JP4993621B2 - 担体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を固定するのに好適な担体の製造方法に関するものである。
現在、臨床検査等で免疫反応など分子間相互作用を利用した測定が数多く行われているが、中でも煩雑な操作や標識物質を必要とせず、測定物質の結合量変化を高感度に検出することのできるいくつかの技術が使用されている。例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術である。これらの技術においては、いずれの場合も、測定対象である物質を固定化する表面が重要である。以下、表面プラズモン共鳴(SPR)を例にとって説明する。
一般に対象物質を測定するために使用される測定チップは、透明担体(例えば、ガラス)上に、蒸着された金属膜、対象物質を固定化できる官能基を有する薄膜を順に有し、官能基を介して金属表面に対象物質が固定化されている。そして、対象物質と検体物質間の特異的な結合反応を測定することによって、物質間の相互作用を分析する。
従来、測定チップに金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を固定化するためのいくつかの手法が知られている。金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質としてタンパク質を例にとった場合、測定チップとタンパク質を共有結合により固定化するための手法として、タンパク質のアミノ基と測定チップ上のカルボキシル基とを結合させる方法(アミンカップリング法)が知られている。
しかし、この方法では固定化によってタンパク質表面の任意のアミノ基が修飾されることになるため、固定化されるタンパク質の配向が一定にならない場合や、修飾されるアミノ基の位置によってタンパク質と基質との結合が阻害されてタンパク質の活性が低下する場合がある。また、この方法ではチップ上にタンパク質を濃縮する必要があるが、固定化の際にタンパク質を、固定化されるタンパク質のpIよりも低いpH、かつ低いイオン強度の緩衝液に溶解する必要がある。それゆえ、このような条件下で変性するタンパク質の場合には、活性を維持したまま固定化することができないという問題がある。
一方、遺伝子改変により人工的に合成されたタンパク質のN末端あるいはC末端に導入されたTagと呼ばれる部分を用いて、中性条件下で測定チップ上にタンパク質を固定化する手法が開発されている。その代表例として、His-tagを用いた固定化技術が挙げられる。この技術は、遺伝子組換えによって発現させたHis-tagタンパク質を精製するためのアフィニティーカラム用として開発されたものであるが、タンパク質を一定の配向性を持たせた状態で固体表面に固定化させる目的にも用いられている。
特に、NTA(Nitrilotriacetic acid)とNi(II)イオンとによる、NTA-Ni(II)錯体を用いたHis-tagタンパク質の固定化では、錯体中の2つの配位座に配位した水分子がHis-tagタンパク質のオリゴヒスチジン残基の2つのイミダゾール基の窒素原子と置換することによって、His-tagタンパク質が特異的かつ一定方向に固体表面に結合する。このNTA-Ni(II)錯体を用いるHis-tagタンパク質の固定化では、酸性条件下でプレコンセントレーションを行う必要がないため、生理的条件の緩衝液(PBSなど)を用いてHis-tagタンパク質の固定化が可能となり、アミンカップリングの有する問題を解消することが可能である。
しかし、His-tagタンパク質とNTA-Ni(II)錯体との組み合わせは、アフィニティーカラムによる精製を目的として開発されているため、その結合は充分に強固ではなく、解離平衡が存在する。それゆえ、測定チップ上にNTA-Ni(II)錯体を介して固定化されたHis-tagタンパク質は、徐々に測定チップから解離してしまうという問題があり、そのままでバイオセンサー等に適用することは困難であった。
この解離の問題を解決するために、いくつかの検討がなされている。例えば、特許文献1や2には、酸化剤等で酸化することによって、His-tagタンパク質に配位している金属イオンの置換不活性化による固定化方法が開示されている。しかし、これらの方法では、その酸化速度や酸化剤によってはタンパク質の失活が起こる場合があるという問題がある。また、特許文献3には、配位子を上記NTAではなく、triNTAとしてHis-tagタンパク質の結合点を増やす(以後、「多点」と称する)ことによる結合の改善の試みが記載されているが、実用的に充分な固定化は得られていない。
ところで、非特許文献1には多糖類にNTAを固定する技術が開示されている。また、非特許文献2には、NTA-Ni(II)錯体を用いたHis-tagタンパク質の固定化において、His-tagタンパク質のイミダゾール基とNi(II)を多点でNTAの配位子と結合する技術が開示されている。しかしこれらの方法も十分に強固な結合を形成するには至っていない。
また、非特許文献3には予め錯体を形成して表面に結合させ、その後触媒反応に最適な空間をシリカマトリックスによって形成する技術が開示されている。
特開2006-266831号公報 特開平6-157600号公報 特表2002-536428号公報 Anal.Chem.2006,78,3072-3079 Anal.Chem.2005,77,1096-1105 月刊ファインケミカル 2007.6.33-41
金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を担体に多点で把持することができれば、結合力を高めることができ、上述のような解離の問題は解決できると考えられる。ここで、上記非特許文献1では、His-tagを長くすることにより、His-tagタンパク質の固定をしているがNTAが互いに近接していないため、多点でHis-tagタンパク質を把持しにくく、解離の問題が解決できていない。また、非特許文献2に記載されている固定技術は、近接している配位子同士がリジットであり、フレキシブルに動くことができないので、金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質に対し多点で金属が配位結合しにくく、実際には金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を多点で安定に固定することができないという問題がある。
さらに、非特許文献3に記載されている固定技術では、有機ポリマーや無機マトリックスの重合や積層により、マトリックス内部に鋳型分子と同形状の空間を形成させることが記載されているが、その空間からの鋳型分子の洗浄不足や、マトリックス形成による鋳型分子の取り込み速度の低下、マトリックス形成反応時における鋳型分子の変形により安定な鋳型分子の固定ができない、マトリックスが柔らかいことによる再現性の低下、硬い物質の場合には分子形状の動的変化を伴う触媒反応や抗原抗体反応等へ適用ができない、などという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を安定に固定化する担体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の担体の製造方法は、
(1)2つ以上の配位子と金属イオンで形成された錯体を担体に結合させる工程と、
(2)前記担体上に金属イオンをさらに添加して新たな錯体を形成する工程と、
(3)前記金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を前記金属に固定化する工程と、
をこの順に含んでなることを特徴とするものである。
前記(2)の工程において添加する金属イオンが(1)の工程において担体に結合させた錯体のほぼ全てを開裂させる量であることがより好ましい。
前記配位子はニトリロトリ酢酸誘導体であることが好ましい。
前記(1)の工程、および/または、前記(2)の工程で用いる金属イオンは、遷移金属イオンであることが好ましく、前記(2)の工程で用いる遷移金属イオンは、ニッケルイオン、銅イオンまたはコバルトイオンのいずれかであることがより好ましい。
前記15族又は16族の原子を含有する物質は、15族又は16族の原子を含有する複素環を2つ以上有する物質であることが好ましく、複素環を2つ以上有する物質は、15族又は16族の原子を含有する複素環を2つ以上有する生理活性物質であることが好ましい。
前記生理活性物質が、イミダゾール基を2つ以上有する生理活性物質であることがより好ましい。
前記(1)の工程において、担体に結合させた錯体の固定量は1×10-12 g/mm3〜1×10-3 g/mm3であることがより好ましい。
前記担体は、バイオリアクターやバイオセンサー用の担体として好適に用いられ、より好ましくは表面プラズモン共鳴分析に用いられる。
本発明の担体の製造方法は、2つ以上の配位子と金属イオンで形成された錯体を担体に結合させ、担体上に金属イオンをさらに添加して新たな錯体を形成することにより、配位子が隣接して担体表面に固定される。そのため、金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質が、金属イオンを介して複数の配位子に対して多点で固定化されることが可能となり、金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を安定に固定化することができる。
本発明の担体の製造方法は、
(1)2つ以上の配位子と金属イオンで形成された錯体を担体に結合させる工程と、
(2)前記担体上に金属イオンをさらに添加して新たな錯体を形成する工程と、
(3)前記金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を前記金属に固定化する工程と、
をこの順に含んでなることを特徴とするものである。
以下、本発明の担体を製造する工程を図1を参照しながら説明する。
(1)2つ以上の配位子と金属イオンで形成された錯体を担体に結合させる工程
(1−1)担体
本発明の担体はガラス、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、インジウムスズ酸化物(ITO)等の金属酸化物、窒化ケイ素、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化インジウム等の金属窒化物、あるいは合成樹脂、具体的にはセファロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリメチル(メタ)クリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどの材料に、官能基が付与されたものが望ましい。官能基は例えば、アミノ基、カルボキシル基、マレイミド基、アルデヒド基、スクシンイミド基、チオール基、ヒドラジン基、イソシアネ−ト基、エポキシ基、ビニルスルホン基、ビニル基、シアン基などを挙げることができる。
これらの官能基を付与する方法は、プラズマ処理、オゾン処理、酸・アルカリによるエッチング処理や自己組織化膜などを用いた公知の表面処理方法を採ることができるが、自己組織化膜を使用することが好ましい。
自己組織化膜の形成方法としては、<1> シランカップリング剤を使用する方法、<2> アルカンチオールを使用する方法、などが挙げられる。以下に、それぞれの方法について説明する。
<1> シランカップリング剤を使用する方法
シランカップリング剤を使用する方法では、上述した担体に、以下に記すシランカップリング剤を付与することで、シランカップリング剤による自己組織化膜が形成され、担体上に官能基を付与することができる。
本発明に使用可能なシランカップリング剤としては、一般式A-1(一般式A-1において、Xaは官能基を示し、Laは直鎖、分岐鎖、環状鎖の炭素鎖を含むリンカー部位を示し、Raは水素、もしくは炭素数1〜6のアルキル基を示し、Yaは加水分解基を示す。また、m,nはそれぞれ0〜3の整数を示しm+n=3とする。)に示すケイ素含有化合物を利用することにより、担体−酸素−ケイ素−炭素といった共有結合を形成させることにより、担体表面に官能基を付与することができる。
ここで、加水分解基(Ya)とは、アルコキシ基、ハロゲン、アシロキシ基などが挙げられ、より具体的にはメトキシ基、エトキシ基、塩素などが挙げられる。シランカップリング剤として具体的には、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。シランカップリング剤の反応方法としては一般的な方法に従えば良く、例えば書籍、シランカップリング剤の効果と使用法(サイエンス&テクノロジー社)に記載の方法を利用することができる。
シランカップリング剤などが有する官能基(Xa)としては、後述のポリマーや錯体と結合すれば特に限定はされず、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、チオール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、シアノ基、ヒドラジノ基、ヒドラジド基、ビニルスルホン基、ビニル基、マレイミド基など任意の官能基とその組み合わせやその誘導体を利用することができるが、中でも好ましい官能基(Xa)はアミノ基とエポキシ基である。
<2> アルカンチオールを使用する方法
アルカンチオールを使用する方法では、上述した担体に、金属膜が配置され、その後、アルカンチオールが付与される。ここで、担体上に配置されるとは、金属膜が担体上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が担体に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む意味である。金属膜を構成する金属としては、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されない。好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。それらの金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記担体への付着性を考慮して、担体と金属からなる層との間にはクロム等からなる介在層を設けてもよい。
金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、0.1nm以上500nm以下であることが好ましく、特に1nm以上200nm以下であることが好ましい。500nmを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であることが好ましい。
アルカンチオールを用いた金属膜の被覆法は、ハーバード大のWhitesides教授らにより精力的に展開されており、その詳細は例えばChemical Review,105,1103−1169(2005)に報告されている。金属として金を用いた場合、有機層形成化合物として一般式A-2(一般式A-2において、nは3から20の整数を示し、Xbは官能基を示す)に示すアルカンチオールを用いることにより、Au−S結合とアルキル基同士のvan der Waals力に基づき、配向性を持つ単分子膜が自己組織的に形成される。自己組織化膜は、アルカンチオール誘導体の溶液中に金担体を浸漬するという極めて簡便な手法で作製される。具体的には、例えば、一般式A−2においてXbがアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、チオール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、シアノ基、ヒドラジノ基、ヒドラジド基、ビニルスルホン基、ビニル基、マレイミド基である化合物を用いて自己組織化膜を形成させることで、担体表面に官能基を付与することが可能となる。
なお、上記一般式A-2において、アルキル基の繰り返し数nは3〜16の整数がさらに好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。また、アルキル基部分は多重結合や窒素や酸素などのヘテロ元素で置換されていても良い。アルカンチオール誘導体のアルキル基が短いと自己組織化膜を形成しにくく、アルキル基が長いと水溶性が低下し、ハンドリングが困難になる。
また、上記一般式A-2のアルカンチオールは、官能基Xbは1種類で自己組織化膜を形成することも可能であり、また、複数種のアルカンチオールと混合して自己組織化膜を形成することも可能である。
また、本発明では、上述した自己組織化膜を形成した上に、ポリマーを塗布することで、担体表面に官能基を付与することもできる。本発明で用いることができるポリマーとしては、親水性ポリマーを好ましく使用することができ、具体的にはゼラチン、アガロース、キトサン、デキストラン、カラゲナン、アルギン酸、澱粉、セルロース、又はこれらの誘導体、例えばカルボキシメチル誘導体、又は水膨潤性有機ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール又はこれらの誘導体などを挙げることができる。
本発明で用いる親水性ポリマーとしてはさらに、カルボキシル基含有合成ポリマーおよびカルボキシル基含有多糖類を用いることが好ましい。カルボキシル基含有合成ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびこれらの共重合体、例えば特開昭59-53836号明細書3頁20行〜6頁49行、特開昭59-71048号明細書3頁41行〜7ページ54行明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなどが挙げられる。カルボキシル基含有多糖類は、天然植物からの抽出物、微生物発酵の生産物、酵素による合成物、または化学合成物の何れであってもよく、具体的には、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、デルマタン酸硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セロウロン酸、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン等が挙げられる。カルボキシル基含有多糖類は、市販の化合物を用いることが可能であり、具体的には、カルボキシメチルデキストランであるCMD、CMD-L、CMD-D40(名糖産業社製)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬社製)、アルギン酸ナトリウム(和光純薬社製)、等を挙げることができる。
本発明で用いる親水性ポリマーの分子量は特に限定されないが、一般的には200以上5000000以下であることが好ましい。さらに好ましい親水性ポリマーの分子量は10000以上2000000以下である。
またこれらの親水性ポリマーは、水溶液中の膜厚が0.5nm以上0.5mm以下であることが好ましく、より好ましくは1nm以上1μm以下であることが望ましい。膜厚が薄いと生理活性物質固定量が減少し、被検体物質との相互作用が起こりにくくなる。一方、膜厚が厚いと親水性ポリマーの均一性が保てなくなる可能性がある。水溶液中の親水性ポリマー膜厚はAFM、エリプソメトリーなどで評価することができる。
カルボキシル基を含有するポリマーを使用する場合、カルボキシル基を活性化することによって、担体表面に付与された官能基を介して固定することができる。カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法としては、公知の手法、例えば、水溶性カルボジイミドである1-(3-Dimethylaminopropyl)-3 ethylcarbodiimide(EDC)とN-Hydroxysuccinimide(NHS)により活性化する方法、又はEDC単独により活性化する方法を好ましく用いることができる。この手法で活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを、アミノ基を有する担体と反応させることで、担体上に親水性ポリマーを結合させることが可能となる。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として含窒素化合物を用いる方法があり、具体的には、下記一般式(Ia)又は(Ib)(式中、R1及びR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表し、R1及びR2は結合により5〜6員環を形成しても良く、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)に示される含窒素化合物を用いることもできる。
ここで、R1及びR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表すが、好ましくはR1及びR2は結合により5〜6員環を形成する。特に好ましくは、ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシフタル酸、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン、及びその誘導体が提供される。
また、好ましくは下記に示される含窒素化合物を用いることもできる。
また、好ましくは含窒素化合物としては、下記一般式(I)(式中、Y及びZは、互いに独立してCH、または窒素原子を表す)で表される化合物を用いることもできる。
一般式(I)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
また、含窒素化合物としては、下記の化合物等も好ましくあげられる。
また好ましくは、含窒素化合物としては、下記一般式(II)(式中、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Y及びZは、互いに独立してCH、または窒素原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)を用いることもできる。
ここで、Aで表される炭素原子またはリン原子の置換基としては、置換基を有するアミノ基が好ましく、ジメチルアミノ基やピロリジノ基の様なジアルキルアミノ基が好ましい。Mで表される(n-1)価の元素は、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子などが挙げられるが
、好ましくはリン原子があげられる。Xで表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、好ましくはフッ素原子が挙げられる。
一般式(II)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
また、含窒素化合物としては、下記一般式(III)(式中、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す)を用いることもできる。
一般式(III)の具体的化合物としては、下記の化合物等が好ましくあげられる。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として、電子吸引性基を有するフェノール誘導体を使用することも好ましく、更に電子吸引性基のσ値が0.3以上であることが好ましい。具体的には、下記化合物などを用いることができる。
上述のカルボジイミド誘導体及び、含窒素化合物、またはフェノール誘導体は併用して使用するだけではなく、所望により、夫々、単独で用いることもできる。好ましくはカルボジイミド誘導体と含窒素化合物との併用である。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として、下記化合物を用いることもできる。該化合物は単独で用いることもできるが、カルボジイミド誘導体、含窒素化合物、フェノール誘導体と併用してもよい。
さらに、カルボキシル基を含有するポリマーにおけるカルボン酸を活性化する手法としては、特開2006-58071号公報「0011」〜「0022」に記載の方法(即ち、担体の表面に存在するカルボキシル基を特定の構造を有するウロニウム塩、ホスホニウム塩、又はトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基を形成する方法)、並びに特開2006-90781号公報「0011」〜「0019」に記載の方法(即ち、担体の表面に存在するカルボキシル基を、カルボジイミド誘導体又はその塩で活性化し、水酸基を有する含窒素ヘテロ芳香族化合物、電子吸引性基を有するフェノール誘導体又はチオール基を有する芳香族化合物のいずれかの化合物でエステルとした後、アミンと反応させることによりカルボン酸アミド基を形成する方法)を好ましく用いることもできる。
本発明において活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーは、溶液として担体と反応させてもよく、また、スピンコート等の手法を用いて担体上の薄膜を形成させた状態で反応させてもよい。好ましくは、薄膜を形成させた状態での反応である。
上記の通り、本発明において活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーは、薄膜状態で担体と反応させることが好ましい。担体上に薄膜を形成させる方法は、公知の方法を用いることが可能であるが、具体的には、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、キャスティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、スライドビードコート法、スリットアンドスピン方式、スリットコート方式、ダイコート法、ディップコート法、ナイフコート法、ブレードコート法、フローコート法、ロールコート法、ワイヤバーコート方式、転写印刷法、等を用いることが可能である。これらの薄膜形成法については、「コーティング技術の進歩」原崎勇次著、総合技術センター(1988)、「コーティング技術」技術情報協会(1999)、「水性コーティングの技術」シーエムシー(2001)、「進化する有機薄膜 成膜編」住べテクノリサーチ(2004)、「高分子表面加工学」岩森暁著、技報堂出版(2005)、等に説明されている。膜厚制御された塗布膜を簡便に作製可能であることから、本発明において担体上に薄膜を形成させる方法としては、スプレーコート法またはスピンコート法が好ましく、スピンコート法がさらに好ましい。
本発明では、上述した方法により官能基が付与された担体上に、錯体を結合させる。
(1−2)配位子
配位子となる化合物としては、各種キレート剤を用いることができ、ニトリロトリ酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、フェナンスロリン、テルピリジン、ビピリジン、トリエチレンテトラアミン、ビ(エチレントリアミン)、トリス(カルボキシメチル)エチレンジアミン、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ポリピラゾリルホウ酸、1,4,7−トリアゾシクロノナン、ジメチルグリオキシム、ジフェニルグリオキシム、又はそれらの誘導体等の多座配位子を好ましくあげることができる。ここで、誘導体とは、基板上に付与した官能基と結合できるような官能基に修飾したものをいう。
(1−3)金属イオン
金属イオンは、金属錯体を形成する金属イオンであればよく、得られる金属錯体の安定性の観点からは遷移金属イオンが好ましく、具体的には、Ni(II)、Cu(I)、Cu(II)、Co(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Ga(III)、Ru(III),Ag(I),Au(III)、V(V)、Zn(II)、Mn(II)、Mn(III)、Zr(IV)、Hf(IV)、In(III)などのイオンであり、配位子の種類に応じて適宜選択することができる。
金属イオンは、価数によって結合力が異なるが、Co(II)、Fe(II)の場合は、特開平6-157600 号の[0037]、[0038]に記載されている酸化還元方法で、金属イオンの酸化数を変化させ、結合力を変えることが可能である。
(1−4)錯体の形成と、担体への錯体の結合方法(図1(a))
本発明において、2つ以上の配位子と金属イオンで形成された錯体は、公知の手法により形成することができ、上述した(1−2)の配位子と(1−3)の金属イオンを混合させることによって得ることができる。例えば、配位子であるニトリロトリ酢酸誘導体とエチレンジアミン、塩化銅、を水溶液中でモル比1:1:1で混合することにより、2つの配位子を有した錯体が得られる。このとき、配位子は同種でも異種のものでもよく、配位子の添加量は金属イオンが有する配位数に対して、2つ以上配位するように添加すればよいが、形成された錯体種の数のコントロールの観点から、金属に配位する配位子の数は2または3が好ましい。
上記の手法により形成された金属錯体は、担体に付与された官能基の種類に応じて適宜反応させ、結合することができる。この結合方法は当業者に公知である。例えば、上述したEDC等でカルボキシル基を活性化しアミノ基と結合する方法や、マレイミド基−チオール基の反応により結合させる方法があるが、本発明はこの方法に限定されない。本発明の担体を表面プラズモン共鳴を利用したバイオセンサーに使用する場合、担体に結合させた錯体の固定量は1×10-12 g/mm3〜1×10-3 g/mm3が好ましい。より好ましくは1×10-11 g/mm3〜1×10-5 g/mm3、さらに好ましくは、1×10-9 g/mm3〜1×10-5 g/mm3である。本発明の担体を蛍光標識によるバイオセンサーに使用する場合は、錯体の固定量はこの範囲に限定されず、1×10-21 g/mm3〜1×10-3 g/mm3でも十分に効果を得ることができる。
この体積密度は以下の方法により求めることができる。実際に測定を行って求める場合は、支持体上に錯体を結合した後、支持体上に固定された金属イオンの数をICP分析装置などで求め、この錯体が結合している部分の支持体の体積から、単位体積あたりの錯体の数を求めることができる。計算によって求める場合は、錯体の体積をCHEM3D(CambridgeSoft社製)などの計算ソフトを使用して求めることで、単位体積あたりの錯体の数を求めることができる。錯体の体積を計算ソフトで求めた場合、例えばNTA錯体であれば0.3nm3程度と見積もられる。
(2)担体上に金属イオンをさらに添加して新たな錯体を形成する工程(図1(b))
この工程で金属イオンをさらに添加して新たな錯体を形成する。ここで、添加する金属イオンの量は、(1)の工程において担体に結合させた錯体のほぼ全てを開裂させる量であることが好ましい。ここで、(1)の工程において担体に結合させた錯体のほぼ全てを開裂させる量とは、(1)の工程において担体に結合させた錯体の80%以上を開裂させる量、より好ましくは(1)の工程において担体に結合させた錯体の90%以上を開裂させる量を意味する。
金属イオンを添加することによって、図1(b)に示すように、担体表面に固定化された錯体が開裂され、金属イオン同士が近接した状態となるため(近接キレート修飾)、後述のように、金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を多点で固定化できると考えられる(多点とは、配位子と15族又は16族の原子を含有する物質が複数の金属イオンと結合していることを意味する)。本工程において添加する金属イオンは、(1)の工程で使用している金属イオンと同種のものを使用してもよく、また異種のものであってもよい。(2)の工程において添加する金属イオンではさらに、Ni(II)、Cu(II)、Co(II)、Co(III)、Fe(II)、Fe(III)、Ga(III)、Ru(III)などの遷移金属イオンが好ましく、より好ましくは、ニッケルイオン(Ni(II))、銅イオン(Cu(II))またはコバルトイオン(Co(II)、Co(III))のいずれかであることが望ましい。
ここで、添加する金属イオンは多量に添加してもよいが、多量に添加することで非特異的に担体等に吸着する金属イオンを抑制するという観点からは、6.02×1010個/mm3〜6.02×1021個/mm3であることが好ましい。
(3)金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を固定化する工程
(3−1)金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質
また、本発明において、金属と配位能を有する15族(N、P、As、Sb、Bi)又は16族(O、S、Se、Te、Po)の原子を含有する物質は、15族又は16族の原子を含有する複素環を2つ以上有する物質、ホスフィン化合物、又は、セレン化合物などを挙げることができるが、中でも15族又は16族の原子を含有する複素環を2つ以上有する物質が好ましい。また、15族又は16族の原子を含有する複素環としては、含窒素複素環を挙げることができる。
含窒素複素環としては、窒素原子を含む3員環から7員環の単環及び縮合環構造のいずれであってもよく、環中の窒素原子は単数でも複数であってもよい。好ましくは、5員環から6員環のものを挙げることができる。このような含窒素複素環を有する配位子として具体的には、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−チアジアゾ−ル、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、アゼピン、アゾニン、キノリン、アクリジン、フェナンスリジン、インドール、イソインドール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、1,8−ナフチリジン、プリン、プテリジン、ベンゾトリアゾール、キノキサリン、キナゾリン、ペリミジン、シンノリン、フタラジン、1,10−フェナンスロリン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェナジン、8−ヒドロキシキノリン、8−メルカプトキノリン、2,2’−ビピリジン、2,2’−ジピリジルアミン、ジ(2−ピコリルアミン)、2,2’,2”−ターピリジン、ポルフィリン、フタロシアニン、およびそれらの誘導体が挙げられる。得られる金属錯体の安定性の観点から好ましくはピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、およびそれらの誘導体が好ましい。
金属と配位能を有する15族又は16族の原子は、共有結合もしくは生理活性物質ならば遺伝子工学的に容易に付与することができる。生理活性物質とは免疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいはリガンド結合能を有するポリペプチドもしくはオリゴペプチドなどが挙げられる。生理活性物質には、アミノ酸自動合成装置を用いた導入、あるいは遺伝子操作による導入が容易であることから、イミダゾール基が好ましい。
(3−2)15族又は16族の原子を含有する物質の固定化(図1(c))
金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質の固定化は、金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を含む溶液又は固体を、上述した(2)の工程後の担体表面に塗布することによって行う。塗布方法はエクストルージョンコート法、カーテンコート法、キャスティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、スライドビードコート法、スリットアンドスピン方式、スリットコート方式、ダイコート法、ディップコート法、ナイフコート法、ブレードコート法、フローコート法、ロールコート法、ワイヤバーコート方式、転写印刷法等を用いることが可能であり、これら任意の方法により、金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質が金属イオンに配位結合することによって固定化される。
上記(1)〜(3)の工程により、本発明の担体を製造することができる。このようにして作製した担体に対して、2種のHis-tag抗体と1種の抗原形成された複合体を添加し、抗体を取り外す、という操作を行うと、サンドイッチ法と呼ばれる抗原抗体反応を利用した免疫測定法に使用することができる担体を製造することができる。また、His-tag抗体に蛍光標識を付加することで、蛍光共鳴エネルギー転移を利用した被験物測定用担体を製造することもできる。
(4)本発明の担体の製造方法の適用
本発明の担体の製造方法は、バイオセンサーやバイオリアクター(例えばバイオリアクター技術、1988年、(株)シーエムシー、バイオチップとバイオセンサー、2006年、共立出版(株))に適用することができる。バイオリアクターとは、酵素、菌体、細胞、オルガネラなどの生体触媒による生化学的反応を利用して、有用物質の生産、エネルギーの発生、環境汚染物質の分解などに応用する反応器であり、バイオセンサーとは最も広義に解釈され、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサーを意味する。以下、それぞれについての適用について説明する。
(4−1)バイオリアクターへの適用
酵素を固定化した不溶性担体を用いて有用物質の生成、反応等を行うことが可能なバイオリアクター(例えば実公平4-18398号、実公平4-18399号等)においては、上記不溶性担体として、本発明の担体、例えば担体(例えばセラミックやポリスルホン等の多孔質体)と、この担体表面上に結合された高分子膜と、この高分子膜に結合された配位子と、この配位子に固定した金属イオンと、この金属イオンに固定した酵素とを備えた担体を適用することができる。
(4−2)バイオセンサーへの適用
通常のバイオセンサーは、検出対象とする化学物質を認識するレセプター部位と、そこに発生する物理的変化又は化学的変化を電気信号に変換するトランスデューサー部位とから構成される。生体内には、互いに親和性のある物質として、酵素/基質、酵素/補酵素、抗原/抗体、ホルモン/レセプターなどがある。バイオセンサーでは、これら互いに親和性のある物質の一方を担体に固定化して分子認識物質として用いることによって、対応させるもう一方の物質を選択的に計測するという原理を利用している。
例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサーは、センサーより照射された光を透過及び反射する部分、並びに生理活性物質を固定する部分とを含む部材からなるが、本発明の担体は生理活性物質を固定する部分を含む部材として用いることができる。
表面プラズモン共鳴の現象は、ガラス等の光学的に透明な物質と金属薄膜層との境界から反射された単色光の強度が、金属の出射側にある試料の屈折率に依存することによるものであり、従って、反射された単色光の強度を測定することにより、試料を分析することができる。
表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、被測定物質の特性を分析する表面プラズモン測定装置としては、Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6-167443号公報参照)。上記の系を用いる表面プラズモン測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料液などの被測定物質に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似の測定装置として、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モード測定装置も知られている。この漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料液に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
この方式のバイオセンサーの構成については、例えば特公平6-27703号公報4ページ48行目から14ページ15行目および第1図から第8図、米国特許第 6,829,073号のcolumn6の31行目からcolumn7の47行目および第9図A,Bに記載されている。
例えば、一つの実施形態として、薄層が平面状の導波路層が基材(たとえばパイレックス(登録商標)ガラス)上に設けられている構造がある。導波路層と基材とは、一緒にいわゆる導波体を形成する。導波路層は、たとえば酸化物層(SiO2,SnO2、Ta2O5,TiO2,TiO2-SiO2,HfO2,ZrO2,Al2O3,Si3N4,HfON,SiON,酸化スカンジウムまたはこれらの混合物)、プラスチック層(例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリカーボネートなど)、など多層の積層体が可能である。光線が全反射により導波路層内を伝播するには、導波路層の屈折率が隣接媒体(たとえば基材や後述の付加層)の屈折率より大でなければならない。基材もしくは測定物質に向いた導波路層表面もしくは導波路層体積内には、回折格子が配置されている。回折格子は、型押し、ホログラフィまたはその他の方法によって担体内に形成することができる。次いでより高い屈折率を有する薄い導波路膜を回折格子の上表面に被覆する。回折格子は導波路層への入射光線を集束したり、既に導波路層内を導かれているモードを放出したり、そのモードの一部を進行方向へ透過させ、一部を反射させたりする機能を持つ。導波路層は、格子域を付加層でカバーしておく。付加層は必要に応じて多層膜とすることができる。この付加層は、測定物質に含まれている物質の選択的検知を可能にする機能を持たせることができる。好ましい態様として付加層の最表面に、検知機能を持つ層を設けることができる。このような検知機能を持つ層として、生理活性物質を固定化し得る層を用いることができる。
別の実施形態として、回折格子導波路のアレイがマイクロプレートのウェル内に組み込まれる形態も可能である(特表2007-501432号)。すなわち回折格子導波路がマイクロプレートのウェル底面にアレイ状に配列されていれば、スループットの高い薬物または化学物質のスクリーニングを可能にすることができる。
回折格子導波路は、回折格子導波路の上層(検知領域)上の生理活性物質検出を可能にするために、入射光線、および反射光を検出して屈折特性の変化を検出する。この目的のため、1つまたはそれより多くの光源(例えば、レーザ、ダイオード)及び1つまたはそれより多くの検出器(例えば、分光計、CCDカメラまたはその他の光検出器)を用いることができる。屈折率変化を測定するための方法として、2つの異なる動作モード−分光法、及び角度法がある。分光法においては、入射光として広帯域ビームが回折格子導波路に送られ、反射光が集められて、例えば分光計で測定される。共鳴波長(ピーク)のスペクトル位置を観測することにより、回折格子導波路の表面またはその近傍での屈折率変化すなわち結合を測定することができる。また、角度法においては、公称上単一波長の光がある範囲の照射角を生じるように集束されて、回折格子導波路内に向けられる。反射光がCCDカメラまたはその他の光検出器によって測定される。回折格子導波路によって反射された共鳴角の位置を測定することにより、回折格子導波路の表面またはその近傍での屈折率変化すなわち結合を測定することができる。
以下に本発明の担体の製造方法についての実施例を示す。
(実施例1)
(カルボキシル基を付与した担体の作製)
(自己組織化膜の形成)
センサーチップ上に金膜のみが形成されているBiacore社センサーチップAuを12分間、UVオゾン処理を行った後、8mlのエタノールと2mlの超純水に10μmol の6-aminohexanethiol(Aldrich製)を溶解させた溶液と金膜を40℃で1時間反応させて、金膜上にアミノ基を形成し、エタノールで1回、超純水で1回洗浄した。
(CMDの活性エステル化)
超純水に0.5重量%となるようにCMD(名糖産業製:分子量100万)を溶解した後、全量反応した場合にカルボキシル基の2%が活性化される計算量の0.4MのEDC(1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide)および0.1MのNHS(N-Hydroxysuccinimide)混合溶液を加え、室温で5分間攪拌した。
(CMD膜の作製)
上記アミノ基を形成した金膜上に、活性エステル化したCMD溶液を滴下し30秒後に除去することで、アミノ基を有する担体上に活性エステル化されたカルボキシメチルデキストラン薄膜を形成させた。室温で1 時間反応させた後、0.1 N NaOHで1回、超純水で1回洗浄した。
(錯体の結合)
上記CMD膜に1mmolのEDCと0.2mmolのNHSをDMSO1mlに添加した溶液を50μl加え、30分間室温で反応させた。溶液を除去、DMSOで1回洗浄後、予め0.1mmolのAB-NTA(同仁化学製)と0.04mmolのCuCl2(和光純薬製)をDBU(ジアザビシクロウンデセン、東京化成社製) 60μlと DMSO 0.94 mlを添加、混合して10分間放置した液を2時間反応させて、CMD膜上にAB-NTAとCuの金属錯体を結合させた。溶液を除去し、超純水で30分間浸漬洗浄した。
(近接キレート修飾膜作製とタンパク質の固定)
上記で作製した試料をBiacore社製の表面プラズモン共鳴装置であるBiacore3000にセットし、SPR用HEPES緩衝液(20mM HEPES-HCl, 150mM NaCl, pH7.4)を10μl/minの流速で安定させ1mMのCuCl2水溶液を10μl添加した後に、HBS-Nバッファー20μlで洗浄し、さらに1.8 μMのHis6- Ubiquitin水溶液を30μl添加し、共鳴プラズモン測定用チップを作製した。
(実施例2)
実施例1の錯体の結合において、0.04mmolのCuCl2の代わりに0.04mmolのInCl3(和光純薬製)を用いて1時間放置した液を2時間反応させて、CMD膜上にAB-NTAとInの金属錯体を結合させた。溶液を除去し、Biacore3000内において、pH8の0.5M EDTA(和光純薬製)で1分間洗浄した。さらにタンパク質の固定において、1.8μM His6-Ubiquitinを30μl添加するかわりに、5μM HHHHHHペプチド(Hはヒスチジンを表し、HHHHHH はヒスチジンが6個繋がったもの:NeoMPS社製)を10μl添加した以外は実施例1と同様にして共鳴プラズモン測定用チップを作製した。
(実施例3)
実施例1の錯体の結合において、0.1mmolのAB-NTAと0.04mmolのCuCl2の代わりに0.05mmolのAB-NTA と0.02mmolのHfCl4(和光純薬製)を用いて40度に加熱し、1時間放置した液を2時間反応させ、CMD膜上にAB-NTAとHfの金属錯体を結合させた。溶液を除去し、Biacore3000内において、100 mM NaOH(和光純薬製)で1分間洗浄した以外は実施例2と同様にして共鳴プラズモン測定用チップを作製した。
(実施例4)
実施例1のタンパク質の固定において、1.8 μMのHis6- Ubiquitin水溶液を30μl添加する代わりに、5μM HSHSHSHSHSHSHSHSHSHSペプチド(Hはヒスチジン、Sはセリンを表し、HSHSHSHSHSHSHSHSHSHSはヒスチジンとセリンが結合したHSが10個繋がったもの:オペロン製)を10μl添加した以外は実施例1と同様にして共鳴プラズモン測定用チップを作製した。
(実施例5)
実施例1のタンパク質の固定において、1.8 μMのHis6- Ubiquitin水溶液を30μl添加する代わりに、5μM HKHKHKHKHKHKペプチド(Hはヒスチジン、Kはリシンを表し、HKHKHKHKHKHKはヒスチジンとリシンが結合したHKが6個繋がったもの:オペロン製)を10μl添加した以外は実施例1と同様にして共鳴プラズモン測定用チップを作製した。
(実施例6)
実施例1のタンパク質の固定において、1.8 μMのHis6- Ubiquitin水溶液を30μl添加する代わりに5μM HCHCHCHCHCHCペプチド(Hはヒスチジン、Cはシステインを表し、HCHCHCHCHCHCはヒスチジンとシステインが結合したHCが6個繋がったもの:オペロン製)を10μl添加した以外は実施例1と同様に行った。
(比較例1)
実施例1において錯体を結合させることなく、0.1mmolのAB-NTA(同仁化学製)をDBU(ジアザビシクロウンデセン) 60μlと DMSO 0.94 mlで溶解したものを用いた以外は実施例1と同様にして共鳴プラズモン測定用チップを作製した。
(比較例2)
タンパク質の固定において、1.8 μMのHis6- Ubiquitin水溶液を30ul添加するかわりに5μM HHHHHHペプチド(NeoMPS社製)を添加した以外は、比較例1と同様にして共鳴プラズモン測定用チップを作製した。
(タンパク固定化率の測定)
実施例1および比較例1の共鳴プラズモン測定用チップについて、タンパク固定直後から48時間 SPR用HEPES緩衝液を流し続けたときのタンパク脱離量の経時変化をBiacore3000で測定した。結果を表1に示す。表1は比較例1の48時間後のタンパク固定量を1としたときの実施例1のタンパク固定量を算出したものを示したものである。
また、図2は実施例1と比較例1について、タンパク固定直後の固定量を1とし、48時間の経時変化におけるタンパク固定量(タンパク固定化率)を示したものである。
比較例1は担体上に錯体を結合させることなく、担体にAB-NTA を結合させたのちにCuCl2を反応させたものであるが、この場合には、NTAが互いに近接していないため、多点でタンパク質を把持しにくいため、表1および図2から明らかなようにタンパク固定化率、つまり48時間後におけるタンパク保持能が小さいのに対し、実施例1では、担体上に錯体を結合させた後に、金属イオンをさらに添加して新たな錯体を形成することによって、NTAが互いに近接するため、多点でタンパク質を把持することが可能となり、タンパク固定化率が大きくなっている。タンパク固定化率が高ければ、安定して被検体物質との相互作用が検出可能であり、検出感度を高くすることができる。
(ペプチド固定化率の測定)
実施例2〜6および比較例2の共鳴プラズモン測定用チップについて、ペプチド固定直後から10時間 SPR用HEPES緩衝液を流し続けたときのペプチド脱離量の経時変化をBiacore3000で測定した。表2は、比較例2の10時間後のペプチド固定量を1としたときの実施例2〜6のペプチド固定量を算出したものを示したものである。
表2から明らかなように、実施例2〜6のペプチド固定量は比較例2よりも大きく、ペプチド固定に直接関与しないInイオンやHfイオンの金属錯体を固定することでヒスチジン残基の固定に有用であることがわかる。また、15族又は16族の原子を含有するヒスチジン又はリジン又はシステインも固定可能であることがわかる。
本発明の担体の製造工程を示す概略模式図 本発明の実施例1および比較例1の経時変化を示すグラフ

Claims (10)

  1. (1)2つ以上の配位子と金属イオンで形成された錯体を担体に結合させる工程と、
    (2)前記担体上に金属イオンをさらに添加して新たな錯体を形成する工程と、
    (3)前記金属と配位能を有する15族又は16族の原子を含有する物質を前記金属に固定化する工程と、
    をこの順に含んでなり、前記配位子がニトリロトリ酢酸誘導体であることを特徴とする担体の製造方法。
  2. 前記(2)の工程において添加する金属イオンが(1)の工程において担体に結合させた錯体のほぼ全てを開裂させる量であることを特徴とする請求項1記載の担体の製造方法。
  3. 前記(1)の工程、および/または、前記(2)の工程で用いる金属イオンが遷移金属イオンであることを特徴とする請求項1または2記載の担体の製造方法。
  4. 前記(2)の工程で用いる遷移金属イオンが、ニッケルイオン、銅イオンまたはコバルトイオンのいずれかであることを特徴とする請求項記載の担体の製造方法。
  5. 前記15族又は16族の原子を含有する物質が、15族又は16族の原子を含有する複素環を2つ以上有する物質であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の担体の製造方法。
  6. 前記複素環を2つ以上有する物質が、15族又は16族の原子を含有する複素環を2つ以上有する生理活性物質であることを特徴とする請求項記載の担体の製造方法。
  7. 前記生理活性物質が、イミダゾール基を2つ以上有する生理活性物質であることを特徴とする請求項記載の担体の製造方法。
  8. 前記(1)の工程において、担体に結合させた錯体の固定量が1×10-12 g/mm3〜1×10-3 g/mm3であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の担体の製造方法。
  9. 前記担体が、バイオリアクターまたはバイオセンサーに用いられる担体であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の担体の製造方法。
  10. 前記担体が、表面プラズモン共鳴分析に用いられることを特徴とする請求項記載の担体の製造方法。
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