JP2009093169A - 熱可塑性樹脂製位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂製位相差フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】傷が少なくかつ光軸や位相差のばらつきの少ない熱可塑性樹脂製位相差フィルムの提供
【解決手段】各ノズル20のスリット20aから噴き出させた熱風を吹き付けて熱可塑性樹脂製フィルムFを加熱及びフローティングさせると共に、ニップロール30A,30B,32A,32Bの回転速度を互いに異ならせることにより熱可塑性樹脂製フィルムFを縦延伸する工程を含む。各ノズル20のスリット20aは熱可塑性樹脂フィルムFの幅方向に延在し、各ノズルの各スリットについて、スリットから噴き出される熱風の風速A(m/s)と、該スリットのスリット幅B(m)との積をC(m/s)とし、一本のノズルに設けられている全スリットについてのCの総和をQとし、各ノズルについて、Qが3×10−2/s〜1×10−1/s、かつ、各スリットから噴出される熱風の風速Aが2m/s〜15m/sである。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂製位相差フィルムの製造方法に関する。
熱可塑性樹脂製の位相差フィルムは、種々の分野に用いられている。例えば、液晶表示装置の表示部には、視野角を改善するために延伸された熱可塑性樹脂製位相差フィルムが用いられている。通常、このような熱可塑性樹脂製位相差フィルムは、液晶セルと偏光板との間に配置され、屈折率の差により位相差をつくることによって、液晶表示装置表示部の視野角を向上させている。
熱可塑性樹脂製位相差フィルムとしては、ポリカーボネート樹脂や環状オレフィン系重合体樹脂をフィルムにし、該フィルムを更に延伸して得られた位相差フィルムが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。しかしながら、これらの原料樹脂は高価であるため、安価なプラスチック材料からなる熱可塑性樹脂製位相差フィルムの開発が要望されている。
例えば、特許文献3には、ポリオレフィン樹脂からなる熱可塑性樹脂製位相差フィルムが記載されている。特許文献3に依れば、この位相差フィルムは、長さ方向におかれた周速の異なる2以上のロール間で熱可塑性樹脂製フィルムの縦延伸を行ない、その後、テンター法によりさらに横延伸を行うことにより製造される。また、特許文献4には、キャスト法により作製された種々の熱可塑性樹脂製フィルムを延伸するための条件について開示されている。
特開平07−256749号公報 特開平05−2108号公報 特公昭53−11228号公報 特開平11−142644号公報
しかしながら、従来の縦延伸方法により得られた熱可塑性樹脂製位相差フィルムは、フィルム幅方向の配向が不均一であって位相差にムラがあったり、光軸にムラがあったりし、さらに、フィルムに傷が多く、位相差フィルムとして適したものではない。
本発明の目的は、傷が少なく、かつ、光軸や位相差のばらつきの少ない熱可塑性樹脂製位相差フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明は、複数のノズルをそれぞれ有する一対のノズル列を、ノズルが千鳥状に配列されるように、互いにずれて対向配置したオーブン内において、ノズル列の間を搬送される熱可塑性樹脂製フィルムに対して各ノズルの1又は複数のスリットから噴き出させた熱風を吹き付けて熱可塑性樹脂製フィルムを加熱及びフローティングさせると共に、オーブンの前後にそれぞれ配置されて熱可塑性樹脂製フィルムをそれぞれ挟むニップロールの回転速度を互いに異ならせることにより熱可塑性樹脂製フィルムを縦延伸する工程を含む。
そして、この工程において、各ノズルのスリットは熱可塑性樹脂フィルムの幅方向に延在し、各ノズルの各スリットについて、スリットから噴き出される熱風の風速A(m/s)と、当該スリットのスリット幅B(m)との積をC(m/s)とし、一本のノズルに設けられている全てのスリットについてのCの総和をQとすると、
各ノズルについて、Qが3×10−2/s以上1×10−1/s以下であり、
かつ、各スリットから噴き出される熱風の風速Aが2m/s以上15m/s以下である。
ここで、熱可塑性樹脂製フィルムを1.5倍以上3.0倍以下に縦延伸することが好ましい。
また、熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であること、特に、ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。
本発明によれば、傷が少なく、かつ、高い軸精度と均一な位相差を有する熱可塑性樹脂製位相差フィルムを得ることができる。また本発明の方法で製造された位相差フィルムは、特に大型液晶テレビなどの大画面の液晶ディスプレイに用いられても、光学的な不均一性に由来する位相差や光軸のムラがなく視野角依存性を改善する効果に優れるものである。さらに軸精度が高く、均一な位相差を有する前記位相差フィルムを備える本発明の液晶表示装置は、視野角特性および耐久性に優れるものである。
以下、場合により図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(熱可塑性樹脂製フィルム)
まず、本実施形態に係る熱可塑性樹脂製位相差フィルムの製造方法に用いられる原反フィルムとしての熱可塑性樹脂製フィルムについて説明する。本発明にかかる熱可塑性樹脂製フィルムは、熱可塑性樹脂からなる平板状のフィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン系重合体樹脂等が挙げられる。
本実施形態においては、特に、低コスト性に優れたポリオレフィン系樹脂が好ましい。このポリオレフィン系樹脂は、2種類以上の異なるポリオレフィン系樹脂の混合物であってもよいし、上述したポリオレフィン系樹脂の熱量特性を損なわない程度であれば、他の樹脂や添加剤を適宜含有してもよい。
ここで、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられるが、特に、低コスト性に優れたポリプロピレン系樹脂が好ましい。
本実施形態のポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のモノマーとプロピレンとの共重合体である。また、これらの混合物であってもよい。
前記α−オレフィンとしては、具体的には、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、2−エチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、2−プロピル−1−ヘプテン、2−メチル−3−エチル−1−ヘプテン、2,3,4−トリメチル−1−ペンテン、2−プロピル−1−ペンテン、2,3−ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタダセン、1−オクタテセン、1−ノナデセンなどが挙げられ、前記したα−オレフィンのうち、炭素原子数4〜12のα−オレフィンが好ましい。
特に共重合性の観点から、より好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンである。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン・エチレン共重合体またはプロピレン・1−ブテン共重合体であることが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂が、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のモノマーとプロピレンとの共重合体である場合、該共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
プロピレン系ランダム共重合体としては、プロピレンとエチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のα−オレフィンとを共重合して得られるプロピレン系ランダム共重合体が挙げられる。炭素原子数4〜20個を有するα−オレフィンとしては、前記したモノマーを挙げることができ、より好ましくは、前記した炭素原子数4〜12のα−オレフィンである。
前記プロピレン系ランダム共重合体の例としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体等が挙げられる。より具体的には、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム共重合体等が挙げられ、プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテンランダム共重合体等が挙げられ、好ましくはプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセンランダム共重合体である。
ポリプロピレン系樹脂が共重合体である場合、該共重合体におけるコモノマー由来の構成単位の含量は、透明性と耐熱性のバランスの観点から、0重量%を超え40重量%以下が好ましく、0重量%を超え30重量%以下がより好ましく、さらに好ましくは0重量%を超え10重量%以下である。なお、2種類以上のコモノマーとプロピレンとの共重合体である場合には、該共重合体に含まれる全てのコモノマー由来の構成単位の合計含量が、前記範囲であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重21.18Nで測定される値で通常0.1〜200g/10分であり、好ましくは0.5〜50g/10分である。MFRがこのような範囲のプロピレン系重合体を用いることにより、縦延伸および横延伸時のフィルムの垂れさがりが少なくなり、均一に延伸しやすい。
ポリプロピレン系樹脂の分子量分布は、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比で定義され、通常1〜20である。MnおよびMwは、溶媒に140℃のo−ジクロロベンゼンを用い、標準サンプルにポリスチレンを用いるGPCによって測定される。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、通常120〜170℃である。なお前記融点は、示差走査型熱量計(DSC)によって測定された融解曲線において最高強度のピークが現われている温度で定義され、ポリプロピレン系樹脂のプレスフィルム10mgを、窒素雰囲気下で230℃で5分間熱処理後、降温速度10℃/分で30℃まで冷却して30℃において5分間保温し、さらに30℃から230℃まで昇温速度10℃/分で加熱した際の融解ピーク温度である。
ポリプロピレン系樹脂の製造方法としては、公知の重合用触媒を用いてプロピレンを単独重合する方法や、エチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のモノマーとプロピレンとを共重合する方法が挙げられる。
公知の重合触媒としては、例えば、
(1)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分等からなるTi−Mg系触媒、
(2)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分とを組み合わせた触媒系、
(3)メタロセン系触媒等が挙げられる。
プロピレン系重合体の製造に用いる触媒系としては、これらの中で、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と電子性供与性化合物とを組み合わせた触媒系が最も一般的に使用できる。より具体的には、有機アルミニウム化合物としては、好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物およびテトラエチルジアルモキサンが挙げられ、電子供与性化合物としては、好ましくはシクロヘキシルエチルジメトキシシラン、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランが挙げられる。マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分としては例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報等に記載された触媒系が挙げられる。メタロセン触媒としては例えば、特許第2587251号、特許第2627669号、特許第2668732号に記載された触媒系が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂の製造に用いる重合方法としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素化合物に代表される不活性溶剤を用いる溶剤重合法、液状のモノマーを溶剤として用いる塊状重合法、気体のモノマー中で行う気相重合法等が挙げられ、好ましくは塊状重合法または気相重合法である。これらの重合法は、バッチ式であってもよく、連続式であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂の立体規則性は、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチックのどの形式であってもよい。ポリプロピレン系樹脂は、耐熱性の点からシンジオタクチック、あるいはアイソタクチックのプロピレン系重合体であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、分子量やプロピレン由来の構成単位の割合、タクチシティーなどが異なる2種類以上のポリプロピレン系ポリマーのブレンドでもよいし、ポリプロピレン系ポリマー以外のポリマーや添加剤を適宜含有してもよい。
ポリプロピレン系樹脂が含有することができる添加剤の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収材、帯電防止剤、滑剤、造核剤、防曇剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤(HALS)や、1分子中に例えばフェノール系とリン系の酸化防止機構と有するユニットを有する複合型の酸化防止剤などが挙げられる。紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシベンゾフェノン系、ヒドロキシトリアゾール系などの紫外線吸収剤や、ベンゾエート系など紫外線遮断剤などが挙げられる。帯電防止剤は、ポリマー型、オリゴマー型、モノマー型などが挙げられる。滑剤としては、エルカ酸アミド、オレイン酸アミドなどの高級脂肪酸アミドや、ステアリン酸などの高級脂肪酸、及びその金属塩などが挙げられる。造核剤としては、例えばソルビトール系造核剤、有機リン酸塩系造核剤、ポリビニルシクロアルカンなどの高分子系造核剤等が挙げられる。アンチブロッキング剤としては球状、あるいはそれに近い形状の無機又は有機微粒子が使用できる。上記の各添加剤は、複数種を併用してもよい。
熱可塑性樹脂製フィルムとしては、光学的に均質な無配向、あるいは無配向に近いフィルムを用いることが好ましい。具体的には、面内位相差が30nm以下のフィルムを用いることが好ましい。熱可塑性樹脂製フィルムの製造方法としては、熱可塑性樹脂製フィルムの製造コストの観点から押出成形法が好ましい。押出成形法は、熱可塑性樹脂を押出機内で溶融混練した後、Tダイより押し出し、ロールに接触させて冷却固化しながら引き取り、フィルムを得る方法である。この方法で製造されたフィルムがそのまま熱可塑性樹脂製フィルムとして本発明の方法に使用される。
熱可塑性樹脂製フィルムをTダイ押出成形法で製造するとき、Tダイより押し出された溶融体を冷却し固化させる方法としては、キャスティングロールとエアーチャンバーを用いて冷却する方法、キャスティングロールとタッチロールにより挟圧する方法、キャスティングロールと、該キャスティングロールにその周方向に沿って圧接するよう設けられた金属製の無端ベルトとの間で挟圧する方法などが挙げられる。冷却にキャスティングロールを用いる場合には、透明性により優れる位相差フィルムを得るために、使用するキャスティングロールの表面温度は、−15〜30℃であることが好ましく、より好ましくは−15〜15℃である。
キャスティングロールとタッチロールにより挟圧する方法で熱可塑性樹脂製フィルムを製造する場合、ほぼ無配向の熱可塑性樹脂製フィルムを得るために、タッチロールとしては、ゴムロール、または弾性変形可能な金属製無端ベルトからなる外筒と、該外筒の内部に弾性変形可能な弾性体からなるロールとを有し、かつ前記外筒と弾性体ロールとの間が温度調節用媒体により満たされてなる構造のロールを用いることが好ましい。
タッチロールとしてゴムロールを使用する場合は、鏡面状の表面を有する位相差フィルムを得るために、Tダイより押し出された溶融体は、キャスティングロールとゴムロールとの間で支持体とともに挟圧することが好ましい。支持体としては、厚みが5〜50μmの熱可塑性樹脂からなる二軸延伸フィルムが好ましい。
キャスティングロールと、該キャスティングロールにその周方向に沿って圧接するよう設けられた金属製の無端ベルトとの間で挟圧する方法により熱可塑性樹脂製フィルムを成形する場合、無端ベルトは、キャスティングロールの周方向に該キャスティングロールと平行に配置された複数のロールによって保持されていることが好ましい。より好ましくは、無端ベルトが、直径100〜300mmの二本のロールで保持されてなり、無端ベルトの厚みが100〜500μmである。
光学的な均一性により優れる位相差フィルムを得るためには、延伸に供する熱可塑性樹脂製フィルムは厚みムラが小さいことが好ましい。熱可塑性樹脂製フィルムの厚みの最大値と最小値の差は10μm以下であることが好ましく、より好ましくは4μm以下である。
(延伸工程)
本実施形態では、上記の方法等により得られた原反フィルムとしての熱可塑性樹脂製フィルムを、縦延伸のみ、または縦延伸と横延伸を逐次で行うことにより、熱可塑性樹脂製位相差フィルムを得る。逐次延伸を行う場合は、縦延伸を先に行った後で横延伸を行ってもよく、横延伸を先に行った後で縦延伸を行ってもよい。
(縦延伸工程)
本実施形態の縦延伸工程では、上記の熱可塑性樹脂製フィルムを、いわゆるロングスパン延伸法によって縦延伸する。
図1は、本実施形態に係るロングスパン延伸法による縦延伸工程を模式的に示す工程断面図である。
ロングスパン延伸法では、上流側の入口側ニップロール30A、30Bと、下流側の出口側ニップロール32A,32Bと、これらのニップロール間に配置された、複数のノズル20を有するオーブン6と、を主として備える縦延伸機100を用いる。
熱可塑性樹脂製フィルムFは、入口側ニップロール30A,30Bに挟まれた後、好ましくはロール31を介して、オーブン6の入口6aよりオーブン6内を例えば水平搬送される。その後、熱可塑性樹脂製フィルムFは、オーブン6の出口6bから排出され、好ましくはロール33を介して、出口側ニップロール32A,32Bに挟まれた後、後工程に送られる。なお、フィルムの搬送方向は、水平方向とすることが好ましいが、垂直方向でも斜め方向でも構わない。
ニップロールとしては、例えば、表面にゴム層等が形成されたロールや金属ロールを使用できる。
オーブン6は、上流側から、それぞれ独立に温度制御が可能な予熱ゾーン14、延伸ゾーン16、熱固定ゾーン18と、の三つに主として区画されている。そして、熱可塑性樹脂製フィルムFが、主としてフィルムの予熱を行う予熱ゾーン14、主としてフィルムの縦延伸が行われる延伸ゾーン16、及び、縦延伸後のフィルムを所定温度に所定時間維持して位相差や光軸など光学的特性の安定性を効果的に向上させる熱固定ゾーン18を順次通過するように、入口側ニップロール30A,30Bと出口側ニップロール32A,32Bとの間に熱可塑性樹脂製フィルムFが掛け渡されている。なお、オーブン6内が、4つ以上のゾーンに区分けされていてもよく、2つ以下のゾーン、或いは、単一のゾーンとされていてもよい。
オーブン6内の各ゾーン14、16、18には、それぞれ複数のノズル20を有する一対のノズル列21、21が、熱可塑性樹脂製フィルムFを間に挟むように互いに対向して配置されている。具体的には、対向する各ノズル列21は、ノズル20が千鳥状に配置されるように、互いに、熱可塑性樹脂製フィルムFの長手方向(移動方向)にずれて対向配置されている。
各ノズル20は、図2に示すように、その先端部に、熱風の吹き出し口となる一対のスリット20aを、ノズル20の対称軸線aを挟んでフィルムの長手方向に離間して有している。また、各スリット20aは、それぞれ、熱可塑性樹脂製フィルムの幅方向(図2の紙面と垂直な方向)に伸びて開口している。各スリット20aに熱風を供給する流路20bは、それぞれ、対称軸線aから離れた位置から、対称軸線aに近づくように曲がりながらスリット20aに到達するように形成されており、各スリット20aからは、対称軸線aに近づくように傾斜して熱風がそれぞれ排出され、これら2つのガスが合流して、主として、フィルムFに対して略垂直にガスが吹き付けられることとなる。なお、対称軸線aはフィルムFとほぼ垂直になるように配置されている。ここで、図2に示すように、スリット20aの長さ方向(図2の紙面に垂直な方向)と直交する面内において、スリット20aから噴き出されるガスの流れ方向と直交する方向におけるスリット20aの開口幅をスリット幅Bとする。また、図示は省略するが、流路20bの上流には、熱風を供給するガス供給管がそれぞれ接続されている。
本実施形態に係る縦延伸工程を説明する。熱可塑性樹脂製フィルムFは、まず上流側ニップロール30A,30Bにて挟まれたのち、好ましくはロール31により向きが変換されて、オーブン100の予熱ゾーン14、延伸ゾーン16、熱固定ゾーン18を通過し、各ゾーンにおいて、複数のノズル20のスリット20aからの熱風(例えば、空気等)によって加熱されると共に、熱風によって空中にエアフローティングされる。その後、オーブン6から出た熱可塑性樹脂製フィルムFは、好ましくはロール33により向きを変えられた後、下流側ニップロール32A,32Bによって挟まれて後工程に送られる。このとき、出口側ニップロール32A,32Bの回転速度を入口側ニップロール30A,30Bの回転速度よりも早くすることによって、フィルムFに対して縦方向に応力をかけることができ、これにより加熱された熱可塑性樹脂製フィルムの縦延伸をすることができる。
ところで、オーブン6中でノズル20のスリット20aから原反フィルムFに吹き付けられる熱風の風速や風量が高すぎたり低すぎたりすると、熱可塑性樹脂製フィルムFが均一に加熱されなかったり、上下に大きくばたついたりすることにより、延伸による配向が不均一となりやすく、これにより、位相差にムラが生じたり、光軸にムラが生じたり、熱可塑性樹脂製フィルムがノズルと接触して傷が生じたりすることする事が判明した。したがって、そのような状態にしないためには熱風の風速や風量を特定の範囲に制御することが必要である。特に、ポリプロピレン系樹脂フィルムは、ポリカーボネート樹脂や環状オレフィン系重合体樹脂からなる従来よく知られた位相差フィルムの材料とは異なり、延伸可能な温度でのフィルム張力が低いため、このような問題が顕著となる。
そして、本実施形態では、ノズル20の1つのスリット20aから吹き出される熱風の風速Aをそれぞれ2m/s以上15m/s以下とする。当該風速は、光学的な均一性により一層優れる位相差フィルムを得る観点から、2〜11m/sであることが好ましい。さらに、スリット20aから吹き出される熱風の風速A(m/s)と、このスリット20aのスリット幅B(m)との積C(m/s)とし、各ノズル20に設けられた全てのスリットにおけるCの総和をQとするときに、Qを3×10−2(m/s)以上1×10−1(m/s)以下とする。風速Aに関する要件は、全てのスリット20aについて満たされ、Qに関する要件は全てのノズル20に対して満たされる。
このような、風速A,スリット幅B、積C、積Cの和Qの制限を課することにより、厚みムラや位相差ムラがきわめて十分に抑制された位相差フィルムを容易に製造することができる。
上記の風速A,スリット幅B、積C、積Cの和Qの設定により、このような作用効果が得られる理由は明らかでないが、例えば、積Cは、フィルムの幅方向の単位長さあたり各ノズルの各スリットから受ける熱風の流量に対応し、積Cの和Qは、フィルムの幅方向の単位長さ当たりの各ノズルから受ける熱風の流量に対応するので、この流量と風速とが適切な範囲に設定されているからであると考えることができる。風速Aや積Cの和Qが低すぎると、十分に安定にフィルムの位置をノズル列21間の中間位置に固定することができず、フィルムの搬送位置が変動しやすく、温度変動が生じやすく大きな位相差ムラが生じることが考えられる。一方、風速Aや積Cの和Qが高すぎると、フィルムのばたつきが発生しやすく、フィルムがノズルに接触しフィルムに傷が入ったり、光軸のムラが発生したりすることが考えられる。
ここで、風速Aは、例えば、熱線式風速計(アネモマスター)を用いて測定することができる。具体的には、例えば、ノズル20のスリット20aから吹き出される風速は、当該ノズル20のスリット20aのフィルム幅方向の両端から各100mmの点である2点と、その2点間にほぼ等間隔に設定した3点との合計5点について熱線式風速計を用いて測定した値の平均値として求められる。
ここで、各ノズル20のスリット20aから吹き出される熱風の風速はフィルム幅方向において、最大速度と最小速度の差が2m/s以下であることが好ましく、より好ましくは1m/s以下である。
また、スリット20aのスリット幅Bは特に限定されないが、3mm以上とすることが好ましく、より好ましくは3mm以上8mm以下である。
また、各ノズル列21におけるノズル20間の距離は特に限定されないが、300〜600mm程度とすることが好ましい。
また、オーブン6の下方のノズル列21の各ノズル20の上端と、上方のノズル列21の各ノズル20の下端との間隔Dを40mm以上とすることが好ましく、これにより、フィルムFが各ノズル20により一層接触しにくくなり、傷つきが少ない位相差フィルムを得ることができる。また、間隔Dを150mm以下とすることも好ましく、より好ましくは100mm以下であって、これにより、より安定にフィルムの位置をノズル列21間の中間位置に固定することができる。
また、熱可塑性樹脂製フィルムFの延伸温度(すなわち、オーブン6中の雰囲気の温度)は、熱可塑性樹脂フィルムFに含まれる熱可塑性樹脂に応じて適宜選択すればよく特に限定されないが、熱可塑性樹脂製フィルムFに含まれる熱可塑性樹脂が非晶性樹脂の場合、当該熱可塑性樹脂の(Tg−20)〜(Tg+30)℃の温度範囲とすることが好ましい。一方、熱可塑性樹脂が結晶性樹脂の場合、当該熱可塑性樹脂の(Tm−100)〜(Tm+10)℃の温度範囲とすることが好ましい。なお、Tgはガラス転移温度を示し、Tmは融点を示す。オーブンが2ゾーン以上に分かれている場合、それぞれのゾーンの温度設定は同じでもよいし、異なってもよい。各ノズル20のスリット20aから吹き付けられる熱風の温度は、各ゾーンの温度が所定の温度となるように設定される。
さらに、フィルムの幅方向に均一に配向させ、フィルム幅方向に高い光軸精度と均一な位相差を付与するために、ノズル20のスリット20aから噴き出される熱風の温度を、フィルム幅方向において、最大温度と最小温度の差が2℃以下とすることが好ましく、1℃以下とすることがより好ましい。任意の温度において、上記温度差であることが好ましいが、少なくとも、ポリプロピレン系樹脂フィルムを延伸する場合には、熱風の温度が80℃以上170℃以下の任意の温度において、上記温度差であることが好ましい。
熱風の温度は、スリット20aの直近に配置した熱電対を用いて測定することができる。測定する場所は、ノズルから吹き出される熱風の風速を測定する点と同じくフィルム幅方向に例えば計5点とすることができ、5点中の最大温度と最小温度の差が2℃以下となるようにすれば良い。
位相差フィルムは、液晶表示装置に組み込んで使用されるため、異物などの付着がないことが必要である。そのため、上記オーブン6中のクリーン度は清浄度クラス1000以下とすることが好ましい。なお、ここでの「清浄度クラス」は、米国連邦規格(USA FED.STD)209Dにて規定される清浄度クラスをいうものとし、「清浄度クラス1000」とは、空気中に含まれる、粒径が0.5μm以上の微粒子が、1立方フィート(1ft)当たり1000個を超えない雰囲気であることを意味する。ちなみに、米国連邦規格209Dにて規定される清浄度クラス1000は、JIS B 9920「クリーンルームの空気清浄度の評価方法」にて規定される清浄度クラス6に相当する。
縦延伸倍率は、限定はされないが、通常1.01〜3.0倍であり、光学的な均一性により優れる位相差フィルムを得るため、1.5〜3倍であることが好ましい。
縦延伸における入口のニップロール速度は、限定はされないが、通常1〜20m/分であることが好ましく、光学的な均一性により優れる位相差フィルムを得るため、3〜10m/分であることがより好ましい。
縦延伸のオーブンのフィルム長さ方向の全長は、限定はされないが、通常1〜15mであり、光学的な均一性により優れる位相差フィルムが得られるため、2〜10mであることが好ましい。
1ゾーンあたりの全ノズル本数は、限定はされないが、通常5〜30本であり、好ましくは8〜20本である。ノズル本数が多すぎるとフローティングしているフィルムの曲率が大きくなりすぎ、またノズル本数が少なすぎるとフィルムがノズル中央で浮かず(フローティングできず)、好ましくないためである。
また、1つのノズル20当たりのスリット20aの数も2つに限定されず、1つでも、
3つ以上でもよい。また、ノズル20aに到達する流路20bは必ずしも曲線とされている必要は無く、直線でもよい。
(横延伸工程)
横延伸方法としては、テンター法が挙げられる。テンター法は、チャックでフィルム巾方向の両端を固定したフィルムを、オーブン中でチャック間隔を広げて延伸する方法である。テンター法においては、予熱工程を行うゾーン、延伸工程を行うゾーン、熱固定工程を行うゾーンのオーブン温度は独立に温度調節をすることができる装置を使用する。横延伸倍率は、通常、2〜10倍であり、得られる位相差フィルムの光学的な均一性が高いという観点から、4〜7倍であることが好ましい。
横延伸の予熱工程は、熱可塑性樹脂製フィルムを幅方向に延伸する工程の前に設置される工程であり、フィルムを延伸するのに十分な高さの温度まで該フィルムを加熱する工程である。ここで予熱工程での予熱温度は、オーブンの予熱工程を行うゾーン内の雰囲気の温度を意味する。延伸するフィルムがポリプロピレン系樹脂からなるフィルムの場合、ポリプロピレン系樹脂の融点以上であってもよいし、融点以下であってもよい。この場合、通常、得られる位相差フィルムの位相差の均一性を良好にするために、予熱温度は、ポリプロピレン系樹脂の融点よりも10℃低い温度から、ポリプロピレン系樹脂の融点よりも10℃高い温度までの範囲内で設定するのが好ましく、より好ましくはポリプロピレン系樹脂の融点よりも5℃低い温度から、ポリプロピレン系樹脂の融点よりも5℃高い温度までの範囲で設定する。
横延伸の延伸工程は、フィルムを幅方向に延伸する工程である。この延伸工程での延伸温度(これは、オーブンの延伸工程を行うゾーン内の雰囲気の温度を意味する)は予熱温度より低い温度としてもよいし、高い温度でとしてもよいし、同じ温度としてもよい。通常、予熱されたフィルムを予熱工程よりも低い温度で延伸することにより、該フィルムを均一に延伸できるようになり、その結果、位相差の均一性が優れた位相差フィルムが得られるため、延伸温度は、予熱工程における予熱温度より5〜20℃低いことが好ましく、7〜15℃低いことがより好ましい。
横延伸の熱固定工程とは、延伸工程終了時におけるフィルム幅を保った状態で該フィルムをオーブン内の所定温度の雰囲気内を通過させる工程である。熱固定温度は、延伸工程における延伸温度より低い温度としてもよいし、高い温度でとしてもよいし、同じ温度としてもよい。通常、フィルムの位相差や光軸など光学的特性の安定性を効果的に向上させるために、延伸温度よりも10℃低い温度から延伸温度よりも30℃高い温度までの範囲内であることが好ましい。
横延伸の工程は、更に熱緩和工程を有してもよい。この工程は、テンター法においては通常、延伸ゾーンと熱固定ゾーンとの間に設けられ、他のゾーンから独立して温度設定が可能な熱緩和ゾーンにおいて行われるか、熱固定工程を行うゾーンで行われる。具体的には、熱緩和は、延伸工程においてフィルムを所定の幅に延伸した後、チャックの間隔を数%(通常は、0.1〜10%)だけ狭くし、無駄な歪を取り除くことで行われる。
位相差フィルムに求められる位相差は、該位相差フィルムが組み込まれる液晶表示装置の種類により異なるが、通常、面内位相差R0は30〜300nmである。後述する垂直配向モード液晶ディスプレイに使用する場合は、視野角特性に優れるという観点から、面内位相差R0が40〜70nmであり、厚み方向位相差Rthは、90〜230nmであることが好ましい。位相差フィルムの厚みは、通常10〜100μmであり、好ましくは10〜60μmである。位相差フィルムを製造する際の延伸倍率と、製造する位相差フィルムの厚みを制御することにより、所望の位相差を有する位相差フィルムを得ることができる。
フイルムの面内位相差R0および厚み方向位相差Rthは、それぞれ、下記式(I)および(II)で定義される。
(I) R0=(n−n)×d
(II) Rth={(n+n)/2−n}×d
式(I)および(II)において、nは、フイルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率である。式(I)および(II)において、nは、フイルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率である。式(II)において、nは、フイルムの厚み方向の屈折率である。式(I)および(II)において、dは、単位をnmとするフイルムの厚さである。
上記の方法で製造した位相差フィルムは、フィルム面内(500mm幅×500mm長さの面内)の位相差の最大値と最小値との差が10nm以下であり、フィルムの幅方向500mmの光軸の角度を測定した場合、光軸が−1°以上+1°以下であり、光学的な均一性が高い位相差フィルムとすることができる。
本実施形態でいう光軸とは、延伸フィルムの面内で屈折率が最大となる方位、すなわち面内遅相軸を意味する。光軸の角度とは、該ポリマーフィルムの延伸方向と、該ポリマーフィルムの遅相軸がなす角度を意味し、配向角とも呼ばれるものである。本実施形態においては、光軸の角度とは、ポリマーフィルムの延伸方向を基準線(0°)とし、遅相軸と基準線のなす角度で定義する。光軸の角度は、偏光顕微鏡や自動複屈折計を用いて測定することが可能である。
本発明の位相差フィルムは、種々の偏光板や液晶層などと積層されて、携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)、パソコン、大型テレビ等の液晶表示装置として好ましく使用される。本発明の位相差フィルムを積層して使用する液晶表示装置(LCD)としては、光学補償ベンド(Optically CompensatedBend:OCB)モード、垂直配向(Vertical Alignment:VA)モード、横電界(In-Plane Switching:IPS)モード、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:TFT)モード、ねじれネマティック(Twisted Nematic:TN)モード、超ねじれネマティック(Super Twisted Nematic:STN)モードなど種々のモードの液晶表示装置が挙げられる。液晶表示装置は一般に、2枚の基板とそれらの間に挟持される液晶層とを有する液晶セルの両側に、それぞれ偏光板が配置されており、その一方の外側(背面側)に配置されたバックライトからの光のうち、液晶セルとバックライトの間にある偏光板の透過軸に平行な直線偏光だけが液晶セルへ入射するようになっている。本発明の位相差フィルムは、背面側偏光板と液晶セルとの間および/または表側偏光板と液晶セルとの間に粘着剤を介して配置することができる。また、偏光板は通常、ポリビニルアルコールからなる偏光フィルムを保護するために2枚のトリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどの保護フィルムで接着剤を介して挟持した構成となっているが、本発明の位相差フィルムは、表側偏光板および/または背面側偏光板の液晶セル側の保護フィルムの代わりにこれが接着剤で偏光フィルムに貼合されることで、光学補償フィルム(位相差フィルム)と保護フィルムの両方の役割を果たすことも可能である。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(1)融点
ポリプロピレン系樹脂を熱プレス成形して、厚さ0.5mmのシートを作成した。前記熱プレス成形では、熱プレス機内でプロピレン系重合体を230℃で5分間予熱後、3分間かけて50kgf/cm2まで昇圧し2分間保圧した後、30℃、30kgf/cm2で5分間冷却するようにプレスした。作製したプレスシートの切片10mgについて、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用い、窒素雰囲気下で下記[1]〜[5]の熱履歴を加えた後、50℃から180℃まで昇温速度5℃/分で加熱して融解曲線を作成した。この融解曲線において、最高吸熱ピークを示す温度(℃)を求め、これを該プロピレン系樹脂の融点(Tm)とした。
[1]220℃で5分間加熱する;
[2]降温速度300℃/分で220℃から150℃まで冷却する;
[3]150℃において1分間保温する;
[4]降温速度5℃/分で150℃から50℃まで冷却する;
[5]50℃において1分間保温する。
(2)メルトフローレート(MFR)
メルトフローレートは、JIS K7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(3)エチレン含有量
プロピレン・エチレン共重合体について、高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されているIRスペクトル測定を行い、該共重合体中のエチレン由来の構成単位の含量を求めた。
(4)キシレン可溶成分量
ポリプロピレン系樹脂の試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、20℃に降温し、同温度で4時間静置した。その後、濾過により析出物と濾液とに分別し、濾液からキシレンを留去して生成した固形物を減圧下70℃で乾燥した。乾燥して得られた残存物の重量の前記試料の重量(1g)に対する百分率を、該ポリプロピレン系樹脂の20℃キシレン可溶成分量(CXS)とした。
(5)面内位相差R0、および面内位相差ムラ
面内位相差は、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、KOBRA−CCD)を用いて、縦延伸フィルムおよび二軸延伸フィルムを測定した。縦延伸フィルムの面内位相差ムラは、前記位相差測定装置を用い、縦延伸フィルムの中央550mm幅を幅方向に連続的に測定し、最大値と最小値の差をΔR0とし、R0の平均値で除した値を面内位相差ムラとした。面内位相差ムラが5%以下であると、位相差の均一性は良好である。
(6)厚み方向位相差Rth
厚み方向位相差Rthは位相差フィルムの中央部分を、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、KOBRA−WPR)を用いて測定した。
(7)光軸の角度およびそのムラ
偏光顕微鏡を用いて縦延伸フィルムの500mm幅の範囲を20mm間隔で光軸の角度を測定した。最大値と最小値の差を光軸ムラとした。光軸ムラが2°以下であると光軸の均一性は良好である。
[実施例1]
ポリプロピレン系樹脂(プロピレン−エチレンランダム共重合体、Tm=136℃、MFR=8g/10分、エチレン含有量=5重量%、CXS=4%)を、シリンダー温度を200℃とした65mmφ押出機に投入して溶融混練し、65kg/hの押出量で前記押出機に取り付けられた1200mm巾Tダイより押出した。押出された溶融ポリプロピレン系樹脂は、12℃に温調した400mmφのキャスティングロールと、12℃に温調した金属スリーブからなる外筒とその内部にある弾性体ロールから構成されるタッチロールにより挟圧して冷却され、厚さ90μm、幅900mmのポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。エアーギャップは115mm、キャスティングロールとタッチロールとの間で溶融ポリプロピレン系樹脂を挟圧した距離は20mmであった。得られたポリプロピレン系樹脂フィルムを2組のニップロール間にエアーフローティング方式のオーブンを有する、図1及び図2に示すロングスパン縦延伸機に導入して縦延伸を行った。エアーフローティング方式のオーブンは3ゾーンに分かれており、各ゾーンの長さは3mであり、各ゾーンには6対のノズルが設置されており、ノズルの各スリットからの熱風の風速Aは10m/s、ノズルの各スリット幅Bは2×10−3m、上下のノズル間隔は40mmであった。1つのノズルには同じスリット幅のスリットが2本設けられていた。縦延伸の条件は、3ゾーンとも温度は110℃に設定し、入口速度=5m/分、延伸倍率=2倍であった。この条件で縦延伸を行っている間、フィルムは、上下のノズルのほぼ中央位置にノズルに接触せずに浮いており、正常なフローティング状態を保っていた。
なお、ノズルのスリットからの熱風の最大吹き出し風速と最小吹き出し風速の差は0.4m/秒であった。また、熱風のフィルム幅方向における温度差は、最大で0.8℃であった。なお、熱風の風速、風量及び温度差は以下の方法によって測定された値である。
<熱風の風速の測定>
ノズルから吹き出される風速は、次の通り測定した。フィルムの移動方向に対して、各ゾーンのフィルム流れ方向の中央付近に配置された上側ノズルと下側ノズルのそれぞれにおいて、各ノズルのフィルム幅方向の両端から中央部に向かって100mmの位置にある一対の点と、該一対の点の間を均等に4等分に区分した場合の3つの区分点との計5点で、熱線式風速計を用いて熱風の風速を測定した。すなわち、各ゾーンあたり、上側ノズルと下側ノズルとで合計10点の熱風の風速を市販の熱線式風速計で測定した。そして、これらの平均値を各ノズルの吹き出し口の熱風の風速とした。また、10点の風速のうち、最高風速と最低風速との差をフィルム幅方向における熱風の風速差とした。
<熱風の温度差測定>
ノズルの熱風の温度差は次の通り測定した。上述の熱風の風速の測定方法と同様にして上側ノズルと下側ノズルとで合計10点の温度を、熱電対を用いて測定した。10点の温度のうち、最高温度と最低温度との差をフィルム幅方向における熱風の温度差とした。
縦延伸フィルムの厚みは62μm、幅は650mm、面内位相差R0の平均値は850nm、厚み方向位相差Rthは470nmであった。面内位相差ムラは3.2%、光軸ムラは1.0度であり、縦延伸フィルムの位相差も光軸も均一性は良好であった。フィルム表面の傷も少なかった。
さらに、この縦延伸フィルムをテンター法で横延伸を行い、位相差フィルムを得た。横延伸の条件は、予熱ゾーンの温度=141℃、延伸ゾーンの温度=131℃、熱固定ゾーンの温度=131℃、延伸倍率=3.5倍であった。
得られた位相差フィルムのR0、Rthおよび光軸精度を測定した。R0の平均値は70nm、R0の最大値と最小値の差は6nm、Rthは200nm、光軸の角度は−0.5°以上+0.5°以下であり、該位相差フィルムは光学的な均一性が高かった。この位相差フィルムを、VAモード液晶セルの背面に、液晶セル基板側から順に、粘着剤、位相差フィルム、粘着剤、偏光板の順に積層し、液晶セルの前面には、粘着剤、偏光板の順に積層した。この液晶表示装置の背面にバックライトを設置し、液晶セルは電圧無印加の黒表示状態において、視野角の変化による光漏れの程度で、視野角依存性を評価した。どの方向から見ても光漏れが少ない場合、視野角依存性が小さく、位相差フィルムの視野角特性は優れていることになる。この例の液晶表示装置は、正面方向も斜め方向も光漏れは少なく、視野角特性は優れていることを確認した。
[比較例1]
ロングスパン縦延伸機のノズルの各スリットからの熱風の風速Aを30m/sとした以外は、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを作製した。この条件で縦延伸を行っている間、フィルムは、上下のノズルのほぼ中央位置に浮いてはいたが、フィルムの上下のばたつきが激しく、ノズルに接触している箇所もあったため、フィルムに傷が入った。
ノズルの熱風のフィルム幅方向における温度差は、最大で0.9℃であり、風速差は最大で1m/sであった。なお、温度、風速の測定及び温度差、風速差の算出方法は、実施例1と同様にして行った。
縦延伸フィルムの厚みは61μm、幅は650mm、面内位相差R0の平均値は860nm、厚み方向位相差Rthは480nmであった。面内位相差ムラは2.3%、光軸ムラは2.7度であり、縦延伸フィルムは位相差の均一性は良好であったが、光軸の均一性は悪かった。
[比較例2]
ロングスパン縦延伸機のノズルの各スリットからの熱風の風速Aを5m/sとした以外は、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを作製した。この条件で縦延伸を行っている間、フィルムは、上下のノズルの中央ではなく、やや下ノズルに近い位置に浮いた状態であり、正常なフローティングの状態ではなかった。ノズルの熱風のフィルム幅方向における温度差は、最大で0.8℃であり、風速差は最大で0.2m/sであった。なお、温度、風速の測定及び温度差、風速差の算出方法は、実施例1と同様にして行った。
縦延伸フィルムの厚みは63μm、幅は650mm、面内位相差R0の平均値は830nm、厚み方向位相差Rthは440nmであった。面内位相差ムラは6.8%、光軸ムラは0.5度であり、縦延伸フィルムは光軸の均一性は良好であったが、位相差の均一性は悪かった。実施例1、2、比較例1の結果を、表1に示す。
Figure 2009093169
[実施例2]
ロングスパン縦延伸機の上下のノズル間隔を70mm、縦延伸の条件を、3ゾーンとも温度を120℃に設定した以外は、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを作製した。この条件で縦延伸を行っている間、フィルムは、上下のノズルのほぼ中央位置にノズルに接触せずに浮いており、正常なフローティング状態を保っていた。縦延伸フィルムの厚みは61μm、幅は650mm、面内位相差R0の平均値は850nm、厚み方向位相差Rthは450nmであった。面内位相差ムラは4.9%、光軸ムラは1.2度であり、縦延伸フィルムの位相差も光軸も均一性は良好であった。フィルム表面の傷も少なかった。
[実施例3]
使用したポリプロピレン系樹脂フィルムの厚さを100μm、ロングスパン縦延伸機のノズルの各スリットからの熱風の風速Aを5m/s、ノズルの各スリット幅Bは4×10−3m、上下のノズル間隔を70mmとした以外は、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを作製した。この条件で縦延伸を行っている間、フィルムは、上下のノズルのほぼ中央位置にノズルに接触せずに浮いており、正常なフローティング状態を保っていた。
ノズルの熱風のフィルム幅方向における温度差は、最大で0.8℃であり、風速差は最大で0.2m/sであった。なお、温度、風速の測定及び温度差、風速差の算出方法は、実施例1と同様にして行った。
縦延伸フィルムの厚みは74μm、幅は650mm、面内位相差R0の平均値は1120nm、厚み方向位相差Rthは640nmであった。面内位相差ムラは3.8%、光軸ムラは2.0度であり、縦延伸フィルムの位相差も光軸も均一性は良好であった。フィルム表面の傷も少なかった。
[実施例4]
縦延伸の条件を、3ゾーンとも温度を120℃に設定した以外は、実施例3と同様にして縦延伸フィルムを作製した。この条件で縦延伸を行っている間、フィルムは、上下のノズルのほぼ中央位置にノズルに接触せずに浮いており、正常なフローティング状態を保っていた。
縦延伸フィルムの厚みは78μm、幅は650mm、面内位相差R0の平均値は1060nm、厚み方向位相差Rthは590nmであった。面内位相差ムラは5.0%、光軸ムラは1.9度であり、縦延伸フィルムの位相差も光軸も均一性は良好であった。フィルム表面の傷も少なかった。
[実施例5]
ロングスパン縦延伸機のノズルの各スリットからの熱風の風速Aは5m/s、ノズルの各スリット幅Bは6×10−3m、上下のノズル間隔を70mm、縦延伸の条件を、3ゾーンとも温度を120℃に設定した以外は、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを作製した。この条件で縦延伸を行っている間、フィルムは、上下のノズルのほぼ中央位置にノズルに接触せずに浮いており、正常なフローティング状態を保っていた。
縦延伸フィルムの厚みは61μm、幅は650mm、面内位相差R0の平均値は910nm、厚み方向位相差Rthは400nmであった。面内位相差ムラは4.0%、光軸ムラは1.1度であり、縦延伸フィルムの位相差も光軸も均一性は良好であった。フィルム表面の傷も少なかった。実施例2〜5の結果を、表2に示す。
Figure 2009093169
[比較例3]
縦延伸の条件を、3ゾーンとも温度を120℃に設定した以外は、比較例2と同様にして縦延伸フィルムを作製した。この条件で縦延伸を行っている間、フィルムは、上下のノズルの中央ではなく、やや下ノズルに近い位置に浮いた状態であり、正常なフローティングの状態ではなかった。縦延伸フィルムの厚みは63μm、幅は650mm、面内位相差Rの平均値は830nm、厚み方向位相差Rthは450nmであった。面内位相差ムラは9.5%、光軸ムラは1.5度であり、縦延伸フィルムは光軸の均一性は良好であったが、位相差の均一性は悪かった。
[比較例4]
ロングスパン縦延伸機のノズルの各スリットからの熱風の風速Aを15m/s、ノズルの各スリット幅Bは4×10−3m、上下のノズル間隔は70mmとし、縦延伸の条件を、3ゾーンとも温度を120℃に設定した以外は、実施例1と同様にして縦延伸フィルムを作製した。この条件で縦延伸を行っている間、フィルムは、上下のノズルのほぼ中央位置に浮いてはいたが、フィルムの上下のばたつきが激しかった。ノズルの熱風のフィルム幅方向における温度差は、最大で0.8℃であり、風速差は最大で0.6m/sであった。なお、温度、風速の測定及び温度差、風速差の算出方法は、実施例1と同様にして行った。
縦延伸フィルムの厚みは62μm、幅は650mm、面内位相差R0の平均値は840nm、厚み方向位相差Rthは420nmであった。面内位相差ムラは3.4%、光軸ムラは2.7度であり、縦延伸フィルムは位相差の均一性は良好であったが、光軸の均一性は悪かった。比較例3、4の結果を、表3に示す。
Figure 2009093169
図1は、本実施形態に係る縦延伸機の概略模式断面図である。 図2は、図1のノズルの概略断面図である。
符号の説明
20…ノズル、20a…スリット、21…ノズル列、6…オーブン、F…熱可塑性樹脂製フィルム、30A,30B,32A,32B…ニップロール、100…縦延伸機。

Claims (4)

  1. 複数のノズルをそれぞれ有する一対のノズル列を、前記ノズルが千鳥状に配列されるように、互いにずらせて対向配置したオーブン内において、前記ノズル列の間を搬送される熱可塑性樹脂製フィルムに対して前記各ノズルの1又は複数のスリットから噴き出させた熱風を吹き付けて前記熱可塑性樹脂製フィルムを加熱及びフローティングさせると共に、前記オーブンの前後にそれぞれ配置されて前記熱可塑性樹脂製フィルムをそれぞれ挟むニップロールの回転速度を互いに異ならせることにより前記熱可塑性樹脂製フィルムを縦延伸する工程を含み、
    前記各ノズルの各スリットについて、前記スリットから噴き出される熱風の風速A(m/s)と、当該スリットのスリット幅B(m)との積をC(m/s)とし、
    一本の前記ノズルに設けられている全ての前記スリットについてのCの総和をQとすると、
    前記各ノズルについて、Qが3×10−2/s以上1×10−1/s以下であり、かつ、前記各スリットから噴き出される熱風の風速Aが2m/s以上15m/s以下である熱可塑性樹脂製位相差フィルムの製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂製フィルムを1.5倍以上3.0倍以下に縦延伸する請求項1に記載の熱可塑性樹脂製位相差フィルムの製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂製位相差フィルムの製造方法。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である請求項3に記載の熱可塑性樹脂製位相差フィルムの製造方法。
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