JP2016027287A - シール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール装置において、静止体と回転体との間の流れを抑制することで回転体の不安定振動を抑制してシール性能の向上を可能とする。【解決手段】外周面が静止体11の内周面11aに固定され、内周面と回転体12の外周面12aの間に所定隙間Sを確保するシール装置10を設け、回転体12側に開口する複数の凹部21を設けると共に、高圧空間部P1と各凹部21を連通する連通路24をそれぞれ設け、連通路24を凹部21の中心Oから径方向にずれた位置に開口する。【選択図】図1

Description

本発明は、静止側と回転側との間で流体の漏洩を防止するシール装置に関するものである。
ハウジング内に回転体を回転自在に支持する流体機械では、ハウジングと回転体との間における流体の軸方向の漏れ流れを防止するために、ハウジングと回転体との間にシール装置が設けられている。そして、このシール装置として、ラビリンスシールが一般に適用されている。このラビリンスシールは、ハウジングなどの静止側または回転体側の少なくとも一方に複数のシールフィンを設けて構成されており、シールフィンと静止側または回転体側との間に形成される隙間により圧力損失を発生させ、この圧力損失により軸方向における流体の漏れ流れを抑制することで、シール機能を発揮することができる。
しかし、このラビリンスシールでは、回転体の回転運動によりシール部に流体の旋回流れが発生し、これによりシール部で発生する励振力により回転体が不安定振動してしまうという問題がある。そこで、シールフィンをハニカム形状とすることで、回転体の回転運動により誘起される流体の旋回速度を抑制することが考えられている。即ち、ハニカム内部に発生した旋回流(渦)が漏れと干渉することで、漏れ流れの旋回速度を抑えることができる。このようなシール装置としては、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。
特公平07−011243号公報 特開平08−338537号公報
特許文献1は、ハニカム状ラビリンスシールであって、ベース部分に各セルが翼に隣接して開放している複数個のハニカム状セル列を設け、各セル同士を接続する溝を形成している。この場合、各ハニカム状セル同士が溝により連通されていることから、シールと回転体との間の流体の漏れを十分に抑制することが困難となる。また、特許文献2は、ラビリンスシールであって、シール本体から回転部側に突出して絞り部を形成すると共にチャンバを形成するラビリンスフィンを設け、シール本体には高圧部からチャンバに向かって流体を導く通路を形成したものである。この場合、自励振動を抑制することができるものの、更なる改善が求められている。
本発明は上述した課題を解決するものであり、静止体と回転体との間の流れを抑制することで回転体の不安定振動を抑制してシール性能の向上を可能とするシール装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明のシール装置は、静止体に設けられて回転体との間における流体の流れを抑制するシール装置において、前記回転体側に開口する複数の円柱形状の凹部と、軸心方向空間部と前記凹部の側壁または軸心方向にずれた前記凹部同士の側壁を連通する連通路と、を有し、前記連通路は、前記凹部の円柱部の中心から径方向にずれた位置に開口する、ことを特徴とするものである。
従って、静止体に対して回転体が回転するとき、両者の間に流れる流体は、その一部が凹部内に入り込むことで運動エネルギが低減されると共に、流体が連通路から凹部内に入って低エネルギ流体となり、静止体と回転体の間に流れる流体と干渉することで運動エネルギが低減されることとなり、静止体と回転体の間に流れる流体の軸心方向成分と旋回方向成分が減衰されて速度が低下し、その結果、静止体と回転体との間の流れを抑制することができ、回転体の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。また、連通路が凹部の円柱部の中心から径方向にずれた位置に開口することで、流体が連通路から凹部のずれた位置から内部に入ることで、低エネルギ旋回流体を生成することができ、この低エネルギ旋回流体が静止体と回転体の間に流れる流体と干渉することで、この流体の運動エネルギを容易に低減することができる。
本発明のシール装置では、前記軸心方向空間部は、シール壁面に軸方向に対向した高圧空間部であって、該高圧空間部と前記凹部とが前記連通路により連通されることを特徴としている。
従って、高圧空間部の高圧流体が連通路から凹部内に入って低エネルギ流体となり、静止体と回転体の間に流れる流体と干渉することで運動エネルギが低減されることとなり、静止体と回転体の間に流れる流体の速度を低下させ、回転体の不安定振動を抑制することができる。
本発明のシール装置では、前記連通路は、内部圧力が相違する前記凹部同士を連通することを特徴としている。
従って、内部圧力が相違する凹部同士が連通路により連通されることで、凹部内に容易に低エネルギ流体を生成することができる。
本発明のシール装置では、前記連通路は、流動する流体により前記凹部内で旋回流を生成可能であることを特徴としている。
従って、連通路からの流体により凹部内で旋回流を生成することで、この旋回する低エネルギ流体により静止体と回転体の間に流れる流体の運動エネルギを容易に低減することができる。
また、本発明のシール装置は、静止体に設けられて回転体との間における流体の流れを抑制するシール装置において、前記回転体側に開口する複数の円柱形状の凹部と、軸心方向空間部と前記凹部または軸心方向にずれた前記凹部同士を連通すると共に前記凹部の中心から径方向にずれた位置に開口する連通路と、を有し、前記連通路は、前記凹部の円柱部の中心から径方向にずれた位置に開口する、ことを特徴とするものである。
従って、静止体に対して回転体が回転するとき、両者の間に流れる流体は、その一部が凹部内に入り込むことで運動エネルギが低減されると共に、流体が連通路から凹部内に入って旋回する低エネルギ流体となり、静止体と回転体の間に流れる流体と干渉することで運動エネルギが低減されることとなり、静止体と回転体の間に流れる流体の軸心方向成分と旋回方向成分が減衰されて速度が低下し、その結果、静止体と回転体との間の流れを抑制することができ、回転体の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。また、連通路が凹部の円柱部の中心から径方向にずれた位置に開口することで、流体が連通路から凹部のずれた位置から内部に入ることで、低エネルギ旋回流体を生成することができ、この低エネルギ旋回流体が静止体と回転体の間に流れる流体と干渉することで、この流体の運動エネルギを容易に低減することができる。
本発明のシール装置によれば、回転体側に開口する複数の凹部を設けると共に、軸心方向空間部と凹部または軸心方向にずれた凹部同士を連通する連通路を設け、連通路が凹部の円柱部の中心から径方向にずれた位置に開口するので、静止体と回転体との間の流れを抑制し、回転体の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
図1は、本発明の実施例1に係るシール装置の断面図である。 図2は、実施例1のシール装置を表す図1のII−II断面図である。 図3は、本発明の実施例2に係るシール装置の断面図である。 図4は、実施例2のシール装置を表す図3のIV−IV断面図である。 図5は、本発明の実施例3に係るシール装置の断面図である。 図6は、実施例3の変形例を表すシール装置の断面図である。 図7は、本発明の実施例4に係るシール装置の断面図である。 図8は、本発明の実施例5に係るシール装置の断面図である。 図9は、本発明の実施例6に係るシール装置の断面図である。 図10は、本発明の実施例7に係るシール装置の断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るシール装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本発明の実施例1に係るシール装置の断面図、図2は、実施例1のシール装置を表す図1のII−II断面図である。
実施例1において、図1及び図2に示すように、円筒形状をなす内周面11aを有する静止体(例えば、ハウジング)11に対して、所定間隔をあけて円柱形状をなす回転体12が回転自在に支持されており、シール装置10は、円筒形状をなし、外周面が静止体11の内周面11aに固定され、内周面11aと回転体12の外周面12aとの間に所定隙間Sが確保されている。そして、このシール装置10は、静止体11と回転体12との間、具体的には、シール装置10と回転体12との間の所定隙間Sを流れる流体の流れ(漏洩)Fを抑制するものである。
この場合、シール装置10における一方のシール壁面に軸方向に対向した軸心方向空間部が高圧空間部P1であり、他方のシール壁面に軸方向に対向した軸心方向空間部が低圧空間部P2となっている。そのため、シール装置10と回転体12との間の所定隙間Sには、回転体12の軸心方向Aに沿った流体の漏れ流れFが発生する。但し、静止体11に対して回転体12が周方向Bに沿って回転することから、シール装置10と回転体12との間の所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、回転体12の周方向Bに流れる旋回成分を含んだものとなる。
そのため、シール装置10と回転体12との間の所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、回転体12の軸心方向Aに沿うと共に回転体12の周方向Bに旋回するものとなり、この流体の漏れ流れFによりシール装置10の先端部で励振力が発生し、回転体12が不安定振動してしまう。本実施例のシール装置10は、回転体12の回転運動により誘起される流体の旋回運動を抑制することで、流体の漏れ流れFを抑制し、シール性能の向上を図ったものである。
即ち、シール装置10は、内周面に回転体12側に開口する複数の凹部21が形成されている。この各凹部21は、シール装置10の内周面から放射方向に沿って形成された所定長さ(深さ)の穴であり、全てがほぼ同様の形状をなしている。そして、凹部21は、回転体12側に開口する円柱部22と、この円柱部22から静止体11側に先細となる円錐部23とから構成されている。そして、この各凹部21は、シール装置10の周方向(回転体12の周方向B)に沿って一定間隔で複数直線状に形成されると共に、シール装置10の軸方向(回転体12の軸心方向A)に沿って一定間隔で複数千鳥状に形成されている。
また、シール装置10は、高圧空間部P1と凹部21を連通する複数の連通路24が設けられている。本実施例では、高圧空間部P1と最も高圧空間部P1側に形成された凹部21とが連通路24により連通している。そして、各連通路24は、シール装置10の軸方向(回転体12の軸心方向A)に沿っており、一端部がシール装置10における高圧空間部P1側の傾斜した側壁10aに開口し、他端部が凹部21における側壁21aに開口している。また、各連通路24は、他端部が凹部21における円柱部22の中心Oから径方向に所定距離Eだけずれた位置に開口している。
また、連通路24は、内径R1が凹部21における円柱部22の内径R2に対して小さく設定されている。具体的には、連通路24の内径R1を、凹部21(円柱部22)の内径R2の1/3以下に設定することが望ましい。
従って、静止体11と回転体12との間の空間は、シール装置10を挟んで、高圧空間部P1と低圧空間部P2が区画されていることから、高圧空間部P1の流体が各連通路24を通って各凹部21内に侵入する。このとき、連通路24は、他端部が凹部21の中心Oから径方向にずれた位置に開口していることから、高圧空間部P1から連通路24を通して凹部21内に侵入した流体により、凹部21内で旋回流Tが生成される。
ここで、本実施例のシール装置10の作用について説明する。
静止体11及びシール装置10に対して回転体12が回転すると、高圧空間部P1からシール装置10と回転体12との所定隙間Sを通って低圧空間部P2に流れる流体の漏れ流れFが発生する。この流体の漏れ流れFは、回転体12が周方向Bに沿って回転することから、高圧空間部P1から低圧空間部P2に向けて回転体12の軸心方向Aに沿いながら、徐々に回転体12の周方向Bに旋回していくものとなる。
このとき、シール装置10と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、その一部が各凹部21内に入り込むことで、この漏れ流れFが有する運動エネルギが低減される。そのため、このシール装置10と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、軸心方向成分だけでなく旋回方向成分も減衰されることで、その速度が低下する。
また、高圧空間部P1の流体は、各連通路24を通って各凹部21内に侵入することから、各凹部21内で旋回流Tが生成される。この各凹部21内で生成された旋回流Tは、シール装置10と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFに比べて低エネルギ流体(低速度の流体)である。すると、各凹部21内で生成された旋回流Tがシール装置10と回転体12との所定隙間Sを流れる漏れ流れFに干渉することで、ここで混合損失が発生して漏れ流れFの運動エネルギが低減される。そのため、このシール装置10と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、軸心方向成分だけでなく旋回方向成分も減衰されることで、その速度が低下する。
この場合、シール装置10と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFの一部が各凹部21内に入り込むことで、凹部21内に旋回流Tが生成されるが、このときに生成される旋回流はランダムなものとなっている。一方、高圧空間部P1の流体が連通路24を通って凹部21内に侵入して生成される旋回流Tは、中心Oを支点とする水平旋回流であることから、漏れ流れFにより生成されたランダムな旋回流における水平旋回成分が増幅されるものと考えられる。
その結果、シール装置10と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、この旋回流Tによりその速度が低下され、静止体11と回転体12との間の漏れ流れFを抑制することができ、回転体12の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
このように実施例1のシール装置にあっては、外周面が静止体11の内周面11aに固定され、内周面と回転体12の外周面12aの間に所定隙間Sを確保するシール装置10を設け、回転体12側に開口する複数の凹部21を設けると共に、高圧空間部P1と各凹部21を連通する連通路24をそれぞれ設けている。
従って、静止体11に対して回転体12が回転するとき、両者の間に流れる流体の漏れ流れFは、その一部が各凹部21内に入り込むことで運動エネルギが低減されると共に、高圧空間部P1の流体が各連通路24から凹部21内にそれぞれ入って低エネルギ流体となり、流体の漏れ流れFと干渉することでこの運動エネルギが低減される。そのため、静止体11と回転体12との間に流れる流体の漏れ流れFは、軸心方向成分と旋回方向成分が減衰されて速度が低下し、その結果、静止体11と回転体12との間の漏れ流れFを抑制することができ、回転体12の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
実施例1のシール装置では、連通路24は、他端部が凹部21の側壁21aに開口している。従って、高圧空間部P1の流体が連通路24から凹部21内に適正に入り込むことで、良好な低エネルギ流体を生成することができる。
実施例1のシール装置では、連通路24は、一端部が高圧空間部P1に開口し、他端部が凹部21に開口している。従って、高圧空間部P1の高圧流体が連通路24から低圧側の凹部21内に入り込むことで、容易に低エネルギ流体を生成することができ、静止体11と回転体12の間に流れる流体の漏れ流れFと干渉させることで、この漏れ流れFの運動エネルギが適正に低減することができる。
実施例1のシール装置では、連通路24を凹部21の中心Oから径方向にずれた位置に開口している。従って、流体が連通路24を通して凹部21のずれた位置から内部に入ることで、低エネルギ旋回流体を容易に生成することができる。
図3は、本発明の実施例2に係るシール装置の断面図、図4は、実施例2のシール装置を表す図3のIV−IV断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例2において、図3及び図4に示すように、シール装置30は、円筒形状をなし、外周面が静止体11に固定され、内周面と回転体12との間に所定隙間Sが確保されている。そして、このシール装置30は、静止体11と回転体12との間、具体的には、シール装置30と回転体12との間の所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFを抑制するものである。
シール装置30は、内周面に回転体12側に開口する複数の凹部21が形成されている。この各凹部21は、回転体12側に開口する円柱部22と、この円柱部22から静止体11側に先細となる円錐部23とから構成されている。
また、シール装置30は、高圧空間部P1と凹部21を連通する複数の連通路31が設けられると共に、軸方向(回転体12の軸心方向A)にずれた凹部21同士を連通する複数の連通路32が設けられている。本実施例では、高圧空間部P1と2番目に高圧空間部P1側に形成された凹部21とを連通路31により連通すると共に、2番目と4番目に高圧空間部P1側に形成された凹部21同士を連通路32により連通している。そして、各連通路31,32は、シール装置30の軸方向(回転体12の軸心方向A)に沿っており、連通路31は、一端部がシール装置30における高圧空間部P1側の傾斜した側壁30aに開口し、他端部が凹部21における側壁21aに開口し、連通路32は、各端部が軸方向にずれた各凹部21における側壁21aにそれぞれ開口している。また、各連通路31,32は、端部が凹部21における円柱部22の中心から径方向にずれた位置に開口している。
従って、静止体11と回転体12との間の空間は、シール装置30を挟んで、高圧空間部P1と低圧空間部P2が区画されていることから、高圧空間部P1の流体が各連通路31を通って各凹部21内に侵入する。このとき、連通路31は、他端部が凹部21の中心から径方向にずれた位置に開口していることから、高圧空間部P1から連通路31を通して凹部21内に侵入した流体により、凹部21内で旋回流T1が生成される。また、旋回流T1が生成された凹部21内の流体は、各連通路32を通って各凹部21内に侵入する。このとき、連通路32は、他端部が凹部21の中心から径方向にずれた位置に開口していることから、連通路32を通して凹部21内に侵入した流体により、凹部21内で旋回流T2が生成される。
ここで、本実施例のシール装置30の作用について説明する。
静止体11及びシール装置30に対して回転体12が回転すると、高圧空間部P1からシール装置30と回転体12との所定隙間Sを通って低圧空間部P2に流れる流体の漏れ流れFが発生する。この流体の漏れ流れFは、回転体12が周方向Bに沿って回転することから、高圧空間部P1から低圧空間部P2に向けて回転体12の軸心方向Aに沿いながら、徐々に回転体12の周方向Bに旋回していくものとなる。
このとき、シール装置30と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、その一部が各凹部21内に入り込むことで、この漏れ流れFが有する運動エネルギが低減される。そのため、このシール装置10と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、軸心方向成分だけでなく旋回方向成分も減衰されることで、その速度が低下する。
また、高圧空間部P1の流体は、各連通路31を通って各凹部21内に侵入すると共に、各連通路32を通って各凹部21内に侵入することから、各凹部21内で旋回流T1,T2が生成される。この各凹部21内で生成された旋回流T1,T2は、シール装置30と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFに比べて低エネルギ流体である。すると、各凹部21内で生成された旋回流T1,T2がシール装置30と回転体12との所定隙間Sを流れる漏れ流れFに干渉することで、ここで混合損失が発生して漏れ流れFの運動エネルギが低減される。そのため、このシール装置30と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、軸心方向成分だけでなく旋回方向成分も減衰されることで、その速度が低下する。
その結果、シール装置30と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、この旋回流T1,T2によりその速度が低下され、静止体11と回転体12との間の流れを抑制することができ、回転体12の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
このように実施例2のシール装置にあっては、シール装置30における回転体12側に開口する複数の凹部21を設けると共に、高圧空間部P1と各凹部21を連通する連通路31を設けると共に、軸方向にずれた凹部21同士を連通する複数の連通路32を設けている。
従って、静止体11に対して回転体12が回転するとき、両者の間に流れる流体の漏れ流れFは、その一部が各凹部21内に入り込むことで運動エネルギが低減されると共に、高圧空間部P1の流体が各連通路31から凹部21内にそれぞれ入って低エネルギ流体となり、また、凹部21内の流体が各連通路32から凹部21内にそれぞれ入って低エネルギ流体となり、流体の漏れ流れFと干渉することでこの運動エネルギが低減される。そのため、静止体11と回転体12との間に流れる流体の漏れ流れFは、軸心方向成分と旋回方向成分が減衰されて速度が低下し、その結果、静止体11と回転体12との間の漏れ流れFを抑制することができ、回転体12の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
この場合、高圧空間部P1と凹部21を連通路31により連通し、連通路31の他端部が連通した凹部21と軸方向にずれた凹部21を連通路32により連通している。即ち、圧力の相違する高圧空間部P1及び複数の凹部21同士を連通路31,32により直列に連通している。従って、高圧空間部P1の流体が連通路31から凹部21内に入り、この凹部21内の流体が連通路32から次の凹部21内に入り込むこととなり、静止体11と回転体12とを流れる流体の漏れ流れFを軸方向に沿って順次低減することができる。
なお、この実施例2では、高圧空間部P1と2番目の凹部21とを連通路31により連通すると共に、2番目と4番目の凹部21同士を連通路32により連通したが、この組み合わせに限定されるものではない。例えば、4番目の凹部21と6番目以降の凹部21とを連通路により連通してもよい。また、実施例1のように、高圧空間部P1と1番目の凹部21とを連通路により連通すると共に、1番目と2番目または3番目の凹部21を連通路により連通してもよい。
図5は、本発明の実施例3に係るシール装置の断面図、図6は、実施例3の変形例を表すシール装置の断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例3において、図5に示すように、シール装置40は、円筒形状をなし、外周面が静止体に固定され、内周面と回転体との間に所定隙間が確保されている。そして、このシール装置40は、静止体と回転体との間、具体的には、シール装置40と回転体との間の所定隙間を流れる流体の漏れ流れFを抑制するものである。
シール装置40は、内周面に回転体側に開口する複数の凹部21が形成されている。また、シール装置40は、高圧空間部P1側に最も近い凹部21と3番目に近い凹部21とを連通する複数の連通路41が設けられている。そして、各連通路41は、シール装置40の軸方向(回転体の軸心方向A)に沿っており、連通路41は、各端部が軸方向にずれた各凹部21における側壁にそれぞれ開口している。また、各連通路41は、端部が凹部21の中心から径方向にずれた位置に開口している。この場合、シール装置40を挟んで軸心方向の一方に高圧空間部P1が設けられ、他方に低圧空間部が設けられていることから、軸心方向に並んだ各凹部21内の圧力も高圧空間部P1から低圧空間部に向けてその圧力が低下したものとなっている。
従って、静止体及びシール装置40に対して回転体が回転すると、高圧空間部P1からシール装置40と回転体との所定隙間を通って低圧空間部に流れる流体の漏れ流れが発生する。この流体の漏れ流れは、回転体が周方向Bに沿って回転することから、高圧空間部P1から低圧空間部に向けて回転体の軸心方向Aに沿いながら、徐々に回転体の周方向Bに旋回していくものとなる。
このとき、シール装置40と回転体との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れは、その一部が各凹部21内に入り込むことで、この漏れ流れが有する運動エネルギが低減される。また、各凹部21内に入り込んだ流体は、各連通路41を通って別の各凹部21内に侵入することから、各凹部21内で旋回流Tが生成される。この各凹部21内で生成された旋回流Tは、シール装置40と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れに比べて低エネルギ流体である。すると、各凹部21内で生成された旋回流Tがシール装置40と回転体との所定隙間を流れる漏れ流れに干渉することで、ここで混合損失が発生して漏れ流れの運動エネルギが低減される。そのため、このシール装置40と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れは、軸心方向成分だけでなく旋回方向成分も減衰されることで、その速度が低下する。
その結果、シール装置40と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れは、この旋回流Tによりその速度が低下され、静止体と回転体との間の流れを抑制することができ、回転体12の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
このように実施例3のシール装置にあっては、シール装置40における回転体側に開口する複数の凹部21を設けると共に、内部圧力が相違する凹部21同士を連通する連通路41を設けている。
従って、静止体に対して回転体が回転するとき、両者の間に流れる流体の漏れ流れは、その一部が各凹部21内に入り込むことで運動エネルギが低減され、凹部21内の流体が各連通路41から凹部21内にそれぞれ入って低エネルギ流体となり、流体の漏れ流れと干渉することでこの運動エネルギが低減される。そのため、流体の漏れ流れは、速度が低下し、この漏れ流れを抑制することができ、回転体の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
この場合、高圧空間部P1と凹部21とが連通路により連通していないことから、高圧空間部P1から連通路を通して凹部21に流れ、シール装置40と回転体との間に漏れる流体の流れをなくし、シール性の低下を抑制することができる。
なお、この実施例3では、軸心方向Aにずれて内部圧力が相違する凹部21同士を連通路41により連通したが、この構成に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、シール装置45は、高圧空間部P1側に最も近い凹部21と3番目に近い凹部21とを連通する複数の連通路46が設けられている。この各連通路46は、シール装置40の軸方向(回転体の軸心方向A)に対して傾斜しており、各端部が凹部21の中心から逆の径方向にずれた位置に開口している。このような構成を有するシール装置45であっても、前述と同様の作用効果を奏することができる。
また、連通路により連通する凹部21同士の組み合わせも、上述したものに限定されるものではない。例えば、1番目の凹部21と2番目の凹部21とを連通路により連通したり、実施例2のように、複数の連通路により複数の凹部21を連通したりしてもよい。
図7は、本発明の実施例4に係るシール装置の断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例4において、図7に示すように、シール装置50は、円筒形状をなし、外周面が静止体に固定され、内周面と回転体との間に所定隙間が確保されている。そして、このシール装置50は、静止体と回転体との間、具体的には、シール装置50と回転体との間の所定隙間を流れる流体の漏れ流れFを抑制するものである。
シール装置50は、内周面に回転体側に開口する複数の凹部21が形成されている。また、シール装置50は、高圧空間部P1と凹部21とを連通する複数の連通路51,52が設けられている。連通路51は、シール装置50の軸方向(回転体の軸心方向A)に対して所定角度傾斜しており、連通路52は、連通路51とは逆方向に傾斜しており、各連通路51,52は、端部が凹部21の中心から径方向にずれた位置に開口している。
従って、静止体及びシール装置50に対して回転体が回転すると、高圧空間部P1からシール装置50と回転体との所定隙間を通って低圧空間部に流れる流体の漏れ流れが発生する。このとき、シール装置50と回転体との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れは、その一部が各凹部21内に入り込むことで、この漏れ流れが有する運動エネルギが低減される。また、高圧空間部P1の流体が連通路51,52を通って各凹部21内に侵入することから、各凹部21内で旋回流T3,T4が生成される。この各凹部21内で生成された旋回流T3,T4は、シール装置50と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れに比べて低エネルギ流体である。すると、各凹部21内で生成された旋回流T3,T4がシール装置50と回転体との所定隙間を流れる漏れ流れに干渉することで、ここで混合損失が発生して漏れ流れの運動エネルギが低減される。そのため、このシール装置50と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れは、軸心方向成分だけでなく旋回方向成分も減衰されることで、その速度が低下する。
その結果、シール装置50と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れは、この旋回流T3,T4によりその速度が低下され、静止体と回転体との間の流れを抑制することができ、回転体12の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
このように実施例4のシール装置にあっては、シール装置50における回転体側に開口する複数の凹部21を設けると共に、高圧空間部P1と凹部21とを連通する複数の連通路51,52を設け、各連通路51,52を軸心方向Aに対して傾斜させている。
従って、静止体に対して回転体が回転するとき、両者の間に流れる流体の漏れ流れは、その一部が各凹部21内に入り込むことで運動エネルギが低減され、高圧空間部P1の流体が各連通路51,52から各凹部21内にそれぞれ入って低エネルギ流体となり、流体の漏れ流れと干渉することでこの運動エネルギが低減される。そのため、流体の漏れ流れは、速度が低下し、この漏れ流れを抑制することができ、回転体の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
図8は、本発明の実施例5に係るシール装置の断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例5において、図8に示すように、シール装置60は、円筒形状をなし、外周面が静止体に固定され、内周面と回転体との間に所定隙間が確保されている。そして、このシール装置60は、静止体と回転体との間、具体的には、シール装置60と回転体との間の所定隙間を流れる流体の漏れ流れを抑制するものである。
シール装置60は、内周面に回転体側に開口する複数の凹部21が形成されている。また、シール装置60は、高圧空間部P1と凹部21とを連通する複数の連通路61が設けられると共に、凹部21同士を連通する複数の連通路62が設けられている。各連通路61,62は、シール装置50の軸方向(回転体の軸心方向A)に沿って設けられており、端部が凹部21の中心に向けた位置に開口している。
従って、静止体及びシール装置60に対して回転体が回転すると、高圧空間部P1からシール装置60と回転体との所定隙間を通って低圧空間部に流れる流体の漏れ流れが発生する。このとき、シール装置60と回転体との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れは、その一部が各凹部21内に入り込むことで、この漏れ流れが有する運動エネルギが低減される。また、高圧空間部P1の流体が連通路61を通って各凹部21内に侵入すると共に、上流側の各凹部21から連通路62を通って下流側の各凹部21内に侵入することから、各凹部21内で左右に旋回する旋回流T5,T6が生成される。この各凹部21内で生成された旋回流T5,T6は、シール装置60と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れに比べて低エネルギ流体である。すると、各凹部21内で生成された旋回流T5,T6がシール装置60と回転体との所定隙間を流れる漏れ流れに干渉することで、ここで混合損失が発生して漏れ流れの運動エネルギが低減される。そのため、このシール装置60と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れは、軸心方向成分だけでなく旋回方向成分も減衰されることで、その速度が低下する。
その結果、シール装置60と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れは、この旋回流Tによりその速度が低下され、静止体と回転体との間の流れを抑制することができ、回転体12の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
このように実施例5のシール装置にあっては、シール装置60における回転体側に開口する複数の凹部21を設けると共に、高圧空間部P1と凹部21とを連通する複数の連通路61を設けると共に、軸方向にずれた凹部21同士を連通する連通路62を設けている。
従って、静止体に対して回転体が回転するとき、両者の間に流れる流体の漏れ流れは、その一部が各凹部21内に入り込むことで運動エネルギが低減され、高圧空間部P1の流体が連通路61を通って凹部21内に侵入すると共に、一方の凹部21の流体が連通路62を通って他方の凹部21内に侵入して低エネルギ流体となり、流体の漏れ流れと干渉することでこの運動エネルギが低減される。そのため、流体の漏れ流れは、速度が低下し、この漏れ流れを抑制することができ、回転体の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
図9は、本発明の実施例6に係るシール装置の断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例6において、図9に示すように、シール装置70は、円筒形状をなし、外周面が静止体11に固定され、内周面と回転体12との間に所定隙間Sが確保されている。そして、このシール装置70は、静止体11と回転体12との間、具体的には、シール装置70と回転体12との間の所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFを抑制するものである。
シール装置70は、内周面に回転体12側に開口する複数の凹部21が形成されている。シール装置70は、高圧空間部P1と凹部21を連通する複数の連通路71が設けられると共に、軸方向(回転体12の軸心方向A)にずれた凹部21同士を連通する複数の連通路72,73が設けられている。本実施例では、高圧空間部P1と1番目に高圧空間部P1側に形成された凹部21とを連通路71により連通し、1番目と2番目に高圧空間部P1側に形成された凹部21同士を連通路72により連通し、2番目と3番目に高圧空間部P1側に形成された凹部21同士を連通路73により連通している。そして、連通路71は、一端部がシール装置70における高圧空間部P1側の傾斜した側壁70aに開口し、他端部が凹部21における側壁21aに開口し、連通路72,73は、各端部が軸方向にずれた各凹部21における側壁21aにそれぞれ開口している。また、連通路71,72,73は、下流側の端部が流体の漏れ流れF方向に向けて静止体11側に傾斜している。
また、シール装置70は、連通路71,72,73の中間部における分割ラインLで流体の漏れ流れF方向に複数のリング部材に分割形成されている。従って、連通路71,72,73を効率良く形成することができ、製造コストを低減することができる。
従って、静止体11及びシール装置80に対して回転体12が回転すると、高圧空間部P1からシール装置70と回転体12との所定隙間Sを通って低圧空間部P2に流れる流体の漏れ流れFが発生する。このとき、シール装置70と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、その一部が各凹部21内に入り込むことで、この漏れ流れFが有する運動エネルギが低減される。また、高圧空間部P1の流体が連通路71を通って各凹部21内に侵入すると共に、各凹部21から連通路72,73を通って下流側の各凹部21内にそれぞれ侵入することから、各凹部21内で旋回流T7,T8,T9が生成される。この各凹部21内で生成された旋回流T7,T8,T9は、シール装置70と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFに比べて低エネルギ流体である。すると、各凹部21内で生成された旋回流T7,T8,T9がシール装置70と回転体12との所定隙間Sを流れる漏れ流れFに干渉することで、ここで混合損失が発生して漏れ流れFの運動エネルギが低減される。そのため、このシール装置70と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、軸心方向成分だけでなく旋回方向成分も減衰されることで、その速度が低下する。
その結果、シール装置70と回転体12との所定隙間Sを流れる流体の漏れ流れFは、この旋回流T7,T8,T9によりその速度が低下され、静止体11と回転体12との間の流れを抑制することができ、回転体12の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
このように実施例6のシール装置にあっては、シール装置70における回転体12側に開口する複数の凹部21を設けると共に、高圧空間部P1と凹部21とを連通する複数の連通路71を設けると共に、軸方向にずれた凹部21同士を連通する連通路72,73を設けている。
従って、静止体11に対して回転体12が回転するとき、両者の間に流れる流体の漏れ流れFは、その一部が各凹部21内に入り込むことで運動エネルギが低減され、高圧空間部P1の流体が連通路71を通って凹部21内に侵入すると共に、一方の凹部21の流体が連通路72,73を通って他方の凹部21内に侵入して低エネルギ流体となり、流体の漏れ流れFと干渉することでこの運動エネルギが低減される。そのため、流体の漏れ流れFは、速度が低下し、この漏れ流れFを抑制することができ、回転体12の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
また、実施例6のシール装置では、連通路71,72,73は、下流側の端部が流体の漏れ流れF方向に向けて静止体11側に傾斜している。即ち、連通路71,72,73は、凹部21の円錐部23側に向けて傾斜している。従って、連通路71,72,73から凹部21内に入り込んだ流体は、この凹部21内で長期間にわたって滞留してから漏れ流れFに干渉することとなり、この漏れ流れFを効率良く抑制することができる。
図10は、本発明の実施例7に係るシール装置の断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例7において、図10に示すように、シール装置80は、円筒形状をなし、外周面が静止体に固定され、内周面と回転体との間に所定隙間が確保されている。そして、このシール装置80は、静止体と回転体との間、具体的には、シール装置80と回転体との間の所定隙間を流れる流体の漏れ流れを抑制するものである。
シール装置80は、内周面に回転体側に開口する複数の凹部21が形成されている。この各凹部21は、シール装置80の周方向(回転体の周方向B)に沿って一定間隔で複数直線状に形成されると共に、シール装置80の軸方向(回転体の軸心方向A)に沿って一定間隔で複数直線状に形成されている。即ち、複数の凹部21は、シール装置80の内周面に格子状に形成されている。また、シール装置80は、高圧空間部P1と凹部21とを連通する複数の連通路81が設けられると共に、凹部21同士を連通する複数の連通路82が設けられている。各連通路81,82は、シール装置80の軸方向(回転体の軸心方向A)に沿って設けられており、端部が凹部21の中心から径方向にずれた位置に開口している。
従って、静止体及びシール装置80に対して回転体が回転すると、高圧空間部P1からシール装置80と回転体との所定隙間を通って低圧空間部に流れる流体の漏れ流れが発生する。このとき、シール装置80と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れは、その一部が各凹部21内に入り込むことで、この漏れ流れが有する運動エネルギが低減される。また、高圧空間部P1の流体が連通路81を通って各凹部21内に侵入すると共に、上流側の各凹部21から連通路82を通って下流側の各凹部21内に侵入することから、各凹部21内で左右に旋回する旋回流T10,T11が生成される。この各凹部21内で生成された旋回流T10,T11は、シール装置80と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れに比べて低エネルギ流体である。すると、各凹部21内で生成された旋回流T10,T11がシール装置80と回転体との所定隙間を流れる漏れ流れに干渉することで、ここで混合損失が発生して漏れ流れの運動エネルギが低減される。そのため、このシール装置80と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れは、軸心方向成分だけでなく旋回方向成分も減衰されることで、その速度が低下する。
その結果、シール装置80と回転体との所定隙間を流れる流体の漏れ流れは、この旋回流T10,T11によりその速度が低下され、静止体と回転体との間の流れを抑制することができ、回転体12の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
このように実施例7のシール装置にあっては、シール装置80における回転体側に開口する複数の凹部21を格子状に設けると共に、高圧空間部P1と凹部21とを連通する複数の連通路81を設けると共に、軸方向にずれた凹部21同士を連通する連通路82を設けている。
従って、静止体に対して回転体が回転するとき、両者の間に流れる流体の漏れ流れは、その一部が各凹部21内に入り込むことで運動エネルギが低減され、高圧空間部P1の流体が連通路81を通って凹部21内に侵入すると共に、一方の凹部21の流体が連通路82を通って他方の凹部21内に侵入して低エネルギ流体となり、流体の漏れ流れと干渉することでこの運動エネルギが低減される。そのため、流体の漏れ流れは、速度が低下し、この漏れ流れを抑制することができ、回転体の不安定振動を抑制してシール性能を向上することができる。
なお、本発明のシール装置は、軸心方向空間部と凹部、または、軸心方向にずれた凹部同士を連通路により連通することが特徴であり、連通路の数、方向、形状、組み合わせなど、各実施例で限定されるものではなく、また、各実施例を組み合わせて構成してもよい。
また、上述した各実施例では、凹部21を円柱部22と円錐部23とで構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、凹部を円柱形状としたり、多角柱形状としたり、円錐形状、円錐台形状などとしてもよい。
10,30,40,45,50,60,70,80 シール装置
11 静止体
12 回転体
21 凹部
10a,21a,30a,70a 側壁
24,31,32,41,46,51,52,61,62,71,72,73,81,82 連通路
F 漏れ流れ
P1 高圧空間部(軸心方向空間部)
S 所定隙間
T,T1,T2,T3,T4,T5,T6,T7,T8,T9,T10,T11 旋回流

Claims (5)

  1. 静止体に設けられて回転体との間における流体の流れを抑制するシール装置において、
    前記回転体側に開口する複数の円柱形状の凹部と、
    軸心方向空間部と前記凹部の側壁または軸心方向にずれた前記凹部同士の側壁を連通する連通路と、
    を有し、
    前記連通路は、前記凹部の円柱部の中心から径方向にずれた位置に開口する、
    ことを特徴とするシール装置。
  2. 前記軸心方向空間部は、シール壁面に軸方向に対向した高圧空間部であって、該高圧空間部と前記凹部とが前記連通路により連通されることを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
  3. 前記連通路は、内部圧力が相違する前記凹部同士を連通することを特徴とする請求項1または2に記載のシール装置。
  4. 前記連通路は、流動する流体により前記凹部内で旋回流を生成可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のシール装置。
  5. 静止体に設けられて回転体との間における流体の流れを抑制するシール装置において、
    前記回転体側に開口する複数の円柱形状の凹部と、
    軸心方向空間部と前記凹部または軸心方向にずれた前記凹部同士を連通すると共に前記凹部の中心から径方向にずれた位置に開口する連通路と、
    を有し、
    前記連通路は、前記凹部の円柱部の中心から径方向にずれた位置に開口する、
    ことを特徴とするシール装置。
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