JP2009051661A - シート処理装置及び画像形成装置 - Google Patents

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重雄 土居
Hideki Kushida
秀樹 櫛田
Kenichi Hayashi
賢一 林
Hitoshi Fujimoto
仁志 藤本
Gakugen Hayasaka
学玄 早坂
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Abstract

【課題】シートにダメージを与えることなく、かつ開放規制状態を制御することのできるシート処理装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】半抜き処理部19により、一端部が綴じられたシート束PAの他端部に、シート束PAの他端部の綴じ合わせするための複数の半抜き部を形成する。そして、半抜き処理部19によって形成される複数の半抜き部の非加工部の形成方向を変更可能とし、シート束PAの他端部の綴じ合わせする力を調整するようにする。
【選択図】図7

Description

本発明は、シート処理装置及び画像形成装置に関し、特に綴じ針を使用することなく画像形成済みのシートを一時的に綴じるようにしたものに関する。
従来、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置においては、画像を形成したシートに対し綴じ等の処理を行うシート処理装置を設けたものがある。
このような従来のシート処理装置においては、シート束を綴じる場合、一般的には金属製の綴じ針を用いるステイプル処理によりシート束を綴じるようにしている。そして、このような綴じ針を用いたステイプル処理は、複数の出力紙をユーザが指定した位置で確実に綴じることができるため、多くのシート処理装置に採用されている。
しかしながら、金属製の綴じ針を使うステイプル処理は、確実にシート束を綴じることができるが、一度綴じたものを解除するためには、専用の工具を使ってもシートにダメージを与える可能性が高く、品位を保つことが難しい。また、針が消耗品となるため、その分のコストがかかる。さらに、ステイプル処理をしたシートをシュレッダーにかける際には、綴じ針をはずす作業が必要となり、手間がかかる。
そこで、従来のシート処理装置においては、環境などに配慮してリサイクル性を重視し、針以外の綴じ具を用いるものがある。例えば、シートに非加工部を残した抜き孔加工(以下、半抜き処理という)を行い、切り起こし(以下、半抜き部という)を形成する綴じ具を用い、シートに半抜き部を形成してシート束を綴じるようにしたものがある(特許文献1及び特許文献2参照)。ここで、このような半抜き部によりシート束を綴じた場合、シート束を綴じる力は弱いが、シート束を一時的に綴じることができ、また使用する場合には、容易に綴じを解除することができる。
一方、最近様々な面でセキュリティに関わることが重要視されている。これに伴い、シート処理装置に対しても、プリンタ等による出力内容にセキュリティをかける仕組み、機能に対する要望が増加している。
このため、従来のシート処理装置においては、セキュリティレベルに合わせて開放規制状態を制御するようにしている。例えば、セキュリティレベルの高いダイレクトメールの場合は、情報を記録したシートの表面にカバーシートを圧着させるような開放規制処理を行うようにしている。そして、このような処理を施すことにより、開放が規制され、外見からは中身の情報が見ることができないようにすることができる。また、シートの表面にカバーシートを圧着させた場合、一度カバーシートを剥がすと再生が難しく、他人に情報が見られたかどうかが一目瞭然となる。
実開昭62−111861号公報 実開平07−018857号公報
しかし、従来のシート処理装置において、特許文献1に示されるように、半抜き部によりシートを綴じる場合、半抜き部が1箇所のとき、又は半抜き部を複数形成した場合でも半抜き部の半抜き方向(非加工部の形成方向)が同じ方向のときがある。この場合には、半抜き部の半抜き方向に力を加えるだけで簡単にシート束がばらけてしまう。
また、特許文献2に示されるように、半抜き方向がバラバラな半抜き部を複数形成する方法でシート束を綴じるようにすると、あらゆる方向からシート束に力を加えてもシート束がばらけにくくなる。このため、他人に情報が見られたかどうかが一目瞭然となるため第3者に情報が漏洩したことが容易に確認できる反面、開放規制状態が制御できないため、それほどセキュリティレベルが高くなく、かつ何度も中身を確認したい場合等に不向きである。
さらに、セキュリティを確保するために情報を記録したシートの表面にカバーシートを圧着させるようにした場合、特殊なシートと、シート同士を圧着するための大がかりな装置が必要となり、大量取扱機会がない場合にはコスト面での負担が大きい。
このように、従来のシート処理装置においては、半抜きの技術を用いた場合には、半抜きのパターンにより用途が限定されるため、用途に対応した複数の綴じ具を所有して使い分けなければならない。また、シート同士を圧着させた場合には、特殊なシートと、シート同士を圧着するための大がかりな装置が必要となるだけでなく、活用範囲が限られ、さらに開放規制状態が制御できないため、使用形態に対応することができない。
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、シートにダメージを与えることなく、かつセキュリティレベルに合わせて開放規制状態を制御することのできるシート処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、シートを処理するシート処理装置において、重ねたシートを綴じ合わせるため非加工部を残した抜き孔加工を行って複数の半抜き部を形成する半抜き処理部を備え、シートを重ねて綴じ合わせる力を調整するために前記半抜き処理部により形成される複数の半抜き部の非加工部の形成方向を変更可能にしたことを特徴とするものである。
本発明のように、重ねたシートを綴じ合わせる半抜き部の非加工部の形成方向を変更可能とし、シートを綴じ合わせする力を調整することにより、シートにダメージを与えることなく、かつセキュリティレベルに合わせて開放規制状態を制御することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の構成を示す図である。
図1において、1は複写機、1Aは複写機本体であり、この複写機本体1Aの上部には、プラテンガラス4、光源5、レンズ系6を備えた画像読取部1Bが設けられている。また、複写機本体1Aには、円筒状の感光ドラム11、現像器12、定着装置13等を備えた画像形成部8と、画像形成部8にシートPを給送するシート給送装置7等が設けられている。さらに、複写機本体1Aには、複写機本体1Aから排出される画像形成済みのシートを処理するシート処理装置2が接続されている。
そして、このような複写機1において、シートに画像を形成する際には、画像読取部1Bにおいて、不図示の原稿の画像が読み取られ、読み取られた画像情報がレンズ系6を経て感光ドラム表面上に照射される。
なお、複写機1の構成としては、露光装置を備え、画像読取部1Bにより読み取った原稿画像、若しくは不図示の外部パソコンからの画像データに基づいて感光ドラム表面を露光するようにしたものを用いても良い。
これにより、感光ドラム表面上に静電潜像が形成され、この静電潜像を現像器12によって現像することにより、感光ドラム上にトナー像が形成される。この後、給紙信号が出力されると、シート給送装置7により、複写機本体1Aに着脱自在に設けられたデッキ9及びカセット10から画像形成部8にシートPが給送され、このシートPに感光ドラム上のトナー像が転写される。
次に、トナー像が転写されたシートPは、定着装置13に搬送される。そして、この定着装置13において転写画像が永久定着され、このように画像が定着されたシートは、この後、排出ローラ対14により複写機本体1Aから排出され、シート処理装置2に搬送される。
このシート処理装置2は、複写機本体1Aから排出されたシートを順に取り込み、取り込んだ複数のシートを整合して1つの束に束ねる処理を行うようになっている。また、束ねたシート束の後端(シート搬送方向の上流端)を綴じるステイプル処理を行うようになっている。
ここで、このシート処理装置2は、図2に示すように、複写機本体1Aから排出されたシートを内部に導くための入口部22を有している。そして、この入口部22の下流側には、シートを上段の排紙トレイ20上に排出する排紙搬送部15と、シートに対して綴じ処理等を行って下段の排紙トレイ21に排出するための綴じ搬送部16が設けられている。
なお、図2において、18はステイプル装置、19はシートを半抜きする半抜き処理部である穿孔装置である。
図3は、複写機1の制御ブロック図である。CPU回路部700は複写機本体1Aに設けられ、CPU700a、制御プログラム等を格納したROM700b、制御データを一時的に保持するための領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられるRAM700cを有している。
なお、図3において、704は画像形成部8の動作を制御する画像形成部制御部、705は画像読取部1Bの原稿画像読み取り動作を制御する画像読取部制御部、710は操作部である。なお、この操作部710は、画像形成に関する各種機能を設定するための複数のキー及び設定状態を表示するための表示部等を有している。そして、ユーザによる各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部700に出力すると共に、CPU回路部700からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示する。
CPU回路部700は、ROM700bに格納された制御プログラム及び操作部710の設定に従い、画像読取部制御部705を介して画像読取部1Bを、画像形成部制御部704を介して画像形成部8をそれぞれ制御する。
さらに、CPU回路部700は、操作部710より入力、設定された処理のモードに基づきシート処理装置制御部711を介してシート処理装置2に設けられたステイプル装置18、穿孔装置19等をそれぞれ制御する。なお、シート処理装置制御部711をCPU回路部700と一体的に複写機本体1A側に設け、複写機本体1Aから制御するようにしてもよい。
なお、本実施の形態において、シート処理装置2のモードとして、シートの処理を行わず、シートを排紙搬送部15により搬送し、そのまま上段の排紙トレイ20上に排出するモード1を備えている。
また、シートを綴じ搬送部16により綴じ部17に搬送し、設定枚数束になると束ごとに主走査方向に振り分ける等の操作を行った後、下段の排紙トレイ21に排出する、即ち特別な処理を行うことなく、シート束を排出するモード2を備えている。
さらに、シートを綴じ部17に搬送し、設定枚数束になると束ごとに主走査方向に振り分ける等の操作を行った後、シート束を下段の排紙トレイ21に排出する直前に、指定された個所に、例えば金属針によるステイプルを行うモード3を備えている。またさらに、出力されたシートに記載されている内容を他人に見られたくない時、つまりは機密情報を出力する場合のモードであるモード4を備えている。
そして、このように構成されたシート処理装置2において、シートが入口部22に送られてくると、ユーザが操作部710により指定した処理モードに応じてシートの搬送経路を変更し、最終的には排紙トレイ20,21上に排出する。
次に、このようなモード1〜モード4の選択の手順について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、指定した処理モードがシートに対して何か処理するモードか、即ち処理モードがモード1以外かを判断する(S100)。ここで、指定した処理モードがシートに対して何か処理するモードでない場合、即ちモード1の場合(S100のN)、シートを排紙搬送部15へ搬送し(S101)、そのまま上段の排紙トレイ20上に排出する(S102)。
次に、指定した処理モードがシートに対して何か処理するモードの場合(S100のY)、シートを綴じ搬送部16から綴じ部17に搬送する(S103)。そして、指定した処理モードが束排出のみのモードか、即ち処理モードがモード2かを判断する(S104)。ここで、指定した処理モードがモード2の場合(S104のY)、シートが設定枚数束になると束ごとに主走査方向に振り分ける等の操作を行い、下段の排紙トレイ21に排出する(S105)。
次に、処理モードがモード2(及びモード1)でない場合には(S104のN)、束としたシートを下段の排紙トレイ21に排出する直前に、指定された個所に金属針によるステイプルを行う(S106)。
次に、指定した処理モードが機密情報処理を行うモードか、即ち処理モードがモード4かを判断する(S107)。そして、機密情報処理を行わないモードの場合は、即ち処理モードがモード3の場合は(S107のN)、ステイプルを行ったシート束を下段の排紙トレイ21に排出する(S108)。
次に、処理モードが機密情報処理を行うモードの場合は、即ち処理モードがモード4の場合(S107のY)、後述する半抜き処理を行い(S109)、この後、下段の排紙トレイ21に排出する(S110)。
次に、処理モードがモード4の場合のシート処理装置2の動作について説明する。
この場合、図5の(a)に示すように、通常の出力シートよりシート搬送方向の長さがやや長く、表紙若しくは裏表紙となるシートP1(以下、カバーシートという)を1枚若しくはそれと同等の扱いとなるシート数枚を綴じ搬送部16から綴じ部17に搬送する。
次に、図5の(b)に示すように、機密情報等が記録された書類となる通常の出力シート(中間シート)P2を綴じ部17に搬送する。この後、カバーシートP1が最下位置となるように、かつカバーシートP1上にシート排出方向に対して上流側の端部が全て揃うように整合しつつ出力シートP2を積み重ねていく。
次に、図6の(a)に示すように、カバーシートP1と同様のカバーシートP3を最上位置に、矢印で示すシート排出方向に対して上流側の端部が他のシートP1,P2と揃うように積み重ねてシート束PAを得る。
次に、シート束PAに対し、不図示の横レジ整合部材によるシート排出方向と直交する方向(以下、幅方向という)に対する整合動作を行う。この後、図6の(b)に示すように、ステイプル装置18により、シート束PAのシート排出方向上流側の端部(以下、後端部という)に対し、1個所若しくは複数個所のステイプル処理を行う。
これにより、シート束PAの全てのシートP1,P2,P3を確実に綴じることができる。なお、このステイプル処理は、金属針によるものでも、針レスによるものでも特に限定するものではないが、金属針によるステイプル処理の方が好ましい。
次に、図7に示すようにカバーシートP1,P3の、出力シートP2に対しシート排出方向下流側(以下、先端部という)に飛び出ている部分に対し、穿孔装置19を用いて主走査方向(幅方向)に、かつ略一直線状に、非加工部を残した複数の抜き孔加工を行う。以下、この一端部である後端部が綴じられたシート束の他端部である先端部に非加工部を残して形成された切り起こしを半抜き部、このような半抜き部を形成する動作を半抜き(半抜き処理)という。
そして、このようにカバーシートP1,P3に対して複数の半抜きを行うことにより、シート束PAの他端部である先端部に複数の半抜き部を形成し、シート束PAの端部に対する綴じを行う。なお、本実施の形態においては、複数の半抜き部を略一直線上に並べているが、2列に並べたり、ある幾何学パターンにしたがって並べたりしても良い。
また、既述したステイプル処理と半抜き処理は同時に行っても、また半抜き処理の方を先にしても良いが、シートP1〜P3の位置ズレを極力避ける意味では、既述したようにステイプル処理の後、半抜き処理を行うようにした方が好ましい。
図8は、このような複数の半抜きによる綴じが行われた成果物としてのシート束PAを説明する図である。このシート束PAは、図8の(a)、(b)及び(c)に示すように情報が記録された出力シートP2が、ややサイズの大きいカバーシートP1,P3に覆われ、かつ、封印されている。
ここで、このようにカバーシートP1,P3に対して半抜きを行う穿孔装置19は、後述する図10に示す刃型29,30が、幅方向に複数配置された上型32及び下型33を備えている。
なお、本実施の形態においては、穿孔装置19は、図7に示すように対向して配置された回転可能な上型部19A及び下型部19Bを備えると共に、上型部19A及び下型部19Bにはそれぞれ8個の上型32及び下型33が交換可能に設けられている。
そして、カバーシートP1,P3に対して半抜きを行う場合は、上型部19A及び下型部19Bを回転させて、所定の上型32及び下型33をシート束に臨む位置に移動させた後、不図示の昇降機構によりシート束方向に移動させるようになっている。このように構成された穿孔装置19を用いることにより、図8に示すように、一度の操作で同時に複数の半抜き部23を形成することができる。
図9の(a)は穿孔装置19により形成された半抜き部23の形状を示している。ここで、この半抜き部23は、穿孔装置19により半抜きされた部分の最大幅l1に対し、半抜きされた根元部分(非加工の形成部分)となる折り目の幅l2が小さくなるように形成されている。そして、このような形状の半抜き部23を形成することにより、半抜き部23により綴じられた部分が外れ難くなる。
なお、このように半抜き部23の最大幅l1に対し、根元部分となる折り目の幅l2が小さくなるように形成されていれば、半抜き部23の形状は図9の(a)に限らず、図9の(b)〜(e)に示すような形状としても良い。
また、図10は、穿孔装置19による半抜き動作を示すものである。既述したようにステイプル処理が行われた後、所定の上型32及び下型33がシート束方向に移動すると(図7参照)、図10の(a)に示すように上型32の刃型29と、下型33の刃型30がシート束PAに接近する。
そして、図10の(b)に示すように下型33の刃型30が上型32の刃型29に入り込むことにより、シート束PAには半抜き部23が形成される。なお、このように半抜きを形成した後、図10の(c)に示すように上型32及び下型33はシート束PAから離間する方向に移動する。
ところで、本実施の形態において、穿孔装置19は、既述したように一度の操作で同時に複数の個所の半抜きを行うようにしている。そして、その同時に形成する半抜き部の数によってシート束の開放を規制する力、言い換えればシート同士を綴じ合わせする力を調整することができる。ここで、上限はあるものの、単純に半抜き部の数が多ければ、それだけシート束の開放を規制する力も大きくなる。
また、複数個所に設けられた半抜き部の方向もシート束の開放を規制する力に関係がある。例えば、図11の(a)及び(b)に示すように、一直線上に並んだ複数の半抜き部23が、その直線に対して垂直の方向でかつ全て同じ方向に向いている場合、カバーシートP3を図11の(c)に示す矢印Y1方向(上方)に引くと、容易に外れる。
一方、図12の(a)及び(b)に示すように、複数の半抜き部23が様々な非加工部の形成方向を有している場合、それぞれの半抜き部23の、外れ易い方向が異なるようになる。このため、どの方向から引きはがそうとしても、引きはがしやすい方向を向いている半抜き部が限られるため引きはがしにくくなり、結果的にシート束の開放を規制する力が強くなる。このように、複数の半抜き部23が様々な方向を向いていると、シート束の開放を規制する力が強くなる。
つまり、ユーザの目的に応じて半抜き方向のパターンを選択すれば、その目的に応じてシート束の開放を規制する力を調整することができる。例えば、カバーシートP3を容易に外せるようにするためには半抜き部23の方向を同じにし、カバーシートP3が容易には外せないようにするためには半抜き部23の方向が異なるようにする。
そこで、本実施の形態においては、半抜き方向のパターンを選択するため、例えば図13に示すように、それぞれ複数の刃型29を幅方向に、かつ向きを様々なパターンで変更させて並べた上型32(32a〜32d)を備えている。また、それぞれ複数の刃型30を幅方向に、かつ上型32の刃型29に対応する向きで並べた下型33(33a〜33d)を備えている。
なお、本実施の形態においては、既述したように上型32及び下型33は、それぞれ8個ずつロータリ状に配置されているが(図7参照)、図13においては、説明上、4個のみ描いている。
そして、目的に応じてユーザが操作部により指示すると、CPU回路部700は、シート処理装置制御部711を介して穿孔装置19を制御し、ユーザの選択にあった上下で対となる刃型を穿孔位置に配置し、綴じるシート束に対して半抜き処理を行う。
このように、シート束PAの先端部に複数の半抜き部23を形成することにより、シート束PAの先端部を綴じ合わせすることができる。また、半抜き部23の方向を変更可能としてシート束の先端部の開放を規制する力(シート同士を綴じ合わせする力)を調整することにより、シートにダメージを与えることなく、かつセキュリティレベルに合わせて開放規制状態を制御することができる。
つまり、複数の半抜き部23を形成してシート束先端部の開放を規制すると共に、半抜き部23の方向を変更可能としてシート束先端部の開放を規制する力を調整することにより、シートにダメージを与えることなく、かつ開放規制状態を制御することができる。
ところで、これまでの説明においては、半抜きによる綴じ力を調整するために半抜き方向が異なる様々な刃型を交換する場合について述べてきた。しかし、本発明は、これに限らず、個々の刃型の向きを変えるようにしても良い。
次に、このように個々の刃型の向きを変えるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。
図14は、本実施の形態に係るシート処理装置の概略構成を示す図である。なお、図14において、既述した図2と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図14において、34は上型32及び下型33を備えた穿孔装置であり、この穿孔装置34の上型32及び下型33には、図15に示すように、刃型39を保持する刃保持部材37,38が、独立で矢印Y2の方向に回転可能に設けられている。これにより、刃型39の向きを変更することができる。もちろん、穿孔操作の際に対応する上下に配置された刃型39の向きは、刃型39が一致した状態で噛み合うように制御されていることは言うまでもない。
なお、本実施の形態において、刃保持部材37,38は不図示のモータと、ホームポジションを検知する検知手段を備えている。そして、ユーザの操作部又はパーソナルコンピュータ等から指定された刃型39の方向に対して、ホームポジションを基準に制御される。
例えば、モータが1回転200パルスのモータで、かつ、刃型39に対してダイレクトに取り付けられている場合は、1パルスで刃型39の向きを1.8°変えることができ、最大200通りの方向に向けることができる。そして、用途に応じてそれぞれの刃型39の向きを制御し、半抜き部の向きを制御することにより、それに応じた締結力でシート束の開放を規制することが可能になる。
また図16は、穿孔装置34の動作説明図であり、図16に示すように上型32及び下型33はレール43,44により、上下方向に移動可能に保持されている。また、上型32及び下型33は、レール43,44に取り付けられたスプリング45によって、お互いが離間する方向に常に付勢されている。さらにこの上型32及び下型33は、カム41,42によって昇降が制御されるようになっている。
そして、半抜き部を形成する場合は、図16の(a)に示す位置からカム41,42が回転すると、上型32及び下型33は、カム41,42により押圧され、それぞれが近接方向に移動し、やがて図16の(b)に示すように当接する。これにより、シート束の一端部には、半抜き部が形成される。なお、このように半抜き部を形成した後、さらにカム41,42が回転すると、カム41,42による押圧が解除され、上型32及び下型33は、スプリング45により、図16の(c)に示す位置に戻るようになる。
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
図17は、本実施の形態に係わるシート処理装置の構成を示す図である。なお、図17において、既述した図2と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図17において、51は穿孔装置であり、この穿孔装置51は、図18の(a)に示すように、シート束を挟持しながら回転移動する上下2個からなる円盤状の型である刃型52,53を備えている。なお、この刃型52,53の円周上には、図18の(b)に示すように、半抜きを行うための刃54とそれと噛み合う噛み合い刃55が設けられている。
そして、このような円盤状の刃型52,53が回転することで、それぞれ対となる刃54と噛み合い刃55が刃型52,53の当接部に来ると、図19に示すような半抜き動作が行われる。
ここで、本実施の形態において、円盤状の刃型52,53の刃54及び噛み合い刃55の向きは、用途に応じて全て同一方向を向くように、あるいは複数の方向に向くように設定することができるようになっている。また、この刃54及び噛み合い刃55の回転方向(進行方向)に対して傾斜した傾斜面の方向は、シートにくい込む方向に配置されている。
そして、刃型52,53は、図19に示すように、刃54の傾斜部56に対して逆の方向、つまりは鋭利部分が最初にシートに突き刺さす方向に回転するようにしている。そして、このように構成することにより、シートに対して刃54が十分にくい込むので、より好適に半抜きを行うことができる。
次に、このような構成の穿孔装置51による半抜き動作について図20を用いて説明する。
まず、図20の(a)に示すように、綴じ部17にシートPが搬送され、このシートP対し、不図示のパドル部材や横レジ整合部材による幅方向の整合動作を行う。そして、この後、シートが搬送されるたびに整合動作を行い、これにより図20の(b)に示すように、幅方向が整合されたシート束PAが形成される。
次に、このようにして形成されたシート束PAを図20の(c)に示すように、シート押さえ部材57によって押えつけることにより、シート束PAを拘束する。この後、2個の円盤状の刃型52,53を、図20の(d)に示すように、シート束PAの後端部に沿って挟持しながら回転移動させる。
これにより、シート束PAの後端部には図20の(e)に示すように、所定の間隔で半抜き部35が形成される。そして、このような半抜き部35の形成によりシート束PAに対する綴じが終了した後、シート束PAを排紙トレイ21上に排出する。
ここで、本実施の形態において、用途に応じて刃型52,53を交換することができるようになっている。この結果、半浮き方向のバラツキ具合と半抜き個数との組み合わせによるシート束の綴じ部おける締結力を調整することができる。つまり、本実施の形態においては、用途に応じて円盤状の刃型52,53を交換することにより、用途に合った締結力のシート綴じを行うことができる。
ところで、本実施の形態においては、積載が終了したシート束が静止している状態で円盤状の刃型が移動することで半抜き部を形成する構成について説明したが、積載が終了したシート束を円盤状の刃型52,53の方向に移動させるようにしても良い。
図21は、このような本発明の第4の本実施の形態に係わるシート処理装置の構成を示す図である。なお、図21において、既述した図2と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図21において、58は穿孔装置であり、この穿孔装置58は、シート束を挟持しながら回転する上下2個からなる円盤状の型である刃型59,60を備えている。なお、本実施の形態において、穿孔装置58は、シート束の、シート排出方向と平行な側端部に沿って半抜き部を形成するようになっている。また、この刃型59,60の円周上には、既述した図18の(b)に示すような半抜きを行うための刃と、それと噛み合う噛み合い刃が設けられている。
次に、このような構成の穿孔装置58による半抜き動作について図22を用いて説明する。
まず、図22の(a)に示すように、綴じ部17にシートPが搬送され、このシートPに対し、不図示のパドル部材や横レジ整合部材による幅方向の整合動作を行う。そして、この後、シートPが搬送されるたびに整合動作を行い、これにより図22の(b)に示すように、幅方向が整合されたシート束PAが形成される。
次に、このようにして形成されたシート束PAを図22の(c)に示すように、シート押さえ部材61によって押えつけることにより、シート束PAを拘束する。この後、図22の(d)に示すように、シート束PAを回転している円盤状の刃型59,60に向けて搬送する。
これにより、シート束PAの側端部には、刃型59,60の回転により図22の(e)に示すように、所定の間隔で半抜き部35が形成される。そして、このような半抜きの形成によりシート束PAに対する綴じが終了した状態で、シート束PAを排紙トレイ21上に排出する。
なお、このように半抜き部35を形成するためシート束PAを移動させるようにすれば、次のシート束を生成するためのシートを、先行するシート束と入れ替わるように綴じ部17に搬送することができる。この結果、生産性を高めることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の一例である複写機の構成を示す図。 上記シート処理装置の構成を示す図。 上記複写機の制御ブロック図。 上記シート処理装置の処理モードの選択の手順を示すフローチャート。 上記処理モードがモード4の場合のシート処理装置の動作を説明する第1の図。 上記処理モードがモード4の場合のシート処理装置の動作を説明する第2の図。 上記処理モードがモード4の場合のシート処理装置の動作を説明する第3の図。 上記モード4により複数の半抜きによる綴じが行われた成果物としてのシート束を説明する図。 上記半抜きにより形成される半抜き部の形状を示す図。 上記半抜き部の形成動作を示す図。 上記半抜き部の方向とシート束の開放を規制する力の関係を説明する第1の図。 上記半抜き部の方向とシート束の開放を規制する力の関係を説明する第2の図。 上記半抜きを形成する穿孔装置の構成を説明する図。 本発明の第2の実施の形態に係るシート処理装置の概略構成を示す図。 上記シート処理装置に設けられた穿孔装置の構成を説明する図。 上記穿孔装置の動作説明図。 本発明の第3の実施の形態に係るシート処理装置の概略構成を示す図。 上記シート処理装置に設けられた穿孔装置の構成を説明する図。 上記穿孔装置の半抜き動作を説明する図。 上記穿孔装置の半抜き部形成動作を示す図。 本発明の第4の実施の形態に係るシート処理装置の概略構成を示す図。 上記シート処理装置に設けられた穿孔装置の半抜き部形成動作を示す図。
符号の説明
1 複写機
1A 複写機本体
2 シート処理装置
8 画像形成部
18 ステイプル装置
19 穿孔装置
19A 上型部
19B 下型部
23 半抜き部
29,30 刃型
32 上型
33 下型
34 穿孔装置
37,38 刃保持部材
39 刃型
51 穿孔装置
52,53 円盤状の刃型
54 刃
55 噛み合い刃
58 穿孔装置
59,60 円盤状の刃型
700 CPU回路部
711 シート処理装置制御部
l1 半抜き部の最大幅
l2 半抜き部の折り目の幅
P シート
P1,P3 カバーシート
P2 出力シート(中間シート)
PA シート束

Claims (10)

  1. シートを処理するシート処理装置において、
    重ねたシートを綴じ合わせるため非加工部を残した抜き孔加工を行って複数の半抜き部を形成する半抜き処理部を備え、
    シートを重ねて綴じ合わせる力を調整するために前記半抜き処理部により形成される複数の半抜き部の非加工部の形成方向を変更可能にしたことを特徴とするシート処理装置。
  2. 前記半抜き処理部は、半抜き用の複数の刃を有すると共に、それぞれロータリ状に、かつ対向して配置された複数の型を備え、前記複数の型のうち形成する前記半抜き部の非加工部の形成方向に応じた型を選択して半抜き部を形成することを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
  3. 前記半抜き処理部は、独立して向きを変更可能な半抜き用の複数の刃を有する型を備え、形成する前記半抜き部の非加工部の形成方向に応じて前記刃の向きを変更することを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
  4. シート束の表紙と裏表紙の長さを、前記表紙及び前記裏表紙の間に挟まれた中間シートよりも長くし、前記表紙及び前記裏表紙の前記中間シートよりも長い側の端部に前記複数の半抜き部を形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  5. 前記半抜き部は、半抜き用の複数の刃を有すると共に、シート束の他端部を挟持しながら回転する交換可能な2個の円盤状の型を備え、前記円盤状の型を形成する前記半抜き部の非加工部の形成方向に応じた型により半抜き部を形成することを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
  6. 前記2個の円盤状の型は、静止した状態のシート束に沿って回転移動して半抜き部を形成することを特徴とする請求項5記載のシート処理装置。
  7. 前記2個の円盤状の型は、搬送されるシート束を挟持しながら回転して半抜き部を形成することを特徴とする請求項5記載のシート処理装置。
  8. 前記円盤状の型の刃は、前記円盤状の型の回転方向に傾斜した傾斜面を有していることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  9. 前記半抜き部は、前記半抜き部の最大幅に対し前記半抜き部の非加工部の形成部分の幅が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート処理装置。
  10. 画像形成部と、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシート処理装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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