JP2007335715A - 半田付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に電子部品を実装する半田付け方法に関し、無鉛半田を用いた場合に糸引き現象が発生するという課題を解決し、優れた品質の半田付け作業が安定して行える半田付け方法を提供することを目的とする。
【解決手段】プリント基板1に設けられたランド3に半田フラックス4を滴下すると共に電子部品の端子5aを熱風加熱し、無鉛半田12を用いて半田鏝方式のロボット半田により電子部品の端子5aをランド3に接続する半田付け方法において、半田鏝10の先端部に無鉛半田12を供給し、この半田鏝10をランド3に当接することにより溶融した無鉛半田12を半田付け部に流入させて半田フィレット13を形成する1次半田付けを行い、続いてこの状態で半田鏝10の先端部に無鉛半田12を供給して2次半田付けを行った後、半田鏝10を引き離す方法により、良好な半田付け作業を安定して行うことができる。
【選択図】図1
【解決手段】プリント基板1に設けられたランド3に半田フラックス4を滴下すると共に電子部品の端子5aを熱風加熱し、無鉛半田12を用いて半田鏝方式のロボット半田により電子部品の端子5aをランド3に接続する半田付け方法において、半田鏝10の先端部に無鉛半田12を供給し、この半田鏝10をランド3に当接することにより溶融した無鉛半田12を半田付け部に流入させて半田フィレット13を形成する1次半田付けを行い、続いてこの状態で半田鏝10の先端部に無鉛半田12を供給して2次半田付けを行った後、半田鏝10を引き離す方法により、良好な半田付け作業を安定して行うことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は各種電子部品をプリント基板に実装して半田付けを行う半田付け方法の中で、特に、無鉛半田を用いて半田鏝方式のロボット半田による半田付け作業を行う際に最適な半田付け方法に関するものである。
電子部品を基板に実装する際に用いられる半田付け作業においても、昨今の地球環境保護の観点から鉛を含有しない鉛フリー半田材料(以下、無鉛半田と呼ぶ)を用いることが検討され、種々の無鉛半田が実用化されているが、この種の無鉛半田は従来の一般的な半田材料(Sn−Pb共晶半田等)に比べて融点が高いために様々な工夫を凝らすことが必要となり、そのために各種の提案がなされている。
図4はこの種の無鉛半田を用いてフロー半田を行う従来の半田付け方法を説明するための基板近傍の拡大図であり、図4において、20は基板、21はこの基板20に設けられたスルーホール、22は電子部品、23はこの電子部品22から引き出されたリード、24は上記基板20に設けられたランドである。25は基板20に高温の気体26を吹き付ける吹き付け手段である。
このように構成されたフロー半田付け装置を用いて、フラックス塗布工程およびプリヒート工程を経た基板20が、溶融した半田材料を1次噴流および2次噴流として基板20の下面に順次接触させることによって、基板20に半田材料を供給する半田材料供給手段の上方に搬送され、基板20のスルーホール21が1次噴流27の上方に位置すると、1次噴流27として供給された半田材料28が、スルーホール21の内壁を構成するランド24の部分と、電子部品22から引き出されたリード23との間の環状空間を通って濡れ上がる。
このとき、ランド24ならびにスルーホール21内を濡れ上がってくる半田材料28に、高温の気体26によって熱が供給される。これにより、半田材料28がスルーホール21内を濡れ上がる際に、ランド24および基板20を通じて奪われる熱量を減少させることができるので、半田材料28の温度低下を減少でき、よって、半田材料28がスルーホール21内を十分濡れ上がることができるものであり、この後、引き続いて2次噴流と接触して、電子部品22がフロー半田付けされた基板20が作製されるものである。
このようにして作製される従来の基板20は、無鉛半田を用いた場合に最適で、濡れ上がり不足やブリッジ等の発生率を効果的に低減して優れた品質の半田付け作業を行うことができるというものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−176250号公報
しかしながら上記従来の半田付け方法では、フロー半田付け作業が可能な場合には応用できるものの、フロー半田付け装置が無い場合や、基板上に大型の電子部品や耐熱性が劣る電子部品等を実装するために個々の電子部品毎に半田付け作業が必要な場合等には応用できないという問題があった。
従って、無鉛半田を用いて半田鏝方式のロボット半田により電子部品の端子をランドに接続する半田付け作業を行うにあたり、上記特許文献1で提案された技術を利用して、基板に設けられたランドにフラックスを塗布すると共に、電子部品の端子を熱風加熱して半田付け作業を行っても、溶融した無鉛半田が半田付け部(基板に設けたスルーホールの内壁と電子部品の端子外周との環状空間、ならびに基板の表裏面に設けたランド)に十分に回り込まなかったり、あるいは半田付けを終えて半田鏝を引き離す際に、溶融した半田の一部が半田鏝に付着したまま引っ張られて糸引き不良を発生させるという課題があった。
また、このような半田付け作業を行う電子部品の端子が、両面にめっき層が形成された金属板を打ち抜き加工することにより形成され、打ち抜き加工面にめっき層が存在しない状態のものである場合には、特に半田濡れ性が悪化することから、溶融した半田が半田付け部に十分に回り込まずにボイドと呼ばれる空洞が発生し、半田付け強度を著しく悪化させるという課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、無鉛半田を用いた半田鏝方式のロボット半田による半田付け作業においても、優れた品質の半田付け作業を安定して行うことが可能な半田付け方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、プリント基板に設けられたランドに半田フラックスを滴下すると共に電子部品の端子を熱風加熱し、無鉛半田を用いて半田鏝方式のロボット半田により電子部品の端子をランドに接続する半田付け方法において、半田鏝の先端部に無鉛半田を供給し、続いてこの半田鏝をランドに当接することにより溶融した無鉛半田を半田付け部に流し込んで半田フィレットを形成する1次半田付けを行い、続いてこの状態で半田鏝の先端部に無鉛半田を供給して2次半田付けを行った後、半田鏝を半田付け部から引き離すことにより半田付けを行うようにしたものである。
以上のように本発明による半田付け方法は、無鉛半田を用いた半田鏝方式のロボット半田による半田付け作業においても、半田付け作業を2つのステップに区分して連続して行うことにより、半田フラックスを最適に供給することができるようになるため、溶融した半田が半田付け部に十分に回り込み、しかも半田鏝を引き離す際に糸引き現象が発生することもなく、優れた品質の半田付け作業を安定して行うことができるようになるという効果が得られるものである。
(実施の形態)
以下、実施の形態を用いて、本発明の特に全請求項に記載の発明について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、実施の形態を用いて、本発明の特に全請求項に記載の発明について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1(a)〜(e)は本発明の一実施の形態による半田付け方法を説明するための製造工程図、図2は同半田付け方法に用いる半田付け装置の構成を示した概念図であり、図1と図2において、1はプリント基板、2はこのプリント基板1に設けられたスルーホール、3はこのスルーホール2の内壁を含むプリント基板1の表裏面に形成された銅箔からなるランド、4はこのランド3上に塗布されたフラックスであり、このフラックス4は上記ランド3の表面側からスルーホール2の内壁を覆い、さらにランド3の裏面側まで覆うように塗布されているものである。
5は上記プリント基板1に実装される電子部品の一つであるコネクタ、5aはこのコネクタ5から引き出されたリード端子、6は同じくプリント基板1に取り付けられたヒートシンク、6aはこのヒートシンク6に取り付けられた電子部品から引き出されたリード端子、7は上記リード端子5a、6aを熱風加熱する予熱ヒータ、8は上記熱風加熱を効果的に行うためのフードカバーである。
9は上記フラックス4をランド3に塗布するためのフラックスディスペンサ、10は半田鏝、11は半田供給ノズル、12はこの半田供給ノズル11から供給されるヤニ入り無鉛糸半田であり、上記半田鏝10は図示しないロボットにより制御されて半田付け作業を行うように構成されているものである。
このように構成された半田付け装置を用いて行う本発明の半田付け方法について説明すると、まず、プリント基板1のスルーホール2内にコネクタ5、ヒートシンク6に取り付けられた電子部品の各リード端子5a、6aを夫々挿入し、半田付け部のランド3にフラックスディスペンサ9によりフラックス4を塗布すると共に、上記リード端子5a、6aを予熱ヒータ7により熱風加熱する(図1(a))。
続いて、半田鏝10の先端に半田供給ノズル11からヤニ入り無鉛糸半田12を供給して溶融状態で盛り付ける1次半田供給を行い(図1(b))、引き続き、半田鏝10を降下してランド3に当接することにより、予め塗布されたフラックス4を消失させると共に、半田鏝10に盛り付けられたヤニ入り無鉛糸半田12をスルーホール2内に流し込んで半田フィレット13を表裏面に形成する1次半田付けを行う(図1(c))。なお、この1次半田付けの半田量は、全半田量の70〜80%程度が最適である。
引き続き、この状態で半田鏝10の先端に半田供給ノズル11からヤニ入り無鉛糸半田12を供給する2次半田供給を行って2次半田付けを行った後(図1(d))、半田鏝10を引き上げて半田付け作業を終了する。なお、この2次半田付けの半田量は、全半田量の20〜30%程度が最適である。
このような方法によって半田付け作業を行うことにより、無鉛半田を用いた場合でも良好な品質の半田付け作業を行うことが可能になり、特に2次半田付けを行うことにより、半田鏝10を半田付け部から引き離す際に、2次半田供給によって供給されたヤニ入り無鉛糸半田12に含まれるフラックスが効果的に作用するために糸引き現象を抑制することができるという格別の効果を奏するものである。
また、上記コネクタ5、ヒートシンク6に取り付けられた電子部品のリード端子5a、6aが、両面にめっき層が形成された金属板を打ち抜き加工することにより形成されたものである場合には、このリード端子5a、6aの打ち抜き加工面にはめっき層が存在しないために半田濡れ性が極めて悪く、スルーホール2内にボイドができやすいものであるが、本発明の半田付け方法を用いることによってこのような問題も解消し、良好な品質の半田付け作業を行うことが可能になるものである。
また、図3は本発明の半田付け方法による半田付け作業のシーケンスを示したものであり、図3に示すように、予熱ヒータ7の加熱はフラックス4の塗布と同じタイミングでONし、フラックス4の塗布を終えて半田付けを行うタイミングと同時に予熱ヒータ7をOFFするようにしたものである。このようにすることにより、半田付け作業中に予熱ヒータ7からの熱風がスルーホール2内を通過して半田鏝10の先端に当たり、半田鏝10の温度を低下させてしまうという現象を防止することができ、さらに安定した半田付け作業を行うことができるようになるものである。
このように本発明による半田付け方法は、無鉛半田を用いた半田鏝方式のロボット半田による半田付け作業においても、半田付け作業を2つのステップに区分して連続して行うことにより、半田フラックスを最適に供給することができるようになるため、溶融した半田が半田付け部に十分に回り込み、しかも半田鏝を引き離す際に糸引き現象が発生することもなく、優れた品質の半田付け作業を安定して行うことができるようになるという格別の効果を奏するものである。
本発明による半田付け方法は、無鉛半田を用いた半田付け作業においても、優れた品質の半田付けを安定して行うことができるという効果を有し、特に高い信頼性が要求される車用の分野等として有用である。
1 プリント基板
2 スルーホール
3 ランド
4 フラックス
5 コネクタ
5a、6a リード端子
6 ヒートシンク
7 予熱ヒータ
8 フードカバー
9 フラックスディスペンサ
10 半田鏝
11 半田供給ノズル
12 ヤニ入り無鉛糸半田
2 スルーホール
3 ランド
4 フラックス
5 コネクタ
5a、6a リード端子
6 ヒートシンク
7 予熱ヒータ
8 フードカバー
9 フラックスディスペンサ
10 半田鏝
11 半田供給ノズル
12 ヤニ入り無鉛糸半田
Claims (4)
- プリント基板に設けられたランドに半田フラックスを滴下すると共に電子部品の端子を熱風加熱し、無鉛半田を用いて半田鏝方式のロボット半田により電子部品の端子をランドに接続する半田付け方法において、半田鏝の先端部に無鉛半田を供給し、続いてこの半田鏝をランドに当接することにより溶融した無鉛半田を半田付け部に流し込んで半田フィレットを形成する1次半田付けを行い、続いてこの状態で半田鏝の先端部に無鉛半田を供給して2次半田付けを行った後、半田鏝を半田付け部から引き離すことにより半田付けを行うようにした半田付け方法。
- 1次半田付けで行う半田量を2次半田付けで行う半田量よりも多くした請求項1に記載の半田付け方法。
- 半田付け時に熱風加熱を停止するようにした請求項1に記載の半田付け方法。
- 半田付けされる電子部品の端子が、両面にめっき層が形成された金属板を打ち抜き加工することにより形成され、打ち抜き加工面にめっき層が存在しない状態であるものを用いた請求項1に記載の半田付け方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006167200A JP2007335715A (ja) | 2006-06-16 | 2006-06-16 | 半田付け方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007335715A true JP2007335715A (ja) | 2007-12-27 |
Family
ID=38934877
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JP2006167200A Pending JP2007335715A (ja) | 2006-06-16 | 2006-06-16 | 半田付け方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111659968A (zh) * | 2019-03-06 | 2020-09-15 | 发那科株式会社 | 进行锡焊的机器人装置 |
-
2006
- 2006-06-16 JP JP2006167200A patent/JP2007335715A/ja active Pending
Cited By (3)
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CN111659968A (zh) * | 2019-03-06 | 2020-09-15 | 发那科株式会社 | 进行锡焊的机器人装置 |
CN111659968B (zh) * | 2019-03-06 | 2022-08-09 | 发那科株式会社 | 进行锡焊的机器人装置 |
US12017341B2 (en) | 2019-03-06 | 2024-06-25 | Fanuc Corporation | Robot apparatus for soldering |
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