JP2009072511A - 手掛け取っ手構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャビネット2前面の化粧面を構成する引出しの前板25a,26aの上、下の少なくとも一端部の近傍に、前方からの手指の挿入を可能とするとともに、該一端部の背面への手掛けを可能とする手掛け用の空間Sを形成した手掛け取っ手構造であって、前記キャビネットの両側板21,21の前端面のそれぞれに、側面視で前方に開放する略コ字状に形成された切欠部11,11と、側面視で前方に開放する略コ字状に形成され、その略コ字状の開放空間が前記手掛け用の空間の一部を構成するとともに、前記切欠部に両端部12a,12aの背面側が嵌め込まれて該両側板間に架設された内幕板部材12と、該両側板に該内幕板部材を固定するための固定具13とを備えている。
【選択図】図1
Description
このようなキャビネットは、デザインの統一性や高級感が求められ、近時では、前面側に取っ手等の別部材を設けず、取っ手等を前面側に露出させない構成としたものが提案されている。
上記のようなキャビネットの引出構造によれば、引出の前板の前面側に取っ手等を設けたり、前板の前面や上端部、下端部に手掛け用の凹溝や切欠等を形成したり、前板の上端部や下端部に手掛け用の部材を設けたりする必要がなく、取っ手等が前面側に露出しない構成となる。
また、上記内幕板は、前板の背面側との間にスペーサを配設して引出のスライド用枠部材に垂設する構成とされているので、キャビネット本体の側板の前端面から上記スペーサの分だけ後方側に内幕板が配置されることとなる。換言すれば、引出が挿入されて前板がキャビネット本体の内部空間を閉塞している状態で、キャビネット本体を正面側から見ると、内幕板とキャビネット本体の側板とには、段差が形成されたような状態となり、前面側がその段差により雑然とした印象を与えるものであった。
このようなものでは、特に、システムキッチン等のように複数個のキャビネットを連結し、それらキャビネットの内幕板を、長手方向に沿って略同高さに配置する場合では、正面側から見ると、互いに隣接するキャビネットの内幕板と内幕板との間に、それらキャビネットの側板が突出したように存在し、互いに隣接するキャビネットの内幕板の連続性が失われていた。
また、前記手掛け用の空間の一部を構成する内幕板部材及び切欠部は、側面視で前方に開放する略コ字状に形成されており、そのキャビネットの両側板に形成された切欠部に、該内幕板部材の両端部の背面側を嵌め込んで両側板間に架設する構成としているので、前記したような特許文献1に記載の引出構造のように、内幕板をスライド用枠部材に垂設させる構成としたものと比べて、手前側からの衝撃に強く、内幕板部材の固着性を高めることができる。
また、切削工具等によって、前記切欠部を側面視で前方に開放する略コ字状に形成する際に、切削面に凹凸が形成されたり、入隅部にR形状が形成されたりする場合があり、このような切欠部に前記内幕板部材の端部の背面側を嵌め込むと該内幕板部材と該切欠部との間に隙間が形成される場合があるが、前記固定具によれば、そのような隙間を閉塞することができる。これにより、例えば、キャビネットの引出しを引出したり、開き収納の扉を開けたりした状態でキャビネットの内部空間を覗き込んだ場合にも前記隙間が見えず、不良品との印象を使用者に与えるようなことを防止できる。
図1(a)〜(c)は、いずれも第1実施形態に係る手掛け取っ手構造を説明するための図2におけるX部の一部破断概略拡大側面図、図2は、同実施形態を適用したキャビネットの一部分解概略斜視図、図3は、同実施形態を適用したキャビネットの概略側面図、図4は、同実施形態を適用したキャビネットを備えたシステムキッチンの一例を示す概略正面図である。
尚、図1(b)及び(c)は、図2におけるX部を示すものであるが、後記する内幕板部材12及び固定金具13が取付けられた状態を示している。
収納ユニット2は、大略的に、略矩形状とされた側板21,21と、これら側板21,21間に設けられた天板22、底板23及び背板24とで前方に向けて開口する方形箱体を形成し、この方形箱体に、上段引出し25、中段引出し26、下段引出し27を出し入れ自在に備えた構成とされている。
各引出し25,26,27は、それぞれ収納ユニット2の前面側に設けられ、その内部空間を閉塞するとともに、収納ユニット2の化粧面を構成する前板25a,26a,27aと、各前板25a,26a,27aに連結され、上方に開口する収納箱体25c,26c,27cとを有し、各前板25a,26a,27aの一端部25b,26b,27bが、手掛け部を構成している。尚、各収納箱体25c,26c,27cの両外側面には、側板21,21の内側面に形成された引出し用レール21bに係合するスライド溝あるいは突条のスライドガイド等が形成されている。また、各引出し25,26,27間には、仕切り板等を設けておらず、これにより、内部空間の収納スペースが広く形成され、また、軽量化が図れるとともにコスト性に優れた収納ユニット2となる。
また、収納ユニット2の下段引出し27は、前板27aの下端部27bの背面側に手掛け用のスペースを形成しており、後記する手掛け取っ手構造1を適用していないが、例えば、中段引出し26との間に手掛け取っ手構造1を適用するようにしてもよい。
このように内幕板部材12の上記出隅部をそれぞれ略直角形状としているので、内幕板部材12を容易に加工できる。例えば、収納ユニット2の両側板21,21の前端面に切欠部を形成する際に、ルーターなどの切削工具で形成すると、切欠部を容易に形成できるが、該切欠部の上下入隅部には、切削方向を変える際にR形状などが形成される。このように上下入隅部にR形状などが形成された切欠部の形状に合わせて前記内幕板部材の背面側の形状を形成するとすれば、加工工程が煩雑となるが、本実施形態によれば、上記のように簡単な構造の内幕板部材12に形成することができる。
尚、本実施形態では、加工を容易とするため、内幕板部材12を木質系材料とし、3つの部材で構成しているが、一体的に形成してもよく、樹脂製材料や金属製材料等としてもよい。また、表面側に露出する部位には、化粧塗装や化粧フィルムの貼着、化粧層の形成などの表面処理が施されている。
また、切欠部11は、内幕板部材12が嵌め込まれた状態で、その天面部11a及び底面部11bが、それぞれ前記のように内幕板部材12の上辺12b及び下辺12cと当接するように、内幕板部材12の高さ(縦辺12dに沿う高さ)に合わせて形成されるとともに、側板21の前端面から内幕板部材12が突出しないよう内幕板部材12の厚み(上下辺12b,cに沿う長さ)に合わせて、背面部11cが位置するように形成されている。すなわち、切欠部11に内幕板部材12が嵌め込まれた状態で、内幕板部材12の前端面と、側板21の前端面とが略面一となるように形成されている。
このような切欠部11は、ルーター加工によって容易に形成でき、例えば天面部11aを切削形成し、その天面部11aから背面部11cへ向けてルータービットの方向を変更する際に、上入隅部11dに半円状の凹み部Gが側板21の奥側に向けて形成されるようにして切削することで形成される。入隅部を直角形状に角処理をする必要がある場合は、別の加工工程が必要となるが、本実施形態では、そのような必要がなく、容易に加工できる。下入隅部11eについても同様である。
尚、固定金具13は、ビス14で固着されている。また、各辺部13a、13bは、略同大同形状とされているので、いずれの辺部を側板21の内側面、内幕板部材12の背面に固着させるようにしてもよい。
そのため、本実施形態では、さらに図1(c)に示すように、上記両凹み部G,Gを閉塞するように固定金具13を側板21の内面に固着させている。
これにより、収納ユニット2内を上記のように覗き込んだ場合にも両凹み部G,Gは隠蔽されて、見えることがなく、不良品との印象を使用者に与えるようなことを防止できる。
また、内幕板部材12の固着性を簡易な構成で高めることができる。
さらに、前記のように、内幕板部材12は、収納ユニット2の両側板21,21に形成された切欠部11,11に両端部12a,12aが嵌め込まれているので、各引出し25,26の前板25a,26aによって収納ユニット2の内部空間が閉塞された状態で正面側から見た際に、収納ユニット2の両側板21,21は、内幕板部材12によって隠蔽されて、露出せず、デザイン的にすっきりした印象を与えることができる。
図例のシステムキッチンAは、紙面右方からそれぞれキッチン用のキャビネットを構成する収納ユニット2と、シンクユニット3と、収納ユニット2と、調理器ユニット4とをこの順に配して連結しており、それらの上方には、シンク38及びコンロ48に合わせて開口が形成された人造大理石等からなるキッチンカウンター5が載置されている。また、両側には、それぞれ化粧板等からなるサイドパネル6,7が取付けられている。
中段引出し36の前板36aの手掛け部を構成する上端部36bの背面側には、収納ユニット2の内幕板部材12と異なる内幕板部材12Aが設けられ、手掛け取っ手構造1Aが形成されている。
中段引出し46の前板46aの手掛け部を構成する上端部46bの背面側には、収納ユニット2の内幕板部材12と異なる内幕板部材12Aが設けられ、手掛け取っ手構造1Aが形成されている。
また、シンクユニット3及び調理器ユニット4のそれぞれに設けられた上記内幕板部材12Aは、収納ユニット2の上段引出し25を引出すための手掛け用の空間Sを設ける必要がないため、その高さを低く形成しており、他は前記した内幕板部材12と同様の構成とされている。すなわち、上辺12bの下面が各ユニット3,4の上段部の前面パネル35a,45a及び操作パネル・グリル部49のそれぞれの下端部35b,45bと略同高さとなるような構成とされている。
尚、シンクユニット3及び調理器ユニット4のそれぞれの両側板には、前記同様の切欠部11が内幕板部材12Aの形状(高さ)に合わせて形成され、また、内幕板部材12Aの形状(高さ)に合わせて形成された前記同様の固定金具13が固着されている。
尚、図例では、サイドパネル6,7が取付けられたアイランド型のシステムキッチンAを例示しているが、例えば、両側に住居の内壁等が配される場合には、サイドパネル6,7は、設けなくとも良い。
また、本実施形態では、複数のユニット2,3,4を連結して構成されたシステムキッチンAを例示し、ユニット2,3,4のそれぞれに個別の内幕板部材12,12Aを設けた構成を例示しているが、これに限られず、一本の長尺に形成された内幕板部材12を、各ユニット2,3,4に亙って架設するようにしてもよい。これによれば、各ユニット2,3,4間における内幕板部材12の連続性をさらに高めることができ、よりすっきりとした印象を与えることができる。このような態様では、内幕板部材は、その端部のみならず中間位置も各ユニットの側板に前記同様に形成した切欠部に嵌め込むようにし、それぞれの側板の内面に固定具を固着するようにすればよい。
図5は、第2実施形態に係る手掛け取っ手構造を示し、(a)〜(c)は、いずれも図1に対応させた図である。
尚、第1実施形態との相違点は、主に切欠部の構成、及び固定金具の構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
固定金具13Aは、図5(c)に示すように、上記のような形状とされた切欠部11Aの形状に合わせて、側板21の内側面に固着される方の一辺部13Aaを形成している。すなわち、他辺部13bの形状は、前記第1実施形態で説明した固定金具13と同様、内幕板部材12の高さと略同高さに形成されているが、一辺部13Aaは、上入隅部11Adに形成された凹み部Gを閉塞するように、上方側に延成され、手前側にも延成された延成閉塞部13dを有している。
このように、本発明の手掛け取っ手構造では、例えばルーター等の切削工具による切欠部の形状は、種々の形状とでき、それに合わせて固定金具の形状も形成可能である。
図6は、第3実施形態に係る手掛け取っ手構造を示し、(a)〜(c)は、いずれも図1に対応させた図である。
尚、第1実施形態との相違点は、主に切欠部の構成であり、同様の構成については、同一符合を付し、説明を省略する。
このような隙間G2も前記第1実施形態と同様の固定金具13を、側板21の内面に固着することで、閉塞され、これにより、前記した凹み部Gと同様に、隙間G2が隠蔽される。
尚、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
この収納ユニット2Aでは、羽目板28c、両側板21,21及び背板24で囲まれた空間が収納スペースとされ、開閉扉28aによって、その空間が閉塞されている。
開閉扉28aは、図7(b)に示すように、スライド丁番28dによって側板21に回動自在に取付られており、その手掛け部を構成する上端部28bの背面側には、前記第1実施形態で説明した手掛け取っ手構造1が形成されている。
このような開閉扉28aにおいても手掛け取っ手構造1を適用することにより、前記第1実施形態と同様、開閉扉28aの前面側に取っ手等を設けたりする必要がなく、簡易な構成で意匠性に優れた収納ユニット2Aとなる。
尚、開閉扉28aの構成は、図例のものに限られず、片開きの扉としてもよい。
また、上記収納ユニット2Aに、前記第2実施形態及び第3実施形態で説明した手掛け取っ手構造1B、1Cを適用するようにしてもよい。
2,2A 収納ユニット(キャビネット)
3 シンクユニット(キャビネット)
4 調理器ユニット(キャビネット)
11,11A,11B 切欠部
11d,11Ad,11Bd 切欠部の上入隅部
11e,11Be 切欠部の下入隅部
12,12A 内幕板部材
12a 内幕板部材の端部
13,13A 固定金具(固定具)
21 側板
25 上段引出し(引出し、収納ユニット)
25a 引出しの前板
25b 前板の下端部(前板の一端部)
26 中段引出し(引出し、収納ユニット)
26a 引出しの前板
26b 前板の上端部(前板の一端部)
28 開き収納
28a 開閉扉
28b 開閉扉の上端部(扉の一端部)
36 中段引出し(引出し、シンクユニット)
36a 引出しの前板
36b 前板の上端部(前板の一端部)
46 中段引出し(引出し、調理器ユニット)
46a 引出しの前板
46b 前板の上端部(前板の一端部)
S 手掛け用の空間(手指を挿入する空間)
G 凹み部(隙間)
G2 隙間
Claims (3)
- キャビネット前面の化粧面を構成する引出しの前板又は開き収納の扉の上、下の少なくとも一端部の近傍に、前方からの手指の挿入を可能とするとともに、該一端部の背面への手掛けを可能とする手掛け用の空間を形成した手掛け取っ手構造であって、
前記キャビネットの両側板の前端面のそれぞれに、側面視で前方に開放する略コ字状に形成された切欠部と、側面視で前方に開放する略コ字状に形成され、その略コ字状の開放空間が前記手掛け用の空間の一部を構成するとともに、前記切欠部に両端部の背面側が嵌め込まれて該両側板間に架設された内幕板部材と、該両側板に該内幕板部材を固定するための固定具とを備え、
前記固定具は、前記内幕板部材と前記切欠部との間に形成される隙間を閉塞するようにして、前記キャビネットの両側板の内面に固着されていることを特徴とする手掛け取っ手構造。 - 請求項1において、
前記切欠部は、ルーター加工によって形成されて上下の入隅部に前記内幕板部材と当接しない凹み部がそれぞれ形成されており、
前記固定具は、前記両凹み部を閉塞するようにして固着されていることを特徴とする手掛け取っ手構造。 - 請求項1または2において、
前記キャビネットは、複数個が連結されており、
前記複数個のキャビネットに設けられた前記内幕板部材は、前記引出しの前板又は前記開き収納の扉によって前記キャビネットの内部空間が閉塞された状態で正面視して、長手方向に沿って略同高さで露出するように配置されていることを特徴とする手掛け取っ手構造。
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GB2580616A (en) * | 2019-01-16 | 2020-07-29 | Howden Joinery Group Plc | Cabinet |
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