JP2009096378A - 車両用情報提供装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両ヘの搭載比率が高まることが予想される聴覚情報提供手段を備えた車両用情報提供装置において、車両情報を含む聴覚情報を報知する聴覚情報提供手段のカスタマイズ化を実現し、聴覚情報提供手段の使い勝手を向上させ、利便性に優れた車両用情報提供装置を提供する。
【解決手段】 車両情報を含む聴覚情報を利用者に提供する聴覚情報提供手段240と、聴覚情報に関する各種設定を登録するカスタマイズモードを有する制御手段202と、カスタマイズモードにおける各種設定の内容を定めるための入力手段211と、各種設定の内容を登録するための第2の記憶手段204とを備えた車両用情報提供装置において、第2の記憶手段204に登録される各種設定の内容には、利用者の聴覚特性に関する項目が含まれてなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、聴覚情報を用いて利用者に各種情報を提供する車両用情報提供装置に関し、特に利用者の好みに応じて聴覚情報をカスタマイズ可能な車両情報提供装置に関する。
従来、この種の車両用情報提供装置としては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。かかる車両用情報提供装置は、ディスプレイ手段(視覚情報提供手段)と、音声出力手段(聴覚情報提供手段)とを備え、ディスプレイ手段には視覚情報として走行距離値,電圧値,時刻といった通常情報と所定の警報情報が表示され、音声出力手段には緊急を要する情報や視覚情報では誤解を招く虞のある情報が聴覚情報として音声出力するよう搆成されている。また特許文献1には、ディスプレイ手段と音声出力手段の双方を通じて内容的に重複する特定の警報情報を提供する点も記載されている。
特開平9−66783号公報
前述した特許文献1に記載の車両用情報提供装置は、視覚情報と聴覚情報を組み合わせて利用者に各種情報を提供するものであり、利用者の使い勝手の向上が図られている。特に、聴覚情報に関しては、利用者の聴覚特性、好みが人それぞれ異なるため、聴覚情報を報知するための聴覚情報提供手段のカスタマイズ化が望まれている。更に、このカスタマイズ化に伴って車両情報である聴覚情報を報知する聴覚情報提供手段の使い勝手の向上を図り、利便性に優れた車両用情報提供装置が望まれている。
本発明は、前述した問題点に着目してなされたものであり、今後、車両ヘの搭載比率が高まることが予想される聴覚情報提供手段を備えた車両用情報提供装置において、車両情報を含む聴覚情報を報知する聴覚情報提供手段のカスタマイズ化を実現し、聴覚情報提供手段の使い勝手を向上させ、利便性に優れた車両用情報提供装置の提供を目的とするものである。
本発明は、車両情報を含む聴覚情報を利用者に提供する聴覚情報提供手段と、前記聴覚情報に関する各種設定を登録するカスタマイズモードを有する制御手段と、前記カスタマイズモードにおける前記各種設定の内容を定めるための入力手段と、前記各種設定の内容を登録するための記憶手段とを備えた車両用情報提供装置において、前記記憶手段に登録される前記各種設定の内容には、前記利用者の聴覚特性に関する項目が含まれてなることを特徴とする。
また本発明は、前記利用者の聴覚特性に関する項目は、前記聴覚情報における低音域、高音域の強調に関する項目、もしくは前記聴覚情報における再生速度に関する項目を備えてなることを特徴とする。
また本発明は、前記聴覚情報が複数種用意され、前記項目の選択は、前記複数の聴覚情報が共通の聴覚特性を有するように一括して選択可能に構成されることを特徴とする。
本発明は、車両用情報提供装置において、利用者の聴覚特性,好みに応じた聴覚情報提供手段のカスタマイズ登録が可能であり、様々な聴覚特性,好みを持った利用者の要求に応え、車両用情報提供装置の利便性を向上させることができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、車両用情報提供装置100の概観図を示すものである。車両用情報提供装置100は、車両情報を含む各種情報を視覚情報として表示する表示部101と、エンジン回転数をアナログ表示する回転計102と、タンク内燃料量をアナログ表示する燃料計103と、エンジン冷却水の温度をアナログ表示する温度計104とを備えている。
表示部101は、例えばTFT等の液晶表示装置(LCD)からなる電子式表示パネルが用いられ、後述する各種警報に係わる視覚情報(視覚警報)の他、車速や走行距離、図示しない各種センサからの検出情報や同じく図示しないスイッチからの状態情報等に応じて様々な内容の視覚情報を表示する。
図2は、車両用情報提供装置100のシステム構成を示すブロック図である。その構成としては、車両用情報提供装置100をカスタマイズモードに移行させるための設定手段(カスタマイズモード設定端子)210と、カスタマイズの実行時に各種設定内容を定める(設定あるいは選択する)ための入力手段(入力端子)211と、車両情報の入出力を行う車両情報端子212及び多重通信入出力端子213と、車両インターフェース(車両I/F)手段201と、車両用情報提供装置100の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる制御手段202と、制御手段202の処理プログラムが格納されたROM等からなる第1の記億手段203と、入力手段211よって設定される各種設定の内容を乗員(利用者)毎に登録可能とするEEPROM等の不揮発性メモリからなる第2の記憶手段(記億手段)204と、各種情報を視覚的に表示する表示部101と、表示部101の表示制御及び各種アナログ式計器102,103,104の駆動制御を行う駆動手段205と、各種情報を聴覚情報として報知するための聴覚情報提供手段240とを有している。
かかる聴覚情報提供手段240は、音/音声を再生(合成)するための音/音声合成手段250と、音/音声合成手段250を介して制御手段202から出力される第1の出力信号(後述する警報指示信号)と音/音声合成手段250を介さずに制御手段202から出力される第2の出力信号(例えばターン音)とを混合するミキシング手段260と、ミキシング手段260からの出力信号を増幅するアンプ270と、アンプ270からの増幅信号を出力するスピーカ280とで構成され、後述する各種警報に係わる情報を含む車両の各種状態となる聴覚情報を利用者に報知(提供)する。なお、本実施形態の場合、スピーカ280は、聴覚情報提供手段240の一部を構成するものであったが、例えば後述するオーディオのスピーカを適用することも可能である。
音/音声合成手段250は、各種の聴覚情報が聴覚データ(音/音声データ)として記憶されており、制御手段202は、処理プログラムに基づいて音/音声合成手段250から出力すべき聴覚データを選択し、この選択された聴覚データをミキシング手段260に出力してなる。
かかる音/音声合成手段250は、音/音声データを記憶する音/音声記憶部251と、音/音声データに基づいて音/音声信号を合成するための音/音声合成部252と、音/音声合成部252からの音/音声合成信号をアナログ信号に変換するためのD/Aコンバータ253とを備えてなる。
また、車両用情報提供装置100は、乗員識別手段であるキーレスエントリ装置220の送信機221及び受信機222と、オーディオ223と、車両の車庫入れや縦列駐車等の際、障害物を検知して報知するコーナーセンサ装置224、バックソナー装置225等からなる障害物警報装置とが多重通信線(多重通信ライン)230を介して接続されている。なお、制御手段202は、多重通信入出力端子213及び多重通信線230を介してオーディオ223へ音量のミュート指示を行う指示信号を出力することが可能である。
次に、図2〜図4を用いてカスタマイズモードについて説明する。図3(a)は、車両用情報提供装置100をカスタマイズモードに移行させたとき、表示部101に表示される各種設定の内容を示すものであり、また、図3(b)は、第2の記憶手段204におけるカスタマイズモードにて登録された各種設定内容の登録状態を示すものである。なお、図3(a)の各図中におけるアンダーライン箇所は、初期設定値を示している。
車両の利用者は、カスタマイズモード設定端子210を外部より操作して制御手段202が予め有しているカスタマイズモードへ移行するように制御手段202に指示を与える。具体的には、カスタマイズモード設定端子210の通常電位が「ハイ」レベルにある端子をスイッチ等の所定操作により「ロー」レベルに変更することで制御手段202による認識が可能となる。制御手段202は、カスタマイズモードへ移行すると、駆動手段205を介して表示部101を通常表示から図3(a)で示すカスタマイズモードの初期画面表示(初期画面300)へ切り替える処理を実行する。
かかる初期画面300は、利用者が、入力手段211を介して各聴覚情報(各音声警報)に対する聴覚特性を選択する画面である。ここで図3(a)中、Aの音声警報(一括選択)に関する聴覚特性の項目は、以下の3つの項目を備えてなる。すなわち、3つの項目とは、音声警報(具体的には、シートベルト未着用に関する警報やパーキングブレーキ戻し忘れに関する警報等)の低周波数帯域の音圧(つまり低音域)を強調させるか否かの項目、音声警報の高周波数帯域の音圧(つまり高音域)を強調させるか否かの項目、音声警報の再生速度をゆっくりする(遅くする)か否かの項目である。
なお、この図3(a)におけるAの音声警報(一括選択)では、音声警報の種別に関係なく、低周波数帯域の音圧を強調させるか否か、高周波数帯域の音圧を強調させるか否か、音声警報の再生速度をゆっくりする(遅くする)か否かの選択が行われるようになっている。このことは、聴覚情報(音声警報)が複数種用意されている場合において、利用者の聴覚特性に関する項目の選択は、複数の聴覚情報がその種別によらず共通の聴覚特性を有するように、一括して選択可能に構成されることを意味してなる。
例えば、初期設定値である低周波数帯域の音圧「標準」、高周波数帯域の音圧「標準」、並びに再生速度「標準」から高周波数帯域の音圧「強調」、並びに再生速度「ゆっくり」への選択が利用者によってなされたとすると、制御手段202は、キーレスエントリ装置220を介して車両を利用している利用者の識別コード(識別情報)を特定し(ここでは、識別コードとしてID1を得たものとする)、第2の記憶手段204の識別コードID1に関係付けられたエリアへ設定内容を記憶させる。
つまり、図3(b)に示すように、「A:一括選択」の識別コードID1に対応する高周波数帯域エリア(領域R1)には設定内容である「強調」が登録され、且つ識別コードID1に対応する再生速度エリア(領域R2)には設定内容である「ゆっくり」が登録される。
これと同時に、制御手段202は、初期画面300において「標準」に選択表示されている高周波数帯域に対応するアンダーラインを「強調」に切り替え、同様に「標準」に選択表示されている再生速度に対応するアンダーラインを「ゆっくり」に切り替えるような制御を行い、これにより詳細図示は省略するが、高周波数帯域に対応するアンダーラインが「標準」ではなく「強調」を選択表示し、且つ再生速度に対応するアンダーラインが「標準」ではなく「ゆっくり」を選択表示することになる。
ここで、図4(a)は、音声警報の音圧ー周波数特性が、「標準」状態であるときの特性の一例を示し、図4(b)は、音声警報の音圧ー周波数特性が、低周波数帯域において、「強調」状態であるときの特性の一例を示し、図4(c)は、音声警報の音圧ー周波数特性が、高周波数帯域において、「強調」状態であるときの特性の一例を示している。また、音声警報の再生速度における「ゆっくり」とは、「標準」状態よりも所定時間だけ長く、音声警報が発せられることを意味しており、例えば「標準」状態で5秒間発せられる音声警報においては、「ゆっくり」の場合、5秒よりも所定時間だけ長い時間(例えば8秒間)発せられる設定となっている。なお、図3のカスタマイズモード移行時には、図4(a)〜(c)のごとき音声警報の音圧ー周波数特性データや、音声警報の再生速度データは、音/音声合成手段250における音/音声記憶部251に音/音声データ(聴覚データ)として記憶されてなる。
そして、制御手段202は、車両情報端子212(もしくは多重通信入出力端子213)を介して、所定の警報指示信号(例えばシートベルト未着用に関する警報指示信号やパーキングブレーキ戻し忘れに関する警報指示信号)を検出すると、聴覚情報提供手段240を動作させ、音/音声合成手段250、ミキシング手段260並びにアンプ270を介して、スピーカ280によって前記警報指示信号を出力する。
この際、音/音声合成手段250は、前記警報指示信号に対応した聴覚データを選択してなり、この聴覚データを前記第1の出力信号としてミキシング手段260に出力してなる。例えばシートベルト未着用に関する警報指示信号であれば、「シートベルトを着用してください」なる聴覚データが音/音声合成手段250にて選択され、かかる聴覚データ(つまり前記第1の出力信号)がミキシング手段260、アンプ270を介してスピーカ280に出力される。また、パーキングブレーキ戻し忘れに関する警報指示信号であれば、「パーキングブレーキを解除してください」なる聴覚データが音/音声合成手段250にて選択され、かかる聴覚データがミキシング手段260、アンプ270を介してスピーカ280に出力される。
そして、このスピーカ280から出力される聴覚情報である音声警報は、この場合、その種別(シートベルト未装着警報やパーキングブレーキ戻し忘れ警報)に関係なく、利用者によって登録された聴覚特性(つまり、この場合、高周波数帯域の音圧が強調され、且つ再生速度がゆっくりである聴覚特性)を有するように利用者に対して出力されてなる。
また、図3(a)中、Bの音声警報(個別選択)は、前述したAの音声警報(一括選択)と同様に、低周波数帯域の音圧を強調させるか否か、高周波数帯域の音圧を強調させるか否か、音声警報の再生速度をゆっくりする(遅くする)か否かの選択画面を示しているが、この図3(a)におけるBの音声警報(個別選択)では、音声警報の種別毎に、低周波数帯域の音圧(つまり低音域)を強調させるか否か、高周波数帯域の音圧(つまり高音域)を強調させるか否か、音声警報の再生速度をゆっくりする(遅くする)か否かの選択が行われる。以下、音声警報の種別として、シートベルト未着用に関する警報と、パーキングブレーキ戻し忘れに関する警報とを例に挙げて説明する。
まず、音声警報のうちシートベルト未着用に関する警報(図3中、B−1にて示す「シートベルトを着用してください」なる音声警報)に対して、初期設定値である低周波数帯域の音圧「標準」、高周波数帯域の音圧「標準」、並びに再生速度「標準」から低周波数帯域の音圧「強調」、高周波数帯域の音圧「強調」、並びに再生速度「ゆっくり」への選択が利用者によってなされたとすると、制御手段202は、キーレスエントリ装置220を介して車両を利用している利用者の識別コード(識別情報)を特定し(ここでは、識別コードとしてID2を得たものとする)、第2の記憶手段204の識別コードID2に関係付けられたエリアへ設定内容を記憶させる。
つまり、図3(b)に示すように、「B:個別選択」における「B−1:シートベルト」の識別コードID2に対応する低周波数帯域エリア(領域R3)には設定内容である「強調」が登録されるとともに「B−1:シートベルト」の識別コードID2に対応する高周波数帯域エリア(領域R4)には設定内容である「強調」が登録され、且つ「B−1:シートベルト」の識別コードID2に対応する再生速度エリア(領域R5)には設定内容である「ゆっくり」が登録される。
これと同時に、制御手段202は、初期画面300において「標準」に選択表示されている低/高周波数帯域に対応する2つのアンダーラインをそれぞれ「強調」に切り替え、同様に「標準」に選択表示されている再生速度に対応するアンダーラインを「ゆっくり」に切り替えるような制御を行い、これにより詳細図示は省略するが、低/高周波数帯域に対応する2つのアンダーラインが「標準」ではなく「強調」を各々選択表示し、且つ再生速度に対応するアンダーラインが「標準」ではなく「ゆっくり」を選択表示することになる。
そして、制御手段202は、車両情報端子212(もしくは多重通信入出力端子213)を介して、シートベルト未着用に関する警報指示信号を検出すると、聴覚情報提供手段240を動作させ、音/音声合成手段250、ミキシング手段260並びにアンプ270を介して、シートベルト未着用に関する警報指示信号をスピーカ280に出力する。つまり、スピーカ280からは、低/高周波数帯域がともに強調され、且つ再生速度がゆっくりとなる聴覚特性に対応した「シートベルトを着用してください」なる音声警報が利用者に対して出力されることになる。
次に、パーキングブレーキ戻し忘れに関する警報(図3中、B−2にて示す「パーキングブレーキを解除してください」なる音声警報)に対して、初期設定値である低周波数帯域の音圧「標準」、高周波数帯域の音圧「標準」、並びに再生速度「標準」から低周波数帯域の音圧「強調」、高周波数帯域の音圧「強調」、並びに再生速度「ゆっくり」への選択が利用者によってなされたとすると、制御手段202は、キーレスエントリ装置220を介して車両を利用している利用者の識別コード(識別情報)を特定し(ここでは、識別コードとしてID1を得たものとする)、第2の記憶手段204の識別コードID1に関係付けられたエリアへ設定内容を記憶させる。
つまり、図3(b)に示すように、「B:個別選択」における「B−2:パーキングブレーキ」の識別コードID1に対応する低周波数帯域エリア(領域R6)には設定内容である「強調」が登録される。なお、「B−2:パーキングブレーキ」の識別コードID1に対応する高周波数帯域エリアには、前述した「A:一括選択」において、予め「強調」が設定され、且つ「B−2:パーキングブレーキ」の識別コードID1に対応する再生速度エリアには、前述した「A:一括選択」において、予め「ゆっくり」が設定されていることから、設定内容はそのままとなる。
これと同時に、制御手段202は、初期画面300において「標準」に選択表示されている低/高周波数帯域に対応するアンダーラインを各々「強調」に切り替え、同様に「標準」に選択表示されている再生速度に対応するアンダーラインを「ゆっくり」に切り替えるような制御を行い、これにより詳細図示は省略するが、低/高周波数帯域に対応するアンダーラインが「標準」ではなく「強調」を各々選択表示し、且つ再生速度に対応するアンダーラインが「標準」ではなく「ゆっくり」を選択表示することになる。
そして、制御手段202は、車両情報端子212(もしくは多重通信入出力端子213)を介して、パーキングブレーキ戻し忘れに関する警報指示信号を検出すると、聴覚情報提供手段240を動作させ、音/音声合成手段250、ミキシング手段260並びにアンプ270を介して、パーキングブレーキ戻し忘れに関する警報指示信号をスピーカ280に出力する。つまり、スピーカ280からは、低/高周波数帯域がともに強調され、且つ再生速度がゆっくりとなる聴覚特性に対応した「パーキングブレーキを解除してください」なる音声警報が利用者に対して出力されることになる。また、この場合、音声警報における各聴覚特性の設定にあたっては、「A:一括選択」ではなく「B:個別選択」の設定が優先されることになる。
なお、この初期画面300における聴覚特性(つまり音声警報の音圧ー周波数特性、並びに音声警報の速度特性)の選択にあたっては、初期画面300の右下に設けられたプレビューマーク(プレビュー表示)301を選択することで事前にリアルタイムで選択された音圧ー周波数特性、速度特性を各々確認することが可能となる。具体的には、制御手段202は、プレビューマーク301の選択を検出すると、ミキシング手段260、アンプ270を介して、スピーカ280で選択された音圧ー周波数特性、速度特性に対応する音声警報を鳴動させるので、利用者はこの選択された各特性(音圧ー周波数特性、速度特性)を予め確認(認識)することができる。
次に、図5を用いて他のカスタマイズモードについて説明する。図5(a)は、車両用情報提供装置100を他のカスタマイズモードに移行させたとき、表示部101 に表示される各種設定の内容を示すものであり、また、図5(b)は、第2の記憶手段204における他のカスタマイズモードにて登録された各種設定内容の登録状態を示すものである。なお、図5(a)の各図中におけるアンダーライン箇所は、初期設定値を示している。
車両の利用者は、カスタマイズモード設定端子210を外部より操作して制御手段202が予め有している他のカスタマイズモードへ移行するように制御手段202に指示を与える。具体的には、カスタマイズモード設定端子210の通常電位が「ハイ」レベルにある端子をスイッチ等の所定操作により「ロー」レベルに変更することで制御手段202による認識が可能となる。制御手段202は、他のカスタマイズモードへ移行すると、駆動手段205を介して表示部101を通常表示から図5(a)で示す他のカスタマイズモードの初期画面表示(初期画面350)へ切り替える処理を実行する。
かかる初期画面350は、利用者が、入力手段211を介して聴覚情報(例えばターン音)に対する聴覚特性を選択する画面である。ここで図5(a)では、ターン音に関し、低周波数帯域の音圧(つまりターン音の低音域)を強調させるか否か、高周波数帯域の音圧(つまりターン音の高音域)を強調させるか否かの選択が可能である。
例えば、初期設定値である低周波数帯域の音圧「標準」、並びに高周波数帯域の音圧「標準」から高周波数帯域の音圧のみ「強調」への選択が利用者によってなされたとすると、制御手段202は、キーレスエントリ装置220を介して車両を利用している利用者の識別コード(識別情報)を特定し(ここでは、識別コードとしてID1を得たものとする)、第2の記憶手段204の識別コードID1に関係付けられたエリアへ設定内容を記憶させる。つまり、図5(b)に示すように、識別コードID1に対応する高周波数帯域エリア(領域R8)には設定内容である「強調」が登録される。
これと同時に、制御手段202は、初期画面350において「標準」に選択表示されている高周波数帯域に対応するアンダーラインを「強調」に切り替えるような制御を行い、これにより詳細図示は省略するが、高周波数帯域に対応するアンダーラインが「標準」ではなく「強調」を選択表示することになる。
すわなち、制御手段202は、車両情報端子212(もしくは多重通信入出力端子213)を介して、ターン音の発生を検出すると、聴覚情報提供手段240を動作させ、音/音声合成手段250を介さずにミキシング手段260並びにアンプ270のみを介して、スピーカ280によってターン音(前記第2の出力信号)を出力する。そして、このスピーカ280から出力されるターン音は、その高周波数帯域の音圧が強調された聴覚特性を有するように利用者に対して出力されてなる。ここで、図5の他のカスタマイズモード移行時には、前記音圧ー周波数特性データや、前記再生速度データは、第1の記憶手段203に記憶されてなるものとする。
なお、この初期画面350における聴覚特性(つまりターン音の音圧ー周波数特性)の選択にあたっては、初期画面350の右下に設けられたプレビューマーク(プレビュー表示)351を選択することで事前にリアルタイムで選択された音圧ー周波数特性を確認することが可能となる。具体的には、制御手段202は、プレビューマーク351の選択を検出すると、ミキシング手段260、アンプ270を介して、スピーカ280で選択された音圧ー周波数特性に対応するターン音を鳴動させるので、利用者はこの選択された特性(音圧ー周波数特性)を予め確認(認識)することができる。
以上のように本実施形態では、車両情報を含む聴覚情報(音声警報またはターン音)を利用者に提供する聴覚情報提供手段240と、聴覚情報に関する各種設定を登録するカスタマイズモードを有する制御手段202と、カスタマイズモードにおける各種設定の内容を定めるための入力手段211と、各種設定の内容を登録するための記憶手段である第2の記憶手段204とを備えた車両用情報提供装置100において、第2の記憶手段204に登録される各種設定の内容には、利用者の聴覚特性に関する項目が含まれてなるものである。また、この利用者の聴覚特性に関する項目は、聴覚情報における低音域(低周波数帯域の音圧)や高音域(高周波数帯域の音圧)の強調に関する項目、もしくは聴覚情報における再生速度に関する項目を備えてなるものである。これにより、車両の利用者の年齢に応じた聴覚特性、あるいは好みに応じてスピーカ280から出力される聴覚情報に関する仕様のカスタマイズ登録を行うことが可能となる。
すわなち、聴力が衰える傾向(例えば高周波数帯域の音圧が聞き取りにくくなる傾向)にある高齢者にあっては、高周波数帯域の音圧を強調するような設定を行うことで、高周波数帯域における音圧の強調された聴覚情報(音声警報やターン音)がスピーカ280から出力されるため、利用者(高齢者)の要求に応えることが可能となるとともに聴覚情報提供手段を構成するスピーカの使い勝手を向上させ、利便性に優れた車両用情報提供装置を提供することができる。
また、早口の音声が聞き取りにくい傾向にある利用者にあっては、聴覚情報(音声警報)の再生速度を遅くするような設定を行うことで、再生速度の遅くなった音声がスピーカ280から出力されるため、利用者の要求に応えることが可能となるとともに聴覚情報提供手段を構成するスピーカの使い勝手を向上させ、利便性に優れた車両用情報提供装置を提供することができる。なお、高周波数帯域の音圧を強調し、且つ再生速度の遅くした聴覚情報(音声警報)を高齢者を含む利用者に提供することが可能であることは言うまでもなく、このように高周波数帯域の音圧を強調すると同時に再生速度を遅くした聴覚情報を高齢者を含む利用者に提供することで、より利便性に優れた車両用情報提供装置を提供することができる。
また本実施形態では、聴覚情報(音声警報)が複数種用意され、聴覚特性に関する項目の選択は、複数の聴覚情報が共通の聴覚特性を有するように、一括して選択可能に構成されることにより、個々の音声警報毎に聴覚特性の各項目を利用者の好みに合わせて選択する操作が不要となるため、利用者における前記各項目の選択操作(設定操作)が簡素化されるというメリットがある。
(第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を図6に基づいて説明するが、前述した第1実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。本第2実施形態が、前記第1実施形態と異なる点は、前記第1実施形態にて採用した音/音声合成手段250に代えて後述するイコライザを有する音/音声合成手段400を採用した点、並びに前記第1実施形態にて採用した第1の記憶手段203に代えて音圧ー周波数特性の調整(つまり前記第1実施形態における音声警報の低/高周波数帯域の強調)を行うための処理プログラム411とこの処理プログラム411により得られる音/音声補正データ(補正データ)412とを格納してなる第1の記憶手段410を採用した点である。
音/音声合成手段400は、音/音声データを記憶する音/音声記憶部401と、音/音声データに基づいて音/音声信号を合成するための音/音声合成部402と、この音/音声合成部402からの音/音声合成信号に対し音圧ー周波数特性の調整を行うためのイコライザ403と、この音圧ー周波数特性の調整された音/音声合成信号をアナログ信号に変換するためのD/Aコンバータ404とを備えてなる。
そして、制御手段202は、第1の記憶手段410に格納されてなる補正データ412を読み出し、補正データ412に応じてイコライザ403を制御してなり、イコライザ403を通じて音/音声合成信号に対し音圧ー周波数特性の調整が行われる。その後、音圧ー周波数特性の調整された音/音声合成信号は、D/Aコンバータ404によってアナログ信号に変換され、さらにミキシング手段260、アンプ270を経てスピーカ280からはイコライザ403によって音圧ー周波数特性の調整がなされた音(つまり、低周波数帯域または高周波数帯域のうち少なくとも一方が強調された音声警報)が発せられることになる。
なお、音声警報の再生速度データについては、前記第1実施形態と同様に、音/音声記憶部(本第2実施形態では音/音声記憶部401に相当する)に記憶されてなることにより、利用者の好みに応じてスピーカ280から出力される音声警報の再生速度調整が可能である。
かかる第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、例えば高周波数帯域における音圧の強調された聴覚情報がスピーカ280から出力されるため、利用者の要求に応えることが可能となるとともに聴覚情報提供手段を構成するスピーカの使い勝手を向上させ、利便性に優れた車両用情報提供装置を提供することができる。
また前記各実施形態では、聴覚情報提供手段240がスピーカ280を備えてなる例について説明したが、例えばスピーカ280に代えてブザーを採用することも可能である。
また前記各実施形態では、キーレスエントリ装置220を利用者識別手段としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばリモコン操作を不要としたスマートエントリ装置、盗難防止のためのイモビライザー装置等の利用者識別コードを利用するもの、さらには指紋照合等の個人認証装置を使用できることは言うまでもない。
また前記各実施形態では、通常モードからカスタマイズモードへの移行において、カスタマイズモード設定端子210を用いるものであったが、例えば「通常モードとカスタマイズモードとの切り換え」、「設定項目の選択」、「設定内容の入力」、「設定内容のプレビュー」、「設定内容の登録」等の機能別に分けて複数個のスイッチ群からなる入力手段を構成し、この入力手段の所定入力に応じて通常モードとカスタマイズモードとの切り換えを行うものであってもよい。なお、かかる入力手段は、車両のステアリング等に配設することが可能である。
なお前記各実施形態では、カスタマイズモードへの移行後に入力手段211の所定入力により「設定項目の選択」及び「設定内容の登録」を行うものであったが、カスタマイズモードへ移行するための1個のスイッチを用意し、この単一のスイッチによりカスタマイズモードへの移行及び前記カスタマイズモードでの各種設定、登録を行うものであってもよい。具体的には、単一のスイッチを用い、短い時間の押圧操作で「通常モードとカスタマイズモードとの切り換え」及び「設定項目の選択」を行い、各設定項目においては短い時間の押圧操作で複数の設定内容を順次切り換えながら表示部101で表示し、利用者の所望の前記設定内容が表示された時点で長い時間の押圧操作で設定内容の登録を行い、その後の短い時間の押圧操作で次の設定項目へ移り、以下同様な操作を繰り返すことにより、単一のスイッチによる「通常モードとカスタマイズモードとの切り換え」、「設定項目の選択」及び「設定内容の登録」を行うことができ、また、他の「通常モードとカスタマイズモードとの切り換え」、「設定項目の選択」、「設定内容の入力」、「設定内容のプレビュー」及び「設定内容の登録」にあっては、音声入力手段を備え、この音声入力手段を介して音声入力により指示することも可能である。
本発明は、聴覚情報提供手段を利用した車両用情報提供装置に関し、車両情報を表示する車両用メータのみならず、車両に搭載されるナビゲーション装置やマルチディスプレイ装置等の車両用情報提供装置にも適用可能である。
本発明の第1実施形態による車両用情報提供装置の概観図である。 同実施形態による車両用情報提供装置のブロック図である。 (a)は同実施形態によるカスタマイズモードを示す図であり、(b)は同実施形態によるカスタマイズモードの記憶状態を示す図である。 (a)〜(c)は、同実施形態によるスピーカが発する音の音圧ー周波数特性を示す図である。 (a)は同実施形態による他のカスタマイズモードを示す図であり、(b)は同実施形態による他のカスタマイズモードの記憶状態を示す図である。 本発明の第2実施形態による車両用情報提供装置のブロック図である。
符号の説明
100 車両用情報提供装置
101 表示部
202 制御手段
203 第1の記憶手段
204 第2の記憶手段(記憶手段)
210 設定手段(カスタマイズモード設定端子)
211 入力手段(入力端子)
212 車両情報端子
213 多重通信入出力手段(多重通信入出力端子)
220 キーレスエントリ装置
230 多重通信ライン
240 聴覚情報提供手段
250 音/音声合成手段
260 ミキシング手段
270 アンプ
280 スピーカ

Claims (3)

  1. 車両情報を含む聴覚情報を利用者に提供する聴覚情報提供手段と、前記聴覚情報に関する各種設定を登録するカスタマイズモードを有する制御手段と、前記カスタマイズモードにおける前記各種設定の内容を定めるための入力手段と、前記各種設定の内容を登録するための記憶手段とを備えた車両用情報提供装置において、
    前記記憶手段に登録される前記各種設定の内容には、前記利用者の聴覚特性に関する項目が含まれてなることを特徴とする車両用情報提供装置。
  2. 前記利用者の聴覚特性に関する項目は、前記聴覚情報における低音域、高音域の強調に関する項目、もしくは前記聴覚情報における再生速度に関する項目を備えてなることを特徴とする請求項1記載の車両用情報提供装置。
  3. 前記聴覚情報が複数種用意され、前記項目の選択は、前記複数の聴覚情報が共通の聴覚特性を有するように一括して選択可能に構成されることを特徴とする請求項1記載の車両用情報提供装置。
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