JP5929744B2 - 丸鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

丸鋳片の連続鋳造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5929744B2
JP5929744B2 JP2012282690A JP2012282690A JP5929744B2 JP 5929744 B2 JP5929744 B2 JP 5929744B2 JP 2012282690 A JP2012282690 A JP 2012282690A JP 2012282690 A JP2012282690 A JP 2012282690A JP 5929744 B2 JP5929744 B2 JP 5929744B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
continuous casting
mold
round
casting method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012282690A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013151022A (ja
Inventor
浩起 藤田
浩起 藤田
上原 博英
博英 上原
卓也 須賀
卓也 須賀
樹人 松田
樹人 松田
俊朗 石毛
俊朗 石毛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2012282690A priority Critical patent/JP5929744B2/ja
Publication of JP2013151022A publication Critical patent/JP2013151022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5929744B2 publication Critical patent/JP5929744B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Description

本発明は、断面形状が円形である丸鋳片の連続鋳造方法に関し、鋳片の縦割れや、ブレークアウトの発生、鋳片の断面の真円度低下、介在物欠陥の発生を防止することができる、丸鋳片の連続鋳造方法に関する。
鋼の連続鋳造は、鋳型内の溶鋼表面上にモールドパウダー(以下、パウダー)を供給しつつ行っている。溶鋼表面に供給されたパウダーは溶融して溶融パウダーを形成する。溶融パウダーをモールド(鋳型)と凝固シェル(鋳片)の間に流入させ、鋳型と鋳片の潤滑を十分に行わせることにより、安定して鋼を連続鋳造することができる。
丸鋳片を連続鋳造する場合、矩形の鋳片と比べ、鋳型の内壁と鋳片との接触が不均一化しやすく、冷却が不均一となりやすい。冷却が不均一になると、鋳片の縦割れや、ブレークアウトが発生し、ついには鋳造ができなくなるという問題がある。また、パウダーが結晶化しやすい組成の場合には、結晶化が局所的に生じ冷却が不均一となる場合がある。さらに、丸鋳片の連続鋳造では、鋳型内の溶鋼の表面が鋳型に接触する縁の部分にスラグリムと呼ばれる溶融パウダーの凝固物が成長しやすく、溶融パウダーの流入が局所的に塞がれ、冷却が不均一となりやすい。
丸鋳片の連続鋳造における鋳片の欠陥やブレークアウトの問題に対し、特許文献1には、鋳型の鋳造方向に沿った単位長さ当たりの内径変化率を、鋳型冷却面上端からの位置に応じて段階的に所定の範囲に変化させた鋳型に、1573Kにおける粘度が0.1〜1.0Pa・S、融点が1273K以上、(CaO+CaF2×0.718)/SiO2質量濃度比が0.6〜1.0、Na2Oに換算したNaが5.0mass%以下、Fが7.0mass%以下、MgOに換算したMgが4〜20mass%であるパウダーを供給しつつ連続鋳造する丸ビレット鋳片の連続鋳造方法が記載されている。
特許文献1に記載された技術によれば、パウダーの1573Kにおける粘度を0.1〜1.0Pa・Sに調整することにより、溶鋼中へのパウダーの巻き込みを防止できるとともに、溶融パウダーのモールドと凝固シェルの間への流入が均一になり、抜熱が均一となって表面疵のない高品質な丸ビレット鋳片を得ることができるとしている。
また、特許文献2には、1300℃(1573K)における粘度が2〜10poise(0.2〜1Pa・S)、CaO/SiO2が1.3〜1.6のパウダーを用い、モールドを3〜5mmのストロークで振動させて、C:0.2〜0.8mass%、Mn:1.0〜2.0mass%のブルームまたはビレットを連続鋳造する鋼の連続鋳造方法が記載されている。
特許文献2に記載された技術によれば、高速鋳造を行っても、ブレークアウトの発生がなく、鋳片表層部にブローホール性欠陥の発生のない、表面品質の良好な鋳片を得ることができるとしている。
さらに、特許文献3には、1300℃(1573K)における粘度が0.8Pa・S以上で、CaO/SiO2で表される塩基度が0.3〜1.5、結晶化温度が1000℃(1273K)以上でFが2.0mass%超5.0mass%以下、Na2Oに換算でNaが4.0mass%以下であるパウダーを用いて鋼の連続鋳造を行い、丸鋳片を得る鋼の連続鋳造方法が記載されている。
特許文献3に記載された技術によれば、スラグベア(スラグリム)の生成を抑制でき、小断面サイズの丸鋳片の連続鋳造においてもブレークアウト等の操業トラブルが発生せず、表面欠陥のない健全な品質の鋳片を得ることができるとしている。なお、特許文献3に記載された技術では、パウダーの結晶化温度を1000℃(1273K)以上とすることで、凝固したパウダーがガラス質になって冷却が強くなり過ぎるのを防止することができるとしている。
特開平8−132184号公報 特許第3395729号公報 特許第4527832号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、パウダーを高粘度化して溶鋼中への巻き込みを防止する一方で、(CaO+CaF2×0.718)/SiO2質量濃度比が低くなり過ぎるのを抑えていたため、溶融パウダーが凝固したあとの性状が結晶質化し、鋳型と凝固シェルの間への溶融パウダーの流入が不均一になって、鋳片の縦割れや、ブレークアウトが発生しやすくなる問題があった。縦割れやブレークアウトに至らなくても鋳片の断面の真円度が低下する。
また、特許文献2の技術では、CaO/SiO2で表されるパウダーの塩基度を1.3〜1.6と高めにしていたため、溶融パウダーが凝固したあとの性状が結晶質化しやすく、モールドパウダーの流入が不均一になって、凝固シェルに局所的な凹みなどが生じ、鋳片の縦割れの起点になったり、縦割れに起因してブレークアウトが発生しやすくなったりする問題があった。
さらに、特許文献3の技術では、溶融パウダーが凝固したあとの性状が結晶質化しやすく、同様の問題があった。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、鋳片の縦割れや、ブレークアウトの発生、鋳片の断面の真円度低下、介在物欠陥の発生を防止できる、丸鋳片の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、パウダーの結晶化温度を低減し、結晶質を出さないパウダーとすれば、溶融パウダーがガラス質化(非晶質化)し、熱伝導性が高まって冷却が多少強くなる影響はあるものの、結晶質化しにくくなる分、結晶化部分を起点にパウダー凝固が局所的に進展する傾向が薄れ、スラグリムも小さくなって、冷却が不均一になるのを防止でき、鋳片の縦割れや、ブレークアウトの発生、鋳片の断面の真円度低下、介在物欠陥の発生が防止できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.モールド内溶鋼表面上にモールドパウダーを供給しながら行う丸鋳片の連続鋳造方法において、前記モールドパウダーを、質量比でCaO/SiO2を0.30〜0.80とし、1573Kにおける粘度を1.0〜3.5Pa・Sとし、かつ結晶化温度が1273K未満であって、1273K以上で結晶化しないモールドパウダーとすることを特徴とする丸鋳片の連続鋳造方法。
2.前記モールドパウダーは、前記CaO/SiO2となるようにSiO2、CaOを主成分として含み、さらに質量%で、
Li2O:5%以下、
Na2O:2〜12%、
Al2O3:5〜18%、
MgO:4%以下、
F:2〜8%、
C:5〜12%
を含有することを特徴とする1.に記載の丸鋳片の連続鋳造方法。
3.連続鋳造タンディッシュから、ストッパーの昇降制御によって流量を調節しつつ、タンディッシュノズル及び下向き単孔浸漬ノズルを介して、円形断面の湾曲鋳型に溶鋼を注入することを特徴とする1.または2.に記載の丸鋳片の連続鋳造方法。
4.取鍋でCa含有物質を添加して、鋼中Ca濃度が0.0015〜0.0030mass%のアルミキルド鋼を連続鋳造することを特徴とする1.ないし3.のいずれか1つに記載の丸鋳片の連続鋳造方法。
本発明によれば、丸鋳片の連続鋳造方法において、鋳片の縦割れや、ブレークアウトの発生、鋳片の断面の真円度低下、介在物欠陥の発生を防止でき、産業上格段の効果を奏する。
丸鋳片の連続鋳造方法の実施形態について説明するための説明図である。
本発明では、CaO/SiO2で表される塩基度が0.30〜0.80、1573Kにおける粘度が1.0〜3.5Pa・Sのパウダーを使用する。これにより、パウダーが低塩基度化または低凝固温度化(低結晶化温度化)して溶融パウダーが凝固したあとの性状が結晶質となるのを防止でき、結晶壁が熱を通しにくくすることに伴う冷却の不均一を防止できる。また、本発明では、溶融パウダーが高粘度化することで、パウダーの溶鋼中への巻き込みを防止できる。
本発明では、使用するパウダーを、溶融凝固後に結晶化しないものとする。これにより、図1に示すスラグリム6aが小さくなり、溶融パウダー4が鋳型1と凝固シェル5の間に流れ込む流入路が塞がれにくくなる。しかも、流入した溶融パウダー4のフィルムが、鋳型1との接触で冷却されてもガラス(非晶質)化した状態となり、凝固シェル5と溶鋼2の引き抜きに追随して一緒に引き抜かれる。溶融し凝固したパウダーが結晶化しないため、パウダーの結晶化に伴って生じる鋳型1内周の結晶の不均一生成と輻射伝熱抵抗の不均一による鋳片の断面の偏平化や真円度の低下を防止できる。
さらに、スラグリム6aが小さくなると、従来以上にパウダー3を高粘度化しても溶融パウダー4が溶鋼2中に巻き込まれにくくなるという効果も期待できる。
本発明に用いるパウダーの条件について、以下、具体的に説明する。
CaO/SiO2で定義される塩基度を0.30〜0.80とする。0.30未満では、溶融パウダーの粘度が上昇し、溶融パウダーが鋳型と凝固シェルの間に流れ込みにくくなるため、円周方向に不均一な流入となって、拘束性のブレークアウトの発生を招きやすい。一方、CaO/SiO2が0.80を超えると、粘度が低下してパウダーが溶鋼に巻き込まれて介在物欠陥が発生しやすくなるほか、スラグリムの成長により、溶融パウダーが鋳型と凝固シェルの間に流れ込む流路が小さくなり、円周方向に不均一な流入となって、鋳造された丸鋳片の断面の真円度が低下するなどの問題が起こりやすい。なお、CaO/SiO2は、0.50〜0.75とするのがより好ましい。
溶融パウダーの粘度は、1.0〜3.5Pa・S(1300℃:1573K)に調整する。1573Kにおける粘度が1.0Pa・S未満では、溶融パウダーが溶鋼に巻き込まれて介在物欠陥が発生しやすくなる。一方、1573Kにおける粘度が3.5Pa・Sを超えると、溶融パウダーが鋳型と凝固シェルの間に流れ込みにくくなるため、流入した溶融パウダーのフィルムが局所的に薄くなり、膜切れが発生する。このため、ブレークアウトが発生しやすくなる。なお、粘度は2.5〜3.5Pa・S(1300℃:1573K)とするのがより好ましい。
本発明で使用するパウダーは、上記したCaO/SiO2となるようにCaO、SiO2を主成分として含む。なお、以下の説明中、%は質量%を意味する。
CaOは、モールドパウダーを構成する主成分であるため、18%以上含有させるようにする。一方、35%を超えると、上記CaO/SiO2を満足しない。
SiO2は、モールドパウダーを構成する主成分であるため、30%以上含有させるようにする。一方、50%を超えると、上記CaO/SiO2を満足しない。
パウダーは、CaO,SiO2以外に、Li2O,Na2O,Al2O3,MgO,F,Cを含有するが、これらの組成を以下のように適宜に調整することで、非晶質とする。なお、ここでいう非晶質とは、結晶化温度が1000℃:1273K未満のことをいうものとする。非晶質のパウダーとすると、凝固後はガラス化し、結晶化しない。
Li2Oは、比較的高価なため、極力含有量を低くする方が好ましいが、結晶化温度を低下させる作用を有するため、5%以下の範囲で含有させても良く、1.5%以上添加することにより、結晶化温度の低下の効果が特に顕著となる。
Na2Oは、パウダーの凝固点を低下させ、パウダーの結晶化温度を低下させる作用を有するため、2%以上より望ましくは5%以上含有させることが望ましい。一方、12%を超えると、溶融パウダーが焼結しやすくなる。溶融パウダーの焼結は不均一流入を招く場合があるので注意を要する。
Al2O3は、パウダーの粘度を上昇させる作用を有するため、5%以上より望ましくは10%を超えて含有させることが望ましい。一方、18%を超えると、パウダーの粘度が上昇しすぎて流入しにくくなる場合があるので注意を要する。
MgOは、パウダーの凝固点を上昇させる作用を有するため、4%以下の範囲で含有させても良く、1.5%以上添加することにより、結晶化温度を低下させた組成においても凝固点を効果的に制御できる。
Fは、パウダーの粘度を低下させる作用を有するため、2%以上含有させることが望ましい。一方、8%を超えると、パウダーの溶融特性が不良となってパウダー巻き込みなどの欠陥が発生する場合があるため、2〜8%、より望ましくは3〜7%の範囲で含有させることが望ましい。
Cは、パウダーの溶融速度を制御する作用および保温性を確保する作用を有するため、5%以上含有させることが望ましい。一方、12%を超えると、溶融速度が低下しすぎて溶融層ができにくくなる場合があるので注意を要する。
本発明の連続鋳造方法の適用対象となる鋼の成分は、特に規定するものではないが、質量%で、C:0.07〜0.3%、Si:1.5%以下、Mn:2.0%以下、P:0.05%以下、S:0.02%以下、Cr:15.0%以下、Al:0.1%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の炭素鋼および合金鋼に適用すれば所定の効果が得られる。
また、取鍋でCa含有物質を添加して、鋼中Ca濃度を0.0015〜0.0030mass%に調節したアルミキルド鋼に対して、本発明の連続鋳造方法を適用した場合には、連続鋳造ノズルへのアルミナ介在物の付着による詰まりを防止しつつ、連続鋳造中の鋳型内の溶融パウダーの組成変化による特性変化を適正な範囲とすることができる。上記の鋼中Ca濃度範囲では、溶鋼中の介在物組成はCaO-Al2O3系の組成となって、アルミナ介在物が鋳型内で浮上して溶融パウダーに吸収された場合の溶融パウダー中のアルミナ濃度上昇による過剰な粘度上昇を防止できる。鋼中Ca濃度が0.0015 mass%未満では、介在物組成の変化量が小さく、ノズル詰まりの防止及び鋳型内の溶融パウダーの特性制御に十分な効果が得難い。また、鋼中Ca濃度が0.0030mass%超では、鋳型内の溶融パウダーと鋼中Caの反応により、パウダー組成が変化して結晶化温度が過剰に上昇する場合があり、望ましくない。
また、本発明では連続鋳造の速度は特に規定しないが、中炭素鋼の鋳造では生産性の観点から0.6〜3.0m/minとするのが好ましい。
本発明を適用する丸鋳片の直径は特に規定しないが、100〜350mmとするのが好ましい。
また、本発明の連続鋳造方法に係るモールドパウダーは、タンディッシュから、ストッパーの昇降制御によって流量を調節しつつ、タンディッシュノズル及び下向き単孔浸漬ノズルを介して、円形断面の湾曲水冷鋳型に注湯する連続鋳造方法に適用する場合に、特に優れた効果を発揮する。すなわち、円形断面の湾曲鋳型を用いた場合には、モールドパウダーの流入が、断面の円周方向に不均一になり易く、また、ストッパーの昇降制御によって流量調節を行う場合には、鋳型内の湯面変動量が比較的大きくなるため、パウダー流入が不均一になり易い傾向がある。このような鋳造条件においても、本発明の連続鋳造方法に係るモールドパウダーを適用することにより、パウダーの膜切れを防止してパウダー流入を比較的均一化できるため、丸鋳片の縦割れや真円度の低下を効果的に防止することができる。
転炉で表1に示す組成の1520〜1580℃の溶鋼(中炭素鋼)を溶製し、取鍋でCaを添加してした後、タンディッシュに溶鋼を注入した。タンディッシュでの鋼中Ca濃度は0.0020〜0.0025mass%の範囲とした。さらにタンディッシュから、ストッパーの昇降制御によって流量を調節しつつ、タンディッシュノズル及び下向き単孔浸漬ノズルを介して、円形断面の湾曲水冷鋳型に注湯し、鋳造速度0.8〜2.4m/minで連続鋳造し、直径170〜300mmの丸鋳片にした。湾曲鋳型の曲率半径は約10.5mとした。
Figure 0005929744
このとき、表2に示す組成のパウダーを用いた。得られた丸鋳片について欠陥発生率を調査した。
なお、粘度は、パウダーを炉内で1400℃:1673Kに加熱し、炉温制御により10℃/minで冷却させた後に1300℃:1573Kに維持し、撹拌せず、回転型粘度計を用いて測定した。
鋳造後に目視により鋳片の表面を観察し、縦割れの有無を調査し、縦割れが観察された鋳片の本数が、鋳造した鋳片の本数に占める比率を求め、縦割れ発生率とした。
また、鋳造された丸鋳片の直径を円周方向8箇所で測定し、得られた直径のうち最大径から最小径を差し引いた値を、要求された径で除した不円率を求めた。不円率が2.5%以上のものを欠陥品とし、欠陥が発生した鋳片の本数が、鋳造した鋳片の本数に占める比率を求め、真円度欠陥発生率とした。
鋳造後に目視により鋳片の表面を観察し、溶融パウダーの巻き込みの有無を調査した。巻き込みが観察された鋳片の本数が、鋳造した鋳片の本数に占める比率を求め、介在物欠陥発生率とした。
得られた結果を表2に示す。
Figure 0005929744
本発明例(No.3,4,7〜9)は、いずれも非晶質のパウダーを用いているため、鋳片の縦割れや、ブレークアウト、真円度欠陥、介在物欠陥の発生を防止できている。1573Kにおける粘度が1.5〜3.5Pa・Sで、CaO/SiO2が0.30〜0.80を満たすパウダーの場合に効果が著しいことを示している。
一方、比較例(No.1,2)は、塩基度(CaO/SiO2)が高くパウダーが結晶質化し、粘度が低くて溶融パウダーに切れ目が生じるため、欠陥発生率が高くなったと考えられる。また、結晶化温度が高くパウダーが結晶質化し、鋳片の冷却が不均一になって鋳片に縦割れが生じたと考えられる。
そして、比較例(No.5)は、塩基度(CaO/SiO2)は低いが、粘度が高いため、流入した溶融パウダーのフィルムが局所的に薄くなり、ブレークアウトが発生したものと考えられる。比較例(No.6)は、粘度が比較的高いため、真円度欠陥発生率が上昇する傾向にある。
1 モールド(鋳型)
2 溶鋼
3 モールドパウダー
4 溶融パウダー
5 凝固シェル
6 スラグ
6a スラグリム

Claims (4)

  1. モールド内溶鋼表面上にモールドパウダーを供給しながら行う丸鋳片の連続鋳造方法において、前記モールドパウダーを、質量比でCaO/SiO2を0.30〜0.80とし、1573Kにおける粘度を1.0〜3.5Pa・Sとし、かつ結晶化温度が1273K未満であって、1273K以上で結晶化しないモールドパウダーとすることを特徴とする丸鋳片の連続鋳造方法。
  2. 前記モールドパウダーは、前記CaO/SiO2となるようにSiO2、CaOを主成分として含み、さらに質量%で、
    Li2O:5%以下、
    Na2O:2〜12%、
    Al2O3:5〜18%、
    MgO:4%以下、
    F:2〜8%、
    C:5〜12%
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の丸鋳片の連続鋳造方法。
  3. 連続鋳造タンディッシュから、ストッパーの昇降制御によって流量を調節しつつ、タンディッシュノズル及び下向き単孔浸漬ノズルを介して、円形断面の湾曲鋳型に溶鋼を注入することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の丸鋳片の連続鋳造方法。
  4. 取鍋でCa含有物質を添加して、鋼中Ca濃度が0.0015〜0.0030mass%のアルミキルド鋼を連続鋳造することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の丸鋳片の連続鋳造方法。
JP2012282690A 2011-12-28 2012-12-26 丸鋳片の連続鋳造方法 Active JP5929744B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012282690A JP5929744B2 (ja) 2011-12-28 2012-12-26 丸鋳片の連続鋳造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011287498 2011-12-28
JP2011287498 2011-12-28
JP2012282690A JP5929744B2 (ja) 2011-12-28 2012-12-26 丸鋳片の連続鋳造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013151022A JP2013151022A (ja) 2013-08-08
JP5929744B2 true JP5929744B2 (ja) 2016-06-08

Family

ID=49047845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012282690A Active JP5929744B2 (ja) 2011-12-28 2012-12-26 丸鋳片の連続鋳造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5929744B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102173170B1 (ko) * 2018-10-25 2020-11-02 주식회사 포스코 몰드 플럭스 및 이를 이용한 주조 방법

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002066702A (ja) * 2000-08-17 2002-03-05 Nkk Corp Alキルド鋼の連続鋳造方法
JP4010929B2 (ja) * 2002-11-19 2007-11-21 新日本製鐵株式会社 鋼の連続鋳造用鋳型添加剤
JP4389057B2 (ja) * 2004-08-03 2009-12-24 新日本製鐵株式会社 鋼の連続鋳造用のモールドフラックス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013151022A (ja) 2013-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6871521B2 (ja) モールドパウダー及び中炭素綱の製造方法
JP7208544B2 (ja) モールドパウダー及び中炭素鋼の製造方法
JP6674093B2 (ja) 鋼の連続鋳造用モールドパウダーおよび連続鋳造方法
JP2017087273A (ja) Ti含有鋼の連続鋳造用モールドパウダー及び連続鋳造方法
JP4430638B2 (ja) 高アルミニウム鋼の連続鋳造用モールドパウダー
KR20170011712A (ko) 고탄소강의 연속 주주용 몰드 플럭스
JP6213101B2 (ja) スカム堰、薄肉鋳片の製造方法及び薄肉鋳片の製造装置
JP5929744B2 (ja) 丸鋳片の連続鋳造方法
JP6135081B2 (ja) 中炭素鋼の連続鋳造方法
JP4010929B2 (ja) 鋼の連続鋳造用鋳型添加剤
JP5942712B2 (ja) スカム堰、薄肉鋳片の製造方法、薄肉鋳片の製造装置
JP6743850B2 (ja) 丸鋳片の連続鋳造方法
JP3876917B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP7239810B2 (ja) モールドパウダー及び高Mn鋼の連続鋳造方法
JP2022177976A (ja) 鋼の連続鋳造方法
KR102300852B1 (ko) 몰드 플럭스 및 이를 이용한 연속 주조방법
JP5336058B2 (ja) モールドフラックスを用いた鋼の連続鋳造方法
KR100749021B1 (ko) 연속주조용 몰드 플럭스
JP2006231400A (ja) 中炭素鋼連続鋳造用モールドパウダーおよび連続鋳造方法
JP7397361B2 (ja) モールドパウダー
JP4609119B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP4527832B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP7009228B2 (ja) 連続鋳造用モールドフラックス及び連続鋳造方法
JP2018153813A (ja) 鋼の連続鋳造用モールドパウダー
KR102300854B1 (ko) 몰드 플럭스 및 이를 이용한 연속 주조방법

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140402

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5929744

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250