JP2009042209A - 担体およびその製造方法並びにバイオリアクター - Google Patents

担体およびその製造方法並びにバイオリアクター Download PDF

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Abstract

【課題】生理活性物質を安定に固定化することが可能な担体を製造する。
【解決手段】基板に高分子膜を結合し、この高分子膜にリガンドを結合させて、リガンドが1.0×1016個/mm3以上3.3×1018個/mm3以下の密度で高分子膜に結合している担体を製造する場合に、高分子膜にリガンドを結合させる工程を有機溶剤中で行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、生理活性物質を固定するのに好適な担体およびその製造方法、さらにはその担体を備えたバイオリアクターに関するものである。
現在、臨床検査等で免疫反応など分子間相互作用を利用した測定が数多く行われているが、中でも煩雑な操作や標識物質を必要とせず、測定物質の結合量変化を高感度に検出することのできるいくつかの技術が使用されている。例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術である。これらの技術においては、いずれの場合も、生理活性物質を固定化する表面が重要である。以下、表面プラズモン共鳴(SPR)を例にとって説明する。
一般に生理活性物質を測定するために使用される測定チップは、透明基板(例えば、ガラス)上に、蒸着された金属膜、タンパク質等の生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜を順に有し、官能基を介して金属表面に生理活性物質が固定化されている。そして、生理活性物質と検体物質間の特異的な結合反応を測定することによって、生体分子間の相互作用を分析する。
測定チップに生理活性物質を固定化するためのいくつかの手法が知られている。生理活性物質としてタンパク質を例にとった場合、測定チップとタンパク質を共有結合により固定化するための手法として、タンパク質のアミノ基と測定チップ上のカルボキシル基とを結合させる方法(アミンカップリング法)が知られている。しかしながら、この方法では、固定化によってタンパク質表面の任意のアミノ基が修飾されることになるため、固定化されるタンパク質の配向が一定にならない場合や、修飾されるアミノ基の位置によってタンパク質と基質との結合が阻害されてタンパク質の活性が低下する場合がある。また、この方法では、チップ上にタンパク質を濃縮する必要があるが、固定化の際にタンパク質を、固定化されるタンパク質のpIよりも低いpH、かつ低いイオン強度の緩衝液に溶解する必要がある。それゆえ、このような条件下で変性するタンパク質の場合には、活性を維持したまま固定化することができないという問題がある。
一方、遺伝子改変により人工的に合成されたタンパク質のN末端あるいはC末端に導入されたTagと呼ばれる部分を用いて、中性条件下で測定チップ上にタンパク質を固定化する手法が開発されている。その代表例として、His-tagを用いた固定化技術が挙げられる。この技術は、遺伝子組換えによって発現させたHis-tagタンパク質を精製するためのアフィニティーカラム用として開発されたものであるが、タンパク質を一定の配向性を持たせた状態で固体表面に固定化させる目的にも用いられている。
特に、NTA(Nitrilotriacetic acid)とNi(II)イオンとによるNTA-Ni(II)錯体を用いたHis-tagタンパク質の固定化では、錯体中の2つの配位座に配位した水分子がHis-tagタンパク質のオリゴヒスチジン残基の2つのイミダゾール基の窒素原子と置換することによって、His-tagタンパク質が特異的かつ一定方向に固体表面に結合する。このNTA-Ni(II)錯体を用いるHis-tagタンパク質の固定化では、酸性条件下でプレコンセントレーションを行う必要がないため、生理的条件の緩衝液(PBSなど)を用いてHis-tagタンパク質の固定化が可能となり、アミンカップリングの有する問題を解消することが可能である。
しかし、His-tagタンパク質とNTA-Ni(II)錯体との組み合わせは、アフィニティーカラムによる精製を目的として開発されているため、その結合は充分に強固ではなく、解離平衡が存在する。それゆえ、測定チップ上にNTA-Ni(II)錯体を介して固定化されたHis-tagタンパク質は、徐々に測定チップから解離してしまうという問題があり、そのままではバイオセンサー等の用途には適用できない。
この解離の問題を解決するために、いくつかの検討がなされている。例えば、特許文献1や2には、酸化剤等で酸化することによってHis-tagタンパク質に配位している金属イオンの置換不活性化による固定化方法が開示されている。しかし、これらの方法では、その酸化速度や酸化剤によってはタンパク質の失活が起こる場合があるという問題がある。また、特許文献3には、リガンドを上記NTAではなく、triNTAとすることによる結合の改善の試みが記載されているが、実用的に充分な固定化は得られていない。
ところで、非特許文献1には多糖類にNTAを固定する技術が開示されている。また、非特許文献2には、NTA-Ni(II)錯体を用いたHis-tagタンパク質の固定化において、His-tagタンパク質のイミダゾール基とNi(II)を多点でNTAのリガンドと結合する技術が開示されている。
特開2006-266831号公報 特開平6-157600号公報 特表2002-536428号公報 Anal.Chem.2006,78,3072-3079 Anal.Chem.2005,77,1096-1105
生理活性物質を多点で把持することができれば、結合力を高めることができ、上述のような解離の問題は解決できると考えられるが、上記非特許文献1および2では、いずれもどの程度のNTA密度であれば解離の問題が解決できるかという点は検討されていない。また、非特許文献2に記載されている固定技術は近接しているリガンド同士がリジットであり、フレキシブルに動くことができないので、タンパク質に対し多点で金属が配位結合しにくく、実際にはタンパク質を多点で安定に固定することができないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、生理活性物質を安定に固定化することが可能な担体およびこの担体の製造方法、並びにこの担体を備えたバイオリアクターを提供することを目的とするものである。
本発明の担体は、基板と、該基板表面上に結合された高分子膜と、該高分子膜に結合されたリガンドとを備えた担体において、前記リガンドが1.0×1016個/mm3以上3.3×1018個/mm3以下の密度で前記高分子膜に結合していることを特徴とするものである。
前記リガンドはニトリロトリ酢酸誘導体であることが好ましい。
前記リガンドは金属イオンに固定されていることが好ましい。
前記金属イオンには生理活性物質が固定されていることが好ましく、前記金属イオンは遷移金属イオンであることが好ましい。
前記生理活性物質は前記遷移金属イオンに配位結合する官能基を有し、該官能基によって前記生理活性物質が前記遷移金属イオンに固定されていることが好ましい。
前記官能基はイミダゾール基であることが好ましい。
前記高分子膜は、自己組織化膜を介して結合されていることが好ましい。
前記高分子膜は親水性ポリマーであることが好ましい。
上記本発明の担体の製造方法は、前記基板に前記高分子膜を結合し、該高分子膜に前記リガンドを結合させ担体の製造方法において、前記高分子膜に前記リガンドを結合する工程を有機溶剤中で行うことを特徴とするものである。
前記有機溶剤は非プロトン系極性溶媒であることが好ましく、ジメチルスルホキサイド(DMSO)またはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)であることがより好ましい。
前記担体は、バイオリアクターやバイオセンサー用の担体として好適に用いられる。
本発明の担体は、基板と、該基板表面上に結合された高分子膜と、該高分子膜に結合されたリガンドとを備えた担体において、前記リガンドが1.0×1016個/mm3以上3.3×1018個/mm3以下の密度で前記高分子膜に結合しているので、リガンドによって生理活性物質を多点で固定化することが可能となり、生理活性物質を安定に固定化することができる。
本発明の担体の製造方法は、前記基板に前記高分子膜を結合し、該高分子膜に前記リガンドを結合させ担体の製造方法において、前記高分子膜に前記リガンドを結合する工程を有機溶剤中で行うので、リガンドを高密度に高分子膜に結合させることができる。
本発明の担体は、基板と、該基板表面上に結合された高分子膜と、該高分子膜に結合されたリガンドとを備えた担体において、前記リガンドが1.0×1016個/mm3以上3.3×1018個/mm3以下の密度で前記高分子膜に結合していることを特徴とする。
以下、本発明の担体の各構成およびその構成の形成方法(活性化)について説明し、次に、本発明の担体を製造する工程を図面を用いて説明し、最後にバイオリアクターやバイオセンサーに適用する場合について説明する。
(1)基板
本発明の担体における基板は、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、一般的にはBK7等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料からなるものが使用できる。このような基板は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。
基板上には金属膜が配置される。ここで、基板上に配置されるとは、金属膜が基板上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む意味である。金属膜を構成する金属としては、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されない。好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。それらの金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記基板への付着性を考慮して、基板と金属からなる層との間にはクロム等からなる介在層を設けてもよい。
金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、0.1nm以上500nm以下であることが好ましく、特に1nm以上200nm以下であることが好ましい。500nmを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であることが好ましい。
またバイオリアクター用を考えた場合、基板は、ガラス、金属酸化物、あるいは合成樹脂、具体的にはセファロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリメチル(メタ)クリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどを用いることができる。このような基板は好ましくは、バイオリアクターを使用する条件で安定性の高い材料が望ましい。
金属膜は必ずしも必要とはならないが、必要な場合には上記バイオセンサーと同様の金属を用いることができ、0.1nm以上1μm以下であることが好ましく、特には1nm以上100nm以下が好ましい。また、上記バイオセンサーと同様にクロム等からなる介在層を設けてもよく、その介在層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であることが好ましい。
(2)高分子膜
金属膜が形成された基板上には、高分子膜が結合される。高分子膜は、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、又はその組み合わせから構成することができるが、親水性ポリマーを使用することが好ましい。高分子膜は基板上に直接結合されても、間接的に結合されていてもよい。特に好ましい態様によれば、金属膜が形成された基板上に、自己組織化膜形成分子と親水性ポリマーの組み合わせから構成することができる。以下、この態様について説明する。
(2−1)自己組織化膜形成分子
自己組織化膜とは、外からの細かい制御を加えていない状態で、膜材料そのものがもつ機構によって形成される一定の秩序をもつ組織をもった単分子膜やLB膜などの超薄膜のことを言う。この自己組織化により、非平衡な状況で長距離にわたって秩序がある構造やパターンが形成される。
自己組織化膜(SAMs)を用いた金属膜の被覆法は、ハーバード大のWhitesides教授らにより精力的に展開されており、その詳細は例えばChemical Review, 105, 1103-1169 (2005)に報告されている。金属として金を用いた場合、有機層形成化合物として一般式A-1(一般式A-1において、nは3から20の整数を示し、Xは官能基を示す)に示すアルカンチオール誘導体を用いることにより、Au-S結合とアルキル鎖同士のvan der Waals力に基づき、配向性を持つ単分子膜が自己組織的に形成される。自己組織化膜は、アルカンチオール誘導体の溶液中に金基板を浸漬するという極めて簡便な手法で作製される。一般式A-1においてX=NH2である化合物を用いて自己組織化膜を形成させることで、アミノ基を有する有機層で金表面を被覆することが可能となる。
Figure 2009042209
末端にアミノ基を有するアルカンチオールは、アルキル鎖を介してチオール基とアミノ基が連結している化合物(一般式A-2)(一般式A-2において、nは3から20の整数を示す)でもよく、末端にカルボキシル基を有するアルカンチオール(一般式A-3、A-4)(一般式A-3においてnは3から20の整数を示し、一般式A-4においてnはそれぞれ独立に1から20の整数を示す)と大過剰のヒドラジドまたはジアミンを反応させた化合物でもよい。末端にカルボキシル基を有するアルカンチオールと大過剰のヒドラジドまたはジアミンとの反応は、溶液状態で行ってもよく、また、末端にカルボキシル基を有するアルカンチオールを基板表面に結合した後、大過剰のヒドラジドまたはジアミンを反応させてもよい。
Figure 2009042209
A-2〜A-4のアルキル基の繰返し数は、3以上20以下が好ましく、さらに3以上16以下が好ましく、4以上8以下が最も好ましい。アルキル鎖が短いと自己組織化膜を形成しにくく、アルキル鎖が長いと水溶性が低下し、ハンドリングが困難になる。
本発明に用いるポリアミンとしては、任意の化合物を用いることが可能であるが、バイオセンサー表面またはバイオリアクター表面に用いる場合、水溶性ポリアミンが好ましい。水溶性ポリアミンとしては具体的に、エチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ピペラジン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ジヘキサメチレントリアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン等の脂肪族ジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン酸等の芳香族ジアミンが挙げられる。バイオセンサー表面またはバイオリアクター表面の親水性を向上させるという観点から、2つのアミノ基をエチレングリコールユニットで連結した化合物を用いることも可能である。本発明に用いるジアミンとしては、好ましくはエチレンジアミンまたは一般式A-5(一般式A-5において、n及びmは、それぞれ独立に1から20の整数を示す)で表される化合物であり、より好ましくは、エチレンジアミンまたは1,2−ビス(アミノエトキシ)エタン(一般式A-5において、n=2,m=1)である。
Figure 2009042209
アミノ基を有するアルカンチオールは、単独で自己組織化膜を形成することも可能であり、また、他のアルカンチオールと混合して自己組織化膜を形成することも可能である。バイオセンサー表面に用いる場合、他のアルカンチオールとしては、生理活性物質の非特異吸着を抑制可能な化合物を用いることが好ましい。生理活性物質の非特異吸着を抑制可能な自己組織化膜に関しては、前述のWhitesides教授らにより詳細に検討されており、親水性基を有するアルカンチオールから形成された自己組織化膜が非特異吸着抑制に有効であることが報告されている(Langmuir,17,2841-2850, 5605-5620, 6336-6343 (2001))。
本発明において、アミノ基を有するアルカンチオールと混合単分子膜を形成するアルカンチオールは、前記論文に記載された化合物を好ましく用いることが可能である。非特異吸着抑制能に優れ、入手が容易であることから、アミノ基を有するアルカンチオールと混合単分子膜を形成するアルカンチオールとしては、水酸基を有するアルカンチオール(一般式A-6)あるいはエチレングルコールユニットを有するアルカンチオール(一般式A-7)(一般式A-6において、nは3から20の整数を示し、一般式A-7において、n及びmは、それぞれ独立に1から20の整数を示す)を用いることが好ましい。好ましくは、一般式A-6において、nは5以上であり、10以上であることがさらに好ましく、10〜30がさらに好ましく、最も好ましくは10〜16である。
Figure 2009042209
アミノ基を有するアルカンチオールを他のアルカンチオールと混合して自己組織化膜を形成する場合、A-2〜A-4のアルキル基の繰返し数は、4以上20以下が好ましく、さらに4以上16以下が好ましく、4以上10以下が最も好ましい。また、A-6,A-7のアルキル基の繰返し数は、3以上16以下が好ましく、さらに3以上12以下が好ましく、3以上8以下が最も好ましい。
本発明において、アミノ基を有するアルカンチオールと水酸基を有するアルカンチオールは、任意の割合で混合することが可能であるが、アミノ基を有するアルカンチオールの割合が少ない場合には後述する親水性ポリマーの結合量が低下し、水酸基を有するアルカンチオールの割合が少ない場合には非特異吸着抑制能が減少する。それゆえ、アミノ基を有するアルカンチオールと水酸基を有するアルカンチオールの混合比は、1/1〜1/1,000,000の範囲であることが好ましく、1〜1/1,000の範囲であることがより好ましく、1〜1/10の範囲であることがさらに好ましい。活性エステル化されたカルボキシル基を含有するポリマーと反応する場合の立体障害低減の観点から、アミノ基を有するアルカンチオールの分子長は、水酸基を有するアルカンチオールの分子長よりも長いことが好ましい。
本発明で用いるアルカンチオールは、Northwestern大学のGrzybowski教授らによる総説(Curr. Org. Chem., 8, 1763-1797(2004).)およびその引用文献に基づいて合成された化合物を用いても良く、また市販の化合物を用いてもよい。これらの化合物は、同仁化学(株)、Aldrich社、SensoPath Technologies社、Frontier Scientific Inc.社等から購入可能である。本発明においてアルカンチオールの酸化生成物であるジスルフィド化合物は、アルカンチオールと同様に用いることが可能である。
(2−2)親水性ポリマー
本発明で用いることができる親水性ポリマーとしては、ゼラチン、アガロース、キトサン、デキストラン、カラゲナン、アルギン酸、澱粉、セルロース、又はこれらの誘導体、例えばカルボキシメチル誘導体、又は水膨潤性有機ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール又はこれらの誘導体などを挙げることができる。
本発明で用いる親水性ポリマーとしてはさらに、カルボキシル基含有合成ポリマーおよびカルボキシル基含有多糖類を用いることが可能である。カルボキシル基含有合成ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびこれらの共重合体、例えば特開昭59-53836号明細書3頁20行〜6頁49行、特開昭59-71048号明細書3頁41行〜7ページ54行明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなどが挙げられる。カルボキシル基含有多糖類は、天然植物からの抽出物、微生物発酵の生産物、酵素による合成物、または化学合成物の何れであってもよく、具体的には、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、デルマタン酸硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セロウロン酸、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン等が挙げられる。カルボキシル基含有多糖類は、市販の化合物を用いることが可能であり、具体的には、カルボキシメチルデキストランであるCMD、CMD-L、CMD-D40(名糖産業社製)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬社製)、アルギン酸ナトリウム(和光純薬社製)、等を挙げることができる。
本発明で用いる親水性ポリマーの分子量は特に限定されないが、一般的には200以上5000000以下であることが好ましい。さらに好ましい親水性ポリマーの分子量は10000以上2000000以下である。
上記したような親水性ポリマーは、本明細書中以下に説明するような自己組織化膜又は疎水性ポリマーを介して基板に結合させてもよいし、あるいはモノマーを含む溶液から直接基板上に形成させることもできる。さらに、上記した親水性ポリマーは架橋することもできる。親水性ポリマーの架橋は当業者に自明である。
センサー表面またはバイオリアクター表面に結合する親水性ポリマーは、水溶液中の膜厚が1nm以上0.5mm以下であることが好ましく、より好ましくは1nm以上1μm以下であることが望ましい。膜厚が薄いと生理活性物質固定量が減少し、被検体物質との相互作用が起こりにくくなる。一方、膜厚が厚いと被検体物質が膜内に拡散するため好ましくない。水溶液中の親水性ポリマー膜厚はAFM、エリプソメトリーなどで評価することができる。
(2−3)親水性ポリマーの活性化
親水性ポリマーとしてカルボキシル基を含有するポリマーを使用する場合、カルボキシル基を活性化することによって、自己組織化膜で被覆された基板に結合することができる。カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法としては、公知の手法、例えば、水溶性カルボジイミドである1-(3-Dimethylaminopropyl)-3 ethylcarbodiimide(EDC)とN-Hydroxysuccinimide(NHS)により活性化する方法、又はEDC単独により活性化する方法を好ましく用いることができる。この手法で活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを、アミノ基を有する基板と反応させることで、基板上に親水性ポリマーを結合させることが可能となる。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として含窒素化合物を用いる方法があり、具体的には、下記一般式(Ia)又は(Ib)(式中、R1及びR2は、互いに独立して電子吸引性基(例えばカルボニル基、芳香環、窒素原子など)を表し、R1及びR2は結合により5〜6員環を形成しても良く、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)に示される含窒素化合物を用いることもできる。
Figure 2009042209
ここで、R1及びR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表すが、好ましくはR1及びR2は結合により5〜6員環を形成する。特に好ましくは、ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシフタル酸、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン、及びその誘導体が提供される。
また、好ましくは下記に示される含窒素化合物を用いることもできる。
Figure 2009042209
また、好ましくは含窒素化合物としては、下記一般式(I)(式中、Y及びZは、互いに独立してCH、または窒素原子を表す)で表される化合物を用いることもできる。
Figure 2009042209
一般式(I)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
Figure 2009042209
また、含窒素化合物としては、下記の化合物等も好ましくあげられる。
Figure 2009042209
また好ましくは、含窒素化合物としては、下記一般式(II)(式中、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Y及びZは、互いに独立してCH、または窒素原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)を用いることもできる。
Figure 2009042209
ここで、Aで表される炭素原子またはリン原子の置換基としては、置換基を有するアミノ基が好ましく、ジメチルアミノ基やピロリジノ基の様なジアルキルアミノ基が好ましい。Mで表される(n-1)価の元素は、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子などが挙げられるが、好ましくはリン原子があげられる。Xで表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、好ましくはフッ素原子が挙げられる。
一般式(II)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
Figure 2009042209
また、含窒素化合物としては、下記一般式(III)(式中、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)を用いることもできる。
Figure 2009042209
一般式(III)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
Figure 2009042209
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として、電子吸引性基を有するフェノール誘導体を使用することも好ましく、更に電子吸引性基のσ値が0.3以上であることが好ましい。具体的には、下記化合物などを用いることができる。
Figure 2009042209
更に、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法では、別にカルボジイミド誘導体物を併用することができ、好ましくは、水溶性カルボジイミド誘導体を併用することができ、更に好ましくは下記の化合物、(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide, hydrochloride)を併用することができる。
Figure 2009042209
上記のカルボジイミド誘導体及び、含窒素化合物、またはフェノール誘導体は併用して使用するだけではなく、所望により、夫々、単独で用いることもできる。好ましくはカルボジイミド誘導体と含窒素化合物との併用である。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として、下記化合物を用いることもできる。該化合物は単独で用いることもできるが、カルボジイミド誘導体、含窒素化合物、フェノール誘導体と併用してもよい。
Figure 2009042209
さらに、カルボキシル基を含有するポリマーにおけるカルボン酸を活性化する手法としては、特開2006-58071号公報「0011」〜「0022」に記載の方法(即ち、基板の表面に存在するカルボキシル基を特定の構造を有するウロニウム塩、ホスホニウム塩、又はトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基を形成する方法)、並びに特開2006-90781号公報「0011」〜「0019」に記載の方法(即ち、基板の表面に存在するカルボキシル基を、カルボジイミド誘導体又はその塩で活性化し、水酸基を有する含窒素ヘテロ芳香族化合物、電子吸引性基を有するフェノール誘導体又はチオール基を有する芳香族化合物のいずれかの化合物でエステルとした後、アミンと反応させることによりカルボン酸アミド基を形成する方法)を好ましく用いることもできる。
なお、上記した特開2006-58071号公報における特定の構造を有するウロニウム塩、ホスホニウム塩、又はトリアジン誘導体とは、下記一般式1で表されるウロニウム塩、下記一般式2で表されるホスホニウム塩、又は下記一般式3で表されるトリアジン誘導体である。
Figure 2009042209
(一般式1において、R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R3は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式2において、R4とR5はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R6は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式3において、R7はオニウム基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に電子供与基を示す。)
(2−4)親水性ポリマーの基板への塗布
本発明において活性エステル化されたカルボキシル基を含有するポリマーは、溶液として基板と反応させてもよく、また、スピンコート等の手法を用いて基板上の薄膜を形成させた状態で反応させてもよい。好ましくは、薄膜を形成させた状態での反応である。
上記の通り、本発明において活性エステル化されたカルボキシル基を含有するポリマーは、薄膜状態で基板と反応させることが好ましい。基板上に薄膜を形成させる方法は、公知の方法を用いることが可能であるが、具体的には、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、キャスティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、スライドビードコート法、スリットアンドスピン方式、スリットコート方式、ダイコート法、ディップコート法、ナイフコート法、ブレードコート法、フローコート法、ロールコート法、ワイヤバーコート方式、転写印刷法、等を用いることが可能である。これらの薄膜形成法については、「コーティング技術の進歩」原崎勇次著、総合技術センター(1988)、「コーティング技術」技術情報協会(1999)、「水性コーティングの技術」シーエムシー(2001)、「進化する有機薄膜 成膜編」住べテクノリサーチ(2004)、「高分子表面加工学」岩森暁著、技報堂出版(2005)、等に説明されている。膜厚制御された塗布膜を簡便に作製可能であることから、本発明において基板上に薄膜を形成させる方法としては、スプレーコート法またはスピンコート法が好ましく、スピンコート法がさらに好ましい。
(3)リガンド
高分子膜にはリガンドが結合される。リガンドとなる化合物としては、各種キレート剤を用いることができ、ニトリロトリ酢酸誘導体(NTA)、イミノジ酢酸、フェナンスロリン、テルピリジン、ビピリジン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリス(カルボキシメチル)エチレンジアミン、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ポリピラゾリルホウ酸、1,4,7−トリアゾシクロノナン、ジメチルグリオキシム、ジフェニルグリオキシム等の多座配位子を好ましくあげることができる。この中でも、ニトリロトリ酢酸、イミノジ酢酸、又はそれらの誘導体であることがさらに好ましい。リガンドの結合は、例えば、高分子膜が、カルボキシル基を有する親水性ポリマーから構成されている場合には、このカルボキシル基を活性化した後に、リガンドとなる化合物を反応させることによって、リガンドを親水性ポリマーに結合することができる。
このリガンドの結合の際には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤を用いることによってリガンドを1.0×1016個/mm3以上3.3×1018個/mm3以下の密度で高分子膜に結合することができる。このリガンド密度は好ましくは、1.0×1016個/mm3以上3.3×1018個/mm3以下、より好ましくは1.0×1016個/mm3以上1.8×1017個/mm3以下、さらに好ましくは3.6×1016個/mm3以上1.8×1017個/mm3以下である。ただし、膜密度が高くなるほど、生理活性物質は膜内に進入しにくくなることがあるため、リガンドは多ければ多いほどよいというわけではない。
このリガンドの結合の際には添加剤として塩基を用いることが好ましい。塩基を用いることにより、リガンドの結合率をより高めることができる。この塩基の例としては、DBU(1,8-diazabicyclo[5,4,0]undec-7-ene)、DBN(1,5-diazabicyclo[4,3,0]non-5-ene)、イミダゾール、メチルイミダゾール、ピリミジン、ピリジン、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン、ピコリン、2,6-ルチジンキノリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルフェニルアミン、DABCO(1,4-diazabicyclo[2.2.2]octane)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等が好ましく挙げられ、用いる有機溶媒によって適宜選択することができる。
用いる塩基の量としては結合リガンド量に対して0.1モル%以上10000モル%以下が好ましく、より好ましくは100モル%以上1000モル%以下、さらには300モル%以上500モル%以下であることが好ましい。
このリガンド密度は以下のようにして求めることができる。実際に測定を行って求める場合は、支持体上にリガンドを結合した後、金属イオンを付与し、支持体上に固定された金属イオンの数をICP分析装置などで求め、この金属イオンの数とリガンドが結合している部分の支持体の面積から、単位面積あたりのリガンドの数を求めることができる。計算によって求める場合は、リガンドの体積をCHEM3D(CambridgeSoft社製)などの計算ソフトを使用して求めることで、単位面積あたりのリガンドの数を求めることができる。リガンドの体積を計算ソフトで求めた場合、例えばNTAであれば0.3nm3程度と見積もられるので3.3×1018個/mm3よりも高い密度では理論上リガンドを結合することは困難である。なお、リガンド密度は固定化した生理活性物質を除去後、金属イオンの数を測定することによって求めることもできる。
有機溶剤としては、ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ブチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、ジグライム等を好ましくあげることができ、リガンドの溶解性および副反応の抑制の観点からはジメチルスルホキサイドあるいはN、N−ジメチルホルムアミドを用いることがより好ましい。
(4)金属イオン
金属イオンは、不飽和金属錯体を形成する金属イオンであればよく、得られる金属錯体の安定性の観点からは遷移金属イオンが好ましく、具体的には、Ni(II)、Cu(I)、Cu(II)、Co(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Ga(III)のいずれかのイオンであり、リガンドの種類に応じて適宜選択することができる。中でも好ましくは、Ni(II)、Cu(II)、Co(III)、Fe(III)であり、さらに好ましくは、Ni(II)、Cu(II)である。金属イオンは、価数によって結合力が異なるが、Co(II)、Fe(II)の場合は、特開平6-157600 号の[0037]、[0038]に記載されている酸化還元方法で、金属イオンの酸化数を変化させ、結合力を変えることが可能である。
金属イオンとリガンド密度の組み合わせとしては、金属イオンがCu(II)の場合、リガンド密度は1.7×1016以上であることが好ましい。
(5)生理活性物質
生理活性物質は、例えば免疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは配位子結合能を有するポリペプチドもしくはオリゴペプチドなどが挙げられる。これらの生理活性物質は、金属イオンへの配位結合により基板上に固定されるものであり、金属イオンに対して配位可能な官能基を有する、即ち、金属配位能を有するものであればよい。このような金属配位能は、強い配位力を持つ配位子を共有結合することによって容易に付与することができる。
官能基としては、含窒素複素環を有し、金属イオンと共に金属錯体を形成可能なものであればよい。含窒素複素環としては、窒素原子を含む3員環から7員環の単環及び縮合環構造のいずれであってもよく、環中の窒素原子は単数でも複数であってもよい。好ましくは、5員環から6員環のものを挙げることができる。このような含窒素複素環を有する配位子として具体的には、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−チアジアゾ−ル、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、アゼピン、アゾニン、キノリン、アクリジン、フェナンスリジン、インドール、イソインドール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、1,8−ナフチリジン、プリン、プテリジン、ベンゾトリアゾール、キノキサリン、キナゾリン、ペリミジン、シンノリン、フタラジン、1,10−フェナンスロリン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン、8−ヒドロキシキノリン、8−メルカプトキノリン、2,2’−ビピリジン、2,2’−ジピリジルアミン、ジ(2−ピコリルアミン)、2,2’,2”−ターピリジン、ポルフィリン、フタロシアニン、およびそれらの誘導体が挙げられる。得られる金属錯体の安定性の観点から好ましくはピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、およびそれらの誘導体が好ましい。
とりわけ、官能基としては、アミノ酸自動合成装置を用いた導入、あるいは遺伝子操作による導入が容易であることから、イミダゾール基が好ましい。イミダゾール基を含むヒスチジン(His)を機能性部位として導入したいわゆるHis-tagは長い方が好ましく、イミダゾール基は6個〜100個程度であることがより好ましい。ヒスチジンは、His-His-His-Hisのように連続していてもよく、例えば、His-His-○−His-Hisのように間に別な構造を有していてもよい。
本発明において「多点で生理活性物質を固定する」とは、リガンドとHis-tag中の含窒素複素環基が複数の金属イオンと結合していることを指し、単位面積あたりのリガンドの密度を高くする、及び/又は、His-tagを長くすることによって複数の金属イオンと結合することができる。
(6)生理活性物質の固定化
生理活性物質の固定化は、生理活性物質を含む溶液を塗布することによって行う。本発明において、「塗布」とは、浸漬する方法も含む。生理活性物質が含窒素複素環基を有する場合、生理活性物質の含窒素複素環が金属イオンに配位結合し、錯体を形成することによって固定化される(図2参照)。
支持体に結合したリガンドに対して、金属イオンと、生理活性物質の含窒素複素環基と、を付与すると、金属イオンに、(1)リガンドと、(2)生理活性物質の含窒素複素環基と、(3)水分子または水酸化イオンと、が配位し、錯体を形成する。
例えば、リガンドとしてNTAを使用し、6配位可能な金属イオンを付与した場合、6配位部位中4つの配位部位を、(1)NTAが保有する3つのカルボキシル基と1つの窒素原子が占有し、残りの2つの配位部位は、(2)生理活性物質の含窒素複素環基と、(3)水分子または水酸化イオンなどと、が占有することにより、6配位の錯体を形成する。
リガンドとして、イミノジ酢酸を使用し、6配位可能な金属イオンを付与した場合は、6配位部位中3つの配位部位を、(1)イミノジ酢酸が保有する2つのカルボキシル基と1つの窒素原子が占有し、残りの3つの配位部位は、(2)生理活性物質の含窒素複素環基と、(3)水分子または水酸化イオンなどと、が占有することにより、6配位の錯体を形成する。
ここでは、金属イオンは、6配位可能な金属イオンを例に挙げて説明したが、配位数については7配位以上でもよく、5配位以下でもよい。また、錯体を形成するカルボキシル基は、1つのリガンドから供給されずともよく、複数のリガンドから供給され、錯体を形成してもよい。
(7)担体の製造
以下、本発明の一実施の形態を示す担体を製造する工程を図面を用いて説明する。図1は金属膜の形成から高分子膜にリガンドを連結するまでを示した模式図、図2はリガンドに金属イオンを固定し、これに生理活性物質を固定するまでを示した模式図である。なお、図2においてはリガンド、金属イオンおよび生理活性物質の結合および固定をより具体的に説明するために、リガンドを拡大するとともに、リガンドとしてNTA、金属イオンとしてNi(II)、生理活性物質(図中Pで表示)としてHis-tagを有するタンパク質を例にとって示している。
まず基板上に金属膜を形成する(図1(a))。金属膜の形成は常法によって行えばよく、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うことができる。なお、上記で説明したように、基板と金属膜との間にクロム等からなる介在層を設けてもよい。次ぎに金属膜上にSAMを形成する(図1(b))。SAMの形成は、上述したようにアルカンチオール誘導体等の溶液中に金属膜が形成された基板を浸漬することにより行うことができる。
続いて、SAM上に高分子膜を形成する。基板表面はSAMのアミノ基により被覆されているので、高分子膜としてカルボキシル基を含有する親水性ポリマーを使用する場合には、このカルボキシル基を活性化することによって、SAMで被覆された基板に高分子膜を固定化することができる(図1(c))。
次ぎに、高分子膜にリガンドを結合させる。リガンドの結合は、例えば、高分子膜が、カルボキシル基を有する親水性ポリマーから構成されている場合には、このカルボキシル基を活性化した後に、リガンドとなる化合物を有機溶媒中で反応させることによって、リガンドを親水性ポリマーに固定化することができる(図1(d))。
図1(d)に示すリガンドとしてNTAを例にとると、高分子膜のカルボキシル基1つは3つのカルボキシル基へと置換されることになる(図2(a))。ここにNi(II)を加えてNTAのカルボキシル基と錯形成させる(図2(b))。ここでNi(II)の配位座はNTAによっては完全には満たされない状態である。このNTA−Ni(II)にイミダゾール基を末端に有するタンパクを加えると、イミダゾール基がNi(II)に配位する(図2(c))。なお、図2では結合状態を見やすくするためにイミダゾール基は4つしか記載していないが、上述したようにこのイミダゾール基は6〜100であることが好ましい。
Ni(II)にイミダゾール基を末端に有するタンパクを固定後、バッファやイミダゾール溶液等で洗浄することが好ましい。担体上のNi(II)と結合していないタンパクやその他の夾雑物を除去することによって、イミダゾール基を末端に有する生理活性物質の精製を行うことができる。また、金属イオンとしてCu(II)を使用した場合は、イミダゾール基を末端に有する生理活性物質とCu(II)では保持力が高いため、イミダゾール溶液を多量に流してもイミダゾール基を末端に有する生理活性物質が流出せず、Ni(II)の時よりも精度の高い精製を行うことができる。
(8)本発明の担体の適用
本発明の担体は、バイオセンサーやバイオリアクター(例えばバイオリアクター技術、1988年、(株)シーエムシー、バイオチップとバイオセンサー、2006年、共立出版(株))に適用することができる。バイオリアクターとは、酵素、菌体、細胞、オルガネラなどの生体触媒による生化学的反応を利用して、有用物質の生産、エネルギーの発生、環境汚染物質の分解などに応用する反応器であり、バイオセンサーとは最も広義に解釈され、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサーを意味する。以下、それぞれについての適用について説明する。
(8−1)バイオリアクターへの適用
酵素を固定化した不溶性担体を用いて有用物質の生成、反応等を行うことが可能なバイオリアクター(例えば実公平4-18398号、実公平4-18399号等)においては、上記不溶性担体として、本発明の担体、例えば基板(例えばセラミックやポリスルホン等の多孔質体)と、この基板表面上に結合された高分子膜と、この高分子膜に結合されたリガンドと、このリガンドに固定した金属イオンと、この金属イオンに固定した酵素とを備えた担体を適用することができる。
図3を用いて説明する。図3は一般的なバイオリアクターの概略断面図である。図3に示すようにバイオリアクターは外套3の両端に溶液流入口1と溶液流出口2とを備え、内部に複数の管状酵素固定化膜4が配置されてなるものである。外套3と管状酵素固定化膜4との間の空間および管状酵素固定化膜4の相互の間の空間は封止剤5によって固定され、管状酵素固定化膜4は外套3内に固定配置されている。管状酵素固定化膜4aはその内側が一端にて溶液流入口1に連通し、他端においては封止剤5にて封止されて溶液流出口2から遮断され、他方、管状酵素固定化膜4bはその内側が一端にて溶液流出口2に連通し、他端においては封止剤5にて封止されて溶液流入口1から遮断されている。
そして、溶液が溶液流入口1からバイオリアクター内に加圧下で注入されると、管状酵素固定化膜4aの内側に送り込まれ、この膜を透過する際に管状酵素固定化膜4aに固定されている酵素と第1段階の接触をする。透過した溶液は続いて管状酵素固定化膜4bの内側に送り込まれ、この膜を透過する際に管状酵素固定化膜4bに固定されている酵素と第2段階の接触をする。この接触によって、固定されている酵素と溶液間で反応を行うことができる。本発明の担体を用いれば、このような加圧下で反応するバイオリアクターにおいても、酵素を安定に固定することができる。
なお、ここでは管状酵素固定化膜は、外套内に収容される前に予め酵素が固定化されている場合を例にとって説明したが、外套内に収容した後に酵素を固定してもよい。
(8−2)バイオセンサーへの適用
通常のバイオセンサーは、検出対象とする化学物質を認識するレセプター部位と、そこに発生する物理的変化又は化学的変化を電気信号に変換するトランスデューサー部位とから構成される。生体内には、互いに親和性のある物質として、酵素/基質、酵素/補酵素、抗原/抗体、ホルモン/レセプターなどがある。バイオセンサーでは、これら互いに親和性のある物質の一方を基板に固定化して分子認識物質として用いることによって、対応させるもう一方の物質を選択的に計測するという原理を利用している。
例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサーは、センサーより照射された光を透過及び反射する部分、並びに生理活性物質を固定する部分とを含む部材からなるが、本発明の担体は生理活性物質を固定する部分を含む部材として用いることができる。
表面プラズモン共鳴の現象は、ガラス等の光学的に透明な物質と金属薄膜層との境界から反射された単色光の強度が、金属の出射側にある試料の屈折率に依存することによるものであり、従って、反射された単色光の強度を測定することにより、試料を分析することができる。
表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、被測定物質の特性を分析する表面プラズモン測定装置としては、Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6-167443号公報参照)。上記の系を用いる表面プラズモン測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料液などの被測定物質に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変化させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化に従って、反射角が変化する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
上記構成の表面プラズモン測定装置において、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角で入射させると、該金属膜に接している被測定物質中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と被測定物質との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角、すなわち全反射減衰角(θSP)より表面プラズモンの波数が分かると、被測定物質の誘電率が求められる。この種の表面プラズモン測定装置においては、全反射減衰角(θSP)を精度良く、しかも大きなダイナミックレンジで測定することを目的として、特開平11-326194号公報に示されるように、アレイ状の光検出手段を用いることが考えられている。この光検出手段は、複数の受光素子が所定方向に配設されてなり、前記界面において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設されたものである。
そしてその場合は、上記アレイ状の光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子の配設方向に関して微分する微分手段が設けられ、この微分手段が出力する微分値に基づいて全反射減衰角(θSP)を特定し、被測定物質の屈折率に関連する特性を求めることが多い。
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似の測定装置として、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モード測定装置も知られている。この漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料液に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
上記構成の漏洩モード測定装置において、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の被測定物質の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、被測定物質の屈折率や、それに関連する被測定物質の特性を分析することができる。
なおこの漏洩モード測定装置においても、全反射減衰によって反射光に生じる暗線の位置を検出するために、前述したアレイ状の光検出手段を用いることができ、またそれと併せて前述の微分手段が適用されることも多い。
また、上述した表面プラズモン測定装置や漏洩モード測定装置は、創薬研究分野等において、所望のセンシング物質に結合する特定物質を見いだすランダムスクリーニングへ使用されることがあり、この場合には前記薄膜層(表面プラズモン測定装置の場合は金属膜であり、漏洩モード測定装置の場合はクラッド層および光導波層)上に上記被測定物質としてセンシング物質を固定し、該センシング物質上に種々の被検体が溶媒に溶かされた試料液を添加し、所定時間が経過する毎に前述の全反射減衰角(θSP)の角度を測定している。
試料液中の被検体が、センシング物質と結合するものであれば、この結合によりセンシング物質の屈折率が時間経過に伴って変化する。したがって、所定時間経過毎に上記全反射減衰角(θSP)を測定し、該全反射減衰角(θSP)の角度に変化が生じているか否か測定することにより、被検体とセンシング物質の結合状態を測定し、その結果に基づいて被検体がセンシング物質と結合する特定物質であるか否かを判定することができる。このような特定物質とセンシング物質との組み合わせとしては、例えば抗原と抗体、あるいは抗体と抗体が挙げられる。具体的には、ウサギ抗ヒトIgG抗体をセンシング物質として薄膜層の表面に固定し、ヒトIgG抗体を特定物質として用いることができる。
なお、被検体とセンシング物質の結合状態を測定するためには、全反射減衰(θSP)の角度そのものを必ずしも検出する必要はない。例えばセンシング物質に試料液を添加し、その後の全反射減衰角(θSP)の角度変化量を測定して、その角度変化量の大小に基づいて結合状態を測定することもできる。前述したアレイ状の光検出手段と微分手段を全反射減衰を利用した測定装置に適用する場合であれば、微分値の変化量は、全反射減衰角(θSP)の角度変化量を反映しているため、微分値の変化量に基づいて、センシング物質と被検体との結合状態を測定することができる(本出願人による特開2003-172694号参照)。このような全反射減衰を利用した測定方法および装置においては、底面に予め成された薄膜層上にセンシング物質が固定されたカップ状あるいはシャーレ状の測定チップに、溶媒と被検体からなる試料液を滴下供給して、上述した全反射減衰角(θSP)の角度変化量の測定を行っている。
さらに、ターンテーブル等に搭載された複数個の測定チップの測定を順次行うことにより、多数の試料についての測定を短時間で行うことができる全反射減衰を利用した測定装置が、特開2001-330560号公報に記載されている。
本発明の表面プラズモン共鳴測定装置用チップを表面プラズモン共鳴分析に使用する場合、上記したような各種の表面プラズモン測定装置の一部として適用することができる。
また、本発明の表面プラズモン共鳴測定装置用チップは、例えば基板表面に導波路構造を保持した、屈折率変化を導波路を用いて検出するバイオセンサーのチップとして用いることができる。この場合、基板表面の導波構造物は、回折格子と場合によっては付加層とを有している、この導波構造物は、薄い誘電層からなる平面的な導波体から成る。導波体に集光された光線は全反射によりこの薄い層内に導かれる。この導かれる光波(以降モードと呼ぶ)の伝播速度は、C/Nの値をとる。ここでCは、真空中での光速であり、Nは導波体内を導かれるモードの有効屈折率である。有効屈折率Nは、一面では導波体の構成により、他面では薄い導波層に隣接する媒体の屈折率により決まる。光波の伝導は、薄い平面層内のみでなく、別の導波構造物、特にストリップ状の導波体によっても行われる。その場合は、導波構造物はストリップ状のフィルムの形状にされる。有効屈折率Nの変化は、導波層に隣接する媒体の変化と導波層自身もしくは導波層に隣接する付加層の屈折率および厚さの変化とにより生じることがバイオセンサーにとって重要な要素である。
この方式のバイオセンサーの構成については、例えば特公平6-27703号公報4ページ48行目から14ページ15行目および第1図から第8図、米国特許第 6,829,073号のcolumn6の31行目からcolumn7の47行目および第9図A,Bに記載されている。
例えば、一つの実施形態として、薄層が平面状の導波路層が基材(たとえばパイレックス(登録商標)ガラス)上に設けられている構造がある。導波路層と基材とは、一緒にいわゆる導波体を形成する。導波路層は、たとえば酸化物層(SiO2,SnO2、Ta2O5,TiO2,TiO2-SiO2,HfO2,ZrO2,Al2O3,Si3N4,HfON,SiON,酸化スカンジウムまたはこれらの混合物)、プラスチック層(例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネートなど)、など多層の積層体が可能である。光線が全反射により導波路層内を伝播するには、導波路層の屈折率が隣接媒体(たとえば基材や後述の付加層)の屈折率より大でなければならない。基材もしくは測定物質に向いた導波路層表面もしくは導波路層体積内には、回折格子が配置されている。回折格子は、型押し、ホログラフィまたはその他の方法によって基板内に形成することができる。次いでより高い屈折率を有する薄い導波路膜を回折格子の上表面に被覆する。回折格子は導波路層への入射光線を集束したり、既に導波路層内を導かれているモードを放出したり、そのモードの一部を進行方向へ透過させ、一部を反射させたりする機能を持つ。導波路層は、格子域を付加層でカバーしておく。付加層は必要に応じて多層膜とすることができる。この付加層は、測定物質に含まれている物質の選択的検知を可能にする機能を持たせることができる。好ましい態様として付加層の最表面に、検知機能を持つ層を設けることができる。このような検知機能を持つ層として、生理活性物質を固定化し得る層を用いることができる。
別の実施形態として、回折格子導波路のアレイがマイクロプレートのウェル内に組み込まれる形態も可能である(特表2007-501432号)。すなわち回折格子導波路がマイクロプレートのウェル底面にアレイ状に配列されていれば、スループットの高い薬物または化学物質のスクリーニングを可能にすることができる。
回折格子導波路は、回折格子導波路の上層(検知領域)上の生理活性物質検出を可能にするために、入射光線、および反射光を検出して屈折特性の変化を検出する。この目的のため、1つまたはそれより多くの光源(例えば、レーザ、ダイオード)及び1つまたはそれより多くの検出器(例えば、分光計、CCDカメラまたはその他の光検出器)を用いることができる。屈折率変化を測定するための方法として、2つの異なる動作モード−分光法、及び角度法がある。分光法においては、入射光として広帯域ビームが回折格子導波路に送られ、反射光が集められて、例えば分光計で測定される。共鳴波長(ピーク)のスペクトル位置を観測することにより、回折格子導波路の表面またはその近傍での屈折率変化すなわち結合を測定することができる。また、角度法においては、公称上単一波長の光がある範囲の照射角を生じるように集束されて、回折格子導波路内に向けられる。反射光がCCDカメラまたはその他の光検出器によって測定される。回折格子導波路によって反射された共鳴角の位置を測定することにより、回折格子導波路の表面またはその近傍での屈折率変化すなわち結合を測定することができる。
以下に本発明の担体についての実施例を示す。
(実施例1)
(SAMの作製)
ポリスチレン製マイクロウエル(Nunc製96well)に3nmのクロム膜および20nmの金膜をスパッタにより形成した。8mlのエタノールと2mlの超純水に10μmol の6-aminohexanethiol(Aldrich製)を溶解させた溶液を上記スパッタにより形成した金膜に対して40℃1時間反応させ、エタノールで1回、超純水で1回洗浄した。
(CMDの活性エステル化)
超純水に0.5重量%となるようにCMD(名糖産業製:分子量100万)を溶解した後、全量反応した場合にカルボキシル基の2%が活性化される計算量の0.4MのEDC(1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide)および0.1MのNHS(N-Hydroxysuccinimide)混合溶液を加え、室温で5分間攪拌した。
(CMD膜の形成)
上記SAMが形成された基板の上に、活性エステル化したCMD溶液を滴下し30秒後に除去することで、アミノ基を有する基板上に活性エステル化されたカルボキシメチルデキストラン薄膜を形成した。室温で1 時間反応させた後、0.1 N NaOHで1回、超純水で1回洗浄した。
(AB-NTA(N-(5-Amino-1-carboxypentyl)iminodiacetic acid)の結合)
1mmol のEDCと0.2mmolのNHSをDMSO1mlに添加した溶液をCMD膜上に50μl加え、30分間室温で反応させた。溶液を除去後、DMSOで一回洗浄し、0.1mmolのAB-NTA(同仁化学製)をDMSO1mlに添加した液を12時間反応させた。溶液を除去、超純水で1回洗浄した。
(p38 MAP Kinase αの固定)
1mmol/lのCuCl2水溶液を基板上に結合しているAB-NTAの数に対して十分な量を添加し、3分後に溶液を除去し、超純水で2回洗浄した。次に2.5ug/mlのHis6-p38 MAP Kinase α(CALBIOCHEM社製)を十分な量添加し、15分後に溶液を除去し、200μMのイミダゾール水溶液で洗浄した。
(実施例2)
AB-NTAの結合時に0.2mmolのEDCと0.04mmolのNHSをDMSO1mlに添加した溶液を50μl加え、30分間室温で反応させた以外は実施例1と同様にして担体を作製した。
(実施例3−5)
下記表1に示すように金属イオン源を変更した以外は実施例1と同様にして担体を作製した。
(実施例6)
AB-NTAの結合時の反応溶媒をDMSOに変えてDMFを用いた以外は実施例1と同様にして担体を作製した。
(実施例7)
AB-NTAの結合時に1mmol のEDCおよび0.2mmolのNHSを用いるかわりに、2MのEDCおよび0.5MのNHS混合溶液を使用し、0.1mmolのAB-NTAのDMSO1ml溶解物を用いるかわりに、0.1mmolのAB-NTAとDBU(東京化成製)0.06ml、DMSO 0.94ml溶解物溶液を加えた以外は実施例1と同様にして担体を作製した。
(実施例8)
AB-NTAの結合時に0.1mmolのAB-NTAのDMSO1ml溶解物を用いるかわりに、0.1mmolのAB-NTAとDBU 0.06ml、DMSO 0.94ml溶解物溶液を加えた以外は実施例1と同様にして担体を作製した。
(比較例1)
AB-NTAの結合時にDMSOに変えてH2Oを用いた以外は実施例5と同様にして担体を作製した。
(比較例2)
AB-NTAの結合時にDMSOに変えてH2Oを用いた以外は実施例1と同様にして担体を作製した。
(リガンド密度)
実施例1〜8、比較例1および2の担体の作製において、AB-NTAを結合した後に、0.1mol/lのNiCl2水溶液を添加し、10分後に溶液を除去し、超純水で2回洗浄した。50mMのEDTA水溶液5mlで2度抽出を行った。この抽出液を合わせてICP分析装置で測定してNiの数を検出し、このNiの数とウエル底面積(38mm2)からリガンド数を換算し、リガンド密度を求めた。
(p38 MAP Kinase αの比活性)
実施例1〜8、比較例1および2の担体作製後、それぞれの担体に1mM MgCl2 1μl、1mM ATP 0.6μl、0.27M Myelin Basic Protein 35μl、TBSバッファー 13μlを加え、室温で1時間反応させた。その後、溶液を回収して、Kinase-Glo(promega社)を50μl添加し、室温で10分静置し、発光量をLAS-3000(富士フイルム株式会社製)により測定し、比較例2の発光量を1とした相対値により比活性を評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2009042209
表1から明らかなように、AB-NTAの結合時に反応液として有機溶剤を用いた実施例1〜8ではリガンド密度が有意に高く、またp38 MAP Kinase α比活性から明らかなようにHis-tagによりp38 MAP Kinase αが安定に結合していた。
なお、実施例7は実施例1においてCMDの活性化時に用いたEDCとNHSの濃度を上げるとともに、リガンドであるAB-NTAの結合時に添加剤としてDBUを用いたものであり、実施例8は実施例1においてAB-NTAの結合時に添加剤としてDBUを用いたものであるが、いずれの場合にも、リガンド密度、p38 MAP Kinase α比活性ともに実施例1よりも高くなっており、リガンドの結合率を高めるには添加剤として塩基を用いることが有効であることがわかる。
本発明の一実施の形態を示す担体を製造する工程を示す模式図 本発明の一実施の形態を示す担体を製造する工程を示す模式図 バイオリアクターの構成を示す概略断面図

Claims (13)

  1. 基板と、該基板表面上に結合された高分子膜と、該高分子膜に結合されたリガンドとを備えた担体において、
    前記リガンドが1.0×1016個/mm3以上3.3×1018個/mm3以下の密度で前記高分子膜に結合していることを特徴とする担体。
  2. 前記リガンドがニトリロトリ酢酸誘導体であることを特徴とする請求項1記載の担体。
  3. 前記リガンドに金属イオンが固定されていることを特徴とする請求項1または2記載の担体。
  4. 前記金属イオンに生理活性物質が固定されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の担体。
  5. 前記金属イオンが遷移金属イオンであることを特徴とする請求項3または4記載の担体。
  6. 前記生理活性物質が前記遷移金属イオンに配位結合する官能基を有し、該官能基によって前記生理活性物質が前記遷移金属イオンに固定されていることを特徴とする請求項5記載の担体。
  7. 前記官能基がイミダゾール基であることを特徴とする請求項6記載の担体。
  8. 前記高分子膜が、自己組織化膜を介して結合されていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の担体。
  9. 前記高分子膜が親水性ポリマーであることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の担体。
  10. 請求項1〜9いずれか1項記載の担体の製造方法であって、前記基板に前記高分子膜を結合し、該高分子膜に前記リガンドを結合させる担体の製造方法において、前記高分子膜に前記リガンドを結合する工程を有機溶剤中で行うことを特徴とする担体の製造方法。
  11. 前記有機溶剤が非プロトン系極性溶媒であることを特徴とする請求項10記載の担体の製造方法。
  12. 前記非プロトン系極性溶媒がジメチルスルホキサイドまたはN,N−ジメチルホルムアミドであることを特徴とする請求項11記載の担体の製造方法。
  13. 請求項1〜9記載の担体を備えていることを特徴とするバイオリアクター。
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