JP2009045666A - 鋼の連続鋳造用モールドフラックスおよびそれを用いた連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋳片表層部における気泡性欠陥の発生を防止することのできる鋼の連続鋳造用モールドフラックス、およびそれを用いた鋼の連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】CaOおよびSiO2を主成分とするモールドフラックスであって、CaOとSiO2との質量含有率の比である塩基度が1.5以上であり、かつ付着水および結晶水の合計含有率が0.9質量%以下である鋼の連続鋳造用モールドフラックス、およびそのモールドフラックスを用いる鋼の連続鋳造方法である。前記の連続鋳造方法において、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度は25℃を超え45℃以下とすることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、モールドフラックスからのガス成分の発生を抑制することにより、鋳片内における気泡性欠陥の発生を防止することのできる鋼の連続鋳造用モールドフラックス、および気泡性欠陥の発生を防止できる鋼の連続鋳造方法に関する。
鋼の連続鋳造において、鋳型内へ溶鋼を供給するための漬浸ノズルは、鋳造時間の経過とともに閉塞が進行することが多い。これは、精錬過程で生じるアルミナを主成分とする非金属介在物が漬浸ノズルの内壁に付着し、その堆積が進行することによる。浸漬ノズルの閉塞が著しくなると、鋳型内への溶鋼の供給が不安定になり、鋳型内における湯面変動が増大して、鋳造された鋳片の性状を悪化させるだけでなく、連続鋳造操業自身に支障をきたすこととなる。
このような浸漬ノズルの閉塞を防止するために、例えば特許文献1には、浸漬ノズル内へアルゴンガスなどの不活性ガスを吹き込みながら鋳造する連続鋳造方法が開示されている。しかし、吹き込まれた不活性ガスが溶鋼とともに鋳型内に浸入すると、この不活性ガスは、溶鋼が鋳型に隣接する外側から凝固することにより形成される凝固殻中に気泡として捕捉され、最終的に鋳片表層部の気泡性欠陥となりやすい。
そこで、上記のような気泡性欠陥の発生を防止するために、前記特許文献1では、不活性ガスの吹き込み量を、浸漬ノズル内に溶鋼のスループットおよび取鍋内スラグの塩基度から求められるガス吹き込み量の上限値以下に調整する方法が提案されている。
しかしながら、浸漬ノズル内の溶鋼中への不活性ガスの吹き込み量を上記のように適正範囲内に調整しても、鋳片表層部における気泡性欠陥の発生を完全に防止することは困難であった。
特開平11−347698号公報(特許請求の範囲、段落[0008]および[0009])
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、浸漬ノズル内に吹き込む不活性ガスの流量制御を行っても、なお発生防止が困難であった鋳片表層部における気泡性欠陥の発生を防止することのできる鋼の連続鋳造用モールドフラックス、およびそれを用いた鋼の連続鋳造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の従来技術の問題を解決し、鋳片表層部における気泡性欠陥の発生を防止できるモールドフラックス、および気泡性欠陥の発生を防止できる鋼の連続鋳造方法について研究開発を進め、下記の(a)〜(c)の知見を得て、本発明を完成させた。
(a)モールドフラックスの構成成分中から発生し、溶鋼中に供給されるガスが、鋳片内の気泡性欠陥の原因となる。したがって、このガスが溶鋼内に浸入し、凝固殻に捕捉されるのを防止することにより、不活性ガスの流量制御を行っても抑止できない気泡性欠陥の発生を防止することができる。
(b)モールドフラックスが溶融して形成される溶融スラグはイオン性融体であるため、気体成分である水蒸気(H2O)や炭酸ガス(CO2)は、水酸化イオン(OH-)や炭酸イオン(CO3 2-)として、溶融スラグ中に存在する。そして、これらの濃度が溶融スラグ中での溶解度を超えると、H2O、COまたはCO2の気泡を生成し、それらの気泡が凝固殻に捕捉された場合に、気泡性欠陥となる。
(c)上記(b)に記載の気泡の生成は、モールドフラックスの組成を、下記の二条件を同時に満足するように調整することにより、抑制することができる。
(c1)モールドフラックスの主成分であるCaOとSiO2との質量含率の比である塩基度(CaO/SiO2)を1.5以上とする。これにより、溶融スラグ中における炭酸イオンの溶解度が増大し、COまたはCO2気泡が発生しにくくなるとともに、H2Oの供給も抑制されるからである。
(c2)モールドフラックス中の付着水および結晶水の合計含有率を0.9質量%以下とする。これにより、溶融スラグへのH2Oの供給が抑制されるからである。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)に示される鋼の連続鋳造用モールドフラックス、ならびに(2)および(3)に示される鋼の連続鋳造方法にある。
(1)CaOおよびSiO2を主成分とするモールドフラックスであって、CaOとSiO2との質量含有率の比である塩基度が1.5以上であり、かつ付着水および結晶水の合計含有率が0.9質量%以下であることを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドフラックス。
(2)前記(1)に記載の連続鋳造用モールドフラックスを用いることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
(3)タンディッシュ内の溶鋼の過熱度が25℃を超え45℃以下であることを特徴とする前記(2)に記載の鋼の連続鋳造方法。
本発明において、「CaOおよびSiO2を主成分とする」とは、モールドフラックス中のCaOおよびSiO2成分の合計含有率が60〜85質量%の範囲内であることを意味する。
「付着水」とは、使用前の原料状態におけるモールドフラックス粒子の表面に吸着された水分を意味し、また、「結晶水」とは、原料状態におけるモールドフラックス粒子中のCaO、SiO2などの成分と結合して水和物の結晶を構成している水分を意味する。
そして、「溶鋼の過熱度」とは、溶鋼の温度から溶鋼の液相線温度を減じた温度差を意味する。
なお、以下の説明においては、モールドフラックスの成分組成または鋼の成分組成に関して、「質量%」を単に「%」とも表記する。
本発明のモールドフラックスは、フラックス中の塩基度(CaO/SiO2)を1.5以上とし、かつ付着水および結晶水の合計含有率を0.9質量%以下と規定したことにより、モールドフラックスからのガス成分の発生を抑制し、鋳片における気泡性欠陥の発生を防止することのできる鋼の連続鋳造用モールドフラックスである。上記のモールドフラックスを用いる本発明の連続鋳造方法によれば、浸漬ノズル内に吹き込む不活性ガスの流量制御を行っても発生防止が困難であった鋳片表層部における気泡性欠陥の発生を防止することができる。
本発明は、前記のとおり、CaOおよびSiO2を主成分とするモールドフラックスであって、塩基度が1.5以上であり、かつ付着水および結晶水の合計含有率が0.9質量%以下である鋼の連続鋳造用モールドフラックス、およびそれを用いた鋼の連続鋳造方法である。以下に、本発明を前記のとおり規定した理由および好ましい態様についてさらに詳細に説明する。
1.モールドフラックスの塩基度(CaO/SiO2
モールドフラックスの主成分であるCaOとSiO2との質量含率の比である塩基度は1.5以上とする。これにより、溶融スラグ中における炭酸イオンまたは水素イオンの溶解度が増大し、COガスまたはCO2ガス気泡の発生が抑制されるとともに、H2Oガスの発生も抑制される。その結果、溶鋼中へのガスの侵入量を低減し、鋳片表層部における気泡性欠陥の発生を防止することができるからである。
また、塩基度は4.0以下とすることが好ましい。塩基度が4.0を超えて高くなると、モールドフラックスの凝固点が過度に上昇して、鋳片と鋳型との間の良好な潤滑作用に支障をきたすおそれが生じるからである。
本発明において、CaO含有率は、モールドフラックス中にCaF2、CaCO3、CaSi2合金などとして配合される全てのCaを酸化物としてのCaOに換算した成分含有率を意味する。
2.モールドフラックス中の付着水および結晶水
前記のとおり、付着水とは、使用前におけるモールドフラックス粒子の表面に吸着された水分を指し、また、結晶水とは、使用前におけるモールドフラックス粒子中のCaO、SiO2などの成分と結合して水和物の結晶を構成する水分を指す。
付着水の含有率は、モールドフラックスを120〜150℃程度に加熱した場合に蒸発する水分の含有率を意味し、加熱後の質量減少率に基づいて求めることができる。また、結晶水の含有率は、付着水を蒸発させた後、さらに高温の950〜1150℃程度に加熱し、その間の質量減少率に基づいて求めることができる。一般には、簡便に求めることのできる付着水の含有率を測定することが多いが、1000℃程度以上の高温では、結晶水も付着水と同様の挙動を示す。
そこで、モールドフラックス中の水分含有率を付着水および結晶水を合計した水分含有率により規定し、その適正範囲を0.9%以下とした。付着水および結晶水の合計含有率が0.9%を超えて高くなると、モールドフラックスの塩基度が1.5以上との条件が満足されていても、溶融スラグ中への水蒸気の供給が増加し、溶鋼中へのガスの浸入量が増加して鋳片表層部における気泡性欠陥が発生しやすくなるからである。気泡性欠陥の発生を一層低減する観点から、付着水および結晶水の合計含有率は0.8%以下とすることが好ましい。
また、付着水および結晶水の合計含有率は、低ければ低いほど好ましいが、モールドフラックスの製造原料の特性や原料の予備処理などの制約から、現実には0.1%以上とすることが好ましい。
3.モールドフラックス中の任意添加成分および好ましい物性
本発明のモールドフラックスには、その凝固点、粘度、表面張力などを調整するために下記の任意添加成分を、それぞれ好適組成範囲内にて必要に応じて含有させることができる。
Al23:モールドフラックスの凝固点を低下させ、または、粘度の上昇量を調整するために、1〜10%の範囲内で含有させることができる。
MgO:モールドフラックスの凝固点を低下させ、または、粘度を低下させるために、0.1〜10%の範囲内で含有させることができる。
Na2O:モールドフラックスの凝固点を低下させ、または、粘度を低下させるために、15%以下の範囲内で含有させることができる。
F:モールドフラックスの凝固点および粘度を低下させ、結晶化を促進させるために、18%以下の範囲内で含有させることができる。
MnO:モールドフラックスの凝固点および粘度を低下させ、さらに、鋳造中における溶融スラグ中へのMnOの移行によるMnO含有率の上昇量を小さくするために、5%以下の範囲内で含有させることができる。
Li2O、B23:モールドフラックスの凝固点および粘度を低下させるために、5%以下の範囲内で含有させることができる。
TiO2:モールドフラックスの粘度を上昇させるために、5%以下の範囲内で含有させることができる。
ZrO2:モールドフラックスの結晶化を促進させるために、5%以下の範囲内で含有させることができる。
モールドフラックスの凝固点は、上記の成分組成を調整することにより950〜1280℃の範囲とすることが好ましい。凝固点が950℃未満の場合には、鋳片に縦割れが発生しやすくなるので好ましくなく、一方、1280℃を超えて高い場合には、鋳片と鋳型との間の潤滑性が十分に維持されなくなり、好ましくないからである。
また、モールドフラックスの1300℃における粘度は0.02〜1.00Pa・sの範囲であることが好ましい。粘度が0.02Pa・s未満では、鋳片と鋳型との隙間へのモールドフラックスの流入量が増加し、モールドフラックスの消費量が増大するので好ましくなく、一方、1.00Pa・sを超えて高いと、鋳片と鋳型との間の潤滑性が維持しにくくなって、好ましくないからである。
4.溶鋼の過熱度など
連続鋳造におけるタンディッシュ内の溶鋼の過熱度は、25℃を超え45℃以下の範囲内とすることが好ましい。タンディッシュ内の溶鋼の過熱度が25℃以下では、鋳型内の溶鋼表面が部分的に凝固してその凝固部分に気泡が捕捉され、鋳片の表層部に気泡性欠陥が発生しやすくなるからである。一方、同過熱度が45℃を超えて高くなると、鋳片の表面に縦割れが発生するおそれが生じ、また、凝固殻の再溶解により鋳片のブレークアウトが発生しやすくなることから、鋳造速度を低下させざるを得なくなって、生産性の低下を余儀なくされるからである。
そして、上記のモールドフラックスは、極低炭素鋼、低炭素鋼および中炭素鋼のいずれを対象とした連続鋳造にも適用可能である。
本発明の連続鋳造用モールドフラックス、および連続鋳造方法の効果を確認するため、下記のとおりのスラブの連続鋳造試験および厚鋼板の製造試験を行って、その結果を評価した。
1.試験方法
表1に示す塩基度ならびに付着水および結晶水含有率を有する2種類のモールドフラックスを用いて、低炭素鋼および中炭素鋼のスラブを連続鋳造により製造した。
Figure 2009045666
本発明例のフラックス番号1のモールドフラックスは、塩基度が1.5〜2.2の範囲であり、付着水および結晶水の合計含有率は0.46〜0.78質量%の範囲であった。一方、比較例のフラックス番号2のモールドフラックスは、塩基度が1.1〜1.3の範囲であり、付着水および結晶水の合計含有率は0.76〜1.76質量%であった。
そして、いずれのモールドフラックスも、凝固点は1190〜1260℃であり、1300℃における粘度は0.02〜0.21Pa・sであった。
表2に、一例として、低炭素鋼の厚鋼板スラブの鋳造条件を示した。
Figure 2009045666
同表に示した例では、垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、300トン(t)の低炭素鋼の溶鋼を、厚さが220〜300mmで、幅が1600〜2300mmのサイズの鋳型内に鋳込んだ。鋳造速度は0.5〜1.0m/minとし、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度は3〜50℃の範囲とした。
鋳造後のスラブ表面の全面をスカーフにより溶削し、その溶削面上に露出した気泡性欠陥の個数を計測した。そして、スラブ表面12.8〜18.4m2当たりの気泡性欠陥の個数に基づいて、下記のとおり気泡性欠陥指数として指数化した。すなわち、5個以下の場合を指数0とし、6〜20個の場合を指数1とし、21〜50個の場合を指数2とし、そして、51個以上場合を指数3とした。
さらに、上記のようにして得られた連続鋳造スラブを圧延して厚鋼板を製造し、厚鋼板製品の不良率を調査した。厚鋼板としては、板厚が10〜40mm、板幅が3000〜3500mmのサイズの範囲内のものを製造した。
また、厚鋼板製品の表層部の品質は、下記に示す方法により厚鋼板製品不良率を求め、この値により評価した。
厚鋼板製品不良率=(不良であった厚鋼板の質量)/(製造した厚鋼板の全質量)×100(%)
2.試験結果
図1に、溶鋼の過熱度とスラブの気泡性欠陥指数との関係を示す。同図(a)は本発明例のモールドフラックスを用いた場合の関係を示し、同図(b)は比較例のモールドフラックスを用いた場合の関係を示す。
本発明例のフラックス番号1のモールドフラックスを用いた連続鋳造試験では、同図(a)に示されたとおり、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度が25℃を超え、45℃以下の範囲内において、気泡性欠陥の全くない鋳片を鋳造することができた。また、溶鋼の過熱度が25℃以下の範囲では気泡性欠陥が発生したが、欠陥発生の程度は、気泡性欠陥指数の値で1の軽微なものであり、この鋳片を素材として厚鋼板を製造しても、厚鋼板の品質に問題を生じることはなかった。
これに対して、比較例のフラックス番号2のモールドフラックスを用いた連続鋳造試験では、同図(b)に示したとおり、タンディッシュ内の溶鋼の過熱度が37℃を超える高温領域において、はじめて気泡性欠陥のない鋳片を鋳造することができた。一方、溶鋼の過熱度が37℃以下の範囲では気泡性欠陥が多数発生し、気泡性欠陥指数が3に達する場合も散見された。
図2は、モールドフラックスを変更して連続鋳造したスラブを素材として圧延により製造した厚鋼板について、その製品不良率の経時的推移を示した図である。
比較例のフラックス番号2のモールドフラックスを用いた21ヶ月間にわたる連続鋳造の比較試験、およびそのスラブを圧延する厚鋼板製造試験を行った後、22ヶ月目から、本発明例のフラックス番号1のモールドフラックスを用いた本発明適用の鋳造試験、およびそのスラブを圧延する厚鋼板製造試験を行った。比較試験の期間においては、厚鋼板製品不良率が0.3〜3.5%の高い範囲にあり、しかもその値が大きく変動していたのに対して、本発明適用の試験期間においては、厚鋼板製品の表層部の品質が大幅に改善され、厚鋼板製品不良率は0.2〜0.3%程度にまで低減した。
以上の結果から、本発明の連続鋳造用モールドフラックス、およびそのフラックスを用いた連続鋳造方法の優れた効果が確認された。
本発明のモールドフラックスは、フラックス中の塩基度(CaO/SiO2)を1.5以上とし、かつ付着水および結晶水の合計含有率を0.9質量%以下と規定したことにより、モールドフラックスからのガス成分の発生を抑制し、鋳片における気泡性欠陥の発生を防止することのできる鋼の連続鋳造用モールドフラックスである。上記のモールドフラックスを用いる本発明の連続鋳造方法によれば、浸漬ノズル内に吹き込む不活性ガスの流量制御を行っても発生防止が困難であった鋳片表層部における気泡性欠陥の発生を防止することができる。したがって、本発明のモールドフラックスおよび連続鋳造方法は、気泡性欠陥を有しない表層部の健全な高品質の鋳片を安定して製造できる技術として、連続鋳造工程において広範に適用できる。
溶鋼の過熱度とスラブの気泡性欠陥指数との関係を示す図であり、同図(a)は本発明例のモールドフラックスを用いた場合の関係を示し、同図(b)は比較例のモールドフラックスを用いた場合の関係を示す。 鋳造されたスラブを用いて製造した厚鋼板の製品不良率の経時的推移を示す図である。

Claims (3)

  1. CaOおよびSiO2を主成分とするモールドフラックスであって、CaOとSiO2との質量含有率の比である塩基度が1.5以上であり、かつ付着水および結晶水の合計含有率が0.9質量%以下であることを特徴とする鋼の連続鋳造用モールドフラックス。
  2. 請求項1に記載の連続鋳造用モールドフラックスを用いることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  3. タンディッシュ内の溶鋼の過熱度が25℃を超え45℃以下であることを特徴とする請求項2に記載の鋼の連続鋳造方法。
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