JP2015175484A - 静圧流体軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】
スロット絞りを円周上のみならず軸方向にも配置することで角剛性を向上させて、偏荷重が大きく作用するような環境で使用することができる静圧流体軸受を提供する。軸方向にもスロット絞りを配置することが可能な静圧流体軸受の実用的且つ経済的な構造を提案し、更には高速回転時の接触による損傷を低減するための材料及びスロット絞り出口形状を提案する。
【解決手段】
シャフト2とハウジングとの間に配置し、シャフトとの間に軸受隙間4を介して対向する軸受面5と、軸受面にそれぞれ開口しシャフトの回転軸線周りに複数設けられたスロット絞り6とを備え、スロット絞りを通して軸受隙間に加圧した流体を導くことにより、シャフトを非接触状態で回転支持する静圧流体軸受1において、全体が円筒形であり、シャフトの軸方向に延びた溝形状のスロット絞り6を配置した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静圧流体軸受に係わり、更に詳しくはシャフトを流体静圧によって非接触状態で回転支持する静圧流体軸受に関するものである。
従来から、ハウジング(図示せず)とシャフトとの間に配置され、シャフトを流体静圧により非接触状態で回転支持する静圧流体軸受は提供されてきた。例えば、特許文献1には、シャフトと、該シャフトとの間に軸受隙間を介して対向する軸受面を備えた軸受体とを具備し、前記軸受隙間に加圧した気体を、前記軸受面にそれぞれ開口し前記シャフトの回転軸線周りの円周方向に複数設けられ前記円周方向に沿って延在するスロット絞りを通して導くことにより、前記シャフトを回転可能に支持する静圧気体軸受が記載されている。
従来のスロット絞り式の静圧流体軸受100を図15及び図16に示す。軸受100とシャフト101との間には軸受隙間102が形成され、軸受面103の中央円周上に数十μmの隙間のスロット絞り104を配置する構造である。流体供給用の前記スロット絞り104は、円環状である場合と、特許文献1のように等間隔に複数配置する場合もある。前記スロット絞り104から供給された流体は、軸受隙間102に流入した後、大気に開放される。前記スロット絞り104からの供給された流体圧力によって、軸受に剛性を与え、スロット絞り104の形状やその配置によって特性が変化する。この絞りから流出する流体の圧力で軸質量や回転中の遠心力等の負荷を支持するのである。この軸受で大負荷を支持する場合には、軸受直径や流体の供給圧力も増加させる必要があった。
更に、この静圧流体軸受は、図16に示すように、回転中の負荷が軸受の軸方向に対し偏った場合(以下,偏荷重という)、軸受面端部で接触する可能性が高く、損傷する可能性も高かった。これは、従来の静圧流体軸受では,図15に示すように、スロット絞り104が軸受面103の軸方向中央に配置されており、軸方向圧力の傾きが小さくなるとともに、端部での圧力が低くなるので、負荷が大きく発生する部分での負荷支持力が減少するためである。従来の静圧流体軸受は、外部から加圧された流体を軸受面に供給する方式で、動圧形と呼ばれる相対運動によって圧力を発生する方式に比べ、負荷支持能力は高い。しかしながら従来の流体軸受は、どちらの形式においても主として金属材料を使用しているので、高速回転時にシャフトと軸受が接触すると、焼き付き等の損傷を引き起こすことが問題であった。これを低減するために、軸受面に損傷低減のためのコーティングを施すことも行われているが、高価であることから軸受の単価が高くなってしまう。
尚、特許文献2には、軸方向の2箇所に円周方向に沿って延びたラジアルスロット絞りを設けた静圧流体軸受が開示されているが、複雑な多数の部品を組み合わせて構成しているためコスト高となる。
特開2009−092196号公報 特開2003−074555号公報
静圧流体軸受の備えるべき特性として、シャフトの傾きを引き起こすような負荷に対して優れた性能を発揮すること、すなわち角剛性が高いことが挙げられる。従来のジャーナル流体軸受では、製作が容易なためスロット絞りを軸受面中央の円周上に設けていたが、この方式では,軸受中央部の圧力を高くできるが,端部では圧力が低いので,軸受にシャフトを傾けようとする負荷(偏荷重)が大きく作用すると、端部で接触して損傷する可能性が高かった。更に、高速回転時に接触すると、再使用できなくなるような焼き付き等の致命的な損傷が生じることが問題であった。静圧流体軸受では、スロット絞りの形状や配置によって性能が大きく変化することが知られている。
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、スロット絞りを円周上のみならず軸方向にも配置することで角剛性を向上させて、偏荷重が大きく作用するような環境で使用することができる静圧流体軸受を提供する点にある。具体的には、軸方向にもスロット絞りを配置することが可能な静圧流体軸受の実用的且つ経済的な構造を提案し、更には高速回転時の接触による損傷を低減するための材料及びスロット絞り出口形状を提案するものである。
本発明は、前述の課題解決のために、シャフトとハウジングとの間に配置し、シャフトとの間に軸受隙間を介して対向する軸受面と、該軸受面にそれぞれ開口し前記シャフトの回転軸線周りに複数設けられたスロット絞りとを備え、該スロット絞りを通して前記軸受隙間に加圧した流体を導くことにより、前記シャフトを非接触状態で回転支持する静圧流体軸受において、全体が円筒形であり、前記シャフトの軸方向に延びた溝形状のスロット絞りを配置したことを特徴とする静圧流体軸受を構成した(請求項1)。
ここで、組み合わせて円筒形の軸受本体を形成する第1部材と第2部材とからなり、該第1部材と第2部材にはそれぞれ軸方向且つ半径方向に延びる流体面を有し、第1部材と第2部材を組み合わせた際に対向する流体面間にスロット状の前記スロット絞りを形成してなることが好ましい(請求項2)。
具体的には、前記第1部材と第2部材は軸方向から組み合わせ可能な形状を有し、該第1部材と第2部材の接合部分には、軸方向に突出した凸部と凹部を回転軸線周りに交互に形成し、第1部材の凸部と凹部が第2部材の凹部と凸部にそれぞれ噛合する構造とし、各凸部の軸方向に平行な両側面を前記流体面とするとともに、各凸部の頂面と各凹部の底面とを接合面としてなることがより好ましい(請求項3)。
あるいは、前記第1部材と第2部材は半径方向から組み合わせ可能な形状を有し、第1部材は円筒形であり、その円筒部に略四角形の開口部を複数形成し、第2部材は前記開口部の数と同数個有し、第1部材の外周面を覆う円筒面部と前記開口部に嵌合する突出部とを有し、前記第1部材の各開口部の軸方向に平行な両内壁面と前記第2部材の突出部の軸方向に平行な両側壁面を前記流体面とするとともに、前記第1部材の各開口部の半径方向に平行な両内壁面と前記第2部材の突出部の半径方向に平行な側壁面を接合面としてなることも好ましい(請求項4)。
そして、前記軸受面に開口したスロット絞りの出口にポケットを設けてなることも好ましい(請求項5)。
更に、前記第1部材と第2部材は合成樹脂製の成形品であることも好ましい(請求項6)。
以上にしてなる請求項1に係る発明の静圧流体軸受は、シャフトとハウジングとの間に配置し、シャフトとの間に軸受隙間を介して対向する軸受面と、該軸受面にそれぞれ開口し前記シャフトの回転軸線周りに複数設けられたスロット絞りとを備え、該スロット絞りを通して前記軸受隙間に加圧した流体を導くことにより、前記シャフトを非接触状態で回転支持する静圧流体軸受において、全体が円筒形であり、前記シャフトの軸方向に延びた溝形状のスロット絞りを配置したので、スロット絞りが軸受の端部近くまで配置されることによって、高い圧力が軸方向に広く作用するため、軸受への偏荷重に対して高い剛性を発揮する。更に、スロット絞りの数を増加させれば性能が増加する。従来は軸受長さLと軸受直径Dの比(L/D)が1〜2のようなものに使用されてきたが、本発明では、L/D=2〜4といったような長軸受となっても使用可能である。
請求項2によれば、組み合わせて円筒形の軸受本体を形成する第1部材と第2部材とからなり、該第1部材と第2部材にはそれぞれ軸方向且つ半径方向に延びる流体面を有し、第1部材と第2部材を組み合わせた際に対向する流体面間にスロット状の前記スロット絞りを形成してなるので、構造が単純であり、製作・組立てが用意である。そのため材質は金属に限らないが、合成樹脂で製作することによって、焼付きといった致命的な損傷も防止も可能である。したがって、使用する回転機械の安全性、信頼性が向上する。
請求項3によれば、前記第1部材と第2部材は軸方向から組み合わせ可能な形状を有し、該第1部材と第2部材の接合部分には、軸方向に突出した凸部と凹部を回転軸線周りに交互に形成し、第1部材の凸部と凹部が第2部材の凹部と凸部にそれぞれ噛合する構造とし、各凸部の軸方向に平行な両側面を前記流体面とするとともに、各凸部の頂面と各凹部の底面とを接合面としてなるので、第1部材と第2部材を軸方向から接合して組み合わせることにより、軸方向且つ半径方向に延びるスロット絞りがシャフトの回転軸線周りに自動的に複数形成され、凸部と凹部の周方向の寸法を一致させれば、スロット絞りがシャフトの回転軸線周りに等間隔で形成される。また、第1部材と第2部材のみで構成できるので、部品点数が少なくて済み、更に第1部材と第2部材を同一形状にすれば、一種類の成形品を成形するだけで良く、大幅なコストダウンが図れる。
請求項4によれば、前記第1部材と第2部材は半径方向から組み合わせ可能な形状を有し、第1部材は円筒形であり、その円筒部に略四角形の開口部を複数形成し、第2部材は前記開口部の数と同数個有し、第1部材の外周面を覆う円筒面部と前記開口部に嵌合する突出部とを有し、前記第1部材の各開口部の軸方向に平行な両内壁面と前記第2部材の突出部の軸方向に平行な両側壁面を前記流体面とするとともに、前記第1部材の各開口部の半径方向に平行な両内壁面と前記第2部材の突出部の半径方向に平行な側壁面を接合面としてなるので、第1部材に第2部材を半径方向から接合して組み合わせることにより、軸方向且つ半径方向に延びるスロット絞りがシャフトの回転軸線周りに自動的に複数形成される。また、第1部材と同一形状の複数の第2部材のみで構成できるので、部品点数が少なくて済み、大幅なコストダウンが図れる。
請求項5によれば、前記軸受面に開口したスロット絞りの出口にポケットを設けてなるので、発熱による溶融や軸受面の摩耗などによってストット絞りが狭まるのを防止でき、信頼性が向上する。
請求項6によれば、前記第1部材と第2部材は合成樹脂製の成形品であるので、合成樹脂材料の射出成形品を流体軸受として用いることができ、軸受製作に要する時間も削減できる。合成樹脂材料を使用するので、耐薬品性があり、電気絶縁が要求される環境下での使用も可能となる。
本発明の静圧流体軸受の概念図を示し、(a)は軸方向に沿った断面図、(b)は半径方向に沿った断面図、(c)は軸受面圧力分布である。 スロット絞りの出口形状を示し、(a)は出口が平行な通常の形状のスロット絞りの部分断面図、(b)は出口にポケットを設けたスロット絞りの部分断面図である。 本発明の第1実施形態の静圧流体軸受の全体斜視図である。 同じく分解斜視図である。 同じく軸方向に沿った断面図である。 同じく半径方向に沿った断面図である。 同じく使用状態の断面図である。 本発明の第2実施形態の静圧流体軸受の一部省略分解斜視図である。 同じく半径方向に沿った断面図である。 静圧流体軸受の特性測定装置の概念図である。 給気圧力と気体流量の関係を示すグラフである。 軸偏心率と負荷の関係を示すグラフである。 軸受端部に偏荷重を与える配置に設定した特性測定装置の概念図である。 角剛性測定結果を示すグラフである。 従来の静圧流体軸受の概念図を示し、(a)は軸方向に沿った断面図、(b)は半径方向に沿った断面図、(c)は軸受面圧力分布である。 同じくシャフトに偏荷重が加わった際のシャフトと静圧流体軸受との相対変位を示した説明用断面図である。
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明の静圧流体軸受の概念図を示し、図2はスロット絞り部分の拡大図であり、図3〜図7は本発明の第1実施形態、図8及び図9は本発明の第2実施形態を示し、図中符号1は静圧流体軸受、2はシャフト、3はハウジングを示している。
本発明の静圧流体軸受1は、シャフト2とハウジング3との間に配置し、シャフト2との間に軸受隙間4を介して対向する軸受面5と、該軸受面5にそれぞれ開口し前記シャフト2の回転軸線周りに複数設けられたスロット絞り6とを備え、該スロット絞り6を通して前記軸受隙間4に加圧した流体を導くことにより、前記シャフト2を非接触状態で回転支持するものであり、全体が円筒形であり、前記シャフト2の軸方向に延びた溝形状のスロット絞り6を配置している。前記スロット絞り6は、シャフト2の軸方向且つ半径方向に延びている。複数の前記スロット絞り6の位置は、シャフト2に等方的な静圧が作用するように回転対称な位置、特に円周方向に等間隔であることが好ましい。
図1に示すように、前記静圧流体軸受1は、全体が円筒形で、好ましくは軸受長さLと軸受直径Dの比(L/D)が1〜4であり、軸方向に延びた前記スロット絞り6を円周方向に8本配置した構造(機械式でいうところのニードルベアリングと同様)である。前記スロット絞り6は前記軸受面5から円筒部内部まで半径方向に延び、円筒部の外周部に設けた供給路7に連通している。前記供給路7を通して給気された流体は、8本のスロット絞り6を通り軸受面5に流入した後大気開放される仕組みである。通常、作動流体として空気等の気体を用いる。前記供給路7は、円筒部の外周面に円周方向に形成した環状溝8で構成することが好ましい。つまり、環状溝8を各スロット絞り6に連通するように形成する。
前記静圧流体軸受1のスロット絞り6を前述のように配置することにより、図1(c)に示すような軸受面圧力分布が得られる。前記スロット絞り6が軸受1の端部近くまで配置されることによって、高い圧力が軸方向に広く作用するため、軸受への偏荷重に対して高い剛性を発揮する。更に、スロット絞り6の数を増加させればその性能が増加する。
前述の構造の静圧流体軸受1を機械加工で作製することは困難であるので、摺動特性に優れる合成樹脂で成形した2個あるいは複数個の最小数の部品を組み合わせることによって実現する。合成樹脂材料として、ポリアセタールを始め、PEEK、(MC)ナイロンなどの一般的な軸受材料は全て使用することができる。このような合成樹脂材料で成形した静圧流体軸受1は、高速回転時にシャフトが接触しても損傷が少なくて済む。
図2は1個のスロット絞り6を拡大して示したものである。従来のスロット絞り6は図2(a)に示すように、入口から出口まで一様な幅の隙間を持った溝が使用されているが、合成樹脂材料で軸受を製作する場合、高速回転時にシャフト2と軸受1が接触した際の焼付きといった致命的な損傷は防止可能と考えられるが、摺動摩擦による発熱によって合成樹脂材料が溶けてスロット絞り6が閉塞する可能性がある。このため、図2(b)に示すように、スロット絞り6の出口に溝が僅かに広くなるようなポケット9を設けることによって、軸受面5が溶けた場合でもスロット絞り6が閉塞せず機能が保持される。
図3〜図7は、本発明の第1実施例を示し、合成樹脂材料を用いて、機械加工して製作した部品を組み合わせて、軸方向のスロット絞り6を半径方向に複数配置した軸受1Aを作製したものである。本実施形態は、2部品を組み合わせることによって、スロット絞りが形成された1個の軸受1Aを構成するものであり、図3は完成品の静圧流体軸受1Aを示し、図4は各部品に分解した状態を示している。
つまり、本実施形態の静圧流体軸受1Aは、組み合わせて円筒形の軸受本体を形成する第1部材10と第2部材11とからなり、該第1部材10と第2部材11にはそれぞれ軸方向且つ半径方向に延びる流体面12を有し、第1部材10と第2部材11を組み合わせた際に対向する流体面12,12間にスロット状の前記スロット絞り6を形成する構造である。前記スロット絞り6の幅は、例えば10〜20μmである。
具体的には、前記静圧流体軸受1Aは、前記第1部材10と第2部材11は軸方向から組み合わせ可能な形状を有し、該第1部材10と第2部材11の接合部分には、軸方向に突出した凸部13と凹部14を回転軸線周りに交互に形成し、第1部材10の凸部13と凹部14が第2部材11の凹部14と凸部13にそれぞれ噛合する構造とし、各凸部13の軸方向に平行な両側面を前記流体面12,12とするとともに、各凸部13の頂面と各凹部14の底面とを接合面15とした構造である。
前記第1部材10と第2部材11は、同一形状の成形品であるので、第1部材10の形状を更に詳しく説明する。前記第1部材10は、環状部から軸方向に4つの凸部13を突設し、隣接する凸部13,13の間が凹部14となっている。前記凸部13の頂面には同一円上に軸方向の螺孔16とダボ17を並べて形成するとともに、凹部14の底面には同一円上に軸方向の貫通孔18と前記ダボ17を係合する係合穴19を並べて形成している。前記第1部材10と第2部材11の互いの凸部13と凹部14を噛合させると、凸部13のダボ17が相手側の部材の凹部14の係合穴19に係合し、図5に示すように、軸方向から前記貫通孔18に挿入したボルト20を相手側の部材の螺孔16に螺合し、両第1部材10と第2部材11を軸方向に引き付けて組み合わせる。
更に、第1部材10と第2部材11の環状部の外周面には、Oリング溝21をそれぞれ形成するとともに、前記凸部13の外周面には円周方向に溝22を形成し、組み合わせた際には各溝22が連続して流体の供給路となる環状溝を構成する。ここで、前記溝22の底部は前記流体面12に連続している。また、前記流体面12は、前記溝22を形成した凸部13の外周部端面に対してスロット絞り6の幅の半分の寸法だけ段落ちした状態で形成している。これによって両部材を組み合わせた際に、所定のスロット絞り6の隙間となる。
図6は、前記静圧流体軸受1Aの前記溝22の中心位置で半径方向に平行な断面を示している。そして、本実施形態の静圧流体軸受1Aの使用例を図7に示している。前記静圧流体軸受1Aは、ハウジング3の円筒孔23の内周面に、前記Oリング溝21,21にOリング24,24を嵌合した状態で気密状態に装着する。そして、前記溝22にはハウジング3に形成した流路25が連通し、コンプレッサから供給された圧力流体を各スロット絞り6に供給する。
図8及び図9は、本発明の第2実施形態を示し、前記同様に合成樹脂材料を用いて、機械加工して製作した部品を組み合わせて軸受1Bを作製したものである。本実施形態の静圧流体軸受1Bは、基本思想は第1実施形態と同様であるが、一つの第1部材30と複数個の同一形状の第2部材31を用いて組み合わせて製作する。具体的には、前記第1部材30と第2部材31は半径方向から組み合わせ可能な形状を有し、第1部材30は円筒形であり、その円筒部32に等間隔で略四角形の開口部33を複数形成し、第2部材31は前記開口部33の数と同数個有し、第1部材30の外周面を覆う円筒面部34と前記開口部33に嵌合する突出部35とを有し、前記第1部材30の各開口部33の軸方向に平行な両内壁面と前記第2部材31の突出部35の軸方向に平行な両側壁面を前記流体面12とするとともに、前記第1部材30の各開口部33の半径方向に平行な両内壁面と前記第2部材31の突出部35の半径方向に平行な側壁面を接合面36とした構造である。本実施形態では、前記第1部材30の開口部33を4箇所に形成し、4個の第2部材31を用いている。
そして、前記第1部材30の各開口部33に前記第2部材31の突出部35を係合させるとともに、第2部材31の4つの円筒面部34が連続して前記第1部材30の外周面を覆い尽くすように固定する。前記第1部材30と第2部材31を組み合わせると、第1部材30の開口部33の両内壁面と前記第2部材31の突出部35の両側壁面との間に、合計8本のスロット絞り6が形成されるのである。また、前記第2部材31の円筒面部34の外周面には円周方向に溝37が形成されているとともに、該溝37から前記流体面12、即ちスロット絞り6に連通する孔38が形成されている。その他に、前記第2部材31の4つの円筒面部34には図示しないOリング溝を適宜形成するか、ハウジング3に対する他の気密手段を設けるものとする。なお、第1部材31と第2部材31の係合面は、平面であってもかまわない。
<特性測定>
次に、本発明品の静圧流体軸受1Aと図15に示した従来品の特性測定を行い、本発明の有効性を確認した。特性測定に用いた実験装置を図10に示す。実験装置は、軸受1を通したシャフト2を高剛性のフレーム40に固定する。前記軸受1にはハウジング3を模した円筒41を外装し、コンプレッサから圧力計、流量計を介して加圧流体を軸受1に供給できるように配管している。ロードスクリュー42で下方向から軸受1に負荷を与え、負荷に対する変位を上方に配置した変位計43で測定した。ロードスクリュー42はロードセルに通してあり、負荷の値を検出した。軸受1を流れる気体は、レギュレータで調圧し、圧力計、流量計で測定した。
従来品と発明品の軸受の消費気体流量を測定した結果を図11に示す。室温は25℃、軸受半径隙間(軸受隙間4)は60μmである。従来品の給気圧力Ps=0.6MPa(gauge)と発明品の給気圧力Ps=0.2MPa(gauge)で流量が同じ値となった。発明品の軸受と従来品の軸受のスロット絞りは異なるので、隙間を合わせた軸受特性の比較は困難であるが、同じ気体流量となる条件(従来品のPs=0.6MPa(gauge)と発明品のPs=0.2MPa(gauge)で以下に述べる負荷容量の比較を行うことにした。試験軸受の長さはL=40mm、直径はD=30mmである。
発明品の軸受と従来品の軸受の負荷容量を実験的に比較した。負荷容量とは、負荷に対するシャフトの変位を表したものである。上述した同じ流量となる給気圧力でそれぞれの負荷容量を測定した。荷重点は軸受の中央部である。図12に測定結果を示す。同図の横軸は偏心率、縦軸は負荷である。負荷容量は、負荷をLDPsで除して無次元し、軸受寸法の影響を消去した。ここで、偏心率とは、軸受半径隙間に対するシャフトの変位率のことであり、軸受中心とシャフト中心が一致していれば偏心率は0、接触すると偏心率は1となる。そして、負荷容量の大きい良い軸受けというのは、同一負荷であれば偏心率が小さいことを意味する。この実験により、同じ流量となる給気圧力の条件では、発明品の軸受と従来品の軸受は同様の負荷容量となることが分かった。
図13に示すように軸受端部に偏負荷を与え、負荷に対する軸受の変位(角剛性)を測定した。測定条件は前記同様である。図14に測定結果を示す。同図の横軸は、変位を測定した軸受端部の偏心率(軸受半径すきまに対する軸の変位率)、縦軸は負荷である。この場合も、負荷をLDPsで除して無次元し、軸受寸法の影響を消去した。図14では、偏心率0.2程度になる負荷までは発明品の軸受と従来品の軸受は同様の変化を示すが、更に負荷が大きくなると、発明品の軸受の偏心率は、同一負荷の場合、従来品の軸受よりも小さくなった。即ち、発明品の軸受の方が偏荷重に強い、角剛性が大きい軸受と言える。
以上の特性測定の結果、流量が同じになる条件で比較したところ、負荷容量は同じ結果となったが、角剛性は確かに発明品の方が大きくなることが分かった。
本発明の静圧流体軸受は、偏荷重に対して高い剛性を示すので、流体軸受を使用する回転機械の安全性、信頼性が向上する。更に、合成樹脂材料の射出成形品を流体軸受として用いることが可能であり、軸受製作に要する時間も削減できる。即ち、優れた性能を有する軸受が安価に得られるので、産業上の利用可能性はきわめて高い。更に、合成樹脂材料を使用するので、絶縁環境下での使用も期待できることから、使用分野も広いと思われる。
1,1A,1B 静圧流体軸受
2 シャフト
3 ハウジング
4 軸受隙間
5 軸受面
6 スロット絞り
7 供給路
8 環状溝
9 ポケット
10 第1部材
11 第2部材
12 流体面
13 凸部
14 凹部
15 接合面
16 螺孔
17 ダボ
18 貫通孔
19 係合穴
20 ボルト
21 Oリング溝
22 溝
23 円筒孔
24 Oリング
25 流路
30 第1部材
31 第2部材
32 円筒部
33 開口部
34 円筒面部
35 突出部
36 接合面
37 溝
38 孔
40 フレーム
41 円筒
42 ロードスクリュー
43 変位計
100 静圧流体軸受
101 シャフト
102 軸受隙間
103 軸受面
104 スロット絞り

Claims (6)

  1. シャフトとハウジングとの間に配置し、シャフトとの間に軸受隙間を介して対向する軸受面と、該軸受面にそれぞれ開口し前記シャフトの回転軸線周りに複数設けられたスロット絞りとを備え、該スロット絞りを通して前記軸受隙間に加圧した流体を導くことにより、前記シャフトを非接触状態で回転支持する静圧流体軸受において、全体が円筒形であり、前記シャフトの軸方向に延びた溝形状のスロット絞りを配置したことを特徴とする静圧流体軸受。
  2. 組み合わせて円筒形の軸受本体を形成する第1部材と第2部材とからなり、該第1部材と第2部材にはそれぞれ軸方向且つ半径方向に延びる流体面を有し、第1部材と第2部材を組み合わせた際に対向する流体面間にスロット状の前記スロット絞りを形成してなる請求項1記載の静圧流体軸受。
  3. 前記第1部材と第2部材は軸方向から組み合わせ可能な形状を有し、該第1部材と第2部材の接合部分には、軸方向に突出した凸部と凹部を回転軸線周りに交互に形成し、第1部材の凸部と凹部が第2部材の凹部と凸部にそれぞれ噛合する構造とし、各凸部の軸方向に平行な両側面を前記流体面とするとともに、各凸部の頂面と各凹部の底面とを接合面としてなる請求項2記載の静圧流体軸受。
  4. 前記第1部材と第2部材は半径方向から組み合わせ可能な形状を有し、第1部材は円筒形であり、その円筒部に略四角形の開口部を複数形成し、第2部材は前記開口部の数と同数個有し、第1部材の外周面を覆う円筒面部と前記開口部に嵌合する突出部とを有し、前記第1部材の各開口部の軸方向に平行な両内壁面と前記第2部材の突出部の軸方向に平行な両側壁面を前記流体面とするとともに、前記第1部材の各開口部の半径方向に平行な両内壁面と前記第2部材の突出部の半径方向に平行な側壁面を接合面としてなる請求項2記載の静圧流体軸受。
  5. 前記軸受面に開口したスロット絞りの出口にポケットを設けてなる請求項1〜4いずれか1項に記載の静圧流体軸受。
  6. 前記第1部材と第2部材は合成樹脂製の成形品である請求項1〜5いずれか1項に記載の静圧流体軸受。
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