JP2009071315A - コイル部品 - Google Patents
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Abstract
【目的】無鉛半田合金により、芯部が銅または銅を含有した合金で構成された導体(巻線)の引出し線端末を、コイル部品の電極端子に絡げてなるコイル部品を半田付けするに際して、前記導体の引出し線を絡げた端子部の銅食われを防止するとともに、端子間のブリッジを抑制する。
【解決手段】芯部が銅または銅を含有した合金で構成された導体(巻線)の引出し線端末を、コイル部品の電極端子に絡げてなるコイル部品において、前記電極端子は母材金属表面に銅メッキが施された複数の端子が隣接して並列配置されており、前記導体の引出し線を絡げた端子部を、銅(Cu):3.0〜5.5wt%と、ニッケル(Ni):0.1〜0.5wt%およびゲルマニウム(Ge):0.001〜0.1wt%を含有し、残部が錫(Sn)からなる無鉛半田合金により半田付けを行うことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】芯部が銅または銅を含有した合金で構成された導体(巻線)の引出し線端末を、コイル部品の電極端子に絡げてなるコイル部品において、前記電極端子は母材金属表面に銅メッキが施された複数の端子が隣接して並列配置されており、前記導体の引出し線を絡げた端子部を、銅(Cu):3.0〜5.5wt%と、ニッケル(Ni):0.1〜0.5wt%およびゲルマニウム(Ge):0.001〜0.1wt%を含有し、残部が錫(Sn)からなる無鉛半田合金により半田付けを行うことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鉛(Pb)を含まない無鉛半田合金を用いて、芯部が銅または銅を含有した合金で構成された導体の引出し線端末部を、コイル部品の電極端子に絡げ、前記導体の引出し線端末部と電極端子とを半田付けしてなるコイル部品に関する。
従来、コイル部品などの電子部品の内部での電気的接続あるいは電子部品を回路基板に接続するための半田としては鉛を多く含む錫(Sn)−鉛(Pb)系の半田合金が多用されていた。
近年、鉛の有害性が問題視され、その使用を法的に制限することが検討されている。このため、Sn−Pb系半田合金に替わるものとして鉛の含有量を極端に少なくした半田合金あるいは鉛成分を全く含まない無鉛半田合金の開発が急がれている。
近年、鉛の有害性が問題視され、その使用を法的に制限することが検討されている。このため、Sn−Pb系半田合金に替わるものとして鉛の含有量を極端に少なくした半田合金あるいは鉛成分を全く含まない無鉛半田合金の開発が急がれている。
無鉛半田合金の例としては、例えば、特許文献1及び特許文献2が挙げられる。特許文献1は、電子部品を電子機器の回路基板に接着するための無鉛半田合金に関するものであり、錫(Sn)−銅(Cu)合金の銅成分の一部をニッケル(Ni)で置換したもので、その成分比をCu:0.05〜2.0wt%、Ni:0.001〜2.0wt%、Sn:残部、とすることによって前記接着部分の機械的強度を高めることを目的としている。
この半田合金は、上述のように、電子部品を回路基板の導体部に接着するためのリフローに用いられており、その使用温度(半田付け時の温度)は230℃程度である。
この半田合金は、上述のように、電子部品を回路基板の導体部に接着するためのリフローに用いられており、その使用温度(半田付け時の温度)は230℃程度である。
また特許文献2は、水道配管に用いている鉛管から飲料水に鉛やカドミウムが溶出するのを防止するため、水道配管として銅管、真鍮管を用いることを提唱しており、該特許はこれらの銅管、真鍮管およびこれらを継ぎ足すための接続継ぎ手とを溶接するための半田合金に関する。
この半田合金の主成分は錫(Sn)または錫(Sn)とアンチモン(Sb)であり、いずれの半田合金も鉛(Pb)及びカドミウム(Cd)を含まない。ここで、錫主体の半田合金の組成は、Sn:92.5〜96.9wt%、Cu:3.0〜5.0wt%。Ni:0.1〜2.0wt%、Ag:0.0〜5.0wt%である。また、錫−アンチモン主体の半田合金の組成は、Sn:87.0〜92.9wt%、Sb:4.0〜6.0wt%、Cu:3.0〜5.0wt%、Ni:0.0〜2.0wt%、Ag:0.0〜5.0wt%となっている。
また、この半田合金の溶融温度は240℃前後〜330℃前後であるが、この半田合金は、例えば、家庭用給湯器の給水配管として利用する銅管、真鍮管およびこれらの継ぎ手の溶接に用いるものであるから、溶接時の作業性等を考慮した場合、その半田合金の溶融温度は低い方がよい。
この半田合金の主成分は錫(Sn)または錫(Sn)とアンチモン(Sb)であり、いずれの半田合金も鉛(Pb)及びカドミウム(Cd)を含まない。ここで、錫主体の半田合金の組成は、Sn:92.5〜96.9wt%、Cu:3.0〜5.0wt%。Ni:0.1〜2.0wt%、Ag:0.0〜5.0wt%である。また、錫−アンチモン主体の半田合金の組成は、Sn:87.0〜92.9wt%、Sb:4.0〜6.0wt%、Cu:3.0〜5.0wt%、Ni:0.0〜2.0wt%、Ag:0.0〜5.0wt%となっている。
また、この半田合金の溶融温度は240℃前後〜330℃前後であるが、この半田合金は、例えば、家庭用給湯器の給水配管として利用する銅管、真鍮管およびこれらの継ぎ手の溶接に用いるものであるから、溶接時の作業性等を考慮した場合、その半田合金の溶融温度は低い方がよい。
電子部品のなかには、線状または細い帯状の電気導体(以下、巻線材または巻線ということがある)を巻回して形成した高周波コイルやトランス(以下、コイル部品という)がある。そして、これらコイル部品の巻線材としては、銅芯線にエナメルやウレタン等を塗布して絶縁皮膜を施した絶縁皮膜電線が使用されている。
上記のコイル部品において、ボビン等に巻回した巻線の引出し線端末部はボビンに設けられた電極端子(以下、単に端子ということがある)に電気的に接続するための半田付けが行われる。端子と巻線の引出し線端末部とを半田付けにより電気的に接続するには、上記巻線の引出し線端末部の絶縁皮膜材を除去することが必要である。一般に、前記絶縁皮膜電線の絶縁被膜材を除去する方法としては、機械的に削り取る方法、薬品により溶解する方法、高温加熱により分解したり溶解したりする方法がある。
従来から多く利用されている方法は高温加熱による方法が採用されている。コイル部品の製造は、巻線の引出し線端末部を端子に絡げた後、この絡げ部分を高温に加熱された溶融半田液中に浸漬させることにより行われており、半田液の熱で巻線の絶縁皮膜材を溶解除去すると同時に半田付けが行われる。
前記引出し線端末と端子との絡げ部を半田付けする際に、銅成分を含まない無鉛半田合金を使用した場合、前記絡げ部が溶融半田液に接触している間、絶縁皮膜電線(巻線)の母材である銅が半田液中に溶出して痩せ細る「銅食われ」と呼ばれる現象が起こる。この「銅食われ」現象は、上記コイル部品のような電子部品において断線事故を惹き起こす大きな要因となっている。この現象は半田液の溶融温度が高いほど、前記半田液中に溶け込む銅の量(銅の溶出量)が多くなり、また、銅の溶出速度も速くなる。したがって、巻線の線径が細くなるにつれて上記の断線事故が起り易くなる。
前記引出し線端末と端子との絡げ部を半田付けする際に、銅成分を含まない無鉛半田合金を使用した場合、前記絡げ部が溶融半田液に接触している間、絶縁皮膜電線(巻線)の母材である銅が半田液中に溶出して痩せ細る「銅食われ」と呼ばれる現象が起こる。この「銅食われ」現象は、上記コイル部品のような電子部品において断線事故を惹き起こす大きな要因となっている。この現象は半田液の溶融温度が高いほど、前記半田液中に溶け込む銅の量(銅の溶出量)が多くなり、また、銅の溶出速度も速くなる。したがって、巻線の線径が細くなるにつれて上記の断線事故が起り易くなる。
一方、「銅食われ」の現象を防止するために、一般的に、前記無鉛半田合金に微量の銅を添加することが知られているが、銅の含有量が多くなり過ぎると、溶融半田液の粘性が高くなり、半田付けを行う際に、コイル部品に設けられた電極端子や端子間等に必要以上に半田が付着して隣接する端子同士が電気的に短絡するブリッジ現象が発生したり、鍍金厚(半田の付着量)が不均一になったり、濡れ性が悪くなる等の不具合が生じる。
電子部品が小型化され、隣接する端子間の間隔(端子間ピッチ)が狭くなるほどブリッジ現象は起り易くなる。
しかし、前記無鉛半田合金の「銅食われ」を少なくするために、溶融半田温度を低くすると巻線の引出し線端末部分のエナメルやウレタンなどの絶縁皮膜材が完全に溶解せず、端子の巻線絡げ部分に絶縁皮膜材の残渣が付着して半田付けが不完全となり、導通不良を起こす要因となる。また、前記残渣はブリッジの発生要因ともなる。
電子部品が小型化され、隣接する端子間の間隔(端子間ピッチ)が狭くなるほどブリッジ現象は起り易くなる。
しかし、前記無鉛半田合金の「銅食われ」を少なくするために、溶融半田温度を低くすると巻線の引出し線端末部分のエナメルやウレタンなどの絶縁皮膜材が完全に溶解せず、端子の巻線絡げ部分に絶縁皮膜材の残渣が付着して半田付けが不完全となり、導通不良を起こす要因となる。また、前記残渣はブリッジの発生要因ともなる。
本発明者らは先に錫(Sn)に適量の銅(Cu)とニッケル(Ni)を添加した無鉛半田合金において、ニッケル(Ni)を添加することによって「銅食われ」を予防でき、また、該無鉛半田合金の半田付け後の機械的強度が増すことを見出した。
しかし、上記の錫(Sn)に適量の銅(Cu)とニッケル(Ni)を添加した無鉛半田合金においても「銅食われ」現象を十分に予防するためには、銅の含有量を多くすることが好ましいが、銅の含有量が多くなるにしたがって、半田合金の溶融時の粘性が高くなり、半田液の切れが悪くなる。したがって、上記したような隣接する端子間の間隙が狭い小型のコイル部品のような電子部品を半田付けする場合には、ブリッジが発生し易くなる。
上記の錫(Sn)に銅(Cu)およびニッケルを添加した無鉛半田合金において、ニッケルの添加量を一定の範囲とするとともに、銅の添加量を一定の範囲に設定し、さらに一定範囲の量のゲルマニウム(Ge)を添加した錫(Sn)−銅(Cu)−ニッケル(Ni)−ゲルマニウム(Ge)系無鉛半田合金、すなわち、銅(Cu):3.0〜5.5wt%、ニッケル(Ni):0.1〜0.5wt%、ゲルマニウム(Ge):0.001〜0.1wt%を含有し、残部が錫(Sn)からなる無鉛半田合金は、「銅食われ」現象を防止する性質を十分に維持するとともに、溶融半田液の粘性を低下させ半田付けに際して発生する端子間のブリッジを抑制することができ、半田付け後の機械的強度も優れたものとなる。本発明はこれらに基づいて為されたものである。
本発明は、(1)芯部が銅または銅を含有した合金で構成された導体(巻線)の引出し線端末を、コイル部品の電極端子に絡げてなるコイル部品において、前記電極端子は母材金属表面に銅メッキが施された複数の端子が隣接して並列配置されており、前記導体の引出し線を絡げた端子部を、銅(Cu):3.0〜5.5wt%と、ニッケル(Ni):0.1〜0.5wt%およびゲルマニウム(Ge):0.001〜0.1wt%を含有し、残部が錫(Sn)からなる無鉛半田合金により半田付けして導体と前記端子とを電気的に接続してなることを特徴とするコイル部品、
(2)前記コイル部品の電極端子は端子台に植設されていることを特徴とする上記(1)記載のコイル部品、
を要旨とする。
(2)前記コイル部品の電極端子は端子台に植設されていることを特徴とする上記(1)記載のコイル部品、
を要旨とする。
本発明によれば、溶融半田液温度が高温であっても半田付け時に、銅または銅合金に絶縁皮膜を施した巻線から銅が溶出し痩せ細る、いわゆる「銅食われ」現象が抑制され半田付け時の断線事故を防止することができる。また複数の電極端子が隣接して並列配置され端子間の間隔が狭い、いわゆるファインピッチの電子部品の端子に巻線を半田付けして固定する際に、端子間に過剰な半田が付着して電気的な短絡が生じるブリッジの発生を抑制することができる。
また、本発明のコイル部品の電極端子には、鋼の表面に銅メッキ処理を施したHPC線、或いは鉄の表面に銅メッキを施したCP線が使用される。これら母材金属表面に銅メッキが施されていることにより、該端子母材表面の汚れ、傷等による半田付けの劣化の要因を解消するとともに、端子表面の銅素地として純度が高く、溶融半田液に浸漬して巻線を半田付けする際の濡れ性に優れており、巻線の端子との接合性(密着性)に優れ、接合部の信頼性を確保することができ、コイル部品の基板実装時の実装強度を向上させることができる。
また、電極端子は表面に銅メッキ処理が施されていることにより延展性があり、折り曲げ加工したり、コイル部品の作業中に誤って端子部分に弾性変形等が生じるような事故が生じた際に、折り曲げ部の銅メッキ層に割れや亀裂、剥離などが生じることがなく、高い信頼性を維持することができる等の効果を有する。
本発明において巻線として、銅芯線にエナメルやウレタンを塗布して絶縁皮膜を施した絶縁皮膜電線を使用し、コイル部品の複数の電極端子に前記巻線の引出し線端末部分を絡げた端子部分を、銅(Cu):3.0〜5.5wt%と、ニッケル(Ni):0.1〜0.5wt%およびゲルマニウム(Ge):0.001〜0.1wt%を含有し、残部が錫(Sn)である無鉛半田合金からなる溶融半田液に浸漬し、350℃以上、好ましくは400℃以上の温度で巻線の絶縁被膜を溶解除去し半田付けを行って巻線と電極端子とを電気的に接続したコイル部品を得る。
コイル部品の電極端子の金属材料としては、鋼、鉄系やリン青銅等の金属が使用されるが、本発明においては鋼の表面に銅メッキ処理を施したHPC線、或いは鉄の表面に銅メッキを施したCP線が使用される。
巻線として、芯部が銅または銅を含有した合金で構成された導体にエナメルやウレタンを塗布して絶縁皮膜を施した絶縁皮膜電線(巻線)を使用し、該巻線の引出し線端末部を、コイル部品における隣接して並列配置された電極端子に絡げ、前記無縁半田合金によって半田付けしたコイル部品の一例を図1、図2及び図3に示す。図1はコイル部品の背面図を示す。図2は端子の巻線接続部を示す部分拡大図を示す。図3は端子間にブリッジが生成した状態を示す部分拡大図を示す。
図1〜図3に示すコイル部品は、高周波トランスのボビン1の対向する両端には端子台2を備えており、該端子台2には、一定の間隔を置いて並列に隣接して複数の電極端子3が植設されている。ボビン1には絶縁皮膜電線(巻線)4が巻回され、該巻線4の引出し線端末5は、それぞれ、端子台2に植設された端子3の根元に絡げられており、該引出し線端末5と端子3は半田6により固定され電気的に接続されている。図1の端子3における31は端子の折り曲げ部を示す。図3において「Brd」は隣接して配置された端子間に生成したブリッジ部分を示す。
端子3と巻線の引出し線端末5とを電気的に接続するためには、引出し線端末部分の絶縁皮膜材を除去する必要がある。絶縁皮膜を除去する方法は、前述したように、機械的に除去する方法、薬品により溶解除去する方法、高温加熱により分解したり、溶解したりする方法がある。本発明においては、高温加熱により溶解除去する方法が採用される。
すなわち、巻線4の引出し線端末5を端子3に絡げた後、該巻線を絡げた端子部を高温の溶融半田液に浸漬して、巻線の絶縁皮膜を溶解除去するとともに、巻線の引出し線端末と端子とが半田付けされる。
すなわち、巻線4の引出し線端末5を端子3に絡げた後、該巻線を絡げた端子部を高温の溶融半田液に浸漬して、巻線の絶縁皮膜を溶解除去するとともに、巻線の引出し線端末と端子とが半田付けされる。
図1、図2及び図3において巻線4として、直径0.35mmのエナメル被膜銅線を使用し、端子3の材質として鉄からなる母材金属の表面に銅をメッキしたフープ状のCP線を用い、端子幅を0.5mm、隣接する端子間の間隔(ピッチ)を1mmとして端子を植設した端子台を付設した高周波トランスのボビンからなるサンプルを、高温(430℃)の溶融半田液に浸漬したときに、端子間にブリッジが発生する割合と半田合金の組成成分の含有量との関係を、表1に示した。
表1において、「再半田による修正の可能性」とあるのは、最初に溶融半田液に浸漬したときにはブリッジが発生したサンプルを再度溶融半田液に浸漬することによって生成したブリッジをなくすことができるか否かを示すものである。
本発明に使用される錫(Sn)−銅(Cu)−ニッケル(Ni)系の無鉛半田合金にゲルマニウム(Ge)を添加した半田合金の融解温度は350℃程度である。コイル部品の絶縁皮膜を溶解除去するための温度は、絶縁皮膜に使用される絶縁皮膜材の種類により、設定温度が適宜決められる。例えばコイル部品の巻線材に使用する絶縁皮膜電線が、エナメル被膜電線である場合、エナメル被膜を溶解除去するためには無鉛半田合金の溶融半田液温度(半田付け温度)を350℃以上にする必要がある。前記絶縁皮膜電線の絶縁被膜材を確実に溶解させるには、前記無鉛半田合金の溶融半田液温度(半田付け温度)を400℃前後の温度に設定することが好ましい。本実施例では、無鉛半田合金の溶融半田液温度(半田付け温度)を430℃に設定した。
前記端子に用いたCP線を高温(430℃)の溶融半田液に浸漬したとき、CP線の下地(母材金属)である鉄が表面に露出し、変色するまでの浸漬回数と半田合金の組成成分の含有量との関係を示す測定結果を表2に示した。すなわち表2は、半田合金の組成成分の含有量と「銅食われ」の大小との関係を示し、浸漬回数が多いほど「銅食われ」が小さいことを示している。表2において浸漬回数は10回以上であればよい。
表1から、錫(Sn)−銅(Cu)−ニッケル(Ni)系無鉛半田合金において、ニッケルの含有量を一定とし、銅の含有量を変化させた場合、銅の含有量を増加したとき、半田液の粘性が高くなり、隣接する端子間にブリッジの発生する割合が増加し、再半田によっても最初に生成したブリッジを消滅させることができなくなる。
ニッケル(Ni)の含有量を一定とした錫(Sn)−銅(Cu)−ニッケル(Ni)系無鉛半田合金にゲルマニウム(Ge)を添加し、銅の含有量とゲルマニウムの含有量をそれぞれ変化させた場合、ゲルマニウムの含有量が一定値(0.001wt%)以上で、銅の含有量を5.5wt%以下としたとき、ブリッジは殆ど発生しなかった。
このように、本発明に使用する半田合金として、ニッケル(Ni)を特定範囲で含有する錫(Sn)−銅(Cu)−ニッケル(Ni)系無鉛半田合金にゲルマニウム(Ge)を少なくとも0.001wt%含有させた半田合金は、溶融半田液の粘性が低く、溶融半田液がサラサラした状態となって液切れが良く、端子間に過剰な半田が付着することがなく、ブリッジの発生割合を減少させる。
上記において銅の含有量が規定の範囲で、かつゲルマニウムの含有量が少なくとも0.001wt%以上のときに、ブリッジの発生割合を極めて少なくすることができ、さらに、再半田によって最初に生成したブリッジを消滅させることができる。銅の含有量が規定範囲の上限値を超えた領域では、ゲルマニウムの含有量を増加してもブリッジの発生割合を減少させることはできず、また、再半田によっても最初に生成したブリッジをなくすことはできない。
銅の含有量を一定とした場合、ゲルマニウムの含有量が0.1wt%よりも多くてもブリッジの発生割合に変化はみられなかった。 またゲルマニウムの含有量により溶融半田液中に存在する浮遊物(銅/ニッケルの析出物)の量が変化し、ゲルマニウムが存在しない場合は溶融半田液中の浮遊物の量が多くなる。この浮遊物は半田付け部の表面に付着し半田付け部が粗面化し、半田厚さが不均一になり易く、またブリッジを起こし易くなる。
表2から、本発明に使用される錫(Sn)−銅(Cu)−ニッケル(Ni)系の無鉛半田合金においては、「銅食われ」の大小は銅の含有量によって左右され、銅の含有量が少なくない領域では「銅食われ」は大きくなり、銅の含有量が多い領域では「銅食われ」は小さくなる傾向にある。「銅食われ」の割合は前記無鉛半田合金におけるニッケルの含有量により調整することができる。銅の含有量が少ない領域において、ニッケルの含有量を多くすると「銅食われ」を小さくすることができる。ゲルマニウムの含有量は「銅食われ」の大小には相関性がない。
1 高周波トランスのボビン
2 端子台
3 端子
31 折り曲げ部
4 巻線(被覆電線)
5 巻線引出し線端末
6 半田付け部
Brd ブリッジ
2 端子台
3 端子
31 折り曲げ部
4 巻線(被覆電線)
5 巻線引出し線端末
6 半田付け部
Brd ブリッジ
Claims (2)
- 芯部が銅または銅を含有した合金で構成された導体(巻線)の引出し線端末を、コイル部品の電極端子に絡げてなるコイル部品において、前記電極端子は母材表面に銅メッキが施された複数の端子が隣接して並列配置されており、前記導体の引出し線を絡げた端子部を、銅(Cu):3.0〜5.5wt%と、ニッケル(Ni):0.1〜0.5wt%およびゲルマニウム(Ge):0.001〜0.1wt%を含有し、残部が錫(Sn)からなる無鉛半田合金により半田付けして導体と前記端子とを電気的に接続してなることを特徴とするコイル部品。
- 前記コイル部品の電極端子は端子台に植設されていることを特徴とする請求項1記載のコイル部品。
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