JP2002336960A - コイル部品の製造方法及びコイル部品の製造に用いるはんだ槽とはんだ加熱装置とはんだ槽掃除治具 - Google Patents

コイル部品の製造方法及びコイル部品の製造に用いるはんだ槽とはんだ加熱装置とはんだ槽掃除治具

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亮二 渡辺
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良則 石黒
Chiharu Hayashi
千春 林
Mikio Sekiguchi
幹夫 関口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コイル巻線と外部接続端子とのはんだ付けの
接合信頼性の高いコイル部品の製造方法及びコイル部品
の製造に用いるはんだ槽とはんだ加熱装置とはんだ槽掃
除治具を提供する。 【構成】 巻芯1に巻回した絶縁被覆導線2の端末2
a、2bを鍔3bに設けた外部接続端子6、6にからげ
たコイル部品20の接合箇所12をステンレス製のはん
だ槽18中の390〜450℃に加熱溶融したSnを主
組成分とするPbフリーはんだ22へ浸漬はんだ付けす
ることによって前記接合箇所12の絶縁被覆膜5を熱で
溶融破壊して除去し、露出した導電線材4と外部接続端
子6とを被覆するようにPbフリーはんだ22で濡ら
し、引き上げてはんだを固着させて接合する導電接続工
程を行う製造方法であり、ステンレス製のはんだ槽の少
なくとも内表面のCr酸化膜9表面にガラス材またはセ
ラミック材(Al、ZrO等)を溶射してなる
コーティング膜14を備えたはんだ槽18を用いること
を特長とする構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器に用いら
れるトランス、チョークコイル等のコイル部品の製造方
法に関し、特に、コイルとして巻回された絶縁被覆導線
の端末の外部接続端子とのからげ箇所の浸漬はんだ付け
による導電接続工程に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器に用いられる小型のコイ
ル部品は、図5に示されるチョークコイル10のよう
に、樹脂製ボビンまたはフェライト等の巻芯1に絶縁被
覆導線2を巻回し、その端末2a、2bを例えば前記巻
芯1の両端に延設された鍔3a、3bの一方の鍔3bの
端面側に巻芯1と一体に植設された外部接続端子6、6
にからげ、そのからげ部分を加熱溶融したはんだに浸漬
してはんだ付けすることにより導電接続している。
【0003】コイル部品のコイル巻線として用いられて
いる上記絶縁被覆導線2は、図6の断面図に示されるよ
うな銀線または銅線またはこれらの外周に錫メッキや錫
−銅はんだメッキ等を施した導電線材4の外周をポリウ
レタン樹脂やポリエステル樹脂等の絶縁被覆膜5で覆っ
た円形または矩形の断面構造を有している。
【0004】また、上記絶縁被覆導線2の端末2a、2
bの外部接続端子6への浸漬はんだ付けによる導電接続
工程には、例えば図5に示されるようなステンレス製の
はんだ槽8が用いられる。このはんだ槽8に図示されな
いはんだ加熱装置にて350〜400℃に加熱溶融した
はんだ11を蓄え、前記コイル部品10の外部接続端子
6とこの根元箇所にからげた絶縁被覆導線2の端末2
a、2bとのからげ部分をはんだ11中に外部接続端子
6共々浸漬してからげ部分の絶縁被覆膜5を熱で溶融破
壊して除去し、且つ露出した導電線材4と外部接続端子
6をはんだ11で被覆して引き上げて固着させることで
導電接続する。
【0005】ところで、図5のステンレス製のはんだ槽
8の母材であるステンレス鋼7は一般に12%以上のC
rを含んでおり、ステンレス鋼7の表面に厚さtが数n
mのCr酸化膜9ができて不動態化し(これを不動態皮
膜という)、優れた耐食性を示すものである。ステンレ
ス鋼は組織の上からマルテンサイト系、フェライト系、
オーステナイト系に大別されるが、そのうちオーステナ
イト系の基本組成は18%Cr−8%Niなので、18
−8ステンレス(AISI ASTM No.SUS3
04)と呼称され、軟かくて加工性に富み、耐食性に優
れているので広範囲に利用されている。通常、上記ステ
ンレス製のはんだ槽8も18−8ステンレス鋼のみから
構成されている。
【0006】一方、コイル部品のコイル巻線(絶縁被覆
導線2)の外部接続端子6へのはんだ付けに用いられて
いるはんだは、通常は錫(Sn)−鉛(Pb)系合金で
あり、錫が約40〜60重量%、鉛が約60〜40重量
%、その他の金属として銅が0.03〜0.08重量
%、アンチモン(Sb)が0.1〜0.3重量%の組成
(公称60Sn−40Pbはんだ、40Sn−60Pb
はんだ等)であり、溶融温度は概ね200℃前後であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近では、電子機器に
おける部品の導電接続に多用されているはんだ中に含ま
れる鉛の環境汚染が問題視されており、鉛を含有しない
所謂Pbフリーはんだへの切り換えが課題となってい
る。このPbフリーはんだは組成成分の殆どを錫とする
ものが多いが、その溶融温度は300℃程度と従来の6
0Sn−40Pbはんだ等よりも相当高くなっており、
浸漬はんだ付けの際には390〜450℃の高温に加熱
溶融する必要がある。
【0008】上記のような外部接続端子6と絶縁被覆導
線2の端末2a、2bの導電線材4とのはんだ槽8への
浸漬はんだ付けを導電接続工程の内容とするコイル部品
の製造方法において、Pbフリーはんだを使用する場合
には、コイル部品の半田付け工程に長く上記ステンレス
製のはんだ槽8を使用していると、徐々にはんだ11と
導電線材4との濡れ性(からげ部分の導電付着性)が悪
くなってはんだ接合の信頼性が劣化してしまうという問
題点が見い出された。
【0009】本発明者が子細にこのはんだ濡れ性の劣化
の原因を調査したところ、図5に概念図として表示され
ているように、ステンレスはんだ槽8における内表面の
厚さtが数nmのCr酸化膜(不動態皮膜)9が破損し
た箇所13からはんだ11の錫(Sn)中にステンレス
成分のNiが溶解してはんだ中へ溶け込んでいき、それ
とともにFeやCrも析出する。そしてはんだ11の液
面に析出したステンレス成分(Fe、Cr、Ni)は酸
化して酸化膜12(Fe、NiO、Cr
等)を形成する。前記はんだ中へ溶け込んだNiや前
記酸化膜12ははんだ成分の錫、鉛よりも強固で導電線
材4である銀や銅との濡れ性が悪く、はんだ接合の濡れ
性に悪影響を与えるのである。即ち、外部接続端子6を
はんだ槽8中のはんだ11に浸漬する際に、外部接続端
子6と導電線材4とはんだ11相互の境界面に酸化膜1
2が介在して、はんだ濡れ性(換言すれば、はんだ11
と導電線材4や外部接続端子6との付着性)が悪くなっ
て接合強度が落ちる結果となるのである。
【0010】特に、はんだとしてPbフリーはんだを使
用する場合は、従来よりもはんだが高温に加熱溶融され
ていることに加え錫が組成の大部分を占めているので、
破損した箇所13からのステンレス成分の溶解が速く、
上記からげ部分のはんだ濡れ性の劣化は顕著である。
【0011】また、導電接続工程において、図7に示さ
れるように、溶融したはんだ11を溜めたはんだ槽8中
の底には徐々にドロス15(dross:導電線材4の銅線
からのはんだ11へのCuの溶け込みによるCu−Sn
化合物等の金属不純物、はんだ滓)が溜まるので、適時
除去しなければならない。このドロス除去作業の際に
は、へら状の金属治具16を使用してステンレス製のは
んだ槽8の底を矢印の如く擦るようにドロス15を掻き
取るので、はんだ槽8の内側表面のCr酸化膜9を破損
する恐れが大きく、はんだ槽8の寿命が短くなるという
問題点があった。
【0012】さらに、従来よりはんだ11の加熱溶融手
段として、はんだ槽8の中にはんだ加熱装置を挿入して
はんだ11を直接加熱する手段が採られている場合が多
い(このはんだ加熱装置は投げ込み式ヒータと称されて
いる)が、このはんだ加熱装置は発熱ヒータ本体と、前
記発熱ヒータ本体の周囲を覆うステンレス鋼の金属外被
体とからなっている。したがって、このはんだ加熱装置
も長く使用しているとステンレス鋼の金属外被体の表面
のCr酸化膜が破れ、そこから侵食されて劣化し、寿命
を短くしているのが現状である。
【0013】従来の鉛を含むはんだを使用する限りにお
いては、その溶融温度が200℃前後と比較的低いの
で、上記はんだ槽8やはんだ加熱装置の劣化の問題は顕
在化していなかったが、Pbフリーはんだに切り換える
場合においては劣化が急速に進むので重大な問題とな
る。
【0014】本発明は、コイル部品の製造方法におい
て、外部接続端子への絶縁被覆導線の端末の外部接続端
子への浸漬はんだ付けによる導電接続工程で、Pbフリ
ーはんだを使用する場合においても良好なはんだ濡れ性
を保持して高い接合の信頼性を得るとともに、コイル部
品の製造に用いるはんだ槽、はんだ加熱装置及びはんだ
槽掃除治具の寿命を長くすることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、 (1)導電線材の外周に絶縁被覆膜を有する絶縁被覆導
線を巻芯に巻回するとともにその両端末を前記巻芯と一
体に設けられた外部接続端子にからげ、表面に酸化膜を
形成した金属母材からなる槽の少なくとも内側表面にガ
ラス材またはセラミック材を溶射してなる耐熱性コーテ
ィング層を備える構造のはんだ槽中で、加熱装置にて3
90〜450℃に加熱溶融した錫を組成分として鉛を含
まないはんだの中へ前記外部接続端子と前記絶縁被覆導
線とのからげ部分を浸漬することにより、該からげ部分
の絶縁被覆膜を溶かして除去するとともに導電線材と外
部接続端子とをはんだ接合する導電接続工程を備えるこ
とを特徴とするコイル部品の製造方法を提供する。 (2)ステンレス鋼またはチタンを母材とする槽の少な
くとも内側表面に形成された前記母材の表面に形成され
た酸化膜の表面にガラス材またはセラミック材を溶射し
てなる耐熱性コーティング層が形成されていることを特
徴とするコイル部品の製造に用いるのに好適なはんだ槽
を提供する。 (3)金属母材の表面にモリブデン層とその酸化膜が形
成された槽の少なくとも内側表面にガラス材またはセラ
ミック材を溶射してなる耐熱性コーティング層が形成さ
れていることを特徴とするコイル部品の製造に用いるの
に好適なはんだ槽を提供する。 (4)はんだ槽中に投入されてはんだを加熱溶融する加
熱装置であって、発熱ヒータ本体と、前記発熱ヒータ本
体の周囲を覆う金属外被体と、前記金属外被体の外表面
に形成されたガラス材またはセラミック材からなる耐熱
性コーティング層と、を備えることを特徴とするコイル
部品の製造に用いるのに好適なはんだ加熱装置を提供す
る。 (5)はんだ槽中の底に溜まったドロスを掻き取って除
去するへら状のはんだ槽掃除治具であり、全体もしくは
少なくともはんだ槽と接触する掻き取り部分が390℃
以上の耐熱性を有する樹脂からなることを特徴とするコ
イル部品の製造に用いるのに好適なはんだ槽掃除治具を
提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のコイル部品の製造方法の
実施の形態を図面に基いて説明する。なお、コイル部品
としての外的構造及び製造方法は、前述のはんだ付け工
程を除き、例えば図5に示したチョークコイル10のよ
うな従来のコイル部品の製造方法と同様なのでその説明
は概説に留め、絶縁被覆導線2の外部接続端子6との浸
漬はんだ付けによる導電接続工程について詳述する。
【0017】図1は本発明のコイル部品の製造方法にお
ける導電接続工程の浸漬はんだ付けの様子を示す図であ
る。
【0018】図1のコイル部品20は前述の図5のチョ
ークコイル10と同様、巻芯1の両端に鍔3a、3bを
有し、鍔3bの端面に植設された外部接続端子6、6
と、前記巻芯1に巻回されてその端末2a、2bが前記
鍔3bの外部接続端子6、6の根元箇所に導出されてか
らげられている。
【0019】前記巻芯1は、例えば、フェライト焼成体
または磁性粉を混入した樹脂成型体またはアルミナなど
のセラミックスから成り、外部接続端子6は例えば鉄、
銀または銅とその上に被着された錫メッキ層或いは錫−
銅はんだメッキ層等からなるリードである。
【0020】本発明のコイル部品の製造方法における上
記絶縁被覆導線2の端末2a、2bと前記外部接続端子
6、6との浸漬はんだ付けによる導電接続工程では、前
記絶縁被覆導線2の端末2a、2bと外部接続端子6と
のからげ部分を接合箇所12として、外部接続端子6共
々ステンレスはんだ槽18中の390〜450℃に加熱
溶融したPbフリーはんだ22に浸漬して前記接合箇所
12の絶縁被覆膜5を熱で溶融破壊して除去し、露出し
た導電線材4と外部接続端子6とを被覆するようにPb
フリーはんだ22で濡らし、引き上げてはんだを固着さ
せて接合する。
【0021】この際、従来のステンレス製のはんだ槽の
少なくとも内表面にガラス材またはセラミック材(例え
ばアルミナAl、ジルコニアZrO等)を溶射
してなるコーティング膜14を備えるはんだ槽18を用
いる。母材のステンレス鋼7としては前述のSUS30
4の他、SUS316(18Cr−12Ni−Mo)が
良好である。また高価ではあるが、図2の(a)のはん
だ槽28のようにチタン材23を母材としてその表面に
酸化チタン膜24(不動態皮膜である。)が形成された
ものも前記コーティング膜14を溶射することでPbフ
リーはんだ22のはんだ槽として耐久性が向上する。
【0022】さらに、図2の(b)の断面図に示される
ように、金属母材17の表面にモリブデン層25とその
酸化膜26(MoO)が形成された槽の少なくとも内
側表面に前記耐熱性コーティング層14が形成されてい
るはんだ槽38の構成も良好な金属母材17に対する保
護膜となって耐久性が向上してはんだ槽の寿命が長くな
る。この場合にはモリブデン層25とその酸化膜26
(MoO)と耐熱性コーティング層14が保護膜とな
るので、金属母材17は限定されず、ステンレス鋼、チ
タン以外の金属材が選択可能である。
【0023】上記はんだ槽18、28、38のコーティ
ング膜14の膜厚dは10〜1000μm程度であり、
加熱されるはんだ槽の保護膜として必要十分な耐熱性
(緻密さと堅牢さ)を有することが要求される。また、
好ましくはPbフリーはんだ22との濡れ性が低いコー
ティング膜を採用すべきであるが、上記ガラス材やセラ
ミック材を溶射した膜はこれらの要求を満たすコーティ
ング膜である。
【0024】上記はんだ槽18、28、38が不動態皮
膜の上にコーティング膜14を備えることにより、金属
母材は従来の錫−鉛系合金のはんだに対しては勿論、高
温に溶融したPbフリーはんだ22に対しても十分に保
護されて破損する恐れが少なく、金属母材の組成分のP
bフリーはんだ22への溶出、析出の現象が生じない。
その結果、前記ステンレス成分(Ni、Fe、Cr)等
の酸化膜12は形成されず、Pbフリーはんだ22の導
電線材4や外部接続端子6との濡れ性は良好に維持さ
れ、コイル部品としての巻線の導電接続の信頼性が良好
に維持されるのである。
【0025】次に、図3に示されるように、特に、上記
はんだ槽18、28、38中に投入されて390〜45
0℃という高温にPbフリーはんだ22を加熱溶融する
はんだ加熱装置として、発熱ヒータ本体41(例えばニ
クロム線を発熱源とするもの。)と、前記発熱ヒータ本
体41の周囲を覆うステンレス等の金属外被体42と、
さらに前記金属外被体42の外表面に形成された前述の
ガラス材またはセラミック材を溶射してなる耐熱性コー
ティング層14と、を備えるはんだ加熱装置40を採用
する。
【0026】上記はんだ加熱装置40では、ステンレス
鋼のCr酸化膜9等の不動態皮膜のみだと金属成分の溶
出が生じやすい高温なPbフリーはんだ22の場合であ
っても、耐熱性コーティング層14が保護膜となって金
属外被体42の劣化が阻止されるのである。
【0027】次に、はんだ槽やはんだ加熱装置が耐熱性
コーティング層14で保護されても、導電接続工程にお
けるドロス除去作業の際に従来のような金属治具16で
上記はんだ槽18、28、38の底を傷つけてしまって
は金属母材の劣化は防止できない。そこで、本発明のコ
イル部品の製造に用いるドロス除去用の治具として、図
4の斜視図に示されるようなはんだ槽掃除治具50、5
2を提供する。
【0028】図4の(a)のはんだ槽掃除治具50は、
はんだ槽の大きさにもよるが、概ね縦寸法Yが150m
m、横寸法Xが40mm、厚さZが10mm程度のへら
状の治具であり、全体がはんだ耐熱性を有するとともに
はんだ槽内表面よりも柔らかい樹脂48からできてい
る。また、図4の(b)のはんだ槽掃除治具52は、前
記同様の形状で、ステンレス鋼等の金属母材44の表面
の全体または少なくともはんだ槽と接触する先端の掻き
取り部分45が前記はんだ耐熱性の柔らかい樹脂48か
らできている。
【0029】この樹脂48に適用され得る耐熱性樹脂と
しては、耐熱性に最も優れる非熱可塑性型のポリイミド
結合のみのポリイミド樹脂が最適であるが、耐熱性がこ
れよりも若干劣るものの通常の成形機で成形可能な熱可
塑性型のアミド結合を導入したポリイミドアミド、エー
テル結合を導入したポリエーテルイミド、さらにフェノ
ール樹脂、アリル樹脂等も使用可能である。また、これ
らの樹脂の硬度としては、ロックウェルM90〜115
が好ましい。
【0030】上記はんだ槽掃除治具50、52をドロス
除去作業に使用することで、従来の錫−鉛系合金のはん
だは勿論、Pbフリーはんだを用いる場合もハンダ槽の
寿命は長くなり、導電接続の信頼性向上、ひいては導電
接続工程の効率化、製造コストの低減が実現するのであ
る。
【0031】
【発明の効果】(1)本発明の請求項1に係るコイル部
品の製造方法によって、鉛を含有しないはんだを使用し
てもはんだ槽の金属母材の組成分の溶出、析出の現象が
生じず、はんだの濡れ性が良好に維持され、コイル部品
の絶縁被覆導線の端末の外部接続端子との接合箇所のは
んだ接合の信頼性が良好に維持される。 (2)本発明の請求項2に係るコイル部品の製造に用い
るはんだ槽では、従来の錫−鉛系合金のはんだを蓄える
場合は勿論、鉛を含有しないはんだを蓄える場合でも、
はんだ槽の寿命が長くなる。 (3)本発明の請求項3に係るコイル部品の製造に用い
るはんだ槽では、従来の錫−鉛系合金のはんだを蓄える
場合は勿論、鉛を含有しないはんだを蓄える場合でも、
はんだ槽の寿命が長くなる。また、金属母材としてステ
ンレス鋼、チタンの他に種々の金属が適用可能である。 (4)本発明の請求項4に係るコイル部品の製造に用い
るはんだ加熱装置では、従来の錫−鉛系合金のはんだを
加熱溶融する場合は勿論、鉛を含有しないはんだを加熱
溶融する場合でも、はんだ加熱装置の寿命が長くなる。 (5)本発明の請求項5に係るコイル部品の製造に用い
るはんだ槽掃除治具によって、はんだ槽中のドロス除去
に際して、はんだ槽を傷つけ劣化させる恐れが防止され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコイル部品の製造方法における導電接
続工程の浸漬はんだ付けの様子を示す図である。
【図2】本発明に係る(a)チタン材を母材とするはん
だ槽の断面構造、(b)金属母材の表面にモリブデン層
とその酸化膜が形成されたはんだ槽の断面構造、をそれ
ぞれ示す断面図である。
【図3】本発明に係る加熱装置をはんだ槽に投入した状
態を示す図である。
【図4】本発明に係るはんだ槽掃除治具の斜視図であ
る。
【図5】従来のチョークコイルの浸漬はんだ付けによる
導電接続工程を示す図である。
【図6】絶縁被覆導線の断面図の例である。
【図7】導電接続工程におけるドロス除去作業を示す図
である。
【符号の説明】
1 巻芯 2 絶縁被覆導線 2a、2b 絶縁被覆導線の端末 3a、3b 鍔 4 導電線材 5 絶縁被覆膜 6 外部接続端子 7 ステンレス鋼 8、18、28、38 はんだ槽 9 Cr酸化膜 10 チョークコイル 11 はんだ 12 接合箇所 14 コーティング膜 15 ドロス 16 金属治具 17 金属母材 20 コイル部品 22 Pbフリーはんだ 23 チタン材 24 酸化チタン膜 25 モリブデン層 26 モリブデン酸化膜 40 加熱装置 41 発熱ヒータ本体 42 金属外被体 45 掻き取り部分 48 樹脂 50、52 はんだ槽掃除治具 t 不動態皮膜の厚さ d コーティング膜の厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/10 H01F 41/10 C // B23K 101:36 B23K 101:36 (72)発明者 石黒 良則 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 林 千春 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 関口 幹夫 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 4E080 AA10 AB02 BA17 BA20 5E062 FG05 FG15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電線材の外周に絶縁被覆膜を有する絶
    縁被覆導線を巻芯に巻回するとともにその両端末を前記
    巻芯と一体に設けられた外部接続端子にからげ、表面に
    酸化膜を形成した金属母材からなる槽の少なくとも内側
    表面にガラス材またはセラミック材を溶射してなる耐熱
    性コーティング層を備える構造のはんだ槽中で、加熱装
    置にて390〜450℃に加熱溶融した錫を主成分とし
    て鉛を含まないはんだの中へ前記外部接続端子と前記絶
    縁被覆導線とのからげ部分を浸漬することにより、該か
    らげ部分の絶縁被覆膜を溶かして除去するとともに導電
    線材と外部接続端子とをはんだ接合する導電接続工程を
    備えることを特徴とするコイル部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 ステンレス鋼またはチタンを母材とする
    槽の少なくとも内側表面に形成された前記母材の表面に
    形成された酸化膜の表面にガラス材またはセラミック材
    を溶射してなる耐熱性コーティング層が形成されている
    ことを特徴とするコイル部品の製造に用いるはんだ槽。
  3. 【請求項3】 金属母材の表面にモリブデン層とその酸
    化膜が形成された槽の少なくとも内側表面にガラス材ま
    たはセラミック材を溶射してなる耐熱性コーティング層
    が形成されていることを特徴とするコイル部品の製造に
    用いるはんだ槽。
  4. 【請求項4】 はんだ槽中に投入されてはんだを加熱溶
    融する加熱装置であって、発熱ヒータ本体と、前記発熱
    ヒータ本体の周囲を覆う金属外被体と、前記金属外被体
    の外表面に形成されたガラス材またはセラミック材から
    なる耐熱性コーティング層と、を備えることを特徴とす
    るコイル部品の製造に用いるはんだ加熱装置。
  5. 【請求項5】 はんだ槽中の底に溜まったドロスを掻き
    取って除去するへら状のはんだ槽掃除治具であり、全体
    もしくは少なくともはんだ槽と接触する掻き取り部分が
    耐熱性を有する樹脂からなることを特徴とするコイル部
    品の製造に用いるはんだ槽掃除治具。
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