JP4045019B2 - 半田付け方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線基板への部品の半田付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の回路は、一般的にプリント配線基板を用いて構成されており、最近ではプリント配線基板に様々な形態の電子部品が搭載されている。電子部品はその端子構造により、部品本体にリード線が設けられたリード部品と、部品本体の表面の一部が電極となった表面実装部品があり、リード部品はプリント配線基板に設けられた挿入孔にリードを挿入した形態で、挿入口周囲に設けられた接続パターンに半田付けされてプリント配線基板に実装され、また表面実装部品はその電極部が接続パターン上にある状態で、その部分が半田付けされてプリント配線基板に実装される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
プリント配線基板への部品実装においては、表面実装部品は比較的問題なく搭載できるが、リード部品はその搭載に問題が生じることが多い。例えば、同じプリント配線基板に表面実装部品とリード部品の両方を実装する場合には、先にリード部品を搭載すると、リード部品が障害になって表面実装部品の機械を用いた配設や、表面実装部品の半田付けのためのクリーム半田の接続パターンへの印刷等が困難なため、通常リード部品は表面実装部品の実装後に実装される。この場合半田付け時に既に半田付けが完了した部分への悪影響を防ぐ等のため、人が半田鏝を用いて半田付けするか、或いはロボットが半田鏝を操作して半田付けする方法が一般的であった。しかし、リード部品の実装工程では、鏝を用いる半田付け工程であるため、品質上の問題として、糸半田等の断続的な補給に伴う半田付着量の変動とそれに伴う半田接続強度のばらつきや、鏝から溶融した半田粒や半田ボールが飛散する問題等がある。また、半田鏝先の温度条件、表面清浄度等を適正な条件に維持管理するための設備や、ロボットを操作する設備等、設備の準備と維持管理に相応の負担が生じる問題がある。
【0004】
本発明は、このような問題を解決し、半田付け品質を安定させ、併せてリード部品の実装工程の設備の準備および維持管理の負担を軽減させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的を達成するために、プリント配線基板に設けられたリード線挿入孔にリード部品のリード線を挿入し、該リード線の挿入口近傍に設けられた接続パターンと該リード線を半田付けする方法において、前記接続パターンにクリーム半田を付着させるクリーム半田付着工程と、前記接続パターンに付着されたクリーム半田に、該クリーム半田より融点の高い半田粒を付着させる半田粒付着工程と、前記クリーム半田を、該クリーム半田の融点以上で、該半田粒の融点以下の温度で加熱する低温加熱工程と、前記低温加熱工程の後、リード部品のリード線を、前記リード線の挿入孔に挿入するリード部品挿入工程と、前記リード部品挿入工程後、前記半田粒を加熱溶接する高温加熱工程とからなることを特徴とする。
【0006】
また、前記半田粒は、環状平板体であると共に、部品供給テープに保持され、前記リード部品挿入工程では前記部品供給テープから前記半田粒をはがし該半田粒の孔がリード線の挿入孔に重なるように前記クリーム半田に付着することを特徴とする。
【0007】
【実施例】
本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例のプリント配線基板の構成を示す構成図(断面図)であり、プリント配線基板(配線基板1)上にリード部品7および表面実装部品9を搭載し、銅箔等をもって配設された配線パターン3に半田接合した状態を示している。
【0008】
2は、プリント配線基板を形成する電気絶縁性の基板であって、ガラス布等の基材で補強されたエポキシ等の樹脂により構成され、例えば1.6mmの厚みである。3は電子回路の配線を形成する配線パターンであって、基板2の上に銅箔或いはめっき層等の膜状の導電体をもって配設され、例えば0.04mmの厚みである。4は、リード部品7のリード線8を挿入接続するためのスルーホールであって、基板2に開けられた孔の内面に導電めっき層を形成することにより構成される。そして、このスルーホール4は配線パターン3の所定部分に接続され、回路を形成する。7は、電子回路を構成する抵抗、コンデンサ、コネクター或いはリレー等のリード部品であって、リード線8を有し、リード線8を介して配線基板1の電子回路へ接続される。そして、スルーホール4の直径は挿入される部品のリード線8等に合わせた大きさで、本実施例の場合は、リード部品7のリード線8の直径0.6mmに対してスルーホール4の直径1.2mmとされる。リード線8は、線状の全表面が半田メッキされた銅合金等から構成される。9は、電子回路を構成する抵抗器、コンデンサー等の所謂チップ部品と呼ばれる表面実装部品であって、配線パターン3上に印刷して付着されたクリーム半田6上に、機械実装工程によって装着される。
【0009】
次に、配線基板半田付け方法に関して、工程の順を追って説明する。図2、図3は、本発明の実施例における半田付け工程を示す工程図である。本実施例では、図順の通り(a)クリーム半田付着工程、(b)表面実装部品搭載工程、(c)半田粒搭載工程、(d)リフロー加熱工程、(e)リード部品挿入工程、(f)リード部品半田付け工程の順で工程が進む。次に各工程について説明する。
【0010】
(a)クリーム半田付着工程:クリーム半田4が、図示されていないスキージとメタルマスクを用いた印刷法(所謂スクリーン印刷法)によって、配線パターン3上の所定の半田付け位置に例えば0.2mm厚の層をもって付着される。なお、クリーム半田6はリフロー半田付けに用いられる半田材料であって、微細粉末半田と活性フラックスをペースト状に混合して形成されたものである。
【0011】
(b)表面実装部品搭載工程:表面実装部品9が、クリーム半田6が付着された所定の配線パターン3に、図示されていない機械実装装置によって装着される。
(c)半田粒搭載工程:半田粒5が、スルーホール4上のクリーム半田6が付着された所定の配線パターン3に、表面実装部品9を装着した同じ機械実装装置によって装着される。なお、半田粒5は、リフロー加熱炉(例えば225°C)では溶融しない高融点(例えば250°C)の組成をもつ半田材料を、環状の半田粒に成形したものであって、その大きさはスルーホール接合半田51の半田量に相当する適量である。なお、本実施例では基板1厚み1.6mm、リード線8直径0.6mm、スルーホール4直径1.2mmに対して半田粒8の寸法を直径2.0mm、内径1.2mm、厚さ1.0mmとしている。また、半田粒5は、図4の半田粒5の供給リールの構成を示す構成図に示したように、表面実装部品9等と同様にリール11に巻き取られたテープ12上に半田粒5を整列固定されており、このリール11を配線基板1への機械実装に用いる機械実装装置に表面実装部品9が固定されたリールを装着するのと同様に装着して、配線基板1に機械実装をすることが可能となる。つまり、このような構成により半田粒5を表面実装部品9と同様に扱うことが可能となる。
【0012】
(d)リフロー加熱工程:表面実装部品9および半田粒5を装着した配線基板1は、熱風等を用いた加熱装置であるリフロー加熱炉を用いリフロー半田付け処理される。リフロー加熱炉では、配線基板1はクリーム半田6の融点(例えば183°C)より高い温度であって半田粒5の融点(例えば250°C)よりも低い温度(例えば225°C)に加熱される。この加熱により、半田粒5はその形状を保ったままでクリーム半田6だけが溶融する。そして、このクリーム半田6の溶融で形成された半田接合部61によって、半田粒5はスルーホール4上の配線パターン3に接合され、また、表面実装部品9も同様にクリーム半田6による半田接合部61によって所定の配線パターン3に接合される。即ち、半田粒5は形状を保ったまま、クリーム半田6による半田接合部61によってスルーホール4上の配線パターン3に固定される。
【0013】
(e)リード部品挿入工程:リード部品7が機械実装工程或いは手挿入によって装着される。リード部品7のリード線8が、表面実装部品6の実装面の反対側からスルーホール4および半田粒5の孔52に挿入され、本実施例では1〜2mm半田粒5から突き出される。次に、突き出されたリード線8と半田粒5に、局所的に半田フラックス10が塗布(例えばスプレー吹き付けで)される。
【0014】
(f)リード部品半田付け工程:半田粒5を溶融して半田付けするため、図示されていない熱風発生機で発生させた熱風(半田粒5の融点(例えば250°C)より適度に高い温度、例えば300°C)を半田粒5およびリード8上の局所に導くようにして加熱し、半田粒5と半田接合部61とを溶融しスルーホール接続半田51を形成させる。そして、リード部品7のリード線8がスルーホール4に半田付けされる。
【0015】
このように、設備面では、半田粒5の供給を、チップ部品等の機械実装用の既存の機械実装装置(供給リール数拾個を同時に用いる)に半田粒5の供給リールを追加して行うようにしたので、半田粒5の供給のための設備は、半田粒5供給リール1個を追加するだけとなり、機械実装装置の増設は不要である。即ち、普通の機械実装工程およびリフロー工程と同じ設備ですむので、設備は既存の設備で十分となる。
【0016】
また、半田粒5を用いて、スルーホール接続半田51を形成させるようにしたので、半田粒5の重量を適正に設定することにより、スルーホール接続半田51の付着量を適正かつ一定にでき、リード8とスルーホール4の接続強度を所定の値に管理することができる。また、本実施例では、半田鏝を用いていないので、半田鏝を用いる場合に生じていた溶融した半田からスパッタ状の小粒が飛散する品質問題等が解消され、半田付け品質が向上されている。更に、熱風10による加熱は効率が良く処理時間が例えば数秒間と短くなるので光加熱等の他の方法によるよりも能率が向上する。また、熱風10による加熱は温度管理も容易で、半田鏝の場合に必要であった鏝先の表面性状の管理や、鏝先温度の管理等煩雑な条件管理が不要となり、製造ラインの日常管理が容易である。また、熱風10による加熱装置は電熱ヒータ付きの送風機と送風ノズルという簡潔な構成であるので、半田鏝を用いた製造ラインの場合に通常用いられるロボット制御装置等がなく、本例によると半田付け工程を通じて設備面の負担を最小限に軽減できる。
【0017】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、リード部品が搭載された配線基板を、安定した品質で製造でき、また、そのための製造設備もあまり複雑にすることなく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のリフロー半田付け工程の配線基板を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例における半田付け工程を示す工程図である。
【図3】本発明の実施例における半田付け工程を示す工程図である。
【図4】半田粒の供給リールの構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ・・・プリント配線基板
2 ・・・基板
3 ・・・配線パターン
4、・・・スルーホール
5 ・・・半田粒
6 ・・・クリーム半田
7 ・・・リード部品
8 ・・・リード
9 ・・・表面実装部品
10・・・半田フラックス
11・・・リール
51・・・半田接合部
61・・・半田接合部

Claims (2)

  1. プリント配線基板に設けられたリード線挿入孔にリード部品のリード線を挿入し、該リード線の挿入口近傍に設けられた接続パターンと該リード線を半田付けする方法において、
    前記接続パターンにクリーム半田を付着させるクリーム半田付着工程と、
    前記接続パターンに付着されたクリーム半田に、該クリーム半田より融点の高い半田粒を付着させる半田粒付着工程と、
    前記クリーム半田を、該クリーム半田の融点以上で、該半田粒の融点以下の温度で加熱する低温加熱工程と、
    前記低温加熱工程の後、リード部品のリード線を、前記リード線の挿入孔に挿入するリード部品挿入工程と、
    前記リード部品挿入工程後、前記半田粒を加熱溶接する高温加熱工程とからなることを特徴とする半田付け方法。
  2. 前記半田粒は、環状平板体であると共に、部品供給テープに保持され、前記半田粒付着工程では前記部品供給テープから前記半田粒をはがし該半田粒の孔がリード線の挿入孔に重なるように前記クリーム半田に付着することを特徴とする請求項1記載の半田付け方法。
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