JP4148380B2 - 電子部品のハンダ付け方法及びハンダ付け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピンとワイヤとを有する電子部品、例えば巻線型インダクタ等において、ピンとワイヤとをハンダ付けする方法及びハンダ付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、巻線型インダクタ等の電子部品において、ピンに巻かれたワイヤをハンダ付けする場合は、ハンダ鏝による手作業のほか、制御ロボットを使用したハンダ鏝によるハンダ付け方法や、ハンダ槽に浸漬する方法がとられている。
【0003】
ハンダ鏝によるハンダ付け方法では、ハンダ鏝がピンに対して、点接触または線接触になるので熱伝達が悪く、加熱時間過多によるハンダの酸化や付き回り不良が発生する。またワイヤは、かなり細いものもあるので、ハンダ鏝がワイヤに直接接触した場合、ワイヤが断線したり、ワイヤに巻き崩れを生じることもある。
【0004】
ハンダ槽に浸漬する方法では、被覆ワイヤをピンに絡げ、フラックスを塗布した状態で、ワイヤ絡げ部分を、ハンダ槽に所定時間浸漬することにより、ハンダ付け処理をする。
【0005】
ところが、複数のピンを同時に処理する場合に、ピン間の隙間が、例えば、1乃至2mm程度以下になると、ピン間にハンダブリッジ等の不具合が発生する。また、ピンの付近またはハンダ付け浸漬領域に耐熱性の低い部分があると、この部分で熱的劣化を生じる。
【0006】
更に、ハンダ槽の液面は、常に上下動しており、ごく小さい電子部品などは、ハンダ付けの必要な範囲以外までが、ハンダ槽に浸漬してしまい、電子部品の不具合発生の原因になる。また液面の酸化物除去の問題、ピンに塗布するフラックスの供給量と粘度の管理の問題など、複雑な管理が必要とされる。
【0007】
別の先行技術としては、ハンダ槽液面と、ハンダ付けするピンの位置とを測定して、正確に浸漬する方法(特開平4−85902号公報)や、ピンの浸漬深さを2段階に分けて浸漬深さを規制する方法(特開昭60−52093号公報)などが知られている。しかしこれらは、ハンダ付け作業の複雑化、生産効率の低下、及び、ハンダ付け工程管理の複雑化等を招く。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ハンダ付け効率が高く、ハンダ付け工程管理の容易なハンダ付け方法及び装置を提供することである。
【0009】
本発明のもう一つの課題は、電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ハンダ付け部分に対する熱伝達効率が高く、ハンダ付け作業を迅速に行い得るハンダ付け方法及び装置を提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの課題は、電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ハンダ濡性に優れ、確実にハンダ付けし得るハンダ付け方法及び装置を提供することである。
【0011】
本発明の更にもう一つの課題は、電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ワイヤの断線及び巻き崩れを防止し得るハンダ付け方法及び装置を提供することである。
【0012】
本発明の更にもう一つの課題は、電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ハンダ付け部分の周囲に耐熱性の低い部分があっても、その熱的劣化を回避し、ハンダ付けし得るハンダ付け方法及び装置を提供することである。
【0013】
本発明の更にもう一つの課題は、電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ピン間の隙間が、例えば、1乃至2mm程度以下にの微小間隔になっても、ピン間にハンダブリッジ等の不具合を発生することのないハンダ付け方法及び装置を提供することである。
【0014】
本発明の更にもう一つの課題は、電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ハンダ供給及びハンダ残滓排出の容易なハンダ付け方法及び装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係るハンダ付け方法は、ワイヤとピンとを含む電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、基体と、凹溝とを含むハンダ溶融装置を用いる。前記基体は、熱源によって加熱される。前記凹溝は、前記基体の上面に設けられ、前記上面から側面に連なり、前記側面において開口している。
【0016】
ハンダ付け処理ステップとしては、ハンダ溶融装置の前記凹溝に、前記ワイヤを絡げた前記ピンを挿入し、前記凹溝に、ハンダを供給する工程を含む。凹溝に対するピンの挿入及びハンダ供給の各タイミングは、その順序を問わない。
【0017】
上述したように、本発明に係るハンダ付け方法において用いられるハンダ溶融装置は、基体と、凹溝とを含む。基体は熱源によって加熱される。凹溝は基体の上面に設けられている。このよう構造のハンダ溶融装置の凹溝に、ワイヤを絡げたピンを挿入し、凹溝にハンダを供給する。凹溝の形成された基体は熱源によって加熱されているので、凹溝内に供給されたハンダはその内部で溶かされる。よって、ワイヤを絡げたピンは、凹溝内において、溶かされたハンダに浸漬された状態となる。
【0018】
このため、ワイヤへの熱伝達が良好に行われ、ハンダ付け時間も短時間で完了することができる。よって、熱伝達不良によるハンダ濡性不良や、加熱時間過多によるハンダの酸化が引き起こすハンダ付け不良などが防止されるとともに、ハンダ付け作業を迅速に行うことができる。
【0019】
また、ワイヤとピンに対する熱伝達が、従来のハンダ鏝のような、点接触や線接触ではなく、ワイヤとピンとを溶融ハンダで包み込むことによって行われるので、ワイヤにハンダ鏝が直接接触することによるワイヤの断線や巻き崩れ等も防止できる。
【0020】
しかも、凹溝にワイヤを絡げたピンを挿入し、凹溝にハンダを供給する工程を含むので、ワイヤを絡げたピンに限って、ハンダ付けできる。このため、ハンダ付け部分の周囲に耐熱性の低い部分があっても、その熱的劣化を回避し、ハンダ付けができる。また、ピン間の隙間が、例えば、1乃至2mm程度以下の微小間隔になっても、ピン間にハンダブリッジ等の不具合が発生することがない。
【0021】
更に、溶融ハンダの温度管理、液面に対するワイヤとピンの位置管理などの種々のハンダ付け条件を、大きなハンダ槽全体を管理するのではなく、個々の小さな凹溝で管理すればよいので、管理が容易である。
【0022】
また、凹溝は基体の上面に開口しているので、ハンダを上面の開口から供給むすることができる。このため、凹溝に対するハンダの供給が容易である。
【0023】
凹溝は、側面において開口しているので、ワイヤを絡げたピンは、上方向からだけではなく、側面方向(横方向)からでも凹溝に挿入することができる。更に、凹溝は、側面において開口しているので、側面の開口を通して、ハンダ残滓を容易に除去することができる。
【0024】
本発明に係るハンダ付け装置は、部品保持装置と、ハンダ溶融装置と、ハンダ供給装置とを含む。前記部品保持装置は、電子部品を保持する保持部を有する。
【0025】
前記ハンダ溶融装置は、基体と、凹溝とを有する。前記基体は、熱源によって加熱される。前記凹溝は、前記基体の上面に設けられ、前記上面から側面に連なり、前記側面において開口している。
【0026】
前記ハンダ供給装置は、前記凹溝にハンダを供給する。前記部品保持装置及び前記ハンダ溶融装置の少なくも一方は、待機位置とハンダ作業位置との間を移動することができる。
【0027】
本発明に係るハンダ付け装置によれば、本発明に係るハンダ付け方法を実施することができる。
【0028】
本発明は、更に、ハンダ付け後の工程、使用するのに適したハンダ等についても開示する。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るハンダ付け方法を実施するために用いられるハンダ付け装置の斜視図である。図1は部品保持装置とハンダ溶融装置とが待機位置に停止している状態を示している。図示されたハンダ付け装置は、電子部品1を保持する部品保持装置4と、ハンダ溶融装置2と、ハンダ供給装置3とを含む。
【0030】
電子部品1は、ピン11と、ワイヤ10とを含み、ピン11にワイヤ10が絡げられている。電子部品1は、回路基板等に接合するための端子12を有する。端子12はピン11と同体である。
【0031】
部品保持装置4は、電子部品1を保持するための保持部41を有し、この保持部41に電子部品1を搭載してある。保持部41の形状は電子部品1の外形形状に合わせて選択される。電子部品1は、矢印eの方向から保持基体41に搭載される。部品保持装置4は、ガイド部材43に沿いながら、送り腕42で、矢印c1及び矢印c2の方向に往復移動することができる。
【0032】
ハンダ溶融装置2は、基体28と、凹溝20とを有する。基体28は熱源によって加熱される。この実施例では、基体28の内部に発熱体21を設けた例を示してある。発熱体21としては、これまで提案された各種の発熱体を用いることができる。発熱体21の具体例として、ニクロムヒータ、シーズヒータ及び正特性サーミスタ等を挙げることができる。図示とは異なって、例えばハンダ鏝先のように、外部に備えられた熱源から供給される熱によって加熱される構造であってもよい。基体28は、送り腕29によって支持されながら、矢印d1及び矢印d2の方向に往復移動することができる。基体28としては、熱伝導性に優れた材料、例えば銅等を用いることができる。
【0033】
凹溝20は、間隔を隔てて、複数個設けられている。凹溝20の各々は、ハンダ溶融装置2を構成する基体28の上面22から側面23に連なっており、また上面22と側面23に開口している。
【0034】
基体28において、凹溝20の内面は、ハンダ濡れ性に優れている方が望ましいが、凹溝20の外側の表面はハンダの付着しない表面性を有することが望ましい。図2はそのような処理を施した具体例を示す断面図である。図において、Cu等でなる基体28に、適当な間隔で凹溝20を設けるとともに、凹溝20の内面に厚さ4〜8μm程度のSn(90)/Pb(10)のめっき層201を付着させてある。凹溝20の外部にある基体28の表面には、厚さ10〜15μm程度のNi層、その上に厚さ5〜10μm程度のCr層でなるめっき膜281を付着させてある。但し、これは一例に過ぎない。
【0035】
ハンダ供給装置3は、凹溝20にハンダを供給する。その手段として、凹溝20の位置に対応して、複数のハンダ供給口31を有する。
【0036】
図3は部品保持装置がハンダ作業位置に移動した状態を示す。図において、図1に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してある。保持基体41は、電子部品1を搭載した状態で、待機位置から矢印c1の方向に向かって移動する。そして、電子部品1のワイヤ10を絡げられたピン11が、ハンダ供給装置3のハンダ送出口31と向かい合うハンダ作業位置で停止する。
【0037】
図4は部品保持装置とハンダ溶融装置がともにハンダ作業位置に移動した状態を示す。図において、図1〜3に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の符号を付してある。ハンダ溶融装置2は、図1の待機位置から、ハンダ供給装置3の下を通り、矢印c1の方向に向かって移動する。そして、加熱基体28に設けられた凹溝20に、電子部品1のワイヤ10を絡げられたピン11を挿入した状態(ハンダ作業位置)で停止する。
【0038】
図5は図4のハンダ作業位置における拡大斜視図である。ハンダ溶融装置2の基体28に設けられた凹溝20は、ハンダ溶融装置2が待機位置に停止している段階で、発熱体21により、ハンダの溶融温度よりも30℃ないし80℃程度高い温度に予め加熱された状態にしておくものとする。
【0039】
電子部品1を搭載した部品保持装置4と、ハンダ溶融装置2とがハンダ作業位置まで移動した状態においては、電子部品1のワイヤ10の絡げられているピン11が、凹溝20に挿入された状態になる。
【0040】
次に、ハンダ供給装置3から凹溝20にハンダ32を供給する。ハンダ供給装置3のハンダ送出口31は、凹溝20の上方に位置しているので、これが可能である。凹溝20は発熱体21で加熱されており、送り出されたハンダ32は凹溝20の内部で溶融する。溶融ハンダ33は、凹溝20の内部において、ワイヤ10が絡げられているピン11を包み込む。これにより、ワイヤ10とピン11とのハンダ付けが実行される。凹溝20、ピン11及び溶融ハンダの関係については、図6〜図9を参照して、更に詳しく説明する。
【0041】
図6は凹溝20とピン11との関係を拡大して示す拡大斜視図、図7は溶融ハンダが凹溝20に充満した状態を示す拡大斜視図、図8は溶融ハンダが凹溝20に充満した状態を示す拡大断面図、図9は凹溝20の部分の拡大断面図である。
【0042】
ハンダ32としてはフラックスを内蔵した糸ハンダを用いることができるし、フラックス入りのハンダペレットを用いることもできる。ハンダ32は、ハンダ送出口31から送り出され、凹溝20の上面22の開口部から入り、予め加熱された凹溝20の底部24及び傾斜面25に接触して溶融する。
【0043】
これにより、凹溝20に挿入されたワイヤ10を絡げたピン11が、溶融ハンダ33に浸漬された状態となり、ハンダ付けが行われる。このため、ワイヤ10への熱伝達が良好に行われ、ハンダ付け時間も短時間で完了することができる。凹溝20の内面が図2に示したようにSn/Pbめっき膜によって覆われている場合には、優れたハンダ濡れ性が得られるので、ハンダ濡性不良や、加熱時間過多によるハンダの酸化が引き起こすハンダ付け不良などが防止される。
【0044】
更に、ワイヤ10とピン11に対する熱伝達が、従来のハンダ鏝のような、点接触や線接触ではなく、ワイヤ10とピン11とを、溶融ハンダ33で包み込むことによって行われるので、ワイヤ10にハンダ鏝が直接接触することによるワイヤ10の断線や巻き崩れ等も防止できる。
【0045】
しかも、凹溝20に、ワイヤ10を絡げたピン11を挿入し、凹溝20に、ハンダを供給する工程を含むので、ワイヤ10を絡げたピン11に限って、ハンダ付けできる。このため、ハンダ付け部分の周囲に耐熱性の低い部分があっても、その熱的劣化を回避しながら、ハンダ付けができる。
【0046】
図1〜4に示した実施例では、電子部品1には複数個のピン11が取り付けられており、ハンダ溶融装置2には複数個の凹溝20が設けられている。ピン11と凹溝20とは、それぞれ1対1に対応した構成となっている。この構成によれば、ピン11ー11間の隙間が、例えば、1乃至2mm程度以下の微小間隔になっても、ピン11ー11間にハンダブリッジ等の不具合が発生することがない。
【0047】
しかも、溶融ハンダ33の温度管理、溶融液面に対するワイヤ10とピン11の位置管理などの種々のハンダ付け条件を、大きなハンダ槽全体を管理するのではなく、個々の小さな凹溝20で管理すればよいので、管理が容易である。
【0048】
また、凹溝20はハンダ溶融装置2を構成する基体28の上面に開口しているので、ハンダ32を上面の開口から送り込むことができる。このため、凹溝20に対し、ハンダ32を容易に供給することができる。しかも、凹溝20の側面にも開口があることにより、ワイヤ10を絡げたピン11は、上方向からだけではなく、側面方向(横方向)からでも凹溝20に挿入することができる。更に、凹溝20の側面にも開口があることにより、ハンダ残滓を容易に除去することができる。
【0049】
ワイヤ10は絶縁被覆したものを使用する場合が多い。この絶縁被覆は溶融ハンダ33によって溶融除去される。凹溝20の深さaは絶縁被覆を有するワイヤ10の最大外径bを考慮して定める(図9参照)。
【0050】
図1〜4に図示されたハンダ付け装置は、更に、残滓除去装置5を含む。残滓除去装置5は、好ましくは、圧縮空気の噴出口51と配管52を有しており、ハンダ付けを1回終了するたびに、凹溝20に圧縮空気を吹き付け、凹溝20内に残った残滓を除去する。従って、ハンダの酸化物や絶縁被覆の残滓などが除去された後に、ワイヤ10とピン11とがハンダ付けされるので、ハンダ付け不良などが防止できる。残滓の除去は、圧縮空気を用いずに、ブラシなどによる機械的な拭取りで行ってもよい。
【0051】
残滓除去装置5による残滓除去工程は、部品保持装置4を矢印C2(図1参照)の方向に動かした後に実行することが好ましい。また、残滓除去装置5による残滓除去工程が終了した後は、ハンダ溶融装置2を矢印d2(図1参照)の方向に動かす。これにより、図1の待機状態に復する。この後、ハンダ付け処理の済んだ電子部品1を部品保持装置4から取り外し、新しい電子部品を搭載する。そして、上述したハンダ付け処理工程を繰り返す。
【0052】
上記実施例では、電子部品1のワイヤ10の絡げられているピン11を、凹溝20に挿入した状態で、ハンダ供給装置3から、凹溝20にハンダ32を供給する場合を示したが、先に、ハンダ供給装置3から、凹溝20にハンダ32を供給し、溶融させておいて、ワイヤ10の絡げられているピン11を、凹溝20内の溶融ハンダ33中に挿入するプロセスであってもよい。
【0053】
図10は本発明に係るハンダ付け装置の別の実施例を示す斜視図である。図において、図1〜9に示された構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。この実施例は、複数個の電子部品1を、同時にハンダ付け処理できるハンダ付け装置を示している。複数個の電子部品1は、部品保持装置4の上に順次に整列されている。
【0054】
図11は図1〜10に示した本発明に係るハンダ付け装置を用いたハンダ付け方向の工程の流れ図であり、本発明の理解の助けために、上述した説明を、簡潔にまとめて示してある。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ハンダ付け効率が高く、ハンダ付け工程管理の容易なハンダ付け方法及び装置を提供することができる。
(b)電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ハンダ付け部分に対する熱伝達効率が高く、ハンダ付け作業を迅速に行い得るハンダ付け方法及び装置を提供することができる。
(c)電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、確実にハンダ付けし得るハンダ付け方法及び装置を提供することができる。
(d)電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ワイヤの断線及び巻き崩れを防止し得るハンダ付け方法及び装置を提供することができる。
(e)電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ハンダ付け部分の周囲に耐熱性の低い部分があっても、その熱的劣化を回避し、ハンダ付けし得るハンダ付け方法及び装置を提供することができる。
(f)電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ピン間の隙間が、例えば、1乃至2mm程度以下の微小間隔になっても、ピン間にハンダブリッジ等の不具合を発生することのないハンダ付け方法及び装置を提供することができる。
(g)電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ハンダ付け条件を、容易に管理し得るハンダ付け方法及び装置を提供することができる。
(h)電子部品のワイヤとピンとをハンダ付けするに当たり、ハンダ供給及びハンダ残滓排出の容易なハンダ付け方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハンダ付け方法を実施するために用いられるハンダ付け装置の斜視図であって、待機状態を示す図ある。
【図2】図1に図示されたハンダ付け装置に含まれるハンダ溶融装置の一例を示す拡大断面図である。
【図3】部品保持装置が図1に示した待機状態からハンダ作業位置に移動した状態を示す。
【図4】ハンダ溶融装置が図1に示した待機状態からハンダ作業位置に移動した状態の斜視図である。
【図5】図4の作業位置における拡大斜視図である。
【図6】 図4の作業位置において、凹溝とピンとの関係を拡大して示す拡大斜視図である。
【図7】 図4の作業位置において、溶融ハンダが凹溝に充満した状態を示す拡大斜視図である。
【図8】図4の作業位置において、溶融ハンダが凹溝に充満した状態を示す拡大断面図である。
【図9】図4の作業位置における凹溝部分の拡大断面図である。
【図10】本発明に係るハンダ付け装置の別の実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係るハンダ付け装置を用いたハンダ付け方法の工程の流れ図である。
【符号の説明】
1 電子部品
10 ワイヤ
11 ピン
2 ハンダ溶融装置
20 凹溝
21 発熱体
3 ハンダ供給装置
31 ハンダ送出口
4 部品保持装置
5 残滓除去装置
Claims (4)
- ワイヤとピンとを含む電子部品の前記ワイヤと、前記ピンとをハンダ付けする方法であって、
基体と、凹溝とを含むハンダ溶融装置を用い、
前記基体は、熱源によって加熱され、
前記凹溝は、その内面が前記基体よりもハンダ濡れ性の高い膜で被覆されており、前記基体の上面に設けられ、前記基体の上面から前記基体の一側面に連なり、
前記凹溝は、前記基体の上面と、前記基体の一側面とにそれぞれ開口しており、
前記凹溝に、前記ワイヤを絡げた前記ピンを挿入し、
前記凹溝に、ハンダを供給する工程を含み、
さらに、残滓除去工程を含み、前記残滓除去工程は、圧縮空気を前記凹溝内に吹き付けることにより前記凹溝から残滓を除去するものであり、前記圧縮空気は、前記基体の上面の開口の端部のうちの、前記基体の一側面の開口とは反対に位置する端部から、前記基体の一側面の開口に向けて、吹き付けられる
方法。 - 前記ピン及び前記凹溝は複数存在しており、
前記ハンダとしては糸ハンダを用い、
前記凹溝はそれぞれ、前記基体の一側面の開口とは反対に位置する部分に、傾斜面を有しており、
一つの前記凹溝につき、前記開口側又は前記上面から一本の前記ピンが挿入され、前記傾斜側から一本の前記糸ハンダが供給されるようにして、複数の前記ピンが一斉にハンダ付けされる
請求項1の方法。 - 部品保持装置と、ハンダ溶融装置と、ハンダ供給装置と、残滓除去装置とを含むハンダ付け装置であって、
前記部品保持装置は、電子部品を保持する保持部を有しており、
前記ハンダ溶融装置は、基体と、凹溝とを有しており、
前記基体は、熱源によって加熱され、
前記凹溝は、その内面が前記基体よりもハンダ濡れ性の高い膜で被覆されており、前記基体の上面に設けられ、前記基体の上面から前記基体の一側面に連なり、
前記凹溝は、前記基体の上面と、前記基体の一側面とにそれぞれ開口しており、
前記ハンダ供給装置は、前記凹溝にハンダを供給するものであり、
前記部品保持装置及び前記ハンダ溶融装置の少なくも一方は、待機位置とハンダ作業位置との間を移動することができ、
前記残滓除去装置は、圧縮空気の噴出口を有し、前記圧縮空気を前記凹溝内に吹き付けることにより前記凹溝から残滓を除去するものであり、前記圧縮空気は、前記基体の上面の開口の端部のうちの、前記基体の一側面の開口とは反対に位置する端部から、前記基体の一側面の開口に向けて、吹き付けられる
ハンダ付け装置。 - 前記凹溝は複数存在しており、
前記ハンダとしては糸ハンダを用い、
前記凹溝はそれぞれ、前記基体の一側面の開口とは反対に位置する部分に、傾斜面を有しており、
一つの前記凹溝につき、前記開口側又は前記上面から電子部品における一本のピンが挿入され、前記傾斜側から一本の前記糸ハンダが供給されるようにして、電子部品における複数本のピンが一斉にハンダ付けされる
請求項3のハンダ付け装置。
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