JP5061092B2 - 収納家具 - Google Patents
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Description
上記のようにユニット化された各収納家具は、大略的に、前方に開口した収納庫と、該収納庫の開口を開閉自在に閉塞する前板とを備えており、例えば、該収納庫に引出しを出し入れ(引出し)自在に収納し、該引出しを収納スペースとしたものや、該収納庫自体を収納スペースとし、その開口を閉塞する開き扉を備えた開き収納などがある。
上記のような収納庫の開口を開閉自在に閉塞する前板(引出しの場合は、該引出しの前板、開き収納の場合は、開き扉等)を備えた収納家具としては、閉状態における該前板が奥方に少許押し込まれることによって当該前板を開放させるプッシュオープン機構を備えたもの(いわゆるプッシュオープン式収納家具)が知られている。
例えば、下記特許文献1では、シンクキャビネットとコンロキャビネットとの間に組み込み設置され、プッシュオープン引出しを備えたベースキャビネットが提案されている。
このように、プッシュオープン式収納家具では、前板を少許押し込む必要があるため、前板の裏面と、その収納庫の前面(開口縁端面)との間に、上記押し込みのためのスペースを設ける必要がある。
一方、このようなプッシュオープン機構を備えていない収納家具(以下、非プッシュオープン式収納家具と言う。)は、前板の裏面と、収納庫の前面との間に、上記のような押し込みのためのスペースを設ける必要がなく、該前板が閉塞された状態では、これらの間に隙間等が形成されないようにすることが好ましい。
すなわち、上記各収納家具の収納庫の各前面を揃えて設置するような場合においては、上記のようにプッシュオープン式収納家具は、上記押し込みのためのスペースを確保する必要があるため、当該プッシュオープン式収納家具の前板が、非プッシュオープン式収納家具の前板よりも僅かに手前に配置されることとなり、見栄えが悪いという問題があった。つまり、プッシュオープン式収納家具の前板と、非プッシュオープン式収納家具の前板との間に、段差が形成されてしまい、意匠性の観点から改善が望まれていた。
本発明に係る前記いずれかの収納家具においては、前記第一の前板と、前記第二の前板とを、略同厚さとしてもよい。
本発明に係る前記いずれかの収納家具においては、前記目地部材を、前記第二の収納庫における前記接合目地側の前面に添設するようにしてもよい。
また、前記第二の収納ユニットにおける前記第二の収納庫の前面が前記第一の収納ユニットにおける第一の収納庫の前面よりも少許奥方に位置して、これら両ユニットの接合目地に形成された段差部には、前記第一の収納庫の前面から前記第二の収納庫の前面にかけて沿面を形成する形状とされた目地部材が設けられているので、例えば、いずれかの前板を開放させた際にも、当該段差部が上記目地部材によって緩和されるので、該段差部が目立たず、美観性に優れたものとなる。
一方、上記構成とされた本発明によれば、部材コストを低減できるとともに、同一の質感を現出でき、美観性に優れたものとなる。
図1は、本実施形態に係る収納家具を模式的に示す概略側面図、図2(a)、(b)は、いずれも同収納家具における前板の開閉動作を説明するための説明図であり、(a)は、前板を押し込んだ状態における一部破断概略側面図、(b)は、開放状態における一部破断概略側面図、図3は、同収納家具の組み付け工程を説明するための分解概略側面図である。図4は、同収納家具を用いたシステムキッチンのフロアユニットの一例を模式的に示す概略斜視図である。
尚、以下の実施形態で示す前方及び奥方は、収納家具(キャビネット)に対面した使用者を基準として示している。また、図1〜図3では、後記する加熱調理器ユニットの図示を省略し、図2では、引出しレール及び図2における紙面手前側の側板の図示を省略し、図4では、水栓金具等の図示を省略している。
上記フロアユニットAは、図4に示すように、大略的に、上記調理器キャビネット1と、シンク2aを配したシンクキャビネット2と、これら調理器キャビネット1及びシンクユニット2の間に配された引出しキャビネット3と、これら各キャビネット1,2,3の上部に配されたカウンター(ワークトップ)4と、上記各キャビネット1,2,3で構成されたキャビネットの集合体の左右サイドを覆い隠すためのサイドパネル(エンドパネル)5とを備えている。
本実施形態では、この調理器下収納庫11は、二段の引出し13,17を出し入れ自在に収納する収納庫として機能し、その開口は、両引出し間に設けられた棚板(仕切り板、不図示)によって仕切られており、二つの開口が設けられた態様となる。
また、これら各引出し13,17は、上記調理器下収納庫11の両側板11c,11cの内側面に設けられたスライドレール12,16によってそれぞれ出し入れ自在に支持されており、これら各引出し13,17は、プッシュオープン機構を備えておらず、手動で出し入れがなされる構成とされている。すなわち、該調理器下ユニット10は、非プッシュオープン式収納ユニットとされている。
また、上記調理器下収納庫11の前面を構成する天板11b、側板11c,11c及び上記棚板等の手前側端面(前方開口側端面)11aの適所には、上記各引出し13,17の各前板14,18の裏面と閉状態において当接し、これらとの隙間及び衝撃を低減するための合成樹脂材等からなるパッキン部材15が両開口に沿って取付けられている。
上記小引出し23は、上記小引出し収納庫21の両側板21c,21cの内側面に設けられたスライドレール22によってスライド自在に支持されている。
また、上記小引出し23の前板24によって、上記小引出し収納庫21の開口が開閉自在に閉塞される構成となる。
また、該小引出し23の前板24の前面と、上記調理器下ユニット10における中段引出し13の前板14の前面とは、これら各引出し13,23が収納された状態(各前板14,24によって各開口を閉塞した状態)では、略面一となるように配置されている。
この手前側端面21aには、開口に沿ってプッシュオープン用のパッキン部材25が取付けられている。
このパッキン部材25は、小引出し23の出し入れ方向に沿って弾性変形が可能とされ、例えば、ゴムや軟質樹脂等によって形成されている。すなわち、該パッキン部材25は、後記するように、小引出し23の前板24の奥方への押し込みが可能なように弾性変形が可能とされている。
上記パッキン部材25に、上記小引出し23の前板24の裏面が当接されて、該前板24との隙間及び衝撃の低減がなされる。
これら両パッキン部材15,25の突出幅は、ほぼ弾性変形を伴っていない状態、すなわち、各引出し13,23の前板14,24に対して押し込み方向への外力が作用していない閉状態では、後記する引っ込み幅g1(図1参照)分だけ上記パッキン部材25の突出幅が上記パッキン部材15の突出幅よりも大きく形成されている。換言すれば、これら両パッキン部材15,25は、これらの前端部が垂直方向に沿って整合する位置となるよう、後記する引っ込み幅g1(図1参照)に応じて形成されている。
この目地部材27は、例えば、金属材や硬質の合成樹脂材等で形成されており、各ユニット10,20の色調に合わせた塗装が施されたり、或いは色柄材等が添加されたりして形成されている。
また、該目地部材27の手前側への突出幅(すなわち、底面の幅)は、後記する引っ込み幅g1と略同幅とされている。
尚、該目地部材27の上記小引出し収納庫21への取り付けは、例えば、当該目地部材27における上記手前側端面21aへの取り付け面に、両面テープ等を添着しておき、該両面テープの剥離紙を剥離させることで、取付けるようにしてもよい。これによれば、簡易に組み付けることが可能となる。
上記プッシュオープン機構26としては、上記前板24を奥方に少許押し込むことによって、上記小引出し23を前方に向けて押し出す機構を備えたものであればどのようなものでもよい。
このプッシュオープン機構26を備えた小引出しユニット20では、図2(a)に示すように、上記前板24を、二点鎖線に示す閉状態から、実線で示すように、奥方に向けて少許押し込むと、上記パッキン部材25の弾性変形を伴って、該前板24が奥方に向けて移動するとともに、小引出し23の背板が奥方に向けて移動する。この背板の移動により、該背板に当接した上記係合アーム26bが、プッシュオープン機構26の筐体内に押し込まれ、上記ロック手段の解除がなされる。
上記ロック手段の解除がなされれば、図2(b)に示すように、上記付勢部材26aによって、上記係合アーム26bが押し出し方向へ付勢され、該係合アーム26bによって、小引出し23の背板が前方に向けて押し出され、該小引出し23の開放がなされる。
このプッシュオープン機構26による小引出し23の開放は、該小引出し23を全開状態まで開放するものではなく、図例のような半開きに開放させるものでもよい。
尚、上記係合アーム26bは、本実施形態では、小引出し23の背板に係合する例を図示しているが、例えば、小引出し23の底板や側板(端板)、或いは前板24等に係合する態様のものとしてもよい。
また、上記プッシュオープン機構26の具体的構成は、適宜、公知のプッシュオープン機構の採用が可能であり、例えば、小引出し23の底板に設けられた突起に一端が係合され、他端が回動自在に小引出し収納庫21の適所に取付けられたアーム部材と、該アーム部材を回転させる渦巻きバネ等からなる付勢部材とによってプッシュオープン機構26を構成するような態様としてもよい。
また、上記小引出しユニット20における小引出し収納庫21の手前側端面21aが、上記調理器下ユニット10における調理器下収納庫11の手前側端面11aよりも少許奥方に位置して、これら両ユニット10,20の接合目地jに段差部gが形成されており、該段差部gに、上記小引出しユニット20に設けられた上記目地部材27が配置されている。
上記引っ込み幅g1は、上記したように、上記プッシュオープン機構26のロック手段の解除が可能な幅、すなわち、上記前板24の押し込み幅に応じた幅とされている。
上記目地部材27は、上記段差部gに設けられており、該段差部gに配置された状態では、該目地部材27によって、調理器下収納庫11の手前側端面11aから小引出し収納庫21の手前側端面21aにかけて沿面が形成される。すなわち、小引出し収納庫21の手前側端面21aと、調理器下収納庫11の手前側端面11aとの間に形成された上記段差部gを、滑らかな斜面によって連結するように上記目地部材27が設けられている。
すなわち、上記中段引出し13の前板14は、図1に示すように、側面視において、該前板14の上側端面14aが、上記接合面よりも出幅g2だけ上方に向けて延出するように形成されている。換言すれば、該中段引出し13の前板14の上端部が、調理器下収納庫11の天板11bよりも上方に突出するように、該前板14が形成されている。
これにより、上記中段引出し13の前板14が閉状態において、手前側から見た際には、上記目地部材27と、調理器下収納庫11との接合部位が、上記中段引出し13の前板14によって隠蔽されるとともに、該目地部材27の一部を隠蔽でき、美観性に優れたものとなる。
すなわち、床側に設置された上記調理器下ユニット10における調理器下収納庫11の天板11bの上面に、上記小引出しユニット20における小引出し収納庫21の底板21dの下面を当接させて、調理器下収納庫11の上方に、小引出し収納庫21を載置する。
この際、上記のように、小引出し収納庫21の手前側端面21aの下端縁部に沿って添設された上記目地部材27の手前尖端部を、上記調理器下収納庫11の天板11bの前端縁部に位置合わせするようにして組み付けるようにしてもよい。
このような組み付け態様によれば、上記目地部材27の手前尖端部を、上記調理器下収納庫11の天板11bの前端縁部に沿わせて組み付けることで、上記引っ込み幅g1が容易かつ確実に設定され、組み付け性に優れたものとなる。
また、このように、上記小引出しユニット20における前板24の押し込み幅を確保することで、上記のように、上記調理器下ユニット10における中段引出し13の前板14と、上記小引出しユニット20における小引出し23の前板24とを略面一となるように配置できる。換言すれば、上記プッシュオープン機構26を備えた小引出しユニット20における前板24の押し込みスペースを、上記小引出し収納庫21の手前側端面21aを、上記調理器下収納庫11の手前側端面11aよりも、上記引っ込み幅g1だけ奥方に位置させることで確保することができるので、例えば、当該押し込みスペースを確保するために、小引出しユニット20の前板24を、調理器下ユニット10の前板14よりも手前側に位置させるような必要がない。従って、調理器下ユニット10の前板14と、小引出しユニット20の前板24とを、それぞれが閉塞された状態において、略面一となるように配置でき、美観性に優れたものとなる。
さらに、本実施形態では、上記小引出し23の前板24と、上記調理器下ユニット10の中段引出し13の前板14とは、略同厚さのものとされており、同一の板材料から切り出して製造されているので、部材コストを低減できるとともに、同一の質感を現出でき、美観性に優れたものとなる。
また、上記各収納庫11,21の開口に沿ってそれぞれ設けられたパッキン部材15,25の形状は、図例のようなものに限られず、また、このようなパッキン部材15,25を設けないようにしてもよい。或いは、上記各収納庫11,21の開口に沿ってそれぞれ設ける態様に代えて、各ユニット10,20の各前板14,24の裏面に設けるような態様としてもよい。
また、本実施形態では、各収納ユニットの収納庫の開口を開閉自在に閉塞する前板として、引出しの前板を例示しているが、各収納ユニットの収納庫を、開き収納として把握し、該開き収納の開口を、開閉自在に閉塞する開閉扉を、本発明における前板として把握するようにしてもよい。
10 調理器下ユニット(第一の収納ユニット)
11 調理器下収納庫(第一の収納庫)
11a 手前側端面(第一の収納庫の前面)
14 中段引出しの前板(第一の前板)
14a 前板の上側端面(第二の前板側の端面)
20 小引出しユニット(第二の収納ユニット)
21 小引出し収納庫(第二の収納庫)
21a 手前側端面(第二の収納庫の前面)
24 小引出しの前板(第二の前板)
26 プッシュオープン機構
27 目地部材
g 段差部
j 接合目地
Claims (4)
- 前方に開口した第一の収納庫及びその開口を開閉自在に閉塞する第一の前板を有する第一の収納ユニットと、前方に開口した第二の収納庫及びその開口を開閉自在に閉塞する第二の前板を有する第二の収納ユニットとを、隣接させて組み合わせることにより構成された収納家具であって、
前記第二の収納ユニットは、閉状態における前記第二の前板が奥方に少許押し込まれることによって当該第二の前板を開放させるプッシュオープン機構を備え、
前記第二の収納ユニットにおける前記第二の収納庫の前面が前記第一の収納ユニットにおける第一の収納庫の前面よりも少許奥方に位置して、これら両ユニットの接合目地に段差部が形成されており、
前記段差部には、前記第一の収納庫の前面から前記第二の収納庫の前面にかけて沿面を形成する形状とされた目地部材が設けられていることを特徴とする収納家具。 - 請求項1において、
前記第一の収納ユニットにおける第一の前板は、第二の前板側の端面が前記接合目地よりも前記第二の前板側に位置するように形成されていることを特徴とする収納家具。 - 請求項1または2において、
前記第一の前板と、前記第二の前板とは、略同厚さとされていることを特徴とする収納家具。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記目地部材は、前記第二の収納庫における前記接合目地側の前面に添設されていることを特徴とする収納家具。
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