(第1実施形態)以下、添付図面に基づいて本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、車両用情報提供装置100の概観図を示すものである。車両用情報提供装置100は、例えば車両用メータからなり、車両情報を含む各種情報を視覚情報として表示する表示部101と、エンジン回転数をアナログ表示する回転計102と、タンク内燃料量をアナログ表示する燃料計103と、エンジン冷却水の温度をアナログ表示する温度計104とを備えている。
表示部101は、例えばTFT等の液晶表示装置(LCD)からなる電子式表示パネルが用いられ、車速や走行距離、図示しない各種センサからの検出情報や同じく図示しないスイッチからの状態情報等に応じて様々な内容の視覚情報を表示する。
図2は、図1の車両用情報提供装置100のシステム構成を示すブロック図である。その構成としては、車両用情報提供装置100をカスタマイズモードに移行させるための設定手段(カスタマイズモード設定端子)210と、カスタマイズモードの実行時に各種設定内容を設定または選択するための入力手段(入力端子)211と、車両情報の入出力を行う車両情報入力手段(車両情報端子)212及び多重通信入出力手段(多重通信入出力端子)213と、車両インターフェース(車両I/F)手段201と、車両用情報提供装置100の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる制御手段202と、制御手段202の処理プログラムが格納されるとともに、車両の左右両側に各々配設される左ターンシグナルランプ、右ターンシグナルランプのうちどちらか一方の点滅時に作動するターンシグナル作動音もしくは両ランプの同時点滅時に作動する非常点滅作動音を作成(生成)し、ターンシグナル作動音(非常点滅作動音)と各種の警報音(以下、各種警報音という)とを混合するための所定のプログラムが記憶されたROM等からなる第1の記憶手段203と、入力手段211より設定される各種設定を乗員毎に登録可能としたEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリからなる第2の記憶手段204と、各種情報を視覚的に表示する前述した表示部101と、表示部101の表示制御及び各種アナログ式計器(指針式計器)102,103,104の駆動制御を行う駆動手段205と、各種情報を聴覚的に報知するための聴覚情報提供手段240とを有している。
制御手段202は、この場合、後述する記憶部に格納された正弦波データに基づいて任意の周波数を有する正弦波信号を生成することが可能な正弦波生成手段250を備えてなる。かかる正弦波生成手段250は、前記正弦波データを格納してなる記憶部251と、前記正弦波データをアナログ信号に変換するための第1、第2のD/Aコンバータ252、253とを備えてなる。
なお、第1のD/Aコンバータ252から出力される前記アナログ信号(ターンシグナル作動音あるいは非常点滅作動音)は、フィルタ241の後述する第1のフイルタに出力されてなり、また第2のD/Aコンバータ253から出力される前記アナログ信号(各種警報音の1つである後述するリバース警報音)は、フィルタ241の後述する第2のフイルタに出力されてなる。
また聴覚情報提供手段240は、制御手段202にて生成されるターンシグナル作動音(または非常点滅作動音)と各種警報音のそれぞれに対して可聴域の周波数帯域(20Hz〜20kHz)を通過させるための複数個のフィルタ241と、各フィルタ241を通過するターンシグナル作動音及び各種警報音を混合するミキシング手段242と、このミキシング手段242からの出力信号を増幅するアンプ243と、このアンプ243からの増幅信号を出力する単一のスピーカ244とで構成されてなる。
かかる聴覚情報提供手段240は、後述するハザードスイッチ(またはターンシグナルスイッチ)の操作に係わる操作入力情報や、各種警報に係わる情報(つまり前記操作入力情報とは異なる他の情報)を含む車両の各種状態を聴覚にて報知する。
なお、本実施形態の場合、フィルタ241は、ターンシグナル作動音(または非常点滅作動音)に対応するよう設けられた第1のフイルタ241aと、前記リバース警報音に対応するよう設けられた第2のフイルタ241bと、前記各種警報音の1つである後述するバックソナー警報音に対応するよう設けられた第3のフイルタ241cと、前記各種警報音の1つである後述するコーナセンサ警報音に対応するよう設けられた第4のフイルタ241dとを有してなる。
ここで、前記バックソナー警報音は、制御手段202に備えられた第1の矩形波生成手段260によって、任意の周波数を有する矩形波信号となり第3のフイルタ241cに出力されてなり、前記コーナセンサ警報音は、制御手段202に備えられた第2の矩形波生成手段261によって、任意の周波数を有する矩形波信号となり第4のフイルタ241dに出力されてなる。
一方、車両用情報提供装置100は、乗員(利用者)識別手段であるキーレスエントリ装置220の送信機221及び受信機222と、オーディオ223と、車両の車庫入れや縦列駐車等の際、障害物を検知して報知するバックソナー装置224、コーナーセンサ装置225等の障害物警報装置とが多重通信ライン230を介して接続されてなる。
次に、図2,図3に基づいて車両用情報提供装置100の動作について説明する。図3は、聴覚情報提供手段240により発せられるターンシグナル作動音(または非常点滅作動音)とこれ以外の各種警報音の時間毎の音圧例を示すものである。
具体的には、制御手段202は、時刻t1において車両情報端子212(もしくは多重通信入出力端子213)を介して、ハザードスイッチがオンされた状態の信号(つまり前記ハザードスイッチのオン操作に応じた操作入力情報)を受信すると、前記左ターンシグナルランプ及び前記右ターンシグナルランプの同時点滅により作動する作動音(非常点滅作動音)を正弦波生成手段250によって生成し、この作動音を第1のフィルタ241a、ミキシング手段242、アンプ243を介してスピーカ244に出力する。このとき、制御手段202は、前記操作入力情報以外の他の情報を受信していないため、音圧a1に設定された所定の正弦波信号である非常点滅作動音(a1は音圧の大きさを示す)のみがスピーカ244から発せられる。
また制御手段202は、時刻t2において車両情報端子212(もしくは多重通信入出力端子213)を介して、自動変速機のセレクトレバーがリバースに操作された状態の信号(前記他の情報)を受信すると、リバース警報音(周波数f1を有する正弦波信号)を正弦波生成手段250によって生成し、このリバース警報音を第2のフィルタ241b、ミキシング手段242、アンプ243を介してスピーカ244に出力する。
この際、ミキシング手段242は、リバース警報音と既に入力されている非常点滅作動音とを混合して、音圧a1の非常点滅作動音と音圧a2に設定された正弦波信号であるリバース警報音(a2は音圧の大きさを示す)とのミキシング音をアンプ243を介してスピーカ244で鳴動(吹鳴)させる。なお、本実施形態では、リバース警報音の音圧a2が、非常点滅作動音の音圧a1よりも大きい値に設定されているものとする。
また制御手段202は、時刻t3において多重通信入出力端子213(もしくは車両情報端子212)を介して、バックソナー装置224からの警報指示信号(前記他の情報)を受信すると、バックソナー警報音(周波数f2を有する矩形波信号)を第1の矩形波生成手段260によって生成し、このバックソナー警報音を第3のフィルタ241c、ミキシング手段242、アンプ243を介してスピーカ244に出力する。
このとき、制御手段202は、非常点滅作動音、リバース警報音、バックソナー警報音の優先度を判断するような制御を行う。制御手段202は、このように非常点滅作動音とこれ以外の各種警報音とが同時に発生した場合において、前記作動音及び各種警報音の優先度を予め定めておくものであり、本実施形態においては、バックソナー警報音の優先度が高いと判断し、バックソナー警報音の音圧を音圧a2に設定し、非常点滅作動音の音圧を音圧a1から音圧a3(a3は音圧の大きさを示す)へミュートする(音圧a3<音圧a1とする)とともにリバース警報音の音圧を音圧a2から音圧a4(a4は音圧の大きさを示す)へミュートする(音圧a4<音圧a2とする)。
ミキシング手段242は、この時刻t3においてバックソナー警報音と既に入力されている非常点滅作動音並びにリバース警報音を混合して、音圧a3の非常点滅作動音、音圧a4のリバース警報音、音圧a2のバックソナー警報音のミキシング音をアンプ243を介してスピーカ244で鳴動させる。なお、時刻t3における各音圧a3,音圧a4,音圧a2の合計は、時刻t2における音圧a1,音圧a2の合計と略等しくなるようにミキシング処理するものである。
また制御手段202は、時刻t4において多重通信入出力端子213(もしくは車両情報端子212)を介して、コーナセンサ装置225からの警報指示信号(前記他の情報)を受信すると、コーナセンサ警報音(周波数f3を有する矩形波信号)を第2の矩形波生成手段261によって生成し、このコーナセンサ警報音を第4のフィルタ241d、ミキシング手段242、アンプ243を介してスピーカ244に出力する。
このとき、制御手段202は、非常点滅作動音、リバース警報音、バックソナー警報音並びにコーナセンサ警報音の優先度を判断するような制御を行う。制御手段202は、前記作動音及び各種警報音の優先度を予め定めておくものであり、本実施形態においてはバックソナー警告音とコーナセンサ警報音の優先度が高いと判断し、非常点滅作動音とリバース警報音のミュートを継続する。具体的には、優先度の高いバックソナー警報音の音圧を音圧a5に設定し、同様に優先度の高いコーナセンサ警報音の音圧を音圧a5と略等しい音圧a6に設定し、非常点滅作動音の音圧を音圧a3(音圧a3<音圧a5)、リバース警報音の音圧を音圧a4(音圧a4<音圧a5)にそれぞれ維持する。
ミキシング手段242は、この時刻t4においてコーナセンサ警報音と既に入力されている非常点滅作動音、リバース警報音並びにバックソナー警報音を混合して、音圧a3の非常点滅作動音、音圧a4のリバース警報音、音圧a5のバックソナー警報音、音圧a6のコーナセンサ警報音のミキシング音をアンプ243を介してスピーカ244で鳴動させる。なお、時刻t4における各音圧a3,音圧a4,音圧a5,音圧a6の合計は、時刻t2における音圧a1,音圧a2の合計と略等しく、且つ時刻t4における音圧a5,音圧a6の合計は、時刻t2(時刻t3)における音圧a2と略等しくなるようにミキシング処理するものである。
また制御手段202は、時刻t5において多重通信入出力端子213(もしくは車両情報端子212)を介して、バックソナー装置224からの警報解除指示信号を受信すると、周波数f2を有する矩形波信号であるバックソナー警報音のミキシング手段242への出力をやめる。
このとき、制御手段202は、非常点滅作動音、リバース警報音、コーナーセンサ警報音の優先度を判断する。制御手段202は、前記作動音及び各種警報音の優先度を予め定めておくものであり、本実施形態においては、コーナーセンサ警報音の優先度が高いと判断し、コーナーセンサ警報音の音圧を音圧a2に設定するとともに、非常点滅作動音とリバース警報音のミュートを継続する(非常点滅作動音の音圧を音圧a3、リバース警報音の音圧を音圧a4にそれぞれ維持する)。
ミキシング手段242は、この時刻t5において既に入力されている非常点滅作動音、リバース警報音並びにコーナセンサ警報音を混合して、音圧a2のコーナーセンサ警報音、音圧a3の非常点滅作動音、音圧a4のリバース警報のミキシング音をアンプ243を介してスピーカ244で鳴動させる。
また制御手段202は、時刻t6において車両情報端子212または多重通信入出力端子213を介して、前記セレクトレバーのリバース操作解除指示信号並びにコーナセンサ装置224からの警報解除指示信号を受信すると、周波数f1を有する正弦波信号であるリバース警報音、並びに周波数f3を有する矩形波信号であるコーナセンサ警報音のミキシング手段242への出力をやめる。
このとき、制御手段202は、前記操作入力情報以外の前記他の情報を受信していないため、継続されていた非常点滅作動音のミュートを解除し、時刻t1での音圧a1に相当する前記所定の正弦波信号である非常点滅作動音のみが、ミキシング手段242、アンプ243を介してスピーカ244から発せられる。
また制御手段202は、時刻t7において車両情報端子212(もしくは多重通信入出力端子213)を介して、前記ハザードスイッチのオフされた状態の信号を受信すると、ミキシング手段242への非常点滅作動音の出力をやめる。ここでは、制御手段202は、前記操作入力情報並びに前記他の情報を受信していないため、非常点滅作動音とこれ以外の他の警報音のスピーカ244での出力は行われないことになる。
次に、図2、図4、図5を用いて、ターンシグナル作動音とリバース警報音の作成例について説明する。制御手段202は、正弦波生成手段250に備えられる記憶部251に格納された正弦波データを用いて、任意の周波数を有する正弦波信号であるターンシグナル作動音(または非常点滅作動音)やリバース警報音を生成し、これら作動音やリバース警報音を対応する第1、第2のフィルタ241a、241bに各々出力してなる。
以下、図2、図4を用いて、ターンシグナル作動音の作成例について説明する。制御手段202は、前記ターンシグナルスイッチまたは前記ハザードスイッチのオン操作に応じて、オン時間t401とオフ時間t402の繰り返し2値信号により点滅するターンシグナルランプ(ターンシグナルスイッチ操作の場合は前記左、右ターンシグナルランプのうちどちらか一方のランプの点滅、ハザードスイッチ操作の場合は両ランプの同時点滅)に同期して、正弦波生成手段250を用いてターンシグナル作動音を作成し、これを正弦波(つまり、前記正弦波信号)として聴覚情報提供手段240(第1のフィルタ241a)に出力するものである。そして、図4では、ターンシグナル作動音の一例として、作動音a、作動音bを示している。
作動音aは、前記ターンシグナルスイッチが利用者によりオン操作されたとき、前記ターンシグナルランプのオン時間t401並びにオフ時間t402において、ともに周波数f41a、f42a、f43aの順に、それぞれ時間t41a、t42a、t43aで出力される正弦波からなる。
ここで、正弦波生成手段250における記憶部251には、f41a、f42a、f43aの各周波数に応じた正弦波データが各々格納されてなり、これらを再生することで前記正弦波(この場合、周波数f41a、f42a、f43aに各々対応した3つの正弦波)が生成される。
なお、1つの周波数(例えば周波数f41a)に対応する正弦波データのみを記憶部251に格納しておき、再生速度を変えることで他の周波数(この場合、周波数f41b、41c)に対応する正弦波データを生成し、これにより前記3つの正弦波を生成することも可能である。
また、各波形(前記3つの正弦波)の振幅は全てA1とし、かかる個々の振幅A1は、制御手段202の指示によりミキシング手段242にて調整可能となっている。このことは、ミキシング手段242にて周波数f41a、f42a、f43a毎に振幅A1の値を変化させてもよいことを意味してなる。
そして、例えば500Hz〜20kHzの範囲内となる複数個の周波数(周波数f41a、f42a、f43a)の組み合わせにより作動音aが生成されると、かかる作動音aは、第1のフィルタ241a、ミキシング手段242並びにアンプ243を経て、スピーカ244から前記リレー打音と略同等なターンシグナル作動音として発せられる。
他方、作動音bは、前記ターンシグナルスイッチが利用者によりオン操作されたとき、前記ターンシグナルランプのオン時間t401並びにオフ時間t402において、ともに周波数f41b、時間t41bで出力される単一の正弦波からなる。
ここで、正弦波生成手段250における記憶部251には、f41bの周波数に応じた正弦波データが格納されてなり、これを再生することで前記単一の正弦波(この場合、周波数f41bに対応した1つの正弦波)が生成される。
また、前記単一の正弦波の振幅はB1とし、かかる振幅B1は、制御手段202の指示によりミキシング手段242にて調整可能となっている。なお、本実施形態の場合、作動音bは、作動音aに対して、波形の周波数、時間、振幅がそれぞれ異なっているものとする。
そして、周波数f41b(例えば3kHzの周波数)により作動音bが生成されると、かかる作動音bは、作動音aと同様に第1のフィルタ241a、ミキシング手段242並びにアンプ243を経て、スピーカ244から前記リレー打音とは異なるターンシグナル作動音(例えば「ピッピッピッ・・・」なるターンシグナル作動音)として発せられる。つまり、この場合、利用者は、利用者の好みに応じて、前記カスタマイズモードにより作動音aもしくは作動音bを選択的に聴取することができる。
以下、図2、図5を用いて、リバース警報音の作成例について説明する。制御手段202は、車両情報端子212(もしくは多重通信入出力端子213)を介して、自動変速機のセレクトレバーがリバースに操作された状態の信号(前記他の情報)を受信すると、リバース警報音(後述する周波数f51、f52bを有する正弦波信号)を正弦波生成手段250を用いて生成し、かかるリバース警報音を正弦波として聴覚情報提供手段240(第2のフィルタ241b)に出力するものである。そして、図5では、リバース警報音の一例として、警報音c、警報音dを示している。
警報音cは、前記セレクトレバーが利用者によりリバースに操作されたとき、周波数f51、繰り返し時間t501で出力される正弦波からなる。ここで、正弦波生成手段250における記憶部251には、f51の周波数に応じた正弦波データが格納されてなり、これを再生することで周波数f51に対応した正弦波が生成される。
また、この場合、波形のエンベロープ(つまり波形の振幅の変化)は、制御手段202の指示によりミキシング手段242にて調整可能となっている。そして、周波数f51(例えば4kHzの周波数)により警報音cが生成されると、かかる警報音cは、第2のフィルタ241b、ミキシング手段242並びにアンプ243を経て、スピーカ244から発せられる。
他方、警報音dは、前記セレクトレバーが利用者によりリバースに操作されたとき、周波数f52、繰り返し時間t502で出力される正弦波からなる。ここで、正弦波生成手段250における記憶部251には、f52の周波数に応じた正弦波データが格納されてなり、これを再生することで周波数f52に対応した正弦波が生成される。
また、この場合、波形のエンベロープ(つまり波形の振幅の変化)は、制御手段202の指示によりミキシング手段242にて調整可能となっている。なお、本実施形態の場合、警報音dは、警報音cに対して、波形の周波数、時間、振幅がそれぞれ異なっているものとする。
そして、周波数f52(例えば1kHzの周波数)により警報音dが生成されると、かかる警報音dは、第2のフィルタ241b、ミキシング手段242並びにアンプ243を経て、スピーカ244から発せられる。つまり、この場合、利用者は、利用者の好みに応じて、前記カスタマイズモードにより警報音cもしくは警報音dを選択的に聴取することができる。
かかる実施形態によれば、ターンシグナル作動音やリバース警報音が、制御手段202に備えられた正弦波生成手段250により正弦波として生成されてなる構成としたから、利用者が、ターンシグナル作動音やリバース警報音を聴取するにあたって、高調波成分を何ら含まないターンシグナル作動音やリバース警報音を聴取することが可能となる。
また、ターンシグナル作動音として前述した作動音a、作動音bを同一の第1のフィルタ241aを介してスピーカ244から選択的に吹鳴可能な構成とした場合、具体的には、例えば図4における作動音aを構成する周波数f41a、f42a、f43aをそれぞれ1kHz、5kHz、10kHzとし、作動音bを構成する周波数f41bを3kHzとして、両作動音を同一の第1のフィルタ241aを介してスピーカ244から選択的に吹鳴可能な構成とした場合について以下、説明する。
かかる構成の場合、従来のように矩形波にて前記両作動音を生成すると、周波数f41a、f42a、f43aを有する作動音aの高調波成分を除去すべく、1kHz〜10kHzの周波数帯域を通過させるような周波数通過域特性を第1のフィルタ241aに持たせたとしても、周波数f41b(3kHz)を有する作動音bの3倍の高調波成分が第1のフィルタ241aを通過してしまい、これにより作動音bが、高調波成分を含む耳障りな音としてスピーカ244から発せられることになる。
これに対し、本実施形態では、前記両作動音を矩形波ではなく、正弦波生成手段250を使って正弦波にて各々生成していることで、前記両作動音が、高調波成分を含まない音としてスピーカ244から選択的に発せられる構成となる。また、従来の技術では、前記両作動音をスピーカ244から選択的に吹鳴させる際に、高調波成分を除去するために個々の作動音毎に周波数通過域を定めるためのフィルタが必要(つまり、フィルタが複数個必要)であったが、本実施形態では、1つのフィルタ(第1のフィルタ241a)のみで、利用者が前記両作動音を高調波成分のない音として各々聴取することができるため、聴覚情報提供手段の構成(フィルタの構成)が簡素化されるというメリットがある。
さらに、リバース警報音として前述した警報音c、警報音dを同一の第2のフィルタ241bを介してスピーカ244から選択的に吹鳴可能な構成とした場合、具体的には、例えば図5における警報音cを構成する周波数f51を4kHzとし、警報音dを構成する周波数f52を1kHzとして、両警報音を同一の第2のフィルタ241bを介してスピーカ244から選択的に吹鳴可能な構成とした場合について以下、説明する。
かかる構成の場合、従来のように矩形波にて前記両警報音を生成すると、周波数f51を有する警報音cの高調波成分を除去すべく、4kHzの周波数帯域を通過させるような周波数通過域特性を第2のフィルタ241bに持たせたとしても、周波数f52(1kHz)を有する警報音dの3倍の高調波成分が第2のフィルタ241bを通過してしまい、これにより警報音dが、高調波成分を含む耳障りな音としてスピーカ244から発せられることになる。
これに対し、本実施形態では、前記両警報音を矩形波ではなく、正弦波生成手段250を使って正弦波にて各々生成していることで、前記両警報音が、高調波成分を含まない音としてスピーカ244から選択的に発せられる構成となる。また、従来の技術では、前記両警報音をスピーカ244から選択的に吹鳴させる際に、高調波成分を除去するために個々のリバース警報音毎に周波数通過域を定めるためのフィルタが必要(つまり、フィルタが複数個必要)であったが、本実施形態では、1つのフィルタ(第2のフィルタ241b)のみで、利用者が前記両警報音を高調波成分のない音として各々聴取することができるため、聴覚情報提供手段の構成(フィルタの構成)が簡素化されるというメリットがある。
(第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態を図6に基づいて説明するが、前述の第1実施形態と同一もしくは相当個所には同一の符号を用いてその詳細な説明は省略する。本第2実施形態が、前記第1実施形態と異なる点は、正弦波生成手段250が、制御手段202ではなく、聴覚情報提供手段240に備えられている点である。具体的には、かかる本第2実施形態による正弦波生成手段250は、聴覚情報提供手段240における第1、第2のフィルタ241a、241bの入力側に設けられてなる。
そして、この正弦波生成手段250を作動させるための作動指示信号が、制御手段202から出力され、正弦波生成手段250に入力されると、前記第1実施形態と同様に正弦波生成手段250は、正弦波からなるターンシグナル作動音やリバース警報音を生成してなる。このうち、正弦波からなるターンシグナル作動音は、第1のD/Aコンバータ252を経て第1のフィルタ241aへと出力され、また正弦波からなるリバース警報音は、第2のD/Aコンバータ253を経て第2のフィルタ241bへと出力されてなる。
かかる第2実施形態においても、ターンシグナル作動音やリバース警報音が、正弦波生成手段250により正弦波として生成されてなる構成としたから、利用者が、ターンシグナル作動音やリバース警報音を聴取するにあたって、高調波成分を何ら含まないターンシグナル作動音やリバース警報音を聴取することが可能となり、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また前記各実施形態では、正弦波生成手段250によって生成された正弦波からなるリバース警報音が、第2のD/Aコンバータ253から第2のフィルタ241bへと出力されてなる例について説明したが、例えば第2のD/Aコンバータ253から第2のフィルタ241bへと出力される正弦波からなる警報音としては、バックソナー警報音やコーナーセンサ警報音以外のあらゆる警報音を採用することが可能であり、例えば利用者がシートベルトを装着していないとき報知されるシートベルト未装着警報音や、利用者がパーキングブレーキを解除していないとき報知されるパーキングブレーキ未解除警報音を採用することができる。
また前記各実施形態では、第2のフィルタ241bを通り、スピーカ244から選択的に出力可能なリバース警報音として互いに周波数の異なる警報音cと警報音dとを用いた例について説明したが、例えばこれら両警報音のうち何れか一方をリバース警報音とし、他方をリバース警報音とは異なる他の警報音(前記シートベルト未装着警報音または前記パーキングブレーキ未解除警報音)とすることも可能である。
なお前記各実施形態では、制御手段202が、ターンシグナル作動音(非常点滅作動音)及び各種の警報音の優先度に応じて各音の音圧を制御するものであったが、例えばEEPROMやフラッシュメモリ等からなる第2の記憶手段204に優先度に応じた前記各音の音圧を制御するための所定のプログラムを記憶させ、利用者がスイッチ等の設定手段を用いて前記各音の音圧の大きさを自由に設定できるようにすることで、利便性を向上させることができる。