JP2002185118A - 半田付け方法 - Google Patents

半田付け方法

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JP2002185118A
JP2002185118A JP2000379955A JP2000379955A JP2002185118A JP 2002185118 A JP2002185118 A JP 2002185118A JP 2000379955 A JP2000379955 A JP 2000379955A JP 2000379955 A JP2000379955 A JP 2000379955A JP 2002185118 A JP2002185118 A JP 2002185118A
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electrode
solder
conductor
soldering
winding
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JP2000379955A
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Shinichi Ishikawa
真一 石川
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Sanken Electric Co Ltd
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Sanken Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電極の表面が侵食されず、導電体と電極とを
良好に接続することができる半田付け方法を提供する。 【解決手段】 コイル装置1は、導電体と導電体を被覆
する絶縁膜とから構成された巻線2と、電極5とを備え
ている。電極にはニッケルメッキ膜からなる表面メッキ
膜が0.5μm以上の厚さに形成されている。そして、
ニッケルメッキ膜が侵食されず、かつ絶縁膜を溶融さ
せ、導電体の構成金属と電極の構成金属とが半田成分と
合金を形成可能な半田温度及び浸積時間で、導電体と電
極とを接続させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極と導電体とを
半田で接続する半田付け方法に関し、詳しくは、少なく
とも一方が絶縁膜により被覆された電極と導電体とを半
田で接続する半田付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トランス、リアクトルのような電気部品
の巻線は絶縁膜により被覆された導電体から構成され、
この導電体の端末が絶縁体に埋め込まれた電極に半田付
けにより接続されている。半田付けは、半田が溶融され
た溶融半田槽に導電体の端末と電極とを浸積させて絶縁
膜を溶融し、導電体の端末と電極とを半田により接続さ
せる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような半田付け
は、絶縁膜を溶融して、導電体の端末と電極とを接続す
ることから、十分な半田温度で十分な浸積時間が必要に
なる。例えば、半田に、Sn+1Ag+4Cuからなる
成分の無鉛半田を用いた場合、半田温度が359℃以上
で数秒以上の浸積時間をとらないと、導電体の端末と電
極との接続が悪くなってしまう。
【0004】また、導電体の端末と電極とを良好に接続
するためには、高温かつ長期間の半田付けが必要にな
る。このため、電極表面が半田付けにより受ける熱によ
って侵食され、電極の径(線径)が減少してしまう。
【0005】図11に電極の断面構造を示す。図11に
示すように、電極51は、鉄からなる芯線52と、銅か
らなる下地メッキ膜53と、錫からなる表面メッキ膜5
4とから構成されている。このような電極51を半田温
度359℃〜420℃、浸積時間1秒〜10秒の条件で
半田付けを行い、電極51の線径の変化を測定した。測
定結果を図12に示す。図12では、線径が増加した場
合を+で示し、線径が増減しない場合を±で示し、線径
が減少した場合(電極51が侵食された場合)を−で示
す。
【0006】図12に示すように、半田温度が359℃
で浸積時間が5秒以上、370℃で4秒以上、380℃
で2秒以上、390℃以上で1秒以上の溶融半田槽への
浸積により、電極51の線径が減少してしまう。
【0007】また、表面メッキ膜54に、銅を含む錫
(錫+銅1.2%)を用いた場合について、同様に半田
温度359℃〜420℃、浸積時間1秒〜10秒の条件
で半田付けを行い、電極51の線径の変化を測定した。
測定結果を図13に示す。図13に示すように、半田温
度が359℃での浸積時間が4秒以上、370℃での3
秒以上、380℃での2秒以上、390℃での1秒以上
の溶融半田槽への浸積により、電極51の線径が減少し
てしまう。
【0008】このように、電極51の線径が減少(表面
メッキ膜54が侵食)すると、下地メッキ膜53や、芯
線52が露出してしまう。下地メッキ膜53や、芯線5
2が露出すると、露出した部分が酸化しやすくなる。そ
の結果、配線基板に半田接続する際の半田濡れ性が悪く
なるという問題があった。
【0009】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、電極の表面が侵食されず、導電体と電極とを良
好に接続することができる半田付け方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の半田付け方法は、少なくとも一方が絶縁
膜により被覆された導電体と電極とを半田で接続する半
田付け方法であって、前記電極が侵食されず、かつ前記
絶縁膜を溶融させ、前記導電体の構成金属と前記電極の
構成金属とが半田成分と合金を形成可能な条件で、前記
導電体と前記電極とを半田で接続する、ことを特徴とす
る。
【0011】この構成によれば、導電体の構成金属と電
極の構成金属とが半田成分と合金を形成するので、導電
体と電極とを良好に接続することができる。また、半田
付けにおいて、電極の侵食が防止される。この結果、配
線基板に半田接続する際の半田濡れ性を改善することが
できる。
【0012】前記電極はニッケルメッキ膜により被覆さ
れていることが好ましい。電極がニッケルメッキ膜によ
り被覆されていると、半田付けにおいて、電極が侵食さ
れにくくなる。前記ニッケルメッキ膜は前記電極の表面
に0.5μm以上の厚さに形成されていることが好まし
い。電極の表面にニッケルメッキ膜が0.5μm以上の
厚さに形成されていると、半田の温度が高い場合にも電
極が侵食されにくくなる。
【0013】前記導電体と前記電極とを溶融半田槽に浸
積させることにより、前記導電体と前記電極とが半田に
より接続される。前記半田付けを、前記絶縁膜及び前記
半田が溶融可能な温度に加熱して行う。また、前記半田
としては、例えば、錫を主成分とする無鉛半田が用いら
れる。
【0014】前記半田付けを半田温度が359℃〜42
0℃、接続時間が1秒〜10秒であって、前記導電体の
構成金属と前記電極の構成金属とが半田成分と合金を形
成可能な半田温度及び接続時間で行うことが好ましい。
このような半田温度及び接続時間で行うと、電極が侵食
されず、かつ絶縁膜を溶融させ、導電体と電極とを良好
に接続することができる。
【0015】少なくとも前記導電体は前記絶縁膜により
被覆されていることが好ましい。また、前記導電体は、
例えば、電気部品の巻線であり、該巻線の端子が前記電
極に接続される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の半田
付け方法について説明する。本実施の形態では、図1に
示す電気部品(コイル装置)の巻線(導電体)と電極と
を半田で接続する場合を例に説明する。
【0017】図1に示すように、コイル装置1は、巻線
2を保持するボビン3と、ボビン3のフランジ4に固着
されたピン状の電極5とを備えている。巻線2がボビン
3に巻き付けられ、その端末部2aが電極5に接続され
る。
【0018】図2に巻線2の断面構造を示す。図2に示
すように、巻線2は、導電体6と導電体6を被覆する絶
縁膜7とから構成されている。巻線2には、例えば、導
電体6に銅、絶縁膜7にポリウレタン、からなるポリウ
レタンエナメルワイヤー(UEW線)が用いられてい
る。
【0019】図3に電極5の断面構造を示す。図3に示
すように、電極5は、芯線8と、芯線8を被覆する下地
メッキ膜9と、下地メッキ膜9を被覆する表面メッキ膜
10とから構成されている。芯線8は導電性材料からな
る芯材から構成される。芯材としては、例えば、鋼線、
銅線、合金線等が用いられている。下地メッキ膜9は導
電性材料、例えば、銅から構成されている。表面メッキ
膜10はニッケルメッキ膜から構成されている。このよ
うに、電極5にはニッケルメッキ膜が被覆されているの
で、従来のような錫からなるメッキ膜が被覆されている
場合に比べて耐熱性が向上し、高温下にさらされても腐
食されにくくなる。また、表面メッキ膜10(ニッケル
メッキ膜)の膜厚は0.5μm以上形成されている。
【0020】次に、以上のように構成されたコイル装置
1について、巻線2の端末部2aを電極5に半田で接続
する半田付け方法について説明する。本実施の形態で
は、半田に錫(Sn)を主成分とする無鉛半田(Sn+
1Ag+4Cuからなる成分の無鉛半田)が溶融された
溶融半田槽に、巻線2と電極5とを浸積して両者を半田
付けする場合を例に説明する。
【0021】まず、電極5に巻線2の端末部2aを巻き
付ける。また、溶融半田槽を、絶縁膜7及び無鉛半田が
溶融可能な温度である所定の半田温度、例えば、絶縁膜
7の構成材料であるポリウレタンの融点以上であって、
Sn+1Ag+4Cuからなる成分の無鉛半田の溶融温
度である359℃以上に加熱する。次に、巻線2の端末
部2aが巻き付けられた電極5を溶融半田槽内に所定の
浸積時間だけ浸積させる。巻線2の端末部2aを溶融半
田槽内に浸積することにより、端末部2aの絶縁膜7が
溶融される。
【0022】ここで、半田温度及び浸積時間を、電極5
の表面メッキ膜10(ニッケルメッキ膜)が侵食されな
い条件に設定する。さらに、半田温度及び浸積時間を、
巻線2の導電体6の構成金属である銅と、表面メッキ膜
10(電極5)の構成金属であるニッケルとが半田成分
と合金を形成可能な条件に設定する。以下、このような
条件となる半田温度及び浸積時間について説明する。
【0023】図4は、所定の半田温度及び浸積時間で、
巻線2と電極5とを溶融半田槽に浸積させた場合の巻線
2と電極5との接続状態を示した表である。具体的に
は、巻線2と電極5とを半田温度が359℃〜420℃
の溶融半田槽に、浸積時間が1秒〜10秒浸積させた条
件で、巻線2と電極5との接続状態が良好か否かについ
ての評価結果を示している。図4では、接続状態が良好
な場合を○で示し、接続状態が不良な場合を×で示す。
また、半田濡れ性が悪くなる場合を△及び▽で示す。
【0024】図4に示すように、半田温度が359℃で
浸積時間が6秒〜10秒、370℃で5秒〜10秒、3
80℃で4秒〜10秒、390℃で3秒〜10秒、40
0℃で2秒〜9秒、410℃で1秒〜8秒、420℃で
1秒〜7秒の溶融半田槽への浸積により、巻線2と電極
5との接続状態が良好になる。また、これ以外の条件で
の溶融半田槽への浸積では、巻線2と電極5との接続状
態が良好とならない。
【0025】図5に、このような関係の概念を示す。図
5に示すように、半田温度が低温かつ浸積時間が短い場
合には、巻線2と電極5との接続状態が不良(接続不良
領域)になる。そして、半田温度を高温かつ浸積時間を
長くすることにより、半田濡れ性が悪くなる状態(半田
濡れ不足限界ライン)を経て、巻線2と電極5との接続
状態が良好(接続良好領域)になる。さらに、半田温度
を高温かつ浸積時間を長くすることにより、半田濡れ性
が悪くなる状態(半田濡れすぎ限界ライン)を経て、巻
線2と電極5との接続状態が不良(接続不良領域)にな
る。このため、巻線2と電極5とを良好に接続するため
には、半田付け条件を接続良好領域内の条件にすればよ
い。
【0026】また、図6は、所定の半田温度及び浸積時
間で、巻線2と電極5とを溶融半田槽に浸積させた場合
の電極5の線径の変化(増減)を示す。具体的には、巻
線2と電極5とを半田温度が359℃〜420℃の溶融
半田槽に、浸積時間が1秒〜10秒浸積させた条件で、
電極5の線径が変化したか否かについての評価結果を示
している。図6では、線径が増加した場合を+で示し、
線径が増減しない場合を±で示し、線径が減少した場合
(電極5が侵食された場合)を−で示す。
【0027】なお、半田付けにより、巻線2の導電体6
の構成金属である銅と、電極5の表面メッキ膜10の構
成金属であるニッケルとが半田成分と合金を形成する。
このため、半田付けにより、電極5の線径は増加する傾
向にある。ただし、電極5の線径が増加しなくても減少
しない(増減しない)程度であれば、電極5の芯線8や
下地メッキ膜9は露出しない。このため、図6中、+及
び±で表される条件であれば、電極の侵食に関する問題
は生じない。
【0028】図6に示すように、半田温度が359℃〜
400℃で浸積時間が1秒〜10秒、410℃で1秒〜
8秒、420℃で1秒〜8秒の溶融半田槽への浸積によ
り、電極5が侵食されない。また、半田温度が410℃
〜420℃で浸積時間が9秒〜10秒の溶融半田槽への
浸積により、電極5が侵食される。
【0029】図7に、このような関係の概念を示す。図
7に示すように、半田温度が低温の場合には電極5の表
面の侵食を防止することができる(非侵食領域)。そし
て、半田温度を高温かつ浸積時間を長くすることによ
り、電極5の線径が増減しない状態(侵食限界ライン)
を経て、電極5の表面が侵食される(侵食領域)。この
ため、電極5の表面の侵食を防止するには半田付け条件
を非侵食領域内の条件にすればよい。
【0030】このため、半田付け条件を接続良好領域内
の条件(図5の接続良好領域)であって、非侵食領域内
の条件(図7の非侵食領域)にすれば、巻線2と電極5
とを良好に接続することができるとともに、電極5の表
面の侵食を防止することができる。図8に接続良好領域
かつ非侵食領域となる条件を○で示す。図8に示すよう
に、半田温度が359℃で浸積時間が6秒〜10秒、3
70℃で5秒〜10秒、380℃で4秒〜10秒、39
0℃で3秒〜10秒、400℃で2秒〜9秒、410℃
で1秒〜8秒、420℃で1秒〜7秒の溶融半田槽への
浸積により、巻線2と電極5とを良好に接続することが
できるとともに、電極5の表面の侵食を防止することが
できる。
【0031】このように、ニッケルメッキ膜からなる表
面メッキ膜10が被覆された電極5と、巻線2の端末部
2aとを、無鉛半田で半田付けする場合、半田温度が3
59℃〜420℃、浸積時間が1秒〜10秒であって、
巻線2の端末部2aの導電体6の構成金属である銅と、
表面メッキ膜10の構成金属であるニッケルとが半田成
分と合金を形成可能な半田温度及び浸積時間、すなわち
上記の条件で半田付けを行う。これにより、電極5が侵
食されず、巻線2の端末部2aの絶縁膜7が溶融され、
巻線2と電極5とを良好な状態で接続することができ
る。
【0032】ところで、環境対策などの一環により、鉛
を除いた成分からなる半田を用いる場合、錫の成分が多
い半田を用いることになる。例えば、鉛を含む半田の場
合には、錫を63%、鉛を37%含有するのに対し、鉛
成分を含まない半田の場合には、錫を95%以上含有す
る。この錫は銅と反応しやすく、錫の含有量が増える
程、銅を侵食する。この侵食を最小限に抑えるために、
前述のように、電極5にはニッケルメッキ膜からなる表
面メッキ膜10が被覆されている。このため、半田温度
が高くなっても電極5が侵食されにくい。従って、半田
温度を従来よりも高くすることができ、巻線2の端末部
2aの導電体6の構成金属である銅と、表面メッキ膜1
0の構成金属であるニッケルとが半田成分と合金を形成
し、巻線2と電極5とを良好な状態で接続しやすくな
る。
【0033】特に、表面メッキ膜10のニッケルメッキ
膜のメッキ膜厚を0.5μm以上形成しているので、電
極5が侵食されやすい条件でも芯線8及び下地メッキ膜
9が露出されにくくなる。このため、表面メッキ膜10
のニッケルメッキ膜のメッキ膜厚を0.5μm以上形成
することが好ましい。
【0034】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、電極5が侵食されず、かつ巻線2の絶縁膜7を溶融
させ、巻線2の端末部2aの導電体6の構成金属である
銅と、表面メッキ膜10の構成金属であるニッケルとが
半田成分と合金を形成可能な条件(半田温度及び浸積時
間)で、巻線2と電極5とを半田で接続しているので、
巻線2と電極5とを良好に接続することができるととも
に、電極5の表面の侵食を防止することができる。
【0035】本実施の形態によれば、電極5にニッケル
メッキ膜からなる表面メッキ膜10が被覆されているの
で、半田温度が高くなっても電極5が侵食されにくい。
特に、表面メッキ膜10のメッキ膜厚を0.5μm以上
形成すると、電極5が侵食されやすい条件でも芯線8及
び下地メッキ膜9が露出されにくくなる。
【0036】なお、本発明は、上記の実施の形態に限ら
れず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に
適用可能な他の実施の形態について、説明する。
【0037】上記実施の形態では、単一の導電体6と導
電体6を被覆する絶縁膜7とから構成された巻線2(U
EW線)を例に本発明を説明したが、巻線2は単線に限
定されるものではなく、例えば、図9(a)に示すよう
に、巻線2は複数のUEW線から構成されたS−UEW
線31であってもよい。また、図9(b)に示すよう
に、巻線2は、S−UEW線31を、例えば、テフロン
(登録商標)膜のような被覆膜32で被覆したUSTC
線33であってもよい。さらに、図9(c)に示すよう
に、巻線2は、USTC線33をポリエステル膜34で
被覆し、このポリエステル膜34上を、例えばポリアミ
ド膜35で被覆したTEX線36であってもよい。ま
た、これら以外であってもよい。これらの巻線2であっ
ても、電極5が侵食されず、導電体6と電極5とを良好
に接続することができる。
【0038】上記実施の形態では、半田にSn+1Ag
+4Cuからなる成分の無鉛半田を用いた場合を例に本
発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、他の成分からなる半田を用いてもよい。この場
合、表面メッキ膜10(ニッケルメッキ膜)が侵食され
ず、かつ絶縁膜7を溶融させ、巻線2の端末部2aの導
電体6の構成金属と、電極5の構成金属とが半田成分と
合金を形成可能な半田温度及び浸積時間で、巻線2の導
電体6と電極5とを接続させればよく、用いられる半田
の種類によって最適な半田温度及び浸積時間は変化す
る。
【0039】いずれの場合でも、良好に半田付けを行う
ためには、図10に示すように、半田温度をX、浸積時
間(半田付け時間)をYにとった場合、低温かつ長時間
(図10の左下)と、高温かつ短時間(図10の右上)
とを結ぶ一次関数y=ax+bを軸として所定の広がり
cで定義される領域内の条件で半田付けを行う必要があ
る。定数a、b、及び広がりcは、半田付けの対象及び
半田の種類の組み合わせに応じて、実験等により設定さ
れる。
【0040】上記実施の形態では、電極5の表面にニッ
ケルメッキ膜(表面メッキ膜10)を0.5μm以上の
厚さに形成した場合を例に本発明を説明したが、表面メ
ッキ膜10は半田温度及び浸積時間での溶融半田槽への
浸積により、芯線8及び下地メッキ膜9が露出されない
膜厚を有していればよく、例えば、表面メッキ膜10の
膜厚は0.5μmより薄くてもよい。また、表面メッキ
膜10はニッケルメッキ膜に限定されるものではなく、
他の材料から構成された薄膜であってもよい。この場
合、表面メッキ膜10に用いられる薄膜は耐熱性に優れ
た、導電性のある材料から構成されていることが好まし
い。
【0041】上記実施の形態では、巻線2の導電体6が
絶縁膜7により被覆されている場合を例に本発明を説明
したが、導電体6と電極5との少なくとも一方が絶縁膜
により被覆されていればよく、例えば、電極5が絶縁膜
により被覆されている場合であってもよい。また、導電
体6と電極5との双方が絶縁膜により被覆されている場
合であってもよい。
【0042】上記実施の形態では、巻線2を有するコイ
ル装置1の電極5と巻線2の端末部2aを溶融半田槽に
浸積させた場合を例に本発明を説明したが、導電体6と
電極5とを半田で接続するものであればよく、他の電気
部品に用いることが可能である。また、溶融半田槽に浸
積させる場合の他、例えば、半田を塗布または付着させ
た後、加熱処理を行う場合であってもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電極の表面が侵食されず、導電体と電極とを良好に接続
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のコイル装置の概略図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の巻線の断面構造を示した
模式図である。
【図3】本発明の実施の形態の電極の断面構造を示した
模式図である。
【図4】本発明の実施の形態の半田温度、浸積時間と、
巻線と電極との接続状態との関係を示した表である。
【図5】本発明の実施の形態の巻線と電極との接続状態
の概念を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態の半田温度、浸積時間と、
電極の線径との状態の関係を示した表である。
【図7】本発明の実施の形態の電極表面の侵食状態の概
念を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態の良好な半田付け条件を示
す模式図である。
【図9】他の実施の形態の巻線の断面構造を示した模式
図である。
【図10】半田温度と浸積時間との関係を示したグラフ
である。
【図11】従来の電極の断面構造を示した模式図であ
る。
【図12】従来の半田温度、浸積時間と、電極の線径の
状態との関係を示した表である。
【図13】従来の半田温度、浸積時間と、電極の線径の
状態との関係を示した表である。
【符号の説明】
1 コイル装置 2 巻線 5 電極 6 導電体 7 絶縁膜 10 表面メッキ膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 31/02 310 B23K 31/02 310F // B23K 101:36 101:36

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が絶縁膜により被覆された
    導電体と電極とを半田で接続する半田付け方法であっ
    て、 前記電極が侵食されず、かつ前記絶縁膜を溶融させ、前
    記導電体の構成金属と前記電極の構成金属とが半田成分
    と合金を形成可能な条件で、前記導電体と前記電極とを
    半田で接続する、ことを特徴とする半田付け方法。
  2. 【請求項2】前記電極はニッケルメッキ膜により被覆さ
    れている、ことを特徴とする請求項1に記載の半田付け
    方法。
  3. 【請求項3】前記ニッケルメッキ膜は前記電極の表面に
    0.5μm以上の厚さに形成されている、ことを特徴と
    する請求項2に記載の半田付け方法。
  4. 【請求項4】前記導電体と前記電極とを溶融半田槽に浸
    積させることにより、前記導電体と前記電極とを半田で
    接続する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載の半田付け方法。
  5. 【請求項5】前記半田付けを前記絶縁膜及び前記半田を
    溶融可能な温度に加熱して行う、ことを特徴とする請求
    項1乃至4のいずれか1項に記載の半田付け方法。
  6. 【請求項6】前記半田に錫を主成分とする無鉛半田を用
    いる、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項
    に記載の半田付け方法。
  7. 【請求項7】前記半田付けを半田温度が359℃〜42
    0℃、接続時間が1秒〜10秒であって、前記導電体の
    構成金属と前記電極の構成金属とが半田成分と合金を形
    成可能な半田温度及び接続時間で行う、ことを特徴とす
    る請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半田付け方
    法。
  8. 【請求項8】少なくとも前記導電体は前記絶縁膜により
    被覆されている、ことを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれか1項に記載の半田付け方法。
  9. 【請求項9】前記導電体は電気部品の巻線であり、該巻
    線の端子を前記電極に接続する、ことを特徴とする請求
    項1乃至8のいずれか1項に記載の半田付け方法。
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