8と接続している酸素ガス供給口43より供給された酸素より、オゾンを生成して、オゾン化ガス排出口44に接続されている前記オゾンガス排出管9を介してオゾンを排出する。オゾン発生器5には冷却ジャケット42a・42bが装着されており、オゾン発生器5の温度調節可能となっている。
なお、本実施形態のオゾン発生器5の電極31は、該電極31の表面で無声放電と沿面放電の複合放電を生じさせるような構成としているが、特にこれに限定するものではなく、例えば沿面放電または無声放電を生じるように構成される素子を用いてもかまわない。
オゾン発生器5は、セラミックス誘電体41・41に挟まれたニッケル製エキスパンドメタルにより構成される電極31において放電を行い、前記酸素ガス供給管8と接続している酸素ガス供給口43より供給された酸素より、オゾンを生成して、オゾン化ガス排出口44に接続されている前記オゾンガス排出管9を介してオゾンを排出する。オゾン発生器5には冷却ジャケット42a・42bが装着されており、オゾン発生器5の温度調節可能となっている。
なお、本実施形態のオゾン発生器5の電極31は、該電極31の表面で無声放電と沿面放電の複合放電を生じさせるような構成としているが、特にこれに限定するものではなく、例えば沿面放電または無声放電を生じるように構成される素子を用いてもかまわない。
前記冷却ジャケット42a・42bの内部には、冷却装置19から送られてきた冷却水を流すための冷却水通路が蛇行状に形成されており、それぞれの冷却ジャケット42a・42bの上部には、冷却水通路へ冷却水を導入する冷却水導入管32と冷却水を排出する冷却水排出管33がそれぞれ接続されている。
これら冷却装置19と二つの冷却ジャケット42a・42bとの間には、冷却水の循環経路が形成されている。すなわち、冷却装置19から送られてきた冷却水は、冷却ジャケット42aの冷却水導入管32から冷却水通路内に流入したのち、冷却ジャケット42aと冷却ジャケット42bとを接続するチューブ34を介して、冷却ジャケット42a内の冷却水通路内から冷却ジャケット42bの冷却水通路に送られる。そして、冷却水は冷却ジャケット42bの冷却水通路を流れて冷却ジャケット42bの冷却水排出管33から冷却装置19に回収される。
これら冷却装置19と二つの冷却ジャケット42a・42bとの間には、冷却水の循環経路が形成されている。すなわち、冷却装置19から送られてきた冷却水は、冷却ジャケット42aの冷却水導入管32から冷却水通路内に流入したのち、冷却ジャケット42aと冷却ジャケット42bとを接続するチューブ34を介して、冷却ジャケット42a内の冷却水通路内から冷却ジャケット42bの冷却水通路に送られる。そして、冷却水は冷却ジャケット42bの冷却水通路を流れて冷却ジャケット42bの冷却水排出管33から冷却装置19に回収される。
インピンジャー6は、筒状のガラス瓶で形成されているものであり、上端の開口部はゴム製のキャップで閉じられている。インピンジャー6には、蒸留水25が所定量注入されており、ガス流量制御装置12を介して送られてくる酸素を取り入れる側の導入管6aの先端が蒸留水25の水中まで延ばされ、酸素を排出させる側の排出管6bの先端は蒸留水22の水面より上方に位置されて、取り入れた酸素の気泡28を発生させて、バブリングが行えるようになっている。
なお。本実施例においては水分供給手段としてインピンジャー6を使用したが特に限定するものではなく、水または水蒸気を酸素ガス中に添加できるものであれば、例えば超音波式や気化式などの加湿装置等を使用してもかまわない。
なお。本実施例においては水分供給手段としてインピンジャー6を使用したが特に限定するものではなく、水または水蒸気を酸素ガス中に添加できるものであれば、例えば超音波式や気化式などの加湿装置等を使用してもかまわない。
また、前記インピンジャー6と、分岐管20・21と、切換バルブ20a・21aと、切換バルブ8aとから間欠式にもしくは連続式に水分添加が可能である水分添加機構Wを構成している。
このような構成において、酸素ガスボンベ11より高純度の酸素ガス(純度99.5%)を、ガス流量制御装置12を介して、酸素ガス供給管8に流し、インピンジャー6により酸素に水分を添加する場合は、切換バルブ20a・21aを開けておき、切換バルブ8aを閉じて酸素を蒸留水25内へと導入する。そうして酸素の気泡を発生させて、水分を含む酸素をオゾン発生器5へと導く。そして、該オゾン発生器5内に導入された水分を含んだ酸素ガスが、前記電極31近傍上で、放電されてオゾンガスが生成する。該オゾンガスは、オゾンガス排出管9から排出されてオゾン濃度計14に導入されて、オゾン濃度の測定を行うものである。また、インピンジャー6により酸素に水分を添加しない場合は、切換バルブ8aを開けておき、切換バルブ20a・21aを閉めて、酸素をインピンジャー6を介さずにオゾン発生器5内へと導く。つまり、本実施例では水分を供給するための迂回路を設けた構成となっている。こうして切換バルブの開閉を行うことで、水分を添加しない場合においても上記同様にオゾン濃度計により、オゾン濃度の測定が行えるようにしている。
また、前記切換バルブ20a・21a及び8aの開閉を適宜行うことで、供給ガスである酸素ガス中に水分添加量と水分添加間隔を調整して水分を間欠式に添加することを可能としている。具体的には、供給ガスである酸素に水または水蒸気の添加を行う水分添加時間と、供給ガスへの水または水蒸気の添加を停止する水分添加停止時間(インターバル)と、を適宜設定し、前記水分添加時間と前記水分添加停止時間とを交互に繰り返して、供給ガスである酸素に水または水蒸気を間欠式に供給を行うとともに、前記供給ガスに放電を行うことが可能である構成となっている。
なお、前述した水分添加機構Wの各切換バルブ20a・21a及び8aを電気的に開閉可能である電磁バルブ等で構成し、各バルブをコントローラ(図示せず)に接続して、コントローラに予め前記水分添加時間と前記水分添加停止時間を設定しておき、切換バルブを設定時間通りに自動的に開閉を行うようにして、供給ガス中に水分を自動的に添加できるように構成してもかまわない。
なお、前述した水分添加機構Wの各切換バルブ20a・21a及び8aを電気的に開閉可能である電磁バルブ等で構成し、各バルブをコントローラ(図示せず)に接続して、コントローラに予め前記水分添加時間と前記水分添加停止時間を設定しておき、切換バルブを設定時間通りに自動的に開閉を行うようにして、供給ガス中に水分を自動的に添加できるように構成してもかまわない。
次に、図3に示した本実施形態の実験装置でオゾン発生を行う場合において、水分添加の条件として、前記水分添加時間と前記水分添加停止時間を所定時間に設定して、前記水分添加時間と前記水分添加停止時間に基づいて水分添加と水分添加停止を交互に繰り返して行い、その際のオゾン濃度変化を測定した。水分添加時間と水分添加停止時間の設定条件としては、3条件(1.水分添加時間:60秒/水分添加停止時間:59分、2.水分添加時間:10秒/水分添加停止時間:9分50秒、3.水分添加時間:5秒/水分添加停止時間:4分55秒)についてオゾン濃度変化を測定した。
<比較例1>
図5は比較例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図である。まずは、水分を添加しないでしばらくの間(本比較例では約5時間)、オゾン発生器5により放電を行って、オゾンを発生させる。こうして、オゾン濃度がある程度低下し、冷却水温が略一定になるまで待つ。そして、オゾン発生器5の前段(上流側)で酸素ガスを所定時間(水分添加時間、本比較例では60秒間)、インピンジャー6に導入して水分の添加を行い、水分を含む酸素ガスに放電を行った。その後酸素ガスのインピンジャー6への迂回を中止し、1時間程度、水分添加を中止した(水分添加インターバル、本比較例では1時間)。このように水分添加時間60秒、水分添加停止時間59分(1時間のインターバル)という間欠式水分添加機構Wの設定条件において、水分添加の有無を2回繰り返してオゾンの濃度変化を観察した。
図5において、横軸は時間(時)であり、縦軸はオゾン濃度(g/Nm3)を示すものである。
また、図7は比較例1の30℃換算のオゾンの濃度変化を示す図である。具体的には、オゾン濃度に関して冷却水温度(電極温度)を変化させて計測するとその結果は図6に示すようになる。図6の結果に基づきファント・フォッフ(van’t Hoff)式を用いて、図5で示す冷却水温を30℃一定となるように換算して、図7に示すように縦軸を30℃換算のオゾン濃度(g/Nm3)とし、横軸を時間(分)として再プロットしたものである。
図5は比較例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図である。まずは、水分を添加しないでしばらくの間(本比較例では約5時間)、オゾン発生器5により放電を行って、オゾンを発生させる。こうして、オゾン濃度がある程度低下し、冷却水温が略一定になるまで待つ。そして、オゾン発生器5の前段(上流側)で酸素ガスを所定時間(水分添加時間、本比較例では60秒間)、インピンジャー6に導入して水分の添加を行い、水分を含む酸素ガスに放電を行った。その後酸素ガスのインピンジャー6への迂回を中止し、1時間程度、水分添加を中止した(水分添加インターバル、本比較例では1時間)。このように水分添加時間60秒、水分添加停止時間59分(1時間のインターバル)という間欠式水分添加機構Wの設定条件において、水分添加の有無を2回繰り返してオゾンの濃度変化を観察した。
図5において、横軸は時間(時)であり、縦軸はオゾン濃度(g/Nm3)を示すものである。
また、図7は比較例1の30℃換算のオゾンの濃度変化を示す図である。具体的には、オゾン濃度に関して冷却水温度(電極温度)を変化させて計測するとその結果は図6に示すようになる。図6の結果に基づきファント・フォッフ(van’t Hoff)式を用いて、図5で示す冷却水温を30℃一定となるように換算して、図7に示すように縦軸を30℃換算のオゾン濃度(g/Nm3)とし、横軸を時間(分)として再プロットしたものである。
結果としては、酸素ガスに水分を添加しない時から水分を添加した時(インピンジャー6への迂回時)のオゾン濃度の変化を観察すると、オゾン濃度が上昇していた。
詳しくは、オゾン発生器5内に供給される酸素に水分を添加した時期(インピンジャー6への迂回時)は、図5に示す添加時期A・Bである。添加時期A・Bの添加後一定期間においては、添加前のオゾン濃度よりも添加後のオゾン濃度が明らかに高くなっており、水分を添加した(迂回)後の一定期間において、多くのオゾンが発生したものと考えられる。この結果から一定のインターバル、本比較例では水分添加時間60秒、水分添加停止時間59分という間欠式水分添加機構Wの設定条件で水分を供給ガス中に添加することにより、容易にオゾン濃度を高められオゾン生成効率が向上することがわかる。
ただし、本比較例においては、水分添加時間及び水分添加停止時間(インターバル)を適正化することが十分でないために、60秒間水分添加時期A・B近傍のオゾン濃度のピークが明確に2つに分離している。つまり、不連続なオゾン濃度でオゾンが供給されていることを示している。このときのオゾン濃度減少(図8参照)の時定数(1/eまで減るまでの時間の長さ)を算出したところ、時定数は22.22分であった。
詳しくは、オゾン発生器5内に供給される酸素に水分を添加した時期(インピンジャー6への迂回時)は、図5に示す添加時期A・Bである。添加時期A・Bの添加後一定期間においては、添加前のオゾン濃度よりも添加後のオゾン濃度が明らかに高くなっており、水分を添加した(迂回)後の一定期間において、多くのオゾンが発生したものと考えられる。この結果から一定のインターバル、本比較例では水分添加時間60秒、水分添加停止時間59分という間欠式水分添加機構Wの設定条件で水分を供給ガス中に添加することにより、容易にオゾン濃度を高められオゾン生成効率が向上することがわかる。
ただし、本比較例においては、水分添加時間及び水分添加停止時間(インターバル)を適正化することが十分でないために、60秒間水分添加時期A・B近傍のオゾン濃度のピークが明確に2つに分離している。つまり、不連続なオゾン濃度でオゾンが供給されていることを示している。このときのオゾン濃度減少(図8参照)の時定数(1/eまで減るまでの時間の長さ)を算出したところ、時定数は22.22分であった。
<実施例1>
図9は実施例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図である。まずは、水分を添加しないでしばらくの間(本実施例では約5時間)、オゾン発生器5により放電を行って、オゾンを発生させる。こうして、オゾン濃度がある程度低下し、冷却水温が略一定になるまで待つ。そして、オゾン発生器5の前段(上流側)で酸素ガスを所定時間(水分添加時間、本実施例では10秒間)、インピンジャー6に導入して水分の添加を行い、水分を含む酸素ガスに放電を行った。その後酸素ガスのインピンジャー6への迂回を中止し、10分間程度、水分添加を中止した(水分添加インターバル、本実施例では10分間)。このように水分添加時間10秒、水分添加停止時間9分50秒(10分間のインターバル)という間欠式水分添加機構Wの設定条件において、水分添加の有無を7回繰り返してオゾンの濃度変化を観察した。
図9において、横軸は時間(時)であり、縦軸はオゾン濃度(g/Nm3)を示すものである。
また、図11は、実施例1の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図である。具体的には、オゾン濃度に関して冷却水温度(電極温度)を変化させて計測するとその結果は図10に示すようになる。図10の結果に基づきファント・フォッフ(van’t Hoff)式を用いて、図9で示す冷却水温を30℃一定となるように換算して、図11に示すように縦軸を30℃換算のオゾン濃度(g/Nm3)とし、横軸を時間(分)として再プロットしたものである。
図9は実施例1の実験によるオゾン濃度変化を示す図である。まずは、水分を添加しないでしばらくの間(本実施例では約5時間)、オゾン発生器5により放電を行って、オゾンを発生させる。こうして、オゾン濃度がある程度低下し、冷却水温が略一定になるまで待つ。そして、オゾン発生器5の前段(上流側)で酸素ガスを所定時間(水分添加時間、本実施例では10秒間)、インピンジャー6に導入して水分の添加を行い、水分を含む酸素ガスに放電を行った。その後酸素ガスのインピンジャー6への迂回を中止し、10分間程度、水分添加を中止した(水分添加インターバル、本実施例では10分間)。このように水分添加時間10秒、水分添加停止時間9分50秒(10分間のインターバル)という間欠式水分添加機構Wの設定条件において、水分添加の有無を7回繰り返してオゾンの濃度変化を観察した。
図9において、横軸は時間(時)であり、縦軸はオゾン濃度(g/Nm3)を示すものである。
また、図11は、実施例1の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図である。具体的には、オゾン濃度に関して冷却水温度(電極温度)を変化させて計測するとその結果は図10に示すようになる。図10の結果に基づきファント・フォッフ(van’t Hoff)式を用いて、図9で示す冷却水温を30℃一定となるように換算して、図11に示すように縦軸を30℃換算のオゾン濃度(g/Nm3)とし、横軸を時間(分)として再プロットしたものである。
結果としては、酸素ガスに水分を添加しない時から水分を添加した時(インピンジャー6への迂回時)のオゾン濃度の変化を観察すると、オゾン濃度が上昇していた。
詳しくは、オゾン発生器5内に供給される酸素に水分を添加した時期(インピンジャー6への迂回時)は、図9に示す添加時期A’・B’・C’・D’・E’・F’・G’である。添加時期A’・B’・C’・D’・E’・F’・G’の添加後一定期間においては、添加前のオゾン濃度よりも添加後のオゾン濃度が明らかに高くなっており、水分を添加した(迂回)後の一定期間において、多くのオゾンが発生したものと考えられる。この結果から一定のインターバル、本実施例では水分添加時間10秒、水分添加停止時間9分50秒で交互に繰り返すという設定条件で水分を供給ガス中に添加することにより、容易にオゾン濃度を高められオゾン生成効率が向上することがわかる。
さらに、本実施例においては、水分添加時間及び水分添加停止時間(インターバル)を適正化が図られために、オゾン濃度のピークが連なって凸状になっている。つまり、高いオゾン濃度で、かつ濃度変動が少ない状態でオゾンが供給されていることを示している。このときのオゾン濃度減少(図12)の時定数(1/eまで減るまでの時間の長さ)を算出したところ、時定数は10分であった。
このように、水分添加時間及び水分添加停止時間の設定を本実施例のように適切に行ったことにより、時定数が10分程度になって、オゾン濃度の変動が少なくなり、一定のオゾン濃度を維持して供給ができる。
詳しくは、オゾン発生器5内に供給される酸素に水分を添加した時期(インピンジャー6への迂回時)は、図9に示す添加時期A’・B’・C’・D’・E’・F’・G’である。添加時期A’・B’・C’・D’・E’・F’・G’の添加後一定期間においては、添加前のオゾン濃度よりも添加後のオゾン濃度が明らかに高くなっており、水分を添加した(迂回)後の一定期間において、多くのオゾンが発生したものと考えられる。この結果から一定のインターバル、本実施例では水分添加時間10秒、水分添加停止時間9分50秒で交互に繰り返すという設定条件で水分を供給ガス中に添加することにより、容易にオゾン濃度を高められオゾン生成効率が向上することがわかる。
さらに、本実施例においては、水分添加時間及び水分添加停止時間(インターバル)を適正化が図られために、オゾン濃度のピークが連なって凸状になっている。つまり、高いオゾン濃度で、かつ濃度変動が少ない状態でオゾンが供給されていることを示している。このときのオゾン濃度減少(図12)の時定数(1/eまで減るまでの時間の長さ)を算出したところ、時定数は10分であった。
このように、水分添加時間及び水分添加停止時間の設定を本実施例のように適切に行ったことにより、時定数が10分程度になって、オゾン濃度の変動が少なくなり、一定のオゾン濃度を維持して供給ができる。
<実施例2>
図13は実施例2の実験によるオゾン濃度変化を示す図である。まずは、水分を添加しないでしばらくの間(本実施例では約5時間)、オゾン発生器5により放電を行って、オゾンを発生させる。こうして、オゾン濃度がある程度低下し、冷却水温が略一定になるまで待つ。そして、オゾン発生器5の前段(上流側)で酸素ガスを所定時間(水分添加時間、本実施例では5秒間)、インピンジャー6に導入して水分の添加を行い、水分を含む酸素ガスに放電を行った。その後酸素ガスのインピンジャー6への迂回を中止し、5分間程度、水分添加を中止した(水分添加インターバル、本実施例では5分間)。このように水分添加時間5秒、水分添加停止時間4分55秒(5分間のインターバル)という間欠式水分添加機構Wの設定条件において、水分添加の有無を12回繰り返してオゾンの濃度変化を観察した。
図13において、横軸は時間(時)であり、縦軸はオゾン濃度(g/Nm3)を示すものである。
また、図15は、実施例2の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図である。具体的には、オゾン濃度に関して冷却水温度(電極温度)を変化させて計測するとその結果は図14に示すようになる。図14の結果に基づきファント・フォッフ(van’t Hoff)式を用いて、図13で示す冷却水温を30℃一定に換算して、図15に示すように縦軸を30℃換算のオゾン濃度(g/Nm3)とし、横軸を時間(分)として再プロットしたものである。
図13は実施例2の実験によるオゾン濃度変化を示す図である。まずは、水分を添加しないでしばらくの間(本実施例では約5時間)、オゾン発生器5により放電を行って、オゾンを発生させる。こうして、オゾン濃度がある程度低下し、冷却水温が略一定になるまで待つ。そして、オゾン発生器5の前段(上流側)で酸素ガスを所定時間(水分添加時間、本実施例では5秒間)、インピンジャー6に導入して水分の添加を行い、水分を含む酸素ガスに放電を行った。その後酸素ガスのインピンジャー6への迂回を中止し、5分間程度、水分添加を中止した(水分添加インターバル、本実施例では5分間)。このように水分添加時間5秒、水分添加停止時間4分55秒(5分間のインターバル)という間欠式水分添加機構Wの設定条件において、水分添加の有無を12回繰り返してオゾンの濃度変化を観察した。
図13において、横軸は時間(時)であり、縦軸はオゾン濃度(g/Nm3)を示すものである。
また、図15は、実施例2の30℃換算のオゾン濃度変化を示す図である。具体的には、オゾン濃度に関して冷却水温度(電極温度)を変化させて計測するとその結果は図14に示すようになる。図14の結果に基づきファント・フォッフ(van’t Hoff)式を用いて、図13で示す冷却水温を30℃一定に換算して、図15に示すように縦軸を30℃換算のオゾン濃度(g/Nm3)とし、横軸を時間(分)として再プロットしたものである。
結果としては、酸素ガスに水分を添加しない時から水分を添加した時(インピンジャー6への迂回時)のオゾン濃度の変化を観察すると、オゾン濃度が上昇していた。
詳しくは、オゾン発生器5内に供給される酸素に水分を添加した時期(インピンジャー6への迂回時)は、図13に示す添加時期A’’・B’’・C’’・D’’・E’’・F’’・G’’・H’’・I’’・J’’・K’’・L’’である。添加時期A’’・B’’・C’’・D’’・E’’・F’’・G’’・H’’・I’’・J’’・K’’・L’’の添加後一定期間においては、添加前のオゾン濃度よりも添加後のオゾン濃度が明らかに高くなっており、水分を添加した(迂回)後の一定期間において、多くのオゾンが発生したものと考えられる。この結果から一定のインターバル、本実施例では水分添加時間5秒、水分添加停止時間4分55秒で交互に繰り返すという設定条件で水分を供給ガス中に添加することにより、容易にオゾン濃度を高められオゾン生成効率が向上することがわかる。
さらに、本実施例においては、水分添加時間及び水分添加停止時間(インターバル)が実施例1よりもさらに適正化が図られたために、オゾン濃度のピークが連なって凸状になり、上部が平坦化している。つまり、実施例1よりもさらに濃度変動が少ない状態でオゾンが供給されていることを示している。このときのオゾン濃度減少(図16)の時定数(1/eまで減るまでの時間の長さ)を算出したところ、時定数は7.69分であった。
このように、水分添加時間及び水分添加停止時間の設定を本実施例のように適切に行うことで、時定数が7分程度になって、オゾン濃度のピークの起伏がさらに少なくなり、一定のオゾン濃度を維持して供給ができる。
詳しくは、オゾン発生器5内に供給される酸素に水分を添加した時期(インピンジャー6への迂回時)は、図13に示す添加時期A’’・B’’・C’’・D’’・E’’・F’’・G’’・H’’・I’’・J’’・K’’・L’’である。添加時期A’’・B’’・C’’・D’’・E’’・F’’・G’’・H’’・I’’・J’’・K’’・L’’の添加後一定期間においては、添加前のオゾン濃度よりも添加後のオゾン濃度が明らかに高くなっており、水分を添加した(迂回)後の一定期間において、多くのオゾンが発生したものと考えられる。この結果から一定のインターバル、本実施例では水分添加時間5秒、水分添加停止時間4分55秒で交互に繰り返すという設定条件で水分を供給ガス中に添加することにより、容易にオゾン濃度を高められオゾン生成効率が向上することがわかる。
さらに、本実施例においては、水分添加時間及び水分添加停止時間(インターバル)が実施例1よりもさらに適正化が図られたために、オゾン濃度のピークが連なって凸状になり、上部が平坦化している。つまり、実施例1よりもさらに濃度変動が少ない状態でオゾンが供給されていることを示している。このときのオゾン濃度減少(図16)の時定数(1/eまで減るまでの時間の長さ)を算出したところ、時定数は7.69分であった。
このように、水分添加時間及び水分添加停止時間の設定を本実施例のように適切に行うことで、時定数が7分程度になって、オゾン濃度のピークの起伏がさらに少なくなり、一定のオゾン濃度を維持して供給ができる。
実施例1、2及び比較例1により、実施例1、2の水分添加時間及び水分添加停止時間の設定においては、オゾン濃度を変動を少なく保ちながら継続してオゾンを供給可能としているのに対して、比較例1の水分添加時間及び水分添加停止時間の設定では、高濃度のオゾンを少ないオゾン濃度変動で供給することは困難である。また、実施例2よりも水分添加時間及び水分添加停止時間(インターバル)をさらに短くしていくとオゾン濃度が減少する前に、水分が添加されて再びオゾン濃度が上昇し、これを繰り返すことにより、変動の少ないオゾン濃度に保つことができる。
また、オゾン濃度減少の時定数に応じて、すなわち、本実施例においては、時定数10分以下となるように水分添加時間と水分添加停止時間を設定することで、高いオゾン濃度を維持しつつ、オゾン濃度変動をより小さくして供給ガスである酸素にオゾンを供給可能としたのである。
また、オゾン濃度減少の時定数に応じて、すなわち、本実施例においては、時定数10分以下となるように水分添加時間と水分添加停止時間を設定することで、高いオゾン濃度を維持しつつ、オゾン濃度変動をより小さくして供給ガスである酸素にオゾンを供給可能としたのである。
つまり、酸素供給手段により電極31に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生方法において、
供給ガスに水または水蒸気の添加を行う水分添加時間と、水または水蒸気の添加を停止する水分添加停止時間と、を交互に繰り返して、供給ガスに水または水蒸気を間欠式に供給するとともに、前記供給ガスに放電を行うことにより、オゾン濃度の変動を少なくしオゾン濃度を高めることができ、オゾン生成効率が向上する。
供給ガスに水または水蒸気の添加を行う水分添加時間と、水または水蒸気の添加を停止する水分添加停止時間と、を交互に繰り返して、供給ガスに水または水蒸気を間欠式に供給するとともに、前記供給ガスに放電を行うことにより、オゾン濃度の変動を少なくしオゾン濃度を高めることができ、オゾン生成効率が向上する。
また、酸素供給手段により電極31に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電を行うオゾン発生装置において、
前記電極31よりも酸素供給経路の上流側に、水または水蒸気を供給する水分供給手段であるインピンジャー6を備え、該インピンジャー6から水または水分を予め設定された水分添加時間と水分添加停止時間に基づいて間欠式に供給する間欠式水分添加機構Wを備えることにより、オゾン濃度の変動を少なくしオゾン濃度を高めることができ、オゾン生成効率が向上する。
前記電極31よりも酸素供給経路の上流側に、水または水蒸気を供給する水分供給手段であるインピンジャー6を備え、該インピンジャー6から水または水分を予め設定された水分添加時間と水分添加停止時間に基づいて間欠式に供給する間欠式水分添加機構Wを備えることにより、オゾン濃度の変動を少なくしオゾン濃度を高めることができ、オゾン生成効率が向上する。
また、前記水分添加時間と前記水分添加停止時間をオゾン濃度減少の時定数に応じて設定することにより、さらに効率的に、且つ、オゾン濃度の変動が少ない状態でオゾンを発生させることができる。
5 オゾン発生器
6 インピンジャー
7 沿面放電素子
8 酸素ガス供給管
11 酸素ガスボンベ
12 ガス流量制御装置
31 電極
W 水分添加機構
6 インピンジャー
7 沿面放電素子
8 酸素ガス供給管
11 酸素ガスボンベ
12 ガス流量制御装置
31 電極
W 水分添加機構
Claims (4)
- 酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電により、オゾンを発生させるオゾン発生方法において、
供給ガスに水または水蒸気の添加を行う水分添加時間と、水または水蒸気の添加を停止する水分添加停止時間と、を交互に繰り返して、供給ガスに水または水蒸気を間欠式に供給するとともに、前記供給ガスに放電を行うことを特徴とするオゾン発生方法。 - 前記水分添加時間と前記水分添加停止時間をオゾン濃度減少の時定数に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生方法。
- 酸素供給手段により電極に純酸素もしくは高濃度の酸素を供給し、該電極間に高電圧を印加して、沿面放電もしくは無声放電、または沿面放電と無声放電の複合放電を行うオゾン発生装置において、
前記電極よりも酸素供給経路の上流側に、水または水蒸気を供給する水分供給手段を備え、該水分供給手段から水または水分を予め設定された水分添加時間と水分添加停止時間に基づいて間欠式に供給する間欠式水分添加機構を備えることを特徴とするオゾン発生装置。 - 前記水分添加時間と前記水分添加停止時間をオゾン濃度減少の時定数に応じて設定することを特徴とする請求項3に記載のオゾン発生装置。
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---|---|---|---|
JP2007271677A JP2009096691A (ja) | 2007-10-18 | 2007-10-18 | 間欠式水分添加によるオゾン発生方法および装置 |
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-
2007
- 2007-10-18 JP JP2007271677A patent/JP2009096691A/ja active Pending
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