JP2011209462A - 画像形成システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の画像形成システム1は、長辺および短辺を有する用紙Sを、短辺を搬送方向先端とする向きおよび長辺を搬送方向先端とする向きのいずれか一方にて供給する第1の用紙供給用積載部61と、供給された用紙Sに画像を形成する画像形成部5と、画像が形成された複数の用紙Sを、それぞれの重ね合わせた記録材の束として積載するコンパイル用積載部35と、積載された用紙Sの束における第1の端部側を綴じるステープラ40と、第2の端部側を綴じる針無綴じ装置50と、供給される用紙Sの向きに基づいて、ステープラ40および針無綴じ装置50の動作を制御する制御部80とを含む。
【選択図】図1
Description
請求項3記載の発明は、前記制御手段は、記録材に対する画像の向きと前記第1の綴じ処理および前記第2の綴じ処理の位置とに基づいて、さらに、前記画像形成手段が前記記録材の束を構成するそれぞれの記録材上に形成する画像の向きを回転させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成システムである。
請求項4記載の発明は、前記第2の綴じ手段による前記第2の綴じ処理は、前記第1の綴じ手段による前記第1の綴じ処理よりも綴じが解放しやすいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成システムである。
請求項5記載の発明は、前記制御手段は、前記記録材の束に対し前記第1の綴じ手段による前記第1の綴じ処理を行わせた後に前記第2の綴じ手段による前記第2の綴じ処理を行わせることを特徴とする請求項4記載の画像形成システムである。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、複数の記録材によって構成される記録材の束と記録材の束に施される綴じ処理の位置との関係を満足させる機会をさらに増加させることができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、複数の記録材によって構成される記録材の束と記録材の束に施される綴じ処理の位置との関係を満足させる機会をさらに増加させることができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、記録材の束における第1の端部の綴じを維持しつつ、第2の端部の綴じを開くことが容易になる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、複数の綴じ処理が施された記録材の束において、記録材の束を構成する各記録材の揃えの乱れを抑制することができる。
<画像形成システム1>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システム1を示す概略構成図である。図1に示す画像形成システム1は、例えば、電子写真方式によって画像を形成するプリンタや複写機等の画像形成装置2と、画像形成装置2によって例えばトナー像が形成された用紙Sに後処理を施す用紙処理装置3とを備えている。
画像形成装置2は、画像が形成される用紙Sを供給する用紙供給部6と、画像形成手段の一例であり、用紙供給部6から供給された用紙Sに画像を形成する画像形成部5と、反転搬送手段の一例であり、この画像形成部5で画像が形成された用紙Sの面を反転させる、画像形成装置2から着脱可能な用紙反転装置7と、画像が形成された用紙Sを排出する排出ローラ9とを備える。また、画像形成装置2は、ユーザから綴じ処理に関する情報を受け付けるユーザ・インターフェイス90を備えている。
用紙供給部6は、供給手段の一例であり、用紙Sを内部に積載しその用紙Sを画像形成部5に供給する第1の用紙供給用積載部61および第2の用紙供給用積載部62を有する。また、用紙供給部6は、第1の用紙供給用積載部61の内部に備えられた用紙Sの有無について検知する第1の用紙供給用センサ63と、第2の用紙供給用積載部62の内部に備えられた用紙Sの有無を検知する第2の用紙供給用センサ64とを有する。
用紙処理装置3は、画像形成装置2から出力された用紙Sを更に下流側に搬送する搬送装置10と、例えば用紙Sを集めて束ねるコンパイル用積載部35や用紙Sの端部を綴じるステープラ40などを含む後処理装置30とを備えている。また、用紙処理装置3は、制御手段の一例であり、画像形成システム1全体を制御する制御部80を備えている。
用紙処理装置3の搬送装置10は、画像形成装置2の排出ローラ9を介して出力される用紙Sを受け取る一対のローラである入口ローラ11と、この入口ローラ11にて受け取られた用紙Sに必要に応じて穴あけを施すパンチャ12とを備えている。また、搬送装置10は、パンチャ12のさらに下流側に、用紙Sを下流側へと搬送する一対のローラである第1搬送ローラ13と、後処理装置30に向けて用紙Sを搬送する一対のローラである第2搬送ローラ14とを有する。
更に、後処理装置30は、コンパイル用積載部35に集積された用紙Sの束の端部を、第1の綴じ手段の一例であり、ステープル針41を用いて綴じるステープラ40と、第2の綴じ手段の一例であり、ステープル針41(図6参照)を用いることなく用紙Sの束の端部を綴じる針無綴じ装置50とを備える。また、後処理装置30は、用紙Sの束を排出するための開口部69と、後処理後の用紙束をユーザが取りやすいようにして積み重ねるスタッカ70とを備えている。
次に、図2および図3を用いて、コンパイル用積載部35、およびその周囲に設けられるステープラ40および針無綴じ装置50等を説明する。ここで、図2は、コンパイル用積載部35周辺を示す概略構成図であり、図3は、図2の矢印III方向から見たコンパイル用積載部35周辺の概略構成図である。なお、図3における下側は図1における紙面手前側である。また、図3においては、簡略化のためイジェクトロール39など一部の部材は図示されていない。
すなわち、エンドガイド35bは、第2の進行方向S2に沿って搬送される用紙Sの先端側に、サイドガイド35cは、第2の進行方向S2に沿って搬送される用紙Sの一方の側端部側に、それぞれ配置される。つまり、エンドガイド35bは、底部35aに沿って落下する用紙Sの進行方向先端側の端部を揃えるよう構成され、サイドガイド35cは、底部35aに沿って落下する用紙Sの落下方向と略平行である、用紙Sの一方の側端部を揃えるよう構成されている。なお、本実施の形態において、略直交とは直交を含み、略平行とは平行を含む。
すなわち、本実施の形態におけるコンパイル用積載部35の底部35aの各端部を、用紙Sがコンパイル用積載部35の底部35aの上面に沿って落下する方向を示す第2の進行方向S2との関係において定義すると、底部35aの第2の進行方向S2の先端側の端部をエンドガイド側端部Taと呼ぶ。このエンドガイド側端部Taは、エンドガイド35bと接触する端部である。
次に、エンドガイド側端部Taと対向する端部、すなわち底部35aの第2の進行方向S2の後側の端部を非エンドガイド側端部Tcと呼ぶ。
また、第2の進行方向S2の方向に延伸する端部であってサイドガイド35cが設けられている側の端部を、サイドガイド側端部Tbと呼ぶ。このサイドガイド側端部Tbはサイドガイド35cと接触する。
さらにまた、サイド側端部Tbと対向する端部、すなわち第2の進行方向S2の方向に延伸する端部であって、サイドガイド35cが設けられている側と逆側の端部を、非サイドガイド側端部Tdと呼ぶ。
ステープラ40は、ステープル針41を一つずつ用紙Sに押し込むことにより、コンパイル用積載部35に収容された用紙Sの束の端部を綴じるよう構成されている。ステープラ40は、コンパイル用積載部35の周囲を移動可能に設けられている。具体的には、ステープラ40は、コンパイル用積載部35の周囲に設けられた図示しないステープラ用レール上に移動可能(図3の矢印A参照)に備えられており、図示しないステープラモータを駆動源としてステープラ用レール上を移動するよう構成されている。尚、ステープラ40は、ユーザ側(図3の下側)に配置可能であり、ステープル針41の補充等ステープラ40に対する作業をより容易に行うことができる構成である。
そして、このステープラ用レールは、コンパイル用積載部35に備えられたエンドガイド35bの長手方向(図3における上下方向)と略平行に延伸する部分と、サイドガイド35cの長手方向(図3における水平方向)と略平行に延伸する部分と、これらの部分を連結する角部分とからなる。このことにより、図3に示すように、ステープラ40は、エンドガイド側端部Ta、サイドガイド側端部Tbにおいてステープルが可能となり、さらに各端部におけるステープルの位置は任意に変更可能である(図3の40a〜40d参照)。なお、本実施の形態において、ステープラ用レールの位置はコンパイル用積載部35に対して固定されている。また、本実施の形態において、ステープラ40のホームポジションはエンドガイド35bの長手方向と略平行に延伸する部分とサイドガイド35cの長手方向と略平行に延伸する部分とを連結する角部分でステープル針41を押し込む位置(図3の40c参照)である。
針無綴じ装置50は、ステープル針41を用いることなく、コンパイル用積載部35に収容された用紙Sの束の端部を綴じるよう構成されている(後述)。さらに、針無綴じ装置50は、コンパイル用積載部35の周囲に移動可能に設けられている。具体的には、針無綴じ装置50は、コンパイル用積載部35の周囲に設けられた図示しない針無綴じ装置用レール上に移動可能(図3の矢印B参照)に備えられており、図示しない針無綴じ装置モータを駆動源として針無綴じ装置用レール上を移動するよう構成されている。尚、針無綴じ装置50は、ステープラ40と異なりステープル針41の補充が必要ない。
また、図示しない針無綴じ装置用レールの位置は、コンパイル用積載部35に供給される用紙Sの用紙サイズや向きに応じて変化させることができる。具体的には、針無綴じ装置用レールとエンドガイド35bとの距離、あるいは針無綴じ装置用レールとサイドガイド35cとの距離を変化させるよう、針無綴じ装置用レールが移動可能なように構成されている(図3の矢印B1およびB2参照)。
エンボス加工部53は、凸部53aと受け部53bとからなる。凸部53aは上側押圧部52aに、受け部53bは下側押圧部52bにそれぞれ備えられており、凸部53aと受け部53bとは、その間に備えられる用紙Sを加工するよう構成されている。
ここで、本実施の形態において、ステープラ40と針無綴じ装置50とは、用紙Sの束の端部を綴じる位置が重複しない関係である。このことは、図3に示されるように、ステープラ40の移動可能な範囲(図3の矢印A参照)と、針無綴じ装置50の移動可能な範囲(図3の矢印B参照)とが重複しないことによるものである。つまり、ステープラ40が配置できる範囲には針無綴じ装置50が配置できず、針無綴じ装置50が配置できる範囲にはステープラ40が配置できないため、ステープラ40が用紙Sの束を綴じる位置と針無綴じ装置50が用紙Sの束を綴じる位置とは重複しない。
さて、本実施の形態における用紙Sは、長方形(正方形を含む)であり、2本の長辺、2本の短辺、表面、裏面を有する。ここで、用紙Sの表面とは用紙Sが有する面のうち画像が形成される側の面を指し、用紙Sの裏面とは用紙Sが有する面のうち画像が形成される側の面と反対側の面を指す。なお、用紙Sの両面に画像が形成される場合における用紙Sの表面は、最後に画像が形成された側の面をいう。
次に、図5を参照しながら、画像形成がなされた用紙Sの各端部Sa〜Sdについて説明し、さらにこの用紙Sの各端部Sa〜Sdとコンパイル用積載部35の底部35aの各端部Ta〜Tdとの関係を説明する。なお、図5は、(I)縦長および横長の画像と用紙Sの関係を説明するための図であり、(II)は画像形成がなされた用紙Sとコンパイル用積載部35との関係を説明するための概念図である。
図5(I)(a)および(b)に示すように、画像形成がなされた用紙Sにおいて、画像の上方側の用紙Sの端部を、天側端部Saと呼ぶ。また、画像の下方側の用紙Sの端部を、地側端部Scと呼ぶ。さらに、画像の左側の用紙Sの端部を、左側端部Sbと呼ぶ。さらにまた、画像の右側の用紙Sの端部を、右側端部Sdと呼ぶ。
図5(I)(a)に示す縦長の画像を用いた実施の形態においては、天側端部Saおよび地側端部Scは用紙Sの短辺側であるが、図5(I)(b)に示す横長の画像を用いた実施例においては、用紙Sの長辺側が天側端部Saおよび地側端部Scであり、天側端部Saおよび地側端部Scは長辺側あるいは短辺側のいずれであってもよい。
まず、図5(II)に示すように、用紙Sの第2の進行方向S2、すなわち用紙Sがコンパイル用積載部35の底部35aの上面に沿って落下する方向において、第2の進行方向S2の先端側の端部が天側端部Saである。また、用紙Sの裏面がコンパイル用積載部35の底部35aと接する。
そして、用紙Sがコンパイル用積載部35に積載されると、用紙Sの天側端部Saがエンドガイド側端部Taの側に配置される。さらに、用紙Sの左側端部Sbがサイドガイド側端部Tbの側に配置され、用紙Sの地側端部Scが非エンドガイド側端部Tcの側に配置され、用紙Sの右側端部Sdが非サイドガイド側端部Tdに配置される。
なお、図5に示す実施の形態においては、用紙Sの各端部Sa〜Sdとコンパイル用積載部35の底部35aの各端部Ta〜Tdとの関係は上述のようになった。しかしながら、この関係は、コンパイル用積載部35に供給される用紙S(および用紙Sに形成される画像)に応じて変化するものであり、例えば用紙Sの向きが変化することによって、それぞれの端部の関係は変化する(詳細は後述)。
次に、図1〜図9を参照して画像形成システム1の動作について説明する。
ここではまず、図1〜図5を参照して画像形成システム1の基本的な動作の態様を説明した後、図1〜図5に加えて図6〜図11を参照しながら画像形成システム1の詳細な動作の態様を説明する。
なお、図6は、縦長の画像が形成された用紙Sの束に、各綴じ処理を施した例を示す図である。また、図7は、横長の画像が形成された用紙Sの束に、各綴じ処理を施した例を示す図である。図8は、コンパイル用積載部35の上方から見てコンパイル用積載部35に供給される用紙Sに形成された画像の向きを説明するための概念図である。さらに、図9は、制御部80が画像形成および綴じ処理の動作の設定を行う手順を説明するためのフローであり、図10は、制御部80が縦長の画像を形成する際の条件を決定するためのテーブルを示し、図11は、制御部80が横長の画像を形成する際の条件を決定するためのテーブルを示す。
一方、コンパイル用積載部35に用紙Sが積載される状態において、コンパイル用積載部35の上方から見て用紙Sの表面が視認できない状態を、フェイスダウンという。例えば、図8の(II)(a)〜(d)に示される状態は、フェイスダウンである。
まず、画像形成システム1に設けられたユーザ・インターフェイス90は、ユーザから綴じ処理に関する情報を受けつける。ここで、ユーザから受けつける綴じ処理に関する情報としては以下のようなものが挙げられる。すなわち、用紙Sに形成される画像が、用紙Sの一束における枚数、用紙Sの束のどの端部をどの綴じ手段によって綴じるか、さらに、綴じ位置が用紙Sの端部のどの位置であるのかなどについての指示を取得する。
この画像形成および綴じ処理の動作の設定フローについて、図9を参照しながら説明する。まず、制御部80は、ユーザが用紙Sに形成することを望む画像の画像形成データを取得する(S101)。ここで制御部80が取得する画像形成データには、用紙Sに形成される画像そのもののデータのほかに、その画像が用紙Sのどのような向きに形成されるか、例えば用紙Sの短辺を上部とする(縦長の向き)こと、あるいは用紙Sの長辺を上部とする(横長の向き)ことについての情報を含む。
次に、制御部80は、第1の用紙供給用センサ63および第2の用紙供給用センサ64を介して、第1の用紙供給用積載部63および第2の用紙供給用積載部64に積載されている用紙Sの有無についての信号を取得する(S102)。さらに、ユーザ・インターフェイス90がユーザから受け付けた指示、すなわち用紙Sの束が、何枚の用紙Sを一束として綴じるのか、一束における用紙Sの枚数を取得し(S103)、用紙Sの端部のどの位置を、どの綴じ手段によって綴じるのかについての指示を取得し(S104)、フェイスアップとするのか、フェイスダウンとするのかについての指示を取得する(S105)。
一方、制御部80が、S106において適切な指示であると判断した場合、制御部80は、本実施の形態の画像形成システム1(この例においては特に用紙供給部6)によって、ユーザから受け付けた指示の画像の形成および綴じ処理が可能か否かを後述する図10および図11に示すテーブルを用いて判断する(S107)。
なお、以下の説明においては、図5(II)に示されるような態様、すなわち用紙Sの天側端部Saがエンドガイド側端部Taの側に配置され、用紙Sの左側端部Sbがサイドガイド側端部Tbの側に配置され、さらに用紙Sの裏面がコンパイル用積載部35の底部35aと接するような態様で、画像形成がなされた用紙Sがコンパイル用積載部35に供給される場合を用いて説明をする。また、一束あたり3枚の用紙Sによって、用紙Sの束が形成されるものとする。
その後、画像が形成された用紙Sは、排出ローラ9を介して、1枚ごとに用紙処理装置3に供給される。
そして、1番目の用紙Sは、図2に示すパドル37の矢印R方向の回転により、図2の第2の進行方向S2方向に押し込まれる。したがって、用紙Sは、第1の進行方向S1とは逆方向となる、第2の進行方向S2の方向に沿って搬送されことから、用紙Sの搬送方向に対して先端側の端部と後端側の端部とが前後入れ替わる。
そして、この1番目の用紙Sの天側端部Saがエンドガイド35bと接触する。その後、パドル37は上昇(図2の矢印U2方向に移動)する。さらに、タンパ38を駆動させ、タンパ38は、1番目の用紙Sの右側端部Sdを押し、1番目の用紙Sの左側端部Sbがサイドガイド35cに接触する。
まず、ステープラ40がホームポジション(図3の40cの位置)から移動し、ステープル針41を押し込む位置に配置される。その位置において、一つのステープル針41を用紙Sの束に押し込むことで、用紙Sの束の端部が綴じられる。
その後、針無綴じ装置50がホームポジション(図3の50cの位置)から移動し、エンボス痕51が形成される位置に配置される。その位置において、針無綴じ装置50の上側押圧部52aと下側押圧部52bとが接近することにより、凸部53aと受け部53bとが用紙Sの束を挟んで噛み合う。このことにより、各用紙Sにエンボス痕51が形成されて、用紙Sの束の端部が綴じられる。なお、エンボス痕51は、積載された3枚の用紙S全てにわたって形成されており、積載された各用紙Sが互いに噛み込むことにより用紙Sの束が綴じられる。いわば用紙Sの束が圧着された状態となる。
まず、図6および図7を用いて、本実施の形態における後処理装置30によって、用紙Sの束が様々な態様で綴じ処理を施され得ることを説明する。ここで、図6および図7において、黒色の四角形で示されたステープル針41は、ステープラ40によって用紙Sの束が綴じられた箇所を示し、白色の四角形で示されたエンボス痕51は、針無綴じ装置50によって用紙Sの束が綴じられた箇所を示す。さらに、図6および図7は、用紙Sの束に対し、ステープル処理および針無綴じ処理をそれぞれ1ヶ所ずつ行った場合を例示している。
また、図6(2)〜(12)に示される用紙Sの束においても、ステープル針41とエンボス痕51とが用紙Sの束の異なる端部に配置されている。
さらに、図7に示された横長の画像が形成された用紙Sの束においても、同様である。すなわち、図7(13)〜(24)に示される用紙Sの束においても、ステープル針41とエンボス痕51とが用紙Sの異なる端部に配置されている。
さて、上述のように図6および図7によって、本実施の形態の画像形成システム1によって、様々な態様で用紙Sの束に綴じ処理を施すことが可能であることを説明した。
しかしながら、上述のようにステープラ40の移動可能な範囲(図3の矢印A参照)および針無綴じ装置50の移動可能な範囲(図3の矢印B参照)には制限があるため、本実施の形態の画像形成システム1は次のような動作を行う。すなわち、画像形成システム1は、必要に応じて、用紙Sに形成する画像の向きを変更して画像形成を行い、さらに必要に応じて、向きが異なる用紙Sに画像形成を行う。このことを、図8を参照しながら説明する。なお、ここでは、図5(I)(a)に示されるような、縦長の画像が用紙Sに形成された場合を用いて説明をするが、横長の画像を用いた場合も同じである。
また、図8(I)はフェイスアップの状態を示し、同図において着色された「A」は、紙面手前側に画像が形成されていることを示す。一方、図8(II)はフェイスダウンの状態を示し、同図において破線で描かれた「A」は、紙面奥側(裏面側)に画像が形成されていることを示す。
ここでは、まず、フェイスアップで画像が形成された状態である図8(I)について説明し、その後にフェイスダウンで画像が形成された状態である図8(II)について説明する。
(a)0°
本実施の形態における、基本用紙供給態様を示す画像および用紙Sの向きであり、用紙Sの天側端部Saをエンドガイド側端部Ta(第2の進行方向S2の先端)側に配置し、用紙Sの左側端部Sbをサイドガイド側端部Tb側(図中の下側)に配置して搬送される。基本用紙供給態様は、用紙Sの短辺を第2の進行方向S2の先端として、搬送される。
(b)180°
本実施の形態における、基本用紙供給態様から画像を180°回転させた状態で画像が形成され、用紙Sの地側端部Scをエンドガイド側端部Ta(第2の進行方向S2の先端)側に配置し、用紙Sの右側端部Sdをサイドガイド側端部Tb側(図中の下側)に配置して搬送される。なお、本態様は、用紙Sの短辺を第2の進行方向S2の先端として搬送され、この点は、基本用紙供給態様と共通する。
(c)90°
本実施の形態における、基本用紙供給態様から画像を90°回転させた状態で画像が形成され、用紙Sの左側端部Sbをエンドガイド側端部Ta(第2の進行方向S2の先端)側に配置し、用紙Sの地側端部Scをサイドガイド側端部Tb側(図中の下側)に配置して搬送される。なお、本態様は、用紙Sの長辺を第2の進行方向S2の先端として搬送される。
(d)270°
本実施の形態における、基本用紙供給態様から画像を270°回転させた状態で画像が形成され、用紙Sの右側端部Sdをエンドガイド側端部Ta(第2の進行方向S2の先端)側に配置し、用紙Sの天側端部Saをサイドガイド側端部Tb側(図中の下側)に配置して搬送される。なお、本態様は、用紙Sの長辺を第2の進行方向S2の先端として搬送される。
(a)0°
本実施の形態における、基本用紙供給態様と同様に、画像の角度は0°である。上述のように用紙反転装置7を駆動させることにより、基本用紙供給態様とは用紙Sの表面および裏面が上下入れ替わり、結果として基本用紙供給態様とは用紙Sの左側端部Sbと、右側端部Sdとを入れ替えた状態で、用紙Sの天側端部Saをエンドガイド側端部Ta(第2の進行方向S2の先端)側に配置し、用紙Sの右側端部Sdをサイドガイド側端部Tb側(図中の下側)に配置して搬送される。
(b)〜(d)
その他の態様である、(b)180°、(c)90°、(d)270°については、図8(I)の説明と同様に、図8(II)(a)の状態から、画像を180°、90°、270°それぞれ回転させて画像を形成した後、コンパイル用積載部35に用紙Sを供給する状態を示す。
次に、図10および図11を用いて、図6および図7に示す用紙Sの束の綴じを実行する場合について説明をする。この図10および図11に示される内容は、制御部80の図示しない記憶部に記憶されている。そして、制御部80は同内容に基づき、ユーザから受け付けた指示の画像の形成および綴じ処理が可能か否かを判断し、画像の形成および綴じ処理が可能と判断した場合は、同内容に基づき各構成部へ駆動信号の出力等を行う。
具体的には、「ステープル」および「エンボス」は、ステープル針41およびエンボス痕51が配置される用紙Sの端部をそれぞれ示す。この欄において、「天」は天側端部Saが綴じられることを示し、以下同様に「地」は地側端部Sc、「左」は左側端部Sb、「右」は右側端部Sdがそれぞれ綴じられることを示す。
「回転角度」は、画像形成部5が形成する画像の角度を示し、「0°」、「180°」、「90°」および「270°」は、それぞれ画像形成部5から用紙Sを見た時計回りの角度である。
「反転有無」は、用紙反転装置7によって反転するステップの有無を示す。
「エンボス位置(Tc or Td)」は、針無綴じ装置50が綴じを施すコンパイル用積載部35の底部35aの端部を示し、「Tc」は非エンドガイド側端部Tc、「Td」は非サイドガイド側端部Tdを示す。
それに対し、「SEFのみ」および「LEFのみ」はそれぞれ、SEFおよびLEFのいずれかの搬送方向のみに用紙Sを供給可能である状態を示す。これは、例えばLEFの方向に供給する用紙Sが用紙切れである場合などである。
さらに、「○」は、その条件での画像形成が実行可能であり、かつその条件で実行することが優先して選択されることを示す。「△」は、その条件が実行可能であり、かつその条件で実行することが優先して選択はされないことを示す。
符号(1)の場合は、図6(1)に示すように、ステープル針41が天側端部Saに配置され、エンボス痕51が地側端部Scに配置される。
まず、用紙反転装置7が画像形成装置2に備えられている場合で、かつSEFおよびLEFのいずれの搬送方向にも用紙Sを供給可能である場合であれば、「用紙供給部」「SEF&LEF」の欄を参照することになる。そして、「SEF&LEF」の欄は、使用用紙がSEFに対応する欄に「△」が示され、それに対し、使用用紙がLEFに対応する欄に「○」が示されている。上述のように「○」で示された条件で実行することが優先されることから、使用用紙がLEFすなわち、用紙Sの一方の長辺が先端となる方向で用紙Sが搬送されることが選択される。この場合の画像形成の角度は、270°であり、「反転有無」は「無」であるから、用紙反転装置7による用紙Sの反転はない。また、ステープル針41が配置される位置はTa、エンボス痕51が配置される位置はTcとなる。
これに対し、同条件で、供給される用紙Sが「SEFのみ」あるいは「LEFのみ」の場合には、それぞれの欄において「○」が1つ示されているのみであり、それぞれの「○」が示された行の条件が選択されることとなる。
例えば、複数の用紙S(1からN)に形成された画像を図示しない読込手段(スキャナ等)によって読み込む場合、スキャナに供給された用紙Sの順番(ここでは1からNの順番)で、スキャナは画像を読み込む。そして、この読み込んだ画像に基づいてフェイスアップで画像が形成される場合、制御部80は、画像形成部5によって1からNの順番で用紙Sに画像を形成するよう画像データの出力を行う。
一方、フェイスダウンで画像が形成される場合、コンパイル用積載部35に積載される用紙Sの表面と裏面とが上下入れ替わるために、制御部80は、画像形成部5によって形成する画像の順番を入れ替え、逆順で画像を形成するよう画像データの出力を行う。上述の例では、制御部80は、Nから1の順番の順番でトナー像を形成するよう画像形成部5に画像データの出力を行う。
なお、例えば図10における「符号」「(1)」の条件、すなわち、「ステープル」が「天」であり、「エンボス」が「地」の場合は、いずれも「反転有無」の欄は、「無」が示されている。この場合図10および図11とも同じように条件を設定する。すなわち、「反転有無」を「有」とし、用紙反転装置7を駆動させる条件で画像形成を行う。
具体的には、「用紙S」が「LEF」の場合で、「回転角度(°)」が「270」、「ステープル位置(Ta or Tb)」が「Ta」、エンボス位置(Tc or Td)」が「Tc」、「用紙供給部」の「SEF&LEF」が「○」、「SEFのみ」が「―」、「LEFのみ」が「○」、という条件となる。
他の条件、例えば図10における「符号」(4)、(7)および(10)の条件なども同様に条件が定まる。
図12は、針無綴じ装置の他の構成例と針無綴じ処理がなされた用紙Sの束を説明するための図である。この針無綴じ装置500は、図12(a)に示すように基台501と底部材502の間に用紙Sの束を挟んだ状態で、基部503を図中F1方向に押下することにより、以下に説明する機構で用紙Sの束を綴じる。
Claims (5)
- 長辺および短辺を有する記録材を、当該短辺を搬送方向先端とする第1の向きおよび当該長辺を搬送方向先端とする第2の向きのいずれか一方にて供給する供給手段と、
前記供給手段から供給された記録材に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成された複数の記録材を、それぞれの第1の端部および当該第1の端部とは異なる第2の端部を揃えた状態で重ね合わせた記録材の束として積載する積載手段と、
前記積載手段に積載された前記記録材の束における前記第1の端部側を、第1の綴じ処理にて綴じる第1の綴じ手段と、
前記積載手段に積載された前記記録材の束における前記第2の端部側を、第2の綴じ処理にて綴じる第2の綴じ手段と、
前記供給手段から供給される記録材の向きに基づいて、前記第1の綴じ手段および前記第2の綴じ手段の動作を制御する制御手段と
を含む画像形成システム。 - 前記画像形成手段によって画像が形成された記録材の表裏を反転して前記積載手段に搬送する反転搬送手段をさらに含み、
前記制御手段は、記録材に対する画像の向きと前記第1の綴じ処理および前記第2の綴じ処理の位置とに基づいて、さらに、前記反転搬送手段による反転搬送の可否を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。 - 前記制御手段は、記録材に対する画像の向きと前記第1の綴じ処理および前記第2の綴じ処理の位置とに基づいて、さらに、前記画像形成手段が前記記録材の束を構成するそれぞれの記録材上に形成する画像の向きを回転させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成システム。
- 前記第2の綴じ手段による前記第2の綴じ処理は、前記第1の綴じ手段による前記第1の綴じ処理よりも綴じが解放しやすいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成システム。
- 前記制御手段は、前記記録材の束に対し前記第1の綴じ手段による前記第1の綴じ処理を行わせた後に前記第2の綴じ手段による前記第2の綴じ処理を行わせることを特徴とする請求項4記載の画像形成システム。
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