JP4345457B2 - 高Al鋼の高速鋳造方法 - Google Patents

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本発明は、鋼の連続鋳造方法に関し、特に、Alを0.05mass%以上含有する高Al鋼を高速で安定して連続鋳造する方法に関するものである。
鋼を連続鋳造する際には、鋳型内に注入された溶鋼表面上にモールドパウダーを添加する。このモールドパウダーは、主として、(1) 鋳型と凝固シェル間の潤滑、(2) 浮上してきた鋼中の介在物の補足と吸収除去、(3) 溶鋼表面の保温および酸化防止、の役割を果たすものであり、従来、CaO,SiO2,Al23等を主成分とし、他の成分としてNa2O,NaF,CaF2,MgOなどが添加されたものが用いられており、鋳造する鋼種や要求される鋳造速度に応じて、パウダーの粘性、軟化温度、凝固温度などの諸特性を適宜調整して使用されている。
さて、鋳型内に注入された溶鋼中には、精錬工程で施された脱酸処理等によって生成したAl23が多量に残留しており、このAl23は、溶鋼内を浮上してモールドパウダー中に取り込まれる。また、Alを0.05mass%以上含有する溶鋼を連続鋳造する場合には、溶鋼中に溶解しているAlが、パウダーの主成分であるSiO2と反応し、下記式;
4Al+3SiO2 → 2Al23+3Si
のようにSiO2を還元してAl23を生成する。そのため、パウダー中のSiO2量が減少し、Al23量が増加する結果、鋳型内に投入されたモールドパウダーは、使用中に塩基度(CaO/SiO2)が上がり、粘度が上昇するという物性の変化を生じる。
このような現象が起こると、ゲーレナイト(2CaO・Al23・CaF2)を析出し易くなり、溶融パウダーの流入が円滑に行なわれなくなり、モールドパウダーの潤滑作用が失われる結果、鋳型と溶鋼間で焼付きが発生して鋳片の表面欠陥を引き起こし、極限に達するとブレークアウトを発生する。この対策として、近年では、銅製の鋳造鋳型(モールド)内に熱電対を埋め込み、鋳型内の温度分布を経時的に測定することにより、モールドパウダーの不均一流入による鋳型温度の異常変化をキャッチし、ブレークアウトを予知するいわゆるB/O予知システムの導入が行われており、このような現象が検知された場合には、鋳造速度を落として操業することが行なわれていた。
上記のようなモールドパウダーの変質問題に対処する技術として、例えば、特許文献1には、Alを1wt%以上含有するステンレス鋼を連続鋳造する際、溶鋼中のAlとパウダーとの反応によるゲーレナイトの析出を抑制するために、塩基度:0.6超〜0.8、融点:800〜1000℃、1300℃における粘性:1.5poise以下の3条件を満たすパウダーを使用する必要があることが開示されている。また、特許文献2には、Alを0.1wt%以上含有する鋼の連続鋳造に用いるモールドパウダーの鋳造中における組成変化に着目し、基本成分を通常モールドパウダー使用時の到達組成に近いものとし、それ以上の組成変化を実質的に抑制することによって、ゲーレナイトを析出させない技術が開示され、特許文献3には、同じくAlを0.1wt%以上含有する鋼の連続鋳造に用いるモールドパウダー中のF含有量を高くすることにより、Al23含有量の増大による粘度変化を抑制し、溶融パウダーの物性を鋳造初期から末期まで一定に維持する技術が開示されている。さらに、特許文献4には、Ti:0.08〜3.0wt%、Al:0.02〜0.8wt%含有する鋼の連続鋳造用パウダーとして、1300℃における粘度が1〜4poise、凝固温度が900〜1300℃であり、さらに凝固時に、カスピダイン、ネフェリン、ペロブスカイトといった結晶相を晶出する特性を有するものを用いることが開示されている。
特公平 6− 59534号公報 特開平11−226712号公報 特開2000−42697号公報 特開2003−94150号公報
しかしながら、特許文献1のモールドパウダーは、粘度が低いため、高速鋳造時にはスラグフィルム破断による凝固シェルの拘束、すなわち、ブレークアウトを起こし易いという問題がある。また、特許文献2のモールドパウダーは、鋳造中のモールドスラグ組成は安定しているものの、結晶度や抜熱が必ずしも安定していないという問題がある。また、特許文献3のモールドパウダーは、パウダー中のF含有量が10〜15%と高いため、鋳造中の浸漬ノズルの溶損が大きくなり、連々数が制限されるという問題がある。さらに、特許文献4のモールドパウダーは、0.6〜0.9m/minという低速鋳造を対象としたパウダーであり、2.0m/minを超える高速鋳造への適用は困難であるという問題がある。
さらに、近年では、生産性向上の観点から、鋳造速度を上げて操業する傾向がある。しかし、上記従来技術のモールドパウダーは、高速鋳造用に設計されていないため、低速鋳造では良好な鋳込みを確保できても、2.0m/minを超える高速鋳造になると、不均一流入に起因した局所的な焼付きが発生し、鋳造鋳型内の温度分布ムラや周期的な温度の急変(以降、「鋳込異常」という)が起こるようになる。このような状態になると、上述したブレークアウト予知システムを備えた鋳造設備では警報が頻発することとなり、その都度、鋳造速度を落とすことを余儀なくされるため、安定した鋳造作業を行えないという問題がある。また、鋳造条件を変更することは、スラブ品質の低下にもつながるため、スラブの表面研削が必要となり、歩留まり低下を引き起こす等の問題もある。
本発明の目的は、Alを0.05mass%以上含有する高Al鋼を2.0m/minを超える高速で鋳造を行っても鋳込異常を引き起こすことのない連続鋳造用モールドパウダーを用いた高速鋳造方法について提案することにある。
発明者らは、高Al鋼を2.0m/minを超える高速で鋳造を行った際に発生する鋳込異常の原因について鋭意検討を行った。その結果、上記高Al鋼の鋳込異常の原因は、鋳造中のモールドパウダーの組成変化により、パウダー中に高融点のゲーレナイト(2CaO・Al23・SiO2)が晶出するためであり、この晶出を抑制するためには、塩基度およびMgO含有量を規制することが重要であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、Al含有量が0.05mass%以上の鋼を鋳込速度2.0m/min超えで連続鋳造するに当たり、該連続鋳造用のモールドパウダーとして、MgOが3mass%以下、塩基度(CaO/SiO2)が0.5〜1.0に調整されたものを用いることを特徴とする高Al鋼の高速鋳造方法である。
本発明における上記モールドパウダーは、MgO以外に、SiO2:25〜40mass%、CaO:25〜40mass%、Na2O:0.1〜10mass%、Al23:0.1〜10mass%を含み、融点が800〜1200℃、1300℃における粘性が1〜4poiseに調整されたものであることが好ましい。
本発明によれば、モールドパウダーの成分組成を適正範囲に調整することにより、高Al含有鋼を、鋳込異常を引き起こすことなく高速で連続鋳造することができるので、鋳造作業の安定化、スラブ品質の向上にならびに生産性の向上に大いに寄与する。
発明者らは、AおよびB2種類のモールドパウダーを用いて、Alを0.2〜0.3mass%含有する高Al鋼を、鋳込速度:2.2m/minで高速鋳造し、鋳造安定性を調査した。実験に用いたモールドパウダーAは、SiO2:31.4%、CaO:42.6%、Al23:2.5%を主成分とし、MgOを6.2%を含有し、塩基度(CaO/SiO2):1.39、凝固温度:1140℃および1300℃における粘度:0.5poiseのものであり、もう1つのモールドパウダーBは、SiO2:40.0%、CaO:31.18%、Al23:5.9%を主成分とし、MgOを2.4%を含有し、塩基度(CaO/SiO2):0.78、凝固温度:955℃および1300℃における粘度:2.0poiseのものである。鋳造安定性の評価は、鋳込速度:2.2m/minの高速鋳造時における鋳造鋳型の温度変化を、鋳型内に挿入された熱電対を用いて連続的に測定するとともに、鋳造後のスラブ表面性状で評価した。また、鋳型内に投入されたモールドパウダー(モールドスラグ)を採取し、主成分の組成を分析し、鋳造中におけるモールドスラグの組成変化を調査した。また、採取したモールドスラグについては、スラグ中に晶出した結晶相を、X線回折装置を用いて測定した。
図1は、高速鋳造時における鋳造鋳型温度の経時変化を測定した結果を示したものである。モールドパウダーBを用いた場合には、2.2m/minの高速鋳造を行っても、鋳型温度の変化は小さく鋳造作業は安定しており(図1(b)参照)、ブレークアウト予知システムからの警報発生は無かった。また、スラブ表面にも異常は認められなかった。一方、モールドパウダーAを用いて高速鋳造を行った場合には、図1(a)からわかるように鋳型温度の変化が大きく、ブレークアウト警報が頻発して発生した。そのため、鋳造速度を落として鋳造せざるを得ず、安定した高速鋳込作業を行うことができなかった。また、鋳造されたスラブ表面には多数のデプレッション(凹凸)が観察された。
また、モールド内に投入する前のモールドパウダーと、高速鋳込み中に採取したモールドスラグの主成分を分析した結果を表1に示した。ここで、モールドスラグAは、モールドパウダーA、モールドスラグBは、モールドパウダーBを用いたときのモールドスラグである。この表1から、いずれのスラグも鋳造中にSiO2が減少してAl23が増加すると共に、塩基度(CaO/SiO2)が上昇する変化を示しているが、特に、モールドスラグAの塩基度の変化が大きいことがわかる。
また、図2は、定常鋳込み中に採取したモールドスラグA,B中のカスピダイン(3CaO・SiO2・CaF2)とゲーレナイト(2CaO・Al23・SiO2)の量を、X線回折により測定した結果を比較して示したものである。この図から、モールドスラグA中のゲーレナイトの晶出量は、モールドスラグBの約5倍も多い、つまり、モールドパウダーAは、モールドパウダーBと比較して鋳造中の組成変化によりゲーレナイトを晶出し易く、高速鋳造には適していないことが明らかとなった。
Figure 0004345457
モールドパウダーAを用いたときに、鋳込異常(鋳型の異常温度変動)が発生するメカニズムについて、図3を用いて説明する。
図3(a)は、鋳造初期の段階を示したもので、鋳型中に投入されたモールドパウダーが溶解してモールドスラグとなり、鋳造鋳型(モールド)1と溶鋼が凝固した鋳片(凝固シェル)2との間に流れ込んで液相フィルム3を形成し、このフィルムは冷却されてカスピダインの結晶を晶出し、鋳型表面に固着層4を形成する。この固着層4を形成するカスピダインは、その結晶間に多数の気孔が生じることから、鋳型内溶鋼から鋳型銅板への輻射伝熱が低減される結果、冷却速度が緩冷却となり、初期凝固過程における不均一凝固が抑制され、健全な凝固シェルを形成することができる。そのため、このカスピダインの結晶量を制御することにより、鋳片から鋳型への抜熱を適正範囲に制御することができる。これに対して、ゲーレナイトは、カスピダインと比較して融点が高く(ゲーレナイト:1593℃、カスピダイン:1407℃)、しかも、結晶成長速度が速くて大きく発達し易い特徴がある。そのため、鋳型と凝固鋳片の間に形成されたフィルム中にゲーレナイトが晶出すると、図3(b)のように、固着層が大きく成長し、その固着層の厚みがある値以上になると、固着層が鋳片との間で摩擦を生じて部分的に破壊され、図3(c)のように、その破壊部分に溶融している液相スラグが流れ込み、鋳型の温度を急上昇させる。その後、図3(d)のように、新たに形成された固着層4が成長し、鋳型温度は低下するが、固着層が大きく成長するとまた破壊されて温度上昇を引き起こす。このような現象が繰り返されて、鋳型の温度が異常変動するものと考えられる。
そこで、発明者らは、高Al鋼の鋳造中におけるモールドスラグの組成変動によっても、ゲーレナイトを晶出することのないモールドパウダーについて検討を行った。その結果、ゲーレナイトの晶出は、モールドパウダー中に含まれるMgOの量によって大きく影響されることがわかり、上述したモールドパウダーAとBの鋳造安定性の違いは、MgOの含有量の違いに起因したものであることが明らかとなった。図4は、モールドパウダー中のMgO含有量が、鋳造中のモールドスラグ中におけるカスピダインおよびゲーレナイトの析出に及ぼす影響をX線回折により調べた結果を示したものであり、MgOを3mass%超え含有すると、ゲーレナイトを晶出し易いことがわかる。そこで、本発明では、高Al鋼の高速鋳造用に用いるモールドパウダーは、MgO含有量が3mass%以下のものを用いる。
本発明のモールドパウダーは、上記MgO含有量の制御のほかに、塩基度(CaO/SiO2)を0.5〜1.0の範囲に制御する必要がある。これは、前述したように、鋼中のAlとパウダー中のSiO2とが反応してAl23を生成する結果、SiO2が減少し、塩基度(CaO/SiO2)が上昇する。塩基度(CaO/SiO2)が高いと、鋳型表面に形成された固着層の強度が低下して局所的な破壊が起こり、その結果、鋳型温度の局所的な急変動を招く。そのため、高Al鋼を鋳造するためには、上記反応による塩基度の上昇を見込んで成分設計を行う必要があり、本発明では、初期状態のモールドパウダーの塩基度を1.0以下に制限する。一方、塩基度が0.5未満となると、パウダーの粘度が上昇し、高速鋳造時に流入不足を引き起こすので好ましくない。よって、塩基度は、0.5〜1.0の範囲に制限する。好ましくは0.6〜0.9である。
高Al鋼を高速鋳造するのに必要なモールドパウダーとしては、上記の他に、以下の条件を満たすことが好ましい。
CaO:25〜40mass%
CaOは、モールドパウダーの基材として添加する成分であり、20mass%未満では溶融が困難になり、一方、40mass%を超えると凝固温度や粘性の調整が困難になるので、塩基度を上記範囲に調整した上で、25〜40mass%の範囲で含有するのが好ましい。
SiO2:25〜40mass%
SiO2は、モールドパウダーの基材として添加する成分であり、25mass%未満では溶融が困難になり、一方、40mass%を超えると凝固温度や粘度の調整が困難になるので、塩基度を上記範囲に調整した上で、25〜40mass%の範囲で含有するのが好ましい。
融点:800〜1200℃
モールドパウダーの融点は、鋳片の抜熱に影響する。800℃未満では、フィルム中の液相量が増えて抜熱量が上昇し過ぎ、一方、1200℃を超えると、フィルム中の固相の量が増え抜熱量が低下し過ぎるので、800〜1200℃の範囲に調整するのが好ましい。
1300℃における粘度:1〜4poise
モールドパウダーの粘度は、スラグフィルムの強度に影響する。1300℃における粘度が1poise未満では、フィルム強度が弱くブレークアウトする危険性があり、一方、4poiseを超えると、高速鋳造時にパウダーの流入不足となるので、1〜4poiseの範囲で含有するのが好ましい。
本発明のモールドパウダーは、上記成分以外に、下記の成分を以下の範囲で必要に応じて含有することが好ましい。
Na2O:0.1〜10mass%
Na2Oは、パウダーの物性を調整するために必要な成分であり、0.1mass%未満では粘度が上昇し過ぎ、一方、10mass%を超えると粘度が低下し過ぎるので、0.1〜10mass%の範囲で含有するのが好ましい。
Al23:0.1〜10mass%
Al23は、パウダーの物性を調整するために必要な成分であり、0.1mass%未満では粘度が上昇し過ぎ、一方、10mass%を超えると粘度が低下し過ぎるので、0.1〜10mass%の範囲で含有するのが好ましい。
さらに、F,T.C,Li2O,TiO2,Fe23,MnO,ZrO2およびBaOを、必要に応じて、それぞれF:3〜10mass%、T.C:2〜5mass%、Li2O:2〜6mass%、TiO2:0.1mass%以下、Fe23:1.1mass%以下、MnO:0.1mass%以下、ZrO2:0.1mass%以下およびBaO:0.1mass%以下の範囲で含有してもよい。それ以外の成分は、不可避的不純物である。
上記に説明したモールドパウダーを高Al鋼の連続鋳造に適用した場合には、鋳造中のおけるモールドスラグ中へのゲーレナイトの晶出が抑制されるので、鋳造鋳型−鋳片間への流入が良好となり、2.0m/minを超える高速鋳造を安定して行うことができる。
前述したモールドパウダーA(SiO2:31.4%、CaO:42.6%、Al23:2.5%を主成分とし、MgOを6.2%を含有し、塩基度(CaO/SiO2):1.39、凝固温度:1140℃および1300℃における粘度:0.5poise)およびモールドパウダーB(SiO2:40.0%、CaO:31.18%、Al23:5.9%を主成分とし、MgOを2.4%を含有し、塩基度(CaO/SiO2):0.78、凝固温度:955℃および1300℃における粘度:2.0poise)を用いて、Alを0.3〜0.4mass%含有する高Al鋼を、鋳込速度を1.55〜2.25m/minで鋳造し、各鋳造速度における鋳造時の湯面変動量を調査し、鋳造安定性を評価した。
測定の結果を図5に示す。図5から明らかなように、本発明例に相当するモールドパウダーBを用いて鋳造した場合には、1.55m/minの低速から2.25m/minの高速に至る全範囲において、湯面変動量が7mm以下と安定している。これに対して、従来例に相当するモールドパウダーAを用いて鋳造を行った場合には、湯面変動量が4〜27mmと大きい。この結果は、本発明のモールドパウダーを用いて鋳造を行った場合には、パウダーの流入が安定し、鋳型内抜熱が安定するため、凝固シェルの強度・剛性が高まって連鋳機ロール間でのスラブのバルジング量が減少して非定常バルジングによる湯面変動量が減少し、安定した高速鋳造が可能となることを示すものである。
本発明もモールドパウダーは、高Al鋼の高速鋳造の他、高Al高Si鋼や高Ti含有鋼などの鋳造中のスラグ物性変化が大きい難鋳造材の高速鋳造にも適用することができる。
高速鋳造時における鋳型温度の変化のモールドパウダーによる違いを示すグラフである。 モールドスラグの種類によるカスピダイン、ゲーレナイトの晶出量を比較したグラフである。 鋳込異常の発生メカニズムを模式的に示した図である。 モールドスラグ中のカスピダインおよびゲーレナイトの晶出に及ぼすMgO含有量の影響を示すグラフである。 湯面変動量のモールドパウダーによる違いを示すグラフである。
符号の説明
1:鋳造鋳型(モールド)
2:鋳片(凝固シェル)
3:モールドスラグの液相フィルム
4:モールドスラグの固着層
5:固着層の亀裂発生部

Claims (2)

  1. Al含有量が0.05mass%以上の鋼を鋳込速度2.0m/min超えで連続鋳造するに当たり、該連続鋳造用のモールドパウダーとして、MgOが3mass%以下、塩基度(CaO/SiO2)が0.5〜1.0に調整されたものを用いることを特徴とする高Al鋼の高速鋳造方法。
  2. 上記モールドパウダーは、MgO以外に、SiO2:25〜40mass%、CaO:25〜40mass%、Na2O:0.1〜10mass%、Al23:0.1〜10mass%を含み、融点が800〜1200℃、1300℃における粘性が1〜4poiseに調整されたものであることを特徴とする請求項1に記載の高速鋳造方法。
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