JP6135081B2 - 中炭素鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
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しかし、中炭素鋼を、例えば0.7〜2m/minで連続鋳造すると、鋳片に表面割れが発生するという問題がある。この表面割れは中炭素鋼特有のδ→γ変態の発生に起因したδ相とγ相の凝固収縮量の違いによるものであると言われている。図2に示すように、中炭素鋼鋳片の表面割れ1は、鋳片2の幅中央に、幅、深さとも5〜10mmで長さは100mmからひどい場合には鋳片の全長にも及ぶものもある。
本発明は、従来技術のかような問題を解決するべくなされたものであり、鋳片の表面割れを防止できる、中炭素鋼の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
1.鋳型内溶鋼表面上にモールドパウダーを供給しながら連続鋳造する鋼の連続鋳造方法であって、前記溶鋼が中炭素鋼であり、前記モールドパウダーを、SiO2、CaOを主成分として、質量%で、CaO/SiO2が1.30〜1.39で、Na2O:4.0〜13.0%、Li2O:0.5〜2.0%、を含み、かつ、Na2O/Li2Oが5.0〜8.0及び(Na2O+Li2O)/SiO2が0.32〜0.40を満足するように調整し、1300℃における粘度が0.01〜0.10Pa・sであるパウダーとすることを特徴とする中炭素鋼の連続鋳造方法。
本発明では、鋳型内溶鋼表面上にモールドパウダーを供給しながら、中炭素鋼溶鋼を連続鋳造する。
本発明にいう中炭素鋼とは、質量%で、C:0.07〜0.3%を含有する鋼をいうものとする。C以外の合金元素については特に限定しないが、例えばJIS G 4051に規定されるような、概ね、質量%で、Si:1.5%以下、Mn:1.0%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼である。
本発明で鋳型内溶鋼表面上に供給するモールドパウダーは、SiO2、CaOを主成分として、質量%で、CaO/SiO2が1.0以上1.5未満で、Na2O:4.0〜13.0%、Li2O:0.5〜2.0%、を含み、かつ、Na2O/Li2Oが6.0〜8.0及び(Na2O+Li2O)/SiO2が0.32〜0.40を満足するように調整し、1300℃における粘度が0.01〜0.1Pa・sであるパウダーである。
CaO/SiO2:1.0以上1.5未満(質量比)
CaO/SiO2は、塩基度とも呼ばれるが、1.0未満では、溶融したモールドパウダー(溶融スラグ層)の粘度が上昇し、鋳型への抜熱が増加して、鋳片に縦割れが発生しやすくなる。一方、1.5以上では、モールドパウダーの結晶化温度が上昇して、モールドパウダーの結晶化が促進され過ぎ、鋳片と鋳型との摩擦が増加して、フレークアウトが発生しやすくなる。このため、CaO/SiO2は質量%で1.0以上1.5未満に限定した。好ましくは1.3〜1.4である。
Na2Oは、定性的に粘度を低下させるとともに、拡散速度を増大して結晶成長速度を増大させる効果があり、凝固したスラグフィルムの表面粗度を粗くし、伝導伝熱抵抗を増やすことで、凝固シェルの緩冷却化と成長の均一化に寄与する。このような効果を得るためには、4.0質量%以上、より好ましくは7.0質量%以上含有させる。一方、13.0質量%を超えると、上記した効果が飽和するとともに、冷却速度が遅くなり過ぎ、鋳型への抜熱が不足して、ブレークアウトが発生しやすくなる。このため、Na2Oは4.0〜13.0質量%に限定した。
Li2Oは、SiO2−SiO2の結合を、Li2Oから電離したLi+が断ち切り、F-を動きやすくして、CaOから電離したCa2+とF-とを出会いやすくする作用を有すると考えられる。これによりLi2Oは、スラグフィルム中でCaxFyOを含む化合物の結晶成長を促進させて、スラグフィルムの表面粗度を粗くする。このような効果を得るためには、Li2Oをモールドパウダーの全量に対する質量%で、0.5%以上含有させる必要がある。一方、2.0%を超えると、上記した効果が飽和するとともに、溶融パウダーの軟化点が低下し過ぎて、スラグフィルム内での結晶成長による変形が小さくなってしまい、スラグフィルムの表面粗度を増大させる効果が低下してしまう。このため、Li2Oは0.5〜2.0%に限定した。
Na2OとLi2Oでは、粘度を低下させ、拡散速度を増大する効果の温度依存性が異なるため、Na2OとLi2Oの比率を調整することにより、1300℃における粘度を適正な範囲としつつ、スラグ中の拡散速度を調節してスラグフィルムの表面粗度を適正な範囲に調節することができる。Na2O/Li2Oは、5.0以上とすることにより、スラグフィルムの表面粗度を十分に粗くすることができ、伝導伝熱抵抗が増加する分、凝固シェルを徐冷でき、鋳片の表面割れの防止につながる。5.0未満では、スラグフィルムの表面粗度が十分に粗くならず、伝導伝熱抵抗が不足して鋳片の表面割れが発生しやすくなる。また、8.0より大きくなると、スラグフィルムの表面粗度が大きくなり過ぎて、鋳型〜鋳片間の摩擦力が過大になってしまう場合がある。このため、Na2O/Li2Oは5.0〜8.0に限定した。なお、好ましくは6.0〜8.0である。
Na2O及びLi2Oは、ともに、SiO2によって形成されるネットワークを切断して、液相の粘度を低下する効果があり、CaO/SiO2を適切な範囲に調整するとともに、(Na2O+Li2O)/SiO2を0.32以上とすることにより、適切な粘度調整が可能である。また、(Na2O+Li2O)/SiO2が0.40より大きくなると、スラグフィルムの表面粗度が大きくなり過ぎて鋳型〜鋳片間の摩擦力が過大になってしまう場合があるため、(Na2O+Li2O)/SiO2は0.32〜0.40に調整する。好ましくは0.34〜0.38である。
モールドパウダー組成を上記範囲に調整するとともに、溶融したモールドパウダーの1300℃における粘度を0.01〜0.10Pa・sとすることにより、鋳型と凝固シェル間の間に溶融したパウダー(溶融スラグ)が流入しやすくなり、結晶化しやすいパウダーにおいてもスラグ流入を均一化して、安定した潤滑とスラグフィルム厚を維持できるため、鋳片の表面割れを防止できる一つの要因となっている。粘度が、0.01Pa・s未満と過度に低粘度の場合には、溶融パウダーの巻き込みによる介在物が増加する傾向があるため、0.01〜0.10Pa・sの範囲で調節する。
Al2O3は、10質量%以下とすることが好ましい。10質量%を超えて含有すると溶融スラグが分離し、モールドと凝固シェル間に均一に流入し難くなる。なお、より好ましくは1〜8質量%であり、さらに好ましくは2〜8質量%である。
また、モールドパウダーには滓化または溶融速度の調整剤としてC(カーボン)原料を添加する。その添加量は1〜18質量%の範囲で調節することが好ましい。
モールドパウダーは、その形状は限定されるものではなく、例えば、粉末、押し出し顆粒、中空スプレー顆粒、攪拌顆粒など、全ての形状のものを使用することができる。
表2中、スラグフィルムの表面粗度は以下の手法で測定した。まず、200gのモールドパウダーを電気炉にて1300℃で溶解し、10分保持した後に、水冷鋼板と高温に加熱したセラミック片との間隙に注ぎ込み、スラグフィルムの急冷サンプルを作成した。水冷鋼板と接する面を接触式変位計で測定した。粗さ測定長さ20mmを無作為に選び、5カ所測定した。接触式変位計の型式は株式会社小坂研究所製SE-30Dを用いた。
2 鋳片
3 モールド(鋳型)
4 溶鋼
5 モールドパウダー
6 溶融スラグ層
7 凝固シェル
8 結晶化したスラグ
9 浸漬ノズル
10 タンディッシュノズル
11 タンディッシュ
Claims (1)
- 鋳型内溶鋼表面上にモールドパウダーを供給しながら連続鋳造する鋼の連続鋳造方法であって、前記溶鋼が中炭素鋼であり、前記モールドパウダーを、SiO2、CaOを主成分として、質量%で、CaO/SiO2が1.30〜1.39で、Na2O:4.0〜13.0%、Li2O:0.5〜2.0%、を含み、かつ、Na2O/Li2Oが6.0〜8.0及び(Na2O+Li2O)/SiO2が0.32〜0.40を満足するように調整し、1300℃における粘度が0.01〜0.10Pa・sであるパウダーとすることを特徴とする中炭素鋼の連続鋳造方法。
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