JP2009073782A - 脱色又は染毛された毛髪の反応臭抑制方法 - Google Patents

脱色又は染毛された毛髪の反応臭抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脱色又は染色によって生じる反応臭を十分に抑制することの容易な脱色又は染色された毛髪の反応臭抑制方法を提供する。
【解決手段】毛髪には、毛髪脱色剤又は酸化染毛剤を用いた毛髪化粧処理が施される。毛髪脱色剤は、アルカリ剤を含有する脱色第1剤と酸化剤を含有する脱色第2剤とを使用時に混合調製して用いる。酸化染毛剤は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する染毛第1剤と酸化剤を含有する染毛第2剤とを使用時に混合調製して用いる。反応臭抑制処理剤は、クロロゲン酸類、及び、コーヒー豆抽出物から選ばれる少なくとも一種の有効成分、並びに、水を含有する。反応臭抑制処理剤のpHは3〜7の範囲である。毛髪には、毛髪化粧処理が施された後に、反応臭抑制処理剤が塗布される。続いて、反応臭抑制処理剤が塗布されている毛髪から反応臭抑制処理剤を洗い流す。
【選択図】なし

Description

本発明は、脱色又は染毛された毛髪の反応臭抑制方法に関する。
従来、クロロゲン酸を酸化防止剤として含有する化粧用組成物が知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、クロロゲン酸は皮膚又は毛髪への有害な酸化的影響を軽減する作用を奏することが記載されている。また、特許文献1には、クロロゲン酸を含有する毛髪化粧料は、染毛又は毛髪脱色処理後に使用するリンス剤としても応用できることが開示されている。さらに、クロロゲン酸を有効成分として含有する消臭剤が知られている(特許文献2参照)。この消臭剤では、硫化水素、アンモニア、アミン類等の臭気成分に対する消臭効果が確認されている。一方、脱色又は染毛された毛髪の反応臭抑制方法としては、タンパク加水分解物、非イオン界面活性剤、シリコーン油、及び、多価アルコールを含有する剤を毛髪に塗布して乾燥させる方法が知られている(特許文献3参照)。
特開平8−208419号公報 特開昭61−8054号公報 特開2007−145783号公報
本発明は、クロロゲン酸類及びコーヒー豆抽出物が脱色又は染色された毛髪の反応臭を抑制することを見出すことでなされたものである。特許文献1は、脱色又は染毛された毛髪の反応臭抑制方法について何ら開示していない。特許文献2の消臭剤は、毛髪への適用を前提としたものではない。こうした引用文献1及び2からは、脱色又は染毛された毛髪の反応臭についての作用効果について予測することができない。なお、特許文献3の方法では、クロロゲン酸類及びコーヒー豆抽出物について何ら開示していない。ちなみに、特許文献3の方法では、脱色又は染色された毛髪の反応臭を十分に抑制することができない。
本発明の目的は、脱色又は染色によって生じる反応臭を十分に抑制することの容易な脱色又は染色された毛髪の反応臭抑制方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の脱色又は染色された毛髪の反応臭抑制方法では、アルカリ剤を含有する脱色第1剤と酸化剤を含有する脱色第2剤とを使用時に混合調製して用いる毛髪脱色剤、又は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する染毛第1剤と酸化剤を含有する染毛第2剤とを使用時に混合調製して用いる酸化染毛剤により、毛髪に毛髪化粧処理を施した後に、前記毛髪化粧処理によって生じた毛髪の反応臭を抑制する反応臭抑制処理剤を毛髪に塗布する脱色又は染色された毛髪の反応臭抑制方法であって、前記反応臭抑制処理剤は、クロロゲン酸類、及び、コーヒー豆抽出物から選ばれる少なくとも一種の有効成分、並びに、水を含有するとともに、前記反応臭抑制処理剤のpHは3〜7の範囲であり、前記反応臭抑制処理剤が塗布されている毛髪から前記反応臭抑制処理剤を洗い流すことを要旨とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記反応臭抑制処理剤が、カチオン性化合物を含有することを要旨とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記アルカリ剤が、前記脱色第1剤中又は前記染毛第1剤中に3〜10質量%の範囲で含有されるアルカノールアミンと、前記脱色第1剤中又は前記染毛第1剤中に0.3質量%以下の範囲で含有されるアンモニアとからなることを要旨とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記アルカリ剤が、前記脱色第1剤中又は前記染毛第1剤中に3〜10質量%の範囲で含有されるアルカノールアミンのみからなることを要旨とする。
本発明によれば、脱色又は染色によって生じる反応臭を十分に抑制することが容易である。
以下、本発明を染色された毛髪の反応臭抑制方法に具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の染毛処理には、酸化染料及びアルカリ剤を含有する染毛第1剤と、酸化剤を含有する染毛第2剤とを使用時に混合調製する酸化染毛剤が用いられる。染毛処理が施された毛髪には、反応臭抑制処理剤が塗布される。反応臭抑制処理剤は、染毛処理によって生じた毛髪の反応臭を抑制するものである。反応臭抑制処理剤には、クロロゲン酸類、及び、コーヒー豆抽出物から選ばれる少なくとも一種の有効成分、並びに、水が含有されるとともに、同反応臭抑制処理剤のpHは3〜7の範囲に調整されている。
<染毛第1剤>
染毛第1剤は、少なくとも酸化染料及びアルカリ剤を含んでいる。酸化染料は、酸化染毛剤の染毛第2剤に含有される酸化剤による酸化重合に起因して発色可能な化合物であり、染料中間体及びカプラーに分類される。酸化染料は、少なくとも染料中間体を含んでいる。
染料中間体としては、例えばフェニレンジアミン類(但し、メタフェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、メタアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール及びパラメチルアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類(但し、トルエン−3,4−ジアミン及びトルエン−2,4−ジアミンを除く。)、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類(但し、2,6−ジアミノピリジンを除く)、及びそれらの塩類が挙げられる。塩類としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、及び酢酸塩等が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
カプラーは、染料中間体と結合することにより発色する。カプラーとしては、例えばレゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
酸化染料は、毛髪の色調を様々に変化させることができることから、好ましくは、染料中間体の前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種と、カプラーの前記具体例の中から選ばれる少なくとも一種とから構成される。
酸化染毛剤中における染料中間体の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。染料中間体の含有量が0.01質量%未満の場合、十分な染色性が得られないおそれがある。染料中間体の含有量が10質量%を超えても染色性はそれ以上向上しないことから、染毛の経済性が低下するおそれがある。
酸化染毛剤中におけるカプラーの含有量は、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3質量%である。カプラーの含有量が0.01質量%未満の場合、十分な染色性が得られないおそれがある。カプラーの含有量が5質量%を超えても染色性はそれ以上向上しないことから、染毛の経済性が低下するおそれがある。
染毛第1剤は、前記酸化染料以外の染料として、例えば「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料、及び直接染料から選ばれる少なくとも一種を適宜含有してもよい。
アルカリ剤は、酸化染毛剤の染毛第2剤に含有される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させて毛髪への染料の浸透性を向上させることにより、染色性を向上させる。アルカリ剤としては、例えばアンモニア、アルカノールアミン、有機アミン類、無機アルカリ、塩基性アミノ酸、及びそれらの塩が挙げられる。有機アミン類としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、及びグアニジンが挙げられる。無機アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムが挙げられる。塩基性アミノ酸としては、例えばアルギニン、及びリジンが挙げられる。塩としては、例えばアンモニウム塩が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの具体例の中でも、均染性を十分に高めることができることから、アルカリ剤は、アルカノールアミン及びアンモニアから選ばれる少なくとも一種のみから構成されることが好ましい。
アルカリ剤の含有量は、好ましくは染毛第1剤のpHが8〜12の範囲となる量である。染毛第1剤のpHが8未満では、染毛第1剤が染毛第2剤と混合されたときに、染毛第2剤に酸化剤としての過酸化水素が含有される場合、過酸化水素の作用が十分に促進されないおそれがある。染毛第1剤のpHが12を超えると、酸化染毛剤が毛髪に塗布されたときに、毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
染毛第1剤中におけるアルカリ剤の含有量は、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.2〜11質量%、さらに好ましくは0.6〜10質量%、最も好ましくは0.7〜9質量%である。染毛第1剤中におけるアルカリ剤の含有量が0.1質量%未満の場合、十分な均染性が得られないおそれがある。一方、染毛第1剤中におけるアルカリ剤の含有量が12質量%を超える場合、仕上り後の毛髪において良好な感触を得ることが困難となるおそれがある。アルカリ剤は、好ましくは、染毛第1剤中に3〜10質量%の範囲で含有されるアルカノールアミンと、染毛第1剤中に0.3質量%以下の範囲で含有されるアンモニアとから構成される。また、アルカリ剤は、好ましくは、染毛第1剤中に3〜10質量%の範囲で含有されるアルカノールアミンのみから構成される。染毛第1剤中におけるアルカノールアミンの含有量が3質量%未満の場合、反応臭を顕著に抑制することが困難となるおそれがある。染毛第1剤中におけるアルカノールアミンの含有量が10質量%を超える場合、仕上り後の毛髪において良好な感触を得ることが困難となるおそれがある。染毛第1剤中におけるアンモニアの含有量が0.3質量%を超える場合、反応臭を効率的に抑制することが困難となるおそれがある。
染毛第1剤は、所定量の水を含有することにより、染毛第1剤は乳化物、溶液又は分散液として調製される。染毛第1剤中における水の含有量は、好ましくは50〜95質量%であり、さらに好ましくは70〜90質量%である。水の含有量が50質量%未満の場合、乳化物、溶液又は分散液の形態にすることが困難となるおそれがある。水の含有量が95質量%を超える場合、染毛第1剤の均一性及び安定性を確保しにくくなるおそれがある。
染毛第1剤は、必要に応じて、例えば油性成分、界面活性剤、水溶性高分子化合物、多価アルコール、糖類、防腐剤、キレート剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも一種を含有してもよい。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与する。そのため、染毛第1剤は、好ましくは油性成分を含有する。油性成分としては、例えば油脂類、ロウ類、高級アルコール、炭化水素類、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、及びシリコーン類が挙げられる。
油脂類としては、例えばオリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウ類としては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。
高級アルコールとしては、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
エステル類としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、及びコハク酸ジオクチルが挙げられる。
シリコーン類としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、平均重合度が650〜10000の高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えばPEG−12ジメチコンが挙げられる。これらの油性成分は単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。
界面活性剤は、染毛第1剤中の各成分の可溶化剤又は染毛第1剤の乳化剤として染毛第1剤の安定性を保持するために好適に配合される。界面活性剤としては、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。イオン性界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。アルキルエーテル硫酸塩としては、例えばラウレス硫酸ナトリウムが挙げられる。N−アシルアミノ酸型界面活性剤としては、例えばN−ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウムが挙げられる。アニオン性界面活性剤の有するアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルケニルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルケニルジメチルアンモニウム塩、ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、及びアルキロイルアミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウムが挙げられる。ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムが挙げられる。カチオン性界面活性剤の有するカチオン基の対イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルキル硫酸イオン、及びサッカリンが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、及びココアンホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、及びアルキルアミンオキサイドが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えばラウレス、セテス、ステアレス、及びパレスが挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で含有させてもよいし、二種以上を組み合わせて含有されてもよい。
水溶性高分子化合物としては、例えばアラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、セルロース誘導体、架橋ポリアクリル酸、及びポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウムが挙げられる。架橋ポリアクリル酸としては、例えばカルボマーが挙げられる。
多価アルコールとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、イソペンチルジオール、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、及び1,3−ブチレングリコール(BG)が挙げられる。
糖類としては、例えばソルビトール、及びマルトースが挙げられる。防腐剤としては、例えばパラベンが挙げられる。キレート剤としては、例えばEDTA、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム等が挙げられる。安定剤としては、例えばフェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、及びタンニン酸が挙げられる。pH調整剤としては、例えば乳酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、ピロリドンカルボン酸(PCA)、コハク酸、クエン酸、グルタミン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、トリエタノールアミン(TEA)、及びアルギニンが挙げられる。
染毛第1剤の剤型は、特に限定されず、例えば水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。
<染毛第2剤>
染毛第2剤は少なくとも酸化剤を含んでいる。酸化剤は、酸化染料を酸化重合させて発色する。酸化剤としては、例えば過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及び、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。酸化剤は、好ましくは、毛髪に含まれるメラニンの脱色力に優れることから、過酸化水素から構成される。
染毛第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.1〜10.0質量%、より好ましくは0.5〜8.0質量%である。酸化剤の含有量が0.1質量%未満の場合、酸化染料を十分に酸化重合させることが困難となるおそれがある。酸化剤の含有量が10.0質量%を超える場合、毛髪が損傷しやすくなるおそれがある。
染毛第2剤には、その他の成分として水、上記の油性成分、界面活性剤等を含有させることもできる。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を含有させてもよい。
染毛第2剤の剤型は、特に限定されず、例えば水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。さらに、染毛第2剤を複数の剤に分割して構成するとともに、それら複数の剤を使用時に混合調製するように構成してもよい。
<反応臭抑制処理剤>
反応臭抑制処理剤は、クロロゲン酸類、及び、コーヒー豆抽出物から選ばれる少なくとも一種の有効成分、並びに、水を含有する。クロロゲン酸類、及び、コーヒー豆抽出物は、染色された毛髪の反応臭を抑制する。
クロロゲン酸類としては、例えばクロロゲン酸(5−カフェオイルキナ酸)、ネオクロロゲン酸、クリプトクロロゲン酸、イソクロロゲン酸、フェリルキナ酸、カフェー酸(3,4−ジヒドロキシケイ皮酸)、フェルラ酸、並びに、それらの塩及び誘導体が挙げられる。これらは単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。クロロゲン酸類は、例えばナス科、セリ科及びキク科の植物を由来としていてもよいし、化学合成品であってもよい。
反応臭抑制処理剤中におけるクロロゲン酸類の含有量は、コーヒー豆抽出物を含有しない場合、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0005質量%以上、さらに好ましくは0.001質量%以上である。反応臭抑制処理剤中におけるクロロゲン酸類の含有量が0.0001質量%未満の場合、染色された毛髪の反応臭を十分に抑制することができないおそれがある。なお、反応臭抑制処理剤中におけるクロロゲン酸類の含有量の上限は、反応臭抑制処理剤としての経済性が低下するという観点から、好ましくは、10質量%以下である。
コーヒー豆抽出物は、コーヒーの木の果実であるコーヒー豆から抽出される抽出物である。コーヒー豆抽出物は、クロロゲン酸類に代表される多種のポリフェノールを含有する。コーヒーの木の種類としては、例えばアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種、及びアラブスタ種が挙げられる。これらは単独で使用されてもよいし、二種以上が組み合わされて使用されてもよい。これらの中でも、クロロゲン酸類の含有量が高いという観点から、好ましくは、ロブスタ種である。コーヒー豆の抽出溶媒としては、例えば低級アルコール、アセトン等が挙げられる。低級アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びブタノールが挙げられる。抽出に供されるコーヒー豆の形態としては、例えば生豆、生豆を乾燥した乾燥豆、焙煎豆等が挙げられる。これらの形態の中でも、クロロゲン酸類の含有量が高いという観点から、好ましくは、生豆又は乾燥豆である。コーヒー豆抽出物は、濃縮液として配合してもよいし、乾燥物として配合してもよい。また、コーヒー豆抽出物は、必要に応じて、例えば活性炭、合成吸着剤、又はイオン交換樹脂を用いて精製した精製物として、配合してもよい。
コーヒー豆抽出物としては、クロロゲン酸類の含有量が高いという観点から、好ましくは緑色コーヒー豆抽出物、より好ましくは緑色ロブスターコーヒー豆抽出物である。
反応臭抑制処理剤中におけるコーヒー豆抽出物の含有量は、上記クロロゲン酸類を含有させない場合、好ましくは固形分として0.0004質量%以上、より好ましくは固形分として0.005以上、さらに好ましくは固形分として0.01質量%以上である。反応臭抑制処理剤中におけるコーヒー豆抽出物の含有量が0.0004質量%未満の場合、染色された毛髪の反応臭を十分に抑制することができないおそれがある。なお、反応臭抑制処理剤中におけるコーヒー豆抽出物の含有量の上限は、反応臭抑制処理剤としての経済性が低下するという観点から、好ましくは、5質量%以下である。
反応臭抑制処理剤のpHは、3〜7であり、好ましくは3〜6である。反応臭抑制処理剤のpHが3未満の場合、頭皮への刺激の原因となるおそれがある。反応臭抑制処理剤のpHが7を超える場合、クロロゲン酸類及びコーヒー豆抽出物の保存安定性が得られないため、染色によって生じる反応臭を十分に抑制することが困難である。なお、反応臭抑制処理剤のpHは、反応臭抑制処理剤を水で希釈することにより、10質量%の水溶液を調製して、その水溶液を20℃の温度条件で測定した値である。
反応臭抑制処理剤は、染色された毛髪の損傷を抑制するという観点から、好ましくは、カチオン性化合物を含有する。カチオン性化合物は、その水溶液中においてカチオン性を示す化合物である。カチオン性化合物としては、例えばカチオン性界面活性剤、カチオン性誘導体、及びアミノ変性シリコーンが挙げられる。
カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩に代表され、例えば塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムが挙げられる。
カチオン性誘導体としては、例えばカチオン化セルロース誘導体、酸中和型の第三級アミドアミン、カチオン化グアーガム、カチオン性デンプン、第四級化ポリビニルピロリドン誘導体、及びジアリル第四級アンモニウム塩重合物誘導体が挙げられる。第四級化ポリビニルピロリドン誘導体の市販品としては、例えばアイエスピー・ジャパン(株)のガフコート734、755、及び755Nが挙げられる。ジアリル第四級アンモニウム塩重合物誘導体としては、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム(例えばカルゴン社のマーコート100)、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(例えばカルゴン社のマーコート550)が挙げられる。
カチオン化セルロース誘導体としては、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドが挙げられる。
これらのカチオン性化合物は単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。これらの具体例の中でも、好ましくは第四級アンモニウム塩であり、より好ましくは、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム及びメチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウムから選ばれる少なくとも一種である。
カチオン性化合物の含有量は、毛髪の損傷抑制効果の観点から、好ましくは0.01〜3.0質量%、より好ましくは0.1〜0.8質量%、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%である。カチオン性化合物の含有量が0.8質量%以下であると、クロロゲン酸類及びコーヒー豆抽出物の反応臭抑制効果が最も効率的に発揮される。
反応臭抑制処理剤は、所定量の水を含有することにより、水溶液、水性分散液又は水性乳化液として調製される。
反応臭抑制処理剤は、毛髪の感触を良好にするために、シリコーン類を含有することが好ましい。シリコーン類は、上記カチオン性化合物に含まれるアミノ変性シリコーン以外のものである。シリコーン類としては、例えば揮発性直鎖状シリコーン、メチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、ヒドロキシ末端メチルポリシロキサン(ジメチコノール)、ポリエーテル変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、及びアルコキシ変性シリコーンが挙げられる。揮発性直鎖状シリコーンとしては、例えばオクタメチルトリシロキサン、及びデカメチルテトラシロキサンが挙げられる。環状シリコーンとしては、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びテトラデカメチルシクロヘプタシロキサンが挙げられる。
これらのシリコーン類は単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。反応臭抑制処理剤は、好ましくは、環状シリコーン及び揮発性直鎖状シリコーンから選ばれる少なくとも一種、より好ましくは環状シリコーンを含有する。
反応臭抑制処理剤のpHの調整には、有機酸、無機酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。有機酸としては、例えばクエン酸、酢酸、グリコール酸、ギ酸、レブリン酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、及びピロリドンカルボン酸が挙げられ、無機酸としては、例えば塩酸、及びリン酸が挙げられる。
反応臭抑制処理剤には、その他の成分として非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性高分子、アニオン性高分子、両性高分子、油性成分、溶剤、粘度調整剤、保湿剤、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、酸化防止剤、防腐剤、金属封鎖剤、賦形剤、色素、香料等を配合することも可能である。
<染色された毛髪の反応臭抑制方法>
酸化染毛剤は、上記染毛第1剤と染毛第2剤とを使用時に混合調製することにより得られる。得られた酸化染毛剤を用いて、毛髪に毛髪化粧処理を施す。毛髪化粧処理は、酸化染毛剤を毛髪に塗布した後に、その毛髪を所定時間放置する。このとき、毛髪はアルカリ剤により膨潤するとともに、毛髪のメラニンは酸化剤と反応して脱色される。またこのとき、毛髪内部に入り込んだ酸化染料の酸化重合によって毛髪が染色される。次いで、毛髪から酸化染毛剤を水又は温水で洗い流すことで、毛髪化粧処理は完了する。このようにして染色された毛髪には、反応臭が発生する。反応臭は、例えば酸化剤と毛髪のメラニンとの脱色反応によって生成する生成物、酸化剤と、皮脂等の代謝物との反応生成物等の複数の物質によって発生すると推測される。こうした反応臭は、水、温水、又はシャンプーを用いた洗髪によっても残留している。次いで、上記反応臭抑制処理剤を毛髪に塗布して所定時間放置する。ここで、反応臭抑制処理剤に含有するクロロゲン酸類は、反応臭抑制処理剤のpHが7を超える場合、すなわちアルカリの条件下の場合は、不安定となるため、反応臭抑制処理剤の保存に適さない。その一方で、クロロゲン酸類は、アルカリの条件下において、反応臭抑制作用が促進される。そして上記毛髪化粧処理が完了した毛髪には、酸化染毛剤に含まれるアルカリ剤が少なくとも残留している。このため、毛髪に塗布された反応臭抑制処理剤に含まれるクロロゲン酸類の反応臭抑制作用は、毛髪に残留しているアルカリ剤によって促進される。クロロゲン酸類特有の構造が反応臭の発生源となる化合物の消臭に寄与すると推測される。
次に、反応臭抑制処理剤が塗布されている毛髪から反応臭抑制処理剤を水又は温水によって洗い流す。ここで、反応臭抑制処理剤を洗い流さない場合、皮膚に対する刺激を抑えるために、反応臭抑制処理剤における上記の有効成分の含有量を削減することになる。本実施形態の方法では、反応臭抑制処理剤を洗い流すため、染色によって生じる反応臭を十分に抑制することのできる量の有効成分を含有させることができる。このようにして、染色された毛髪の反応臭抑制方法は完了する。反応臭の抑制された毛髪は、必要に応じて例えばシャンプーを用いた洗髪が施された後に乾燥される。
反応臭抑制処理剤は、上記毛髪化粧処理後に、シャンプーによる洗髪を施した毛髪に対して塗布してもよい。この場合も上記と同様に、反応臭抑制処理剤が塗布されている毛髪は所定時間放置された後に、反応臭抑制処理剤を水又は温水で洗い流し、次いで乾燥される。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)酸化染毛剤により、毛髪に毛髪化粧処理を施した後に、毛髪化粧処理によって生じた毛髪の反応臭を抑制する反応臭抑制処理剤を毛髪に塗布している。反応臭抑制処理剤は、クロロゲン酸類、及び、コーヒー豆抽出物から選ばれる少なくとも一種の有効成分、並びに、水を含有している。ここで、クロロゲン酸類特有の構造が反応臭の発生源となる化合物の消臭に寄与すると推測される。更に、反応臭抑制処理剤のpHは3〜7の範囲であるため、有効成分の保存安定性は十分に維持される。また、反応臭抑制処理剤が塗布されている毛髪から反応臭抑制処理剤を洗い流している。このため、反応臭抑制処理剤には、反応臭を十分に抑制することのできる量の有効成分を含有させることができる。従って、本実施形態の方法によれば、染色によって生じる反応臭を十分に抑制することが容易となる。
(2)反応臭抑制処理剤は、好ましくはカチオン性化合物を含有する。こうした反応臭抑制処理剤を用いることで、染色された毛髪の損傷を抑制することができる。
(3)アルカノールアミンは、同じくアルカリ剤であるアンモニアよりも揮発性が低いため、染毛第1剤に含有するアルカリ剤がアルカノールアミンの場合、毛髪化粧処理が完了した毛髪に残留しやすくなる。このため、アルカノールアミンを含有した染毛第1剤を用いて毛髪化粧処理が施された毛髪に、反応臭抑制処理剤を塗布することにより、クロロゲン酸類による反応臭抑制作用が促進される。この点、染毛第1剤に含有するアルカリ剤は、染毛第1剤中に3〜10質量%の範囲で含有されるアルカノールアミンと、染毛第1剤中に0.3質量%以下の範囲で含有されるアンモニアとから構成されることが好ましい。また、アルカリ剤は、染毛第1剤中に3〜10質量%の範囲で含有されるアルカノールアミンのみから構成されることが好ましい。こうした染毛第1剤を用いることで、毛髪化粧処理が施された毛髪に残留しているアルカノールアミンによって、クロロゲン酸類の反応臭抑制作用が促進されやすくなる。従って、染色によって生じる反応臭を十分に抑制することが更に容易となる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記実施形態では、染色された毛髪の反応臭を抑制しているが、脱色された毛髪の反応臭を抑制することもできる。すなわち、アルカリ剤を含有する脱色第1剤と酸化剤を含有する脱色第2剤とを使用時に混合調製して用いる毛髪脱色剤により、毛髪に毛髪化粧処理を施した後に、反応臭抑制処理剤を毛髪に塗布する。その後、反応臭抑制処理剤を毛髪から洗い流すことで、脱色反応に基づく反応臭が抑制される。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
アルカリ剤を含有する脱色第1剤と酸化剤を含有する脱色第2剤とを使用時に混合調製して用いる毛髪脱色剤、又は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する染毛第1剤と酸化剤を含有する染毛第2剤とを使用時に混合調製して用いる酸化染毛剤により、毛髪化粧処理を施した毛髪に、前記毛髪化粧処理によって生じた毛髪の反応臭を抑制する反応臭抑制処理剤を毛髪に塗布した後、その反応臭抑制処理剤を洗い流す反応臭抑制用途に使用される反応臭抑制処理剤であって、当該反応臭抑制処理剤は、クロロゲン酸類、及び、コーヒー豆抽出物から選ばれる少なくとも一種の有効成分、並びに、水を含有するとともに、前記反応臭抑制処理剤のpHは3〜7の範囲であることを特徴とする反応臭抑制処理剤。
次に、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(酸化染毛剤)
表1に示される各成分を混合することにより、染毛第1剤及び染毛第2剤を調製した。なお、表1の配合量を示す数値の単位は、質量%である。
Figure 2009073782
(反応臭抑制処理剤)
表2に示される各成分を混合することにより、反応臭抑制処理剤を調製した。なお、表1の配合量を示す数値の単位は、質量%である。
Figure 2009073782
(実施例1〜8)
表3に示すように、表1に示される各例の酸化染毛剤と、表2に示される各例の反応臭抑制処理剤とを組み合わせて、染色された毛髪の反応臭抑制方法を実施した。まず、染毛第1剤と染毛第2剤とを1:1の質量比で混合することにより、酸化染毛剤を調製した。次に、反応臭を感じる人の頭髪全体に酸化染毛剤を塗布して所定時間放置した後、その酸化染毛剤を温水で洗い流すことにより、頭髪全体に毛髪化粧処理を施した。続いて、反応臭抑制処理剤を用いてハーフヘッド法にて処理を行った。このハーフヘッド法は、頭髪の右側半分を使用領域として反応臭抑制処理剤を塗布する方法である。すなわち、頭髪の左側半分は未使用領域として反応臭抑制処理剤を塗布していない。次いで、反応臭抑制処理剤を塗布した頭髪を1分間放置した後に、頭髪全体を温水で洗髪することにより、頭髪から反応臭抑制処理剤を洗い流した。次に、頭髪全体を無香料シャンプーで洗髪した後に、頭髪全体をドライヤーで乾燥した。
<反応臭の抑制効果についての評価>
各実施例に示される方法を適用した頭髪について、臭いの評価を専門とする10名のパネラーが、使用領域における頭髪の臭いと未使用領域における頭髪の臭いとを比較して官能評価した。使用領域の頭髪では未使用領域の頭髪の臭いがほとんど感じられないとしたパネラーの人数に基づき、反応臭の抑制効果について評価した。表3には、10名のパネラーのうち、臭いがほとんど感じられないパネラーが9人以上の場合を優れるとし、7〜8人以上の場合を良好とし、5〜6人の場合をやや不良とし、4人以下の場合を不良として示している。
Figure 2009073782
表3の結果から明らかなように、各実施例では、反応臭の抑制効果に優れる、又は、反応臭の抑制効果が良好である結果が得られた。とくに、実施例1、2、4及び5では、酸化染毛剤の第1剤におけるアルカリ剤について、特定のアルカリ剤にするとともにそのアルカリ剤の含有量を所定の範囲に設定しているため、反応臭の抑制効果に優れる結果が得られた。また、各実施例では、カチオン性化合物を含有した反応臭抑制処理剤を用いているため、使用領域における頭髪の感触は、未使用領域における頭髪の感触よりも、優れていた。
なお、酸化染料の配合を省略した以外は上記染毛第1剤と同様に調製した脱色第1剤と、上記染毛第1剤と同様に調製した脱色第2剤とからなる毛髪脱色剤、及び、上記反応臭抑制処理剤を用いて反応臭抑制方法を実施した際にも、上記各実施例と同様に反応臭の抑制効果、及び頭髪の感触についての向上効果が得られた。

Claims (4)

  1. アルカリ剤を含有する脱色第1剤と酸化剤を含有する脱色第2剤とを使用時に混合調製して用いる毛髪脱色剤、又は、酸化染料及びアルカリ剤を含有する染毛第1剤と酸化剤を含有する染毛第2剤とを使用時に混合調製して用いる酸化染毛剤により、毛髪に毛髪化粧処理を施した後に、前記毛髪化粧処理によって生じた毛髪の反応臭を抑制する反応臭抑制処理剤を毛髪に塗布する脱色又は染色された毛髪の反応臭抑制方法であって、
    前記反応臭抑制処理剤は、クロロゲン酸類、及び、コーヒー豆抽出物から選ばれる少なくとも一種の有効成分、並びに、水を含有するとともに、前記反応臭抑制処理剤のpHは3〜7の範囲であり、前記反応臭抑制処理剤が塗布されている毛髪から前記反応臭抑制処理剤を洗い流すことを特徴とする脱色又は染色された毛髪の反応臭抑制方法。
  2. 前記反応臭抑制処理剤が、カチオン性化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の脱色又は染毛された毛髪の反応臭抑制方法。
  3. 前記アルカリ剤が、前記脱色第1剤中又は前記染毛第1剤中に3〜10質量%の範囲で含有されるアルカノールアミンと、前記脱色第1剤中又は前記染毛第1剤中に0.3質量%以下の範囲で含有されるアンモニアとからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脱色又は染毛された毛髪の反応臭抑制方法。
  4. 前記アルカリ剤が、前記脱色第1剤中又は前記染毛第1剤中に3〜10質量%の範囲で含有されるアルカノールアミンのみからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脱色又は染毛された毛髪の反応臭抑制方法。
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