JP2002307186A - コイル部品 - Google Patents
コイル部品Info
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- JP2002307186A JP2002307186A JP2001115720A JP2001115720A JP2002307186A JP 2002307186 A JP2002307186 A JP 2002307186A JP 2001115720 A JP2001115720 A JP 2001115720A JP 2001115720 A JP2001115720 A JP 2001115720A JP 2002307186 A JP2002307186 A JP 2002307186A
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- Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 巻線として巻回した絶縁被覆導線の端子への
はんだ接合部分の接合信頼性が高いコイル部品を提供す
る。 【構成】 コイル部品20は、その端子5と巻線の絶縁
被覆導線2の端末2a、2bとのからげ部分4を被覆す
るはんだに、錫(Sn)と銅(Cu)を主組成分とする
とともに錫と銅の組成配分が錫に対して半田付け時の加
熱温度(約400℃)における略飽和量の重量%の銅を
含有するSn−6Cuのはんだ21を用いているので、
はんだ付け工程時に絶縁被覆導線2の銅が溶融したはん
だ21に拡散せず、“銅食われ“の現象が抑えられて断
線しにくく、はんだ接合の信頼性が高い。
はんだ接合部分の接合信頼性が高いコイル部品を提供す
る。 【構成】 コイル部品20は、その端子5と巻線の絶縁
被覆導線2の端末2a、2bとのからげ部分4を被覆す
るはんだに、錫(Sn)と銅(Cu)を主組成分とする
とともに錫と銅の組成配分が錫に対して半田付け時の加
熱温度(約400℃)における略飽和量の重量%の銅を
含有するSn−6Cuのはんだ21を用いているので、
はんだ付け工程時に絶縁被覆導線2の銅が溶融したはん
だ21に拡散せず、“銅食われ“の現象が抑えられて断
線しにくく、はんだ接合の信頼性が高い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器に用いら
れるトランス、チョークコイル等のコイル部品に関し、
特にコイルとして巻回された絶縁被覆導線の端子へのは
んだ付けによる導電接合構造に関する。
れるトランス、チョークコイル等のコイル部品に関し、
特にコイルとして巻回された絶縁被覆導線の端子へのは
んだ付けによる導電接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器に用いられる小型のコイ
ル部品は、図3に示されるチョークコイル10のよう
に、樹脂製ボビンまたはフェライト等の巻芯1に絶縁被
覆導線2を巻回し、その端末2a、2bを前記巻芯1の
両端に延設された鍔3aないし3bに設けられた端子5
にからげ、そのからげ部分4をはんだ付けによって端子
5と導電接合している。
ル部品は、図3に示されるチョークコイル10のよう
に、樹脂製ボビンまたはフェライト等の巻芯1に絶縁被
覆導線2を巻回し、その端末2a、2bを前記巻芯1の
両端に延設された鍔3aないし3bに設けられた端子5
にからげ、そのからげ部分4をはんだ付けによって端子
5と導電接合している。
【0003】巻線として用いられている上記絶縁被覆導
線2は、図4の断面図に示されるように、銅線または外
周に錫メッキ等を施したメッキ銅線(以下、総称して銅
線6と云う。)を導電材としてその外周をポリウレタン
やポリエステル等の絶縁被覆膜7で覆った構造であり、
その端末2a、2bを端子5にからげたからげ部分4の
導電接合には、図3に示されるようなはんだ槽8が用い
られる。このはんだ槽8に蓄えられたはんだ11は40
0〜500℃程度に加熱溶融されており、前記絶縁被覆
導線2の端末2a、2bの端子5とのからげ部分4を端
子5とともにはんだ槽8中に浸漬して前記絶縁被覆膜7
を熱破壊して中の銅線6を露出させ、上記からげ部分4
をはんだ11で被覆し、引き上げて固着させることによ
り端子5とはんだ付けが為される。
線2は、図4の断面図に示されるように、銅線または外
周に錫メッキ等を施したメッキ銅線(以下、総称して銅
線6と云う。)を導電材としてその外周をポリウレタン
やポリエステル等の絶縁被覆膜7で覆った構造であり、
その端末2a、2bを端子5にからげたからげ部分4の
導電接合には、図3に示されるようなはんだ槽8が用い
られる。このはんだ槽8に蓄えられたはんだ11は40
0〜500℃程度に加熱溶融されており、前記絶縁被覆
導線2の端末2a、2bの端子5とのからげ部分4を端
子5とともにはんだ槽8中に浸漬して前記絶縁被覆膜7
を熱破壊して中の銅線6を露出させ、上記からげ部分4
をはんだ11で被覆し、引き上げて固着させることによ
り端子5とはんだ付けが為される。
【0004】一般に、コイル部品の巻線(絶縁被覆導
線)の端子5へのはんだ付けに用いられている主要なは
んだは、錫(Sn)−鉛(Pb)系合金であり、錫が約
40〜60重量%、鉛が約60〜40重量%、その他の
金属として銅が0.03〜0.08重量%、アンチモン
(Sb)が0.1〜0.3重量%の組成(公称60Sn
−40Pbはんだ、もしくは40Sn−60Pbはんだ
等)であり、溶融温度は概ね200〜250℃前後であ
る。
線)の端子5へのはんだ付けに用いられている主要なは
んだは、錫(Sn)−鉛(Pb)系合金であり、錫が約
40〜60重量%、鉛が約60〜40重量%、その他の
金属として銅が0.03〜0.08重量%、アンチモン
(Sb)が0.1〜0.3重量%の組成(公称60Sn
−40Pbはんだ、もしくは40Sn−60Pbはんだ
等)であり、溶融温度は概ね200〜250℃前後であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば、上記はんだ1
1の典型である60Sn−40Pbはんだの組成は、図
5の各種国家規格(信太邦夫:電子技術.Vol.24,No7,p2
4,1982より抜粋)の一覧に示されるように、JIS Z
3282、米国連邦規格QQS−571等に詳細に定
められており、特に不純物として含有する有害な亜鉛
(Zn)、カドミウム(Cd)、アルミニウム(Al)
は微小に抑えられている。
1の典型である60Sn−40Pbはんだの組成は、図
5の各種国家規格(信太邦夫:電子技術.Vol.24,No7,p2
4,1982より抜粋)の一覧に示されるように、JIS Z
3282、米国連邦規格QQS−571等に詳細に定
められており、特に不純物として含有する有害な亜鉛
(Zn)、カドミウム(Cd)、アルミニウム(Al)
は微小に抑えられている。
【0006】しかしながら、一般的に従来のはんだ11
は上記のように人体に良くない鉛(Pb)を主成分とし
て多量に含有しており、はんだ付けした大量のコイル部
品等を使用している電子機器の廃棄による鉛の環境汚染
が新たに問題提起されている。
は上記のように人体に良くない鉛(Pb)を主成分とし
て多量に含有しており、はんだ付けした大量のコイル部
品等を使用している電子機器の廃棄による鉛の環境汚染
が新たに問題提起されている。
【0007】このような従来の鉛を含有するはんだの環
境への悪影響を考慮して、鉛を含有しないはんだ(Pb
フリーはんだと称される。)への切り換えが電子部品業
界で推進されており、はんだ付けによる絶縁被覆導線2
の端末2a、2bと端子5とのからげ部分4のはんだ接
合を備えるコイル部品においてもPbフリーはんだに切
り換えられることが望まれる。
境への悪影響を考慮して、鉛を含有しないはんだ(Pb
フリーはんだと称される。)への切り換えが電子部品業
界で推進されており、はんだ付けによる絶縁被覆導線2
の端末2a、2bと端子5とのからげ部分4のはんだ接
合を備えるコイル部品においてもPbフリーはんだに切
り換えられることが望まれる。
【0008】上記Pbフリーはんだの組成としては大部
分を錫とするが、コイル部品では絶縁被覆導線2の絶縁
被覆膜7(約250〜300℃で溶融)を半田付けの際
に破壊して除去しながら中の銅線6を露出させて端子5
に導電接合しなくてはならないので、通常のはんだ付け
温度よりも高い概ね350〜420℃程度まで加熱する
ことが行われている。
分を錫とするが、コイル部品では絶縁被覆導線2の絶縁
被覆膜7(約250〜300℃で溶融)を半田付けの際
に破壊して除去しながら中の銅線6を露出させて端子5
に導電接合しなくてはならないので、通常のはんだ付け
温度よりも高い概ね350〜420℃程度まで加熱する
ことが行われている。
【0009】このようにはんだ付けの際に400℃程度
もしくはそれ以上の高温の接合温度にはんだ槽8中のは
んだを加熱した場合、錫が組成の大部分を占めるPbフ
リーはんだを用いると、はんだの錫中に銅線6の銅が拡
散する所謂“食われ”現象が生じる。特に、直径100
μm以下の銅線6を用いた絶縁被覆導線2では、この銅
の食われ現象が問題となり、最悪、からげ部分4近くに
て断線に至る。
もしくはそれ以上の高温の接合温度にはんだ槽8中のは
んだを加熱した場合、錫が組成の大部分を占めるPbフ
リーはんだを用いると、はんだの錫中に銅線6の銅が拡
散する所謂“食われ”現象が生じる。特に、直径100
μm以下の銅線6を用いた絶縁被覆導線2では、この銅
の食われ現象が問題となり、最悪、からげ部分4近くに
て断線に至る。
【0010】本発明は、従来のコイル部品において、P
bフリーはんだによる端子への絶縁被覆導線のはんだ付
けで、銅の食われ現象を抑えて接合の信頼性を高めた構
造のコイル部品を提供することを課題とする。
bフリーはんだによる端子への絶縁被覆導線のはんだ付
けで、銅の食われ現象を抑えて接合の信頼性を高めた構
造のコイル部品を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、 (1)銅線を導電材とする絶縁被覆導線を巻芯に巻回す
るとともにその両端末を端子にからげ、該からげ部分を
はんだ付けにて導電接合した構造を備えるコイル部品に
おいて、上記からげ部分を被覆するはんだが錫と銅を主
組成分とするとともに、錫と銅の組成配分が錫に対して
半田付け時の加熱温度における略飽和量の重量%の銅を
含有することを特徴とするコイル部品を提供する。 (2)銅線を導電材とする絶縁被覆導線を巻芯に巻回す
るとともにその両端末を端子にからげ、該からげ部分を
はんだ付けにて導電接合した構造を備えるコイル部品に
おいて、上記からげ部分を被覆するはんだとして、鉛を
含有しないとともに錫が93〜96重量%、銅が4〜7
重量%を含有することを特徴とするコイル部品を提供す
る。 (3)銅線を導電材とする絶縁被覆導線を巻芯に巻回す
るとともにその両端末を端子にからげ、該からげ部分を
はんだ付けにて導電接合した構造を備えるコイル部品に
おいて、上記からげ部分を被覆するはんだとして、鉛を
含有しないとともに錫が93〜96重量%、銀が0.1
〜2重量%、銅が3.9〜6.9重量%を含有すること
を特徴とするコイル部品を提供する。
決するために、 (1)銅線を導電材とする絶縁被覆導線を巻芯に巻回す
るとともにその両端末を端子にからげ、該からげ部分を
はんだ付けにて導電接合した構造を備えるコイル部品に
おいて、上記からげ部分を被覆するはんだが錫と銅を主
組成分とするとともに、錫と銅の組成配分が錫に対して
半田付け時の加熱温度における略飽和量の重量%の銅を
含有することを特徴とするコイル部品を提供する。 (2)銅線を導電材とする絶縁被覆導線を巻芯に巻回す
るとともにその両端末を端子にからげ、該からげ部分を
はんだ付けにて導電接合した構造を備えるコイル部品に
おいて、上記からげ部分を被覆するはんだとして、鉛を
含有しないとともに錫が93〜96重量%、銅が4〜7
重量%を含有することを特徴とするコイル部品を提供す
る。 (3)銅線を導電材とする絶縁被覆導線を巻芯に巻回す
るとともにその両端末を端子にからげ、該からげ部分を
はんだ付けにて導電接合した構造を備えるコイル部品に
おいて、上記からげ部分を被覆するはんだとして、鉛を
含有しないとともに錫が93〜96重量%、銀が0.1
〜2重量%、銅が3.9〜6.9重量%を含有すること
を特徴とするコイル部品を提供する。
【0012】上記本発明の構成要素であるはんだの銅含
有率は、何れも従来の銅を含有するはんだよりも高く、
コイル部品における絶縁被覆導線の端子へのからげ部分
のはんだ付けの際のはんだ加熱温度である概ね350℃
〜420℃の高温で錫に対して飽和する程度の重量%が
含有されているので、導線(銅線またはメッキ銅線)中
の銅のからげ部分を被覆するはんだへの拡散が抑えられ
ている。
有率は、何れも従来の銅を含有するはんだよりも高く、
コイル部品における絶縁被覆導線の端子へのからげ部分
のはんだ付けの際のはんだ加熱温度である概ね350℃
〜420℃の高温で錫に対して飽和する程度の重量%が
含有されているので、導線(銅線またはメッキ銅線)中
の銅のからげ部分を被覆するはんだへの拡散が抑えられ
ている。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のコイル部品の実施の形態
を図面に基いて説明する。なお、コイル部品としての外
的構造は、前述の巻線として巻回した絶縁被覆導線2の
端子5とのからげ部分4のはんだ接合部を除き、例えば
図3に示したチョークコイル10のような従来のコイル
部品と同様な構造なので、その説明は概説に留め、絶縁
被覆導線2の端子5へのからげ部分4のはんだ付けによ
る導電接合について詳述する。
を図面に基いて説明する。なお、コイル部品としての外
的構造は、前述の巻線として巻回した絶縁被覆導線2の
端子5とのからげ部分4のはんだ接合部を除き、例えば
図3に示したチョークコイル10のような従来のコイル
部品と同様な構造なので、その説明は概説に留め、絶縁
被覆導線2の端子5へのからげ部分4のはんだ付けによ
る導電接合について詳述する。
【0014】図1は本発明のコイル部品20として巻芯
1に巻回した絶縁被覆導線2の端末2a、2bの端子5
へのからげ部分4のはんだ付け工程を示す図であり、図
2はからげ部分4の接合部の拡大図である。
1に巻回した絶縁被覆導線2の端末2a、2bの端子5
へのからげ部分4のはんだ付け工程を示す図であり、図
2はからげ部分4の接合部の拡大図である。
【0015】図1に示されるはんだ付け工程時のコイル
部品20は、図3のチョークコイル10と同様に巻芯1
の両端に鍔3a、3bを有し、鍔3bの端面に植設され
た端子5、5と、前記巻芯1に巻回された絶縁被覆導線
2と、その巻始め、巻終わりの各端末2a、2bが前記
鍔3bに植設された端子5、5に導出されてその根元に
からげられたからげ部分4を備える構造である。
部品20は、図3のチョークコイル10と同様に巻芯1
の両端に鍔3a、3bを有し、鍔3bの端面に植設され
た端子5、5と、前記巻芯1に巻回された絶縁被覆導線
2と、その巻始め、巻終わりの各端末2a、2bが前記
鍔3bに植設された端子5、5に導出されてその根元に
からげられたからげ部分4を備える構造である。
【0016】前記巻芯1は、例えば、フェライト焼成体
または磁性粉を混入した樹脂成型体または磁性粉を混入
したアルミナなどのセラミックスから成り、前記端子5
は銅その他の合金からなるリード電極である。
または磁性粉を混入した樹脂成型体または磁性粉を混入
したアルミナなどのセラミックスから成り、前記端子5
は銅その他の合金からなるリード電極である。
【0017】前記絶縁被覆導線2のからげ部分4は、は
んだ槽8中の400℃程度に加熱溶融されたはんだ21
に端子5共々浸漬され、からげ部分4の絶縁被覆膜7を
熱で破壊除去して銅線6を露出させ、そのからげ部分4
の銅線6をはんだ21で被覆し引き上げて固着すること
によって図2のような導電接合部を形成するが、本発明
のコイル部品20では、からげ部分4を被覆する導電接
合のはんだ21として、錫(Sn)と銅(Cu)を主組
成分とするとともに、錫と銅の組成配分が錫に対しては
んだ付け時の加熱温度における略飽和量の重量%の銅を
含有するものであることに特徴を有する。なお、その他
の含有金属(銀、インジウム、アンチモン、鉛等)は1
重量%以下であることが望ましい。
んだ槽8中の400℃程度に加熱溶融されたはんだ21
に端子5共々浸漬され、からげ部分4の絶縁被覆膜7を
熱で破壊除去して銅線6を露出させ、そのからげ部分4
の銅線6をはんだ21で被覆し引き上げて固着すること
によって図2のような導電接合部を形成するが、本発明
のコイル部品20では、からげ部分4を被覆する導電接
合のはんだ21として、錫(Sn)と銅(Cu)を主組
成分とするとともに、錫と銅の組成配分が錫に対しては
んだ付け時の加熱温度における略飽和量の重量%の銅を
含有するものであることに特徴を有する。なお、その他
の含有金属(銀、インジウム、アンチモン、鉛等)は1
重量%以下であることが望ましい。
【0018】上記組成配分のはんだ21がからげ部分4
の銅線を被覆する接合材であることにより、例えば、4
00℃における錫中の銅の飽和量は6重量%であるの
で、からげ部分4のはんだ付け工程において、錫94重
量%と銅6重量%の組成配分のはんだ21(Sn−6C
uはんだ)をはんだ槽8中で400℃に加熱溶融しては
んだ付けに使用すれば、400℃で溶融状態のはんだ2
1中の銅が飽和していることから、銅線6中の銅原子が
はんだ21中に殆ど拡散せず、銅食われの現象が生じな
い。その結果、銅線6は直径100μm程度の細線であ
っても銅食われによる断線の恐れがなく、コイル部品と
しての巻線の接合信頼性が向上することになる。
の銅線を被覆する接合材であることにより、例えば、4
00℃における錫中の銅の飽和量は6重量%であるの
で、からげ部分4のはんだ付け工程において、錫94重
量%と銅6重量%の組成配分のはんだ21(Sn−6C
uはんだ)をはんだ槽8中で400℃に加熱溶融しては
んだ付けに使用すれば、400℃で溶融状態のはんだ2
1中の銅が飽和していることから、銅線6中の銅原子が
はんだ21中に殆ど拡散せず、銅食われの現象が生じな
い。その結果、銅線6は直径100μm程度の細線であ
っても銅食われによる断線の恐れがなく、コイル部品と
しての巻線の接合信頼性が向上することになる。
【0019】本発明のコイル部品においては、絶縁被覆
導線2の端子5とのからげ部分4のはんだ付けの加熱温
度が、絶縁被覆膜7の破壊のために一般のはんだ付けよ
りもやや高温の概ね350〜420℃の範囲となる。こ
の温度範囲における組成の大部を占める錫に対する飽和
量の銅は、錫が93〜96重量%、銅が4〜7重量%の
組成配分となることに鑑み、からげ部分4を被覆する接
合材としてのはんだ21の組成を上記範囲の錫と銅の組
成配分とする。
導線2の端子5とのからげ部分4のはんだ付けの加熱温
度が、絶縁被覆膜7の破壊のために一般のはんだ付けよ
りもやや高温の概ね350〜420℃の範囲となる。こ
の温度範囲における組成の大部を占める錫に対する飽和
量の銅は、錫が93〜96重量%、銅が4〜7重量%の
組成配分となることに鑑み、からげ部分4を被覆する接
合材としてのはんだ21の組成を上記範囲の錫と銅の組
成配分とする。
【0020】また、環境保全と品質保持の観点から、鉛
を含有しないとともに銀を0.1〜2重量%含有させた
はんだも接合材として適するが、上記温度範囲での錫に
対する銅の飽和量を試算すると、錫が93〜96重量
%、銅が3.9〜6.9重量%の組成配分となる。特に
加熱温度が約400℃の場合では、Sn−0.5Ag−
6Cuの配分が好ましいことが本発明者の実験で判っ
た。
を含有しないとともに銀を0.1〜2重量%含有させた
はんだも接合材として適するが、上記温度範囲での錫に
対する銅の飽和量を試算すると、錫が93〜96重量
%、銅が3.9〜6.9重量%の組成配分となる。特に
加熱温度が約400℃の場合では、Sn−0.5Ag−
6Cuの配分が好ましいことが本発明者の実験で判っ
た。
【0021】
【発明の効果】本発明に係るコイル部品では、銅線を導
電材とする絶縁被覆導線の端子へのからげ部分を被覆す
るはんだの組成成分が、はんだ付け時の加熱温度におけ
る錫に対する飽和量の銅を含有するはんだであるので、
銅の食われ現象が生ぜず断線しにくいので、接合の信頼
性が高いという優れた特質を備えている。
電材とする絶縁被覆導線の端子へのからげ部分を被覆す
るはんだの組成成分が、はんだ付け時の加熱温度におけ
る錫に対する飽和量の銅を含有するはんだであるので、
銅の食われ現象が生ぜず断線しにくいので、接合の信頼
性が高いという優れた特質を備えている。
【図1】本発明におけるコイル部品の絶縁被覆導線の端
末の端子へのはんだ付け工程を示す図である。
末の端子へのはんだ付け工程を示す図である。
【図2】絶縁被覆導線の端子へのからげ部分のはんだ接
合状態を示す拡大図である。
合状態を示す拡大図である。
【図3】コイル部品の例としてのチョークコイルの外観
及び絶縁被覆導線の端子へのはんだ付け工程を表す図で
ある。
及び絶縁被覆導線の端子へのはんだ付け工程を表す図で
ある。
【図4】絶縁被覆導線の断面図である。
【図5】典型的な60Sn−40Pbはんだの各種国家
規格の組成を示す一覧図である。
規格の組成を示す一覧図である。
1 巻芯 2 絶縁被覆導線 2a、2b 絶縁被覆導線の端末 3a、3b 鍔 4 からげ部分 5 端子 6 銅線(含メッキ銅線) 7 絶縁被覆膜 8 はんだ槽 10、20 コイル部品(例としてチョークコイル) 11 はんだ(60Sn−40Pbはんだ) 21 はんだ(Sn−6Cuはんだ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E043 EA01 EB05
Claims (3)
- 【請求項1】 銅線を導電材とする絶縁被覆導線を巻芯
に巻回するとともにその両端末を端子にからげ、該から
げ部分をはんだ付けにて導電接合した構造を備えるコイ
ル部品において、上記からげ部分を被覆するはんだが錫
と銅を主組成分とするとともに、錫と銅の組成配分が錫
に対して半田付け時の加熱温度における略飽和量の重量
%の銅を含有することを特徴とするコイル部品。 - 【請求項2】 銅線を導電材とする絶縁被覆導線を巻芯
に巻回するとともにその両端末を端子にからげ、該から
げ部分をはんだ付けにて導電接合した構造を備えるコイ
ル部品において、上記からげ部分を被覆するはんだとし
て、鉛を含有しないとともに錫が93〜96重量%、銅
が4〜7重量%を含有することを特徴とするコイル部
品。 - 【請求項3】 銅線を導電材とする絶縁被覆導線を巻芯
に巻回するとともにその両端末を端子にからげ、該から
げ部分をはんだ付けにて導電接合した構造を備えるコイ
ル部品において、上記からげ部分を被覆するはんだとし
て、鉛を含有しないとともに錫が93〜96重量%、銀
が0.1〜2重量%、銅が3.9〜6.9重量%を含有
することを特徴とするコイル部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001115720A JP2002307186A (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | コイル部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001115720A JP2002307186A (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | コイル部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002307186A true JP2002307186A (ja) | 2002-10-22 |
Family
ID=18966574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001115720A Pending JP2002307186A (ja) | 2001-04-13 | 2001-04-13 | コイル部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002307186A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2003020468A1 (ja) * | 2001-08-30 | 2004-12-16 | スミダコーポレーション株式会社 | 無鉛半田合金およびそれを用いた電子部品 |
JP2008266791A (ja) * | 2002-10-15 | 2008-11-06 | Senju Metal Ind Co Ltd | コイル端部の予備メッキ方法 |
JP2009071315A (ja) * | 2008-10-20 | 2009-04-02 | Sumida Corporation | コイル部品 |
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2001
- 2001-04-13 JP JP2001115720A patent/JP2002307186A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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