JP2009092196A - 静圧気体軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受精度を高めることができるとともに、絞り開口の目詰まりを防止できる静圧気体軸受を提供する。
【解決手段】本発明の静圧気体軸受は、回転体1と、該回転体との間に軸受隙間を介して対向する軸受面2a,3aを備えた軸受体2,3とを具備し、前記軸受隙間に加圧した気体を、前記軸受面にそれぞれ開口し前記回転体の回転軸線周りの円周方向に複数設けられた絞りAを通して導くことにより、前記回転体を回転可能に支持する静圧気体軸受において、前記軸受面の前記絞りの開口縁において前記絞りに直接連通するようにそれぞれ面取り状若しくは丸め状に形成され、前記円周方向に不連続に構成された複数の凹部2dを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は静圧気体軸受に関する。
一般に、高圧気体を絞りを介して軸受隙間に供給し、その気体が有する静圧によって軸に加わる負荷を支持する静圧気体軸受は、既に数多く実用化されている。特に、電子記憶媒体に用いる記録ディスクの検査用、精密加工用のスピンドルの軸受に用いられるものなど、高剛性、高精度を必要とする静圧気体軸受にあっては、軸受隙間を小さくし、それに相応して絞りの気体抵抗を大きくすることが求められている。そのため、軸受面の真円度、円筒度、真直度等を高い精度で確保することが要求されることから、静圧気体軸受の製造には高度の加工技術が必要とされる。
従来の静圧気体軸受の具体例若しくは改良例はたとえば以下の特許文献1に記載されている。また、静圧気体軸受の他の従来例としては、以下の特許文献2に示す構造が知られている。この特許文献2に記載された静圧気体軸受では、軸受部材の軸受面に円周方向に連続する環状の細溝13を形成し、この細溝13の内部に複数の絞りを構成する給気孔14が開口するように構成してなる構造が記載されている。
特許第3779186号公報 特公昭58−14927号公報
前述の特許文献2では円周方向に連続する細溝を形成することで、10μm以下の小さな軸受隙間でも負荷容量を確保できるようにしているが、さらに高い軸受精度が要求される場合には、上記細溝を介した気体の流通によって充分な軸受反力が得られなくなり、軸受剛性を確保することが難しくなるという問題点がある。特許文献2では軸受反力を失わないために細溝の幅や深さをある程度の範囲に限定しているが、これでも充分な軸受反力を得ることはできない。
また、静圧気体軸受において軸受精度を高めるためには軸受隙間を小さくし、それに相応して絞りの気体抵抗を大きくすることが求められるが、当該気体抵抗を大きくするには、たとえば長方形平行隙間で構成されるスロット絞りの場合、スロット隙間を数μmと極めて小さくする必要がある。しかしながら、軸受面の真円度、円筒度、真直度等を高い精度で確保するには軸受面の高精度加工を要し、この高精度加工たとえば内面研削加工を行うと、絞りの開口縁にバリやカエリが発生して目詰まりを生じ、絞りの開口がふさがれて通気性を失ってしまうという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、軸受精度を高めることができるとともに、絞り開口の目詰まりを防止できる静圧気体軸受を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の静圧気体軸受は、回転体と、該回転体との間に軸受隙間を介して対向する軸受面を備えた軸受体とを具備し、前記軸受隙間に加圧した気体を、前記軸受面にそれぞれ開口し前記回転体の回転軸線周りの円周方向に複数設けられた絞りを通して導くことにより、前記回転体を回転可能に支持する静圧気体軸受において、前記軸受面の前記絞りの開口縁において前記絞りに直接連通するようにそれぞれ面取り状若しくは丸め状に形成され、前記円周方向に不連続に構成された複数の凹部を有することを特徴とする。
本発明によれば、軸受面に開口する絞りの開口縁に絞りに直接連通するように面取り状若しくは丸め状の凹部が形成されることにより、実質的に開口幅が広くなって絞りの開口縁にバリやカエリが発生しても目詰まりが生じにくくなるとともに、凹部が絞りの開口縁を面取り状に構成してなる場合には凹部の断面形状が略三角形状とされて断面輪郭がテーパ状とされ、凹部が絞りの開口縁を丸め状に構成してなる場合には凹部の断面輪郭が凸曲線状とされるため、絞りの開口縁のうち凹部が設けられている縁部分にはバリやカエリが発生しにくくなる。さらに、絞りに連通する凹部を大きく形成すると絞りの出口側の付加容積が増大し圧縮性流体である気体の圧力で軸支する静圧気体軸受ではニューマティックハンマー現象を生じやすくなるが、凹部を絞りの開口縁を面取り状若しくは丸め状に構成したものとすることで、絞りの開口幅を増大させて目詰まりを防止しても付加容積の増大を抑制することができる。したがって、高精度でしかも安定した静圧気体軸受を高い歩留まりで製造できる。また、複数の凹部が円周方向に不連続に構成されることにより、軸受反力の低下による軸受剛性の悪化をも防止できる。
本発明において、前記凹部は前記絞り毎にそれぞれ形成されていることが好ましい。凹部が絞り毎にそれぞれ形成されていることにより、複数の絞り間の気体の流れを抑制することができるため、軸受反力の低下を防止できる。
本発明において、前記複数の絞りは前記円周方向に沿って延在するスロット絞りであり、前記凹部は前記スロット絞りの幅方向縁部に形成され、前記スロット絞りの長さ方向に沿って延長した形状を有する凹溝であることが好ましい。このようにスロット絞りの開口縁に沿って凹溝を形成することにより、スロット絞りによる高剛性の軸受を構成できるとともに、スロット絞りの延長形状の開口範囲の広い範囲に亘り目詰まりをさらに低減することができるので、スロット絞りの高剛性の利点を確実に維持することができる。
この場合に、前記凹溝の両端部は前記スロット絞りの前記円周方向の開口範囲内の位置に形成されていることが望ましい。これによれば、高剛性を得るために複数のスロット絞りを円周方向に極めて隣接して形成した場合でも、複数の凹溝間の円周方向の間隔を確保することができるため、凹溝間の通気性が高まることによる軸受反力の低下を抑制できる。特に、凹溝がスロット絞り毎に形成されている場合には、各スロット絞りの開口範囲内の円周方向位置に凹溝の両端部が配置されるので、複数のスロット絞り間の気体の流通性を確実に低下させることができる。
特に、前記凹溝は各スロット絞りの前記円周方向の開口範囲内にそれぞれ配置され、その両端部が前記凹溝の両端部より長さ方向の内側に配置されていることが望ましい。これによれば、隣接するスロット絞りを近接させて形成しても、隣接する凹溝間の間隔を確保することができるので、円周方向の気体の流通性を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は本実施形態の静圧気体軸受の軸受構造を模式的に示す概略断面図、図2は図1のII−II線に沿った断面矢視図である。本実施形態の軸受構造は、回転体1の外周面1aに対向する内周面(円筒内面)で構成される第1軸受面2aを有する第1軸受部材2と、同様に回転体1の外周面1aに対向する内周面(円筒内面)で構成される第2軸受面3aを有する第2軸受部材3とが軸線方向に直接当接され、図示しないボルトその他の別部材を用いて固定されることによって構成される。
第1軸受部材2と第2軸受部材3の相互に当接する両端面の少なくともいずれか一方の面、図示例では第1軸受部材2の端面上には、半径方向に伸びる複数のスロット溝2bが軸線周りに放射状に形成され、これらのスロット溝2bによってスロット絞りAが構成される。また、第1軸受部材2と第2軸受部材3の相互に当接する両端面の少なくともいずれか一方の面、図示例では第1軸受部材2と第2軸受部材3の両端面上には、上記スロット溝2bに連通する環状凹溝2c、3cが形成され、これらの環状凹溝2c、3cによって圧力室Bが構成される。圧力室Bは図示しない給気経路に連通し、複数のスロット絞りAに給気を行うように構成されている。
スロット絞りAの開口縁の少なくとも一部、図示例では第1軸受部材2によって構成される開口縁部分には、本発明の凹部である凹溝2dが形成されている。この凹溝2dは、上記開口縁部分を面取り状に構成してなる。図示例では面取り角は45度で、面取り幅はCで示される。
図3は軸受面の展開図を示す。ここで、図示上下方向が円周方向であり、複数のスロット絞りAが円周方向に形成されることで、各スロット絞りAに対応する軸受領域Bが円周方向に順次配列しているものと考えることができる。この場合、各軸受領域B内にスロット絞りAが存在するとともに、各スロット絞りAの開口縁に上記凹溝2dが形成されているのがわかる。
図示例の場合、各凹溝2dは、スロット絞りAの開口範囲に連通し、しかも、軸受領域Bよりスロット絞りAの長さ方向の内側に限定されるように形成されている。この理由は以下のとおりである。すなわち、凹溝2dは通常スロット絞りAのスロット間隙Hs(図1参照)より大きな溝幅を有するので、凹溝2dが仮に円周方向に連続する環状溝である場合には、スロット絞りAより供給される気体圧力が円周方向に逃げ、回転体1の軸心位置が偏った際に充分な軸受反力が得られなくなる。これは、複数の凹溝2dが円周方向に不連続になることで防止されるが、この場合でも隣接する凹溝2dの端部同士が接近していると軸受反力が低下する虞がある。したがって、凹溝2dの端部を軸受領域Bの境界より長さ方向の内側に離間して設定することで、軸受反力の低下を抑制できる。図示例の場合には、軸受領域B内のスロット絞りAの両端部の位置よりも凹溝2dの両端部の位置の方が軸受領域Bの境界位置より離間した位置にあるように構成されている。
上記のように、本実施形態では、複数のスロット絞りAの開口縁部分に凹溝2dを形成している。凹溝2dの溝幅は基本的にスロット絞りAの開口幅が数μm(1〜10μm)程度であるのに対して、後述するように10〜130μm程度の大きさとすることが可能である。したがって、凹溝2dが形成されることで実質的な絞りの開口幅を大幅に増大させることができるため、絞りの開口縁にバリやカエリなどが多少生じても、絞りの開口が閉塞されるといった事態を回避することができる。
また、本実施形態では、第1軸受部材2の開口縁を面取り状に構成することで凹溝2dが形成されているので、実質的な開口縁が第2軸受部材3の開口縁から離間するだけでなく、当該開口縁の角部の角度φ(図6参照)がより小さくなるので、バリやカエリそのものが発生しにくくなる。なお、この利点は、開口縁を丸め状に構成して凹溝を形成する場合には上記角度φをほとんど0とすることができるため、さらに高まる。
凹溝2dの容積、すなわち、幅Cや長さLgで決定される、凹溝2dの形成による付加容積は、特に圧縮性気体である気体を用いる静圧気体軸受では遅れ要素となり、安定性を低下させる。この安定性の低下は、「ニューマティックハンマー現象」と呼ばれる自励振動となって現れる。すなわち、上記のようにスロット絞りAの目詰まりを防止する観点からは凹溝2dの幅は大きいほどよいが、大きくなりすぎると付加容積が増大し、安定性が低下する。したがって、凹溝2dの寸法には一定の制約が存在する。以下、当該制約について説明する。
図5は回転体1の軸芯位置が第1軸受部材2及び第2軸受部材3よりなる軸受体に対して偏った位置にあるときの様子を模式的に示すもので、回転体1に対する軸受体の偏芯方向を軸受領域B間の境界位置と一致させて当該位置を円周方向の角度θの原点として示したものである。以下の説明では、回転体1の軸径D、軸受長さL(図1参照)、半径隙間Cr(図2参照)、偏芯率ε(=δe/Cr:δeは偏心量)、スロット数2n、スロット隙間Hs(図3参照)、スロット長さLs(図1参照)の一列給気ラジアル軸受とし、給気圧力はPs、周囲圧はPaとする。
本実施形態の作用の解析を行うに当たり、以下の仮定を行う。すなわち、1)軸受隙間内の流れは、図3中の矢印に示すように軸方向一次元流れであるとする。2)一般の気体軸受解析に用いる仮定を行う。軸受の対称性を考慮し、軸受の円周方向1/2部分を取り上げ、図5に示すように最大隙間位置をθ=0とし、時計方向に座標θをとり、スロット絞りに番号1、2、3、・・・を付す。そして、これらに対応させて図3に示すように軸受面を円周方向の領域1、2、3、・・・に分割する。また、凹溝2dの長さLgは領域幅B=πD/2nより僅かに短く、形成比χ=Lg/Bを0.8〜0.9程度とする。これによって図示のように凹溝2dは円周方向に不連続溝となる。
上記のように設定すると、k(k=1、2、3、・・・、n)番目のスロット絞りを通して軸受隙間内に流入する気体の質量流量Minは、スロット出口の圧力をPokとすれば、
Figure 2009092196
となる。ここで、μは気体の粘性係数、Rは気体常数、Tは絶対温度である。
一方、領域kを通って軸受から流出する気体の質量流量Mokは、領域kの平均軸受隙間をHkとすると次式で与えられる。
Figure 2009092196
ここで、L2=L/2である。
領域kの平均軸受隙間Hkは、領域両側端の軸受隙間の3乗平均として次式で求められる。
Figure 2009092196
流れの連続性から流入流量が流出流量に等しいと置くことにより、k番目のスロット出口の圧力Pokは次式で与えられる。
Figure 2009092196
ここで、Rin=χHs/Ls、Rok=2Hk/L2である。
軸方向の圧力分布を図4に示すように軸線方向に見て直線的に変化するものと仮定すると、k番目の領域が軸に加える力Fkは次式で与えられる。
Fk=LB(Pok-Pa)/2
Fの偏心方向の成分Fwkはその余弦成分とし、上向きを正とすると次式で与えられる。
Fwk=-Fkcos{(π/n)(2k-1)/2}
これから、偏心に対する軸受反力、すなわち、負荷容量Wは次式で与えられる。
Figure 2009092196
以上の計算では隙間内の気体の流れを軸方向1次元流れとして行ったが、実際には領域間の圧力差によって円周方向流れが発生するため、有効負荷容量は小さくなる。そこで、修正係数Cwを導入し、有効負荷容量Weを次式で算出する。
We=CwW
ここで、修正係数Cwの値は軸受の長さと直径の比L/Dと偏心率εとによって異なる。L/D=0.8〜1.0の場合、Cw=0.8程度とする。
次に、凹溝2dにより生じる領域当たりの凹溝容積Vpのニューマティックハンマー現象に関する安定性に及ぼす影響を検討する。どれか一つの領域が不安定になっただけでも軸受全体が不安定になることから、安定性は各領域に対して判別する必要がある。
ニューマティックハンマーの安定条件は次式で与えられる。
s/q>(θ-ψ)/(α+β)…(I)
ここで、
Figure 2009092196
Figure 2009092196
Figure 2009092196
Figure 2009092196
Figure 2009092196
Figure 2009092196
である。ただし、Mは領域一つ当たりの軸受隙間内に含まれる気体の質量で、次式で与えられる。
M=LBHkPok/2RT+VpPok/RT
また、Vpは凹溝2d一つの容積で本実施形態では図6及び図7に示すように次式で与えられる。
Vp=C2χB/2
上記の式(I)をCの値を変えながら計算し、安定か否かを求めた。D=34mm、L=34mm、Cr=10μm、Hs=10μm、Ls=8mm、Ps=6.033kgf/cm、ε=0.2、χ=0.9としたときには、C=0.132mmまでは安定であったが、C=0.133mm以上で不安定になった。
また、D=34mm、L=34mm、Cr=10μm、Hs=10μm、Ls=8mm、Ps=6.033kgf/cm、ε=0.2、χ=0.8としたときには、C=0.125mmまでは安定であったが、0.122mm以上では不安定となった。したがって、本実施形態では、χが0.8〜0.9の範囲で凹溝2dを形成した場合、凹溝2dの面取り幅Cを0.12mm(120μm)以下とすれば、安定性が確保できることがわかる。
上記と同様にして計算した結果を流量及び負荷容量とともにまとめて図8に示す。この図に示すように、面取幅であるCは0.12〜0.13mm程度の領域を境にして安定状態と不安定状態とが分かれるが、0.12〜0.13mm(120〜130μm)はスロット絞りAのスロット間隙Hs=10μmに比べると非常に大きく、バリや塵埃等による目詰まりの防止に大きく貢献できることがわかる。本実施形態ではスロット絞りAの開口縁に面取り状の凹溝2dを設けることで、ニューマティックハンマー現象による不安定性を回避しても充分すぎるほどの開口幅を得ることができるので、目詰まりに対する効果は極めて大きい。
なお、形成比χの値が0.8〜0.9の範囲で増加しても気体の流量や負荷容量はほとんど変化せず、安定した値を示しているので、χの値は軸受性能に対して実質的にほとんど影響を与えないことがわかる。
本実施形態において軸受体を製造するには、最初に第1軸受部材2と第2軸受部材3を形成し、その後、図1に示すように組み立てた状態で、内面研削加工等により第1軸受面2aと第2軸受面3aとを一体に加工する。これによって軸受体の軸受面を高精度に形成することができる。この場合に、上記実施形態のように第1軸受部材2にのみ凹溝2dが形成されているときには、主として、第1軸受部材2側から第2軸受部材3側へ向かう方向に加工を行うことで、バリやカエリの発生を抑制することができる。たとえば、第1軸受部材2から第2軸受部材に向かう方向にエンドミル等の工具を移動させる際に削り代を大きくとり、逆方向に戻す際に削り代をなくすか小さくとることで、上記効果を得ることができる。
図9は、上記実施形態の凹溝2dとは異なる断面形状或いは平面形状を有する凹溝2e〜2hを示す拡大部分断面図(a)〜(d)である。図9(a)はスロット絞りAの開口縁を丸め状にカットしてなる凹溝2eを示すものである。このようにすると、バリやカエリによるスロット絞りAの目詰まりが防止されるとともに、少なくとも凹溝2eが形成された側の開口縁のバリやカエリがほとんど発生しなくなる。
図9(b)は面取り状に加工した凹溝2fである点では上記実施形態と同様であるが、面取りの角度φが上記実施形態よりさらに小さく(30度以下)されている。したがって、凹溝2fの側の縁部にバリやカエリ等がさらに発生しにくくなるように構成されている。また、図9(c)はスロット絞りAの軸線方向両側の開口縁にそれぞれ凹溝2gと3gを共に形成してなる場合を示す。この場合、各凹溝の断面形状は上記実施形態のものとされているが、図9(a)又は(b)に示すように任意に構成できる。
図9(d)は、上記実施形態とは異なる凹溝2hの形成態様を示す展開図である。この例では、スロット絞りAが各領域内に形成されている点では上記実施形態と同様であるが、凹溝2hがスロット絞りAごとに形成されているのではなく、隣接する二つのスロット絞りA、Aに亘って一つの凹溝2hが形成されている点で異なる。このような凹溝2hであっても、円周方向に見て不連続に形成されている点では上記実施形態と同様であり、隣接する二つの領域間の気体の流通性が多少増加してしまうものの、基本的に同様の作用効果を奏する。
尚、本発明の静圧気体軸受は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
実施形態の静圧気体軸受の縦断面図。 図1のII−II線矢視図。 軸受面の展開図。 軸方向の仮定的圧力分布。 解析に用いるパラメータを説明するための偏心状態を示す断面図。 凹部(凹溝)の形状寸法を示す拡大部分断面図。 凹部(凹溝)による付加容積の形状寸法を示す説明斜視図。 凹部(凹溝)の許容面取幅と深さの関係を気体の流量及び負荷容量と共に示すグラフ。 凹部(凹溝)の他の断面形状及び平面形状例を示す拡大部分断面図(a)−(c)及び平面展開図。
符号の説明
1…回転体、2…第1軸受部材、2b…スロット溝、2d…凹溝(凹部)、3…第2軸受部材、A…スロット絞り、B…円周方向の軸受領域、φ…角度、χ…形成比

Claims (4)

  1. 回転体と、該回転体との間に軸受隙間を介して対向する軸受面を備えた軸受体とを具備し、前記軸受隙間に加圧した気体を、前記軸受面にそれぞれ開口し前記回転体の回転軸線周りの円周方向に複数設けられた絞りを通して導くことにより、前記回転体を回転可能に支持する静圧気体軸受において、
    前記軸受面の前記絞りの開口縁において前記絞りに直接連通するようにそれぞれ面取り状若しくは丸め状に形成され、前記円周方向に不連続に構成された複数の凹部を有することを特徴とする静圧気体軸受。
  2. 前記凹部は前記絞り毎にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の静圧気体軸受。
  3. 前記複数の絞りは前記円周方向に沿って延在するスロット絞りであり、前記凹部は前記スロット絞りの幅方向縁部に形成され、前記スロット絞りの長さ方向に沿って延長した形状を有する凹溝であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の静圧気体軸受。
  4. 前記凹溝は各スロット絞りの前記円周方向の開口範囲内にそれぞれ形成され、その両端部は前記スロット絞りの両端部より長さ方向の内側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の静圧気体軸受。
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