JP2003053521A - 半田付け方法 - Google Patents

半田付け方法

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JP2003053521A
JP2003053521A JP2001240978A JP2001240978A JP2003053521A JP 2003053521 A JP2003053521 A JP 2003053521A JP 2001240978 A JP2001240978 A JP 2001240978A JP 2001240978 A JP2001240978 A JP 2001240978A JP 2003053521 A JP2003053521 A JP 2003053521A
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electrode
solder
conductor
plating film
winding
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JP2001240978A
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Shinichi Ishikawa
真一 石川
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Sanken Electric Co Ltd
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Sanken Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極の下地メッキ膜及び芯線を露出すること
なく、導電体と電極とを良好に接続することができる半
田付け方法を提供する。 【解決手段】 コイル装置は、絶縁膜により絶縁被覆さ
れた導電体と、導電性材料からなる芯線に被覆された銅
からなる下地メッキ膜と下地メッキ膜に被覆された錫を
主成分とする表面メッキ膜とを備えた電極と、を有して
いる。そして、絶縁膜を溶融させるとともに、下地メッ
キ膜が侵食することなく表面メッキ膜を侵食させ、かつ
導電体の構成金属と電極の構成金属とが半田成分と合金
を形成可能な半田温度及び浸積時間で、導電体と電極と
を接続させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半田付け方法に関
し、詳しくは、電極と導電体とを半田で接続する半田付
け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トランス、リアクトルのような電気部品
の巻線は、絶縁膜により被覆された導電体から構成され
ている。そして、この巻線の端末を電極に半田付けする
ことにより、巻線と電極とが接続されている。半田付け
は、例えば、半田が溶融された溶融半田槽に、巻線の端
末と電極とを浸漬させて巻線の絶縁膜を溶融し、巻線の
導電体の端末と電極とを半田により接続させている。
【0003】このような半田付けは、巻線の絶縁膜を溶
融して、導電体の端末と電極とを接続することから、十
分な半田温度で十分な浸漬時間が必要になる。例えば、
半田に、Sn+1Ag+4Cuからなる成分の無鉛半田
を用いた場合、半田温度が359℃以上で数秒以上の浸
漬時間をとらないと、導電体の端末と電極との接続が悪
くなってしまう。
【0004】しかし、導電体の端末と電極とを良好に接
続するために、高温の溶融半田槽に電極を長期間浸漬さ
せると、電極表面が半田付けにより受ける熱によって侵
食されてしまう。図14に電極の断面構造を示す。図1
4に示すように、電極51は、例えば、鉄からなる芯線
52と、銅からなる下地メッキ膜53と、錫からなる表
面メッキ膜54とから構成されている。そして、高温の
溶融半田槽に電極51を長期間浸漬させると、表面メッ
キ膜54が侵食されて、下地メッキ膜53や、芯線52
が露出してしまうおそれがある。下地メッキ膜53や、
芯線52が露出すると、露出した部分が酸化しやすくな
り、その結果、配線基板に半田接続する際の半田濡れ性
が悪くなってしまう。このため、半田付けの際には、下
地メッキ膜53や、芯線52が露出しないように、表面
メッキ膜54の侵食を防止することが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電極表
面に被覆された表面メッキ膜54を侵食せずに、電極5
1と導電体とを接続するのは困難である。一方、表面メ
ッキ膜54が侵食されても、下地メッキ膜53まで侵食
されていなければ、下地メッキ膜53及び芯線52が酸
化されて、配線基板に半田接続する際の半田濡れ性が悪
くなるという問題は生じなくなる。
【0006】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、電極の下地メッキ膜及び芯線を露出することな
く、導電体と電極とを良好に接続することができる半田
付け方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の半田付け方法は、絶縁膜により被覆された
導電体と、導電性材料からなる芯材に被覆された銅から
なる下地メッキ層と、該下地メッキ層に被覆された錫を
主成分とする表面メッキ層と、を備えた電極と、を半田
で接続する半田付け方法であって、前記絶縁膜を溶融さ
せるとともに、前記下地メッキ層が侵食することなく前
記表面メッキ層を侵食させ、かつ前記導電体の構成金属
と前記電極の構成金属とが半田成分と合金を形成可能な
条件で、前記導電体と前記電極とを半田で接続する、こ
とを特徴とする。
【0008】この構成によれば、下地メッキ層が侵食す
ることなく表面メッキ層を侵食させているので、電極の
芯線等は露出されない。また、絶縁膜が溶融されるとと
もに、表面メッキ層が侵食され、さらに導電体の構成金
属と電極の構成金属とが半田成分と合金を形成するの
で、導電体と電極とを良好に接続することができる。こ
の結果、配線基板に半田接続する際の半田濡れ性を改善
することができる。
【0009】前記半田としては、例えば、錫を主成分と
する無鉛半田を用いることが好ましい。また、前記導電
体と前記電極とを溶融半田槽に浸漬させることにより、
前記導電体と前記電極とを半田で接続することが好まし
い。
【0010】前記半田付けを半田温度が359℃〜45
0℃、接続時間が1秒〜10秒であって、前記導電体の
構成金属と前記電極の構成金属とが半田成分と合金を形
成可能な半田温度及び接続時間で行うことが好ましい。
このような半田温度及び接続時間で半田付けを行うと、
電極の芯線等が露出しなくなる。また、導電体と電極と
が良好に接続される。
【0011】前記導電体は、例えば、電気部品の巻線で
あり、この場合、該巻線の端子が前記電極に接続され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の半田
付け方法について説明する。本実施の形態では、図1に
示す電気部品(コイル装置)の巻線(導電体)と電極と
を錫(Sn)を主成分とする無鉛半田で接続する場合を
例に説明する。
【0013】まず、本発明に用いるコイル装置について
説明する。図1にコイル装置の概略図を示す。図1に示
すように、コイル装置1は、巻線2を保持するボビン3
と、ボビン3のフランジ4に固着されたピン状の電極5
とを備えている。そして、巻線2がボビン3に巻き付け
られ、その端末部2aが電極5に接続されている。
【0014】図2に巻線2の断面構造を示す。図2に示
すように、巻線2は、導電体6と導電体6を被覆する絶
縁膜7とから構成されている。巻線2としては、例え
ば、導電体6に銅、絶縁膜7にポリウレタン、からなる
ポリウレタンエナメルワイヤー(UEW線)が用いられ
ている。
【0015】図3に電極5の断面構造を示す。図3に示
すように、電極5は、芯線8と、芯線8を被覆する下地
メッキ膜9と、下地メッキ膜9を被覆する表面メッキ膜
10とから構成されている。芯線8は導電性材料からな
る芯材から構成されている。芯材としては、例えば、鋼
線、銅線、合金線等が用いられている。下地メッキ膜9
は、銅(Cu)の溶融メッキ膜または電気メッキ膜から
構成されている。下地メッキ膜9の膜厚は、例えば、6
0μmに形成されている。表面メッキ膜10は錫(S
n)を主成分とする溶融または電気メッキ膜、例えば、
Sn(100%)、Sn−Cu、Sn−Cu−ニッケル
(Ni)から構成されている。表面メッキ膜10の膜厚
は、例えば、3〜6μmに形成されている。
【0016】次に、以上のように構成されたコイル装置
1を用いて、巻線2の端末部2aを電極5に半田で接続
する半田付け方法について説明する。本実施の形態で
は、半田にSnを主成分とする無鉛半田(Sn+1Ag
+4Cuからなる成分の無鉛半田)が溶融された溶融半
田槽に、巻線2と、表面メッキ膜10にSn100%の
メッキ膜を用いた電極5と、を浸漬して、巻線2と電極
5とを半田付けする場合を例に説明する。
【0017】まず、電極5に巻線2の端末部2aを巻き
付ける。また、溶融半田槽を、絶縁膜7及び無鉛半田が
溶融可能な温度である所定の半田温度、例えば、絶縁膜
7の構成材料であるポリウレタンの融点以上であって、
Sn+1Ag+4Cuからなる成分の無鉛半田の溶融温
度である359℃以上に加熱する。次に、巻線2の端末
部2aが巻き付けられた電極5を溶融半田槽内に所定の
浸漬時間だけ浸漬させる。
【0018】ここで、溶融半田槽内の半田温度及び浸漬
時間を、巻線2の絶縁膜7を溶融させるとともに、電極
5の下地メッキ膜9が侵食することなく表面メッキ膜1
0を侵食させ、かつ巻線2の導電体6の構成金属である
銅と、電極5の表面メッキ膜10の構成金属である錫と
が半田成分と合金を形成可能な条件に設定する。以下、
このような条件となる半田温度及び浸漬時間について説
明する。
【0019】図4は、所定の半田温度及び浸漬時間で、
巻線2と電極5とを溶融半田槽に浸漬させた場合の電極
5の線径の変化(増減)を示す。具体的には、巻線2と
電極5とを半田温度が359℃〜450℃の溶融半田槽
に、浸漬時間が1秒〜10秒浸漬させた条件で、電極5
の線径が変化したか否かについての評価結果を示してい
る。図4では、電極5の線径が増加した場合を+で示
し、電極5の線径が増減しない場合を±で示し、電極5
の線径が表面メッキ膜10の膜厚内で減少(表面メッキ
膜10のみが侵食)した場合を−で示し、電極5の線径
が表面メッキ膜10の膜厚以上に減少(下地メッキ膜9
も侵食)した場合を、その減少量に応じて=、または≡
で示す。このため、図4中、+、±及び−で表される条
件であれば、電極5の下地メッキ膜9が侵食されず、電
極5の芯線8や下地メッキ膜9は露出しない。
【0020】図4に示すように、半田温度が359℃〜
370℃で浸漬時間が1秒〜10秒、380℃で1秒〜
7秒、390℃で1秒〜5秒、400℃で1秒〜4秒、
410℃で1秒〜3秒、420℃で1秒〜2秒の溶融半
田槽への浸漬により、電極5の下地メッキ膜9は侵食さ
れないことが確認できた。
【0021】図5に、このような関係の概念を示す。図
5に示すように、半田温度が低温の場合には電極5の下
地メッキ膜9の侵食を防止することができる(非侵食領
域)。そして、半田温度を高温かつ浸漬時間を長くする
ことにより、表面メッキ膜10のみならず下地メッキ膜
9にまで侵食される状態(侵食限界ライン)を経て、電
極5の下地メッキ膜9が侵食される(侵食領域)。この
ため、電極5の下地メッキ膜9の侵食を防止するには、
半田付け条件を非侵食領域内の条件にすればよい。
【0022】図6は、所定の半田温度及び浸漬時間で、
巻線2と電極5とを溶融半田槽に浸漬させた場合の巻線
2と電極5との接続状態を示した表である。具体的に
は、巻線2と電極5とを半田温度が359℃〜420℃
の溶融半田槽に、浸漬時間が1秒〜10秒浸漬させた条
件で、巻線2と電極5との接続状態が良好か否かについ
ての評価結果を示している。図6では、接続状態が良好
な場合を○で示し、接続状態が不良な場合を×で示す。
また、半田濡れ性が悪くなる場合を△及び▽で示す。な
お、図4及び図5に示すように、半田温度が430℃以
上になると、電極5の下地メッキ膜9が侵食されること
から、半田温度が359℃〜420℃の範囲内で巻線2
と電極5との接続状態の評価を行った。
【0023】図6に示すように、半田温度が359℃で
浸漬時間が6秒〜8秒、370℃で5秒〜7秒、380
℃で4秒〜6秒、390℃で3秒〜5秒、400℃で2
秒〜4秒、410℃で1秒〜3秒、420℃で1秒〜2
秒の溶融半田槽への浸漬により、巻線2と電極5との接
続状態が良好になることが確認できた。
【0024】図7に、このような関係の概念を示す。図
7に示すように、半田温度が低温かつ浸漬時間が短い場
合には、巻線2と電極5との接続状態が不良(接続不良
領域)になる。そして、半田温度を高温かつ浸漬時間を
長くすることにより、半田濡れ性が悪くなる状態(半田
濡れ不足限界ライン)を経て、巻線2と電極5との接続
状態が良好(接続良好領域)になる。さらに、半田温度
を高温かつ浸漬時間を長くすることにより、半田濡れ性
が悪くなる状態(半田濡れすぎ限界ライン)を経て、巻
線2と電極5との接続状態が不良(接続不良領域)にな
る。
【0025】また、半田温度及び浸漬時間が接続良好領
域の場合には、巻線2の端末部2aの絶縁膜7が溶融さ
れていることが確認できた。さらに、半田温度及び浸漬
時間を接続良好領域とした場合には、図4に示すよう
に、電極5の表面メッキ膜10は侵食されている。半田
温度及び浸漬時間が接続良好領域で巻線2と電極5との
接続状態が良好になったのは、巻線2の端末部2aの絶
縁膜7が溶融されるとともに、電極5の表面メッキ膜1
0が侵食され、かつ巻線2の導電体6の構成金属である
銅と、電極5の表面メッキ膜10の構成金属である錫と
が半田成分と合金を形成したためであると考えられる。
また、これ以外の条件での溶融半田槽への浸漬では、巻
線2と電極5との接続状態が良好とならない。このた
め、巻線2と電極5とを良好に接続するためには、半田
付け条件を接続良好領域内の条件にすればよい。
【0026】以上の結果から、半田付け条件を非侵食領
域内の条件(図5の非侵食領域)であって、接続良好領
域内の条件(図7の接続良好領域)にすれば、電極5の
下地メッキ膜9を侵食することなく、巻線2と電極5と
を良好に接続することができる。図8に非侵食領域かつ
接続良好領域となる条件を○で示す。図8に示すよう
に、半田温度が359℃で浸漬時間が6秒〜8秒、37
0℃で5秒〜7秒、380℃で4秒〜6秒、390℃で
3秒〜5秒、400℃で2秒〜4秒、410℃で1秒〜
3秒、420℃で1秒〜2秒の溶融半田槽への浸漬によ
り、電極5の下地メッキ膜9を侵食することなく、巻線
2と電極5とを良好に接続することができる。
【0027】このように、電極5と、巻線2の端末部2
aとを、無鉛半田で半田付けする場合、半田温度が35
9℃〜420℃、浸漬時間が1秒〜10秒であって、接
続良好領域、すなわち、巻線2の端末部2aの導電体6
の構成金属である銅と、表面メッキ膜10の構成金属で
ある錫とが半田成分と合金を形成可能な半田温度及び浸
漬時間で半田付けを行うことにより、電極5の下地メッ
キ膜9を侵食することなく、巻線2と電極5とを良好な
状態で接続することができる。
【0028】ところで、環境対策などの一環により、鉛
を除いた成分からなる半田を用いる場合、錫の成分が多
い半田を用いることになる。例えば、鉛を含む半田の場
合には、錫を63%、鉛を37%含有するのに対し、鉛
成分を含まない半田の場合には、錫を90%以上含有す
る。この錫は銅と反応しやすく、錫の含有量が増える
程、銅を侵食しやすい。このような銅を侵食しやすい無
鉛半田を用いた半田付けを行う場合に本発明は特に有効
である。
【0029】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、巻線2の絶縁膜7を溶融させるとともに、電極5の
下地メッキ膜9が侵食することなく表面メッキ膜10を
侵食させ、かつ巻線2の導電体6の構成金属である銅
と、電極5の表面メッキ膜10の構成金属である錫とが
半田成分と合金を形成可能な条件(半田温度及び浸漬時
間)で、巻線2と電極5とを無鉛半田により接続してい
るので、電極5の下地メッキ膜9を侵食することなく、
巻線2と電極5とを良好な状態で接続することができ
る。
【0030】なお、本発明は、上記の実施の形態に限ら
れず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に
適用可能な他の実施の形態について、説明する。
【0031】上記実施の形態では、表面メッキ膜10に
Sn100%のメッキ膜を用いた場合を例に本発明を説
明したが、表面メッキ膜10は錫を主成分とする溶融ま
たは電気メッキ膜であればよく、Sn−Cuからなるメ
ッキ膜や、Sn−Cu−Niからなるメッキ膜であって
もよい。
【0032】例えば、表面メッキ膜10にSn+Cu
1.2%からなるメッキ膜を用いた場合について、巻線
2の絶縁膜7を溶融させるとともに、電極5の下地メッ
キ膜9が侵食することなく表面メッキ膜10を侵食さ
せ、かつ巻線2の導電体6の構成金属である銅と、電極
5の表面メッキ膜10の構成金属である錫とが半田成分
と合金を形成可能な条件を説明する。所定の半田温度及
び浸漬時間で、巻線2と電極5とを溶融半田槽に浸漬さ
せた場合について、図9に電極5の線径の変化を示し、
図10に巻線2と電極5との接続状態を示し、図11に
非侵食領域かつ接続良好領域となる条件を○で示す。
【0033】図9に示すように、半田温度が359℃〜
370℃で浸漬時間が1秒〜10秒、380℃で1秒〜
6秒、390℃で1秒〜4秒、400℃で1秒〜3秒、
410℃で1秒〜2秒、420℃で1秒の溶融半田槽へ
の浸漬により、電極5の下地メッキ膜9は侵食されな
い。また、図10に示すように、半田温度が359℃で
浸漬時間が6秒〜7秒、370℃で5秒〜6秒、380
℃で4秒〜5秒、390℃で3秒〜4秒、400℃で2
秒〜3秒、410℃で1秒〜2秒、420℃で1秒の溶
融半田槽への浸漬により、巻線2と電極5との接続状態
が良好になる。このため、図11に示すように、半田温
度が359℃で浸漬時間が6秒〜7秒、370℃で5秒
〜6秒、380℃で4秒〜5秒、390℃で3秒〜4
秒、400℃で2秒〜3秒、410℃で1秒〜2秒、4
20℃で1秒の溶融半田槽への浸漬により、電極5の下
地メッキ膜9を侵食することなく、巻線2と電極5とを
良好に接続することができる。
【0034】上記実施の形態では、単一の導電体6と導
電体6を被覆する絶縁膜7とから構成された巻線2(U
EW線)を例に本発明を説明したが、巻線2は単線に限
定されるものではなく、例えば、図12(a)に示すよ
うに、巻線2は複数のUEW線から構成されたS−UE
W線31であってもよい。また、図12(b)に示すよ
うに、巻線2は、S−UEW線31を、例えば、テトロ
ン膜のような被覆膜32で被覆したものであってもよ
い。さらに、図12(c)に示すように、巻線2は、ポ
リエステル膜のような被覆膜33で被覆されたS−UE
W線31をポリエステル膜34で被覆し、このポリエス
テル膜34上を、例えば、ポリアミド膜35で被覆した
TEX線36であってもよい。また、TIW線のよう
に、これら以外の巻線であってもよい。これらの巻線2
であっても、電極5が侵食されず、導電体6と電極5と
を良好に接続することができる。
【0035】上記実施の形態では、半田にSn+1Ag
+4Cuからなる成分の無鉛半田を用いた場合を例に本
発明を説明したが、例えば、Sn+1Agからなる成分
の半田であってもよい。この場合、用いられる半田の種
類によって最適な半田温度及び浸漬時間は変化する。
【0036】いずれの場合でも、良好に半田付けを行う
ためには、図13に示すように、半田温度をX、浸漬時
間(半田付け時間)をYにとった場合、低温かつ長時間
(図13の左下)と、高温かつ短時間(図13の右上)
とを結ぶ一次関数y=ax+bを軸として所定の広がり
cで定義される領域内の条件で半田付けを行う必要があ
る。定数a、b、及び広がりcは、半田付けの対象及び
半田の種類の組み合わせに応じて、実験等により設定さ
れる。
【0037】上記実施の形態では、巻線2を有するコイ
ル装置1の電極5と巻線2の端末部2aを溶融半田槽に
浸漬させた場合を例に本発明を説明したが、絶縁膜7に
より絶縁被覆された導電体6と、導電性材料からなる芯
線8に被覆された銅からなる下地メッキ膜9と下地メッ
キ膜9に被覆された錫を主成分とする表面メッキ膜10
とを備えた電極5と、を半田で接続するものであればよ
く、他の電気部品に用いることが可能である。また、溶
融半田槽に浸漬させる場合の他、例えば、半田を塗布ま
たは付着させた後、加熱処理を行う場合であってもよ
い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電極の下地メッキ膜及び芯線を露出することなく、導電
体と電極とを良好に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のコイル装置の概略図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の巻線の断面構造を示した
模式図である。
【図3】本発明の実施の形態の電極の断面構造を示した
模式図である。
【図4】本発明の実施の形態の半田温度及び浸漬時間
と、電極の線径との状態の関係を示した表である。
【図5】本発明の実施の形態の電極表面の侵食状態の概
念を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の半田温度及び浸漬時間
と、巻線と電極との接続状態との関係を示した表であ
る。
【図7】本発明の実施の形態の巻線と電極との接続状態
の概念を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態の良好な半田付け条件を示
す図である。
【図9】他の実施の形態の半田温度及び浸漬時間と、電
極の線径との状態の関係を示した表である。
【図10】他の実施の形態の半田温度及び浸漬時間と、
巻線と電極との接続状態との関係を示した表である。
【図11】他の実施の形態の良好な半田付け条件を示す
図である。
【図12】他の実施の形態の巻線の断面構造を示した模
式図である。
【図13】半田温度と浸漬時間との関係を示したグラフ
である。
【図14】従来の電極の断面構造を示した模式図であ
る。
【符号の説明】
1 コイル装置 2 巻線 2a 端末部 5 電極 6 導電体 7 絶縁膜 8 芯線 9 下地メッキ膜 10 表面メッキ膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/34 512 H05K 3/34 512C // B23K 101:34 B23K 101:34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁膜により被覆された導電体と、 導電性材料からなる芯材に被覆された銅からなる下地メ
    ッキ層と、該下地メッキ層に被覆された錫を主成分とす
    る表面メッキ層と、を備えた電極と、を半田で接続する
    半田付け方法であって、 前記絶縁膜を溶融させるとともに、前記下地メッキ層が
    侵食することなく前記表面メッキ層を侵食させ、かつ前
    記導電体の構成金属と前記電極の構成金属とが半田成分
    と合金を形成可能な条件で、前記導電体と前記電極とを
    半田で接続する、ことを特徴とする半田付け方法。
  2. 【請求項2】前記半田に錫を主成分とする無鉛半田を用
    いる、ことを特徴とする請求項1に記載の半田付け方
    法。
  3. 【請求項3】前記導電体と前記電極とを溶融半田槽に浸
    漬させることにより、前記導電体と前記電極とを半田で
    接続する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の
    半田付け方法。
  4. 【請求項4】前記半田付けを、半田温度が359℃〜4
    50℃、接続時間が1秒〜10秒であって、前記導電体
    の構成金属と前記電極の構成金属とが半田成分と合金を
    形成可能な半田温度及び接続時間で行う、ことを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半田付け方
    法。
  5. 【請求項5】前記導電体は電気部品の巻線であり、該巻
    線の端子を前記電極に接続する、ことを特徴とする請求
    項1乃至4のいずれか1項に記載の半田付け方法。
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