JP2009056952A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】車両のすぐれた直進安定性を確保しつつ、車両の旋回安定性を高めて車両の運転による疲労を軽減できる空気入りタイヤ、なかでも乗用車空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部と、それぞれサイドウォール部2a,2bと、ビード部3とを具えるとともに、一対のビードコア4間にトロイダルに延びるカーカス5と、ベルト6とを具え、トレッドパターン9をタイヤ赤道線に対して非対称に形成してなるものであり、それぞれのサイドウォール部2a,2bの最大断面幅w1,w2の高さh1,h2を、車両への装着姿勢のタイヤの、車両の外側に位置するサイドウォール部2aで、車両の内側のサイドウォール部2bより高くし、トレッド表面の、タイヤ赤道線を含む位置に、周方向に連続して延びる陸部10を形成するとともに、この陸部10を、車両の内側側に偏せて配置し、トレッドゴムの摩耗指数を車両の外側部分で内側部分より5以上大きくしてなる。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両の、すぐれた直進安定性を確保しつつ、旋回安定性を向上させることにより、車両の運転による疲労を軽減できる空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤに対する要求性能の高まりに伴って、操縦安定性、乗心地、騒音、摩擦特性などに関し、従来では相互に背反すると考えられていた複数の性能をともに向上させる種々の技術が提案されるに至っている。
たとえば特許文献1には、タイヤの、車両への装着姿勢の下で、タイヤ赤道線に対して車両の内側に位置するトレッドパターン部分と、車両の外側に位置するトレッドパターン部分とでは、上記の各性能への寄与の程度が相違することに着目して、トレッドパターンをタイヤ赤道線に対して非対称とすることで操縦安定性と乗心地性とを同時に満足する空気入りタイヤが、また特許文献2には、タイヤの幅方向の断面形状につき、これも車両の内側に位置する部分と外側に位置する部分とでは各性能への寄与の程度が相違することに着目して、サイドウォール部の形状をタイヤ赤道面に対して非対称とすることで、操縦安定性を維持しつつ、乗心地性を向上させ、転がり抵抗を低減させた乗用車ラジアルタイヤがそれぞれ記載されている。
従来のこのような非対称化技術は、タイヤを車両に装着して使用する場合、サスペンションの挙動、アライメント等がタイヤの赤道面に対する非対称性をもたらし、これにより、車両の直進走行中、旋回走行中のいかんにかかわらず、タイヤに作用する力がその赤道面に対して非対称になることから、タイヤの、車両の内側となる部分と外側となる部分との機能分離を提案するものである。
そしてまた、高速走行大舵角時等の旋回性能の向上を目的として、旋回の外側に位置するタイヤの、車両の外側部分のトレッド表面に作用する大きな横方向入力等に有効に対抗して車両の姿勢を安定させるべく、特許文献3に記載されているように、トレッドゴムの弾性係数を車両の外側部分で内側部分のそれより大きくすること、トレッド表面のトレッドパターンで、車両の外側部分に存在する陸部の幅方向剛性を高めること、または、車両の外側に位置するサイドウォール部の剛性を高めること等も提案されている。
さらには、乗心地の向上を目的に、たとえば、ネガティブキャンバーを付与された車両では、車体の上下運動に伴うタイヤの変形量が車体の内側部分でとくに大きくなることに着目して、内側に位置することになるサイドウォール部による上下方向の振動吸収能力を高めるべく、そのサイドウォール部の曲率半径を小さくしたものもある。
特開平1−266001号公報 特開昭63−78802号公報 特表2002−532330号公報
しかるには、特許文献1に記載された従来技術は、トレッドパターンの工夫だけによって摩耗に対処するものであるため、旋回時の、横方向の大きな入力によるリブの早期の摩耗が否めず、効果の時流を期し難い問題があり、また、特許文献2に記載された従来技術では、車両の外側に位置するサイドウォール部のタイヤ最大幅位置を、車両の内側に位置するサイドウォール部のそれよりタイヤの半径方向内方に配置する結果として、タイヤの横剛性が高まって、旋回性能は向上するも、装着外側の偏心変形が小さく、発熱が大きく、また、陸部の踏込み側部分および蹴出し側部分の摩耗量が多くなって、装着外側の耐久性が大きく低下することとなるという問題があった。
さらに、特許文献3に記載されているように、トレッドゴムの弾性係数を車両の外側部分で大きくすることおよび、陸部の、トレッド幅方向の剛性を車両の外側部分で大きくすることによれば、同様に旋回性能は向上するも、小舵角時の操縦安定性が悪化する問題があり、そしてまた、車両の外側に位置するサイドウォール部の剛性を高めた場合には、特許文献2に記載された技術と同様に、装着外側のライフが低下するという問題があった。
この発明は従来技術が抱えるこのような問題点をことごとく解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、車両のすぐれた直進安定性を確保しつつ、とくには、トレッド部表面の摩耗量をトレッド幅方向に十分均等ならしめて車両の旋回安定性を高めることにより、車両の運転による疲労を軽減できる空気入りタイヤ、なかでも乗用車空気入りタイヤを提供するにある。
この発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部と、トレッド部のそれぞれの側部に連続して半径方向内方へ延びるそれぞれのサイドウォール部と、各サイドウォール部の内周側に連続するビード部とを具えるとともに、ビード部に配設した一対のビードコア間にトロイダルに延びる、ラジアル構造とすることができるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設したベルト層とを具え、トレッド部表面のトレッドパターンをタイヤ赤道線に対して非対称に形成したところにおいて、タイヤ赤道面からの、それぞれのサイドウォール部の最大断面幅の高さを、車両への装着姿勢のタイヤの、車両の外側に位置するサイドウォール部で、車両の内側のサイドウォール部より高くし、また、トレッド表面の、タイヤ赤道線を含む位置に、周方向に連続して延びる、直状もしくはジグザク状の陸部を形成するとともに、この陸部を、車両の内側側に偏せて配置し、さらに、トレッド部表面を区画するトレッドゴムの摩耗指数を、車両の外側部分で内側部分より5以上大きくしたものである。
ここで「タイヤ赤道面からの、サイドウォール部の最大断面幅」とは、タイヤを適用リムに装着し、規定の空気圧を充填した無負荷状態のタイヤ姿勢で、タイヤ赤道面からタイヤ側面までの、模様、文字などを除いた最大直線距離をいうものとし、また、その最大断面幅の高さとは、適用リムのリム径ラインからの半径方向高さをいうものとする。
この場合、「適用リム」とは、タイヤのサイズに応じて下記の規格に規定されたリムを、また、「規定の空気圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは、下記の規格で、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう。
なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
そして規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格をいい、たとえば、アメリカ合衆国では“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“THE European Tyre and Rim Technica1 0rganisationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
またこの発明で、トレッドゴムの「摩耗指数」とは、25%のスリップ率を与えたランボーン摩耗試験の試験結果としての単位時間当たりの摩耗容積(cm3/min)を、車両内側部分のトレッドゴムの摩耗容積(0.020〜0.060cm3/min)をコントロールとして指数化したものをいうものとする。
以上のような空気入りタイヤにおいて、好ましくはトレッド部表面を区画するとともに、摩耗率100%までトレッド踏面に現われるトレッドゴムを、トレッド幅方向位置に応じて区分して配置した三種類以上のゴム種で形成し、それぞれのゴム種の動的弾性率を車両の最も外側部分のゴム種で、最も内側部分のゴム種より大きくする。
この場合、より好ましくは、トレッドゴムを三種類のゴム種で形成し、これらのゴム種の動的弾性率を、中央部分のゴム種のそれに対し、車両の外側部分のゴム種で1.05〜1.20倍、車両の内側部分のゴム種で0.95〜1.00倍とする。
そしてまた好ましくは、三種類のゴム種からなるトレッドゴムの摩耗指数を、中央部分のゴム種で、車両の位置側部分のゴム種以上とするとともに、車両の外側部分のゴム種で、中央部分のゴム種より大きくする。
車両への乗心地を低下させ、直進安定性、微小舵角時の操縦安定性を低下させる外的要因として最も大きなものは、上下方向、左右方向を問わず、走行中の車両に振動を加える路面の凹凸である。
このような路面凹凸が、車両に装着されたタイヤの、車両の外側部分に衝接した場合と、車両の内外部分に衝接した場合とを比較すると、凹凸の大きさが同じであれば、殆どの乗用車においては、車体への車輪の取付部としてのホイールディスクが、タイヤ赤道面に対して車体の外側にオフセットされていて、タイヤの、車両外側部分の荷重負担部割合が大きいことに起因して、車両の外側部分への衝接がより大きな車体振動をもたらすことになる。従って、車体への振動入力を抑制して、車両への乗心地、直進安定性等を向上させるためには、タイヤの、車両の外側となる部分への入力を緩和することが有効である。
また、空気入りタイヤは一般に、サイドウォール部の最大断面幅位置の高さを高くすると、タイヤの幅方向断面内での厚さが最も薄く、剛性の低いそのサイドウォール部の、断面内の曲率半径が小さくなって、サイドウォール部の剛性が一層小さくなるので、タイヤの外側へ膨張する向きの曲がり変形を容易ならしめることができる。この一方で、サイドウォール部の最大断面幅位置の高さを低くすると、断面内の曲率半径が大きくなって、曲がり変形に対する剛性が高くなる。
そこで、この発明に係るタイヤでは、路面の凹凸による入力の影響の大きい車両の外側のサイドウォール部については、それの最大断面幅位置を高くすることで、サイドウォール部剛性を小さくして、タイヤ、ひいては、車体の振動を抑制し、一方、車両の内側のサイドウォール部では、最大断面幅位置を低くすることで、高いサイドウォール部剛性を確保して、ドライバーの意図した通りの操舵力の、路面の伝達を容易ならしめる。
ところでこの場合には、車両の外側のサイドウォール部の剛性が小さくなる結果として、山坂走行時等での旋回走行の場合のような、大きな横方向路面摩擦力がトレッド部表面に入力されると、車両外側のトレッド部表面部分の摩耗量が増加することになるので、ここでは、トレッド部表面を区画するトレッドゴムの摩耗指数を、車両の外側部分で内側部分のそれより5以上大きくして、車両の外側部分の耐摩耗性を高めることで、トレッド部表面の摩耗を、車両の内外側を問わず、十分均等なものとする。
なおここで、車両外側部分のトレッドゴムの摩耗指数を5以上大きくするのは、5以下では実効に乏しいことによる。
この一方で、指数が15以上になると、逆に内側の摩耗が早くなる。
このようにここでは、タイヤ横断面形状、なかでもサイドウォール部の断面形状と、トレッドゴムの摩耗指数とを特定して、路面の凹凸に起因する車体振動を、車両の外側部分を主体として抑制するとともに、トレッド部表面の摩耗をその全体にわたって均等なものとすることにより、トレッド部表面の摩耗後においてなお車両へのすぐれた乗心地を確保し、また、直進安定性および、微小陀各角領域での操縦安定性を向上させることができる。
しかもこのタイヤでは、トレッド部表面のトレッドパターンをタイヤ赤道線に対して非対称に形成することにより、第1には、車両アライメントはネガティブキャンバーの車両が一般的で、この接地面形状では、トレッドパターンを非対称とすることで、接地形状の対称性を維持することできる。そして第2には、外側の陸部を内側の陸部より大きくする事で、外側の剛性を向上させ、山坂走行で外側の陸部の摩耗を抑制することがきる。
そしてさらには、トレッドパターンを非対称としたことに加え、タイヤ赤道線を含む陸部を、車両の内側側に偏せて配置したことにより、センターリブによる直進安定性、小舵角時におけるコントロール性(操縦安定性)が向上する。
以上のようなタイヤにおいて、トレッド部表面を区画するトレッドゴムを、三種類以上のゴム種で構成し、車両の最も外側部分のゴム種の動的弾性率を、車両の最も内側部分のゴム種のそれより大きくした場合には、車両の外側のブロックパターン部分の陸部剛性を確保し、それらの陸部の変形を抑えて耐摩耗性を向上させることができる。
またここで、トレッドゴムを三種類で構成し、これらのゴム種の動的弾性率を、たとえば、30℃での動的弾性率(E′(30℃))が11.0である汎用タイプのトレッドゴムとすることができる、中央部分のゴム種のその弾性率に対して、外側部分のゴム種で1.05〜1.20倍、内側部分のゴム種で0.95〜1.00倍とした場合には、車両の外側部分に向けて陸部剛性を次第に高めて、トレッド部表面の摩耗を、トレッド幅方向により有利に均等化することができる。
そしてさらに、三種類のゴム種で構成したトレッドゴムの、それぞれのゴム種の摩耗指数を、中央部分のゴム種で、内側部分のゴム種以上とするとともに、外側部分のゴム種で、中央部分のゴム種より大きくしたときは、トレッド部表面の耐摩耗性、すなわち、同じ歪を与えたときの抗摩耗性を、外側部分に向けて次第に高めて、トレッド部表面の摩耗量を、トレッド幅方向により一層均等化することができる。
図1は、この発明の実施形態を示すタイヤ幅方向の断面図である。
適用リムに装着するとともに、規定の空気圧を充填した姿勢で示す、図示のこの空気入りタイヤは、トレッド部1と、トレッド部1のそれぞれの側部に連続して半径方向内方へ延びるそれぞれのサイドウォール部2a,2bと、各サイドウォール部2a,2bの内周側に連続するビード部3とを具えるとともに、それぞれのビード部3に配設した一対のビードコア4間にトロイダルに延びる一枚以上、図では二枚のカーカスプライからなる、たとえばラジアル構造のカーカス5と、このカーカス5のクラウン域の外周側に配設した、スチールコードからなる二層以上、図では、スチールコードを層間で相互に交差させて延在させた二層のベルト層からなるベルト6と、ベルト6をそれのほぼ全幅にわたって覆うキャップと、このキャップをそれの両側域でのみ覆うそれぞれのレイヤとからなるベルト保護層7とを具え、また、ベルト保護層7の外周側に配設されてトレッド部表面を区画するトレッドゴム8を具えるとともに、そのトレッド部表面に形成されて、タイヤ赤道線に対して非対称をなすトレッドパターン9を有する。
なおここで、ベルト保護層7はこの発明に必須のものではない。
そしてここでは、このようなトレッドパターン9内で、それの中央域の、タイヤ赤道線を含む位置に、トレッド周方向に連続する陸部10を、直状もしくはジグザグ状に延在させて形成するとともに、この陸部10を、車両への装着姿勢のタイヤの、車両の内側側に偏せて配置し、これにより、第1には、車両アライメントはネガティブキャンバーの車両が一般的で、この接地面形状では、トレッドパターンを非対称とすることで、接地形状の対称性を維持することできる。そして第2には、外側の陸部を内側の陸部より大きくする事で、外側の剛性を向上させ、山坂走行で外側の陸部の摩耗を抑制することがきる。
またここでは、それぞれのサイドウォール部2a,2bの、タイヤ赤道面Eからの最大断面幅w1,w2の位置p1,p2の高さh1,h2を、車両への装着姿勢のタイヤの、車両の外側に位置するサイドウォール部2aで、車両の内側のサイドウォール部2bより、たとえば、102〜140%、好適には、105〜120%高くして、外側のサイドウォール部2aの、タイヤの外側へ膨出する向きの曲げ剛性を所要に応じて低減させる。
なおこの場合、102%未満では、所期した効果の達成が難しく、一方、140%を越えると、車体が曲がり易くなりすぎて安定性が低下することになる。
さらに、図示のタイヤでは、トレッド部表面を区画するトレッドゴム8を、タイヤ赤道面Eよりわずかに車両の外側の、図に一点鎖線で示す位置を境として内外二種類のゴム種8a,8bで形成し、車両の外側部分のゴム種8aについては、たとえば、25%のスリップ率を与えたランボーン試験による単位時間当りの摩耗容積を、
0.030〜0.070(cm3/min)、より好ましくは0.040〜0.060(cm3/min)とするとともに、車両の内側のゴム種8bの同様の摩耗容積を、たとえば、0.020〜0.060(cm3/min)、好ましくは0.030〜0.050(cm3/min)とすることで、ゴム種8bの摩耗容積をコントロールとする摩耗指数を、ゴム種8aで、ゴム種8bのそれより5以上、より好ましくは5〜15の範囲で大きくする。
なおここでの、トレッドゴム8の摩耗指数は、トレッドゴム8それ自体が単層構造であると、複数層の積層構造であるとにかかわらず、トレッド部表面を区画するとともに、摩耗率100%までトレッド踏面に現われるゴム部分の指数をいうものとする。
このことによれば、車両の外側に位置するトレッド部表面の耐摩耗性を高めて、トレッド部表面の全幅にわたる摩耗の均等性を有利に実現することができる。
以上のようなタイヤにおいてより好ましくは、トレッドゴム8の、車両外側部分のゴム種8aの動的弾性率(E′)を、たとえば13〜11、内側部分のゴム種8bのそれを、たとえば10.5〜10として、車両の外側部分に配設される陸部の剛性を高め、それらの陸部摩耗の一層の向上をもたらす。
かくして、このタイヤによれば、先にも述べたように、トレッド部表面の摩耗をその全体にわたって十分均等なものとして、トレッド部表面の摩耗が進行してなお、車両への乗心地を確保しつつ、直進安定性および、微小舵角領域での操縦安定性を有効に向上させることができる。
図2は、他の実施形態を示すタイヤ幅方向の断面図であり、このタイヤはとくに、トレッドゴムの構成の点で、先のタイヤと構造を異にするものである。
ここでは、トレッドゴム11を、トレッド幅方向位置に応じて区分して配置した三種類以上、図では、一点鎖線で境界を示す三種類のゴム種11a,11b,11cで構成し、トレッドパターン9の中央域の環状の陸部10を、タイヤ赤道面を含んでなお、車両の内側側に偏せて配置するとともに、車両の最も外側部分のゴム種11aの摩耗容積を、たとえば0.050(cm3/min)、そして、車両の最も内側部分のゴム種11cの摩耗容積を、たとえば0.046(cm3/min)とすることで、ゴム種11cをコントロールとする摩耗指数を、ゴム種11aで、ゴム種11cのそれより5以上大きくする。
そしてまた好ましくは、それぞれのゴム種11a,11b,11cの動的弾性率を、たとえば、13〜11、11および、10.5〜10とすることで、中央部分のゴム種11bの弾性率に対し、外側部分のゴム種11aのそれを1.05〜1.20倍、内側部分のゴム種11cのそれを0.95〜1.00倍とする。
このことによれば、トレッド部表面の陸部剛性を車両の外側部分に向けて次第に高めて、それらの陸部の変形量、ひいては、摩耗量を、車両の外側部分に向けて次第に低減させることができ、結果として、トレッド部表面の摩耗が、それの幅方向に有利に均等化されることになる。
また好ましくは、このことに代えてもしくは加えて、三種類のゴム種の摩耗指数を、中央部分のゴム種11bで、内側部分のゴム種11c以上とするとともに、外側部分のゴム種11aで中央部分のゴム種11bより大きくする。
これによれば、トレッド部表面の耐摩耗性を、車両の外側部分に向けて次第に高めて、トレッド部表面の摩耗状態を、それの幅方向に有利に均等化させることができる。
図1に示す構造を有する、実施例タイヤおよび比較例タイヤのそれぞれにつき、実車走行をもって、直進安定性、微小舵角での操縦安定性(ハンドル応答性)および乗心地を10点満点でフィーリング評価するとともに、トレッド部表面の、車両の外側と内側との摩耗量の比を求めたところ表1に示す結果を得た。
なおここでは、タイヤサイズを205/55 R16とし、試験車両を国産2000ccの前輪駆動の4ドアセダンし、タイヤ空気圧を前後輪ともに230kPaとした。
ところで、ここでの直進安定性等のフィーリング評価は、長い直線部分を含む周回路および、緩やかなカーブの多いハンドリング評価路などからなるテストコースを、低速から100km/h程度までの、公道上で一般的なドライバーが経験する速度域で実車走行することにより行い、
また、トレッド部表面の摩耗量の比は、同一タイヤおよび車両を用いて一般道路、高速道路および山道を含むコースを10000km走行した後の、車両の外側部分および内側部分のそれぞれの摩耗量の、前後輪タイヤの平均値を、内側部分の平均摩耗量(摩耗深さ1.2mm)をコントロールとして、指数比とすることにより求めた。
なおこの場合、全く摩耗しないときは指数0、同量だけ摩耗したときは指数100、2倍摩耗したときは指数200となる。
Figure 2009056952
図2に示す構造を有する実施例タイヤおよび比較例タイヤのそれぞれにつき、実施例1と同様にして直進安定性等をフィーリング評価し、また、摩耗量の比を求めたところ表2に示す結果を得た。
なお表中の動的弾性率は、汎用トレッドゴムのその弾性率
E′(30℃)=11.00
をコントロールとして、指数表示している。
また、ここでの摩耗量の比は、車両の外側部分、中央部分および内側部分のそれぞれの摩耗量を測定して、それらの平均値を、中央部分の平均摩耗量(摩耗深さ1.2mm)をコントロールとして、指数比としたものである。
そしてこの場合もまた、全く摩耗しないときは指数0、同量だけ摩耗したときは指数100、2倍摩耗したときは指数200となる。
Figure 2009056952
実施例1によれば、トレッドゴムの摩耗指数を、外側部分で内側部分より5大きくすることで、すぐれた直進安定性等を確保しつつ、トレッドゴムの外側部分の相対摩耗量を、比較例タイヤ1に比して有利に低減できることが解る。
また実施例2によれば、トレッドゴムの動的弾性率を、トレッドゴムの摩耗指数との関連の下で適宜に選択することで、トレッド部表面の相対摩耗量を、効果的に均等化できることが解る。
この発明の実施の形態を示すタイヤ幅方向の断面図である。 この発明の他の実施の形態を示すタイヤ幅方向の断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
2a,2b サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 カーカス
6 ベルト
7 ベルト保護層
8,11 トレッドゴム
8a,8b,11a,11b,11c ゴム種
9 トレッドパターン
10 陸部
E タイヤ赤道面
w1,w2 最大断面幅
p1,p2 位置
h1,h2 高さ

Claims (4)

  1. トレッド部と、トレッド部のそれぞれの側部に連続して半径方向内方へ延びるそれぞれのサイドウォール部と、各サイドウォール部の内周側に連続するビード部とを具えるとともに、ビード部に配設した一対のビードコア間にトロイダルに延びるカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に配設したベルト層とを具え、トレッド部表面のトレッドパターンをタイヤ赤道線に対して非対称に形成してなる空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ赤道面からの、それぞれのサイドウォール部の最大断面幅の高さを、車両への装着姿勢のタイヤの、車両の外側に位置するサイドウォール部で、車両の内側のサイドウォール部より高くし、トレッド表面の、タイヤ赤道線を含む位置に、周方向に連続して延びる陸部を形成するとともに、この陸部を、車両の内側側に偏せて配置し、トレッド部表面を区画するトレッドゴムの摩耗指数を、車両の外側部分で内側部分より5以上大きくしてなる空気入りタイヤ。
  2. トレッド部表面を区画するとともに、摩耗率100%までトレッド踏面に現われるトレッドゴムを、トレッド幅方向位置に応じて区分して
    配置した三種類以上のゴム種で形成し、それぞれのゴム種の動的弾性率を、車両の最も外側部分のゴム種で、最も内側部分のゴム種より大きくしてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. トレッドゴムを三種類のゴム種で形成し、これらのゴム種の動的弾性率を、中央部分のゴム種の動的弾性率に対し、車両の外側部分のゴム種で1.05〜1.20倍、車両の内側部分のゴム種で0.95〜1.00倍としてなる請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. トレッドゴムを三種類のゴム種で形成し、これらのゴム種の摩耗指数を、中央部分のゴム種で、車両の内側部分のゴム種以上とするとともに、車両の外側部分のゴム種で、中央部分のゴム種より大きくしてなる請求項2もしくは3に記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013014227A (ja) * 2011-07-04 2013-01-24 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
JP2015048013A (ja) * 2013-09-03 2015-03-16 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ

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