JPH081294A - 連鋳用モールドパウダーの加熱方法およびその装置 - Google Patents

連鋳用モールドパウダーの加熱方法およびその装置

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JPH081294A
JPH081294A JP13324794A JP13324794A JPH081294A JP H081294 A JPH081294 A JP H081294A JP 13324794 A JP13324794 A JP 13324794A JP 13324794 A JP13324794 A JP 13324794A JP H081294 A JPH081294 A JP H081294A
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mold
powder
heating
temperature
microwave
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JP13324794A
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Masao Takahara
雅男 高原
Yoshio Watanabe
吉夫 渡辺
Hiroaki Yamazoe
広明 山副
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロ波を用いた通常パウダーの加熱にお
いて、鋳型内パウダー温度を全体にわたって高温の最適
値に保持することができ、しかも作業環境を悪化させる
ことが無く、設備費も低減できるようにする。 【構成】 鋳型1内に投入されるモールドパウダーPO
を鋳型1内において、マイクロ波発信装置10のマイク
ロ波伝播管11からのマイクロ波により誘電加熱すると
共に、この鋳型内モールドパウダーの温度を検出してマ
イクロ波出力制御装置12によりパウダーPO の構成成
分および物性値が変化しない温度範囲で加熱制御し、鋳
型内パウダーを全体にわたって最適な高温に保持する。
鋳型1の上部開口を遮蔽体14で覆い、排気装置15に
よりパウダー中の水分およびパウダー粉塵を除去し、パ
ウダーの保温,作業環境の悪化の防止,水分によるブレ
ークアウト等の防止を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続鋳造において鋳
型内に投入されるモールドパウダーの加熱方法およびそ
の装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造法においては、鋳型内の溶湯面
下に溶湯を注入する浸漬ノズルと、鋳型内の溶湯面を被
覆するモールドパウダーが採用されている。モールドパ
ウダーは、鋳型内において溶鋼に接する部分が溶融して
上から順に粉体層・焼結層・溶融層を形成し、溶湯の酸
化抑制,介在物の混入防止,介在物の捕捉,鋳型と凝固
シェル間への溶融層流入による潤滑や急冷防止等を図っ
ている。
【0003】このモールドパウダーは、通常、室温のま
ま鋳型内に投入されており、溶湯面の最上端であるメニ
スカスを不可避的に冷却している。このメニスカス部の
温度が低下すると、湯面皮張り等が発生し、スラグの噛
み込み,ピンホール等の鋳片表面欠陥の原因となること
が知られている。
【0004】このようなメニスカス部の温度低下を防止
する方法としては、パウダーの粉末化(通常は顆粒)、
発熱型モールドパウダーの使用があるが、粉末パウダー
では保温効果が充分でなく、発熱型パウダーの場合に
は、発熱剤が急激な反応を起こし、発熱効果の持続性が
なく、連続的な保温効果が得られず、鋳片表面品質の飛
躍的改善は望めない。また、発熱型モールドパウダーに
酸化源として含まれるFe2 3 や酸化生成物であるA
2 3 ,SiO2 等の酸化物も介在物として鋳片内部
品質を悪化させている。
【0005】このような問題点を解消する方法として、
通常使用されるパウダー自体を積極的に加熱する方法が
あり、従来においては次のような種々のパウダー加熱方
法が提案されている。
【0006】 特開昭57−19142号公報 連続鋳造の初期,タンディッシュの交換時,異鋼種への
切替時,鋳込中断後の鋳込再開時,鋳片幅変更時のよう
に連鋳速度・溶鋼温度が低下する非定常状態等におい
て、鋳型内に投入されるモールドパウダーを予め加熱炉
等で予熱し(モールドパウダーの化学組成が変化しない
最高800°Cまでの範囲で)、この予熱されたモール
ドパウダーをモールド内に供給する。非定常状態でも鋳
片の表面欠陥を防止できる。
【0007】 特開昭57−52556号公報 貯留ホッパから鋳型内へのパウダー散布装置までモール
ドパウダーを圧送するキャリアガスを、予め熱交換器等
で加熱された高温ガス(N2 ガス)とし、圧送中のモー
ルドガスを前記高温ガスとの接触で予熱し、サイクロン
等で高温ガスと分離された予熱モールドパウダーを鋳型
内に供給する。高速鋳造時でも、モールドパウダーが速
やかに溶融し、鋳型と凝固シェル間の充分な厚さのスラ
グフィルムによりブレークアウト等が防止される。
【0008】 実開昭58−47356号公報 モールドパウダーを供給ホッパから鋳型まで供給するパ
ウダー搬送フィーダに加熱手段を設け、モールドパウダ
ーを予熱することにより鋳片表面欠陥を防止する。
【0009】 特開平4−143053号公報 マイクロ波を用いた加熱であり、供給ホッパー内に貯蔵
されたモールドパウダーを搬送フィーダにより鋳型内に
供給するに際して、モールドパウダーを供給ホッパー内
においてマイクロ波で誘電加熱し(パウダーの構成成分
および物性値が変化しない温度)、搬送フィーダに電気
抵抗発熱体を設けて加熱されたモールドパウダーを保温
する。加熱しにくいモールドパウダーを全体にわたって
容易にかつ迅速に加熱することができる。
【0010】 特開平5−200510号公報 マイクロ波を用いた加熱であり、供給ホッパー内に貯蔵
されたモールドパウダーを搬送フィーダにより鋳型内に
供給するに際して、モールドパウダーを供給ホッパー内
においてマイクロ波で誘電加熱し(パウダーの構成成分
および物性値が変化しない温度)、かつ前記供給ホッパ
ー内に気体を吹き込む。供給ホッパーで気体を混合して
マイクロ波で誘電加熱することで、充分な含熱量が得ら
れ、また鋳型内に投入されるモールドパウダーの流動性
が向上する。
【0011】 特開平5−200511号公報 マイクロ波を用いた加熱であり、モールドパウダーを運
搬台車で搬送し、鋳型内に一括投入するに際して、オー
ブン中における非金属製の加熱容器内でモールドパウダ
ーを加熱し(パウダーの構成成分および物性値が変化し
ない温度)、加熱されたモールドパウダーを防塵容器内
の運搬台車に移載し、この運搬台車では電気抵抗発熱体
により、加熱されたモールドパウダーを保温する。高温
のモールドパウダーを鋳型内に一括投入できる。
【0012】 特開平5−200512号公報 マイクロ波を用いた加熱であり、供給ホッパー内に貯蔵
されたモールドパウダーを搬送フィーダにより鋳型内に
供給するに際して、モールドパウダーを供給ホッパー内
においてマイクロ波で誘電加熱し(パウダーの構成成分
および物性値が変化しない温度)、前記供給ホッパーを
マイクロ波を反射しないセラミック等とし、このような
供給ホッパーにおいてスターラーによってマイクロ波を
分散すると共に、攪拌装置でパウダーを攪拌し、さらに
ホッパー内の水分を強制的に排気し、加熱・除湿された
パウダーを鋳型に投入する。モールドパウダーを全体に
わたって均一に加熱することができ、パウダー中の水分
が激減し、ブレークアウト等の操業トラブルが防止され
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしなから、前述の
ような従来のモールドパウダーを加熱する方法では、次
のような問題点がある。即ち、従来技術の方法では、
加熱炉等で加熱されたモールドパウダーの温度が鋳型に
搬送される時間中に低下する。従来技術の高温ガスに
よる圧送も、搬送途中に温度低下することに加えて、高
温ガスとモールドパウダーとの分離が困難なため、周辺
へのパウダー飛散による環境の悪化や高温ガスによる作
業環境の温度上昇、またガス補給源・熱交換器・圧送タ
ンク・ガスとパウダーの分離装置(サイクロン)等の設
備費の拡大等が懸念される。従来技術のパウダー搬送
フィーダーを電気加熱する方法においてもパウダー自体
の熱伝導度が低いためにパウダーを充分に加熱できな
い。
【0014】また、従来技術〜のマイクロ波による
誘電加熱を利用する方法についても、搬送中における抜
熱により鋳型内のパウダー温度を適性にコントロールで
きず、また均一に誘電加熱するための付属装置,搬送中
に保温するための装置を付加することから設備費が嵩む
などの問題点がある。さらに、従来技術〜に共通の
こととして、鋳型内に供給されたパウダーの表層部は常
に常温の大気に晒されて抜熱量が大きく、いくら加熱し
たパウダーを鋳型内に供給したとしても、パウダー層全
体を一定温度に保持することが困難であり、しかもパウ
ダーを鋳型内に投入する際に粉塵が舞い作業環境を悪化
するなどの問題点がある。
【0015】以上のことをまとめると、前述のようなパ
ウダーを加熱する従来技術では、パウダーを鋳型へ搬送
する途中や鋳型内での大気放熱により鋳型内におけるパ
ウダー温度を最適値に保持することが困難であり、また
搬送工程での粉塵やパウダー投入の際の粉塵などにより
作業環境を悪化させたり、さらに設備費がかかるなどの
問題点がある。
【0016】この発明は、前述のような問題点を解消す
べくなされたもので、その目的は、マイクロ波を用いた
通常パウダーの加熱において、鋳型内パウダー温度を全
体にわたって高温の最適値に保持することができ、鋳片
表面品質の大幅な改善やブレークアウト等の防止を図
れ、しかも作業環境を悪化させることが無く、設備費も
低減することのできる連鋳用モールドパウダーの加熱方
法およびその装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係る連鋳用モ
ールドパウダーの加熱方法は、図1に示すように、連続
鋳造用鋳型1内に投入されるモールドパウダーPO を鋳
型1内においてマイクロ波により誘電加熱すると共に、
この鋳型内モールドパウダーの温度を検出してモールド
パウダーPO の構成成分および物性値が変化しない温度
範囲で加熱制御する。このパウダー加熱の温度範囲はパ
ウダー中の〔C〕が脱炭消失せず、あるいは焼結反応を
起こさせることのない温度範囲であり、例えば200〜
600°Cに設定する。また、この温度範囲で目標加熱
温度を設定し、鋳型内パウダー温度がこの設定加熱温度
となるように鋳型内パウダー温度の検出値を用いてフィ
ードバック制御する。温度検出は、鋳型内パウダーPO
の溶融直前を検出するのが好ましい。
【0018】このような方法を実施する装置は、図1に
示すように、鋳型内1の溶鋼湯面上に投入されたモール
ドパウダーPO にマイクロ波伝播管11を介してマイク
ロ波を照射するマイクロ波発信装置10と、鋳型内モー
ルドパウダーPO の温度を検出する浸漬熱電対13,放
射温度計などの温度検出器と、この温度検出器の検出信
号と設定加熱温度に基づいてマイクロ波の出力を制御す
るマイクロ波出力制御装置12から構成する。
【0019】また、鋳型1の上部に鋳型上部開口を覆う
遮蔽体(遮蔽板)14を設け、鋳型内パウダーPO を保
温して常温大気への放熱を防止し、またパウダーの粉塵
飛散を防止する。
【0020】さらに、遮蔽体14に遮蔽体内を外部に排
気する排気装置15を設け、鋳型内で加熱されたパウダ
ーから発生する水蒸気と前記パウダーの粉塵を鋳型1内
から除去する。
【0021】
【作用】以上のような構成において、鋳型1内の溶鋼表
面上に投入されたモールドパウダーPO に、マイクロ波
発信装置10からのマイクロ波がマイクロ波伝播管11
を介して照射され、モールドパウダーPO が鋳型1内で
誘電加熱される。モールドパウダーPO は鋳型と鋳片間
に流入して消費され、この消費量に見合ったモールドパ
ウダーが供給されるため、モールドパウダー温度が低下
するが、モールドパウダーの温度は熱電対等の温度検出
器で検出されて加熱制御されるため、パウダー温度が常
にパウダー中の〔C〕が脱炭消失せず、あるいは焼結反
応等を起こさない温度範囲内における目標加熱温度に保
持される。
【0022】マイクロ波加熱であるため、モールドパウ
ダーの脱炭反応(600°C程度から)等を防止しつつ
パウダー粒子を均一にかつ精度良く加熱することができ
る。
【0023】即ち、熱媒体がパウダー粒子と直接接触す
る通常の加熱方法では、パウダー粒子の熱伝導度が低い
ため、パウダーの内部まで目標温度に加熱しようとする
と、表面温度が脱炭開始温度を超えてしまい目的を達成
し得ない。これに対してマイクロ波加熱は被加熱体の温
度を表層から内部まで均一に加熱でき、パウダーに脱炭
反応や焼結反応を起こさせることなく、パウダー全体を
最適温度に容易に加熱できる。しかも、電波加熱である
ため、エネルギー制御遅れがない点において制御性に優
れている。
【0024】本発明では、このような誘電加熱を鋳型内
で行うため、加熱位置から鋳型までのパウダー搬送工程
における抜熱がなく、さらに鋳型内に投入された高温モ
ールドパウダーが常温大気によって温度低下することが
なく、しかも鋳型内測温によりリアルタイムでの温度制
御と、遮蔽板による放熱の防止により、従来のような温
度低下が無く、鋳型内モールドパウダー温度を全体にわ
たって高温の最適値に保持できる。
【0025】これにより、パウダー上部の粉末層の大気
と接する部分の温度が従来法と比較して大幅に高くな
り、鋳型内溶鋼表面から大気に向かう抜熱量が小さくな
り、鋳型内溶鋼表面の温度降下を防止でき、ピンホー
ル,スラグ噛み込みなどの鋳片表面欠陥を防止できる
(図2(a)参照)。
【0026】さらに、非定常状態のように鋳込速度が低
下し、溶鋼温度が低下しても、モールドパウダーの溶融
性が損なわれることなく、流動性の高いモールドパウダ
ーが鋳型と鋳片の隙間に入り込み、潤滑が均一に行われ
る。このため、鋳片の鋳型による抜熱も均一となり、鋳
片は均一な凝固シェルを形成することができるので、縦
割れ等の欠陥のない表面性状の優れた鋳片を製造するこ
とができる(図2(b)参照)。
【0027】また、鋳型上部を覆う遮蔽体14および粉
塵等を排出する排気装置15により、粉塵による環境悪
化の懸念がない。さらに、マイクロ波加熱装置による均
等で高温の加熱と、遮蔽体および排気装置による加熱さ
れたパウダーからの水分除去によってパウダー中の水分
含有量を最小に制御することができるため、ブレークア
ウト等の操業トラブルの防止効果もある。(図2(c)
参照)。
【0028】
【実施例】以下、この発明を図示する一実施例に基づい
て詳細に説明する。図1に示すように、鋳型1内には、
レードル(図示省略)内の溶鋼Sがタンディッシュ2・
スライディングノズル装置3・浸漬ノズル4を介して注
入され、鋳型1での一次冷却により溶鋼側面に凝固シェ
ルS’が形成される。鋳型1内の溶鋼湯面上にはモール
ドパウダーPO が図示しないパウダー供給設備からパウ
ダー供給管5を介して供給される。このパウダー供給設
備は、必要に応じて図示しない移動装置によりモールド
1の周囲を移動可能とし、モールド湯面を均一に被覆で
きるようにされている。
【0029】このような構成において、鋳型1とタンデ
ィッシュ2の間に、マイクロ波伝播管11・マイクロ波
出力制御装置12を備えたマイクロ波発信装置10と、
モールドパウダーPO の未溶融部の温度を検出するシー
ス(耐久保護管)型浸漬熱電対13と、鋳型1の上部開
口を覆う遮蔽板14と、遮蔽板14内を外部に排気する
排気装置15を設ける。
【0030】マイクロ波発信装置10に接続されたマイ
クロ波伝播管11は、その先端開口をモールド1内のパ
ウダーPO に向け、照射されたマイクロ波によりパウダ
ーPO が誘電加熱されるようにする。ここで、マイクロ
波伝播管11は、パウダー供給管5の移動経路を阻害す
ることのないように、パウダー供給管5の上方に配置す
る。また、マイクロ波伝播管11は、モールド中央に配
設されている浸漬ノズル4に近接して定置し、鋳型内パ
ウダー全体をカバーできるようにする。
【0031】なお、このマイクロ波伝播管11は一つの
マイクロ波発信装置10に複数配設し、あるいはマイク
ロ波発信装置10・マイクロ波伝播管11を複数台設置
してもよく、例えば偏平スラブ用の偏平鋳型の場合に
は、マイクロ波伝播管11を浸漬ノズル4の両側に配置
して全体にわたって均一な加熱ができるようにする。ま
た、マイクロ波発信装置10・マイクロ波伝播管11・
マイクロ波出力制御装置12等はパウダー供給管5等と
同様に、モールド1の周囲に移動可能としてもよい。
【0032】浸漬熱電対13は、適当な位置で鋳型内パ
ウダーPO の溶融直前の部分に浸漬し、その検出信号を
マイクロ波出力制御装置12に入力する。マイクロ波出
力制御装置12では、検出温度と設定加熱温度とを比較
してマイクロ波発信装置10からのマイクロ波の出力を
制御する。これにより、鋳型内パウダー温度が目標加熱
温度に保持される。
【0033】遮蔽板14は、例えば平面形状が長方形の
鋳型1開口を覆う断面山形とし、浸漬ノズル4やマイク
ロ波伝播管11が貫通する取付穴を穿設し、またパウダ
ー供給管5の移動用スリットも穿設しておく。また、遮
蔽板14に排気ダクト16を設け、この排気ダクト16
にブロア等の排気装置15を設ける。この排気装置15
には、フィルターや除塵器等を設けておく。なお、この
遮蔽板14は金属製として、その内面によりマイクロ波
が反射するようにしてもよい。
【0034】以上のような構成において、次のように、
モールドパウダーの加熱を行う。
【0035】(1) 通常、モールドパウダーは、鋳型内で
の厚みが一定になるように、単位時間当たりに鋳型1と
凝固シェルS’間に流入するパウダー量(以下、パウダ
ー消費速度)に見合った量で鋳型1内に散布される。
【0036】(2) マイクロ波発信装置10により発生し
たマイクロ波をマイクロ波伝播管11を介して鋳型内パ
ウダーPO に照射して誘電加熱する。マイクロ波出力制
御装置12により鋳型内パウダー温度が目標加熱温度
(200〜600°Cの温度範囲)となるようにマイク
ロ波発信装置10の出力を制御すると共に、熱電対13
の検出信号に基づいてフィードバック制御する。
【0037】ここで、鋳型内パウダーPO への加熱速度
は、鋳型内パウダーの消費速度により律速され、そのと
きの熱バランス,必要電力は概ね次のようになる。通常
の計算では(2)式を用いる。
【0038】
【数1】
【0039】
【数2】
【0040】ここで、パウダー比熱=0.3kcal/
kg・°C,目標加熱温度=250°C,室温でのパウ
ダーの温度=25°C,加熱速度(=パウダー消費速
度)2kg/分とすると、
【0041】
【数3】
【0042】(3) 前述のパウダーの投入・マイクロ波加
熱の間、排気装置15を作動させ、遮蔽板14内の水蒸
気やパウダー粉塵を排出する。
【0043】次に、図2,図3は、低炭素アルミキルド
鋼に対して鋳型内パウダーを400°Cにマイクロ波加
熱した例である。なお、同図において、従来法はパウダ
ー供給ホッパー等において鋳型への投入前にマイクロ波
加熱した場合である。
【0044】図3に示すように、パウダー温度は従来の
マイクロ波加熱よりも鋳型内パウダーの上層の温度低下
が少なく、パウダー厚み方向でほぼ均一に加熱されてい
ることがわかる。これにより、鋳型内溶鋼表面の温度降
下が防止され、図2(a)に示すように、鋳片表皮下ピ
ンホール(スラグ噛み込みも含む)が従来法に比べて大
幅に低減した。また、鋳型と鋳片との間に流動性の高い
均一なパウダーフィルムが形成され、図2(b)に示す
ように、鋳片縦割れ疵も従来の約1/4に減少した。パ
ウダー中の水分量とブレークアウト頻度の関係は、図4
に示す通りであり、鋳型内の均一で高温のマイクロ波加
熱と、遮蔽体と排気装置による加熱されたパウダー中か
らの水分除去とにより、パウダー中水分量が最小に制御
され、図2(c)に示すように、ブレークアウト発生率
も激減した。なお、この図において、比較例は排気装置
15の無い場合であり、排気装置15がパウダー中水分
量を減少させるのに効果的であることが分かる。
【0045】
【発明の効果】前述の通り、この発明はモールドパウダ
ーを鋳型内でマイクロ波を用いて誘電加熱し、この鋳型
内パウダーの温度を検出してパウダーの構成成分および
物性値が変化しない温度範囲で加熱制御し、さらに鋳型
上部を遮蔽体で覆い、この遮蔽体内を排気するようにし
たため、次のような効果を奏する。
【0046】(1) マイクロ波加熱のため、加熱しにくい
パウダーを脱炭反応や焼結反応等を起こさせることなく
内部まで均等に加熱できると共に、鋳型内で誘電加熱す
るため、従来の搬送中の抜熱や鋳型内での大気放熱等が
なく、パウダー全体を高温の最適温度に加熱することが
できる。従来のマイクロ加熱と比較しても、パウダー温
度を高く維持することができるため、ピンホールやスラ
グ噛み込み、さらに縦割れ疵などの鋳片表面欠陥を大幅
に低減することができ、次工程での表面手入れを大幅に
削減できる。
【0047】(2) マイクロ波加熱装置による均等で高温
の加熱と、遮蔽体および排気装置による加熱されたパウ
ダーからの水分除去によって、鋳型内で加熱されたパウ
ダー中の水分含有量を減少させることができ、ブレーク
アウト等の操業トラブルを防止することができる。
【0048】(3) 従来のような高温ガス圧送設備やパウ
ダーを均一にマイクロ波加熱するためのスターラー,攪
拌装置、あるいはフィーダーでの保温装置などを必要と
せず、比較的コストのかからない設備でモールドパウダ
ーを最適値に加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る加熱装置を示す概略図である。
【図2】(a)はピンホール疵発生率を従来法と本発明
とで比較したグラフ、(b)は縦割れ疵発生率を従来法
と本発明で比較したグラフ、(c)はブレークアウト発
生率を従来法と本発明で比較したグラフである。
【図3】鋳型内パウダーの温度分布を従来法と本発明で
比較したグラフである。
【図4】パウダー中水分量とブレークアウト頻度の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
O …モールドパウダー 1…鋳型 2…タンディッシュ 3…スライディングノズル装置 4…浸漬ノズル 5…パウダー供給管 10…マイクロ波発信装置 11…マイクロ波伝播管 12…マイクロ波出力制御装置 13…シース型浸漬熱電対 14…遮蔽板 15…排気装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造用鋳型内に投入されるモールド
    パウダーを鋳型内においてマイクロ波により誘電加熱す
    ると共に、この鋳型内モールドパウダーの温度を検出し
    てモールドパウダーの構成成分および物性値が変化しな
    い温度範囲で加熱制御することを特徴とする連鋳用モー
    ルドパウダーの加熱方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の連鋳用モールドパウダ
    ーの加熱方法において、鋳型の上部開口を遮蔽体で覆う
    ことを特徴とする連鋳用モールドパウダーの加熱方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の連鋳用モールドパウダ
    ーの加熱方法において、遮蔽体内を外部に排気すること
    を特徴とする連鋳用モールドパウダーの加熱方法。
  4. 【請求項4】 鋳型内の溶鋼湯面上に投入されたモール
    ドパウダーにマイクロ波伝播管を介してマイクロ波を照
    射するマイクロ波発信装置と、鋳型内モールドパウダー
    の温度を検出する温度検出器と、この温度検出器の検出
    信号と設定加熱温度に基づいてマイクロ波の出力を制御
    するマイクロ波出力制御装置を備えていることを特徴と
    する連鋳用モールドパウダーの加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の連鋳用モールドパウダ
    ーの加熱装置において、鋳型の上部に鋳型上部開口を覆
    う遮蔽体を設けたことを特徴とする連鋳用モールドパウ
    ダーの加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の連鋳用モールドパウダ
    ーの加熱装置において、遮蔽体に遮蔽体内を外部に排気
    する排気装置を設けたことを特徴とする連鋳用モールド
    パウダーの加熱装置。
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JP (1) JPH081294A (ja)

Cited By (9)

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