JP2008096412A - バイオセンサーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生理活性物質を固定化し得るヒドロゲルを、安全な原料を用いて簡便に製造することができるバイオセンサー及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】アミノ基を有する有機層で被覆した基板表面に、活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを接触させて、該有機層に該ポリマーを結合させることを特徴とする、バイオセンサーの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、バイオセンサーの製造方法、及び該バイオセンサーを用いた生体分子間の相互作用を分析する方法に関する。特に本発明は、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに用いるためのバイオセンサーの製造方法、及び該バイオセンサーを用いた生体分子間の相互作用を分析する方法に関する。
現在、臨床検査等で免疫反応など分子間相互作用を利用した測定が数多く行われているが、従来法では煩雑な操作や標識物質を必要とするため、標識物質を必要とすることなく、測定物質の結合量変化を高感度に検出することのできるいくつかの技術が使用されている。例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術である。SPR測定技術はチップの金属膜に接する有機機能膜近傍の屈折率変化を反射光波長のピークシフト又は一定波長における反射光量の変化を測定して求めることにより、表面近傍に起こる吸着及び脱着を検知する方法である。QCM測定技術は水晶発振子の金電極(デバイス)上の物質の吸脱着による発振子の振動数変化から、ngレベルで吸脱着質量を検出できる技術である。また、金の超微粒子(nmレベル)表面を機能化させて、その上に生理活性物質を固定して、生理活性物質間の特異認識反応を行わせることによって、金微粒子の沈降、配列から生体関連物質の検出ができる。
上記した技術においては、いずれの場合も、生理活性物質を固定化する表面が重要である。以下、当技術分野で最も使われている表面プラズモン共鳴(SPR)を例として、説明する。
一般に使用される測定チップは、透明基板(例えば、ガラス)、蒸着された金属膜、及びその上に生理活性物質を固定化できる官能基を有する薄膜からなり、その官能基を介し、金属表面に生理活性物質を固定化する。該生理活性物質と検体物質間の特異的な結合反応を測定することによって、生体分子間の相互作用を分析する。
生理活性物質を固定化可能な官能基を有する検出表面として、例えば特許文献1に、ヒドロゲルの製造法が詳細に開示されている。具体的には、16-メルカプトヘキサデカノー
ルの層が金膜に結合することでバリアー層を形成する。この金膜上でバリアー層のヒドロキシル基はエピクロロヒドリンで処理することによりエポキシ活性化される。次の段階でデキストランをエーテル結合を介してバリアー層に付着させる。次にデキストランマトリックスに対してブロモ酢酸を反応させることで、カルボキシメチル基を導入する。
この方法に基づき製造されたカルボキシメチル変性デキストラン表面にアミノ基を有する生理活性物質(例えばタンパク質やアミノ酸)を固定化するための手法としては、以下のような手法が開示されている。すなわち、カルボキシメチル変性デキストランにおけるカルボキシル基の一部を、反応性エステル機能を生ずるように例えばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)及びN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド(EDC)塩酸の水溶液で処理することにより変性される。残留電荷すなわち未反応カルボキシル基は、生理活性物質の検出表面への濃縮の遂行に寄与するであろう。このような検出表面に対し、アミノ基を含む生理活性物質(タンパク質やアミノ酸)の水溶液を接触させることで、アミノ基を含む生理活性物質をデキストランマトリックスに共有結合により結合させることができる。
上記した方法により製造されたヒドロゲルは、アミノ基を含む生理活性物質を3次元的に固定化可能であるため、バイオセンサーの検出表面として優れた性能を示す。しかし、上記した方法によるヒドロゲルの製造法は煩雑であり、製造時間が長く、エピクロロヒドリンやブロモ酢酸といった化合物を用いることが必要であるため、安全性の面で問題があった。
特許第2815120号
本発明は上記した従来技術の問題を解消することを解決すべき課題とした。即ち本発明は、生理活性物質を固定化し得るヒドロゲルを、安全な原料を用いて簡便に製造することができるバイオセンサー及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、生理活性物質の固定量が多く、非特異吸着量が少ないバイオセンサー及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、カルボキシル基を有する親水性ポリマーを活性化した状態で、アミノ基を有する基板と反応させることにより、生理活性物質を固定化し得るヒドロゲルを簡便に製造可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、アミノ基を有する有機層で被覆した基板表面に、活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを接触させて、該有機層に該ポリマーを結合させることを特徴とする、バイオセンサーの製造方法が提供される。
好ましくは、活性化されたカルボキシル基は、活性エステル化されたカルボキシル基である。
好ましくは、基板は金属表面または金属膜である。
好ましくは、金属は金、銀、銅、白金またはアルミニウムのいずれかである。
好ましくは、アミノ基を有する有機層で被覆した基板表面は、アミノ基を有するアルカンチオールで被覆した基板表面である。
好ましくは、アミノ基を有するアルカンチオールは、アルキル鎖を介してチオール基とアミノ基が連結している化合物、又は末端にカルボキシル基を有するアルカンチオールとヒドラジドまたはジアミンとの反応により得られる化合物のいずれかである。
好ましくは、アミノ基を有する有機層で被覆した基板表面は、アミノ基を有するアルカンチオールと親水性基を有するアルカンチオールとの混合物で被覆した基板表面である。
好ましくは、親水性基を有するアルカンチオールの該親水性基は、水酸基あるいはオリゴエチレングルコール基である。
好ましくは、アミノ基を有するアルカンチオールと親水性基を有するアルカンチオールとの混合物中のモル比は1/1〜1/1,000,000の範囲である。
好ましくは、アミノ基を有するアルカンチオールの分子長は、親水基を有するアルカンチオールの分子長よりも長い。
好ましくは、カルボキシル基を含有するポリマーは多糖類である。
好ましくは、カルボキシル基を含有するポリマーの平均分子量は1000〜5000000である。
好ましくは、活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを、基板上に薄膜を形成させた状態で、アミノ基を有する有機層と反応させる。
好ましくは、スピンコート法またはスプレーコート法により、基板上に薄膜を形成させる。
好ましくは、活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーは、カルボキシル基を含有するポリマーを、カルボジイミド誘導体、含窒素化合物、又はフェノール誘導体で活性化することにより得られたものである。
好ましくは、カルボジイミド誘導体は水溶性である。
好ましくは、カルボジイミド誘導体は化合物の何れかである。
Figure 2008096412
好ましくは、含窒素化合物は下記一般式(Ia)又は(Ib):
Figure 2008096412
[式中、R1及びR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表し、R1及びR2は結合により5〜6員環を形成しても良く、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す]で表される化合物である。
好ましくは、含窒素化合物は、下記一般式(II):
Figure 2008096412
[式中、Y及びZは、互いに独立して、CHまたは窒素原子を表す]で表される化合物である。
好ましくは、フェノール誘導体は、電子吸引性基を有する化合物である。
好ましくは、フェノール誘導体の電子吸引性基のσ値が0.3以上である。
好ましくは、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する際に、カルボジイミド誘導体と含窒素化合物、又はカルボジイミド誘導体とフェノール誘導体を併用する。
好ましくは、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する際に、下記モルホリン誘導体を用いる。
Figure 2008096412
好ましくは、ポリマー中のカルボキシル基に対するカルボジイミド誘導体又はモルホリン誘導体の混合モル比は1×10-4〜1である。
好ましくは、ポリマー中のカルボキシル基に対する含窒素化合物の混合モル比は1×10-7〜1である。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の方法により製造される、バイオセンサーが提供される。
好ましくは、本発明のバイオセンサーは非電気化学的検出に使用され、さらに好ましくは、表面プラズモン共鳴分析に使用される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明のバイオセンサーと生理活性物質とを接触させて、該バイオセンサーに該生理活性物質を結合させる工程を含む、バイオセサンーに生理活性物質を固定化する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、生理活性物質が共有結合により表面に結合している上記した本発明のバイオセンサーと被験物質とを接触させる工程を含む、該生理活性物質と相互作用する物質を検出または測定する方法が提供される。
好ましくは、生理活性物質と相互作用する物質を非電気化学的方法により検出または測定し、さらに好ましくは表面プラズモン共鳴分析により検出または測定する。
本発明によれば、生理活性物質の固定量が多く、非特異吸着量が少ないバイオセンサーを安全な原料を用いて簡便に製造することが可能になった。
本発明で言うバイオセンサーとは最も広義に解釈され、生体分子間の相互作用を電気的信号等の信号に変換して、対象となる物質を測定・検出するセンサーを意味する。通常のバイオセンサーは、検出対象とする化学物質を認識するレセプター部位と、そこに発生する物理的変化又は化学的変化を電気信号に変換するトランスデューサー部位とから構成される。生体内には、互いに親和性のある物質として、酵素/基質、酵素/補酵素、抗原/抗体、ホルモン/レセプターなどがある。バイオセンサーでは、これら互いに親和性のある物質の一方を基板に固定化して分子認識物質として用いることによって、対応させるもう一方の物質を選択的に計測するという原理を利用している。
本発明のバイオセンサーでは、金属表面又は金属膜を基板として用いることができる。金属表面あるいは金属膜を構成する金属としては、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであれば特に限定されない。好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、白金等の自由電子金属が挙げられ、特に金が好ましい。それらの金属は単独又は組み合わせて使用することができる。また、上記基板への付着性を考慮して、基板と金属からなる層との間にクロム等からなる介在層を設けてもよい。
金属膜の膜厚は任意であるが、例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、0.1nm以上500nm以下であるのが好ましく、特に1nm以上200nm以下であるのが好ましい。500nmを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出することができない。また、クロム等からなる介在層を設ける場合、その介在層の厚さは、0.1nm以上10nm以下であるのが好ましい。
金属膜の形成は常法によって行えばよく、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うことができる。
金属膜は好ましくは基板上に配置されている。ここで、「基板上に配置される」とは、金属膜が基板上に直接接触するように配置されている場合のほか、金属膜が基板に直接接触することなく、他の層を介して配置されている場合をも含む意味である。本発明で使用することができる基板としては例えば、表面プラズモン共鳴バイオセンサー用を考えた場合、一般的にはBK7等の光学ガラス、あるいは合成樹脂、具体的にはポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーなどのレーザー光に対して透明な材料からなるものが使用できる。このような基板は、好ましくは、偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が望ましい。
上記の基板は、測定ユニットの誘電ブロックに固定され、一体化されて測定チップを構成しており、この測定チップが交換可能に形成されていてもよい。以下にその例を示す。
図1は、SPRを利用した測定に用いられるセンサユニット10の分解斜視図である。センサユニット10は、透明な誘電体である全反射プリズム(光学ブロック)20と、この全反射プリズム20の上に取り付けられる流路部材30とで構成される。流路部材30は、図中奥側に位置する第1流路31と、図中手前側に位置する第2流路32との2種類の流路を有している。詳細は後述するが、センサユニット10を用いて測定を行う際には、これら2つの流路31、32を1組として、1つの試料の測定が行われる。流路部材30には、各流路31、32が、それぞれ長手方向に6つずつ設けられており、1つのセンサユニット10で6つの試料を測定できるようにしている。なお、各流路31、32の数は、6つに限ることなく、5つ以下でもよいし7つ以上でもよい。
全反射プリズム20は、長尺な台形柱状に形成されたプリズム本体21と、このプリズム本体21の一端に設けられた把持部22と、プリズム本体21の他端に設けられた突出部23とからなる。この全反射プリズム20は、例えば、押し出し法などによって型成形されるものであり、プリズム本体21、把持部22、突出部23の各部は、一体に成形されている。
プリズム本体21は、下底よりも上底の方が長い略台形の縦断面を有しており、底面側面から照射された光を上面21aに集光する。プリズム本体21の上面21aには、SPRを励起するための金属膜(薄膜層)25が設けられている。金属膜25は、流路部材30の各流路31、32と対面するように、長方形状をなしており、例えば、蒸着法などによって成形される。この金属膜25としては、例えば、金や銀などが使用され、その膜厚は、例えば、50nmである。なお、金属膜25の膜厚は、金属膜25の素材や測定時に照射される光の波長などに応じて適宜選択される。
金属膜25の上には、ポリマー膜26が設けられている。ポリマー膜26は、生理活性物質を固定させるための結合基を有するものであり、このポリマー膜26を介して金属膜25上に生理活性物質が固定される。
本発明において金属膜は、アミノ基を有する有機層で被覆された後、活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを上記有機層と反応させることにより、生理活性物質を固定化し得るヒドロゲルを作製することができる。
本発明においてアミノ基を有する有機層で金属膜を被覆する方法は、公知の方法を使用することができるが、操作が簡便なことから、自己組織化膜(SAMs)を用いた被覆法が好ましい。自己組織化膜(SAMs)を用いた金属膜の被覆法は、ハーバード大のWhitesides教授らにより精力的に展開されており、その詳細は例えばChemical Review, 105, 1103-1169 (2005)に報告されている。金属として金を用いた場合、有機層形成化合物として一般式A−1(一般式A−1において、nは3から20の整数を示し、Xは官能基を示す)に示すアルカンチオール誘導体を用いることにより、Au-S結合とアルキル鎖同士のvan der Waals力に基づき、配向性を持つ単分子膜が自己組織的に形成される。自己組織化膜は、アルカンチオール誘導体の溶液中に金基板を浸漬するという極めて簡便な手法で作成される。一般式A−1においてX=NH2である化合物を用いて自己組織化膜を形成させることで、アミノ基を有する有機層で金表面を被覆することが可能となる。
Figure 2008096412
末端にアミノ基を有するアルカンチオールは、アルキル鎖を介してチオール基とアミノ基が連結している化合物(一般式A−2)(一般式A−2において、nは3から20の整数を示す)でもよく、末端にカルボキシル基を有するアルカンチオール(一般式A−3A−4)(一般式A−3においてnは3から20の整数を示し、一般式4においてnはそれぞれ独立に1から20の整数を示す)と大過剰のヒドラジドまたはジアミンを反応させた化合物でもよい。末端にカルボキシル基を有するアルカンチオールと大過剰のヒドラジドまたはジアミンとの反応は、溶液状態で行ってもよく、また、末端にカルボキシル基を有するアルカンチオールを基板表面に結合した後、大過剰のヒドラジドまたはジアミンを反応させてもよい。
Figure 2008096412
A-2〜A-4のアルキル基の繰返し数は、3以上20以下が好ましく、さらに3以上16以下が好ましく、4以上8以下が最も好ましい。アルキル鎖が短いと自己組織化膜を形成しにくく、アルキル鎖が長いと水溶性が低下し、ハンドリングが困難になる。
本発明に用いるジアミンとしては、任意の化合物を用いることが可能であるが、バイオセンサー表面に用いる場合、水溶性ジアミンが好ましい。水溶性ジアミンとしては具体的に、エチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ピペラジン、トリエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラアミン、ジヘキサメチレントリアミン、1.4−ジアミノシクロヘキサン等の脂肪族ジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン、4,4‘−ジアモノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4‘−ジアミノジフェニルケトン、4,4‘−ジアミノジフェニルスルホン酸等の芳香族ジアミンが挙げられる。バイオセンサー表面の親水性を向上させるという観点から、2つのアミノ基をエチレングリコールユニットで連結した化合物(一般式5)を用いることも可能である。本発明に用いるジアミンとしては、好ましくはエチレンジアミンまたは一般式A−5(一般式A−5において、n及びmは、それぞれ独立に1から20の整数を示す)で表される化合物であり、より好ましくは、エチレンジアミンまたは1,2-ビス(アミノエトキシ)エタン(一般式A−5において、n=2,m=1)である。
Figure 2008096412
アミノ基を有するアルカンチオールは、単独で自己組織化膜を形成することも可能であり、また、他のアルカンチオールと混合して自己組織化膜を形成することも可能である。バイオセンサー表面に用いる場合、他のアルカンチオールとしては、生理活性物質の非特異吸着を抑制可能な化合物を用いることが好ましい。生理活性物質の非特異吸着を抑制可能な自己組織化膜に関しては、前述のWhitesides教授らにより詳細に検討されており、親水性基を有するアルカンチオールから形成された自己組織化膜が非特異吸着抑制に有効であることが報告されている(Langmuir,17,2841-2850, 5605-5620, 6336-6343 (2001))。本発明において、アミノ基を有するアルカンチオールと混合単分子膜を形成するアルカンチオールは、前記論文に記載された化合物を好ましく用いることが可能である。非特異吸着抑制能に優れ、入手が容易であることから、アミノ基を有するアルカンチオールと混合単分子膜を形成するアルカンチオールとしては、水酸基を有するアルカンチオール(一般式A−6)あるいはエチレングルコールユニットを有するアルカンチオール(一般式A−7)(一般式A−6において、nは3から20の整数を示し、一般式A−7において、n及びmは、それぞれ独立に1から20の整数を示す)を用いることが好ましい。
Figure 2008096412
アミノ基を有するアルカンチオールを他のアルカンチオールと混合して自己組織化膜を形成する場合、A-2〜A-4のアルキル基の繰返し数は、4以上20以下が好ましく、さらに4以上16以下が好ましく、4以上10以下が最も好ましい。また、A-6,A-7のアルキル基の繰返し数は、3以上16以下が好ましく、さらに3以上12以下が好ましく、3以上8以下が最も好ましい。
本発明において、アミノ基を有するアルカンチオールと親水性基を有するアルカンチオールは、任意の割合で混合することが可能であるが、アミノ基を有するアルカンチオールの割合が少ない場合には活性化されたカルボキシル基含有ポリマーの結合量が低下し、親水性基を有するアルカンチオールの割合が少ない場合には非特異吸着抑制能が減少する。それゆえ、アミノ基を有するアルカンチオールと親水性基を有するアルカンチオールの混合比は、1/1〜1/1,000,000の範囲であることが好ましく、1/4〜1/10,000の範囲であることがより好ましく、1/10〜1/1,000の範囲であることがさらに好ましい。活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーと反応する場合の立体障害低減の観点から、アミノ基を有するアルカンチオールの分子長は、親水性基を有するアルカンチオールの分子長よりも長いことが好ましい。
本発明で用いるアルカンチオールは、Northwestern大学のGrzybowski教授らによる総説(Curr. Org. Chem., 8, 1763-1797(2004).)およびその引用文献に基づいて合成された化合物を用いても良く、また市販の化合物を用いてもよい。これらの化合物は、同仁化学(株)、Aldrich社、SensoPath Technologies社、Frontier Scientific Inc.社等から購入可能である。本発明においてアルカンチオールの酸化生成物であるジスルフィド化合物は、アルカンチオールと同様に用いることが可能である。
本発明で用いるカルボキシル基を含有するポリマーとしては、カルボキシル基含有合成ポリマーおよびカルボキシル基含有多糖類を用いることが可能である。カルボキシル基含有合成ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびこれらの共重合体、例えば特開昭59−53836号明細書3頁20行〜6頁49行、特開昭59−71048号明細書3頁41行〜7ページ54行明細書に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたものなどが挙げられる。カルボキシル基含有多糖類は、天然植物からの抽出物、微生物発酵の生産物、酵素による合成物、または化学合成物の何れであってもよく、具体的には、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、デルマタン酸硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、セロウロン酸、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルデキストラン、カルボキシメチルデンプン等が挙げられる。カルボキシル基含有多糖類は、市販の化合物を用いることが可能であり、具体的には、カルボキシメチルデキストランであるCMD、CMD−L、CMD−D40(名糖産業社製)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(和光純薬社製)、アルギン酸ナトリウム(和光純薬社製)、等を挙げることができる。
カルボキシル基を含有するポリマーは、好ましくはカルボキシル基を含有する多糖類であり、より好ましくはカルボキシメチルデキストランである。
本発明に用いるカルボキシル基を含有するポリマーの分子量は特に制限されないが、平均分子量が1000〜5000000であることが好ましく、平均分子量が10000〜2000000であることがより好ましく、平均分子量が100000〜1000000であることがさらに好ましい。この範囲より平均分子量が小さい場合には生理活性物質の固定量が小さくなってしまい、この範囲より平均分子量が大きい場合には高い溶液粘度のため取り扱いが困難となる。
カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法としては、公知の手法、例えば、水溶性カルボジイミドである1-(3-Dimethylaminopropyl)-3 ethylcarbodiimide(EDC)とN-Hydroxysuccinimide(NHS)により活性化する方法、EDC単独で活性化する方法を好ましく用いることができる。この手法で活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを、アミノ基を有する基板と反応させることで、本発明のバイオセンサーを製造することが可能となる。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として含窒素化合物を用いる方法があり、具体的には、下記一般式(Ia)又は(Ib)[式中、R1及びR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表し、R1及びR2は結合により5〜6員環を形成しても良く、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す]に示される含窒素化合物を用いることもできる。
Figure 2008096412
ここで、R1及びR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表すが、好ましくはR1及びR2は結合により5〜6員環を形成する。特に好ましくは、ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシフタル酸、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3、4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1、2、3−ベンゾトリアジン、及びその誘導体が提供される。
また、好ましくは下記化合物7で示される含窒素化合物を用いることもできる。
Figure 2008096412
また好ましくは、含窒素化合物としては、下記一般式(II)[式中、Y及びZは、互いに独立してCH、または窒素原子を表す]で表される化合物を用いることもできる。
Figure 2008096412
具体的には、下記の化合物などを用いることができる。
Figure 2008096412
また好ましくは、含窒素化合物としては、下記の化合物を用いることもできる。
Figure 2008096412
また好ましくは、含窒素化合物としては、下記一般式(III)[式中、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Y及びZは、互いに独立してCH、または窒素原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す]を用いることもできる。
Figure 2008096412
ここで、Aで表される炭素原子またはリン原子の置換基としては、置換基を有するアミノ基が好ましく、ジメチルアミノ基やピロリジノ基の様なジアルキルアミノ基が好ましい。Mで表される(n-1)価の元素は、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子などが挙げられるが、好ましくはリン原子があげられる。Xで表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、好ましくはフッ素原子が挙げられる。
また一般式(III)で表される含窒素化合物の具体例としては、下記の化合物などが挙げられる。
Figure 2008096412
また好ましくは、含窒素化合物としては、下記一般式(IV)[式中、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す]を用いることもできる。
Figure 2008096412
具体的には、下記の化合物などを用いることができる。
Figure 2008096412
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として、電子吸引性基を有するフェノール誘導体を使用することも好ましく、更に電子吸引性基のσ値が0.3以上であることが好ましい。具体的には、下記化合物16などを用いることができる。
Figure 2008096412
更に、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法では、別にカルボジイミド誘導体物を併用することができ、好ましくは、水溶性カルボジイミド誘導体を併用する事ができ、更に好ましくは下記の化合物、(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide, hydrochloride)を併用することができる。
Figure 2008096412
上記のカルボジイミド誘導体及び、含窒素化合物、またはフェノール誘導体は併用して使用するだけではなく、所望により、夫々、単独で用いることもできる。好ましくはカルボジイミド誘導体と含窒素化合物との併用である。
また、カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する方法として、下記化合物を用いることもできる。該化合物は単独で用いることもできるが、カルボジイミド誘導体、含窒素化合物、フェノール誘導体と併用してもよい。
Figure 2008096412
本発明において活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーは、溶液として基板と反応させてもよく、また、スピンコート等の手法を用いて基板上の薄膜を形成させた状態で反応させてもよい。好ましくは、活性化されたカルボキシル基は、活性エステル化されたカルボキシル基である。好ましくは、薄膜を形成させた状態での反応である。
上記の通り、本発明において活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーは、薄膜状態で基板と反応させることが好ましい。基板上に薄膜を形成させる方法は、公知の方法を用いることが可能であるが、具体的には、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、キャスティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、スライドビードコート法、スリットアンドスピン方式、スリットコート方式、ダイコート法、ディップコート法、ナイフコート法、ブレードコート法、フローコート法、ロールコート法、ワイヤバーコート方式、転写印刷法、等を用いることが可能である。これらの薄膜形成法については、「コーティング技術の進歩」原崎勇次著、総合技術センター(1988)、「コーティング技術」技術情報協会(1999)、「水性コーティングの技術」シーエムシー(2001)、「進化する有機薄膜 成膜編」住べテクノリサーチ(2004)、「高分子表面加工学」岩森暁著、技報堂出版(2005)、等に説明されている。膜厚制御された塗布膜を簡便に作成可能であることから、本発明において基板上に薄膜を形成させる方法としては、スプレーコート法またはスピンコート法が好ましく、スピンコート法がさらに好ましい。
スプレーコート法とは、微細化されたポリマー溶液を基板に吹きつけた状態で、基板を移動させることで、基板上にポリマー溶液を均一塗布する方法である。スプレーガンの引き金を引くと空気バルブとニードルバルブが同時に開き、ノズルからポリマー溶液が霧状に噴出し、ノズル先端にある空気キャップから噴出する空気で霧状のポリマー溶液がさらに微細化される。微細化されたポリマー溶液による塗布膜を基板表面に形成させた後、溶媒を蒸発させることで、膜厚の制御されたポリマーフイルムが容易に作成される。ポリマー溶液濃度、基板の移動速度等により、ポリマー薄膜の膜厚制御が可能となる。
スピンコート法とは、水平に設置した基板上にポリマー溶液を滴下した後に高速回転させ、遠心力によって基板全体にポリマー溶液を均一塗布する方法である。遠心力によるポリマー溶液の飛散と溶媒の蒸発に伴い、膜厚の制御されたポリマーフイルムが容易に作成される。回転数、ポリマー溶液濃度、溶剤の蒸気圧等により、ポリマー薄膜の膜厚制御が可能となる。本発明においてスピンコート時の回転数は特に制限されないが、回転数が低すぎる場合には基板上に溶液が残存し、回転数が高すぎる場合には使用可能な装置が制限されてしまう。それゆえ本研究においてはスピンコート時の回転数は、500rpm〜10000rpmであることが好ましく、1000rpm〜7000rpmであることがさらに好ましい。
カルボキシル基を含有するポリマーは、公知の方法、例えば、水溶性カルボジイミドである1-(3-Dimethylaminopropyl)-3 ethylcarbodiimide(EDC)とN-Hydroxysuccinimide(NHS)により、又はEDC単独により活性化され、アミノ基を有する生理活性物質を固定化することが可能となる。カルボン酸を活性化する手法としては、特願2004−238396号(特開2006−58071号公報)「0011」〜「0022」に記載の方法(即ち、基板の表面に存在するカルボキシル基を特定の構造を有するウロニウム塩、ホスホニウム塩、又はトリアジン誘導体のいずれかの化合物を用いて活性化することによりカルボン酸アミド基を形成する方法)、並びに特願2004−275012号(特開2006−90781号公報)「0011」〜「0019」に記載の方法(即ち、基板の表面に存在するカルボキシル基を、カルボジイミド誘導体又はその塩で活性化し、水酸基を有する含窒素ヘテロ芳香族化合物、電子吸引性基を有するフェノール誘導体又はチオール基を有する芳香族化合物のいずれかの化合物でエステルとした後に、アミンと反応させることによりカルボン酸アミド基を形成する方法)を好ましく用いることもできる。
なお、上記した特願2004−238396号(特開2006−58071号公報)における特定の構造を有するウロニウム塩、ホスホニウム塩、又はトリアジン誘導体とは、下記一般式1で表されるウロニウム塩、下記一般式2で表されるホスホニウム塩、又は下記一般式3で表されるトリアジン誘導体を示す。
Figure 2008096412
(一般式1において、R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R3は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式2において、R4とR5はそれぞれ独立に炭素数1から6のアルキル基を示すか、又は互いに一緒になって炭素数2から6のアルキレン基を形成してN原子と共に環を形成し、R6は炭素数6から20の芳香環基又は少なくとも1以上のヘテロ原子を含むヘテロ環基を示し、X-はアニオンを示す。一般式3において、R7はオニウム基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に電子供与基を示す。)
本発明のバイオセンサーに固定される生理活性物質としては、測定対象物と相互作用するものであれば特に限定されず、例えば免疫蛋白質、酵素、微生物、核酸、低分子有機化合物、非免疫蛋白質、免疫グロブリン結合性蛋白質、糖結合性蛋白質、糖を認識する糖鎖、脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいはリガンド結合能を有するポリペプチドもしくはオリゴペプチドなどが挙げられる。
免疫蛋白質としては、測定対象物を抗原とする抗体やハプテンなどを例示することができる。抗体としては、種々の免疫グロブリン、即ちIgG、IgM、IgA、IgE、IgDを使用することができる。具体的には、測定対象物がヒト血清アルブミンであれば、抗体として抗ヒト血清アルブミン抗体を使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラック等を抗原とする場合には、例えば抗アトラジン抗体、抗カナマイシン抗体、抗メタンフェタミン抗体、あるいは病原性大腸菌の中でO抗原26、86、55、111、157 などに対する抗体等を使用することができる。
酵素としては、測定対象物又は測定対象物から代謝される物質に対して活性を示すものであれば、特に限定されることなく、種々の酵素、例えば酸化還元酵素、加水分解酵素、異性化酵素、脱離酵素、合成酵素等を使用することができる。具体的には、測定対象物がグルコースであれば、グルコースオキシダーゼを、測定対象物がコレステロールであれば、コレステロールオキシダーゼを使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラック等を測定対象物とする場合には、それらから代謝される物質と特異的反応を示す、例えばアセチルコリンエステラーゼ、カテコールアミンエステラーゼ、ノルアドレナリンエステラーゼ、ドーパミンエステラーゼ等の酵素を使用することができる。
微生物としては、特に限定されることなく、大腸菌をはじめとする種々の微生物を使用することができる。
核酸としては、測定の対象とする核酸と相補的にハイブリダイズするものを使用することができる。核酸は、DNA(cDNAを含む)、RNAのいずれも使用できる。DNAの種類は特に限定されず、天然由来のDNA、遺伝子組換え技術により調製した組換えD
NA、又は化学合成DNAの何れでもよい。
低分子有機化合物としては通常の有機化学合成の方法で合成することができる任意の化合物が挙げられる。
非免疫蛋白質としては、特に限定されることなく、例えばアビジン(ストレプトアビジン)、ビオチン又はレセプターなどを使用できる。
免疫グロブリン結合性蛋白質としては、例えばプロテインAあるいはプロテインG、リウマチ因子(RF)等を使用することができる。
糖結合性蛋白質としては、レクチン等が挙げられる。
脂肪酸あるいは脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ステアリン酸エチル、アラキジン酸エチル、ベヘン酸エチル等が挙げられる。
上記のようにして生理活性物質を固定化したバイオセンサーは、当該生理活性物質と相互作用する物質の検出及び/又は測定のために使用することができる。
本発明では、センサー用基板に固定化されている生理活性物質と被験物質との相互作用を非電気化学的方法により検出及び/又は測定することが好ましい。非電気化学的方法としては、表面プラズモン共鳴(SPR)測定技術、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した測定技術などが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明のバイオセンサーは、例えば、透明基板上に配置される金属膜を備えていることを特徴とする表面プラズモン共鳴用バイオセンサーとして用いることができる。
表面プラズモン共鳴用バイオセンサーとは、表面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用されるバイオセンサーであって、該センサーより照射された光を透過及び反射する部分、並びに生理活性物質を固定する部分とを含む部材を言い、該センサーの本体に固着されるものであってもよく、また脱着可能なものであってもよい。
表面プラズモン共鳴の現象は、ガラス等の光学的に透明な物質と金属薄膜層との境界から反射された単色光の強度が、金属の出射側にある試料の屈折率に依存することによるものであり、従って、反射された単色光の強度を測定することにより、試料を分析することができる。
表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、被測定物質の特性を分析する表面プラズモン測定装置としては、Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げ
られる(例えば特開平6−167443号公報参照)。上記の系を用いる表面プラズモン測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料液などの被測定物質に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを入射角を変化させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の変化に従って、反射角が変化
する光ビームを、上記反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
上記構成の表面プラズモン測定装置において、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角で入射させると、該金属膜に接している被測定物質中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と被測定物質との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角、すなわち全反射減衰角(θSP)より表面プラズモンの波数が分かると、被測定物質の誘電率が求められる。この種の表面プラズモン測定装置においては、全反射減衰角(θSP)を精度良く、しかも大きなダイナミックレンジで測定することを目的として、特開平11−326194号公報に示されるように、アレイ状の光検出手段を用いることが考えられている。この光検出手段は、複数の受光素子が所定方向に配設されてなり、前記界面において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設されたものである。
そしてその場合は、上記アレイ状の光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子の配設方向に関して微分する微分手段が設けられ、この微分手段が出力する微分値に基づいて全反射減衰角(θSP)を特定し、被測定物質の屈折率に関連する特性を求めることが多い。
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似の測定装置として、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モ
ード測定装置も知られている。この漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料液に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
上記構成の漏洩モード測定装置において、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の被測定物質の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、被測定物質の屈折率や、それに関連する被測定物質の特性を分析することができる。
なおこの漏洩モード測定装置においても、全反射減衰によって反射光に生じる暗線の位置を検出するために、前述したアレイ状の光検出手段を用いることができ、またそれと併せて前述の微分手段が適用されることも多い。
また、上述した表面プラズモン測定装置や漏洩モード測定装置は、創薬研究分野等において、所望のセンシング物質に結合する特定物質を見いだすランダムスクリーニングへ使用されることがあり、この場合には前記薄膜層(表面プラズモン測定装置の場合は金属膜であり、漏洩モード測定装置の場合はクラッド層および光導波層)上に上記被測定物質としてセンシング物質を固定し、該センシング物質上に種々の被検体が溶媒に溶かされた試料液を添加し、所定時間が経過する毎に前述の全反射減衰角(θSP)の角度を測定している。
試料液中の被検体が、センシング物質と結合するものであれば、この結合によりセンシング物質の屈折率が時間経過に伴って変化する。したがって、所定時間経過毎に上記全反射減衰角(θSP)を測定し、該全反射減衰角(θSP)の角度に変化が生じているか否か測定することにより、被検体とセンシング物質の結合状態を測定し、その結果に基づいて被検体がセンシング物質と結合する特定物質であるか否かを判定することができる。このような特定物質とセンシング物質との組み合わせとしては、例えば抗原と抗体、あるいは抗体と抗体が挙げられる。具体的には、ウサギ抗ヒトIgG抗体をセンシング物質として薄膜層の表面に固定し、ヒトIgG抗体を特定物質として用いることができる。
なお、被検体とセンシング物質の結合状態を測定するためには、全反射減衰(θSP)の角度そのものを必ずしも検出する必要はない。例えばセンシング物質に試料液を添加し、その後の全反射減衰角(θSP)の角度変化量を測定して、その角度変化量の大小に基づいて結合状態を測定することもできる。前述したアレイ状の光検出手段と微分手段を全反射減衰を利用した測定装置に適用する場合であれば、微分値の変化量は、全反射減衰角(θSP)の角度変化量を反映しているため、微分値の変化量に基づいて、センシング物質と被検体との結合状態を測定することができる(本出願人による特願2000−398309号参照)。このような全反射減衰を利用した測定方法および装置においては、底面に予め成された薄膜層上にセンシング物質が固定されたカップ状あるいはシャーレ状の測定チップに、溶媒と被検体からなる試料液を滴下供給して、上述した全反射減衰角(θSP)の角度変化量の測定を行っている。
さらに、ターンテーブル等に搭載された複数個の測定チップの測定を順次行うことにより、多数の試料についての測定を短時間で行うことができる全反射減衰を利用した測定装置が、特開2001−330560号公報に記載されている。
本発明のバイオセンサーを表面プラズモン共鳴分析に使用する場合、上記したような各種の表面プラズモン測定装置の一部として適用することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:
本実施例は、タンパク質を固定するためのセンサーチップの作製に関するものである。
(1)試料1(比較例1)の作成
カルボキシメチルデキストランが結合した表面として、Biacore社センサーチップCM-5
(research grade)を、そのまま試料1として用いた。
(2)試料2(比較例2)の作成
(2−1)OH基を有する基板の作成
センサーチップ上に金膜のみが形成されている表面として、Biacore社センサーチップAuを用いて実験を行った。センサーチップAuを12分間、UVオゾン処理を行った後、5.0mMの16-ヒドロキシヘキサデカンチオール(Frontier Scientific社製)を溶解したエタノール/水(80/20)混合溶液中に浸漬し、40℃の振盪インキュベーターで20分間インキュベートした後、水で5回、50mlのエタノール/水(80/20)で5回、50mlの水で5回洗浄した。
(2−2)エピクロロヒドリンによる処理
20mlの0.4M水酸化ナトリウム、20mlのジエチレングリコールジメチルエーテル、2.0ml
のエピクロロヒドリンの混合溶液中に、上記基板を浸漬し、25℃の振盪インキュベーター中で4時間反応後、50mlのエタノールで2回、50mlの水で5回洗浄した。
(2−3)デキストランによる処理
水40.5ml、デキストラン(T500, Pharmacia)13.5g、1M水酸化ナトリウム4.5mlの混合溶液中に、上記基板を浸漬し、25℃の振盪インキュベーターで20時間反応後、50mlの50℃の水で15回洗浄した。
(2−4)ブロモ酢酸による処理
ブロモ酢酸3.5g、2M水酸化ナトリウム溶液27gの混合溶液中に、上記基板を浸漬し、28℃の振盪インキュベーターで16時間反応後、水洗した。再度、ブロモ酢酸溶液による16時間反応、水洗を行い、試料2を得た。
(3)試料3(本発明)の作成
(3−1)アミノ基を有する基板の作成
センサーチップ上に金膜のみが形成されている表面として、Biacore社センサーチップAuを用いて実験を行った。センサーチップAuを12分間、UVオゾン処理を行った後、8mLのエタノールと2mLの超純水に45μmol の11-Hydroxy-1-undecanethiol(Aldrich社製)と4μmol の16-Mercaptohexadecanoic acid(Aldrich社製)を溶解させた溶液中で40℃1時間反応させ、エタノールで1回、超純水で1回洗浄した。上記基板上にEDC(0.4M) /
NHS(0.1M)混合溶液を100 μl滴下し、室温で15 分反応させ活性化した後、超純水で1回洗浄した。上記基板に1,2-ビス(アミノエトキシ)エタンを50 μl滴下し、室温で1 時間反応させた後、超純水で1回洗浄した。
(3−2)CMDの活性エステル化
超純水に0.5重量%となるようにCMD(名糖産業製:分子量100万)を溶解した後、全量反応した場合にカルボキシル基の2%が活性化される計算量のEDC(1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide)(0.4M)/NHS(N-Hydroxysuccinimide)(0.1M)混合溶液を加え、室温で5分間攪拌した。
(3−3)活性エステル化CMDの基板への結合
(3−1)で作成された基板の上に、(3−2)で作成された活性エステル化されたCMD溶液を200 μl滴下し、7000 rpmで45秒スピンコートすることで、アミノ基を有する基
板上に活性エステル化されたカルボキシメチルデキストラン薄膜を形成させた。室温で1 時間反応させた後、0.1 N NaOHで1回、超純水で1回洗浄することで、試料3を得た。
実施例2
本実施例は、実施例1で得られたセンサーチップに対するタンパク質の固定に関するものである。タンパク質としては、CA(Carbonic Anhydrase:SIGMA社製)を用いた。用い
たCAは、ATTO社のAE-8150を用いた電気泳動実験で、同時測定したマーカー(Broad pI Kit, pH 3.5-9.3:Amersham Biosciences社製)との比較から、等電点が5.8程度であることを確認した。1mgのCAを1mlのHBS-EPバッファー(ビアコア社製、0.01M HEPES pH7.4, 0.15M NaCl, 0.005%Surfactant P20, 3mM EDTA)に溶解した溶液を10μl秤量し、90μlの酢酸バッファー(ビアコア社製、pH5.0)を加えることで、0.1mg/mlのCA溶液(pH5.0,
0.1mg/ml)を調整した。
実施例1で作成した試料1〜3をBiacore社製の表面プラズモン共鳴装置であるBiacore3000にセットし、0.4MのEDCおよび0.1MのNHSを含む水溶液、CA溶液(pH5.0, 0.1mg/ml)、エタノールアミン溶液(ビアコア社)を、各々5分間流した後、10mM NaOHを1分間×2回流した場合の固定化について検討した。ランニングバッファーはHBS-Nバッファー(ビアコア社製、0.01M HEPES pH7.4、0.15M NaCl)を用いた。得られたセンサーグラムを図2に示す。
CA固定量は各々、7757RU(試料1)、16487RU(試料2)、35309RU(試料3)、であった。市販のCMD結合表面や従来作成法により作成されたCMD結合表面よりもタンパク固定量大きなCMD結合表面が、本発明により簡便に作成可能であることが証明された。
実施例3
本実施例は、実施例1で得られたセンサーチップに対する、低分子化合物の非特異吸着に関するものである。低分子化合物としては、Cyclin-Dependent Kinasesのinhibitorで
あるCGP74514、および界面活性剤であるTween20を選択し、センサーチップ表面への非特
異吸着抑制能について検討した。各試料に、CGP74514(50μM)を2分、その後Tween20(0.005wt%)を2分流した場合に得られたセンサーグラムを図3に示す。
市販のCMD結合表面である試料1にはCGP74514およびTween20が非特異吸着するのに対し、試料2、3に対してはCGP74514、Tween20ともに非特異吸着がほとんど認められない。このことから、市販のCMD結合表面よりも低分子化合物の非特異吸着抑制能に優れたCMD結合表面が、本手法により簡便に作成可能であることが証明された。
実施例4
本実施例は、スピンコートするCMD濃度を変化させた場合における、センサーチップの
作成に関するものである。
(1)試料4(実施例)の作成
CMD濃度を0.2%に変更した以外は試料3と同様の操作を行うことで、試料4を得た。
(2)試料5(実施例)の作成
CMD濃度を0.1%に変更した以外は試料3と同様の操作を行うことで、試料5を得た。
(3)試料6(実施例)の作成
CMD濃度が0.08%に変更した以外は試料3と同様の操作を行うことで、試料6を得た。
(4)試料7(実施例)の作成
CMD濃度が0.05%に変更した以外は試料3と同様の操作を行うことで、試料7を得た。
(5)試料8(実施例)の作成
CMD濃度が0.02%に変更した以外は試料3と同様の操作を行うことで、試料8を得た。
実施例5
本実施例は、実施例1および実施例4で得られたセンサーチップに対するタンパク質のプレコンセントレーションに関するものである。タンパク質としては、BSA(Bovine
Serum Albumin:SIGMA社製)を用いた。用いたBSAは、ATTO社のAE-8150を用いた電気泳動実験で、同時測定したマーカー(Broad pI Kit, pH 3.5-9.3:Amersham Biosciences社製)との比較から、等電点が6.1程度であることを確認した。1mgのBSAを1mlのHBS-EPバッファー(ビアコア社製、pH7.4)に溶解した溶液を10μl秤量し、90μlの酢酸バッファー(ビアコア社製、pH5.0)を加えることで、0.1mg/mlのBSA溶液(pH5.0, 0.1mg/ml)を調整した。
実施例1および実施例4で作成した試料1〜8をBiacore社製の表面プラズモン共鳴装
置であるBiacore3000にセットし、BSA溶液(pH5.0, 0.1mg/ml)を5分間流した場合のプ
レコンセントレーションについて検討した。得られた結果を表1に要約する。
Figure 2008096412
スピンコートする活性エステル化CMD溶液の濃度を制御することにより、タンパク質の
プレコンセントレーション量の制御が可能であることが証明された。高い濃度の活性エステル化CMD溶液から得られたスピンコート薄膜ほど、基板表面に固定されるCMD量が増加するために、結果的にタンパク質のプレコンセントレーション量が増加すると考察される。
実施例6
本実施例は、CMD以外のカルボンキシル基含有ポリマーの基板表面への結合に関するも
のである。
(1)試料9(実施例)の作成
ポリマーをCMDからアルギン酸ナトリウム500〜600(和光純薬)に変更した以外は試料
3と同様の操作を行うことで、試料9を得た。
実施例7
本実施例は、実施例1および実施例6で得られたセンサーチップに対するタンパク質のプレコンセントレーションに関するものである。タンパク質としてCAを用い、実施例2と同様の操作で、CAの固定について検討した。結果を図4に示す。
活性エステル化されたアルギン酸ナトリウムを結合した基板表面に結合させた場合でも、市販のCMD結合表面と同等以上のタンパク質固定能を有することから、本発明がCMD以外のカルボンキシル基含有ポリマーの基板表面への結合にとっても有効であることが証明された。
実施例8
本実施例は、実施例1および実施例6で得られたセンサーチップに対する、低分子化合物の非特異吸着に関するものである。実施例3と同様の操作で、低分子化合物であるCGP74514とTween20の、センサーチップ表面への非特異吸着抑制能について検討した。得られたセンサーグラムを図5に示す。
実施例3と同様に、本発明に基づき作成した試料9は、市販のCMD結合表面である試料
1と比較して、低分子化合物の非特異吸着抑制能に優れることから、CMD以外のカルボ
キシル基含有ポリマーを用いた場合にも、市販のCMD結合表面よりも低分子非特異吸着抑
制能に優れる表面が、簡便に作成可能であることが証明された。
実施例9
水溶解性の高いSAM化合物を用いて蛋白を固定できるヒドロゲル膜を作成し、蛋白質の
固定量、および非特異吸着性能を評価した。
(1)基板の作成
6-Hydroxy-1-undecanethiol(Aldrich社製)と8-Amino-1-octanethiol, hydrochloride(同仁化学社製)の混合水溶液(6-Hydroxy-1-undecanethiol 4.995mM /8-Amino-1-octanethiol, hydrochloride 0.005mM)を作成した。この溶液をA液と呼ぶ。
次に、ゼオネックス(日本ゼオン社製)を射出成型して得られたプラスチックプリズムの上面に以下の方法で金薄膜を製膜した。スパッタ装置の基板ホルダにプリズムを取付け、真空(ベースプレッシャー1×10-3Pa以下)に引いてからArガスを導入し(1Pa)、基板ホルダを回転(20rpm)させながら、基板ホルダにRFパワー(0.5kW)を約9分間印加してプリズム表面をプラズマ処理する。次に、Arガスを止めて真空に引き、Arガスを再び導入し(0.5Pa)、基板ホルダを回転(10〜40rpm)させながら、8inchのCrターゲットにDCパワー(0.2kW)を約30秒間印加して2nmのCr薄膜を成膜する。次に。Arガスを止めて再び真空に引き、Arガスを再び導入し、(0.5Pa)、基板ホルダを回転(20rpm)させながら、8inchのAuターゲットにDCパワー(1kW)を約50秒間印加して50nm程度のAu薄膜を成膜する。
上記で得られたAu薄膜を成膜したセンサースティックを、A液に40℃1時間浸漬し、超純水で10回洗浄した。
(2)CMD(カルボキシメチルデキストラン)の活性エステル化
0.1重量%のCMD(名糖産業製:分子量100万)溶液4.95mlを溶解した後、全量反応した場合にカルボキシル基の2%が活性化される計算量のEDC(1-Ethyl-3-[3-Dimethylaminopropyl]carbodiimide Hydrochloride)(0.4M) / NHS(N-hydroxysulfosuccinimide)(0.1M)混合溶液50μlを加え、室温で攪拌した。
(3)CMDの基板への結合反応
(1)で作成された基板の上に、(2)で作成された活性エステル化されたCMD溶液を500μl滴下し、1000 rpmで45 秒スピンコートすることで、アミノ基を有する基板上に活性エステル化されたカルボキシメチルデキストラン薄膜を形成させた。室温で1 時間反応させた後、0.1 N NaOHで5回、超純水で5回洗浄することで、試料1を得た。
実施例10
実施例10は、実施例9で得られたセンサー試料に対する蛋白質の固定に関するものである。蛋白質としては、CA(Carbonic Anhydrase:SIGMA社製)を用いた。
実施例9で作成した試料1を、表面プラズモン共鳴装置にセットした。PBSバッファーを注入し、ベースラインを確認した後(この時の共鳴角を基準点とする)、0.2MのEDC(1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide)および50mMのNHS (N-Hydroxysuccinimide)を含む水溶液を注入し7分静置、次にPBSバッファーを注入し1分静置、次に0.1mg/ml のCA溶液(酢酸バッファーpH5.0)を注入し15分静置、次にPBSバッファーを注入し1分静置、次に1Mエタノールアミン溶液(ビアコア社)を注入し7分静置、次にPBSバッファーを注入し1分静置、次に10mM NaOHを注入し1分静置を3回行い、最後にPBSバッファーを注入し1分静置し、この時の共鳴角と原点の共鳴角の差をCA固定量とした。ここで共鳴角1/10000度を1RUと表す。
CA固定量は、5200RUであった。水溶性の高いSAM化合物を用いて作成した表面においても、多量の蛋白質を固定化できることがわかった。
実施例11
実施例11は、実施例9で得られたセンサー試料に対する、低分子化合物の非特異吸着に関するものである。低分子化合物としては、Cyclin-Dependent KinasesのinhibitorであるCGP74514、および界面活性剤であるTween20を選択し、センサー試料表面への非特異吸着抑制能について検討した。
実施例9で作成した試料1を表面プラズモン共鳴装置にセットした。PBSバッファーを注入し、ベースラインを確認した後(この時の共鳴角を基準点とする)、CGP74514のPBSバッファー溶液(50μM)あるいは、Tween20のPBSバッファー溶液(0.005重量%)を注入し2分静置、最後にPBSバッファーを注入し2分静置し、この時の共鳴角と原点の共鳴角の差を非特異吸着量とした。
試料1に対する非特異吸着量は、CGP74514が3RU、Tween20が5RUであった。水溶性の高いSAM化合物を用いて作成した表面においても、低分子化合物の非特異吸着を抑制できることがわかった。
実施例12
水溶解性の高いSAM化合物を用いて蛋白を固定できるヒドロゲル膜を作成し、蛋白質の固定量を評価した。
(1)基板の作成
6-Amino-1-Hexanethiol, hydrochloride(同仁化学社製)の1mM水溶液を作成した。この溶液をA液と呼ぶ。
次に、ゼオネックス(日本ゼオン社製)を射出成型して得られたプラスチックプリズムの上面に以下の方法で金薄膜を製膜した。
スパッタ装置の基板ホルダにプリズムを取付け、真空(ベースプレッシャー1×10−3-3Pa以下)に引いてからArガスを導入し(1Pa)、基板ホルダを回転(20rpm)させながら、基板ホルダにRFパワー(0.5kW)を約9分間印加してプリズム表面をプラズマ処理(基板エした。次に、Arガスを止めて真空に引き、Arガスを再び導入し(0.5Pa)、基板ホルダを回転(10〜40rpm)させながら、8inchのCrターゲットにDCパワー(0.2kW)を約30秒間印加して2nmのCr薄膜を成膜した。次に、Arガスを止めて再び真空に引き、Arガスを再び導入し、(0.5Pa)、基板ホルダを回転(20rpm)させながら、8inchのAuターゲットにDCパワー(1kW)を約50秒間印加して50nm程度のAu薄膜を成膜した。
上記で得られたAu薄膜を成膜したBセンサースティックを、A液に40℃1時間浸漬し、超純水で5回洗浄した。
(2)CMD(カルボキシメチルデキストラン)の活性エステル化
1重量%のCMD(名糖産業製:分子量100万、置換度0.65)溶液10g(カルボキシル基量:3.3×10-2mol)を溶解した後、表2に記載された量のカルボジイミド誘導体であるEDC(1-Ethyl-3-[3-Dimethylaminopropyl]carbodiimide Hydrochloride)、及び表2に記載された種類と量の水酸基を有する含窒素化合物(NHS(N-Hydroxysuccinimide)又は HOBt (1-Hydroxybenzotriazole))の混合水溶液10mlを加え、室温で1時間攪拌した。
(3)CMDの基板への結合反応
(1)で作成された基板の上に、(2)で作成された活性エステル化されたCMD溶液を1ml滴下し、1000 rpmで45 秒スピンコートすることで、アミノ基を有する基板上に活性エステル化されたカルボキシメチルデキストラン薄膜を形成させた。室温で15分間反応させた後、1 N NaOH水溶液に30分浸漬し、超純水で5回洗浄することで、試料1−A〜8−Aを得た。
また、活性エステル化反応開始から65分(B)、70分(C)、75分(D)、80分(E)後にも上記と同様のスピンコートを行い、反応後も同様の処理を行うことで、試料1−B〜8−B、試料1−C〜8−C、試料1−D〜8−D、並びに試料1−E〜8−Eを得た。
比較例3
(i)OH基を有する基板の作成
16-Hydroxy-1-hexadecanethiol(Frontier Scientific社製)の5mM溶液(エタノール/水=8/2)を作成した。この溶液をB液と呼ぶ。次に、実施例12と同様にしてセンサースティックに50nmの金膜を形成し、B液に40℃60分間浸漬し、エタノールで5回、50mlのエタノール/水(80/20)で1回、50mlの超純水で5回洗浄した。
(ii)エピクロロヒドリンによる処理
20mlの0.4M水酸化ナトリウム、20mlのジエチレングリコールジメチルエーテル、2.0mlのエピクロロヒドリンの混合溶液中に、上記基板を浸漬し、25℃の振盪インキュベーター中で4時間反応後、50mlのエタノールで2回、50mlの水で5回洗浄した。
(iii)デキストランによる処理
水40.5ml、デキストラン(T500, Pharmacia)13.5g、1M水酸化ナトリウム4.5mlの混合溶液中に、上記基板を浸漬し、25℃の振盪インキュベーターで20時間反応後、50mlの50℃の水で15回洗浄した。
(iv)ブロモ酢酸による処理
ブロモ酢酸3.5g、2M水酸化ナトリウム溶液27gの混合溶液中に、上記基板を浸漬し、28℃の振盪インキュベーターで16時間反応後、水洗した。再度、ブロモ酢酸溶液による16時間反応、水洗を行い、試料9を得た。
実施例13
実施例13は、実施例12および比較例3で得られたセンサー試料に対する蛋白質の固定に関するものである。蛋白質としては、CA(Carbonic Anhydrase:SIGMA社製)を用いた。
実施例12および比較例3で作成した試料1〜9を、表面プラズモン共鳴装置にセットした。PBSバッファーを注入し、ベースラインを確認した後(この時の共鳴角を基準点とする)、0.2MのEDC(1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide)および50mMのNHS (N-Hydroxysuccinimide)を含む水溶液を注入し7分静置、次にPBSバッファーを注入し1分静置、次に0.1mg/ml のCA溶液(酢酸バッファーpH5.0)を注入し15分静置、次にPBSバッファーを注入し1分静置、次に1Mエタノールアミン溶液(ビアコア社)を注入し7分静置、次にPBSバッファーを注入し1分静置、次に10mM NaOHを注入し1分静置を3回行い、最後にPBSバッファーを注入し1分静置し、この時の共鳴角と原点の共鳴角の差をCA固定量とした。ここでは、DMSO1%あたりの共鳴角の差を1500RVと表す。
試料1〜8におけるA〜Eの平均CA固定量とCV値(変動係数:%)、試料9におけるCA固定量を表2に示す。本発明の表面において、簡便な方法で多量の蛋白質を固定化できることがわかった。ここで、CV値とは、変動係数(Coefficient of Variation)のことであり、標準偏差(分散の平方根)を平均で割った値を表す。CV値が小さいほどそのバラツキ度合いが小さく好ましい。
Figure 2008096412
実施例14
水溶解性の高いSAM化合物を用いて蛋白を固定できるヒドロゲル膜を作成し、蛋白質の固定量、および非特異吸着性能を評価した。
(1)基板の作成
6-Amino-1-octanethiol, hydrochloride(同仁化学社製)の1mM水溶液を作成した。この溶液をA液と呼ぶ。
次に、ゼオネックス(日本ゼオン社製)を射出成型して得られたプラスチックプリズムの上面に以下の方法で金薄膜を製膜した。スパッタ装置の基板ホルダにプリズムを取付け、真空(ベースプレッシャー1×10−3-3Pa以下)に引いてからArガスを導入し(1Pa)、基板ホルダを回転(20rpm)させながら、基板ホルダにRFパワー(0.5kW)を約9分間印加してプリズム表面をプラズマ処理する。次に、Arガスを止めて真空に引き、Arガスを再び導入し(0.5Pa)、基板ホルダを回転(10〜40rpm)させながら、8inchのCrターゲットにDCパワー(0.2kW)を約30秒間印加して2nmのCr薄膜を成膜する。次に。Arガスを止めて再び真空に引き、Arガスを再び導入し、(0.5Pa)、基板ホルダを回転(20rpm)させながら、8inchのAuターゲットにDCパワー(1kW)を約50秒間印加して50nm程度のAu薄膜を成膜する。
上記で得られたAu薄膜を成膜したBセンサースティックを、A液に40℃1時間浸漬し、超純水で5回洗浄した。
(2)CMD(カルボキシメチルデキストラン)の活性化
1重量%のCMD(名糖産業製:平均分子量100万、糖1ユニット当たりのカルボキシメチル基置換度0.65)溶液10gを調製した後、カルボジイミド誘導体であるEDC(1-Ethyl-3-[3-Dimethylaminopropyl]carbodiimide Hydrochloride)の0.4M水溶液0.5mlと、超純水9.5mlを加え、室温で5分間攪拌した。
(3)CMDの基板への結合反応
(1)で作成された基板の上に、(2)で作成した活性化されたCMD溶液を200μl滴下後、ブレードで引き伸ばし、アミノ基を有する基板上に活性エステル化されたカルボキシメチルデキストラン膜を形成させた。25℃10%RH室温で60分間反応させた後、1 N NaOH水溶液に60分浸漬し、超純水で15回洗浄することで、試料1を得た。
実施例15
実施例10と同様の方法で、実施例14で得られたセンサー試料を評価した。CA固定量は、6300RUであった。
実施例16
実施例11と同様の方法で、実施例14で得られたセンサー試料を評価した。非特異吸着量は、CGP74514が2RU、Tween20が4RUであった。
センサユニットの概略構成を示す分解斜視図である。 図2は、実施例1で得られたセンサーチップに対するタンパク質の固定を示すセンサーグラムである。 図3は、実施例1で得られたセンサーチップに対する低分子化合物の非特異吸着を示すセンサーグラムである。 図4は、実施例1および実施例6で得られたセンサーチップに対するタンパク質のプレコンセントレーションを示すセンサーグラムである。 図5は、実施例1および実施例6で得られたセンサーチップに対する低分子化合物の非特異吸着を示すセンサーグラムである。
符号の説明
10 センサユニット
20 全反射プリズム(光学ブロック)
21 プリズム本体
21a 上面
22 把持部
22a 溝
23 突出部
25 金属膜(薄膜層)
26 ポリマー膜
27 系合爪
28 係合部
28a 系合面
29a 基準平面
30 流路部材
31 第1流路
32 第2流路
33 本体部
34 取付部
35 系合孔
36 開口
SS1 センサ面
SS2 センサ面

Claims (24)

  1. アミノ基を有する有機層で被覆した基板表面に、活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを接触させて、該有機層に該ポリマーを結合させることを特徴とする、バイオセンサーの製造方法。
  2. 活性化されたカルボキシル基が、活性エステル化されたカルボキシル基である、請求項1に記載の方法。
  3. 基板が金属表面または金属膜である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. アミノ基を有する有機層で被覆した基板表面が、アミノ基を有するアルカンチオールで被覆した基板表面である、請求項1から3の何れかに記載の方法。
  5. アミノ基を有するアルカンチオールが、アルキル鎖を介してチオール基とアミノ基が連結している化合物、又は末端にカルボキシル基を有するアルカンチオールとヒドラジドまたはジアミンとの反応により得られる化合物のいずれかである、請求項4に記載の方法。
  6. アミノ基を有する有機層で被覆した基板表面が、アミノ基を有するアルカンチオールと親水性基を有するアルカンチオールとの混合物で被覆した基板表面である、請求項1から5の何れかに記載の方法。
  7. 親水性基を有するアルカンチオールの該親水性基が、水酸基あるいはオリゴエチレングルコール基である、請求項6に記載の方法。
  8. アミノ基を有するアルカンチオールの分子長が、親水基を有するアルカンチオールの分子長よりも長い、請求項6又は7に記載の方法。
  9. カルボキシル基を含有するポリマーが多糖類である、請求項1から8の何れかに記載の方法。
  10. 活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーを、基板上に薄膜を形成させた状態で、アミノ基を有する有機層と反応させる、請求項1から9の何れかに記載の方法。
  11. 活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーが、カルボキシル基を含有するポリマーを、カルボジイミド誘導体、含窒素化合物、又はフェノール誘導体で活性化することにより得られたものである、請求項1から10の何れかに記載の方法。
  12. カルボジイミド誘導体が水溶性である、請求項11に記載の方法。
  13. カルボジイミド誘導体が化合物の何れかである、請求項11又は12に記載の方法。
    Figure 2008096412
  14. 含窒素化合物が下記一般式(Ia)又は(Ib):
    Figure 2008096412
    [式中、R1及びR2は、互いに独立して置換基を有しても良いカルボニル基、炭素原子、窒素原子を表し、R1及びR2は結合により5〜6員環を形成しても良く、Aは置換基を有する炭素原子またはリン原子を表し、Mは(n-1)価の元素を表し、Xはハロゲン原子を表す]で表される化合物である、請求項11に記載の方法。
  15. 含窒素化合物が、下記一般式(II):
    Figure 2008096412
    [式中、Y及びZは、互いに独立して、CHまたは窒素原子を表す]で表される化合物である、請求項11に記載の方法。
  16. フェノール誘導体が、電子吸引性基を有する化合物である、請求項11に記載の方法。
  17. フェノール誘導体の電子吸引性基のσ値が0.3以上である、請求項16に記載の方法。
  18. カルボキシル基を含有するポリマーを活性化する際に、カルボジイミド誘導体と含窒素化合物、又はカルボジイミド誘導体とフェノール誘導体を併用する、請求項11に記載の方法。
  19. 活性化されたカルボキシル基を含有するポリマーが、カルボキシル基を含有するポリマーを、下記モルホリン誘導体を用いて活性化することにより得られたものである、請求項1から10の何れかに記載の方法。
    Figure 2008096412
  20. ポリマー中のカルボキシル基に対するカルボジイミド誘導体、又はモルホリン誘導体の混合モル比が1×10-4〜1である、請求項11から13の何れかに記載の方法。
  21. ポリマー中のカルボキシル基に対する含窒素化合物の混合モル比が1×10-7〜1である、請求項11、14又は15に記載の方法。
  22. 請求項1から21の何れかに記載の方法により製造される、バイオセンサー。
  23. 非電気化学的検出に使用される、請求項22に記載のバイオセンサー。
  24. 表面プラズモン共鳴分析に使用される、請求項22又は23に記載のバイオセンサー。
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